JP5827102B2 - プレキャスト部材の設置方法及びこれに用いるプレキャスト部材 - Google Patents

プレキャスト部材の設置方法及びこれに用いるプレキャスト部材 Download PDF

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本発明は、プレキャスト部材の設置方法及びこれに用いるプレキャスト部材に関する。
ボックスカルバート、水路、擁壁などの施工延長の長い鉄筋コンクリート構造物は、長さ5〜10mのブロックに分けて構築される。ブロック相互のずれを防止するため、スリップバーと呼ばれる連結棒がブロック接合部に設置される。スリップバーはブロック相互の上下及び左右の変位を抑制するものであり、延長方向(長手方向)には移動(スリップ)できる構造となっているもの、長手方向に移動できない構造となっているものがある。
鉄筋コンクリート構造物の構築方法として、場所打ち工法及びプレキャストブロック工法が知られている。場所打ち工法は、現地での鉄筋組み立て、型枠設置、コンクリート打設及び型枠撤去を実施するものである。場所打ち工法の場合、以下のような工程を経ることで鉄筋コンクリート構造物中にスリップバーを問題なく設置できる。すなわち、スリップバーの一部(固定側)が先施工ブロック内に埋設されるようにコンクリートを打設する。このスリップバーの残りの部分にスリップ機構(テープ巻き、シース設置又はアスファルト塗布など)を設けた後、この部分(スリップ側)が後施工ブロック内に埋設されるようにコンクリートを打設する。
他方、プレキャストブロック工法は、鉄筋コンクリート構造物を長手方向及び/又は上下・左右方向に分割したプレキャスト部材を作製し、現地で長手方向及び/又は上下・左右方向に接合しながら組み立てていくものである。下記特許文献1の図7にはPC版1A,1Bの内部に設置されたスリップバー11が図示されている。
ところで、プレキャストブロック工法で横方向及び上下方向にプレキャスト部材を接合する場合、上下方向の鉄筋を接合しながら、横方向にスリップバーを設置する必要があり、場所打ち工法と同様の方法ではスリップバーを設置できない。例えば、図5に示すように、既設のコンクリート構造物50の縁部に複数のプレキャスト部材を並べて立設して壁を構築する場合、既設のコンクリート構造物50に設けられた縦方向鉄筋50a及びプレキャスト部材P1の縦方向鉄筋25aによってプレキャスト部材P1をコンクリート構造物50に接合(上下方向の接合)できても、プレキャスト部材P1の側方に突出するスリップバーP1aが邪魔してプレキャスト部材P1のすぐ隣にプレキャスト部材P2を配置することができない。
そこで、プレキャストブロック工法では、従来、長手方向の接合についてスリップバーではなくボルトボックスを使用してボルト締めを行い、他方、上下方向の接合について機械継手を使用して縦方向の鉄筋を接合する方法が採られている。具体的には、図6(a)に示すように、(1)複数のボルトボックスB1,B2を側方にそれぞれ有し且つ底面に縦方向鉄筋接続の機械継手を有するプレキャスト部材P3,P4を作製し、現地に搬入する。(2)先設置のプレキャスト部材P3を鉛直方向に吊り下ろし、プレキャスト部材P3底面の穴部に既設のコンクリート構造物50に設置された縦方向鉄筋50aに挿入しながら据えつける。上下方向は機械継手及び縦方向鉄筋25aにより縦方向の鉄筋を接続する。(3)プレキャスト部材P3に接するように、後設置のプレキャスト部材P4を鉛直方向に吊り下ろし、プレキャスト部材P3と同様にコンクリート構造物50に据えつける。(4)ボルトボックスB1,B2のプレートp1,p2の開口に接合ボルトbを設置して締めこむ(図6(b)参照)。このとき、プレキャスト部材P3,P4の間に隙間が残るようであれば、ボルトボックスB1,B2の間にライナープレート(図示せず)を挿入して締めこむ。
特開平11−81207号公報
しかし、ボルトボックスを利用して横方向にプレキャスト部材を接合する場合、次のような問題が生じやすい。横方向の接合に高い強度が要求される場合、接合部の強度を確保するために数多くのボルトボックスをプレキャスト部材に設ける必要がある。ボルトボックスは高価であるため、ボルトボックスの増加は全体の工事費の上昇につながる。また、上下方向を機械継手などで接合してプレキャスト部材が横方向に移動できない状態とした後にボルト締めをするため、プレキャスト部材間に隙間が残っている場合、ボルトボックスが破損することがある。
また、ボルトボックスが設けられたプレキャスト部材は、ボルトボックスの箇所で鉄筋が切断されるため、ボルトボックスが設けられていないプレキャスト部材と比較すると強度が低くなりやすい。この強度低下を防止するため、ボルトボックスの近傍に補強用の鉄筋を設置するなどの対策が必要となる場合もある。
本発明はボルトボックスを使用しなくても非平行の2方向(例えば、横方向及び上下方向)にプレキャスト部材を接合可能な方法及びこれに用いるプレキャスト部材を提供することを目的とする。
本発明に係るプレキャスト部材の設置方法は、プレキャスト部材を非平行の2方向に接合するためのものであって、(a)接合面に開口が設けられ連結棒を収容可能な第1の穴部を有する第1のプレキャスト部材を、既設のコンクリート構造物に接合する工程と、(b)第1のプレキャスト部材の開口の位置と対応する位置に開口が設けられ連結棒の先端側を挿入可能な第2の穴部を有する第2のプレキャスト部材を、第1のプレキャスト部材に隣接するように既設のコンクリート構造物に接合する工程と、(c)第1の穴部に収容した連結棒を第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせ、連結棒の先端側を第2の穴部に挿入する工程と、(d)連結棒をスライドさせた後、第1の穴部及び第2の穴部に液状の充填材を充填する工程を備え、既設のコンクリート構造物は、当該コンクリート構造物の上面の縁部に沿って並ぶように設けられた複数の縦方向鉄筋を有し、第1及び第2のプレキャスト部材は、既設のコンクリート構造物の上面と接合される底面と、当該底面における複数の縦方向鉄筋の位置とそれぞれ対応する位置に複数の機械継手とを有し、(a)工程及び(b)工程において、縦方向鉄筋及び機械継手によって既設のコンクリート構造物と第1及び第2のプレキャスト部材とをそれぞれ接続する。なお、上記充填材の具体例としては、モルタル、セメントミルク及びエポキシ樹脂が挙げられる。
上記方法は、第1及び第2のプレキャスト部材と既設のコンクリート構造物とを接合する方向と、第1のプレキャスト部材と第2のプレキャスト部材とを接合する方向とが非平行であっても、第1のプレキャスト部材と第2のプレキャスト部材が並ぶように連結棒によって接合できる。仮に、第1のプレキャスト部材に連結棒の基端側を埋設させ、先端側が突出するように予め連結棒を設けた場合、突出した連結棒が邪魔して第2のプレキャスト部材をすぐ隣に配置できない(図5参照)。これに対し、上記方法によれば、まず、第1のプレキャスト部材及び第2のプレキャスト部材を所定の位置に配置し、その後、連結棒をスライドさせ、この連結棒によって第1のプレキャスト部材と第2のプレキャスト部材とを接合できる。なお、本発明において、(a)第1のプレキャスト部材をコンクリート構造物に接合する工程及び(b)第2のプレキャスト部材をコンクリート構造物に接合する工程は、どちらの工程を先に実施してもよい。
第1のプレキャスト部材は上下方向に並ぶように設けられた複数の第1の穴部を上記接合面に有し、第2のプレキャスト部材は複数の第1の穴部の位置と対応する高さにそれぞれ設けられた複数の第2の穴部を一方の側面側に有するとともに上下方向に並ぶように設けられた複数の第3の穴部を他方の側面側に有し、第2のプレキャスト部材において、複数の第2の穴部と複数の第3の穴部は互いに段違いに設けられてい
上記連結棒は、第1の穴部の側面との間をシールするパッキンが基端部に装着された状態で第1の穴部に収容されていてもよい。この場合、第1の穴部における連結棒の基端部側の空間の圧力を高めることによって連結棒を第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせることができる。基端部側の空間に液状の充填材を供給して当該空間の圧力を高めることによって連結棒を第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせてもよい。
上記連結棒は、第1のプレキャスト部材の外に先端があり第1の穴部内において連結棒に沿うように延びる紐状部材が基端部に連結された状態で第1の穴部に収容されていてもよい。この場合、紐状部材を引っ張ることによって連結棒を第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせることができる。なお、ここでいう紐状部材の具体例としてはワイヤ及びロープなどが挙げられる。
上記連結棒はテープ巻き、シース設置及びアスファルト塗布から選ばれるスリップ機構が先端側に設けられたものであってもよい。かかる構成を採用することにより、連結棒にスリップバーの機能を付与することが可能となり、温度変化によってプレキャスト部材に生じる熱応力などを軽減できる。
本発明は、上記方法に適したプレキャスト部材を提供する。すなわち、本発明のプレキャスト部材は、接合面を有したものであり、この接合面に開口が設けられ連結棒を収容可能な穴部と、穴部に収容された連結棒と、連結棒が開口から突出するようにスライドさせるスライド手段と、既存のコンクリート構造物の上面と接合される底面と、当該底面に設けられた複数の機械継手であって既存のコンクリート構造物の上面の縁部に沿って設けられた複数の縦方向鉄筋とそれぞれ接続される複数の機械継手とを備える。本発明のプレキャスト部材は、上下方向に並ぶように設けられた複数の穴部を一方の側面側に有するとともに上下方向に並ぶように設けられた複数の穴部を他方の側面側に更に有し、一方の側面側に設けられた複数の穴部と他方の側面側に設けられた複数の穴部は互いに段違いに設けられてい
上記連結棒は穴部の側面との間をシールするパッキンが基端部に装着された状態で穴部に収容されてもよい。この場合、上記スライド手段として穴部における基端部側の空間の圧力を高めるものを採用すればよい。
上記連結棒は当該プレキャスト部材の外に先端があり穴部内において連結棒に沿うように延びる紐状部材が基端部に連結された状態で穴部に収容されていてもよい。この場合、上記紐状部材がスライド手段をなし、紐状部材を引っ張ることによって連結棒をスライドさせることができる。
本発明によれば、ボルトボックスを使用しなくても非平行の2方向にプレキャスト部材を接合可能である。高価なボルトボックスを使用しなくてもよいため、横方向の接合に高い強度が要求される場合であっても全体の工事費の上昇を十分に抑制できる。また、連結棒を設置するための穴部は鉄筋を切断することなく配置できるため、プレキャスト部材に補強用の鉄筋を設置しなくても十分に高い強度を確保できる。
本発明に係るプレキャスト部材の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す2つのプレキャスト部材を既設のコンクリート構造物上に設置する作業を模式的に示す斜視図である。 (a)は連結棒が第1のプレキャスト部材に収容されている状態を模式的に示す断面図であり、(b)は連結棒を圧力によって第2のプレキャスト部材に移動させた後、液状の充填材を充填した状態を模式的に示す断面図である。 (a)は連結棒が第1のプレキャスト部材に収容されている状態を模式的に示す断面図であり、(b)は連結棒を紐状部材によって第2のプレキャスト部材に移動させた後、液状の充填材を充填した状態を模式的に示す断面図である。 従来のプレキャストブロック工法ではスリップバーを利用して横方向及び上下方向にプレキャストブロックを接合できないことを模式的に示す斜視図である。 (a)はボルトボックスを備えたプレキャスト部材を設置する作業を模式的に示す斜視図であり、(b)はボルトボックスによる接合部を拡大して示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1に示すプレキャスト部材P10,P20は、既設のコンクリート構造物50上に隣接するように並べて配置され、既設のコンクリート構造物50の縁部に壁を構築するためのものである(図2参照)。プレキャスト部材P10,P20はそれぞれ接合面F1,F2を有し、内部には鉄筋(図示せず)が設けられている。
図1に示すように、プレキャスト部材(第1のプレキャスト部材)P10は、プレキャスト部材(第2のプレキャスト部材)20Pとの接合面F1に連結棒2をそれぞれ収容する2つのパイプ3が埋設されている。本実施形態においては第1の穴部はパイプ3によって構成されており、パイプ3の先端3aが開口をなし、他方、基端3bは塞がれた状態となっている。ただし、基端3bにはグラウトホース3hが接続されており、グラウトホース3hはプレキャスト部材P10の外にまで延びている。グラウトホース3hを通じて液状の充填材をパイプ3内に供給できるようになっている。なお、下方のパイプ3にもグラウトホース(図示せず)が接続されている。パイプ3としては、例えば、塩化ビニル製又はスチール製のものを使用できる。
プレキャスト部材P10の接合面F1と反対側の面(図1における左側の面)には、左側に設置されるプレキャスト部材(図示せず)の連結棒の先端側をそれぞれ挿入するための2つのパイプ5が埋設されている。パイプ5によって穴部が形成されており、パイプ5の先端5aが開口をなし、他方、基端5bは塞がれた状態となっている。ただし、基端5bにはグラウトホース5hが接続されており、グラウトホース5hはプレキャスト部材P10の外にまで延びている。グラウトホース5hを通じて液状の充填材をパイプ5内に供給できるようになっている。なお、下方のパイプ5にもグラウトホース(図示せず)が接続されている。パイプ5としては、例えば、塩化ビニル製又はスチール製のものを使用できる。
プレキャスト部材P10の底面にはコンクリート構造物50に設けられた縦方向鉄筋50aを挿入するための2つの機械継手6が形成されている。
プレキャスト部材P20は、パイプ3及びパイプ5の位置が異なる他はプレキャスト部材P10と同様の構成を有する。例えば、プレキャスト部材P20のプレキャスト部材P10との接合面F2に埋設された2つのパイプ(第2の穴部)5は連結棒2の先端側をそれぞれ挿入するためのものである。2つのパイプ5は、プレキャスト部材P10の2つのパイプ3の位置と対応する位置に埋設されている。なお、後述のとおり、プレキャスト部材P10のパイプ3内の連結棒2をスライドさせたとき、連結棒2の約半分がパイプ5に挿入されるように、パイプ5の長さは連結棒2の約半分程度とすればよい。
連結棒2は、パイプ3の側面との間をシールするパッキン2aが基端部に装着された状態でパイプ3に収容されている。パイプ3内の空間であってパッキン2aよりも基端3b側の空間の圧力を高めることによって、連結棒2をプレキャスト部材P20の方向にスライドさせることができるようになっている。連結棒2はテープ巻き、シース設置及びアスファルト塗布から選ばれるスリップ機構2bが先端側に設けられたものであってもよい。かかる構成を採用することにより、連結棒2にスリップバーの機能を付与することが可能となり、温度変化によって生じる熱応力などを軽減できる。
図2,3を参照しながら、本実施形態に係るプレキャスト部材の設置方法について説明する。まず、図2に示すように、既設のコンクリート構造物50の縁部にプレキャスト部材P10を接合する。また、既設のコンクリート構造物50上においてプレキャスト部材P10に隣接するようにプレキャスト部材P20を既設のコンクリート構造物50に接合する。プレキャスト部材P10とプレキャスト部材P20とを並べて配置すると、図3(a)に示すように、横方向に直線状に延びる空間がパイプ3及びパイプ5によって形成される。なお、プレキャスト部材P10,P20が有する縦方向鉄筋の下部は機械継手などにより既設のコンクリート構造物50に接合すればよい。プレキャスト部材P10,P20を既設のコンクリート構造物50上に配置する順序はプレキャスト部材P10が先であってもプレキャスト部材P20が先であってもよい。
プレキャスト部材P10,P20の設置後、パイプ3内の連結棒2をプレキャスト部材P20の方向にスライドさせ、連結棒2の先端側をパイプ5に挿入する。本実施形態においては、グラウトホース3hを通じてパイプ3内であって基端3b側の空間に液状の充填材(モルタル、セメントミルク又はエポキシ樹脂)を供給して当該空間の圧力を高めて連結棒2を上記方向にスライドさせる。なお、このとき、パイプ5に接続されたグラウトホース5hは空気抜きのために開放状態にしておくことが好ましい。
連結棒2の先端がパイプ5の基端5bに当接するまで連結棒2をスライドさせた後、グラウトホース5hを通じてパイプ3及びパイプ5内の空間に充填材を供給する。なお、パイプ3内の空間のうち、パッキン2aよりも基端側(左側)の空間は、連結棒2をスライドさせるために充填材が既に充填されているので、パッキン2aよりも先端側(右側)の空間に充填材を充填すればよい。また、グラウトホース5hから供給した充填材が接合面F1,F2の間の隙間から漏れるおそれがある場合は、当該領域に漏れ防止のシール材料(例えば、水膨張シール材)などを予め配置すればよい。グラウトホース5hから供給した液状の充填材をパイプ3内に流入しやすくするために、パイプ3の適切な箇所(パッキン2aよりも先端側であってスライド後のパッキン2aの近傍)からプレキャスト部材P10の外まで延びる空気抜き用のホースを設けてもよい。充填材の硬化後、グラウトホース3h,5hの外に出ている部分は切断する。
上記方法によれば、プレキャスト部材P10,P20をコンクリート構造物50に対して上下方向に接合できるとともに、プレキャスト部材P10,P20の設置後に圧力によって事後的に連結棒2をスライドさせることで、プレキャスト部材P10とプレキャスト部材P20を横方向に接合することができる。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は連結棒2をスライドさせるのに圧力を利用する代わりに紐状部材を使用する点の他は上記第1実施形態と同様である。図4を参照しながら、連結棒2をワイヤ(紐状部材)Wによってスライドさせる手段について主に説明する。
図4(a)に示すとおり、連結棒2はその基端にワイヤWが連結された状態でパイプ3内に収容されている。ワイヤWは、プレキャスト部材P10の外に先端Waがあり、プレキャスト部材P10の開口P10aを通じてパイプ3内に至り、パイプ3内においては連結棒2に沿うように延びて連結棒2の基端に連結されている。
本実施形態においては、プレキャスト部材P10,P20の設置後、連結棒2を引っ張ることによって連結棒2をプレキャスト部材P20の方向にスライドさせることができる。連結棒2の先端がパイプ5の基端5bに当接するまで連結棒2をスライドさせた後、グラウトホース3h,5hを通じてパイプ3及びパイプ5内の空間に液状の充填材を供給する。プレキャスト部材P10の開口P10aは、液状の充填材を充填する際の空気抜き用の穴として利用でき、最終的には図4(b)に示すように開口P10aにも充填材を充填する。充填材の硬化後、ワイヤWの外に出ている部分は切断する。
上記方法によれば、プレキャスト部材P10,P20を既設のコンクリート構造物50に対して上下方向に接合できるとともに、プレキャスト部材P10,P20の設置後にワイヤWを引っ張ることによって事後的に連結棒2をスライドさせることで、プレキャスト部材P10とプレキャスト部材P20を横方向に接合することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、1つのプレキャスト部材に二つのパイプ3及び2つのパイプ5を埋設する場合を例示したが、これらの数は2つずつに限定されるものではない。また、パイプを埋設することなく、プレキャスト部材に穴部を直接形成してもよい。
上記実施形態においては、既設のコンクリート構造物50上にプレキャスト部材を設置して壁を構築する場合を例示したが、より高い壁を構築する必要がある場合には、上記実施形態で構築した壁の上にプレキャスト部材を更に接合して2段以上としてもよい。2段目以降を構築する際にも本発明に係るプレキャスト部材の設置方法を実施できる。
上記実施形態においては、長手方向の接続に連結棒(スリップバー)を用い、上下方向の接続に縦方向鉄筋の機械継手を用いる場合を例示したが、上下方向の接続に連結棒を用いてもよい。
上記実施形態においては、壁状構造物のプレキャスト部材を接続する場合を例示したが、箱型のプレキャスト部材を長手方向に接続していく場合に本発明を実施できる。
上記第1実施形態においては、液状の充填材の圧力によって連結棒2をスライドさせる場合を例示したが、空気圧や水圧によって連結棒2をスライドさせてもよい。
上記第2実施形態においては、紐状部材としてワイヤを使用する場合を例示したが、ワイヤの代わりにロープなどを使用してもよい。更に、紐状部材を使用せず、プライヤーなどの工具を使用して連結棒2をスライドさせてもよい。この場合、プレキャスト部材P10の開口P10aから工具を挿入して連結棒2を保持し、プレキャスト部材P20の方向に移動させればよい。
2…連結棒、2a…パッキン(スライド手段)、2b…スリップ機構、3…パイプ(第1の穴部)、3b…基端、3h…グラウトホース(スライド手段)、5…パイプ(第2の穴部)、50…コンクリート構造物、P10…プレキャスト部材(第1のプレキャスト部材)、P20…プレキャスト部材(第2のプレキャスト部材)、W…ワイヤ(紐状部材、スライド手段)、Wa…ワイヤの先端。

Claims (8)

  1. プレキャスト部材を非平行の2方向に接合するプレキャスト部材の設置方法であって、
    (a)接合面に開口が設けられ連結棒を収容可能な第1の穴部を有する第1のプレキャスト部材を、既設のコンクリート構造物に接合する工程と、
    (b)前記第1のプレキャスト部材の前記開口の位置と対応する位置に開口が設けられ前記連結棒の先端側を挿入可能な第2の穴部を有する第2のプレキャスト部材を、前記第1のプレキャスト部材に隣接するように前記既設のコンクリート構造物に接合する工程と、
    (c)前記第1の穴部に収容した連結棒を前記第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせ、前記連結棒の先端側を前記第2の穴部に挿入する工程と、
    (d)前記連結棒をスライドさせた後、前記第1の穴部及び前記第2の穴部に液状の充填材を充填する工程と、
    を備え、
    前記既設のコンクリート構造物は、当該コンクリート構造物の上面の縁部に沿って並ぶように設けられた複数の縦方向鉄筋を有し、
    前記第1及び第2のプレキャスト部材は、前記上面と接合される底面と、当該底面における前記複数の縦方向鉄筋の位置とそれぞれ対応する位置に複数の機械継手とを有し、
    前記(a)工程及び前記(b)工程において、前記縦方向鉄筋及び前記機械継手によって前記既設のコンクリート構造物と前記第1及び第2のプレキャスト部材とをそれぞれ接続し、
    前記第1のプレキャスト部材は、上下方向に並ぶように設けられた複数の前記第1の穴部を前記接合面に有し、
    前記第2のプレキャスト部材は、複数の前記第1の穴部の位置と対応する高さにそれぞれ設けられた複数の前記第2の穴部を一方の側面側に有するとともに上下方向に並ぶように設けられた複数の第3の穴部を他方の側面側に有し、
    前記第2のプレキャスト部材において、複数の前記第2の穴部と複数の前記第3の穴部は互いに段違いに設けられている、プレキャスト部材の設置方法。
  2. 前記連結棒は前記第1の穴部の側面との間をシールするパッキンが基端部に装着された状態で前記第1の穴部に収容されており、前記第1の穴部における前記基端部側の空間の圧力を高めることによって前記連結棒を前記第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせる、請求項1に記載のプレキャスト部材の設置方法。
  3. 前記基端部側の空間に液状の充填材を供給して当該空間の圧力を高める、請求項2に記載のプレキャスト部材の設置方法。
  4. 前記連結棒は前記第1のプレキャスト部材の外に先端があり前記第1の穴部内において当該連結棒に沿うように延びる紐状部材が基端部に連結された状態で前記第1の穴部に収容されており、前記紐状部材を引っ張ることによって前記連結棒を前記第2のプレキャスト部材の方向にスライドさせる、請求項1に記載のプレキャスト部材の設置方法。
  5. 前記充填材は、モルタル、セメントミルク及びエポキシ樹脂から選ばれる一種である、請求項1〜のいずれか一項に記載のプレキャスト部材の設置方法。
  6. 接合面を有するプレキャスト部材であって、
    前記接合面に開口が設けられ連結棒を収容可能な穴部と、
    前記穴部に収容された連結棒と、
    前記連結棒が前記開口から突出するようにスライドさせるスライド手段と、
    既存のコンクリート構造物の上面と接合される底面と、
    前記底面に設けられた複数の機械継手であって前記既存のコンクリート構造物の上面の縁部に沿って設けられた複数の縦方向鉄筋とそれぞれ接続される複数の機械継手と、
    を備え、
    上下方向に並ぶように設けられた複数の前記穴部を一方の側面側に有するとともに、上下方向に並ぶように設けられた複数の穴部を他方の側面側に更に有し、
    前記一方の側面側に設けられた複数の前記穴部と前記他方の側面側に設けられた複数の前記穴部は互いに段違いに設けられている、プレキャスト部材。
  7. 前記連結棒は、前記穴部の側面との間をシールするパッキンが基端部に装着された状態で前記穴部に収容されており、前記スライド手段は、前記穴部における前記基端部側の空間の圧力を高めるものである、請求項に記載のプレキャスト部材。
  8. 前記連結棒は、当該プレキャスト部材の外に先端があり前記穴部内において当該連結棒に沿うように延びる紐状部材が基端部に連結された状態で前記穴部に収容されている、請求項に記載のプレキャスト部材。
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