JP5829399B2 - 3置換3,4−ジヒドロ−1h−イソキノリン化合物、その製造方法及びその使用 - Google Patents

3置換3,4−ジヒドロ−1h−イソキノリン化合物、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、式7の化合物酢酸塩(下記参照)、その製造方法及び式Iの化合物の製造のためのその使用に関する。
Figure 0005829399
さらに、本発明は、アルモレキサント(almorexant)塩酸塩、すなわち式Iの4置換3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン化合物HClの製造のための新しい方法、及び新しい中間体に関する。
Figure 0005829399
アルモレキサントは、国際公開公報第2005/118548号及びNat.Med.(2007)、13、150−155に記載されており、特に、オレキシンレセプター拮抗薬として有用である。アルモレキサントは、多工程合成により得ることができる。アルモレキサント合成の要となる中間体は、式7の1置換3,4−ジヒドロイソキノリン誘導体である。従って、アルモレキサントは、POClを用いてN−フェネチル−プロピオンアミドを環化し、次いでキラルRu(II)−錯体の存在下でエナンチオ選択的移動水素化を行って式7の化合物に導き、そしてそれを対応するトシレートとカップリングすることにより製造することができる。
購入可能なTaniaphos−配位子、(S)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン(商業用カタログにおいては、現在においてもなお、(R)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセンとして誤って記載されている。)との遷移金属錯体等の一群の不斉フェロセニル水素化触媒が、Angew.Chem.J.Int.Ed.(1999)、38、3212においてT.Irelandらにより最初に報告されたが、フェロセン基に関する絶対配置が誤って記載されており、(R)の代わりに(S)であると信じられている。その直後に、国際公開公報第00/37478号において類似の化合物が開示された。何年か後、Fukuzawaら(Eur.J.Org.Chem.(2007)、5540−5545)は、T.Irelandらの論文において報告されたフェロセンの配置は誤りであり、フェロセン基の絶対配置は実際には(R)であり、(S)ではないことを示し、その後、T.Irelandらは、それに対応した訂正を発表した(Angew.Chem.J.Int.Ed.(2008)、47、3666)。
驚くべきことに、本発明において、式7の化合物酢酸塩がHClアナログより改善された特性を有し、T.Irelandらによって最初に記載されたものと類似の不斉フェロセニル水素化触媒を用いる本発明の方法により、式Iの化合物を改善された方法で製造することができることが見いだされた。さらなる驚くべき技術的効果は、明細書中に記載する。
本発明の種々の態様を以下に示す:
i) 式7の化合物酢酸塩。
Figure 0005829399
ii) 式7の化合物酢酸塩
Figure 0005829399
の製造のための方法であって、式7の化合物酢酸塩を得るための、式7の化合物
Figure 0005829399
の酢酸との反応を含む、上記式7の化合物酢酸塩の製造のための方法。
iii) ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム]、(S)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン、ヨウ素及び溶媒の存在下にて、1−200barの水素圧の下、式7の化合物を得るために、式7の化合物
Figure 0005829399
を、式4の化合物
Figure 0005829399
の水素化により製造することを特徴とする、式7の化合物酢酸塩の製造のための態様ii)に記載の方法。
iv) 式4の化合物を得るために、式4の化合物
Figure 0005829399
を、式4の化合物メシル酸塩
Figure 0005829399
の、塩基との反応により製造することを特徴とする、式7の化合物酢酸塩の製造のための態様ii)又はiii)に記載の方法。
v) 反応を、0.9〜1.3当量の酢酸を用いて行う、態様ii)に記載の方法。
vi) Irの量に対するヨウ素の量が0.2と10mol当量の間である、態様iii)に記載の方法。
vii) Irとキラル配位子のモル比が0.5:1と1:0.5の間である、態様iii)又はvi)に記載の方法。
viii) 水素圧が1と50barの間である、態様iii)、vi)及びvii)の1つに記載の方法。
ix) 塩基の量が0.9と1.5mol当量の間である、態様iv)に記載の方法。
x) 式Iの化合物HCl
Figure 0005829399
の製造のための式7の化合物酢酸塩
Figure 0005829399
の使用。
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分又は本明細書で用いられる他の用語の定義をしており、他の表現によりなされた定義が異なる定義を与えない限り、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用されることを意図している:
本明細書で使用する「C1−4脂肪族アルコール」という用語は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール又はtert.−ブタノール等の、1個のヒドロキシ基を持つ、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。好ましいC1−4脂肪族アルコールはメタノール又はエタノールである。
本明細書で使用する「C4−8脂肪族炭化水素」という用語は、ブタン、イソブタン、tert.−ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン又はオクタン等の、4〜8個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素を意味する。対応する異性体もまた「C4−8脂肪族炭化水素」に包含される。
記号「」の後に「酢酸塩」、「メシル酸塩」、「HCl」、「CHSOH」又は「CHCOOH」の表現が続く場合は常に、それは、この組み合わせの前に記載された化合物の対応する塩を意味する。例えば、「式7の化合物酢酸塩」という表現は、式7の化合物の酢酸塩を意味する。
略語「ee」、「mol%」、「wt%」及びRTは、それぞれ、エナンチオマー混合物の鏡像体過剰率、混合物のモル百分率及び室温を意味する。
略語「Ac」及び「MIBK」は、それぞれ、アセチル基及びメチルイソブチルケトンを意味する。
温度に関して使用されていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
本発明を、反応スキーム1−5によりさらに記載する。
Figure 0005829399
反応の工程aにおいて、購入可能な4−トリフルオロメチル桂皮酸は、Pd/Cの存在下で水素化され、式1の化合物が得られる。適宜な溶媒は、C1−4脂肪族アルコール及びC1−4脂肪族アルコールの水との混合物である。好ましい溶媒はメタノールである。水素化は、0.9〜15barの間、好ましくは2barにて、0.15〜5wt%の5%Pd/C触媒(好ましくは木炭上の5%Pdを有する2wt%Pd/C)の存在下で、行ってもよい。反応は、0℃から、それぞれの使用溶媒の対応する沸点までの間、好ましくは15〜25℃の間の反応温度にて行われる。
反応の工程bにおいて、酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は硫酸等、好ましくは硫酸の存在下で)の存在下で、式1の化合物をメタノールと反応させ、対応する式2のエステルが得られる。好ましくは、反応は、5mol%HSOの存在下、50〜80℃の間の温度にて(好ましくは、混合物の沸点にて)行われる。反応の好ましい態様において、式1の化合物を工程aの後に単離せず(触媒のみをろ過により除く。)、反応を工程bに続ける。
先行技術と比較した工程bの技術的利点は、二つの化学工程を結合させたことである。
Figure 0005829399
反応の工程cにおいて、式2の化合物を、アルコレートの存在下で、購入可能な2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミンと反応させ、式3の化合物が得られる。反応のための適宜な溶媒は、(ベンゼン又はキシレン等の)芳香族沸騰溶媒、対応するアルコールとの共沸混合物を得ることができる脂肪族炭化水素(例えばヘプタン)である。好ましい溶媒はトルエンである。反応は、70〜115℃の間の反応温度にて、好ましくは110℃にて行われる。適宜なアルコレート(又はアルコキシド)は、アルコールのヒドロキシ基の水素原子を金属原子で置換することにより形成されるものである。好ましいアルコールは、エステルに対して用いられるものであり、好ましい金属原子はNa、K又はLiである。特に好ましいアルコレート(又はアルコキシド)は、(好ましくは、メタノール中30%ナトリウムメトキシド等のメタノール中に溶解した)ナトリウムメトキシドである。
先行技術と比較した工程cの技術的利点は、反応がより安定であり、経済的であり、(生成物への直接的なカップリング;高価なカップリング剤は不要である。)そして生成物を得るための後処理が容易なことである。
反応の工程d−1において、式3の化合物を、ポリリン酸又はオキシ塩化リン(好ましくは、式3の化合物1当量当たり1〜1.5当量の量のオキシ塩化リン)の存在下で反応させ、式4の化合物HCl(当該化合物は、リン酸イミンの混合物である。)が得られる。適宜な溶媒は、ベンゼン、キシレン、メシチレン又はトルエン(好ましくはトルエン)等の芳香族性溶媒であり、適宜な反応温度は60〜120℃(好ましくは80〜100℃)の間である。
反応の工程d−2において、工程d−1の反応混合物を水酸化アルカリの溶液(好ましくは水酸化ナトリウム溶液)と反応させ、式4の化合物が得られる。
反応の工程d−3において、工程d−2の反応混合物をメタンスルホン酸(好ましくは0.9〜1.5当量;特に1.0〜1.2当量)と反応させ、式4の化合物メシル酸塩が得られる。反応は−5〜40℃、好ましくは0から10℃の間の反応温度にて行われる。
式4の化合物メシル酸塩は、HClアナログに対し新規である。
先行技術と比較した工程d−3の技術的利点は以下の通りである:
−エナンチオ選択的水素化は不純物に対して高度に選択的であるため、高純度の反応物質が必須である。4メシル酸塩化合物の(HClアナログと比較した)驚くべき利点は、高純度で沈殿することである。結果として、4メシル酸塩は、遊離アミンとして、直接エナンチオ選択的水素化に付すことができる。
−良質な生成物を得るために、沈殿と単離が1回しか必要でなく、製造方法の改良と単工程数の減少が達成されている。
加えて、使用溶媒数の減少により、主鎖部分1の合成(反応スキーム1及び2)が改良された。
Figure 0005829399
反応の工程eにおいて、購入可能なメチルアミンを、購入可能なメチル(S)−マンデレートと反応させ、式5の化合物が得られる。好ましい態様において、反応は、3〜5当量のメチルアミン(好ましくは3.8当量)を用いて行われ、そして当該メチルアミンは30%の水溶液である。反応は、5〜35℃、好ましくは15〜25℃の反応温度にて行われる。
反応の工程fにおいて、式5の化合物を、トリエチルアミン、ピリジン又はN−エチルジイソプロピルアミン(好ましくはN−エチルジイソプロピルアミン)の存在下で、p−トルエンスルホン酸クロリドと反応させ、式6の化合物が得られる。
本発明の好ましい態様において、酢酸エチルに換えた後、溶液を濃縮し、−2℃に冷却し、そして沈殿をろ過する。
さらに好ましい態様において、反応は、1.0〜1.5当量のp−トルエンスルホン酸クロリド(好ましくは1.0当量)と、1.05〜3当量のN−エチルジイソプロピルアミン(好ましくは1.1当量)を用いて行われる。
適宜な溶媒は、CHCl、CCl、ジクロロエタン又はジクロロメタン(好ましくはジクロロメタン)等のハロゲン系溶媒である。
反応は、5〜30℃の、好ましくは25℃未満の反応温度にて行われる。
先行技術と比較した工程fの技術的利点は以下の通りである:
−カップリング反応が改良された。
−生成物の質に関し、製造方法全体が改良された。
Figure 0005829399
反応の工程gにおいて、式4の化合物メシル酸塩を、塩基(好ましくは、重炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム等の無機塩基、より好ましくは水酸化ナトリウム、特に水酸化ナトリウム水溶液)と反応させ、式4の化合物が得られる。反応の工程gのための塩基の量は広い範囲で用いてよい。好ましくは対応する塩基の0.9と1.5mol当量の間で用いられる。適宜な溶媒は、いずれかの有機溶媒(好ましくは非プロトン性溶媒;より好ましくは後の工程h又は後の工程h−lで用いられる溶媒)である。好ましい溶媒は、酢酸C1−4−アルキル(ここで、C1−4−アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はtert.−ブチルであり、好ましくはメチル又はエチルであり、最も好ましくはエチルである。)。反応は、−10℃と80℃の間、好ましくは10℃と50℃の間、そしてより好ましくは15℃と35℃の間の反応温度にて行われる。好ましい態様によれば、活性化木炭(例えば、式4の化合物メシル酸塩1kg当たり100gまでの量)を反応混合物に添加し、そしてひとたび反応が完了したら(例えばろ過によって)除く。
反応の工程hにおいて、式4の化合物は、不斉触媒(キラル水素化触媒又は移動水素化触媒)及び溶媒の存在下にて、そして任意に添加剤の存在下で、水素ガス又は水素移動化合物(例えばイソプロパノール)を用いて水素化され、式7の化合物を生成する。
当該触媒は、購入可能であるか、(前駆体としても知られる)購入可能なRu、Ir及びRh錯体及び購入可能な1又は2以上のキラル配位子又は、1つがキラルである異なる配位子の組み合わせから前もって製造され、又はin situで製造される。適宜な前駆体は、例えばビス(2−メチルアリル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、[RuCl(p−シメン)]、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム テトラフルオロボレート、ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム]及びビス(シクロオクタジエン)ロジウム テトラフルオロボレートである。好ましい前駆体は、Ir−ベースの前駆体(移動水素化のためのRu−ベース及びIrベースの前駆体)である。
適宜なキラル配位子は当業者に知られており、例えばthe Handbook of Homogeneous hydrogenation、J.G de Vries、C.J.、Elsevier、Eds.;Wiley、2007、23−35章に記載されている。好ましいキラル配位子は、キラルビスホスフィン配位子及びキラル単座リン含有配位子、アミン、アミノアルコール又はビスアミンである。
適宜なキラル配位子は、例えばJosiPhos型配位子等のビスホスフィン;MandyPhos;TaniaPhos型の配位子;BINAP及びそのアナログ、DUPhos;Chiraphos;及びMonoPhos型配位子、例えば(3,5−ジオキサ−4−ホスファシクロヘプタ[2,1−a;3,4−a’]ジナフタレン−4−イル)ジメチルアミン(MonoPhos)等の単座配位子である。
好ましくは、キラル配位子は、購入可能なTaniaphos−配位子、(S)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセンである。
適宜な非キラル配位子は、ジエン、アミン、アルコール又はホスフィンである。
不斉触媒を前もって、又はin situで製造する場合、キラル配位子の量は、金属前駆体のmol量に対し0.25と6mol当量の間、好ましくは0.5と2mol当量の間である。
添加剤は、水素化速度を速め、及び/又はエナンチオ選択性を増大させるために反応混合物に添加される化合物である。適宜な添加剤は、例えばハロゲン(例えばヨウ素)、ハロゲン含有化合物、塩基又は酸等の有機及び無機化合物である。適宜な例は、ヨウ素、カリウム tert−ブトキシド、フタルイミド、酢酸又は安息香酸である。好ましくは、Ir−ベースの不斉触媒と組み合わせて、Iを添加剤として用いる。
本発明のキラル水素化触媒の製造で用いられる添加剤の量は、用いる添加剤に依存するが、一般には使用する金属のmol量に対して、0.2と100当量の間、好ましくは添加剤の量は、1と50mol当量の間、最も好ましくは添加剤の量は、使用する金属のmol量に対して1と10mol当量の間である。
本発明の好ましい不斉触媒は、適宜なIr−前駆体、上記のTaniaPhos配位子及び添加剤としてのヨウ素から製造される。TaniaPhos配位子の好ましい量は、Irのmol量に対して0.5と1.5mol当量の間であり、(添加剤としての)Iの好ましい量は、Irのmol量に対して1と3mol当量の間である。本発明のさらなる態様において、Irとキラル配位子のモル比は、0.5:1と1:0.5の間である。
水素化反応にはいかなる溶媒を用いてもよい。好ましくは、例えばイソプロパノール、メタノール、酢酸エチル、MIBK、ジクロロメタン及びトルエン等の極性溶媒、又はそれらの組み合わせである。
基質の量に対する触媒の量は、できるだけ少なくすることが好ましい。実際には、モル基質触媒比は100より大きく、より好ましくは500又は1000より大きい。
本発明の1つの側面において、水素化触媒は、適宜な溶媒と任意の添加剤中で、金属前駆体、1又は2以上のキラル配位子又は配位子の混合物を混合することにより、前もって製造される。
触媒の製造は、好ましくは極性溶媒中で行われる。適宜な溶媒は、メタノール、ジクロロメタン又はメタノールとジクロロメタンの混合物(特にジクロロメタン)である。
触媒の製造は、−10℃と80℃の間の、好ましくは10℃と50℃の間の、そしてより好ましくは15℃と25℃の間の反応温度にて行われる。
触媒の製造後、溶液自体を基質溶液に添加するか、又は触媒製造に使用した溶媒をまず蒸発させ、そして触媒を、水素化のために選択された溶媒中に溶解する。
本発明の好ましい不斉触媒は、ジクロロメタンを溶媒として、適宜なIr−前駆体、上記のTaniaPhos配位子及び添加剤としてのヨウ素から前もって製造される。TaniaPhos配位子の量は、Irのmol量に対し0.5と1.5mol当量の間であり、I(添加剤として)の量は、Irのmol量に対し1と3mol当量の間である。
水素化は、移動水素化化合物、例えばイソプロパノールを用いて、又は水素ガスの存在下で行われる。適宜な水素圧は1と200barの間、好ましくは1と50barの間、より好ましくは1と10barの間である。
水素化反応は、−10℃と100℃の間、好ましくは10℃と75℃の間、そしてより好ましくは15と35℃の間の温度で行われる。最初の水素化を15℃で行い、水素化の間に上昇させる温度レジュメにより、変換速度と生成物のeeが上昇する。
先行技術と比較した工程hの技術的利点は以下の通りである:
式4の化合物のエナンチオ選択的水素化について、異なる不斉触媒系を試験した。Taniaphos触媒のみが、92−95%の驚くべき高いeeを示すことが見出された。
ラセミ分割と比較して、新規なエナンチオ選択的水素化は、ジアステレオマー塩の形成によるエナンチオマーの時間のかかる分離及び誤ったエナンチオマーの再使用を回避する。
Noyori移動水素化触媒と比較して、Taniaphos触媒を用いたエナンチオ選択的水素化は、92−95%の驚くべき高いeeを示す。
加えて、(Noyori移動水素化触媒と比較して)大規模な反応において、Taniaphos触媒を用いたエナンチオ選択的水素化は、より安定したeeを示す。
本発明の別の側面において、式4の化合物CHSOHは、不斉触媒と上記したような溶媒の存在下で、そして塩基の存在下で、そして任意に上記した添加剤の存在下で水素化される。本発明のこの側面において、工程gと工程hは同時に行われる。
本発明のこの側面のための適宜な塩基は、水素化触媒に適合するいかなる塩基であってもよい。適宜な塩基は、例えば第一、第二及び第三アミン、並びにEtN及びiPrNEt等のN,N−ジアルキルアミン−基を含む化合物である。塩基の量は広範囲に渡ってもよく、好ましくは式4の化合物CHSOHに対して0.1当量のような触媒量の塩基が用いられる。
反応の工程iにおいて、式7の化合物を酢酸と反応させ、式7の化合物酢酸塩が得られる。
反応は、(ベンゼン、トルエン及び/又はキシレン等の)芳香族性溶媒のいずれか又は芳香族性溶媒の混合物等の適宜な溶媒及び脂肪族炭化水素(好ましくはC4−8脂肪族炭化水素若しくはそれらの混合物、又は主にヘプタンを含む蒸留画分)中で行われる。好ましい溶媒混合物は、純粋なトルエンとヘプタンを用いたトルエンとヘプタン、又はそれらの混合物である。より好ましくは、トルエンとヘプタンの4対1混合物である。
反応は、−10〜55℃の間の、好ましくは0と20℃の間の温度にて行われる。
反応は、0.9〜1.3当量の酢酸、より好ましくは1.0当量の酢酸を用いて行われる。
鏡像異性6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン塩酸塩の好ましくない化合物特性により、光学的に純粋な合成は制限される。
驚くべきことに、6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンの酢酸塩(化合物7酢酸塩)が化合物特性を改善し、光学的に純粋な合成を可能にすることが見出された。加えて、化合物7酢酸塩の改善された化合物特性に基づいて、酢酸塩のより完全な結晶化が達成され、従ってより高い収率が得られる。
驚くべきことに、共晶は、適宜な酸と溶媒(芳香族性溶媒、例えばトルエン)の選択により、所望の方向へシフトした。
Figure 0005829399
反応の工程jにおいて、式7の化合物酢酸塩を、塩基(好ましくは、水酸化ナトリウム、より好ましくは水酸化ナトリウム水溶液等の無機塩基)と反応させ、式7の化合物が得られる。好ましい態様において、反応は、水酸化ナトリウム水溶液(好ましくは、20%の水酸化ナトリウム溶液)を用いて行われる。適宜な溶媒はケトン(アセトン、エチルメチルケトン、t−ブチルメチルエーテル、CHCl、MIBK等、好ましくはMIBK)である。反応は反応は、0−50℃の間、好ましくは15−25℃の間の温度にて行われる。
先行技術と比較した工程jの技術的利点は、例えば、MIBKの溶媒としての効率的な使用である。
反応の工程kにおいて、式7の化合物を、塩基の存在下で式6の化合物と反応させ、式Iの化合物が得られる。好ましい態様において、反応は、1.1−2.0当量(好ましくは1.2当量)の式6の化合物を用いて行われる。適宜な塩基は、LiCO、CsCO、対応する重炭酸塩、苛性ソーダ、炭酸カリウム及びそれらの混合物である。本発明の好ましい態様において、前記の塩基の混合物が用いられる。さらに好ましい態様において、苛性ソーダは0−2.2当量の量(より好ましくは1.2当量の苛性ソーダ)で用いられ、そして炭酸カリウムは0−2.2当量の量(より好ましくは1.2当量の炭酸カリウム)で用いられる。適宜な溶媒は、MIBK、MTBE又はCHCl(好ましくはMIBK)である。反応は、30−120℃の間、好ましくは70−90℃の間の反応温度にて行われる。
先行技術と比較した工程kの技術的利点は、驚くべきことに、カップリング反応をより高濃度で行うことができることである。
反応の工程lにおいて、式Iの化合物を塩酸と反応させ、式Iの化合物HClが得られる。好ましい態様において、反応は、0.95−1.1当量(好ましくは1.0当量)の塩酸を用いて行われる。
先行技術と比較した工程lの技術的利点は:
塩酸の存在下で、実質的な量の加水分解なしで(0.5%未満の加水分解)、式Iの化合物のHCl塩が式Iの化合物から得られることは驚きである。
さらに、合成は、活性薬効成分の沈殿とその後の水の共沸除去について塩酸を使用することにより単純化された。
実験の部:
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、本発明をより詳細に説明するためのものであり、その範囲を限定するものでは全くない。
工程1:3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸(化合物1)の合成
Figure 0005829399
4−トリフルオロメチル桂皮酸(購入可能)のメタノール中の溶液を、4−トリフルオロメチル桂皮酸が完全に反応するまで、Pd/C(5wt%)を用いて2barで水素化する。触媒をろ過によって除いた後、4−トリフルオロメチルヒドロ桂皮酸をさらに工程2で反応させ、化合物2を得る。
工程2:3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸 メチルエステル(化合物2)の合成
Figure 0005829399
工程1で得られたメタノール性反応混合物に、5mol%の硫酸を添加し、そして混合物を加熱する。エステル化が完結するまで、生成した水を蒸留により除く。次いで、メタノールを完全に除去する。
工程3:N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミド(化合物3)の合成
Figure 0005829399
3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸 メチルエステルをトルエン中に溶解し、1.05当量の2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミン(購入可能)と1.1当量のナトリウムメトキシド(メタノール中30%)を添加する。正常圧で、反応混合物を最大限110℃に加熱し、そして変換が完全に行われるまでメタノールを蒸留する。反応混合物を水と硫酸で洗浄する。有機相の冷却中に化合物3が結晶化し、それをろ過し、冷トルエンで洗浄し、そして50℃にて真空乾燥する。
工程4:6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−イソキノリン メタンスルホン酸(化合物4メシル酸塩)の合成
Figure 0005829399
化合物3をトルエン中に懸濁し、そして80〜100℃に加熱する。1.5当量のオキシ塩化リンの添加後、混合物を80〜100℃に6時間加熱し、次いで3時間以内に20℃に冷却する。添加及びその後の攪拌の間、水酸化ナトリウム溶液の添加により水相のpHを7〜8の間に保ちながら、懸濁液を水に添加する。すべての沈殿が溶解するまで、混合物を攪拌する。相を分離した後、共沸蒸留により水を除去する。次いで、1.0当量のメタンスルホン酸を添加し、生成した懸濁液をいくらかの間攪拌し、次いでゆっくりと0〜10℃に冷却し、そしてこの温度にてさらに数時間攪拌する。ろ過の後、生成物をトルエンで洗浄し、そして真空乾燥する。
工程5:(S)−マンデルアミド(化合物5)の合成
Figure 0005829399
メチルアミン(水中40%、3.8当量)の溶液に、温度を30℃未満に保ちつつ、周囲温度にて、メチル (S)−マンデレート(1.0当量;購入可能)を添加し、そして、変換が完全に行われるまで、周囲温度にて攪拌する。塩酸で中和した後、水溶液を塩化ナトリウムで飽和し、そしてジクロロメタンで数回抽出する。有機層を合わせ、そして共沸蒸留により水を除く。
工程6:(S)−トルエン−4−スルホン酸 メチルカルバモイル−フェニル−メチルエステル(化合物6)の合成
Figure 0005829399
マンデル酸アミドのジクロロメタン中の溶液に、N−エチルジイソプロピルアミン(1.1当量)をRTにて添加する。その後、温度を25℃未満に保ちながら、p−トルエンスルホン酸クロリド(1.0当量)を添加する。所望の変換がおこなわれるまで反応混合物をRTにて攪拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水で洗浄する。溶媒を酢酸エチルに換えた後、溶液を濃縮し、−2℃に冷却し、そして沈殿をろ過する。結晶を冷酢酸エチルで洗浄し、そして40℃にて真空乾燥する。
工程7:6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−イソキノリン(化合物4)の合成
Figure 0005829399
方法A:
メシル酸塩の酢酸エチル中の懸濁液に水酸化ナトリウム溶液を添加し、そして沈殿が溶解するまでRTにて攪拌する。相を分離した後、酢酸エチルにて水相の2回目の抽出を行う。合わせた有機抽出物を木炭で処理し、ろ過する。共沸蒸留により水を除去した後、溶液を酢酸エチルで希釈して、5〜6%の濃度にする。
方法B:
メシル酸塩を、水とトルエン/ヘプタンの4:1混合物との混合物(又は、水とトルエンの混合物)に添加する。固形物が溶解するまで系を攪拌する。次いで、水性苛性ソーダを添加し、混合物をRTにて攪拌し、そして相を分離する。有機層を水で数回洗浄し、そして水性流を廃棄する。遊離イミン4の溶液に木炭をチャージし、攪拌し、そして混合物を共沸蒸留により乾燥する。水を除去した後、ろ過により木炭を除き、そして溶液の濃度を10〜15%に調整する。
方法C:
メシル酸塩(51.9g;0.113mol)に水(110mL)を添加する。混合物を30min攪拌し、そしてトルエン(500mL)を添加する。次いで水性苛性ソーダ(20wt%;110mL)を添加する。次いでトルエン(600mL)を添加し、そして相を分離する。有機層を水(110mL)で4回洗浄し、そして水性流を廃棄する。最終的な水相のpH値は7であるべきである。木炭(Norix(登録商標) SX Plus;1.61g)を遊離イミン4の溶液に添加し、次いでそれをRTにて1h攪拌する。ろ過の後、有機層をトルエン(550mL)で洗浄し、そして200〜300mLの体積に濃縮する(70mbar、40℃)。トルエン(100mL)を添加し、そして有機相を約120mLの体積に濃縮する(70mbar、40℃)。所望の濃度のイミン4を得るために、適宜な量のイミンを添加し、次いでAr泡をイミン溶液中に30min通す。
工程8:(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(化合物7)の合成
Figure 0005829399
Figure 0005829399
方法A:
ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム](購入可能)の脱気したジクロロメタン中の溶液に、20℃にて、(S)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン(Taniaphos−配位子は、購入可能であるか、又はAngew.Chem.J.Int.Ed.(1999)、38、3212に従って合成してもよい。)を添加する。次いで、ヨウ素の、脱気したジクロロメタン中の溶液を添加し、そして得られた溶液を、生成した沈殿が溶解するまで攪拌する。触媒前駆体の溶液を工程7のイミン溶液に添加し、そして5barのH圧そして30℃にて水素化する。
実施例1−6(方法Aに従って製造):
Figure 0005829399
触媒に対する基質の割合を(300から750へ)増大させながら、I/Ir比2にて、さらなる実験を行い、eeは94と95%の間に維持された。
種々の他の遷移金属/キラル配位子系について、(HOAc、MeOH、DCM、IPA、トルエン、AcO、EtOAc、CHCN、MTBE、2−ブタノン、DMF又はDCM/HOAc(50:1)等の)異なる溶媒中で、エナンチオ選択的水素化により式4の化合物を式7の化合物に変換する試験を行った。被検遷移金属は、(例えば、[Ir(COD)Cl]の形態の)Ir及び(例えば、[Rh(COD)BFの形態の)Rhを含む。例えば、以下のキラル配位子を試験した:
Figure 0005829399
上記の遷移金属/キラル配位子系では、高変換率と組み合わせた高eeの組み合わせは達成されなかった。
方法B:
ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム](購入可能)の、ジクロロメタンとメタノールの脱気した混合物中の溶液に、20℃にて、(R)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン(Taniaphos−配位子は、購入可能であるか、又はAngew.Chem.J.Int.Ed.(1999)、38、3212に従って合成した。)を添加する。その後、ヨウ素の、ジクロロメタンとメタノールの脱気した混合物中の溶液を添加し、得られた溶液を、生成した沈殿が溶解するまで攪拌する。触媒調製溶液を、方法B、工程7のイミン溶液に添加し、5bar(3−10bar)のH圧、及び20℃(10〜30℃)にて水素化する。
実施例7〜8(方法Bに従って製造):
Figure 0005829399
触媒に対する基質の割合を(1000から2000へ)増大させながら、I/Ir比2にて、さらなる実験を行い、典型的なeeは88と95%の間であった。
方法C:
ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム](購入可能;13.5mg;0.02mmol)に、(R)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン(30.5mg;0.042mmol;Taniaphos−配位子は、購入可能であるか、又はAngew.Chem.J.Int.Ed.(1999)、38、3212に従って合成してもよい。)を添加する。混合物を高真空条件下(1−2mbar)に置き、次いでアルゴン雰囲気下(1bar)に置き、この手順(真空、次いでアルゴン雰囲気)を4回繰り返す。混合物をアルゴン雰囲気下に維持し、脱気メタノールを添加する。RTにて3時間攪拌した後、赤色の澄んだ溶液が得られる。固体ヨウ素を添加し、そして得られた溶液を30min攪拌する。次いで、溶媒を除去し(1mbar、RT)、そして固体残渣を30min(1mbar、RT)乾燥する。1,2−ジクロロエタン(DCE)を、アルゴン下でその固体に添加し、触媒溶液を得る。反応溶媒系に応じて、(方法C、工程7で得られた)イミン4のトルエン(Tol)中の溶液を、適宜な量のヘキサン(Hex)、ヘプタン(Hept)又はテトラヒドロフラン(THF)と混合し、そして前に得られたDCE中の触媒溶液を添加する。イミン4に対して使用するTolの量、触媒溶液に対して使用するDCEの量及び添加するヘキサン(Hex)、ヘプタン(Hept)又はテトラヒドロフラン(THF)の量は、それらが共に反応溶媒系を形成するような量である。反応混合物を、温度TにてH圧(5bar)下におき、反応は特定の時間tの後に完了する。行った種々の実験の詳細を、下記の表に要約する。
実施例9−17(方法Cに従って製造):
Figure 0005829399
この実験については、イミン4を方法B、工程7のプロトコルを用いて製造したが、イミン溶液はNaSOを用いて乾燥した。
この実験において、触媒はメタノールを用いて(3ではなく)1時間のみ攪拌した。
この実験においては、触媒からメタノールを除去した後、触媒を除く前に、トルエンを触媒に添加した。
この実験においては、触媒を製造した後、使用前に1日間保蔵した。
工程7及び8を同時に
メシル酸塩の酢酸エチル中の懸濁液に、ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム]、上記した通りの適宜な量の配位子B及びiPrNetを添加した。混合物を50℃に温め、そして25barのH圧を適用した。
工程9:(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン 酢酸(化合物7*酢酸)の合成
Figure 0005829399
方法A:
変換完結後、溶媒交換を行う。次いで、ヘプタンを添加して、トルエン/ヘプタンの割合を4:1とする。1.0当量の酢酸添加後、化合物7酢酸を20℃で沈殿させる。懸濁液をRTにて放置して沈殿を完結させ、ろ過し、そしてヘプタンで洗浄する。生成物を40℃にて真空乾燥する。
方法B:
変換完結後、触媒調製物からの残った溶媒、ジクロロメタンとメタノールを、蒸留により除去し、アミン7の、トルエン又はトルエン/ヘプタンの混合物中の溶液を得る。1.0当量の酢酸を添加した後、化合物7酢酸を20℃で沈殿させる。懸濁液をRT(0−20℃)にて放置して沈殿を完結させ、ろ過し、そしてトルエン又はトルエン/ヘプタンの混合物で洗浄する。生成物を40℃で真空乾燥する。この方法の適用により、生成物の光学純度が、水素化後の81%eeから、単離物質における99%eeまで上昇しえる。
工程10:(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(化合物7)の合成
Figure 0005829399
化合物7酢酸のMIBK中の懸濁液に、水酸化ナトリウム溶液(20%)を添加し、そして沈殿が溶解するまでRTにて攪拌する。相を分離した後、有機層を水で洗浄する。共沸蒸留により有機相から水を除いた後、溶液をMIBKで希釈して、9〜16%の濃度にする。
工程11:(2R)−2−{(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド(化合物)の合成
Figure 0005829399
化合物7のMIBK中の溶液に、1.2当量の化合物6、1.1当量の苛性ソーダ及び1.1当量の炭酸カリウムを添加し、そして70−90℃に加熱する。変換完結後、溶液をRTに冷却し、そして水を添加する。相分離の後、水で有機相の2回目の洗浄を行い、そして再び相を分離する。
工程12:(2R)−2−{(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド塩酸塩(化合物I * 塩酸塩)の合成
Figure 0005829399
工程11の有機相に1当量の塩酸を添加し、次いで真空での共沸蒸留により水を除く。75℃で2−プロパノールを添加して、沈殿を溶解させる。溶液の濃縮により結晶化がおこり、次いで懸濁液をRTに冷却する。結晶化を完結させるために、懸濁液をRTに放置し、次いでろ過し、そしてMIBK−2−プロパノール混合物で洗浄する。生成物を50℃にて真空乾燥する。

Claims (9)

  1. 式7の化合物*酢酸塩。
    Figure 0005829399
  2. 式7の化合物*酢酸塩
    Figure 0005829399
    の製造のための方法であって、式7の化合物*酢酸塩を得るための、式7の化合物
    Figure 0005829399
    の酢酸との反応を含む、上記式7の化合物*酢酸塩の製造のための方法。
  3. ビス[クロロ−1,5−シクロオクタジエン−イリジウム]、(S)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(S)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]−フェロセン、ヨウ素及び溶媒の存在下にて、1−200barの水素圧の下、式7の化合物を得るために、式7の化合物
    Figure 0005829399
    を、式4の化合物
    Figure 0005829399
    の水素化により製造することを特徴とする、式7の化合物*酢酸塩の製造のための請求項2に記載の方法。
  4. 式4の化合物を得るために、式4の化合物
    Figure 0005829399
    を、式4の化合物*メシル酸塩
    Figure 0005829399
    の、塩基との反応により製造することを特徴とする、式7の化合物*酢酸塩の製造のための請求項2又は3に記載の方法。
  5. 反応を、0.9〜1.3当量の酢酸を用いて行う、請求項2に記載の方法。
  6. Irの量に対する 2 の量が、0.2と10mol当量の間である、請求項3に記載の方法。
  7. Irとキラル配位子のモル比が、0.5:1と1:0.5の間である、請求項3〜6に記載の方法。
  8. 水素圧が1と50barの間である、請求項3、6及び7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 塩基の量が0.9と1.5mol当量の間である、請求項4に記載の方法。
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