JP5829964B2 - 非接触icカード - Google Patents

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本発明は、インレットの表裏両面に複数のコアシートと外装シートがラミネートしてある多層ラミネート構造の非接触ICカードに関する。インレットは、アンテナシートにICチップを実装し、さらにICチップの表面に補強板を固定して構成してある。
この種の多層ラミネート構造のICカードは、例えば特許文献1に公知である。そこでは、厚みが50μmの絶縁基板(PETフィルム)の上面にアンテナパターンを形成し、同パターンの端部に導電膜(チップ用接着材)を介してICチップを実装している。さらに、ICチップの上面に封止剤を塗布したのち補強板を封止剤に押付けて流動させ、ICチップの周囲を封止剤で覆った状態で封止剤を熱硬化している。この状態のカードブランク(以下、インレットと言う。)の上面および下面に、厚みが250μmのコアシートを積層し、コアシートの上面および下面に厚みが100μmの外装シートをさらに積層したのち、積層されたシート全体をプレス機で加熱しながら加圧して一体化している。特許文献1には、上記の補強板に加えて、ICチップの実装位置と正対する絶縁基板の裏面側に封止剤を塗布し、その裏面に補強板を固定したICカードも提案されている。
本出願人の提案に係るICカードにおいては、さらに多数枚のシートを積層してICカードを構成している(特許文献2)。そこでは、ベースシートの上面側に、アンテナシートと、インナーシートと、クリアシートとを積層し、ベースシートの下面側にバランスシートとクリアシートを積層したのち、積層されたシート全体に熱と圧力を加えて一体化している。得られたラミネート体に切削加工を施して装填凹部を形成し、この装填凹部にICモジュールを嵌込んで接着固定している。ICモジュールは、端子基板の内面にICチップを固定し、端子基板の表面に接触端子を固定して構成してあり、カードリーダーに対して非接触状態と、接触端子を介して接触した状態との、いずれの状態でも通信を行なえるようにしてある。
特開2004−192568号公報(段落番号0057〜0060、図2) 特開2004−005093号公報(段落番号0021、図1)
特許文献1のICチップの片面を補強板で補強したICカードによれば、補強板を付加することによりICカードの点圧強度を向上できる。しかし、ICチップが埋設されたカードの裏面側(ICチップが固定されていない側の面)に点圧が作用する場合に、ICチップに荷重が集中してひび割れを生じ機能不全に陥りやすい。
その点、ICチップの両面を一対の補強板で補強した特許文献1のICカードの場合には、ICチップの埋設部分に点圧が作用しても、点圧荷重を補強板で分散させることができるので、ICチップにひび割れ等が生じるのを良く防止できる。しかし、ICチップの表裏両面に補強板を配置する分だけインレットの厚みが増加するため、ICチップの埋設部分のカード表面に小さな段差が生じるのを避けられず、ICカードの表面に印刷を施した場合に、文字や絵柄が歪むなど印刷品質が低下するのを避けられない。
特許文献2のICカードは、端子基板の内面側にICチップを固定するので、ICチップの表面側を端子基板および接触端子で補強でき、さらに、ICチップの裏面側をラミネート体で補強できる。そのため、ICチップが点圧加重を受けて機能不全に陥るのを防止できる。しかし、ラミネート体に切削加工を施して装填凹部を形成する必要があり、また、アンテナシートとは別にICモジュールを用意する必要があるので、カード全体の構造が複雑になりコストが嵩むのを避けられない。
本発明の目的は、点圧荷重によるICチップの機能不全を確実に防止でき、しかも、ICカードの表面に小さな段差が生じるのを解消して印刷品質を保持でき、さらに、カード構造を簡素化して全体コストを削減できる非接触ICカードを提供することにある。
本発明に係る非接触ICカードは、インレット1の表裏両面に複数のコアシート2・3・4と外装シート6・7をラミネートして構成して多層ラミネート構造に構成してある。インレット1は、アンテナシート10のアンテナコイル11にICチップ12を固定し、さらにICチップ12の表面側に補強板13を配置して構成する。ICチップ12および補強板13は、インレット1の表面側に積層される第2コアシート3に設けたチップ埋設穴8に収容する。アンテナシート10の裏に積層した第3コアシート4の厚みC3を、第2コアシート3の表側に積層した第1コアシート2の厚みC1より小さく設定して、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4の側へ偏寄する位置に配置してあることを特徴とする。
第2コアシート3の厚みC2は、アンテナシート10に実装されたICチップ12と補強板13との合計厚みTと同じか、これより僅かに大きく設定する。
ICチップ12の厚みをBとするとき、第1コアシート2の厚みC1を、ICチップ12の厚みBの2倍の値と同じか、これより大きく設定する(2×B<=C1)。第3コアシート4の厚みC3を、ICチップ12の厚みBの半分の値と同じか、これより大きく設定し、かつ、ICチップ12の厚みBの3倍の値より小さく設定する(0.5×B<=C3<3×B)。
ICチップ12の厚みをB、補強板13の厚みをGとするとき、補強板13の厚みGを、ICチップ12の厚みBと同じかこれより大きく設定する(B<=G)。
アンテナシート10に実装されたICチップ12と補強板13との合計厚みをTとするとき、第3コアシート4の厚みC3が、合計厚みTの半分の値と同じか、これより大きく設定する(0.5×T<=C3)。
本発明においては、インレット1の表裏両面に複数のコアシート2・3・4と外装シート6・7をラミネートして非接触ICカードを多層ラミネート構造に構成した。また、アンテナシート10の裏に積層した第3コアシート4の厚みC3を、第2コアシート3の表側に積層した第1コアシート2の厚みC1より小さく設定して、ICチップ12をICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4の側へ偏寄する位置に配置した。
以上のように構成した本発明の非接触ICカードによれば、補強板13の側に点圧荷重が作用する場合はもちろんのこと、ICチップ12の側に点圧荷重が作用する場合でも、点圧荷重によってICチップ12がひび割れて機能不全に陥るのを解消して、ICカードの耐久性を向上できる。また、ICチップ12をICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4の側へ偏寄させるので、ICチップ12を保護するための構造が複雑になるのを避けることができ、非接触ICカードの構造を簡素化して全体コストを削減できる。
第2コアシート3の厚みC2を、アンテナシート10に実装されたICチップ12と補強板13との合計厚みTと同じか、これより僅かに大きく設定すると、第2コアシート3をインレット1に積層した状態において、補強板13がチップ埋設穴8からはみ出るのを防止できる。従って、外装シート6・7をラミネートした状態において、外装シート6の表面に小さな段差が生じるのを防止して、カード表面に印刷された文字や絵柄の歪みを一掃し、印刷品質を適正な状態に保持できる。
第1コアシート2の厚みC1を、ICチップの厚みBの2倍の値と同じか、これより大きく設定するのは、第1コアシート2の厚みC1が、ICチップ12の厚みBの2倍の値より小さい場合には、外装シート6の厚さに規定がある場合に、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第1コアシート2側に偏寄して点圧強度が損なわれるからである。また、第3コアシート4の厚みC3が、ICチップ12の厚みBの半分の値より小さいと、アンテナコイル11を形成した部分の凹凸が印刷に影響して外装の仕上がりが悪くなるからである。さらに、第3コアシート4の厚みC3が、ICチップの厚みBの3倍の値より大きい場合には、外装シート7の厚さに規定がある場合に、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第1コアシート2側に偏寄して点圧強度が損なわれるからである。
補強板13の厚みGを、ICチップ12の厚みBと同じかこれより大きく設定するのは、補強板13の厚みGがICチップ12の厚みBより小さいと、点圧衝撃に対する補強板13の保護機能が低下し、表面の外装シート6からの点圧衝撃に弱くなるからである。
第3コアシート4の厚みC3を、アンテナシート10に実装されたICチップ12と補強板13との合計厚みTの半分の値と同じか、これより大きく設定するのは、第3コアシート4の厚みC3が、合計厚みTの半分の値より小さい場合には、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4側へ偏寄させやすくなるからである。
実施例に係る非接触ICカードの要部の縦断面図である。 非接触ICカードの一部を破断した平面図である。 非接触ICカードの分解斜視図である。 ICカードを構成するシート材を分離した状態で示す分解正面図である。 比較例に係る非接触ICカードの要部の縦断面図である。 点圧強度試験の試験方法を示す説明図である。 点圧強度試験の試験結果を示す図表である。
(実施例) 図1ないし図4は、本発明に係るICカードの実施例を示す。図2および図3において、ICカードは、インレット1の表裏両面に複数のコアシート2・3・4をラミネートしてラミネートブランク5を構成する。次に、ラミネートブランク5の表裏に外装シート6・7をラミネートして多層ラミネート構造のカードブランクを構成し、これに印刷および打ち抜き加工等を施してICカードを完成する。インレット1は、PETフィルムからなるアンテナシート(基板)10と、アンテナシート10の表面(上面)に形成されるアンテナコイル11と、アンテナコイル11に固定されるICチップ12と、ICチップ12の表面側に接着される補強板13などで構成してある。第1〜第3のコアシート2・3・4のうち、インレット1の表面に積層される中央の第2コアシート3には、ICチップ12および補強板13を収容するためのチップ埋設穴8が正方形状に形成してある。
アンテナコイル11は、銅またはアルミニウムの薄層にエッチングを施して形成してあり、長方形状のアンテナシート10の周縁に沿って渦巻状に形成したコイル部11aを備えている。コイル部11aの両端のコイル端部11bに、ICチップ12が導電性のペーストからなるチップ用接着材14を介して接続してある。詳しくは、アンテナコイル11のコイル端部11bの外面を覆う状態でチップ用接着材14をアンテナシート10に配置し、チップ用接着材14にICチップ12を押付けて加熱し固化させることにより、ICチップ12をアンテナシート10に固定している。この状態のICチップ12の接着面はアンテナコイル11のコイル端部11bの厚み分だけアンテナシート10から離れている。ICチップ12の辺部寸法は4mm、厚みB(図4参照)は50μmである。チップ用接着材14としては、ペースト状およびフィルム状の導電性接着材を使用することができる。アンテナシート10の厚みは40μm、アンテナコイル11の厚みは30μmであり、両者の合計厚みは70μmである。
補強板13はステンレス薄板(金属薄板)を素材にして、ICチップ12よりひとまわり大きな円形に形成してある。具体的には、厚みGが130μmのステンレス薄板を、直径が6.5mmの円形にプレス機で打抜いて補強板13とした。ICチップ12の上面にエポキシ系の接着材17を塗布したのち、補強板13を接着材17に押付けることにより、補強板13とICチップ12とを一体化してインレット1を構成することができる。接着材17が固化した状態におけるICチップ12と補強板13との合計厚みT(図4参照)は200〜250μmとなる。合計厚みTに幅があるのは、接着材17が固化したときの厚みがばらつくからである。
得られたインレット1に、PET−G樹脂のシート材で形成した第1〜第3のコアシート2・3・4を積層し、各シート2〜4をラミネートすることによりラミネートブランク5を形成する。具体的には、インレット1の表面側に第2コアシート3を積層して、ICチップ12および補強板13をチップ埋設穴8内に収容する。また、第2コアシート3の表面側に第1コアシート2を積層し、さらに、インレット1の裏面側に第3コアシート4を積層する。この状態の積層シート全体をプレス機で加熱しながら加圧して、各コアシート2・3・4を密着させインレット1と一体化する。第1コアシート2の厚みC1は160μm、第2コアシート3の厚みC2は250μm、第3コアシート2の厚みC3は75μmであり、熱プレスする前の積層されたシート全体の厚みは555μmとなる。このように、各コアシート2・3・4の厚みC1・C2・C3は、第2コアシート3の厚みを最大にして、第1コアシート2、第3コアシート4の順に小さく設定してある。
次に、ラミネートブランク5の表裏に外装シート6・7を積層し、積層したシート全体をプレス機で加熱しながら加圧して、外装シート6・7をラミネートブランク5と一体化する。外装シート6・7は、それぞれPET樹脂のシート材で形成してあり、その厚みは125μmである。得られた、多層ラミネート構造のカードブランクに印刷を施し、必要に応じてエンボス加工を施し、さらに打抜き加工を施すことにより非接触ICカードを完成できる。
上記のように、第2コアシート3の厚みは250μmであるので、ICチップ12と補強板13をチップ埋設穴8に収容して、第2コアシート3をインレット1に積層した状態において、補強板13がチップ埋設穴8からはみ出ることはない。従って、外装シート6・7をラミネートした状態において、外装シート6の表面、つまりICカードの表面に小さな段差が生じるのを防止して、カード表面に印刷された文字や絵柄の歪みを一掃し、印刷品質を適正な状態に保持できる。なお、ラミネートブランク5を完成した状態においては、第1コアシート2が補強板13に密着して、チップ埋設穴8の上側の開口面を完全に塞いでいる。
上記のように構成した多層ラミネート構造のICカードによれば、ICチップ12をICカードの全厚み(775μm)の中央位置P(図1参照)よりも第3コアシート4の側へ偏寄した位置に配置することができる。先に説明したように、補強板13の厚みは130μm、第1コアシート2の厚みは160μm、外装シート6の厚みは125μmであるので、これらを合計すると、130+160+125=415μmとなる。従って、この実施例における中央位置Pは、補強板13の裏面から約28μmだけ表面側へずれた位置にある。
(点圧強度試験)本発明者等は、上記の実施例に係るICカードの点圧強度を確認するために点圧強度試験を行った。点圧試験は、上記の実施例に係る10枚のICカードを用意し、さらに比較のために上記の実施例とは積層構造が異なる10枚の比較用のICカードを用意して、両者の裏面側の点圧強度と、表面側の面側の点圧強度を確認した。
図5に比較用のICカードの構造を示している。比較用のICカードの全圧寸法などの基本構造は、先に説明した実施例のICカードと同じであるが、第1コアシート2と第3コアシート4の厚みが先の実施例と異なっている。具体的には、比較用のICカードの第1コアシート2の厚みC4は75μmとし、第3コアシート4の厚みC5は160μmとした。インレット1、第2コアシート3、および外装シート6・7は、先の実施例と同じものを使用した。比較用のICカードの場合には、第3コアシート4の厚みC5が160μmであるため、ICチップ12は、その補強板13との接着面がICカードの全厚みの中央位置Pより表面側に位置することになる。
点圧強度試験は図6に示すようにして行なった。ICカードAを試験台21の上面に載置してホルダー22で固定し、ICカードAの上面からテスト錘23を落下させて、落下後のICカードAのICチップ12が適正に機能するか否かを確認した。試験台21には貫通穴24が形成してあり、貫通穴24の中央にチップ埋設部が位置するようにICカードAを試験台21に固定した。テスト錘23は重量が50gの鉄塊からなり、その下面を球半径が10mmの半球面25で形成した。テスト錘23のICカードAの上面からの落下高さH(m)を5段階に変更して、テスト錘23がチップ埋設部に衝突するときの衝突エネルギーが徐々に大きくなるようにした。
点圧強度試験の結果を図7の図表に示している。なお、図表において面1とは、ICチップ12が上面側になる状態でICカードAを試験台21に載置した状態、即ちテスト錘23がICカードAの裏面側に落下する場合を意味している。また、図表において面2とは、補強板13が上面側になる状態、即ちテスト錘23がICカードAの表面側に落下する場合を意味している。10枚の供試カードのうち、5枚は面1側のチップ埋設部にテスト錘23を落下させ、残る5枚は面2側のチップ埋設部にテスト錘23を落下させるようにした。図表中の○印は、テスト錘23の衝突後に試験台21から取外したICカードAとリーダライターとの間で通信を行なった結果、ICチップ12が適正に機能したものを意味し、図表中の×印はICチップ12が適正に機能しなかったものを意味している。
図表から明らかなとおり、上記の実施例に係るICカードの場合には、10枚の供試カードのうち、No2供試カードを除く9枚の供試カードが、面1側および面2側のいずれの面に点圧を作用させた場合でも、ICチップ12が適正に機能していることが判る。また、No2供試カードにおいて、ICチップ12が適正に機能しなかったのは、面1側のチップ埋設部に最大の衝突エネルギーが作用した場合に限られている。この試験結果から、実施例で説明したコアシートの積層構造であれば、点圧強度を満足できることが判る。
一方、比較用のICカードの場合には、衝突エネルギーが補強板13の側に作用する場合、つまり面2の側に点圧が作用する場合には、5枚のICカードAのICチップ12が概ね適正に機能している。しかし、面1の側に点圧が作用する場合には、衝突エネルギーが最小の場合であっても、No1供試カードおよびNo3供試カードにおいて、ICチップ12が適正に機能しないことが確認された。さらに、残る3枚の供試カードも、衝突エネルギーが3番目に大きくなるまでにICチップ12が適正に機能しなくなっており、点圧衝撃によってICチップ12の機能が損なわれていることが確認された。
念のため、点圧試験で使用したICカードAを分解して、ICチップ12の状態を確認したが、比較用のICカードの場合には、ICチップ12の回路形成面(コイル端部11bとの接合面の側)に、ひび割れ等の破損の痕跡が明確に認められた。しかし、実施例に係るICチップ12には、回路形成面の側および補強板13との接着面の側のいずれにも、ひび割れ等の痕跡は見られなかった。
上記のように、第3コアシート4の厚みC3を第1コアシート2の厚みC1より小さく設定すると(C3<C1)、ICチップ12より裏面側のシート層の厚みが小さくなるので、例えば(C3>=C1)と設定した場合に比べて、常識的には厚みが小さい分だけICチップ12に対する保護機能が低下すると考えられる。しかし、実際には逆の結果が出ているため、本発明者等はその理由を検討した。
理由のひとつは、ICチップ12の回路形成面の側は圧縮歪みには強いが、引っ張り歪みには弱い特性があり、そのため、引っ張り歪みがICチップ12の回路形成面に作用するときに破損を生じやすいものと思われる。なお、ICチップ12の補強板13との接着面の側はどちらの歪みに対しても強弱の差はない。また、インレット単体におけるICチップ12の点圧強度は、インレット1に各コアシート2〜4や外装シート6・7をラミネートしてカード化した場合よりも優れていることが判っている。
ICチップ12の裏面側の外装シート7に点圧荷重が作用する場合には、第3コアシート4および外装シート7には圧縮歪みが生じ、第1コアシート2および外装シート6には引っ張り歪みが生じる。また、ICチップ12は、その回路形成面(コイル端部11bとの接合面の側)が、第3コアシート4と同じ向きへ湾曲しようとする。しかし、先に説明したように、ICチップ12の回路形成面の側は圧縮歪みに強く、しかも、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4の側へ偏寄する位置に配置してあるため、ICチップ12は、インレット単体に近い状態で点圧荷重を受けるものと推測される。また、第1コアシート2の厚みC1が第3コアシート4の厚みC3より厚いため、第1コアシート2は引っ張り歪みに対してより大きな変形応力を発揮する。その結果、ICチップ12の裏面側の外装シート7に点圧荷重が作用する場合に、ICチップ12がひび割れて機能不全に陥るのを解消できるものと考えられる。
一方、ICチップ12の表面側の外装シート6に点圧が作用する場合には、第1コアシート2および外装シート6には圧縮歪みが生じ、第3コアシート4および外装シート7には引っ張り歪みが生じる。しかし、チップ埋設部に作用する点圧荷重を補強板13で分散させることができるので、ICチップ12に点圧荷重が集中するのを防いで、この場合にもICチップ12がひび割れるのを解消できる。また、ICチップ12の回路形成面の側には引っ張り歪みが作用するが、第1コアシート2の厚みC1が第3コアシート4の厚みC3より厚い分だけ、第1コアシート2側の圧縮歪みを小さくできる。これに伴い、ICチップ12の回路形成面の側の引っ張り歪みを小さくできることも、ICチップ12のひび割れを防止できる一因であると推測される。
上記の実施例に係るICカードは、以下の形態で実施することができる。
ICチップ12の厚みをBとするとき、第1コアシート2の厚みC1を、ICチップ12の厚みBの2倍の値と同じか、これより大きく設定する(2×B<=C1)。また、第3コアシート4の厚みC3を、ICチップ12の厚みBの半分の値と同じか、これより大きく設定し、かつ、ICチップ12の厚みBの3倍の値より小さく設定する(0.5×B<=C3<3×B)。
第1コアシート2の厚みC1が、ICチップ12の厚みBの2倍の値より小さい場合には、外装シート6の厚さに規定がある場合に、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第1コアシート2側に偏寄して点圧強度が損なわれる。なお、外装シート6の厚さに規定がない場合には、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4側へ偏寄するように外装シート6を厚くするとよい。第3コアシート4の厚みC3が、ICチップ12の厚みBの半分の値より小さいと、アンテナコイル11を形成した部分の凹凸が印刷に影響して外装の仕上がりが悪くなる。さらに、第3コアシート4の厚みC3が、ICチップ12の厚みBの3倍の値より大きい場合には、外装シート7の厚さに規定がある場合に、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第1コアシート2側に偏寄して点圧強度が損なわれる。なお、外装シート7の厚さに規定がない場合には、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4側に偏寄するように外装シート7を薄くするとよい。
ICチップ12の厚みをB、補強板13の厚みをGとするとき、補強板13の厚みGを、ICチップ12の厚みBと同じかこれより大きく設定する(B<=G)。補強板13の厚みGがICチップ12の厚みBより小さいと、点圧衝撃に対する補強板13の保護機能が低下し、表面の外装シート6からの点圧衝撃に弱くなる。
アンテナシート10に実装されたICチップ12と補強板13との合計厚みをTとするとき、第3コアシート4の厚みC3を、合計厚みTの半分の値と同じか、これより大きく設定する(0.5×T<=C3)。第3コアシート4の厚みC3が、合計厚みTの半分の値より小さい場合には、ICチップ12がICカードの全厚みの中央位置Pより第3コアシート4側へ偏寄させやすくなる。
ICチップ12のサイズは、その辺部寸法が2〜4mm、厚みBが50〜80μmの範囲で変動する。補強板13の厚みGは100〜150μmの範囲で変動する。アンテナシート10の厚みは15〜50μmの範囲で変動する。コイル端部11bの上面から補強板13の下面までの高さ寸法は、ICチップ12の厚みに応じて75〜180μmの範囲で変動する。第1コアシート2と表側の外装シート6は、同じシート材で形成することができ、第3コアシート4と裏側の外装シート7は、同じシート材で形成することができる。第3コアシート4と裏側の外装シート7との合計厚みは100μm以上であればよく、合計厚みが100μm未満であると、アンテナコイル11を形成した部分の凹凸が印刷に影響して、外装の仕上がりが悪くなる。各コアシート2・3・4の厚みはC2>C1>C3に設定する。実施例における点圧強度試験では、50gのテスト錘23を使用した場合について説明したが、テスト錘23の重量は50〜100gの範囲で変更することがある。
上記の実施例では、第3コアシート4の厚みC3を75μmとしたが、厚みC3は、少なくとも50μmあれば良く、第1コアシート2の厚みC1以下の厚みがあればよい。第2コアシート3の厚みC2は、ICチップ12と補強板13との合計厚みTに応じて変更することができる。補強板13は円形である必要はなく、四角形や六角形など多角形状に形成することができ、その形成素材は金属板以外のプラスチック材、あるいはガラス繊維やカーボン繊維で強化されたFRPで形成することができる。また、チップ埋設穴8は円形、あるいは四角形や六角形など多角形状に形成することができる。
1 インレット
2 第1コアシート
3 第2コアシート
4 第3コアシート
5 ラミネートブランク
6 外装シート
7 外装シート
10 アンテナシート(基板)
11 アンテナコイル
12 ICチップ
13 補強板

Claims (5)

  1. インレット(1)の表裏両面に複数のコアシート(2・3・4)と外装シート(6・7)をラミネートして構成してある多層ラミネート構造の非接触ICカードであって、
    インレット(1)は、アンテナシート(10)のアンテナコイル(11)にICチップ(12)を固定し、さらにICチップ(12)の表面側に補強板(13)を配置して構成されており、
    ICチップ(12)および補強板(13)は、インレット(1)の表面側に積層される第2コアシート(3)に設けたチップ埋設穴(8)に収容されており、
    アンテナシート(10)の裏に積層した第3コアシート(4)の厚み(C3)を、第2コアシート(3)の表側に積層した第1コアシート(2)の厚み(C1)より小さく設定して、ICチップ(12)がICカードの全厚みの中央位置(P)より第3コアシート(4)の側へ偏寄する位置に配置してあることを特徴とする非接触ICカード。
  2. 第2コアシート(3)の厚み(C2)が、アンテナシート(10)に実装されたICチップ(12)と補強板(13)との合計厚み(T)と同じか、これより僅かに大きく設定してある請求項1に記載の非接触ICカード。
  3. ICチップ(12)の厚みを(B)とするとき、第1コアシート(2)の厚み(C1)が、ICチップ(12)の厚み(B)の2倍の値と同じか、これより大きく設定されており(2×B<=C1)、
    第3コアシート(4)の厚み(C3)が、ICチップ(12)の厚み(B)の半分の値と同じか、これより大きく設定され、かつ、ICチップ(12)の厚み(B)の3倍の値より小さく設定してある(0.5×B<=C3<3×B)請求項1または2に記載の非接触ICカード。
  4. ICチップ(12)の厚みを(B)、補強板(13)の厚みを(G)とするとき、
    補強板(13)の厚み(G)は、ICチップ(12)の厚み(B)と同じかこれより大きく設定してある(B<=G)請求項1、2または3のいずれかひとつに記載の非接触ICカード。
  5. アンテナシート(10)に実装されたICチップ(12)と補強板(13)との合計厚みを(T)とするとき、
    第3コアシート(4)の厚み(C3)が、合計厚み(T)の半分の値と同じか、これより大きく設定してある(0.5×T<=C3)請求項1から4のいずれかひとつに記載の非接触ICカード。
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