JP5828824B2 - 金属平板粒子分散液、金属平板粒子分散液の製造方法および熱線遮蔽材 - Google Patents

金属平板粒子分散液、金属平板粒子分散液の製造方法および熱線遮蔽材 Download PDF

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Description

本発明は、金属平板粒子分散液、金属平板粒子分散液の製造方法および熱線遮蔽材に関する。より詳しくは、遮熱性能と可視光透過率がともに優れる熱線遮蔽材を製造することができる金属平板粒子分散液を提供できる金属平板粒子分散液、該金属平板粒子分散液の製造方法および該金属平板粒子分散液を用いて製造される熱線遮蔽材に関する。
近年、二酸化炭素削減のための省エネルギー施策の一つとして、自動車や建物の窓に対する熱線遮蔽性付与材料が開発されている。熱線遮蔽性(日射熱取得率)の観点からは、吸収した光の室内への再放射(吸収した日射エネルギーの約1/3量)がある熱線吸収型より、再放射がない熱線反射型が望ましく、様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1には、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を60個数%以上有し、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の主平面が前記金属粒子含有層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している熱線遮蔽材により、反射波長選択性および反射帯域選択性が高く、可視光線透過性および電波透過性に優れた熱線遮蔽材が提供できると記載されている。特許文献1には特定形状の平板粒子の比率が多いほど平板粒子の特長が発揮されて好ましいことを示し、特定形状の平板粒子の個数比率を規定したものである。しかしながら、特許文献1では、得られた熱線遮蔽材においても、製造時に用いる金属平板粒子分散液においても、特定形状の平板粒子以外の成分には全く着目していなかった。
一方、特許文献2には、ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上該溶媒の沸点以下の温度で加熱することにより、平板状金属粒子を製造することを特徴とする平板状金属粒子の製造方法が記載されており、大量生産が可能であり、短時間で高濃度の平板状金属粒子を効率よく合成でき、安全かつ環境影響の少ない平板状金属粒子が製造できることが記載されている。しかしながら、特許文献2では、得られた平板状金属粒子はあまり形状が揃っていないものであった。
特開2011−118347号公報 特開2009−144188号公報
本発明者らが特許文献1および特許文献2に記載の金属平板粒子分散液を用いて熱線遮蔽材料を作製したところ、光学性能に更なる向上が求められることがわかった。特に熱線遮蔽をある一定の値に規格したときの可視光透過率について、特許文献2に記載の方法では不十分であり、特許文献1に記載の方法からも更なる向上が求められることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、遮熱性能と可視光透過率がともに優れる熱線遮蔽材を製造することができる金属平板粒子分散液を提供することにある。
上述の課題を解決するために本発明者らが鋭意検討したところ、特定の形状の平板状の金属粒子以外の形状の金属粒子(非平板形状の金属粒子などのいわゆるノイズ粒子)のうち特定の粒径範囲に属する粒子による可視光吸収の寄与が著しく、光学性能に著しい悪影響を与えることを見出すに至った。これに対し、特許文献1や特許文献2よりも非平板形状の金属粒子などのいわゆるノイズ粒子を大幅に低減し、特定の個数比率以下にすることで、遮熱性能と可視光透過率がともに優れる熱線遮蔽材を製造することができる金属平板粒子分散液を提供できることを見出すに至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。
[1] 三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下であることを特徴とする金属平板粒子分散液。
[2] [1]に記載の金属平板粒子分散液は、前記金属粒子Aを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して60個数%以上であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の金属平板粒子分散液は、前記金属粒子Aの平均粒子厚みが20nm以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液は、前記金属粒子Aの平均アスペクト比(平均粒子径/平均粒子厚み)が8〜20であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液は、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bが銀粒子であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液は、防腐剤を含有することが好ましい。
[7] [6]に記載の金属平板粒子分散液は、前記防腐剤が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005828824
(一般式(1)中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、(R16)(R17)−N−C(=O)−または(R16)(R17)−N−C(=S)−を表す。R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基またはアルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成してもよい。R16およびR17はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
Figure 0005828824
(一般式(2)中、R20は低級アルキレン基を表す。Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)(R23)または−SO2Mを表す。R21は水素原子、−〇M、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基または−N(R24)(R25)を表す。R22およびR23はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR26または−SO226を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R24およびR25はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R26は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群を表す。pは0または1を表す。qは0から5までの整数を表す。)
[8] 遠心分離または限外濾過を行うことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液の製造方法。
[9] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液を用いて形成されてなる金属粒子含有層を有することを特徴とする熱線遮蔽材。
本発明によれば、遮熱性能と可視光透過率がともに優れる熱線遮蔽材を製造することができる金属平板粒子分散液を提供することができる。
図1は、本発明の熱線遮蔽材の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の熱線遮蔽材の他の一例を示す概略図である。 図3Aは、本発明の熱線遮蔽材の他の一例を示す概略図である。 図3Bは、本発明の熱線遮蔽材の他の一例を示す概略図である。 図3Cは、本発明の熱線遮蔽材の他の一例を示す概略図である。 図4Aは、本発明の熱線遮蔽材に含まれる平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、円形状の平板状金属粒子を示す。Dは円の直径を表す。 図4Bは、本発明の熱線遮蔽材に含まれる平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、六角形状の平板状金属粒子を示す。Dは各粒子の円相当の直径(同一面積の円で表したときの直径)を表す。 図5Aは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属平板粒子を含む金属粒子含有層(基材の平面とも平行)と金属平板粒子の主平面(円相当径Dを決定する面)とのなす角度(θ)を説明する図を示す。 図5Bは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属粒子含有層の熱線遮蔽材の深さ方向における金属平板粒子の存在領域を示す図である。 図5Cは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の一例を示した概略断面図である。 図5Dは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図5Eは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図6は、各実施例および比較例で製造した熱線遮蔽材の遮蔽係数0.68における可視光透過率を、各実施例および比較例でそれぞれ用いた金属平板粒子分散液に含まれる40nm以上の金属粒子Bの個数比率に対してプロットしたグラフである。
以下、本発明の熱線遮蔽材について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[金属平板粒子分散液]
本発明の金属平板粒子分散液は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下であることを特徴とする。
このような構成の金属平板粒子分散液により、遮熱性能と可視光透過率がともに優れる熱線遮蔽材を製造することができる。ここで、光学性能(熱線遮蔽と可視光透過率の両立)の改良において、占有率の高い平板粒子ではなく、むしろ占有率の少ない非平板粒子などの中で特定粒径領域のものの寄与率が高いことを見出し、これに基づく性能改良を達成したものである。
<金属粒子>
本発明の金属平板粒子分散液は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下である。
前記金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、500nm以下の平均粒子径を有するものであってもよい。
前記金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線(近赤外線)の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、銀であることがより好ましい。
(金属粒子B)
本発明の金属平板粒子分散液は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下である。
前記「三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外」の形状とは、例えば、三角錐形状、四面体形状、球状、涙型、五角形状、菱形形状などを挙げることができる。なお、金属粒子Bに含まれる「球状」の粒子はTEM像の時点では円形状にも見えるが、金属粒子のアスペクト比(円相当径/厚み)が4以下であると計算される場合は「球状」と考えて、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとして扱う。
なお、当然ながら、前記「三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子B」は、前記「三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子A」以外の金属粒子を意味する。
前記円相当直径40nm以上の金属粒子Bが、30個数%以上であると、可視光線の吸収が大きくなるため、十分な可視光線透過率が得られなくなることがある。
本発明の金属平板粒子分散液は、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下であり、20個数%以下であることが好ましく、17個数%以下であることがより好ましく、10個数%以下であることがさらに好ましく、7個数%以下であることが特に好ましい。
前記金属粒子Bの材料としては、特に制限はなく、前記金属粒子と同じものを目的に応じて適宜選択することができる。前記金属粒子Bは、少なくとも銀を含むことが好ましい。
(金属粒子A)
本発明の金属平板粒子分散液は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aを含む。
前記金属粒子Aとしては、三角形状または六角形状乃至円形状の2つの主平面からなる粒子(図4A及び図4B参照)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状、円形状、三角形状などが挙げられる。これらの中でも、可視光透過率が高い点で、六角形状以上の多角形状〜円形状であることがより好ましく、六角形状または円形状であることが特に好ましい。
本明細書中、円形状とは、後述する金属平板粒子(平板状金属粒子と同義)の平均円相当径の50%以上の長さを有する辺の個数が1個の金属平板粒子当たり0個である形状のことを言う。前記円形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本明細書中、三角形状とは、後述する金属平板粒子の平均円相当径の20%以上の長さを有する辺の個数が1個の金属平板粒子当たり3個である形状のことを言う。
本明細書中、六角形状とは、後述する金属平板粒子の平均円相当径の20%以上の長さを有する辺の個数が1個の金属平板粒子当たり6個である形状のことを言う。なお、その他の多角形についても同様である。前記六角形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、六角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状の角が鋭角のものでも、鈍っているものでもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、角が鈍っているものであることが好ましい。角の鈍りの程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属粒子Aの材料としては、特に制限はなく、前記金属粒子と同じものを目的に応じて適宜選択することができる。前記金属粒子Aは、少なくとも銀を含むことが好ましい。
前記金属粒子含有層に存在する金属粒子のうち、金属平板粒子分散液は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aは、金属粒子の全個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上であることがより好ましく、70個数%以上であることが特に好ましい。前記金属粒子Aの割合が、60個数%以上であると、可視光線透過率が高くなる傾向にある。
前記金属粒子Aの平均粒子径(平均円相当径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70nm〜500nmが好ましく、100nm〜400nmがより好ましい。前記金属粒子Aの平均粒子径(平均円相当径)が、70nm未満であると、金属平板粒子の反射波長が800nmより小さくなり、十分な熱線反射能、可視光線透過率を得られなくなることがあり、500nmを超えると、ヘイズ(散乱)が大きくなり、基材の透明性が損なわれてしまうことがある。
ここで、前記平均粒子径(平均円相当径)とは、TEMで粒子を観察して得た像から任意に選んだ200個の平板粒子の主平面直径(最大長さ)の平均値を意味する。
前記金属粒子含有層中に平均粒子径(平均円相当径)が異なる2種以上の金属粒子Aを含有することができ、この場合、金属粒子Aの平均粒子径(平均円相当径)のピークが2つ以上、即ち2つの平均粒子径(平均円相当径)を有していてもよい。
前記金属粒子Aの厚みは20nm以下であることが好ましく、14nm以下であることがより好ましく、5〜14nmであることが特に好ましい。
前記金属粒子Aのアスペクト比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、波長800nm〜1,800nmの赤外光領域での反射率が高くなる点から、6〜40が好ましく、8〜20がより好ましい。前記アスペクト比が8未満であると反射波長が800nmより小さくなり、40を超えると、反射波長が1,800nmより長くなり、十分な熱線反射能が得られないことがある。
前記アスペクト比は、各金属平板粒子の粒子径(円相当直径)を金属平板粒子の粒子厚みで除算した値を意味する。粒子厚みは、金属平板粒子の主平面間距離に相当し、例えば、図4A及び図4Bに示す通りであり、FIB−TEM法による断面観察や原子間力顕微鏡(AFM)により測定することができる。
前記AFMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板やシリコン基板に金属平板粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させて、粒子1個の厚みを測定する方法などが挙げられる。
(防腐剤)
本発明の金属平板粒子分散液は、防腐剤を含有することが、遮熱性能を維持しつつ、可視光透過率も改善する観点から好ましい。なお、防腐剤を含有させたことにより、遮熱性能を維持しつつ、可視光透過率を改善できた理由は不明である。
さらに、いかなる理論に拘泥するものもないが、微生物による腐敗現象が経時安定性に関連していることを本発明者らは見出し、防腐剤を導入することにより、金属平板粒子分散液の経時安定性を改良できることを見出した。金属平板粒子分散液の経時安定性が改良されると、金属平板粒子分散液の保存が実質的に可能となり、金属平板粒子分散液を造り貯めて一度にまとめて塗布に供給することで、後述する本発明の熱線遮蔽材の生産性が著しく向上する。なお、従来の金属平板粒子分散液は経時安定性が悪く、大量生産には適さないものであり、特に銀を用いた場合は銀の奏する抗菌性が期待されていたものの、従来の金属平板粒子分散液は経時安定性が悪かった。
またさらに、いかなる理論に拘泥するものもないが、防腐剤を金属平板粒子分散液に導入することにより、金属平板粒子分散液の濾過性を向上させることができる。ここでいう濾過性とは、濾過フィルターに通液する際の圧力上昇が著しく改善されて、長時間連続で(多量の)送液をすることが可能になることをいう。金属平板粒子分散液の濾過性を向上させることにより金属平板粒子分散物を原料に用いて調製した液を塗布に供給する際に、その送液途中に濾過フィルターを入れて凝集粒子や塵埃を除去することができ、面状故障が少ない高品質な後述する本発明の熱線遮蔽材を大面積で提供することができる。また、濾過圧力上昇による送液停止すなわち塗布停止による生産性低下の問題も解決される。なお、従来の金属平板粒子分散液は濾過性が悪く、濾過フィルターに通液すると圧力上昇して送液ができなくなるため、凝集粒子や塵埃を濾過フィルターで捕捉除去することが困難であり、塗布面状故障の少ない熱線遮蔽材料を得ることは容易ではなかった。
金属平板粒子分散液の経時安定性改良と濾過性の改良により、塗布原材料を多量に準備して一度にまとめて塗布することで高い生産性を付与し、且つ面状故障の少ない高品質な熱線遮蔽材料を大面積で提供することが可能になる。
本発明の金属平板粒子分散液は、前記防腐剤が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005828824
(一般式(1)中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、(R16)(R17)−N−C(=O)−または(R16)(R17)−N−C(=S)−を表す。R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基またはアルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成してもよい。R16およびR17はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
Figure 0005828824
(一般式(2)中、R20は低級アルキレン基を表す。Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)(R23)または−SO2Mを表す。R21は水素原子、−〇M、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基または−N(R24)(R25)を表す。R22およびR23はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR26または−SO226を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R24およびR25はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R26は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群を表す。pは0または1を表す。qは0から5までの整数を表す。)
前記一般式(1)で表される化合物について記述する。
Figure 0005828824
13は水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、n−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−シアノエチル、スルホブチル、N、N−ジメチルアミノエチル)、置換または未置換の環状アルキル基(例えばシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチル)、置換または未置換のアルケニル基(例えばアリル、メチルアリル)、置換または未置換のアラルキル基(例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−クロロベンジル、p−iso−プロピルベンジル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、o−メチルフェニル、m−ニトロフェニル、3.4−ジクロロフェニル)、複素環基(2−イミダゾリル、2−フリル、2−チアゾリル、2−ピリジル)、(R16)(R17)−N−C(=O)−または(R16)(R17)−N−C(=S)を表す。
14およびR15はそれぞれ独立して水素原子、置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、クロロメチル、2−ヒドロキシエチル、tert−ブチル、n−オクチル)、置換または未置換の環状アルキル基(例えばシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、2−メチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、ナフチル、4−ニトロフェニル、4−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル)、シアノ基、複素環基(例えば2−イミダゾリル、2−チアゾリル、2−ピリジル)、置換または未置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、2−シアノエチルチオ、2−エトキシカルボニルチオ)、置換または未置換のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、p−メトキシフェニルチオ)、置換または未置換のアルキルスルホキシ基(例えばメチルスルホキシ−ヒドロキシエチルスルホキシ)、置換または未置換のアルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル、2−ブロモエチルスルホニル)を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成してもよい。
16およびR17はそれぞれ独立して水素原子、置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、2−シアノエチル、2−n−ブトキシカルボニルエチル、2−シアノエチル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、m−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−アセトアミドフェニル)、置換または未置換のアラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、p−iso−プロピルベンジル、o−クロロベンジル、m−メトキシベンジル)を表わす。
さらに、上記一般式(1)で好ましいのは、R13は、水素原子、低級アルキル基を表わし、R14およびR15は互いに結合して芳香環を形成する場合であり、R13が水素原子を表し、R14およびR15は互いに結合してベンゼン環を形成する場合がより好ましい。
次に、前記一般式(1)で表される化合物の代表的具体例を以下に示すが、前記一般式(1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定されるものではない。なお、以下の具体例は特開平3−119347号公報の一般式(II)で表される化合物の具体例と同様である。
なお、以下の化合物の中でも、本発明では化合物II−25または化合物II−44を用いることが好ましく、化合物II−25を用いることがより好ましい。
Figure 0005828824
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次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。
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一般式(2)において、R20は低級アルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基など)を表わし、特に炭素数1から6までのアルキレン基が好ましい。
Xはハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子フッ素原子)、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、低級アルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル)、低級アルコキシ基−COR21、−N(R22)(R23)または−SO2Mを表す。
21は水素原子、−〇M、低級アルキル基(例えばメチル、n−ブチル、tert−オクチル)、アリ−ル基(例えばフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、p−iso−プロピルベンジル、o−メチルベンジル)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、n−ブトキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、4−ニトロフェノキシ)、アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシ、p−クロロベンジルオキシ、または−N(R24)(R25)を表す。
22およびR23はそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基(例えばメチル、エチル、2−エチルヘキシル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、3−アセトアミドフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、o−クロロベンジル)、−COR26または−SO226を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。
24およびR25はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基(例えばメチル、iso−プロピル、2−シアノエチル)、アリール基(例えばフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、3−ニトロフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、p−クロロベンジル)を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。
26は低級アルキル基(例えばエチル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル)、アリ−ル基(例えばフェニル、ナフチル、4−スルホフェニル、4−カルボキシフェニル)を表す。
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム、カリウム)及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群(例えばアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン)を表す。
pは0または1を表す。
qは0から5までの整数を表す。
上記一般式(2)で記述される低級アルキル基、低級アルコキシ基の好ましい炭素数は1から8までの範囲のものである。さらに好ましくは、R20は、1から3までの炭素数で表わされるアルキル基、Xは、低級アルキル基、pは1、qは、0または1で表わされる化合物である。
前記一般式(2)で表される化合物の代表的具体例を示すが、前記一般式(2)で表される化合物はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例は特開平3−119347号公報の一般式(IV)で表される化合物の具体例と同様である。
なお、以下の化合物の中でも、本発明では化合物IV−1または化合物IV−18を用いることが好
ましく、化合物IV−18を用いることがより好ましい。
Figure 0005828824
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これらの例示化合物の大部分は試薬として市販されており、容易に入手することが可能であり、また既存の合成法で容易に合成することも可能である。例えばJ.Am.Chem.Soc.,第41巻、669頁(1919)に記載の方法でm=1の化合物の一部は容易に合成することが可能である。
前記防腐剤の添加量は、前記防腐剤が前記一般式(1)で表される化合物である場合は分散液の総重量に対して1〜500ppmの範囲が適当であり、前記防腐剤が前記一般式(2)で表される化合物である場合は分散液の総重量に対して10〜5000ppmの範囲が適当である。
前記防腐剤は水又はメタノール、イソプロパツール、アセトン、エチレングリコール等の有機溶媒に溶解し、溶液として本発明の金属平板粒子分散液中に添加してもよく、あるいは高沸点溶媒、低沸点溶媒もしくは両者の混合溶媒に溶解したのち、界面活性剤の存在下乳化分散したのち、本発明の金属平板粒子分散液に添加する等の方法によってもよい。
<金属平板粒子分散液の製造方法>
本発明の金属平板粒子分散液の製造方法としては、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下に制御し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
このような金属粒子の形状および各形状の金属粒子の含有比率の制御方法としては、金属粒子調製時の処方技術により前記金属粒子Bの個数比率または粒子径を制御する方法と、金属粒子調製後の後処理により前記金属粒子Bの個数比率を減らす方法に大別することができる。
(金属粒子の調製)
金属粒子を合成する方法として特に制限はないが、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが挙げられる。これらの中でも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。
本発明の金属平板粒子分散液の製造方法では、前記金属粒子を化学還元法、光化学還元法などの液相法で製造するとき、金属粒子合成時の液相の温度は5〜45℃であることが好ましく、15〜40℃であることがより好ましく、25〜35℃であることが特に好ましい。
前記金属粒子の形状を制御する方法としては特に制限はない。
例えば、金属粒子合成時にゲルを添加する方法により、制御してもよい。
また、六角形〜三角形状の金属平板粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の金属平板粒子の角を鈍らせて、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を得てもよい。
さらに、金属粒子の種晶を製造した後に、さらに金属塩を添加して第二次成長をさせてもよい。
前記金属平板粒子の合成方法としては、前記の他、予めフィルム、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、前記金属粒子の合成時に用いる還元剤の種類としては特に制限はなく、公知の還元剤を用いることができる。
本発明において好ましく用いられる還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、フェニドン、ヒドロキノン類、カテコールおよびヒンダードフェノール、またはこれらの組み合わせが好ましい。
還元剤については、米国特許3770448号、同3773512号、同3593863号、同4460681号の各明細書、およびリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)誌17029号、同29963号に記載がある。
還元剤の例には、水素化ホウ素塩類(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム)、アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例、2−ヒドロキシ−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン)、N−ヒドロキシ尿素誘導体(例、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素)、アルデヒドまたはケトンのヒドラゾン類(例、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン)、ホスファーアミドフェノール類、ホスファーアミドアニリン類、ポリヒドロキシベンゼン類(例、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン、2,5−ジヒドロキシ−フェニルメチルスルホン)、スルホヒドロキサム酸類(例、ベンゼンスルホヒドロキサム酸)、スルホンアミドアニリン類(例、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン)、2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン)、テトラヒドロキノキサリン類(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン)、アミドオキシン類、アジン類(例、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類)とアスコルビン酸との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンとの組み合わせ、リダクトン、ヒドラジン、ヒドロキサム酸類、アジン類とスルホンアミドフェノール類との組み合わせ、α−シアノフェニル酢酸誘導体、ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体との組み合わせ、5−ピラゾロン類、スルホンアミドフェノール類、2−フェニリンダン−1,3−ジオン、クロマン、1,4−ジヒドロピリジン類(例、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン)、ビスフェノール類(例、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、アスコルビン酸、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体および3−ピラゾリドン類が含まれる。
これらの中でも、ポリヒドロキシベンゼン類を用いることが好ましく、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノン、ヒドロキノンスルホン酸塩、ピロガロール、メトキシヒドロキノン、ヒドロキシヒドロキノン、Tert−ブチルヒドロキノンを用いることがより好ましく、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、ヒドロキノンスルホン酸塩、メトキシヒドロキノン、Tert−ブチルヒドロキノンを用いることが特に好ましい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、前記金属粒子の合成時には、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような添加剤などを用いてもよい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、前記金属粒子を合成時に、ゲルを添加することが好ましい。前記ゲルとしては特に制限はないが、親水性コロイドであることが好ましい。
前記親水性コロイドとしては、ゼラチン、コロイド状アルブミン、寒天、アラビアゴム、アルギン酸、加水分解されたセルロースアセテ−ト、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、合成バインダー、例えばポリビニルアルコール、部分鹸化されたポリビニルアセテート、ポリアクリルアミド、ポリN、N−ジメチルアクリルアミド、ポリN−ビニルピロリドン、米国特許3,847,620号、同3,655,389号、同3,341,332号、同3,615,424号、同3,860,428号等に記載されているような水溶性ポリマー、米国特許2,614,928号、同2,525,753号に記載されているようなフェニルカルバミル化ゼラチン、アシル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、米国特許2,548,520号、同2,831,767号等に記載されているようなアクリル酸(エステル)、メタクリル酸(エステル)、アクリロニトリル等の重合可能なエチレン基を持つ単量体をゼラチンにグラフト共重合したもの等があげられる。これらのバインダーは必要に応じ、2つ以上の相溶性混合物として使用することができる。
これらの中でも、ゼラチンが好ましく、水溶液として添加できる観点から水溶性ゼラチンがより好ましい。
前記ゼラチンの分子量は特に制限はないが、重量平均分子量2〜50万のゼラチンを用いることが好ましく、1万〜30万のゼラチンを用いることがより好ましい。
前記ゼラチンは2種以上用いてもよく、ゼラチンを2種以上用いる場合は、すべてのゼラチンの量に対して、平均分子量1万〜5万のゼラチンを20〜60質量%、平均分子量10万〜30万のゼラチンを40〜80質量%含むことが好ましい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、用いるゲルの量は金属平板粒子分散液の総重量に対して、0.8〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、1.4〜3質量%であることが特に好ましい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、ゲルを添加後、粒子成長過程における、金属粒子A、Bの形成速度をコントロールする観点で、硝酸や硫酸などを添加することもできる。
これらの溶解種の添加量としては特に制限はないが、後述する第二次成長の前に分散液のpHが3.5〜5.4となるように添加することが好ましく、4〜5.4となるように添加することがより好ましく、4.5〜5.4となるように添加することが特に好ましい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、ゲルを添加後、さらに金属塩を添加して金属粒子を第二次成長させることが好ましい。このときに添加する金属塩は、製造した金属粒子と同じ金属種の塩を用いることが好ましい。
ゲルを添加後に金属塩を添加するときのその他の添加剤については、前記金属粒子の合成時の添加剤と同様である。
前記金属平板粒子は、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。前記更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高屈折率シェル層の形成、分散剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
前記金属平板粒子は、可視光域透明性を更に高めるために、可視光域透明性が高い高屈折率材料で被覆されてもよい。
前記高屈折率材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiOx、BaTiO3、ZnO、SnO2、ZrO2、NbOxなどが挙げられる。
前記被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Langmuir、2000年、16巻、p.2731−2735に報告されているようにテトラブトキシチタンを加水分解することにより銀の金属平板粒子の表面にTiOx層を形成する方法であってもよい。
また、前記金属平板粒子に直接高屈折率金属酸化物層シェルを形成することが困難な場合は、前記の通り金属平板粒子を合成した後、適宜SiO2やポリマーのシェル層を形成し、更に、このシェル層上に前記金属酸化物層を形成してもよい。TiOxを高屈折率金属酸化物層の材料として用いる場合には、TiOxが光触媒活性を有することから、金属平板粒子を分散するマトリクスを劣化させてしまう懸念があるため、目的に応じて金属平板粒子にTiOx層を形成した後、適宜SiO2層を形成してもよい。
前記金属平板粒子は、該金属平板粒子を構成する銀などの金属の酸化を防止するために、メルカプトテトラゾール基を有する化合物、アスコルビン酸等の酸化防止剤を吸着していてもよい。また、酸化防止を目的として、Ni等の酸化犠牲層が金属平板粒子の表面に形成されていてもよい。また、酸素を遮断することを目的として、SiO2などの金属酸化物膜で被覆されていてもよい。
前記金属平板粒子は、分散性付与を目的として、例えば、4級アンモニウム塩、アミン類等のN元素、S元素、及びP元素の少なくともいずれかを含む低分子量分散剤、高分子量分散剤などの分散剤を添加してもよい。
本発明の金属平板粒子分散液を製造するときに、前述の防腐剤を添加するタイミングとしては特に制限はないが、金属粒子を合成し、特定の形状に成長させたあとで添加することが好ましく、後述する金属粒子調製後の後処理の前に添加することがより好ましい。
(金属粒子調製後の後処理)
本発明の金属平板粒子分散液の製造方法では、上記の方法で得られた金属平板粒子分散液に対して後処理を行って、前記金属粒子Bの個数比率を減らすことが好ましい。
前記後処理としては、金属粒子の洗浄や、ろ過を挙げることができ、本発明の金属平板粒子分散液の製造方法では遠心分離または限外濾過を行うことが好ましい。
金属粒子を洗浄して前記金属粒子Bの個数比率を減らす方法としては、遠心分離および再分散を行う方法を挙げることができる。遠心分離および再分散の好ましい態様を以下に記載する。
遠心分離機はとしては一般に市販されているものを用いればよい。遠心分離条件は、用いるローターにより異なるが、発生する重力加速度、遠心沈降に必要な距離、液体の粘度、などを考慮して適宜設定すればよい。液温はなりゆきでもよいが、15〜35℃の範囲で制御することが好ましい。遠心分離後に上澄液を除去することで、金属粒子以外の可溶性塩類などを減じることができる。上澄液の除去量により、金属粒子に対する可溶性塩類などの残留量が決定される。上澄液除去後には再分散を行うことが必要であるが、これには市販の分散機を用いればよい。ディゾルバーなど機械的な剪断力で分散する機構でもよいし、超音波分散などを用いることもできる。
本発明においては、金属粒子に対する可溶性塩類などの残留比率を遠心分離〜上澄液除去の操作前後で比較して、水洗率と呼ぶ。操作前後で可溶性塩類の残留量が金属粒子に対して1/10になれば水洗率10%、1/100になれば水洗率1%であるとする。遠心分離操作による水洗率は30%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましい。ただし、遠心分離〜再分散の操作を繰り返すと、条件によっては凝集発生などが生じて悪影響を及ぼすことがある。
ろ過により前記金属粒子Bの個数比率を減らす方法としては、限外ろ過などを挙げることができる。限外ろ過の好ましい態様を以下に記載する。
限外ろ過に用いる設備としては一般に市販されているものを用いればよい。ろ過モジュールしては中空糸のものやセラミックのものが好ましく用いられる。モジュールの平均孔径は金属粒子の粒径に応じて適宜選定することができる。液温はなりゆきでもよいが、15〜35℃の範囲で制御することが好ましい。限外ろ過を行う際には、必要に応じて最初に濃縮操作を施した後に引き続き洗浄液を供給しながらろ過を行う方法(ダイアフィルトレーション)を用いることが好ましい。金属粒子の分散剤として分子量の大きいものを用いる場合、モジュールの孔径にもよるが除去されないことがあるので、必要に応じて分子量を下げる操作を施すとよい。例えば分散剤としてゼラチンを用いる場合には蛋白質分解酵素などを用いて低分子量化を図ることができる。
本発明において、限外ろ過を用いて可溶性塩類を低減する場合、金属粒子の状態にも依存するが、その水洗率は低いほど(可溶性塩類をできるだけ除去するほど)好ましい。
[熱線遮蔽材]
本発明の熱線遮蔽材は、本発明の金属平板粒子分散液を用いて形成されてなる金属粒子含有層を有することを特徴とする。
本発明の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層に加え、必要に応じて、粘着層、紫外線吸収層、基材、金属酸化物粒子含有層、色素層などのその他の層を有する態様も好ましい。
前記熱線遮蔽材10の層構成としては、図1に示すように、少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層2を有し、その表面に金属平板粒子3が偏在している態様が挙げられる。また、図2に示すように、金属粒子含有層2と、該金属粒子含有層上にオーバーコート層4とを有し、その表面に金属平板粒子3が偏在している態様が挙げられる。図1または図2において、金属粒子含有層2の膜厚を金属粒子の厚み程度まで薄くしたり、更に金属粒子の厚みよりも薄くすることにより、金属粒子の面配向を向上させることも好ましい。
また、図3Aに示すように、基材1と、該基材上に金属粒子含有層2と、該金属粒子含有層上に粘着層11とを有する態様が好適に挙げられる。
また、図3Bに示すように、基材1と、該基材上に金属粒子含有層2と、該金属粒子含有層上にオーバーコート層4と、該オーバーコート層上に粘着層11とを有する態様が好適に挙げられる。本発明の熱線遮蔽材は、前記図3Aまたは図3Bにおいて、前記オーバーコート層4または、前記粘着層11に紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
また、図3Cに示すように、基材1の、金属粒子含有層2を有する側とは反対側に、色素含有層13と、金属酸化物微粒子含有層12と、その上にハードコート層5を有する態様も好適に挙げられる。
図3A、図3B、および図3Cにおいて、図に記載した以外に、各層と同じまたは異なる機能を有する新たな層をそれぞれの層に隣接させて設けることもできる。
<1.金属粒子含有層>
前記金属粒子含有層は、本発明の金属平板粒子分散液を用いて形成されてなる層である。
前記金属粒子含有層は、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bとを含み、円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下であることが好ましい。
前記金属粒子含有層の厚みをdとしたとき、前記三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aの80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在していることが好ましく、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在することよりが好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもなく、また、本発明の熱線遮蔽材は以下の製造方法に限定されるものではないが、前記金属粒子含有層を製造するときに特定のポリマー(好ましくはラテックス)を添加することなどにより、金属平板粒子を前記金属粒子含有層の一方の表面に偏析させることができる。
(面配向)
本発明の熱線遮蔽材において、前記三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aは、その主平面が金属粒子含有層の一方の表面(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して、平均0°〜±30°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることがより好ましく、平均0°〜±5°の範囲で面配向していることが特に好ましい。
前記金属平板粒子の存在状態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する図5D、図5Eのように並んでいることが好ましい。
ここで、図5A〜図5Eは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図である。図5C、図5Dおよび図5Eは、金属粒子含有層2中における金属平板粒子3の存在状態を示す。図5Aは、基材1の平面と金属平板粒子3の主平面(円相当径Dを決める面)とのなす角度(±θ)を説明する図である。図5Bは、金属粒子含有層2の熱線遮蔽材の深さ方向における存在領域を示すものである。
図5Aにおいて、基材1の表面と、金属平板粒子3の主平面または主平面の延長線とのなす角度(±θ)は、前記の面配向における所定の範囲に対応する。即ち、面配向とは、熱線遮蔽材の断面を観察した際、図5Aに示す傾角(±θ)が小さい状態をいい、特に、図5Dは、基材1の表面と金属平板粒子3の主平面とが接している状態、即ち、θが0°である状態を示す。基材1の表面に対する金属平板粒子3の主平面の面配向の角度、即ち図5Aにおけるθが±30°を超えると、熱線遮蔽材の所定の波長(例えば、可視光域長波長側から近赤外光領域)の反射率が低下してしまう。
前記金属粒子含有層の一方の表面(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して金属平板粒子の主平面が面配向しているかどうかの評価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適当な断面切片を作製し、この切片における金属粒子含有層(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材)及び金属平板粒子を観察して評価する方法であってもよい。具体的には、熱線遮蔽材を、ミクロトーム、集束イオンビーム(FIB)を用いて熱線遮蔽材の断面サンプルまたは断面切片サンプルを作製し、これを、各種顕微鏡(例えば、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等)を用いて観察して得た画像から評価する方法などが挙げられる。
本発明の熱線遮蔽材において、図5Bに示すように、金属粒子含有層2における金属平板粒子3を構成する金属のプラズモン共鳴波長をλとし、金属粒子含有層2における媒質の屈折率をnとするとき、前記金属粒子含有層2が、熱線遮蔽材の水平面からの深さ方向において、(λ/n)/4の範囲で存在することが好ましい。この範囲内であると、熱線遮蔽材の上側と下側のそれぞれの金属粒子含有層の界面での反射波の位相により反射波の振幅が強めあう効果が十分大きく、可視光透過率及び熱線最大反射率が良好となる。
前記金属粒子含有層における金属平板粒子を構成する金属のプラズモン共鳴波長λは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線反射性能を付与する点で、400nm〜2,500nmであることが好ましく、可視光透過率を付与する点から、700nm〜2,500nmであることがより好ましい。
(金属粒子含有層の媒質)
前記金属粒子含有層における媒質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明の熱線遮蔽材は、前記金属含有層がポリマーを含むことが好ましく、透明ポリマーを含むことがより好ましい。前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、本発明では、前記ポリマーの主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、前記三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aの金属平板粒子の80個数%以上を前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点と、下地との良好な密着性を発現し熱線遮蔽材のこすり耐性を改善する観点からより好ましい。
前記ポリマーとしては、商業的に入手できるものを好ましく用いることもでき、例えば、互応化学工業株式会社製の水溶性ポリエステル樹脂である、プラスコートZ−867や、DIC社製水溶性ポリウレタン樹脂である、ハイドランHW350などを挙げることができる。
また、本明細書中、前記金属含有層に含まれる前記ポリマーの主ポリマーとは、前記金属含有層に含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことを言う。
前記金属粒子含有層に含まれる前記金属粒子に対する前記ポリエステル樹脂の含有量が1〜10000質量%であることが好ましく、10〜1000質量%であることがより好ましく、20〜500質量%であることが特に好ましい。前記金属粒子含有層に含まれるバインダーを上記範囲以上とすることで、こすり耐性性等の物理特性を改善することができる。
前記媒質の屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
(金属平板粒子の面積率)
前記熱線遮蔽材を上から見た時の基材の面積A(金属粒子含有層に対して垂直方向から見たときの前記金属粒子含有層の全投影面積A)に対する金属平板粒子の面積の合計値Bの割合である面積率〔(B/A)×100〕としては、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。前記面積率が、15%未満であると、熱線の最大反射率が低下してしまい、遮熱効果が十分に得られないことがある。
ここで、前記面積率は、例えば熱線遮蔽材基材を上からSEM観察で得られた画像や、AFM(原子間力顕微鏡)観察で得られた画像を画像処理することにより測定することができる。
(金属平板粒子の平均粒子間距離)
前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属平板粒子の平均粒子間距離としては、可視光線透過率及び熱線の最大反射率の点から、金属平板粒子の平均粒子径の1/10以上が好ましい。
前記金属平板粒子の水平方向の平均粒子間距離が、前記金属平板粒子の平均粒子径の1/10未満となると、熱線の最大反射率が低下してしまう。また、水平方向の平均粒子間距離は、可視光線透過率の点で、不均一(ランダム)であることが好ましい。ランダムでない場合、例えば金属平板粒子の凝集により平均粒子間距離が極めて近い粒子が塗布膜中に多数存在する状況では、可視光線の吸収が起こり、透過率が低下してしまうことがある。
ここで、前記金属平板粒子の水平方向の平均粒子間距離とは、隣り合う2つの粒子の粒子間距離の平均値を意味する。また、前記平均粒子間距離がランダムであるとは、「100個以上の金属平板粒子が含まれるSEM画像を二値化した際の輝度値の2次元自己相関を取ったときに、原点以外に有意な極大点を持たない」ことを意味する。
(金属粒子含有層の層構成)
本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子は、図5A〜図5Eに示すように、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の形態で配置される。
前記金属粒子含有層としては、図5A〜図5Eに示すように単層で構成されてもよく、複数の金属粒子含有層で構成されてもよい。複数の金属粒子含有層で構成される場合、遮熱性能を付与したい波長帯域に応じた遮蔽性能を付与することが可能となる。
(金属粒子含有層の厚み)
本発明の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層の厚みが5〜100nmであることが好ましい。前記金属粒子含有層の厚みは、10〜80nmであることがより好ましく、10〜30nmであることが特に好ましい。
ここで、前記金属粒子含有層の各層の厚みは、例えば、熱線遮蔽材の断面試料をSEM観察した画像より測定することができる。
(各種添加物の添加)
本発明の熱線遮蔽材において、前記金属粒子含有層がポリマーを含み、前記ポリマーの主ポリマーがポリエステル樹脂である場合には、架橋剤を添加することが膜強度の観点から好ましい。前記架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でカルボジイミド系及びオキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の具体例としては、例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡績(株)製)などがある。前記金属粒子含有層中の全バインダーに対して1〜20質量%の架橋剤由来の成分を含有することが好ましく、より好ましくは2〜20質量%である。
また、本発明の熱線遮蔽材において、前記金属粒子含有層がポリマーを含む場合、界面活性剤添加することがハジキの発生を抑えて良好な面状な層が得られる観点から好ましい。界面活性剤を前記界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる界面活性剤の具体例としては、例えばラピゾールA−90(日油株式会社製)、ナロアクティーHN−100(三洋化成工業株式会社製)などがある。前記金属粒子含有層中の全バインダーに対して0.05〜10質量%の界面活性剤を含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
<その他の層>
<<粘着層>>
本発明の熱線遮蔽材は、粘着層を有することが好ましい。前記粘着層は、紫外線吸収剤を含むことができる。
前記粘着層の形成に利用可能な材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの材料からなる粘着層は、塗布により形成することができる。また、離型紙に形成された粘着剤を用いて貼り合わせしてもよい。
さらに、前記粘着層には帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。
前記粘着層の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。
<<基材>>
本発明の熱線遮蔽材は、基材を有することが好ましい。
前記基材としては、光学的に透明な基材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視光線透過率が70%以上のもの、好ましくは80%以上のもの、近赤外線域の透過率が高いものなどが挙げられる。
前記基材としては、その形状、構造、大きさ、材料などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記熱線遮蔽材の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂などからなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
この基材フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、日射遮蔽フィルムの使用目的に応じて適宜選択することができ、通常は10μm〜500μm程度であり、12μm〜300μmが好ましく、16μm〜125μmがより好ましい。
<<ハードコート層>>
耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有するハードコート層を含むことも好適である。ハードコート層には金属酸化物粒子を含むことができる。
前記ハードコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記ハードコート層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましい。前記ハードコート層上に更に反射防止層を形成すると、耐擦傷性に加え、反射防止性を有する機能性フィルムが得られ好適である。また、前記ハードコート層に前記金属酸化物粒子を含有してもよい。
<<オーバーコート層>>
本発明の熱線遮蔽材において、物質移動による金属平板粒子の酸化・硫化を防止し、耐擦傷性を付与するため、本発明の熱線遮蔽材は、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が露出している方の前記金属粒子含有層の表面に密接するオーバーコート層を有していてもよい。また、前記金属粒子含有層と後述の紫外線吸収層との間にオーバーコート層を有していてもよい。本発明の熱線遮蔽材は特に金属平板粒子が金属粒子含有層の表面に偏在する場合は、金属平板粒子の剥落による製造工程のコンタミ防止、別層塗布時の金属平板粒子配列乱れの防止、などのため、オーバーコート層を有していてもよい。
前記オーバーコート層には紫外線吸収剤を含んでもよい。
前記オーバーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、バインダー、マット剤、及び界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。
前記オーバーコート層の厚みとしては、粘着剤形成工程やガラスへのフィルム貼り施工でのハンドリングの観点と可視光線透過率の観点から0.01μm〜3μmμmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましく、0.1μm〜1μmが特に好ましく、0.1μm〜0.5μmがより特に好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の熱線遮蔽材は、紫外線吸収剤が含まれている層を有することが好ましい。
前記紫外線吸収剤を含有する層は、目的に応じて適宜選択することができ、粘着層であってもよく、また、前記粘着層と前記金属粒子含有層との間の層(例えば、オーバーコート層など)であってもよい。いずれの場合も、前記紫外線吸収剤は、前記金属粒子含有層に対して、太陽光が照射される側に配置される層に添加されることが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<金属酸化物粒子>>
本発明の熱線遮蔽材は、長波赤外線を吸収するために、少なくとも1種の金属酸化物粒子を含有していても熱線遮蔽と製造コストのバランスの観点からは好ましい。この場合、例えばハードコート層5に金属酸化物粒子を含むことが好ましい。ハードコート層5は、基材1を介して、前記金属粒子含有層2と積層されていてもよい。金属粒子含有層2が太陽光などの熱線の入射方向側となるように本発明の熱線遮蔽材を配置したときに、金属粒子含有層2で熱線の一部(または全部でもよい)を反射した後、ハードコート層5で熱線の一部を吸収することとなり、金属酸化物粒子含有層で吸収されずに熱線遮蔽材を透過した熱線に起因して熱線遮蔽材の内側で直接受ける熱量と、熱線遮蔽材の金属酸化物粒子含有層で吸収されて間接的に熱線遮蔽材の内側に伝わる熱量の合計としての熱量を低減することができる。
前記金属酸化物粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錫ドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と略記する。)、錫ドープ酸化アンチモン(以下、「ATO」と略記する。)、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、ガラスセラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、熱線吸収能力に優れ、金属平板粒子と組み合わせることにより幅広い熱線吸収能を有する熱線遮蔽材が製造できる点で、ITO、ATO、酸化亜鉛がより好ましく、1,200nm以上の赤外線を90%以上遮蔽し、可視光透過率が90%以上である点で、ITOが特に好ましい。
前記金属酸化物粒子の一次粒子の体積平均粒径としては、可視光透過率を低下させないため、0.1μm以下が好ましい。
前記金属酸化物粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、針状、板状などが挙げられる。
<<色素含有層>>
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、赤外領域に吸収を有する色素を含有することが好ましい。赤外領域に吸収を有する色素を含有する層のことを、色素含有層ともいう。なお、色素含有層は、他の機能層の役割を果たしてもよい。
前記赤外領域に吸収を有する色素の吸収ピーク波長は、前記金属粒子の反射ピーク波長よりも短波であることが、熱線を効率的に遮蔽する観点から好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記赤外領域に吸収を有する色素を含む層において、前記赤外領域に吸収を有する色素が10〜190mg/m2含まれることが好ましい。前記色素含有層中に含まれる色素を190mg/m2以下の範囲とすることにより、赤外線遮蔽フィルムの面状を改善することができる。前記色素含有層中に含まれる色素をこの範囲に制御する方法としては、前記色素含有層を塗布により製膜するときに、色素塗布量を調整する方法などを用いることができる。
前記色素含有層中に含まれる色素の含有量の上限値は、150mg/m2以下であることが面状を改善する観点から好ましく、120mg/m2以下であることが赤外線遮蔽フィルムの極大反射率を高め、かつ極大反射波長での透過率を抑制する観点からより好ましく、100mg/m2以下であることが特に好ましい。
一方、前記色素含有層中に含まれる色素の含有量の下限値は、10mg/m2以上であることが赤外線遮蔽フィルムの極大反射率を高め、かつ極大反射波長での透過率を抑制する観点から好ましく、20mg/m2以上であることが同様の観点からより好ましく、30mg/m2以上であることが同様の観点から特に好ましい。
前記色素含有層における前記色素の密度が0.01g/cm3以上であることが極大反射波長での透過率を低くし、暖まり率を低くする観点から好ましく、0.01〜0.20g/cm3であることがより好ましく、0.03〜0.15g/cm3であることが特に好ましく、0.05〜0.10g/cm3であることがより特に好ましい。
(色素含有層の構成)
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記色素含有層の膜厚が2000nm以下であることが面状を改善する観点から好ましく、50〜1000nmであることがより好ましく、100〜700nmであることが極大反射率を高め、かつ極大反射波長での透過率を低減する観点から特に好ましい。
前記色素含有層は、前記支持体に隣接して配置されていても、間に他の層を介して配置されていてもよい。前記色素含有層は、前記支持体に隣接して配置されている層であるか、前記金属粒子含有層に隣接して配置されている層であるか、前記金属粒子含有層であることが好ましい。
前記色素としては特に制限は無く、公知の色素を用いることができる。前記色素としては、染料、有機顔料などを挙げることができる。
前記有機顔料は、特に制限は無く、公知の有機顔料を用いることができる。例えば、特開2005−17322号公報の[0032]〜[0039]等に記載の有機顔料を挙げることができる。
前記染料は、特に制限は無く、公知の染料を用いることができる。ポリマーの水性分散物中に安定に溶解ないし分散し得る染料であることが好ましく、また、これら染料は、水溶性基を有することが好ましい。水溶性基としては、カルボキシル基及びその塩、スルホ基及びその塩等が挙げられる。さらに、後述のシアニン系染料やバルビツール酸オキソノール系染料に代表される水溶性の染料は、有機溶剤に溶かすことなく水溶液にして塗布できる点で、環境影響の観点と、塗布コスト低減の点から好ましい。また、これら染料は、会合体として利用することが好ましく、特にJ会合体として利用することが好ましい。J会合体とすることで非会合状態においては可視域に吸収極大を有する染料の吸収波長を所望の近赤外線領域に設定することが容易になる。また、染料の耐熱性や耐湿熱性、耐光性等の耐久性を向上させることができる。また、これらの染料の水溶性を調節し、難溶性ないし不溶性とすることによって、あるいは換言するとレーキ染料として利用することも好ましい形態である。これにより染料の耐熱性や耐湿熱性、耐光性等の耐久性を向上させることができ、好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記色素が赤外線吸収色素であることが、熱線(近赤外線)を選択的に反射する観点から好ましい。
前記赤外線吸収色素としては、特開2008−181096号公報、特開2001−228324号公報、特開2009−244493号公報などに記載の近赤外線吸収染料や、特開2010−90313号公報に記載の近赤外線吸収化合物などを好ましく用いることができる。
前記赤外線吸収色素としては、例えば、シアニン染料、オキソノール染料、ピロロピロール化合物が挙げられる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記赤外領域に吸収を有する色素が、下記一般式(2)で表されるピロロピロール化合物であることが、堅牢性を高めて保存性を改善する観点からより好ましい。また、ピロロピロール化合物が固体分散状態で色素含有層に含まれていることが同様の観点から好ましい。
Figure 0005828824
(一般式(2)中、R1a及びR1bは同じであっても異なってもよく、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。R2及びR3は各々独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも一方は電子吸引性基であり、R2及びR3は結合して環を形成してもよい。R4は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、置換ホウ素または金属原子を表し、R1a、R1bおよびR3の少なくとも1以上の基と共有結合もしくは配位結合してもよい。)
前記一般式(2)で表される化合物の好ましい範囲は、特開2009−263614号公報の一般式(1)の好ましい範囲と同様である。
(1)シアニン染料
前記シアニン染料としては、ペンタメチンシアニン染料、ヘプタメチンシアニン染料、ノナメチンシアニン染料等のメチン染料が好ましく、特開2001−228324号公報等に記載のメチン染料が好ましい。シアニン染料の環基としてはチアゾール環、インドレニン環又はベンゾインドレニン環を有するものが好ましい。
本発明に用いられる前記シアニン染料としては、前記一般式(1)、すなわち特開2001−228324号公報の一般式(I)で表されるシアニン染料を挙げることができ、その中でもペンタメチンシアニン染料、ヘプタメチンシアニン染料またはノナメチンシアニン染料(特にそれらの会合体)が好ましく、特開2001−228324号公報の一般式(II)で表されるペンタメチンシアニン染料、ヘプタメチンシアニン染料またはノナメチンシアニン染料(特にそれらの会合体)がより好ましく、特開2001−228324号公報の一般式(II)で表されるヘプタメチンシアニン染料が特に好ましい。
(2)オキソノール染料
前記オキソノール染料としては、特開2009−244493号公報の一般式(II)で表されるオキソノール染料が好ましく、その中でもバルビツール酸環を有するバルビツール酸オキソノール染料がより好ましい。
(3)ピロロピロール化合物
前記ピロロピロール化合物としては、前記一般式(2)、すなわち特開2009−263614号公報や特開2010−90313号公報の一般式(1)で表されるピロロピロール化合物が好ましく、特開2009−263614号公報や特開2010−90313号公報の一般式(2)、(3)又は(4)のいずれかで表されるピロロピロール化合物がより好ましい。
以下に、前記一般式(2)、すなわち特開2009−263614号公報や特開2010−90313号公報の一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるピロロピロール化合物(色素)の具体例を示すが、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 0005828824
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(ポリマー)
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記色素含有層中にポリマーを含むことが好ましい。前記ポリマーは、前記色素含有層中において、いわゆるバインダーとして用いることができる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記色素含有層中における前記色素に対する前記ポリマーの質量比(ポリマー/色素比)が50以下であることが極大反射波長での透過率を低くし、暖まり率を低くする観点から好ましい。前記色素含有層中における前記色素に対する前記ポリマーの質量比は、1〜40であることがより好ましく、3〜30であることが特に好ましく、10〜20であることがより特に好ましい。
前記色素含有層中に含まれるポリマーの含有量の好ましい範囲は、前記色素に対する前記ポリマーの質量比の好ましい範囲とも関連するが、例えば1000mg/m2以下であることが面状の観点から好ましく、100mg/m2以上であることが支持体との密着の観点から好ましい。
前記ポリマーの種類としては特に制限は無く、公知のポリマーを用いることがで、透明ポリマーを用いることがより好ましい。前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記ポリマーがポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート樹脂であることが好ましく、ポリエステルであることが支持体との密着の観点からより好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記ポリマーが水性分散物であることが、環境影響の観点と、塗布コスト低減の点から好ましい。
本発明では、前記ポリマーとして、水溶性ポリエステル樹脂であるプラスコートZ−592(互応化学工業株式会社製)や水溶性ウレタン樹脂であるオレスターUD350(三井化学株式会社製)などを好ましく用いることができる。
<熱線遮蔽材の製造方法>
本発明の熱線遮蔽材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布方法により、前記基材の表面に前記金属粒子含有層、前記紫外線吸収層、更に必要に応じてその他の層を形成する方法が挙げられる。
−金属粒子含有層の形成方法−
本発明の金属粒子含有層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材などの下層の表面上に、前記金属平板粒子を有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。本発明の熱線遮蔽材を製造するとき、後述の実施例で用いた金属粒子含有層の組成とし、ラテックスを添加する等によって、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在するようにする。前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在するようにすることが好ましい。前記ラテックスの添加量に特に制限は無いが、例えば金属平板粒子に対して、1〜10000質量%添加することが好ましい。
なお、面配向を促進するために、金属平板粒子を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通すことにより促進させてもよい。
<熱線遮蔽材の特性>
本発明の熱線遮蔽材の遮蔽係数としては、0.8未満であることが好ましく、0.7未満であることがより好ましい。
本発明の熱線遮蔽材の可視光線透過率としては遮蔽係数が0.680であるときに、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。前記可視光線透過率が、60%未満であると、例えば、自動車用ガラスや建物用ガラスとして用いた時に、外部が見にくくなることがある。
<熱線遮蔽材の使用態様>
本発明の熱線遮蔽材を使って、既設窓ガラスの類に機能性付与する場合は、粘着剤を積層してガラスの室内側に貼り付ける。その際、反射層をなるべく太陽光側に向けた方が発熱を防ぐことになるので、前記金属平板粒子含有層の上に粘着剤層を積層し、その面から窓ガラスへ貼合するのが適切である。
本発明の熱線遮蔽材と、ガラス及びプラスチックのいずれかとを貼り合わせて、貼合せ構造体を製造することができる。
前記貼合せ構造体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上述のように製造した本発明の熱線遮蔽材を、自動車等の乗り物用ガラスまたはプラスチックや、建材用ガラスまたはプラスチックに貼合せる方法などが挙げられる。
本発明の熱線遮蔽材は、熱線(近赤外線)を選択的に反射または吸収するために使用される態様であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体、農業用フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、省エネルギー効果の点で、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体であることが好ましい。
なお、本発明において、熱線(近赤外線)とは、太陽光に約50%含まれる近赤外線(780nm〜1,800nm)を意味する。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(金属平板粒子の合成)
純水308mLに1質量%のクエン酸ナトリウム水溶液24.5mLおよび8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液16.7mLを添加し、35℃まで加熱した。この溶液に2.3wt%の水素化ほう素ナトリウム水溶液を1mL添加し、0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−1)266mLを攪拌しながら添加した。この溶液を20分間攪拌した後、1質量%のクエン酸ナトリウム水溶液24.5mLと10mMのアスコルビン酸水溶液33mLおよび純水308mLを添加した。さらに0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−2)199mLを攪拌しながら添加した。30分間攪拌した後、0.35Mのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液197mL、および、平均分子量20万の不活性ゼラチン37gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液を反応釜に添加した。次に、予め、13.5%の亜硫酸ナトリウム水溶液67mL、10%硝酸銀水溶液228mLおよび純水369mLを混合してできた亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を反応釜に添加した。この溶液を300分間攪拌した後、1NのNaOHを140mlと2質量%の1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液を4.46mL添加して、平板状銀分散液A1を得た。この平板状銀分散液A1には、平均円相当径135nmの銀の六角平板粒子が生成していることを以下の方法で確認した。
(金属平板粒子分散液の調液)
平板状銀分散液A1を200mL抽出し、遠心分離機(コクサン社製H200−N、アングルロータLN)で、7000rpmで60分間遠心分離を行い、銀平板粒子を沈殿させた。遠心分離後の上澄み液を190mL捨て、0.2mMのNaOH水溶液を90mL添加し、卓上型ホモジナイザー(三井電気精機社製、SpinMix08)にて12000rpmで15分分散させることで、銀平板粒子分散液B1を調液した。
得られた銀平板粒子分散液B1を、実施例1の金属平板粒子分散液B1とした。
(金属平板粒子分散液の評価)
実施例1の銀平板粒子分散液について、以下のようにして諸特性を評価した。
−銀粒子の円相当径−
銀平板粒子分散液B1のTEM観察により得られた像を、画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。数視野のTEM像から任意に抽出した500点の粒子に関して画像解析を行い、円相当径を算出した。結果、二峰性の粒度分布を有することが判明した。粒径が大きい方の分布は六角形状、円形状、及び三角形状の粒子で構成されており、これを三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子A(金属粒子Aとも言う)とした。粒径が小さい方の分布は六角形状、円形状および三角形状の粒子を除く、不定形形状(例えば三角錐形状、四面体形状、球状、涙型、五角形状、菱形形状)の粒子で構成されており、これを三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子B(金属粒子Bとも言う)とした。金属粒子Aの平均粒子径(円相当径、円相当直径)と、金属粒子Bの平均粒子径を下記表1に記載した。
金属粒子Bに該当する粒子の全金属粒子数に対する個数割合(個数%)を求めて下記表1に記載した。
また、金属粒子Bに該当する粒子のなかで円相当直径(本明細書中、円相当径や平均粒子径ともいう)が40nm以上の金属粒子の全金属粒子数に対する個数割合を算出し、下記表1に記載した。
−銀粒子の厚み−
銀平板粒子分散液B1を用いて遠心分離、上澄み液廃却、希釈、分散を2回繰り返して作製した銀平板分散液をシリコン基板上に滴下して乾燥し、上記金属粒子A、金属粒子Bそれぞれに該当する銀平板粒子の個々の厚みをFIB−TEM法により測定した。銀平板粒子分散液B1中の金属粒子Aの平均厚みは10nmであり、金属粒子Bの平均厚みは25nmであった。
−ろ過性−
銀平板粒子分散液B1の送液試験を行い、ろ過性を評価した。フィルターにはFCフィルター(富士フィルター工業社製、公称径3μm)を使用した。内径2cmの配管に平板状銀分散液を送液し、2.5cmΦに切り出したフィルターを送液方向に対して鉛直方向にセットした。有効ろ過面積は配管内径と同じく2cmである。平板状銀分散液を100mL/分の流量で送液し、このときに配管内の圧力が0.2MPaとなるまでに送液できた平板状銀分散液の液量を秤量した。
ろ過性の評価基準:
送液量500mL未満を×、
送液量500mL以上、1L未満を△、
送液量1L以上、2.5L未満を○、
送液量2.5L以上を◎
とした。
得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例2]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン29.6gを純水258mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例2の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例2の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
なお、平板状銀分散液の近赤外光反射ピーク波長はAg−1、Ag−2、亜硫酸銀白色沈殿物混合液の濃度、添加量によって調整できる。実施例2以降では近赤外光反射ピーク波長を実施例1に合わせるよう、これらを適宜調整した。また、ゼラチンの種類や溶液のpH、還元剤の種類、温度など種々の反応条件により粒子形成の速度が変わるため、実施例2以降では攪拌時間を適宜変更して平板状銀分散液を作製した。また、銀平板の形成で使用する各薬液は基本的には純水で溶解して作製するが、Tert−ブチルヒドロキノンのような水に難溶性の薬品を扱う際にはエタノールや2−プロパノールのような水溶性アルコール類を適宜添加した水溶液に溶解させて粒子形成を行った。
[実施例3]
実施例1において、不活性ゼラチン添加後に1N NaOHを8ml添加した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例3の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例3の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例4]
実施例1において、不活性ゼラチン添加後に1N NaOHを15ml添加した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例4の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例4の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例5]
実施例1において、Ag−2添加後に25℃に冷却した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例5の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例5の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例6]
実施例1において、Ag−2添加後に30℃に冷却した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例6の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例6の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例7]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン30gと平均分子量2万の不活性ゼラチン7gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例7の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例7の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例8]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン22gと平均分子量2万の不活性ゼラチン15gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例8の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例8の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例9]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン15gと平均分子量2万の不活性ゼラチン22gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例9の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例9の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例10]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン7gと平均分子量2万の不活性ゼラチン30gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例10の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例10の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例11]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン55gを純水480mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例11の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例11の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例12]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン74gを純水644mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例12の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例12の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例13]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例13の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例13の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例14]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例14の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例14の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例15]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのトリメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例15の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例15の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例16]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mメトキシヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例16の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例16の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例17]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのtert−ブチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例17の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例17の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例18]
実施例1において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mの2,3−ジメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例18の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例18の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例19]
実施例1において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を4.5ml添加した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例19の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例19の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例20]
実施例1において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を9ml添加した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例20の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例20の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例21]
実施例6において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン30gと平均分子量2万の不活性ゼラチン7gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例6と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例21の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例21の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例22]
実施例6において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン22gと平均分子量2万の不活性ゼラチン15gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例6と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例22の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例22の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例23]
実施例6において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン15gと平均分子量2万の不活性ゼラチン22gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例6と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例23の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例23の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例24]
実施例21において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン45gと平均分子量2万の不活性ゼラチン11gを純水483mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例21と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例24の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例24の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例25]
実施例21において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン60gと平均分子量2万の不活性ゼラチン14gを純水644mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例21と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例25の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例25の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例26]
実施例22において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン33gと平均分子量2万の不活性ゼラチン23gを純水483mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例22と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例26の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例26の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例27]
実施例22において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン44gと平均分子量2万の不活性ゼラチン30gを純水644mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例22と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例27の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例27の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例28]
実施例23において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン23gと平均分子量2万の不活性ゼラチン33gを純水483mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例23と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例28の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例28の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例29]
実施例23において、ゼラチン水溶液を、平均分子量20万の不活性ゼラチン30gと平均分子量2万の不活性ゼラチン44gを純水644mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例23と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例29の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例29の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例30]
実施例26において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を4.5ml添加した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例30の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例30の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例31]
実施例26において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を9ml添加した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例31の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例31の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例32]
実施例28において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を4.5ml添加した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例32の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例32の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例33]
実施例28において、ゼラチン水溶液添加後に1Nの硝酸を9ml添加した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例33の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例33の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表1に記載した。
[実施例34]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例34の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例34の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例35]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例35の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例35の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例36]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのテトラメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例36の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例36の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例37]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液、を0.35Mのメトキシヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例37の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例37の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例38]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのtert−ブチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例38の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例38の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例39]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mの2,3−ジメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例39の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例39の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例40]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例40の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例40の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例41]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例41の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例41の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例42]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのテトラメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例42の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例42の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例43]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメトキシヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例43の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例43の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例44]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのtert−ブチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例44の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例44の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例45]
実施例26において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mの2,3−ジメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例26と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例45の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例45の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例46]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例46の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例46の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例47]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例47の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例47の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例48]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのテトラメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例48の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例48の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例49]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメトキシヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例49の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例49の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例50]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのtert−ブチルヒドロキノン水溶液197mLに変更した以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例50の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例50の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例51]
実施例28において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mの2,3−ジメチルヒドロキノン水溶液197mLに変更しした以外は、実施例28と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例51の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例51の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例52]
実施例1において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例1と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例52の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例52の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例53]
実施例24において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例53の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例53の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例54]
実施例30において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例30と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例54の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例54の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例55]
実施例40において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例40と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例55の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例55の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例56]
実施例41において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例41と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例56の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例56の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例57]
実施例42において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例42と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例57の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例57の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[実施例58]
実施例43において、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液添加後に化合物II−25の7質量%水溶液を7.5mL添加した以外は、実施例43と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして実施例58の金属平板粒子分散液を調製した。得られた実施例58の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例1]
特開2011−118347号公報の実施例39記載の方法で銀平板粒子、金属平板粒子分散液を作製した。得られた金属平板粒子分散液を比較例1の金属平板粒子分散液とし、実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例2]
実施例1において、Ag−2添加後に45℃に昇温した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例2の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例2の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例3]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量2万の不活性ゼラチン37gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例3の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例3の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例4]
実施例1において、ゼラチン水溶液を、平均分子量10万の不活性ゼラチン19gを純水322mLに溶解したゼラチン水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例4の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例4の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例5]
実施例1において、不活性ゼラチン添加後に1N NaOHを20ml添加した以外は、実施例1と同様にして平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例5の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例5の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例6]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのアスコルビン酸水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例6の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例6の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例7]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのグルコース酸水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例7の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例7の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例8]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのメトール酸水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例8の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例8の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[比較例9]
実施例24において、ヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を、0.35Mのフェニドン酸水溶液197mLに変更した以外は、実施例24と同様に平板状銀分散液を作製した。その後、得られた平板状銀分散液を用いて、実施例1と同様にして比較例9の金属平板粒子分散液を調製した。得られた比較例9の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表2に記載した。
[熱線遮蔽材の作製と評価]
(熱線遮蔽材の作製)
上記にて調製した各実施例および比較例の銀平板粒子分散液B1を用いて、下記に示す組成の金属粒子含有層用の塗布液C1を調液した。
また、下記に示す組成の金属酸化物粒子含有層用の塗布液C2を調液した。これらを基材に塗布することで、熱線遮蔽材を作製した。さらに、各実施例および比較例の銀平板粒子分散液B1の塗布量を変更して、熱線遮蔽材を多数作製した。これらの熱線遮蔽材群を、各実施例および比較例の熱線遮蔽材とした。詳細を以下に記載する。なお、以下の調液における固形分濃度は、純水もしくはメタノール、エタノールなどの水溶性アルコールなどにより、適宜調整した後に使用した。
金属粒子含有層用の塗布液C1の組成:
ポリエステル水溶液:プラスコートZ687
(互応化学(株)製、固形分濃度25質量%) 1.85質量部
架橋剤A:カルボジライトV−02−L2
(日清紡(株)製、固形分濃度20質量%) 1.15質量部
架橋剤B:エポクロスK−2020E
((株)日本触媒製、固形分濃度20質量%) 0.51質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
銀平板粒子分散液B1 32.75質量部
1−(m−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬(株)製、固形分2質量%) 0.62質量部
水 30.97質量部
メタノール 30質量部
金属酸化物粒子含有層用の塗布液C2の組成:
変性ポリビニルアルコールPVA203(クラレ社製) 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
ITO粒子(三菱マテリアル社製) 35質量部
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300、厚み:50μm)の表面上に、金属粒子含有層用の塗布液C1を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが80nmになるように塗布した。その後、130℃で1分間分間加熱し、乾燥、固化し、金属粒子含有層を形成した。
次いで、形成した金属粒子含有層の裏面、即ち、PETフィルムの塗布液C1を塗布していない面に、金属酸化物粒子含有層用の塗布液C2を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが1.5μmになるように塗布した。
次いで、金属酸化物粒子含有層用の塗布液C2を塗布した面に、UV硬化型樹脂A(JSR製、Z7410B、屈折率1.65)を層厚みが約9μmとなるように塗布して塗布層を設けた後、この塗布層を70℃で1分間乾燥させた。次に、乾燥した塗布層に対して高圧水銀灯を用いて紫外線を照射することにより樹脂を硬化させて、金属酸化物粒子含有層上に3μmのハードコート層を形成した。なお、塗布層に対する紫外線の照射量は、1,000mJ/cm2とした。
なお、前記平均厚みは熱線遮蔽フィルムの断面SEM、TEMを観察することにより算出できる。塗布厚みに応じて適宜選択する。本発明ではFIB−TEM法で断面加工、断面観察を行い、塗布膜の厚みを10点測定した平均値を膜厚とした。この他にも、機械研磨、イオンミリング法、ミクロトーム法などでも断面加工は可能である。
得られた熱線遮蔽フィルムの金属粒子含有層の表面に粘着剤を貼り合わせた。粘着層として、PD−S1(パナック社製)を用い、一方の離型シートを剥がした面を前記金属粒子含有層と貼り合わせ、もう一方をガラスと厚さ3mmのフロートガラスと貼り合わせた状態で光学特性の評価を行った。
(光学特性評価)
金属粒子含有層を形成時の塗布量によって熱線遮蔽材の可視光透過率と遮蔽係数を変化させることができる。各実施例、各比較例において、各実施例および比較例の金属平板粒子含有液を含む金属粒子含有層用の塗布液C1の塗布量を変化させて多数の熱線遮蔽材を作製し、以下の方法で可視光透過率と遮蔽係数を算出した。
可視光透過率と遮蔽係数の測定方法:
各実施例、比較例において作製した熱線遮蔽材の透過スペクトル、反射スペクトルは紫外可視近赤外分光機(日本分光社製、V−670、積分球ユニット使用)を用いて測定し、JISR3106、JISA5759に従って可視光透過率、遮蔽係数を算定した。
(1)可視光透過率
各熱線遮蔽材について、380nm〜780nmまで測定した各波長の透過率を、各波長の分光視感度により補正することで算出した。
(2)遮蔽係数の測定方法
各熱線遮蔽材について、300nm〜2500nmまで測定した各波長の透過率から、JISA5759記載の方法に基づき算出した。
−遮蔽係数0.680における可視光透過率−
得られた可視光透過率と遮蔽係数を基に、x軸を可視光透過率(単位%)、y軸を遮蔽係数(単位なし)として、可視光透過率と遮蔽係数の関係をプロットしたグラフを作成した。
プロットを一次曲線(直線)に近似し、得られた一次曲線を外挿して、ある遮蔽係数での可視光透過率の値(単位%)を求めた。本明細書中では、遮蔽係数0.680における可視光透過率を光学特性の評価に用いた。
得られた結果を下記表1および表2に記載した。なお、下記表中の「可視光透過率」は、遮蔽係数0.680における可視光透過率を表す。
また、下記表1および表2の結果について、40nm以上の金属粒子Bの個数比率と可視光透過率(遮蔽係数0.680における可視光透過率)の関係をグラフにまとめ、下記図6に記載した。
Figure 0005828824
Figure 0005828824
上記表1および表2より、本発明の金属平板粒子分散液を用いて製造した熱線遮蔽材は、遮熱性能と可視光透過率がともに優れることがわかった。
一方、比較例1〜9より、円相当直径が40nm以上の非平板粒子の個数比率が30個数%以下であると、遮熱性能を高めたときに可視光透過率が悪化することがわかった。
なお、実施例2〜58の金属平板粒子分散液に含まれる金属粒子Aは、いずれも平均粒子厚みが8nm以上、14nm以下であり、平均アスペクト比(平均粒子径/平均粒子厚み)が8〜20であることを確認した。
[比較例201]
−金属平板粒子分散液の調製−
特開2011−118347号公報の実施例35に開示されている方法に途中まで基づいて、比較例201の金属平板粒子分散液を調製した。調製スケールは種溶液調製工程を40倍、以降の工程を100倍とし、種溶液全量を用いて約90Lの銀平板粒子分散液を得た。詳細を以下に記載する。
2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液2.00Lに0.5g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液を100mL添加し、35℃まで加熱した。この溶液に10mMの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を120mL添加し、0.5mMの硝酸銀水溶液2.00Lを800mL/minで撹拌しながら添加した。この水溶液を30分間撹拌し、種溶液を作製した。
反応釜中の2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液13.27Lにイオン交換水8.71Lを添加し、35℃まで加熱した。反応釜中の上記溶液に10mMのアスコルビン酸水溶液を200mL添加し、前記種溶液を全量添加し、0.5mMの硝酸銀水溶液7.96Lを1000mL/minで撹拌しながら添加した。30分間撹拌した後、0.35Mのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液7.11Lを反応釜に添加し、7質量%ゼラチン水溶液20.0kgを反応釜に添加した。反応釜中の上記溶液に、0.25Mの亜硫酸ナトリウム水溶液10.70Lと0.47Mの硝酸銀水溶液10.70Lを混合してできた亜硫酸銀の白色沈澱物混合液を添加した。前記白色沈澱物混合液を添加した後すぐに0.17MのNaOH水溶液7.20Lを反応釜に添加して、これを300分間撹拌した。このようにして、特開2011−118347号公報の実施例35と調製スケール以外は同様に銀平板粒子分散液を調製した。
引き続き、反応釜中の上記溶液を50℃まで加熱して、1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いてpH=10に調整した。これに分散剤として、1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム(和光純薬工業(株)製)を撹拌しながら添加した。1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウムはイオン交換水をNaOH(1N)でアルカリ性にして固形分2質量%の濃度で溶解し、添加に使用した。添加量は、銀に対するモル比率で1.0%とした。60分間撹拌を継続した後、30℃に降温した。最後に防腐剤としてII−44(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン:NaOHでアルカリ性にした7%水溶液で20mLを添加)とIV−18(フェノキシエタノール:100%原液で27.4mLを添加)を加えてからユニオンコンテナーII型(低密度ポリエチレン製:販売元アズワン(株))の20Lまたは10Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。この銀平板粒子分散液を、比較例201の銀平板粒子分散液とする。
(金属平板粒子分散液の評価)
比較例201の銀平板粒子分散液の分散液中には、銀の六角形状乃至円形状、および三角形状の平板粒子が生成していることを確認した。比較例201の銀平板粒子分散液のTEM観察により得られた像に対して実施例1と同様の画像処理および画像解析を施したところ、金属粒子Aの平均円相当径(は約210nmであった。また金属粒子Bに該当する粒子(ノイズ粒子)個数の全金属粒子個数に対する比率(割合)は40%であった。更に、金属粒子Bに該当する金属粒子であって、円相当径(円相当直径)が40nm以上の金属粒子が全金属粒子に対して占める個数比率(割合)は33%であった。また、金属粒子Aの平均厚みは16nmであった。平均アスペクト比(平均円相当径/平均厚み)は13であった。
また、比較例201の銀平板粒子分散液のろ過性を、実施例1と同様の方法で評価した。
得られた結果を下記表3に記載した。
<熱線遮蔽材の作製と評価>
以下、熱線遮蔽材の作製について記載する。塗布液調製に用いた原材料は、購入した素原料を希釈したり、あるいは分散物にするなど、適宜加工して使用した。
(熱線遮蔽材の作製)
−第1層(可視光反射率低減層)塗布液の調製−
ポリエステル水溶液:プラスコートZ−592
(互応化学工業(株)製、固形分25質量%) 3.17質量部
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%)0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
水 64.69質量部
メタノール 30質量部
−第2層(銀平板粒子含有遮熱層)塗布液の調製−
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量% 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
銀平板粒子分散液
(比較例201および実施例202〜209の分散液) 32.74質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
メタノール 30.00質量部
水 34.51質量部
−第3層(保護層)塗布液の調製−
コロイド状シリカ微粒子:スノーテックスXL
(平均粒子径40nm、日産化学工業(株)製、固形分10質量%) 1.29質量部
コロイド状シリカ微粒子:アエロジルOX−50
(平均粒子径40nm、日本アエロジル(株)製、
固形分10質量%の水分散物を調製) 0.29質量部
アクリルポリマー水分散物:AS563A
(ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%) 0.49質量部
カルナバワックス:セロゾール524(中京油脂(株)製、固形分3質量%)
2.86質量部
架橋剤:カルボジライトV−02−L2
(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%) 1.71質量部
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%)2.32質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 3.22質量部
ウレタンポリマー水溶液:オレスターUD350
(三井化学(株)製、固形分38質量%) 4.14質量部
水 83.68質量部
−色素分散液の調製−
ピロロピロール色素(D−10)を3質量部、DISPERBYK−191(ビックケミー・ジャパン(株)製)を2質量部、これに水を95質量部加えて、計100質量部のスラリーとした。このスラリーに対して、アシザワファインテック(株)製スターミルラボスターミニLMZ015を用いて湿式粉砕を行い、色素分散液BD−10を調製した。粉砕には0.1mmΦのジルコニアビーズを使用した。得られた色素微細粒子を電子顕微鏡で観察したところ、単分散で平均粒径36nmの不定形粒子であった。
−裏面第1層(赤外線吸収色素含有遮熱層)塗布液の調製−
色素分散液:BD−10 9.74質量部
ウレタンポリマー水溶液:オレスターUD350
(三井化学(株)製、固形分38質量%) 12.66質量部
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%)9.25質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 11.69質量部
メタノール 30質量部
水 26.66質量部
−裏面第2層(中間層)塗布液の調製−
変性ポリビニルアルコールPVA203((株)クラレ製、固形) 2.00質量部
グルタルアルデヒド 0.10質量部
メタノール 23.78質量部
水 74.12質量部
−裏面第3層(金属酸化物粒子含有遮熱層)塗布液−
ITO粒子分散液:PI−3
(三菱マテリアル(株)製、固形分40%) 100質量部
−裏面第4層塗布液−
UV硬化型樹脂:オプスターKZ6661
(JSR(株)製、固形分50質量%) 100質量部
−熱線遮蔽材の作製−
PETフィルム(東レ(株)製ルミラーU34、厚み:50μm、両面易接着層処理)の片面上に、第1層の塗布液をスロットダイ塗工方式を用いて塗布乾燥後の膜厚が90nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、屈折率が1.60であるアンダーコート層(第1層、可視光反射低減層)を設けた。
同様にして、第1層上に第2層の塗布液をスロットダイ塗工方式を用いて塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して銀平板粒子を含む金属平板粒子含有層(第2層、遮熱層)を設けた。第2層は銀平板粒子以外の固形分をあまり含まないため膜厚は不均一であり、銀平板粒子部分が凸部を形成して約16nm(平均粒子厚みと同等)と最も厚く、それ以外の部分は凹部を形成しているはずである。後述するように膜厚測定が困難であったため、第2層の膜厚は16nmと見なす。
更に、第2層上に第3層の塗布液をスロットダイ塗工方式を用いて塗布乾燥後の膜厚が120nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、屈折率が1.51であるオーバーコート層(第3層、保護層)を設けた。
PETフィルムの第1層、第2層、および第3層用の塗布液を塗布した面とは反対側の裏面上に、裏面第1層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥後の膜厚が500nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、赤外線吸収色素含有遮熱層(裏面第1層)を設けた。
同様にして、裏面第1層上に裏面第2層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分間の加熱乾燥処理を施して、乾燥後膜厚が500nmの中間層(裏面第2層)を設けた。
更に、裏面第2層上に裏面第3層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、90℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、金属酸化物粒子含有層(裏面第3層)を設けた。引き続き、160mW/cmのメタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、大気圧下で300mJ/cm2の紫外線を照射した。裏面第3層用塗布液は、ITO(インジウム錫酸化物)、分散剤、ポリアクリレート、開始剤、トルエン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−1−プロパノール、エタノールを主成分とする熱線カット塗料である、ITO塗料PI−3(三菱マテリアル(株)製)を用いた。ITO含有量は28質量%である。
次いで、裏面第3層用(金属酸化物粒子含有層用)の塗布液を塗布した面に、裏面第4層用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布して塗布層を設けた後、この塗布層を70℃で1分間乾燥させた。次に、乾燥した塗布層に対して、160mW/cmの高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製)を用いて大気圧下で1000mJ/cm2の紫外線を照射することにより樹脂を硬化させて、金属酸化物粒子含有層上に3μmのハードコート層(裏面第4層)を形成した。裏面第4層用塗布液は、紫外線硬化型アクリレートモノマー、無機ナノ粒子(酸化ジルコニウム)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを主成分とする有機/無機ハイブリッド系ハードコート剤であるオプスター(OPSTAR)KZ6661(JSR(株)製)を用いた。酸化ジルコニウムの含有量は30%である。こうして屈折率が1.66のハードコート層を得た。
このようにして、熱線遮熱材である試料201(比較例)を作製した。なお、前記の平均厚みは、レーザー顕微鏡(VK−8510、キーエンス社製)を用いて塗布前と塗布後の差を厚みとして測定し、これら10点の厚みを平均することにより算出した。更に、熱線遮蔽材の断面SEM、TEMを観察することによる算出方法と、FIB−TEM法で断面切削加工および観察を行って膜厚を10点測定する算出方法を、対象層の厚みに応じて適宜併用した。なお、第2層の遮熱層は厚みが薄く、本手法では定量的な値を求めることが困難なため、前記の通り粒子厚みを膜厚と見なした。
(熱線遮蔽材の光学特性評価)
前記の熱線遮蔽材試料201において、第2層(銀平板粒子含有遮熱層)形成時の塗布量を変化させると熱線遮蔽材の可視光透過率と遮蔽係数が特定の関係を持って変化する。第2層の塗布量を増やすと、可視光透過率(VLT)は下がり、遮蔽係数(SC)は下がる(これは熱線遮蔽能力が上がることを示す)。後述する光学特性評価のために、第2層の塗布量を適宜変化させて遮蔽係数が0.68近傍になる数点の試料群を作成した。
比較例201の熱線遮蔽材試料群の第3層(保護層)表面を清浄にした後、粘着材(粘着層)を貼り合わせた。粘着材としてパナック(株)製パナクリーンPD−S1(粘着層25μm)を使用して、軽剥離セパレータ(シリコーンコートPET)を剥がして前記第3層(保護層)表面に貼り合わせた。PD−S1の他方の重剥離セパレータ(シリコーンコートPET)を剥がし、フィルム施工液であるリアルパーフェクト(リンテック(株)社製)の0.5質量%希釈液を使用してソーダ石灰珪酸塩ガラス(板ガラス厚み:3mm)と貼り合わせて光学特性の評価を行った。なお、前記板ガラスはイソプロピルアルコールで汚れを拭き取って自然乾燥したものを使用し、貼り合わせ時、ゴムローラーを用いて25℃、湿度65%の条件下で、0.5kg/cm2の面圧で圧着した。
比較例201の熱線遮蔽材試料群に対して、実施例1に記載の方法で可視光透過率(VLT)と遮蔽係数(SC)を測定した。比較例201の熱線遮蔽材試料群において、可視光透過率(X)と遮蔽係数(Y)のX−Yプロットを作成して、遮蔽係数0.680における可視光透過率を数点のデータからの近似曲線で内挿して求め、比較例201の熱線遮蔽材試料群における光学特性の代表値とした。
結果を下記表3に示した。
[実施例202〜209]
(金属平板粒子分散液の作製と評価)
比較例201の銀平板粒子分散液を遠沈管に800mL採取して40℃に保ち、1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いてpH=10に調整した。遠心分離機(日立工機(株)製himacCR22GIII、アングルローターR9A)を用いて9000rpmで60分間の遠心分離操作を行った後、上澄液を720mL捨てた。沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計400mLとした。プライミクス(株)製フィルミックスFM−125−50を用いて、周速50m/秒で5分間のバッチ分散処理を施した。これを実施例202の銀平板粒子分散液とする。得られた実施例202の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例202の銀平板粒子分散液相当の分散液を800mL調製し、1本の遠沈管にまとめた。前記の遠心分離機を用いて9000rpmで40分間の遠心分離操作を行った。その後、上澄液を720mL捨て、沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計400mLとした。プライミクス(株)製フィルミックスFM−125−50を用いて、周速50m/秒で5分間のバッチ分散処理を施した。これを実施例203の銀平板粒子分散液とする。得られた実施例203の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例203の銀平板粒子分散液相当の分散液を800mL調製し、1本の遠沈管にまとめた。前記の遠心分離機を用いて9000rpmで40分間の遠心分離操作を行った。その後、上澄液を720mL捨て、沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計400mLとした。プライミクス(株)製フィルミックスFM−125−50を用いて、周速50m/秒で5分間のバッチ分散処理を施した。これを実施例204の銀平板粒子分散液とする。得られた実施例204の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例204の銀平板粒子分散液相当の分散液を800mL調製し、1本の遠沈管にまとめた。前記の遠心分離機を用いて9000rpmで40分間の遠心分離操作を行った。その後、上澄液を720mL捨て、沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計400mLとした。プライミクス(株)製フィルミックスFM−125−50を用いて、周速50m/秒で5分間のバッチ分散処理を施した。これを実施例205の銀平板粒子分散液とする。得られた実施例205の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例201の銀平板粒子分散液を400mL採取して40℃に保ち、1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いてpH=10に調整した。引き続き、蛋白質分解酵素として科研製薬株式会社製アクチナーゼEを1.6g添加して、40℃を維持したまま60分間撹拌を継続した。その後、分散液を80℃に昇温して2時間保持した後、40℃に戻した。限外濾過には、旭化成株式会社製マイクローザMFペンシル型モジュールPSP−003(公称孔径0.1μm)を用いた。まず始めに200mLまで濃縮濾過を行った後、200mLの液量を保ちながら1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いてpH=10に調整したイオン交換水160mLを添加して洗浄濾過を行った(ダイアフィルトレーション)。濾過は40℃で行い、モジュールの入口圧力が最大80kPaになるように出口側のバルブを調節した。モジュール内の線速が25cm/秒になるようにポンプ流量を設定した。イオン交換水を使い切った時点で濾過終了とした。これを実施例206の銀平板粒子分散液とする。得られた実施例206の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例206の銀平板粒子分散液の調製において、洗浄濾過に使用するpH=10に調整したイオン交換水を390mLに増やした以外は実施例206の銀平板粒子分散液の調製と同様にして、実施例207の銀平板粒子分散液を調製した。得られた実施例207の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例206の銀平板粒子分散液の調製において、洗浄濾過に使用するpH=10に調整したイオン交換水を620mLに増やした以外は実施例206の銀平板粒子分散液の調製と同様にして、実施例208の銀平板粒子分散液を調製した。得られた実施例208の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
実施例206の銀平板粒子分散液の調製において、洗浄濾過に使用するpH=10に調整したイオン交換水を850mLに増やした以外は実施例206の銀平板粒子分散液の調製と同様にして、実施例209の銀平板粒子分散液を調製した。得られた実施例209の金属平板粒子分散液を実施例1と同様にして評価した。その結果を下記表3に記載した。
(熱線遮蔽材の作製)
比較例201の熱線遮蔽材試料群の作製において、第2層(銀平板粒子含有遮熱層)に用いる銀平板粒子分散液の比較例201の銀平板粒子分散液に代えて、実施例202〜209の銀平板粒子分散液を用いた以外は比較例201の熱線遮蔽材試料と同様にして、遮熱材料である実施例202〜209の熱線遮蔽材試料を作製した。実施例202〜209の熱線遮蔽材試料に対して、第2層塗布液の塗布量を銀塗布量が15〜35mg/m2の範囲で変化するようにしてそれぞれ数点の試料群を作製した(実施例1に記載した光学特性評価のため)。
(熱線遮蔽材の光学特性評価)
実施例202〜209の熱線遮蔽材試料群に対して、比較例201の熱線遮蔽材試料群と同様にして、遮蔽係数0.680における可視光透過率を数点のデータからの近似曲線で内挿して求め、各試料群における光学特性の代表値とした。
結果を下記表3にまとめて示した。
Figure 0005828824
上記表3より、本発明の金属平板粒子分散液を用いて製造した熱線遮蔽材は、遮熱性能と可視光透過率がともに優れることがわかった。
一方、比較例201より、円相当直径が40nm以上の非平板粒子の個数比率が30個数%を超えていると、遮熱性能を高めたときに可視光透過率が悪化することがわかった。
なお、実施例202〜209の金属平板粒子分散液に含まれる金属粒子Aは、いずれも平均粒子厚みが15〜17nmであり、平均アスペクト比(平均円相当径/平均粒子厚み)が12〜14であることを確認した。
実施例202〜205と実施例206〜209を比較すると、実施例206〜209の方が遮熱性能と可視光透過率の改良ならびにろ過性において優れている。これは推定の域を出ないが、遠心分離による沈澱形成と再分散を繰り返すことが何らかの不具合を招いていると考えられる。
また、比較例201と実施例202〜205のそれぞれの比較、あるいは比較例201と実施例206〜209のそれぞれの比較から、水洗効率を向上させることで遮熱性能と可視光透過率を更に改良できることがわかる。水洗率は実施例202と実施例206が10%、実施例203と実施例207が1%、実施例204と実施例208が0.1%、実施例205と実施例209が0.01%である。
[比較例301]
(熱線遮蔽材の作製)
−第1層(可視光反射率低減低屈折率層)塗布液の調製−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 2.03質量部
中空シリカ粒子:スルーリア4110
(平均粒子径60nm、日揮触媒化成(株)製、固形分20質量%) 3.75質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
メタノール 26.25質量部
水 66.79質量部
−第2層(可視光反射率低減高屈折率層)塗布液の調製−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 13.48質量部
ジルコニア微粒子:ナノユースZR−30BF
(平均粒子径20nm、日産化学工業(株)製、固形分30質量%) 6.67質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
メタノール 30.00質量部
水 55.34質量部
−第3層(銀平板粒子含有遮熱層)塗布液の調製−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%)0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
銀平板粒子分散液
(比較例201および実施例202〜209の分散液) 32.74質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
メタノール 30.00質量部
水 34.24質量部
−第4層(保護層)塗布液の調製−
微粒子:(コロイド状シリカ、平均粒子径40nm、スノーテックスXL、
日産化学工業(株)製、固形分10質量%) 1.29質量部
微粒子:(コロイド状シリカ、平均粒子径40nm、アエロジルOX−50、
日本アエロジル(株)製、固形分10質量%の水分散物を調製) 0.29質量部
アクリルポリマー水分散物:AS563A
(ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%) 0.49質量部
ワックス:セロゾール524(中京油脂(株)製、固形分3質量%) 2.86質量部
架橋剤:カルボジライトV−02−L2
(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%) 1.71質量部
界面活性剤A:リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%)2.32質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 3.22質量部
ウレタンポリマー水溶液:オレスターUD350
(三井化学(株)製、固形分38質量%) 4.14質量部
水 83.68質量部
−熱線遮蔽材の作製−
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300、厚み:38μm、両面易接着層処理)の片面上に、第1層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、屈折率が1.40である第1アンダーコート層(第1層、可視光反射低減低屈折率層)を設けた。
同様にして、第1層上に第2層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥後の膜厚が280nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、屈折率が1.65である第2アンダーコート層(第2層、可視光反射低減高屈折率層)を設けた。
次いで、第2層上に第3層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、銀平板粒子を含む金属平板粒子含有層(第3層、遮熱層)を設けた。第3層は銀平板粒子以外の固形分をあまり含まないため、比較例201と同様に第3層の膜厚は16nmと見なす。
更に、第3層上に第4層の塗布液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥後の膜厚が120nmとなるように塗布し、130℃で1分間の加熱乾燥処理を施して、屈折率が1.51であるオーバーコート層(第3層、保護層)を設けた。
PETフィルムの第1層、第2層、第3層および第4層用の塗布液を塗布した面とは反対側の裏面上に、熱線遮蔽材試料201と同様にして、赤外線吸収色素含有遮熱層(裏面第1層)/中間層(裏面第2層)/金属酸化物粒子含有層(裏面第3層)/ハードコート層(裏面第4層)を形成した。こうして熱線遮蔽材の試料301を作成した(比較例)。また、第3層中の銀平板粒子分散液を比較例201から実施例202〜209に代えて、熱線遮蔽材試料302〜309(実施例)を作成した。
比較例201に対して行ったのと同様に、粘着材(粘着層)を介してソーダ石灰珪酸塩ガラス(板ガラス厚み:3mm)と貼り合わせて、比較例301および実施例302〜309に対して光学特性を評価した。比較例301および実施例302〜309は、対応する比較例201および実施例202〜209に対して、遮蔽係数SC=0.680における可視光透過率VLTが約1.0%上昇する結果を得た。
−熱線遮蔽材の作製−
熱線遮蔽材試料201において、基材であるPETフィルムを特開2012−116184号公報の実施例に記載されているオリゴマー析出耐性に優れた[試験8]の積層ポリエステルに代え、第1層の基材表面(硬化膜層H−2側)への塗布および裏面第1層の基材裏面(耐傷性層H−5側)への塗布を行う前に大気圧プラズマ処理を施した以外は熱線遮蔽材試料201と全く同様にして熱線遮蔽材試料401(比較例)を作成した。また、第2層中の銀平板粒子分散液を比較例201から実施例202〜209に代えて、熱線遮蔽材試料302〜309(実施例)を作成した。これらの試料に対して、比較例201で行ったのと同様に、粘着材(粘着層)を介してソーダ石灰珪酸塩ガラス(板ガラス厚み:3mm)と貼り合わせて、比較例401および実施例402〜409に対して光学特性を評価したところ、同様の効果が得られることを確認した。
本発明の熱線遮蔽材は、可視光透過性が高く、遮熱性能に優れるために金属平板粒子の配列を維持できるので、例えば自動車、バス等の乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体などとして、熱線の透過を防止することの求められる種々の部材として好適に利用可能である。
1 基材
2 金属粒子含有層
2a 金属粒子含有層の表面
3 金属平板粒子
4 オーバーコート層
5 ハードコート層
10 熱線遮蔽材
11 粘着層
12 金属酸化物粒子含有層
13 色素含有層
D 直径
L 厚み
F(λ) 粒子存在域厚

Claims (7)

  1. 三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状の金属粒子Aと、
    三角形状または六角形状乃至円形状の主面を有する平板状以外の形状の金属粒子Bと、
    防腐剤とを含み、
    円相当直径が40nm以上の前記金属粒子Bを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して30個数%以下であり、
    前記防腐剤が下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする金属平板粒子分散液。
    Figure 0005828824
    (一般式(1)中、R 13 は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、(R 16 )(R 17 )−N−C(=O)−または(R 16 )(R 17 )−N−C(=S)−を表す。R 14 およびR 15 はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基またはアルキルスルホニル基を表し、R 14 とR 15 は互いに結合して芳香環を形成してもよい。R 16 およびR 17 はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
    Figure 0005828824
    (一般式(2)中、R 20 は低級アルキレン基を表す。Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR 21 、−N(R 22 )(R 23 )または−SO 2 Mを表す。R 21 は水素原子、−〇M、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基または−N(R 24 )(R 25 )を表す。R 22 およびR 23 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR 26 または−SO 2 26 を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R 24 およびR 25 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R 26 は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群を表す。pは0または1を表す。qは0から5までの整数を表す。)
  2. 前記金属粒子Aを含有する比率が、前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bの合計に対して60個数%以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属平板粒子分散液。
  3. 前記金属粒子Aの平均粒子厚みが20nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属平板粒子分散液。
  4. 前記金属粒子Aの平均アスペクト比(平均粒子径/平均粒子厚み)が8〜20であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液。
  5. 前記金属粒子Aおよび前記金属粒子Bが銀粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液。
  6. 遠心分離または限外濾過を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の金属平板粒子分散液を用いて形成されてなる金属粒子含有層を有することを特徴とする熱線遮蔽材。
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