JP5826862B2 - 挿入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、湾曲操作装置を備える内視鏡操作部内に、挿入部に設けられた湾曲部を湾曲動作させる牽引部材を電動で牽引する駆動部を有する挿入装置に関する。
近年、医療分野或いは工業分野において、細長の挿入部を備える内視鏡が利用されている。医療分野の内視鏡においては、挿入部を口腔或いは肛門等から体内に挿入して観察等を行う。一方、工業分野の内視鏡においては、挿入部を配管内、或いはエンジン内部等に挿入して観察等を行う。
内視鏡においては、一般に、挿入部の先端部に観察光学系が設けられている。また、挿入部の先端側には例えば上下左右方向に湾曲する湾曲部が設けられている。さらに、挿入部の基端には、湾曲操作装置を備えた、操作部が設けられている。
そして、湾曲操作装置である例えば湾曲ノブと、湾曲部を構成する例えば先端湾曲駒と、が牽引部材であるワイヤーによって連結されている。このように構成された内視鏡では、操作者が操作部を把持する手の指で湾曲ノブを操作してワイヤーを牽引、或いは弛緩させることによって湾曲部を湾曲動作させることが可能である。
近年、内視鏡の操作部内部に駆動手段を設け、操作部に立設させた湾曲操作装置である1本の操作子を手指で操作することによって、湾曲部の湾曲動作を可能にした電動湾曲内視鏡が提案されている。例えば、日本国特許3549434号公報には挿入部の湾曲管部の湾曲角度及び湾曲管部にかかる外力を独立して検知し、湾曲管部の状態を正確に把握することができ、操作性に優れた電動湾曲式内視鏡が示されている。
電動湾曲式内視鏡では、牽引部材であるアングルワイヤーの張力を検知する張力センサーと、アングルワイヤーの変位を検知する変位センサーとを備えている。また、挿入部の先端部が外力を受けていない状態における、検知したアングルワイヤーの張力と、検知したアングルワイヤーの変位に対応して予め設定されている張力との差分を算出する手段を備えている。そして、電動湾曲式内視鏡では湾曲部を湾曲させたときに挿入部の先端部が外力を受けた場合、前記差分に応じた力量で前記湾曲操作部を作動させるように構成して、当該外力を受けたことを操作者に判らせるように構成されている。
しかしながら、日本国特許3549434号公報の電動湾曲式内視鏡においては、アングルワイヤーの変位を検知する変位センサーの他に、アングルワイヤーの張力を検知する張力センサー、ジョイスティックモーター、差分を算出する手段である制御装置を設ける等、電動湾曲式内視鏡の構成が複雑で、大型化、コストアップの要因になるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、湾曲部を湾曲させる湾曲操作を操作部に設けられた湾曲操作装置の操作によって容易に行え、かつ、湾曲操作中において挿入部の先端部等に働く外部抵抗によって湾曲動作が妨げられたとき或いは停止された際に湾曲操作装置を介して挿入部の先端部に働く外部抵抗によって湾曲動作が妨げられていることを湾曲操作装置を介して直接的に感知可能な挿入装置を提供することを目的にしている。
本発明の一態様における挿入装置は、被検体に挿入される挿入部と、操作者が操作指示を入力するために動かす湾曲操作装置と、前記湾曲操作装置の動きに基づいて駆動力を発生させる湾曲駆動部と、記湾曲駆動部の前記駆動力によって牽引される牽引部材と、前記挿入部に設けられ、前記牽引部材に接続されて該牽引部材の牽引に伴って湾曲される湾曲部と、前記牽引部材と前記湾曲操作装置とを弾性部を介して接続する力覚提示部と、を有している。
図1−図5は第1実施形態に係り、図1は力覚提示部を備える電動湾曲内視鏡の構成を説明するブロック図 図2及び図3は上下二方向に湾曲する湾曲部を有し、湾曲部の湾曲動作を操作子で操作指示する電動湾曲内視鏡に係り、図2は内視鏡の力覚提示部の構成を説明する上面図 図3は図2の内視鏡の側面図 図4は湾曲ワイヤーの途中に保護バネを設けた内視鏡の構成を説明する図 図5は挿入部内の湾曲部よりも操作部側で伝達ワイヤーの一端を湾曲ワイヤーに固定した内視鏡の構成を説明する図 図6−図8は第2実施形態に係り、図6は上下左右の四方向に湾曲する湾曲部を有し、湾曲部の湾曲動作を操作子で操作指示する電動湾曲内視鏡に係り、図6は内視鏡の力覚提示部の構成を説明する上面図 図7は図6の内視鏡の側面図 図8は図6の内視鏡の背面側から操作子と伝達ワイヤーとの関係を説明する図 図9及び図10は第2実施形態の変形例に係り、図9は上下左右の四方向に湾曲する湾曲部を有し、湾曲部の湾曲動作を吊り枠が一体な操作子で操作指示する電動湾曲内視鏡に係り、図9は内視鏡の力覚提示部の他の構成を説明する上面図 図10は図9の内視鏡の側面図 図11は第2実施形態の別の変形例に係り吊り枠とアイドラとの間に伝達ワイヤーのバネを設けた構成を説明する図 図12は第1実施形態の変形例に係る上下二方向に湾曲する湾曲部の湾曲動作を湾曲操作ノブによって操作指示する電動内視鏡が備える力覚提示部の構成を説明する図 図13−図17は第1の実施形態の他の変形例に係り、図13は上下二方向に湾曲する湾曲部の湾曲動作を湾曲操作ノブによって操作指示する電動内視鏡の他の構成に係り、図13は力覚提示部を備える内視鏡を説明する側面図 図14は力覚提示部の構成を説明する図 図15は図14のY15−Y15線断面図であり、フック付バネとプーリーと回転軸部との関係を説明する図 図16は力覚提示部を構成する湾曲操作ノブに一体な回転軸部の先端面の構成及びその先端面に対向して配置されるプーリーの一面の構成を説明する図 図17は内視鏡の力覚提示部の作用を説明する図 図18−図20Dは第3実施形態に係り、図18は湾曲部の湾曲動作中に挿入部の先端側に働いた外部抵抗を感知する電動湾曲内視鏡の構成を説明する側面図 図19は図18の電動湾曲内視鏡の上面図 図20Aは挿入部の備える湾曲部が直線状態における湾曲操作開始状態を説明する図 図20Bは挿入部の備える湾曲部が湾曲動作中における第1牽引部材と巻回部と第2牽引部材との関係を説明する図 図20Cは挿入部の備える湾曲部が最大湾曲状態における第1牽引部材と巻回部と第2牽引部材との関係を説明する図 図20Dは挿入部の備える湾曲部が湾曲動作中において挿入部の先端部が内壁に接触した状態における第1牽引部材と巻回部と第2牽引部材との関係を説明する図 図21−図26Cは付記の第1実施形態に係り、図21は操作部に湾曲操作装置を構成する操作子が立設する内視鏡を説明する図 図22は操作子によって操作される吊り枠、湾曲ワイヤーが固定されたプーリー、駆動部及び駆動力伝達部を操作部に備える内視鏡を説明する図 図23は図22の内視鏡の操作部を操作子上方向から見たときの、操作子、吊り枠、湾曲ワイヤーが固定されたプーリー、駆動部及び駆動力伝達部の関係を説明する図 図24は吊り枠と、湾曲ワイヤーが固定されたプーリーと、皿バネと、駆動ギア部及び従動ギアとの関係を説明する図 図25は湾曲部を上方向に湾曲させる操作を説明する図 図26Aはプーリーが吊り枠の押圧部によって押し下げられ、プーリーが回転を開始した状態を説明する図 図26Bは吊り枠の押圧部によってプーリーがさらに押し下げられ、プーリーのさらなる回転に伴って湾曲ワイヤーが移動された状態を説明する図 図26Cはプーリーが予め定めた位置まで押し下げられて湾曲ワイヤーが最大に牽引された状態を説明する図 図27−図31Dは付記の第2実施形態に係り、図27は操作部に湾曲操作装置を構成する上下用操作ダイヤル及び左右用操作ダイヤルを備える内視鏡を説明する図 図28は操作部内に設けられた上下湾曲ノブの軸部及び左右湾曲ノブの軸部と上下カムシャフト及び左右カムシャフトと、カムシャフギアと、上下プーリー部と、左右プーリー部と、駆動力伝達部と、モーターと、複数の湾曲ワイヤーとの関係を説明する図 図29は内視鏡の構成を説明する側面図であって、上下湾曲ノブ及び左右湾曲ノブと上下ワイヤー固定プーリー及び左右ワイヤーと、湾曲用ワイヤーとの関係を説明する図 図30は図8の操作部内の拡大図 図31Aは湾曲部を上方向に湾曲させる際の上下湾曲ノブの軸部と上下カムシャフトとカムシャフトギアと上下プーリー部と駆動力伝達部とモーターと上用湾曲ワイヤーとの関係を説明する図 図31Bは湾曲部を下方向に湾曲させる際の上下湾曲ノブの軸部と上下カムシャフトとカムシャフトギアと上下プーリー部と駆動力伝達部とモーターと下用湾曲ワイヤーとの関係を説明する図 図31Cは湾曲部を左方向に湾曲させる際の左右湾曲ノブの軸部と左右カムシャフトと左右プーリー部と駆動力伝達部とモーターと左用湾曲ワイヤーとの関係を説明する図 図31Dは湾曲部を右方向に湾曲させる際の左右湾曲ノブの軸部と左右カムシャフトと左右プーリー部と駆動力伝達部とモーターと右用湾曲ワイヤーとの関係を説明する図 図32は湾曲部が二方向に湾曲する内視鏡の操作部の構成を説明する図 図33−図36Bは付記の第2の実施形態の変形例に係り、図33は内視鏡の構成を説明する側面図であって、操作部に操作ダイヤルを備え、操作部内に上用湾曲ワイヤーが固定された上プーリー、摩擦板及びプーリー移動体を説明する図 図34は図33の内視鏡の操作部を矢印Y14方向から見たときの図であって、上用湾曲ワイヤーが固定された上プーリー、摩擦板、プーリー移動体、操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図 図35Aはカム受け面を有するプーリー移動体を説明する図 図35Bはプーリー移動体のカム受け面を説明するカム線図 図36Aは湾曲部が直線状態における上プーリー、摩擦板、プーリー移動体、及び操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図 図36Bは湾曲部が最大湾曲状態における上プーリー、摩擦板、プーリー移動体、及び操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図 図37−図40は付記の第3の実施形態に係り、図37は駆動部及び駆動力伝達部を操作部に備える内視鏡を説明する図 図38は操作子と、吊り枠、挿入入力伝達ワイヤー及び押圧板を備える駆動力伝達部と、プーリーと、の関係を説明する図 図39は駆動力伝達部及びプーリーの作用を説明する図 図40は操作部内に駆動部としてのベルトを備える内視鏡を説明する図 図41は操作入力伝達ワイヤーの中途部にコイルバネを設けた構成を説明する図 図42及び図43は付記の第4の実施形態に係り、図42は操作部に湾曲操作装置を構成する操作ダイヤルを有する内視鏡を説明する図 図43は操作ダイヤルと駆動力伝達部と超音波モーターとの関係を説明する図 図44は駆動部の他の構成例を説明する図 図45は駆動力伝達部の他の構成例を説明する図
以下、図1−図5を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示す内視鏡1は、医療機器であって挿入装置である。内視鏡1は、例えば操作部2内に、挿入部3の後述する湾曲部3bを湾曲駆動する、例えばモーター4を備える電動湾曲内視鏡である。
モーター4は、湾曲駆動部であって例えばパルスモーターである。モーター4の駆動軸4aには回動部材であるプーリー5が一体に固定されている。モーター4は、湾曲制御部6によって駆動制御される。
挿入部3は、先端側から順に、硬質な先端部3a、湾曲自在な湾曲部3b、および、長尺で可撓性を有する可撓管部3cを連設して構成されている。先端部3aの図示しない先端面には観察窓、照明窓、処置具開口等が設けられている。先端部3a内にはCCD、C−MOS等の撮像素子を備える撮像装置が内蔵されている。
湾曲部3bは、例えば図示しない複数の湾曲駒を互いに回動自在に連結して二方向、或いは、四方向に湾曲するように構成される。図1の湾曲部3bは、例えば上下方向に湾曲する構成である。最先端湾曲駒(不図示)には、上湾曲ワイヤー(以下、上ワイヤーと略記する)3Uの一端である先端(以下、第1端と記載する)と下湾曲ワイヤー(以下、下ワイヤーと略記する)3Dの第1端とがそれぞれ予め定めた位置に固定されている。
上ワイヤー3Uの他端である基端(以下、先端の反対側である基端を第2端と記載する)は、プーリー5の予め定めた位置に固定され、下ワイヤー3Dの第2端は該プーリー5の予め定めた位置に固定されている。
操作部2は、例えば術者が把持する把持部(不図示)と、操作部本体(不図示)とを備えて構成されている。操作部本体には、後述する操作子或いは湾曲操作ノブ等の湾曲操作装置7が設けられる。
操作部2内には、モーター4、プーリー5及び湾曲制御部6に加えて、湾曲操作装置7の軸部7A、後述する入力指示検出部8、エンコーダー9、ポテンショメーター10及び後述する力覚提示部20が設けられている。
湾曲操作装置7は、湾曲部3bを湾曲動作させる操作指示を行う装置であり、術者によって操作される。術者が、湾曲部3bを湾曲させるため湾曲操作装置7を操作すると軸部7Aが一体に動作する。
入力指示検出部8は、湾曲操作装置7の操作に伴って動作する軸部7Aの操作量を検出する。入力指示検出部8は、検出した検出結果を操作入力指示信号として湾曲制御部6に出力する。エンコーダー9は、モーター4の回転位置を検出し、その回転位置をモーター位置情報として湾曲制御部6に出力する。ポテンショメーター10は、プーリー5の回転位置を検出し、その回転位置をプーリー位置情報として湾曲制御部6に出力する。
つまり、湾曲制御部6には、操作入力指示信号、モーター位置情報及びプーリー位置情報が入力される。
湾曲制御部6は、これら操作入力指示信号、モーター位置情報、及びプーリー位置情報に基づき演算処理を行ってモーター駆動信号を算出し、該駆動信号をモーター4に出力する。モーター4は、モーター駆動信号によって駆動制御される。この結果、操作入力指示信号に対応する湾曲ワイヤー3U、3Dが進退移動して、湾曲部3bが湾曲動作する。
力覚提示部20は、術者による湾曲操作中において、挿入部3の先端部3a等が体壁等に接触したことを湾曲操作装置7を操作する術者の手を通して感覚的に知覚させる告知機構である。
力覚提示部20は、力覚伝達ワイヤー(以下、伝達ワイヤーとも略記する)24である。伝達ワイヤー24は、バネ21と、第1連結ワイヤー22と、第2連結ワイヤー23とを備えて構成されている。バネ21は、予め定めた弾性力を有する弾性的に伸長する弾性部である。連結ワイヤー22、23は、予め定めた柔軟性と剛性とを備えている。
本実施形態において、力覚提示部20は、上伝達ワイヤー24Uと下伝達ワイヤー24Dとを備えて構成される。
第1連結ワイヤー22は、伝達ワイヤー24の第1端側を構成する。第1連結ワイヤー22の第1端は、それぞれ湾曲ワイヤー3U、3Dの予め定めた位置に固定される。第2連結ワイヤー23は、伝達ワイヤー24の第2端側を構成する。第2連結ワイヤー23の第2端は、それぞれ湾曲操作装置7の軸部7Aの予め定めた位置に固定される。
そして、各伝達ワイヤー24U、24Dは、湾曲部3bが直線状態において、少なくとも1つのアイドラ25を介して予め定めた張力で張られた状態で走行配置されている。この走行配置された状態おいて、バネ21は、予め定めた伸長状態である。
なお、第1連結ワイヤー22の第2端は、バネ21の第1端側に連結され、第2連結ワイヤー23の第1端は、バネ21の第2端側に連結されている。
符号11は、ユニバーサルコードである。ユニバーサルコード11の端部にはコネクタ(不図示)が設けられている。コネクタは、外部装置ある光源装置(不図示)等に着脱自在に接続される。
符号12は、電線である。電線12は、ユニバーサルコード内に挿通されている。電線12は、湾曲制御部6を介してモーター4等に電力を供給する。
上述した実施形態においては、湾曲制御部6を操作部2内に設けるとしている。しかし、湾曲制御部6を光源装置内に設ける構成、或いは内視鏡1の外部装置であるビデオプロセッサー(不図示)内に設ける構成等であってもよい。この構成においては、ユニバーサルコード内に信号線を挿通させて、湾曲制御部6で算出したモーター駆動信号をモーター4に出力する。
さらに、本実施形態において、プーリー5の径寸法は、予め定めた寸法に設定されている。プーリー5を回転させるモーター4のギア比は、予め定めた値に設定されている。具体的に、ギア比は、湾曲動作中の湾曲部3bの先端部3aに外部から湾曲方向とは逆方向の予め定めた力を付与したとき、その外力によって湾曲部3bの湾曲は停止され、それ以上の力が付与されたとき湾曲部3bは逆方向に回転する設定になっている。
つまり、図3の二点鎖線で示すように上湾曲中の湾曲部3bに対して該湾曲部3bの湾曲を阻止するF1方向の外力が作用した場合、プーリー5の回転軸には、挿入部3内の上ワイヤー3Uを牽引するモーター4とは逆方向の回転トルクが発生する。そして、F1方向の外力によるプーリー5の回転軸に対する回転トルクがモーター4による回転トルクよりも大きくなると、モーター4の回転軸が受動的に逆回転する。すると、伝達ワイヤー24Uが伸び、その状態変化が伝達ワイヤー24Uを介して湾曲操作装置7に力覚として伝達される。
図2、図3を参照して上下二方向に湾曲する湾曲部を有し、該湾曲部の湾曲動作を湾曲操作装置である操作子によって操作指示する内視鏡の構成及び作用を説明する。
図2、図3に示す本実施形態の内視鏡1Aは、操作部2に湾曲操作装置7として操作子70を備えている。操作子70は、細長な軸部71と、摘み72とを備えて構成されている。軸部71は、回動軸73を中心に回動自在に構成されている。操作子70は、図3の矢印U方向及び矢印D方向の二方向に傾倒操作可能である。
入力指示検出部8は、傾倒操作量検出装置である。入力指示検出部8は、軸部71の傾倒方向及び傾倒角度を傾倒操作量として検出し、その検出結果を湾曲制御部6に操作入力指示信号として出力する。
上伝達ワイヤー24Uの第1端側の第1連結ワイヤー22は、プーリー5より挿入部3側で上ワイヤー3Uの予め定めた位置に固定されている。上伝達ワイヤー24Uの第2端側の第2連結ワイヤー23は、例えば軸部71の回動軸73から距離Lだけ摘み72側に離間した位置に固定されている。距離Lは、プーリー5の径寸法を考慮して設定される。
一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端側の第1連結ワイヤー22は、プーリー5より挿入部3側で下ワイヤー3Dの予め定めた位置に固定されている。下伝達ワイヤー24Dの第2端側の第2連結ワイヤー23は、軸部71の回動軸73から距離Lだけ軸端側に離間した位置に固定されている。
なお、上述において、第1連結ワイヤー22は、プーリー5より挿入部3側でワイヤー3U、3Dの予め定めた位置に固定されているとしている。しかし、第1連結ワイヤー22は、プーリーに連結されていてもよい。
そして、各伝達ワイヤー24U、24Dは、湾曲部3bが直線状態において、アイドラ25を介して予め定めた張力で張られた状態で操作部2内に走行配置されている。このとき、バネ21は、予め定めた伸長状態である。
なお、上ワイヤー3U及び下ワイヤー3Dは、ガイドローラー29等を介してプーリー5に導かれるように走行されている。
術者が操作子70を二点鎖線に示すように傾倒操作すると、操作子70の傾倒操作に伴って、上伝達ワイヤー24Uが牽引され、下伝達ワイヤー24Dが弛緩される。この結果、直線状態の湾曲部3bは、上方向に湾曲される。
また、操作子70の傾倒操作に伴って入力指示検出部8から湾曲制御部6に傾倒操作量に対応する操作入力指示信号が出力される。
湾曲制御部6は、入力される操作入力指示信号からモーター駆動信号を算出し、算出されたモーター駆動信号をモーター4に出力する。
モーター4は、モーター駆動信号によって駆動制御される。モーター4の駆動に伴ってプーリー5が図3中において時計回りに回転される。この結果、上ワイヤー3Uは、プーリー5の回転によって牽引され、下ワイヤー3Dはプーリー5の回転によって弛緩されてる。つまり、湾曲部3bは、徐々に上方向に湾曲していく。このとき、弛緩された下ワイヤー3Dは、湾曲部3bの湾曲に伴って、バネ21の弾性力によって上ワイヤー3Uとは逆方向に牽引されていく。
上ワイヤー3Uには上伝達ワイヤー24Uの第1端が固定されている。一方、下ワイヤー3Dには下伝達ワイヤー24Dの第1端が固定されている。この結果、上伝達ワイヤー24Uの第1端は、プーリー5によって牽引される上ワイヤー3Uとともにプーリー5方向に移動していく。一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端は、湾曲部3bの湾曲によって牽引される下ワイヤー3Dとともに挿入部3方向に移動していく。
本実施形態において、上伝達ワイヤー24Uの第1端側の上ワイヤー3Uに伴う第1移動距離は、上伝達ワイヤー24Uの第2端側の操作子70の傾倒操作による第2移動距離よりも短く設定されている。この結果、この湾曲動作中において、上述したアイドラ25を介して走行されている上伝達ワイヤー24Uは、伸長状態であるバネ21が伸長されていくことにより、予め定めた張力での走行状態を維持する。
一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端側の下ワイヤー3Dに伴う第3移動距離は、下伝達ワイヤー24Dの第2端側の操作子70の傾倒操作による第4移動距離よりも短く設定されている。この結果、この湾曲動作中において、上述したアイドラ25を介して走行されている下伝達ワイヤー24Dは、伸長状態であるバネ21がさらに縮められていくことにより、予め定めた張力での走行状態を維持する。
したがって、術者が操作子70の上方向に傾倒角度を大きくしていくことにより、湾曲部3bは連続的に上方向に湾曲していく。このとき、上伝達ワイヤー24Uのバネ21は、連続的に伸び、下伝達ワイヤー24Dのバネ21は連続的に縮んでいく。この結果、伝達ワイヤー24U、24Dは、予め定めた張力による走行状態に維持される。
この湾曲動作中において、先端部3aが体壁等に当接すると、湾曲部3bに掛かる反力が増大して湾曲動作に変化が生じる。そして、湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達すると、プーリー5の回転によって上ワイヤー3Uを牽引し続ける状態であるにもかかわらず上ワイヤー3Uの牽引が停止される。この結果、湾曲部3bの上方向への湾曲動作が停止される。また、湾曲部3bの上方向への湾曲動作の停止に伴って、湾曲部3bの湾曲による下ワイヤー3Dの牽引も停止される。すると、下伝達ワイヤー24Dのバネ21の連続的な伸びが停止される。
このとき、術者による傾倒操作は、継続されている。したがって、上伝達ワイヤー24Uのバネ21は、更に延ばされる状態である。これに対して、下伝達ワイヤー24Dのバネ21は、連続的な縮みが停止されるとともに、傾倒操作が続行されていることにより更に伸ばされる。すると、上伝達ワイヤー24Uのバネ21から第2連結ワイヤー23を介して軸部71に、この軸部71を上方向に移動させる負荷が伝達される。この結果、操作子70を傾倒操作している術者の手に掛かる傾倒操作力量が増大される等の操作感の変化が生じる。すなわち、術者は、湾曲操作中において、湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等を知覚することができる。
このように、操作子70の傾倒操作によって上ワイヤー3U、または、下ワイヤー3Dを直接牽引することなく、モーター4を駆動させて湾曲部3bを上下方向に湾曲動作させる内視鏡1Aにおいて、バネ21を備えて構成される上伝達ワイヤー24Uを、上ワイヤー3Uと操作子70とに連結し、下伝達ワイヤー24Dを下ワイヤー3Dと操作子70とに連結する。そして、それぞれの伝達ワイヤー24U、24Dを、アイドラ25を介して予め定めた張力で張った走行状態にする。
この結果、操作子70を傾倒操作することによってモーター4の駆動力によって上ワイヤー3U、または下ワイヤー3Dを牽引して湾曲部3bを湾曲させることができる。
そして、万一、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bの湾曲動作に変化が生じる或いは湾曲動作が停止された場合には、湾曲動作によって牽引されている湾曲ワイヤーに第1端が連結されている伝達ワイヤーが備えるバネ21から第2連結ワイヤー23を介して操作子70に負荷が付与される。操作子70に負荷が付与されると、操作子70を傾倒操作する術者の手に、湾曲ワイヤー3U、3Dを湾曲操作装置で直接牽引しているときと同様に操作感に変化が生じる。この結果、術者は、モーター4による湾曲動作中において、湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等を傾倒操作する操作子70を通して感覚的に判断することができる。
なお、操作子70を傾倒操作して湾曲部3bを下方向に湾曲させている湾曲状態において、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達すると、下ワイヤー3Dの牽引が停止されて、湾曲部3bの下方向への湾曲動作が停止される。この結果、上伝達ワイヤー24Uのバネ21から第2連結ワイヤー23を介して軸部71に、この軸部71を下方向とは逆方向に移動させる負荷が伝達される。この結果、術者は、湾曲操作中において湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
また、上述した実施形態において、プーリー5を回転させるモーター4のギア比を適宜設定することによって外部から予め定めた力を受けた際、モーター4の回転軸が受動的に逆回転するとしている。しかし、外部から予め定めた力を受けた際、プーリー5が回転し続けるギア比のモーター4を使用する場合がある。
この場合、図4に示すように湾曲ワイヤー3U、3Dの中途部に保護バネ28を設けた湾曲ワイヤーを構成する。この構成において、保護バネ28は、プーリー5よりも湾曲部3b側に設けられる。伝達ワイヤー24U、24Dの第1端は、保護バネ28よりさらに湾曲部3b側に固定される。
この構成によれば、湾曲部3b等が体壁に触れた場合、挿入部3内を挿通するワイヤーに設けたバネ28が弾性力により伸縮される。すると、バネ28の状態の変化が伝達ワイヤー24U、24Dを介して操作子70に力覚として伝達される。
なお、挿入部内に挿通されているワイヤー自身の弾性力のみを利用して力覚を得るようにしてよい。
さらに、上述した実施形態においては、操作部2内において、プーリー5より湾曲部3b側に各伝達ワイヤー24U、24Dの第1端を固定するとしている。しかし、各伝達ワイヤー24U、24Dの第1端の固定位置は、操作部2内に限定されるものではない。つまり、図5に示すように伝達ワイヤー24U、24Dの第1端を挿入部3内において、湾曲部3bよりも操作部2側に固定するようにしてもよい。
符号26は伝達ワイヤー用ガイドローラーであり、符号27は伝達ワイヤー保護チューブである。各伝達ワイヤー保護チューブ27は、挿入部3内において、伝達ワイヤー24U、24Dが挿入部内内蔵物に接触することを防止する。各伝達ワイヤー用ガイドローラー26は、伝達ワイヤー24U、24Dを、操作部2内から伝達ワイヤー保護チューブ27内にスムーズに導かれるようにワイヤー走行位置を規定する。
この構成によれば、伝達ワイヤー24U、24Dの第1端を湾曲部近傍に配置することによって、湾曲部3bの湾曲動作をより高精度に検出する。この結果、湾曲操作中の術者は、湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合の検出をより確実に感覚的に判断することができる。
また、上述した実施形態においては、内視鏡を上下二方向に湾曲する湾曲部を有し、湾曲部の湾曲動作を操作子で操作指示するとしている。しかし、内視鏡の湾曲部は、上下の二方向に限定されるものではなく、上下方向及び左右方向の四方向であってもよい。また、湾曲部の湾曲動作を操作子の代わりに湾曲操作ノブで行う構成であってもよい。
図6−図8を参照して第2の実施形態を説明する。
本実施形態において、内視鏡は、上下左右の四方向に湾曲する湾曲部を有する。また、内視鏡は、湾曲部の湾曲動作を湾曲操作装置である操作子で操作指示する構成である。
図6、図7に示すように内視鏡1Bの湾曲部3bは、上下方向に加えて、左右方向に湾曲する構成である。したがって、湾曲部3bの最先端湾曲駒には、上ワイヤー3Uの第1端及び下ワイヤー3Dの第1端に加えて、左ワイヤー3Lの第1端及び右ワイヤー3Rの第1端がそれぞれ予め定めた位置に固定されている。
一方、上ワイヤー3Uの第2端及び下ワイヤー3Dの第2端は、それぞれ上下プーリー5UDの予め定めた位置に固定され、左ワイヤー3Lの第2端及び右ワイヤー3Rの第2端は、それぞれ左右プーリー5LRの予め定めた位置に固定されている。
そして、上下プーリー5UDは、上下モーター4UDによって駆動され、左右プーリー5LRは、左右モーター4LRによって駆動される構成である。上下モーター4UDの回転位置は、上下エンコーダー9UDによって検出され、左右モーター4LRの回転位置は、左右エンコーダー9LRによって検出される。上下プーリー5UDの回転位置は、上下ポテンショメーター10UDによって検出され、左右プーリー5LRの回転位置は、左右ポテンショメーター10LRによって検出される。そして、エンコーダー9UD、9LRの検出した各モーター位置情報及びポテンショメーター10UD、10LRの検出した各プーリー位置情報は、湾曲制御部6に出力される。
操作部2には、湾曲操作装置7として操作子70Bを備えている。操作子70Bは、細長な軸部71と、摘み72とを備えて構成されている。軸部71は、回動軸73Bを中心に回動自在である。本実施形態において、操作子70Bは、上方向、上方向と左方向との間、左方向、左方向と下方向との間、下方向、下方向と右方向との間、右方向及び右方向と上方向との間にそれぞれ傾倒操作可能な構成である。
入力指示検出部8Bは、軸部71の傾倒方向及び傾倒角度を傾倒操作量として検出する。入力指示検出部8Bは、検出結果を操作入力指示信号として湾曲制御部6に出力する。
本実施形態において、力覚提示部20は、上伝達ワイヤー24Uと、下伝達ワイヤー24Dと、左伝達ワイヤー24Lと、右伝達ワイヤー24Rとを備えて構成される。
上伝達ワイヤー24Uの第1端である第1連結ワイヤー22は、上ワイヤー3Uの予め定めた位置に固定されている。そして、上伝達ワイヤー24Uの第2端である第2連結ワイヤー23は、軸部71の回動軸73から距離Lだけ摘み72側に離間した位置に固定されている。
一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端である第1連結ワイヤー22は、下ワイヤー3Dの予め定めた位置に固定されている。そして、下伝達ワイヤー24Dの第2端である第2連結ワイヤー23は、軸部71の回動軸73から距離Lだけ軸端側に離間した位置の予め定めた位置に固定されている。
また、左伝達ワイヤー24Lの第1端である第1連結ワイヤー22は、左ワイヤー3Lの予め定めた位置に固定されている。そして、左伝達ワイヤー24Lの第2端である第2連結ワイヤー23は、軸部71の回動軸73から距離Lだけ軸端側に離間した位置の予め定めた位置に固定されている。
さらに、右伝達ワイヤー24Rの第1端である第1連結ワイヤー22は、右ワイヤー3Rの予め定めた位置に固定されている。そして、右伝達ワイヤー24Rの第2端である第2連結ワイヤー23は、軸部71の回動軸73から距離Lだけ軸端側に離間した位置の予め定めた位置に固定されている。
そして、図6−図8に示すように各伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rは、湾曲部3bが直線状態において、アイドラ25を介して予め定めた張力で張られた状態で走行されている。このとき、バネ21は、予め定めた伸長状態である。また、各湾曲ワイヤー3U、3D、3L、3Rは、ガイドローラー29を介してプーリー5UD、5LRに導かれている。
術者が、操作子70Bを傾倒操作して例えば直線状態の湾曲部3bを上下左右の何れかの方向に湾曲させる操作を行った場合、入力指示検出部8Bから湾曲制御部6に傾倒操作量に対応する操作入力指示信号が出力される。湾曲制御部6は、入力される操作入力指示信号からモーター駆動信号を算出し、算出されたモーター駆動信号を上下モーター4UD又は左右モーター4LRの少なくとも一方に出力してモーター4UD、4LRを駆動させる。
その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
本実施形態において、例えば、術者が操作子70Bを左方向に傾倒操作した場合、モーター4LRの駆動に伴って、プーリー5LRが回転され、湾曲ワイヤー3L、3Rが進退される。この結果、左右プーリー5LRの回転によって左ワイヤー3Lが牽引され、右ワイヤー3Rが弛緩されて湾曲部3bが徐々に左方向に湾曲していく。このとき、右ワイヤー3Rは、湾曲部3bの湾曲に伴って左ワイヤー3Lとは逆方向に牽引されていく。
湾曲部3bが湾曲状態において、各湾曲ワイヤー3U、3D、3R、3Lに第1端が固定されている各伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rの走行状態は、伸長状態であったバネ21が縮められる、又はさらに伸長されることによって、予め定めた張力で張られた状態に維持される。
本実施形態において、術者が操作子70Bの傾倒操作を継続して行うことによって湾曲部3bは、連続的に傾倒操作方向に対応する左方向に湾曲していく。このとき、左伝達ワイヤー24Lのバネ21は、連続的に縮み、右伝達ワイヤー24Rのバネ21は連続的に伸びていく。この結果、伝達ワイヤー24L、24Rは、予め定めた張力による走行状態に維持される。
この湾曲動作中において、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達すると、プーリー5の回転によって左ワイヤー3Lを牽引し続ける状態であるにもかかわらず左ワイヤー3Lの牽引が停止される。この結果、湾曲部3bの左方向への湾曲動作が停止される。また、湾曲部3bの左方向への湾曲動作の停止に伴って、湾曲部3bの湾曲による右ワイヤー3Rの牽引も停止される。すると、右伝達ワイヤー24Rのバネ21の連続的な伸びが停止される。
このとき、術者による傾倒操作は、継続されている。したがって、左伝達ワイヤー24Lのバネ21は、連続的に縮められる状態である。これに対して、右伝達ワイヤー24Rのバネ21は、連続的な伸びが停止されるとともに、傾倒操作が続行されていることにより一時的に縮められる。すると、右伝達ワイヤー24Rのバネ21から第2連結ワイヤー23を介して軸部71に、この軸部71を左方向とは逆方向に移動させる負荷が伝達される。この結果、操作子70Bを左方向に傾倒操作している術者の手に掛かる傾倒操作力量が増大される等の操作感の変化が生じる。すわなち、術者は、湾曲操作中において、湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
このように、内視鏡1Bにおいては、操作子70Bの傾倒操作によって湾曲ワイヤー3U、3D、3L、3Rを直接牽引することなく、モーター4UD、4LRを駆動させてプーリー5UD、5LRを回転させて湾曲ワイヤー3U、3D、3L、3Rを牽引して、湾曲部3bを上下左右の何れかの方向に湾曲動作させることができる。
また、湾曲ワイヤー3U、3D、3L、3Rと操作子70Bとを、バネ21を備えて構成された伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rでそれぞれ連結する。そしてそれぞれの伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rを、アイドラ25によって、予め定めた張力で張った走行状態にする。
この結果、操作子70Bを傾倒操作してモーター4UD、4LRの駆動力によって湾曲ワイヤー3U、3D、3L、3Rの何れかを牽引している湾曲動作状態において、先端部3aが体壁等に当接した場合、各伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rに備えられているバネ21から第2連結ワイヤー23を介して負荷が伝達される。この結果、術者は、湾曲操作中において湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
なお、操作子70Bを傾倒操作して湾曲部3bを右方向に湾曲させている湾曲状態において、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達すると、右ワイヤー3Rの牽引が停止されて、湾曲部3bの右方向への湾曲動作が停止される。また、湾曲部3bの右方向への湾曲動作の停止に伴って、湾曲部3bの湾曲による左ワイヤー3Lの牽引が停止されると、左伝達ワイヤー24Lのバネ21の連続的な伸びが停止される。この結果、左伝達ワイヤー24Lのバネ21から第2連結ワイヤー23を介して軸部71に、この軸部71を右方向とは逆方向に移動させる負荷が伝達される。この結果、術者は、湾曲操作中において湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
上述した実施形態においては、軸部71の回動軸73から距離Lだけ摘み72側に離間した位置に、上伝達ワイヤー24Uの第2端である第2連結ワイヤー23を固定している。一方、軸部71の回動軸73から距離Lだけ軸端側に離間した位置の予め定めた位置に、下伝達ワイヤー24Dの第2端である第2連結ワイヤー23、左伝達ワイヤー24Lの第2端である第2連結ワイヤー23、及び右伝達ワイヤー24Rの第2端である第2連結ワイヤー23を、固定している。
しかし、軸部71の軸端側に下伝達ワイヤー24Dの第2端である第2連結ワイヤー23、左伝達ワイヤー24Lの第2端である第2連結ワイヤー23、及び右伝達ワイヤー24Rの第2端である第2連結ワイヤー23に加えて、上伝達ワイヤー24Uの第2端である第2連結ワイヤー23を固定するようにしてもよい。
また、図9、図10に示すように軸部71にユニバーサルジョイント75を介して十字形状の枠体74の枠軸74aを連結した操作子70Cを構成するようにしてもよい。操作子70Cにおいては、上伝達ワイヤー24Uの第2端である第2連結ワイヤー23を枠体74を構成する上枠74Uの端部に固定し、下伝達ワイヤー24Dの第2端である第2連結ワイヤー23を下枠74Dの端部に固定し、左伝達ワイヤー24Lの第2端である第2連結ワイヤー23を左枠74Lの端部に固定し、右伝達ワイヤー24Rの第2端である第2連結ワイヤー23を右枠74Rの端部に固定する。
この構成においては、各伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rをそれぞれ予め定めた張力で張った状態にするアイドラ25を、枠体74を挟んで軸部71とは逆方向に設ける。すなわち、複数のアイドラ25は、枠体74の直下であって、操作部2の長手軸に対して直交する方向である左枠74L及び右枠74Rに対して平行に配列する。
その他の構成は上記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
この構成によれば、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
上述した実施形態においては、伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rを構成するバネ21をアイドラ25とガイドローラー29との間に配置する構成を示している。しかし、バネ21の配置位置は、上述した位置に限定されるものではなく、図11に示すように伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rの各バネ21を、枠体74と、枠体74直下のアイドラ25との間に設けるようにしてもよい。
なお、各バネ21を、枠体74と、アイドラ25との間に設ける構成において、バネ21を直接、上枠74U、下枠74D、左枠74L、右枠74Rに固定するように構成してもよい。
この構成によれば、伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rを、第1連結ワイヤー22とバネ21とで構成することができる。
また、伝達ワイヤー24U、24D、24L、24Rを、バネ21と第2連結ワイヤー23とで構成して、バネ21の第1端をそれぞれ上ワイヤー3U、下ワイヤー3D、左ワイヤー3L、右ワイヤー3Rに連結するようにしてもよい。
図12は上下二方向に湾曲する湾曲部の湾曲動作を操作ノブの回転で操作指示する内視鏡の構成を説明する図である。
図12に示すように本実施形態の内視鏡1Cの湾曲部3bは、図2、図3で示したように上下方向に湾曲する構成である。そして、操作部2には、湾曲操作装置7として図2、図3に示した操作子70の代わりに湾曲操作ノブ81を備えている。つまり、内視鏡1Cは、第1の実施形態の変形例である。
本実施形態の内視鏡1Cは、操作部2に湾曲操作装置7として湾曲操作ノブ81を備えている。湾曲操作ノブ81には回転軸部82が同軸で一体に設けられている。湾曲操作ノブ81は、中心軸に対して回動自在であり、図12中の時計回り、反時計回りの二方向に回転操作可能に構成されている。
入力指示検出部8Cは、回転操作量検出装置である。入力指示検出部8Cは、回転軸部82の回転方向及び回転角度を回転操作量として検出し、その検出結果を湾曲制御部6に操作入力指示信号として出力する。
本実施形態において、上伝達ワイヤー24Uの第1端である第1連結ワイヤー22は、プーリー5より挿入部3側で上ワイヤー3Uの予め定めた位置に固定されている。そして、上伝達ワイヤー24Uの第2端である第2連結ワイヤー23は、回転軸部82の予め定めた位置に固定されている。
一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端である第1連結ワイヤー22は、プーリー5より挿入部3側で下ワイヤー3Dの予め定めた位置に固定されている。そして、下伝達ワイヤー24Dの第2端である第2連結ワイヤー23は、回転軸部82の予め定めた位置に固定されている。
各伝達ワイヤー24U、24Dは、湾曲部3bが直線状態において、アイドラ25を介して予め定めた張力で張られた状態で走行配置されている。このとき、バネ21は、予め定めた伸長状態である。
なお、上ワイヤー3U及び下ワイヤー3Dは、ガイドローラー29等を介してプーリー5に導かれるように走行されている。その他の構成は前記図2、図3に示した内視鏡1Aと同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
術者が、湾曲操作ノブ81を図12中の時計方向に回転操作して直線状態の湾曲部3bを上方向に湾曲させる操作を行った場合、湾曲操作ノブ81の回転操作に伴って、上伝達ワイヤー24Uが牽引され、下伝達ワイヤー24Dが弛緩される。
また、湾曲操作ノブ81の回転操作に伴って入力指示検出部8Cから湾曲制御部6に回転操作量に対応する操作入力指示信号が出力される。
湾曲制御部6は、入力される操作入力指示信号からモーター駆動信号を算出し、算出されたモーター駆動信号をモーター4に出力する。
モーター4は、モーター駆動信号によって駆動制御され、その駆動に伴ってプーリー5が時計回りに回転される。この結果、上ワイヤー3Uは、プーリー5の回転によって牽引され、下ワイヤー3Dはプーリー5の回転によって弛緩される。この結果、直線状態の湾曲部3bは、徐々に上方向に湾曲していく。このとき、弛緩された下ワイヤー3Dは、湾曲部3bの湾曲に伴って、上ワイヤー3Uとは逆方向に牽引されていく。
本実施形態において、上伝達ワイヤー24Uの第1端側の上ワイヤー3Uに伴う第1移動距離は、上伝達ワイヤー24Uの第2端側の湾曲操作ノブ81の回転操作による第2移動距離よりも短く設定されている。この結果、この湾曲動作中において、上述したアイドラ25を介して走行されている上伝達ワイヤー24Uは、伸長状態であるバネ21が伸張されていくことにより、予め定めた張力での走行状態を維持する。
一方、下伝達ワイヤー24Dの第1端側の下ワイヤー3Dに伴う第3移動距離は、下伝達ワイヤー24Dの第2端側の湾曲操作ノブ81の回転操作による第4移動距離よりも長く設定されている。この結果、この湾曲動作中において、上述したアイドラ25を介して走行されている下伝達ワイヤー24Dは、伸長状態であるバネ21がさらに縮められていくことにより、予め定めた張力での走行状態を維持する。
したがって、術者が湾曲操作ノブ81の回転角度を大きくしていくことにより、湾曲部3bは連続的に上方向に湾曲していく。このとき、上伝達ワイヤー24Uのバネ21は、連続的に伸び、下伝達ワイヤー24Dのバネ21は連続的に縮んでいく。この結果、伝達ワイヤー24U、24Dは、予め定めた張力による走行状態に維持される。
この湾曲動作中において、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達すると上ワイヤー3Uの牽引が停止される。この結果、湾曲部3bの上方向への湾曲動作が停止される。また、湾曲部3bの上方向への湾曲動作の停止に伴って、湾曲部3bの湾曲による下ワイヤー3Dの牽引も停止される。すると、下伝達ワイヤー24Dのバネ21の連続的な伸びが停止される。
このとき、術者による回転操作は、継続されている。したがって、上伝達ワイヤー24Uのバネ21は、更に伸ばされる状態である。これに対して、下伝達ワイヤー24Dのバネ21は、連続的な縮みが停止されるとともに、回転操作が続行されていることによりさらに伸ばされる。すると、下伝達ワイヤー24Dのバネ21から第2連結ワイヤー23を介して回転軸部82に、この回転軸部82を反時計回りに回転させる負荷が伝達される。この結果、湾曲操作ノブ81を時計回りに操作している術者の手に掛かる回転操作力量が増大される等の操作感の変化が生じる。すなわち、術者は、湾曲操作中において湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
その他の作用及び効果は上述した図2、図3に示した内視鏡と同様である。
なお、上述した実施形態においては、湾曲操作装置7として操作子70の代わりに湾曲操作ノブ81を設けている。しかし、湾曲操作ノブ81の代わりに図12中の二点鎖線に示す湾曲操作レバー83を設け、該レバー83で回転軸部82を回転させるようにしても、同様の作用及び効果を得ることができる。
また、湾曲操作ノブ81及び湾曲操作レバー83を逆方向に回転させた場合にも同様の作用及び効果を得ることができる。
図13−図17を参照して第1の実施形態の他の変形例を説明する。 図13に示すように本実施形態の内視鏡1Dにおいては、湾曲操作ノブ81と同軸に力覚提示部85を設けている。
図14、図15に示すように力覚提示部85は、プーリー86と、回転軸部82と、2つのフック付バネ87とで構成され、予め定めた一体形状に組み合わせて構成される。プーリー86と回転軸部82とはそれぞれ互いに独立して時計回り或いは反時計回りに回転する構成である。
図14−図16に示すようにプーリー86の一面側には予め定めた形状の1つの周溝88が予め定めた位置に形成されている。周溝88には、2つのフック付きバネ87のバネ部分が収容される。符号89は一対のプーリー側凸部である。プーリー側凸部89は、プーリー86の一面側から予め定めた高さ突出している。プーリー側凸部89は、周溝88のそれぞれの端部に対して予め定めた位置に設けられている。プーリー側凸部89には、それぞれフック付バネ87の一方のフックが取り付けられる。
一方、回転軸部82の先端面90には一対の軸側凸部91が予め定めた位置に設けられている。一対の軸側凸部91は、プーリー86と回転軸部82とを組み合わせた状態において、周溝88内に摺動自在に配置される。軸側凸部91には、それぞれフック付バネ87の他方のフックが取り付けられる。
なお、本実施形態において、フック付バネ87は弾性部であり、湾曲部3bが直線状態のとき、フック付バネ87が備えるバネ部は、伸びることも縮むこともない初期状態に保持される。
その他の構成は前記図12に示した内視鏡1Cの構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
図17に示すように術者が湾曲操作ノブ81を時計方向に回転操作して直線状態の湾曲部3bを上方向に湾曲させる操作を行った場合、湾曲操作ノブ81の回転操作に伴って、軸側凸部91も時計回りに回転する。
また、湾曲操作ノブ81の回転操作に伴って入力指示検出部8Cから湾曲制御部6に回転操作量に対応する操作入力指示信号が出力される。
湾曲制御部6は、入力される操作入力指示信号からモーター駆動信号を算出し、算出されたモーター駆動信号をモーター4に出力する。
モーター4は、モーター駆動信号によって駆動制御され、その駆動に伴ってプーリー86も時計回りに回転される。この結果、上ワイヤー3Uは、プーリー5の回転によって牽引され、下ワイヤー3Dはプーリー5の回転によって弛緩される。また、プーリー86の回転に伴って、プーリー側凸部89も時計回りに回転する。なお、湾曲部3bが徐々に上方向に湾曲していくことにより、弛緩された下ワイヤー3Dはこの湾曲に伴って、上ワイヤー3Uとは逆方向に牽引されていく。
本実施形態において、プーリー86の回転に伴うプーリー側凸部89の第1移動距離は、湾曲操作ノブ81の回転操作による軸側凸部91の第2移動距離よりも長く設定されている。この結果、湾曲操作中において、プーリー86の回転によって移動するプーリー側凸部89によって上バネ87Uは押し縮められ、下バネ87Dは引っ張られて伸長する。このため、湾曲操作ノブ81は、バネ87U、87Dの付勢力を受けることなくスムーズに回転操作される。
そして、術者が湾曲操作ノブ81を回転操作して湾曲部2bを湾曲操作している状態において、湾曲部3bは、連続的に上方向に湾曲する。このとき、上バネ87Uは、連続的に押し縮められ、下バネ87Dは連続的に伸長される。
この湾曲動作中において、先端部3aが体壁等に当接して湾曲部3bに掛かる反力が予め定めた力量に到達するとプーリー86の回転が停止される。この結果、上ワイヤー3Uの牽引が停止されて、湾曲部3bの上方向への湾曲動作が停止される。
すると、上バネ87Uにおいては、連続的に押し縮める力が解除される。一方、下バネ87Dにおいては、連続的に伸長される力が解除される。この結果、上バネ87Uの付勢力及び下バネ87Dの付勢力によって回転軸部82を逆方向に回転させる力が作用する。つまり、術者が回転操作する湾曲操作ノブ81の回転力量が増大して操作感に変化が生じる。この結果、術者は、湾曲操作中において湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
このように、内視鏡1Dにおいては、湾曲操作ノブ81の回転操作によって湾曲ワイヤー3U、3Dを直接牽引することなく、モーター4を駆動させてプーリー5を回転させて、湾曲部3bを上下左右の何れかに湾曲動作させることができる。
また、プーリー5と湾曲操作ノブ81の回転軸部82とを2つのバネ87を配置して一体に組み合わせた構成にしている。このことによって、湾曲操作ノブ81を回転操作してモーター4の駆動力によって湾曲ワイヤー3U、3Dの何れか一方を牽引している湾曲動作状態において、先端部3aが体壁等に当接した場合、プーリー5の回転が停止されて力覚提示部85に備えられているバネ87U、87Dから回転軸部82に負荷が伝達される。この結果、湾曲操作中において術者は、湾曲部3bの先端部3aが体壁等に当接した等の不具合を知覚することができる。
なお、その他の作用及び効果は上述した図2、図3に示した内視鏡及び図12に示した内視鏡と同様である。また、湾曲操作ノブ81を逆方向に回転させた場合にも同様の作用及び効果を得ることができる。
また、上述した実施形態において、医療機器を内視鏡としているが、医療機器は内視鏡に限定されるものではなく、例えば、内視鏡が挿通される湾曲部を有するオーバーチューブ、湾曲部を備える処置具等であってもよい。
以下、図18−図20Dを参照して本発明の第3実施の形態を説明する。
図18、図19に示す内視鏡は、電動湾曲内視鏡100である。電動湾曲内視鏡100は、操作部102内に挿入部103の湾曲部103bを湾曲駆動する例えばモーター104を備えている。
本実施形態において、モーター104は、例えばパルスモーターである。モーター104の駆動軸104aにはプーリー105が一体に固定されている。プーリー105は、モーター104の駆動に伴って回転される。モーター104は、湾曲制御部106によって駆動制御される。モーター104及び駆動軸104aに一体なプーリー105は、湾曲駆動部である。
挿入部103は、先端側から順に、硬質な先端部103a、湾曲自在な湾曲部103b、および、長尺で可撓性を有する可撓管部103cを連設して構成されている。先端部103aの図示しない先端面には観察窓、照明窓、処置具開口等が設けられている。先端部103a内にはCCD、C−MOS等の撮像素子を備える撮像装置が内蔵されている。
湾曲部103bは、例えば図示しない複数の湾曲駒を互いに回動自在に連結して一方向、或いは、二方向、或いは、四方向に湾曲するように構成される。図18に示す湾曲部103bは、例えば上方向に湾曲する構成である。本実施形態において、最先端湾曲駒(不図示)には上ワイヤー3Uの一端が予め定めた位置に固定されている。上ワイヤー3Uの他端は、後述する巻回部である動滑車107の予め定めた位置に固定されている。
操作部102は、例えば把持部(不図示)と、操作部本体(不図示)とを備えて構成され、操作部本体には湾曲操作装置である湾曲操作ノブ108が設けられている。
操作部102内には、モーター104、プーリー105、湾曲制御部106及び動滑車107に加えて、湾曲操作ノブ108の軸部108A、後述する入力指示検出部109、エンコーダー110、及びポテンショメーター111が設けられている。
湾曲操作ノブ108は、湾曲部103bを湾曲動作させる操作指示を行う装置である。湾曲操作ノブ108は、術者によって回転操作される。術者が、湾曲部103bを湾曲させるため湾曲操作ノブ108を回転操作すると軸部108Aが一体で回転動作する。なお、湾曲操作ノブ108を設ける代わりに、軸部108Aに一体に二点鎖線に示す湾曲操作レバー108Lを設ける構成であってもよい。
操作部102内に配置された動滑車107には、挿入部103から延出された上ワイヤー3Uの他端が固定されている。動滑車107には、第2牽引部材である湾曲ワイヤー移動操作ワイヤー(以下、操作ワイヤーと略記する)112の中途部が巻回されている。
操作ワイヤー112の一端は、軸部108Aの予め定めた位置に固定されている。操作ワイヤー112の他端は、プーリー105の予め定めた位置に固定されている。軸部108A及びプーリー105は、動滑車107を挟んで、上ワイヤー3Uの一端とは逆方向に設けられている。軸部108Aに一端が固定された操作ワイヤー112は、動滑車107によって走行経路を折り返されて他端がプーリー105に至る構成になっている。
この構成によれば、湾曲操作ノブ108を図18中の時計回りに回転させて軸部108Aを同方向に回転させることによって、操作ワイヤー112の一端側を軸部108Aに巻き上げていくことができる。一方、モーター104の駆動によってプーリー105を図18中の反時計回りに回転させることによって、操作ワイヤー112の他端側をプーリー105に巻き上げていくことができる。
入力指示検出部109は、湾曲操作ノブ108の回転操作に伴って回転動作する軸部108Aの回転操作量を検出する。入力指示検出部109は、検出した検出結果を操作入力指示信号として湾曲制御部106に出力する。エンコーダー110は、モーター104の回転位置を検出し、その回転位置をモーター位置情報として湾曲制御部106に出力する。ポテンショメーター111は、プーリー105の回転位置を検出し、その回転位置をプーリー位置情報として湾曲制御部106に出力する。
つまり、湾曲制御部106には、操作入力指示信号、モーター位置情報及びプーリー位置情報が入力される。湾曲制御部106は、これら操作入力指示信号、モーター位置情報、及びプーリー位置情報に基づき演算処理を行ってモーター駆動信号を算出し、該駆動信号をモーター104に出力する。
モーター104は、モーター駆動信号によって駆動制御される。この結果、プーリー105は、モーター104によって回転される。プーリー105は、湾曲操作ノブ108の回転操作に伴って回転する軸部108Aが巻き上げる操作ワイヤー112の一端側を巻き上げる量と同じ量、操作ワイヤー112の他端側を巻き上げるように設定されている。
この構成において、動滑車107は、操作ワイヤー112一端側の巻き上げ及び操作ワイヤー112の巻き上げによって操作部102の長手軸方向に移動されて、上ワイヤー3Uを牽引する。そして、動滑車107の該軸方向への移動量は、軸部108Aによって巻き上げられる操作ワイヤー112の一端側の巻き上げ量及びプーリー105によって巻き上げられる操作ワイヤー112他端側の巻き上げ量と同じに設定してある。
そして、操作ワイヤー112の一端側及び他端側とで動滑車107を移動させている状態における湾曲操作ノブ108の操作力量は、上ワイヤー3Uを牽引する牽引力量の半分である。また、モーター104の駆動力も牽引力量の半分である。
なお、符号113は、ユニバーサルコードである。操作部102から延出するユニバーサルコード113の端部にはコネクタ(不図示)が設けられている。コネクタは、外部装置ある光源装置(不図示)に着脱自在に接続される。符号114は電線であり、ユニバーサルコード内に挿通されている。電線114は、湾曲制御部106を介してモーター104等に電力を供給する。
上述した実施形態においては、湾曲制御部106を操作部102内に設けるとしている。しかし、湾曲制御部106を光源装置内に設ける構成、或いは電動湾曲内視鏡100の外部装置であるビデオプロセッサー(不図示)内に設ける構成等であってもよい。この構成においては、ユニバーサルコード内に信号線を挿通して、湾曲制御部106で算出したモーター駆動信号を、信号線を介してモーター104に出力する。
図20A−図20Dを参照して電動湾曲内視鏡1の作用を説明する。
図20Aに示す直線状態の湾曲部103bを湾曲動作させる場合、術者は、湾曲操作ノブ108を矢印に示すように時計回りに回転操作する。すると、湾曲操作ノブ108の回転操作に伴って軸部108Aが回転して、軸部108Aによって操作ワイヤー112の一端側が巻き上げられる。この結果、動滑車107の移動が開始される。
このとき、術者は、湾曲操作ノブ108を回転操作によって、直接、上ワイヤー3Uを牽引することなく動滑車107を移動させている。このため、術者が湾曲操作ノブ108の操作を開始する際の操作力量は、湾曲操作ノブ108の回転操作で上ワイヤー3Uを直接牽引する場合の牽引力の半分である。
一方、軸部108Aの回転に伴って入力指示検出部109から湾曲制御部106に回転操作量に対応する操作入力指示信号が出力される。湾曲制御部106は、入力された操作入力指示信号からモーター駆動信号を算出し、算出されたモーター駆動信号をモーター104に出力する。モーター104は、モーター駆動信号によって駆動制御される。この結果、モーター104の駆動に伴ってプーリー105が反時計回りに回転して操作ワイヤー112の他端側の巻き上げが開始される。
このとき、動滑車107は、図20Bに示すように例えば操作ワイヤー112一端側が軸部108Aに距離L1巻き上げられ、且つ操作ワイヤー112他端側がプーリー105に距離L1巻き上げられることによって、上ワイヤー3Uを距離L1牽引する。この結果、湾曲部103bが上方向に湾曲する。
この湾曲動作状態において、動滑車107は、軸部108Aによる操作ワイヤー112の巻き上げ及びプーリー105による操作ワイヤー112の巻き上げによって、移動されている。したがって、湾曲操作ノブ108を回転操作する術者は、上ワイヤー3Uを直接牽引する場合に比べて半分の操作力量で湾曲操作ノブ108を操作しつつ、湾曲部103bを湾曲動作させることができる。
ここで、術者が、引き続き湾曲操作ノブ108を回転操作すると、操作ワイヤー112の一端側がさらに軸部108Aに巻き上げられるとともに、操作ワイヤー112の他端側がさらにプーリー105に巻き上げられる。この結果、上ワイヤー3Uが動滑車107によってさらに牽引されて、湾曲部103bの上方向への湾曲角度が大きくなる。
そして、湾曲操作ノブ108が最大に回転されることによって、図20Cに示すように操作ワイヤー112の一端側が距離Lmax移動されると共に、他端側が距離Lmax移動される。この結果、上ワイヤー3Uも動滑車107の移動によって距離Lmax牽引されて湾曲部103bが最大湾曲状態になる。
術者が、湾曲操作ノブ108を回転操作して湾曲部103bを湾曲させる湾曲操作中において、例えば図20Dに示すように挿入部103の先端部103a等が体壁120等に当接する場合がある。先端部103a等が体壁120に当接することにより、先端部103aを含む湾曲部103bは、体壁120によって更なる湾曲が阻止される。つまり、湾曲操作ノブ108の回転操作によって上ワイヤー3Uを牽引することが困難になる。
本実施形態の電動湾曲内視鏡100において、操作ワイヤー112は、湾曲操作ノブ108の軸部108Aから延出されている。そして、操作ワイヤー112は、動滑車107を介して上ワイヤー3Uに繋がれた構成である。この結果、湾曲操作ノブ108を回転操作する湾曲操作中において、先端部103aが体壁120に当接すると、当接と同時に、湾曲操作ノブ108を回転操作する術者の手に掛かる回転操作力量が増大する。したがって、術者は、湾曲操作ノブ108を操作する操作感に変化が生じることによって、湾曲操作中において湾曲部103bの先端部103aが体壁120等に当接した等の不具合を感知することができる。
このように、電動湾曲内視鏡100に、上ワイヤー3Uと、操作ワイヤー112と、動滑車107と設ける。そして、操作ワイヤー112の一端を湾曲操作ノブ108の軸部108Aに固定し、該ワイヤー112の他端をモーター104によって回転されるプーリー105に固定する。加えて、ワイヤー中間部を動滑車107に巻回している。
この結果、電動湾曲内視鏡100の湾曲部103bと湾曲操作ノブ108とは、上ワイヤー3Uと、動滑車107と、操作ワイヤー112とを介して繋がれる。
したがって、電動湾曲内視鏡100においては、術者の湾曲操作中に先端部103aが体壁120に当接した場合、湾曲操作ノブ108を操作する術者の手に操作感の変化が伝達される。この結果、術者は、湾曲部103bの湾曲動作中に確実に不具合が発生したことを判断することができる。
また、術者は、湾曲操作ノブ108の回転操作開始直後から湾曲部103bを最大湾曲状態にするまでの間、直接、上ワイヤー3Uを牽引することなく、動滑車107を操作部長手軸方向に移動させて上ワイヤー3Uを牽引できるので、術者が操作する回転操作力量の軽減を図ることができる。
加えて、モーター104によって回転されるプーリー105による操作ワイヤー他端側巻き上げ量を、軸部108Aによる操作ワイヤー一端側巻き上げ量と同じに設定している。この結果、モーター104の小型化を図って湾曲部103bの湾曲動作を可能にすることができる。
なお、湾曲操作ノブ108を回転操作して湾曲された湾曲部103bは、湾曲操作ノブ108を反時計回りに回転させていくことによって、湾曲部103bの有する弾発力によって直線状態に復帰するように変形する。
また、上述した実施形態において、湾曲部103bを上方向の一方向に湾曲する構成としている。しかし、湾曲部103bは上下の二方向に湾曲する構成であってもよい。その場合、下ワイヤー、操作ワイヤー、動滑車107、プーリー105を備えるモーター104等を下方向湾曲に対応するように設ける。
さらに、上述した実施形態においては、モーター104によって回転されるプーリー105による操作ワイヤー他端側巻き上げ量を、軸部108Aによる操作ワイヤー一端側巻き上げ量と同じに設定している。しかし、プーリー105による操作ワイヤー他端側巻き上げ量を、軸部108Aによる操作ワイヤー一端側巻き上げ量より大きく設定して、湾曲部103bを最大湾曲状態に湾曲させる際の術者の負担を軽減する構成等にしてもよい。
また、動滑車107にフック付スプリングの一端側フックを取り付けて、湾曲部103bが直線状態における動滑車107の初期位置を設定するようにしてもよい。加えて、動滑車107の操作部長手軸方向へのスムーズな移動を規制する規制部を操作部に設けるようにしてもよい。
[付記]
以上、詳述した如く、本発明の第3の実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。即ち、
(1)挿入部に設けられた湾曲部に一端が固定された第1牽引部材と、
前記湾曲部を湾曲動作させる駆動力を出力する湾曲駆動部と、
前記湾曲部を湾曲動作させる操作指示を入力するための湾曲操作装置と、前記湾曲操作装置に一端が固定され、他端が前記湾曲駆動部に固定された第2牽引部材と、
前記第2牽引部材の中途部が巻回され、前記第1牽引部材の他端が固定される操作部長手軸方向に進退自在に配置された巻回部と、
前記湾曲操作装置によって入力された湾曲動作指示を検出して操作入力指示信号を出力する入力指示検出部と、
前記入力指示検出部から出力された操作入力指示信号に基づいて、前記湾曲部を湾曲動作させるために前記第2牽引部材を介して前記第1牽引部材を牽引する駆動信号を算出して前記湾曲駆動部に出力する制御部と、
を具備する挿入装置。
(2)前記湾曲操作装置の湾曲動作指示の際に前記第2牽引部材の一端側が移動する一端側移動量と、前記制御部から出力された駆動信号によって駆動された前記湾曲駆動部によって移動する前記第2牽引部材の他端側の移動量とが同じ移動量である付記1に記載の挿入装置。
(3)前記湾曲操作装置の湾曲動作指示の際に前記第2牽引部材の一端側が移動する一端側移動量と、前記制御部から出力された駆動信号によって駆動された前記湾曲駆動部によって移動する前記第2牽引部材の他端側の移動量とが異なる移動量である付記1に記載の挿入装置。
(4)前記巻回部は、動滑車である付記1に記載の挿入装置。
ところで、日本国特開平08−224241号公報の図6にはケーシングに設けられた操作子であるジョイスティックを操作することにより、湾曲管が上下左右に湾曲する内視鏡が示されている。この内視鏡によれば、術者によりジョイスティックが操作されると、コントローラが上下左右の湾曲角に変換し、上下用湾曲駆動アクチュエータ及び/または左右用湾曲駆動アクチュエータが駆動され、ワイヤーが牽引弛緩されて湾曲部が湾曲動作する。この構成の内視鏡において、術者は、ワイヤーを直接牽引する作業から解放されて容易に指一本で湾曲部の湾曲操作を行える。
しかしながら、日本国特開平08−224241号公報の内視鏡では、術者がワイヤーを直接牽引することなく湾曲部が湾曲動作する。この内視鏡のジョイスティックは、予め定めた状態で傾倒動作するように調節されている。したがって、湾曲部を湾曲操作中において、挿入部の先端部が例えば生体組織に当接した場合でも、ジョイスティックは、常に、一定に動作する。言い換えれば、この内視鏡のジョイスティックでは、湾曲操作中において、湾曲ノブを操作してワイヤーを牽引或いは弛緩させる従来の内視鏡のように先端部が生体組織等に当接した際に生じるワイヤーに掛かる応力の変化を湾曲ノブの操作感の変化のように感知することができない。
本付記は、上記事情に鑑みてなされたものであり、湾曲操作中に牽引部材に掛かる応力の増大を湾曲操作装置を介して感知可能で、湾曲部を湾曲させる湾曲操作を操作部に設けられた湾曲操作装置の操作によって容易に行える内視鏡を提供することを目的にしている。
以下、図面を参照して本付記の実施の形態を説明する。
図21−図26Cを参照して本付記の第1実施形態を説明する。
図21に示す本実施形態の内視鏡201は、細長な挿入部202と、挿入部202の基端に連設する操作部203と、操作部203の側部から延出するユニバーサルコード204とを備えて構成されている。
挿入部202は、先端側から順に、先端部202aと、湾曲部202bと、可撓管部202cとを連設して構成されている。可撓管部202cは、可撓性を有して長尺に形成されている。湾曲部202bは、例えば上下左右の四方向に湾曲するように構成されている。
なお、本実施形態の湾曲部202bは、上下左右の四方向に湾曲するとしている。しかし、湾曲部202bの湾曲方向は、例えば上下の二方向、上方向だけの一方向等であってもよい。
操作部203は、挿入部202に連設する把持部203aと、把持部203aに連設する操作部本体203bとを備えて構成されている。操作部本体203bの先端側には棒状の操作子205が設けられている。
操作子205は、湾曲操作装置である。操作子205は、傾倒方向及び傾倒角度を変化させる傾倒操作を行うことによって、湾曲部202bを所望する方向に所望する角度湾曲動作させる、操作指示を行える。操作子205は、操作部本体203bの一面に設けた開口(不図示)から例えば操作部203の長手軸に直交して突出されている。湾曲部202bは、操作子205を例えば矢印Yu方向に傾倒していくことにより、その傾倒操作に伴って実線に示す直線状態から破線に示す湾曲状態に変化するように構成されている。
操作部本体203bの外装には、操作子205の他に、例えば撮像装置(不図示)の各種撮像動作を指示するスイッチ206a、送気送水ボタン206b、吸引ボタン206cが予め定めた位置に設けられている。
また、把持部203aの外装には処置具チャンネル(不図示)に連通するチャンネル挿入口206dが設けられている。符号206eは、カバー部材である。カバー部材206eは、開口を水密に塞ぎ、且つ、操作子205の軸部205aに密着する。また、カバー部材206eは、操作子205を傾倒操作可能に保持する。符号205bは、操作子205の指当て部であり、例えば球状である。
図22−図24に示すように操作部203内には、操作子205の軸部205aと、吊り枠207と、回転体である円板状のプーリー208U、208D、208L、208Rと、駆動力伝達部9と、モーター210と、牽引部材である湾曲ワイヤー211、212、213、214とが主に設けられている。
湾曲ワイヤー211、212、213、214は、湾曲部202bの四つの湾曲方向に対応する4本のワイヤーであり、上用湾曲ワイヤー211、下用湾曲ワイヤー212、左用湾曲ワイヤー213、及び右用湾曲ワイヤー214である。
各湾曲ワイヤー211、212、213、214の一端は、湾曲部202bの先端側の予め定めた位置に固定されている。一方、上用湾曲ワイヤー211の他端は、上用プーリー208Uに固定され、下用湾曲ワイヤー212の他端は下用プーリー208Dに固定され、左用湾曲ワイヤー213の他端は左用プーリー208Lに固定され、右用湾曲ワイヤー214の他端は右用プーリー208Rに固定されている。
各湾曲ワイヤー211、212、213、214は、操作部203内に導入された後、例えば複数のガイドローラー220によって走行経路を変更されて、予め定めた張力で張られている。
モーター210のモーター軸210aには駆動ギア215が固定されている。駆動ギア215の回転は、駆動力伝達部209を介して各プーリー208U、208D、208L、208Rに伝達される構成になっている。駆動力伝達部9は、従動ギア209U、209D、209L、209Rと、伝達力調整部209AU、209AD、209AL、209ARとを組み合わせて構成される。本実施形態において、モーター210、駆動ギア215及び従動ギア209U、209D、209L、209Rは、駆動部である。
伝達力調整部209AU、209AD、209AL、209ARは、駆動ギア215に噛合して回転される従動ギア209U、209D、209L、209Rとプーリー208U、208D、208L、208Rとの間にそれぞれ配置されている。伝達力調整部209AU、209AD、209AL、209ARは、従動ギア209U、209D、209L、209Rの回転をプーリー208U、208D、208L、208R伝達する。
従動ギア209U、209D、209L、209Rは、上従動ギア209U、下従動ギア209D、左従動ギア209L、右従動ギア209Rである。上従動ギア209Uは、上軸216に回動自在に取り付けられ、下従動ギア209Dは下軸217に回動自在に取り付けられ、左従動ギア209Lは左軸218に回動自在に取り付けられ、右従動ギア209Rは右軸219に回動自在に取り付けられている。各軸216、217、218、219は、操作部203内に設けられているフレームに固設されている。
各伝達力調整部209AU、209AD、209AL、209ARは、複数の皿バネ209sを重ねて、予め定めた弾性特性を有するように構成されている。上伝達力調整部(以下、上調整部と略記する)209AUは、上従動ギア209U上に配設されている。同様に、下伝達力調整部(以下、下調整部と略記する)209ADは、下従動ギア209D上に配設され、左伝達力調整部(以下、左調整部と略記する)209ALは左従動ギア209L上に配設され、右伝達力調整部(以下、右調整部と略記する)209ARは右従動ギア209R上に配設されている。
さらに、上調整部209AU上には上用プーリー208Uが配置され、下調整部209AD上には下用プーリー208Dが配置され、左調整部209AL上には左用プーリー208Lが配置され、右調整部209AR上には右用プーリー208Rが配置されている。
各調整部209AU、209AD、209AL、209ARは、予め定めた荷重で予め定めた量圧縮されるように、例えば異なる厚み寸法、異なる縦弾性係数、或いは異なる撓み量の皿バネ209sを適宜、直列に組み合わせて構成されている。
なお、各皿バネ209sが有する軸方向の貫通孔は、各軸216、217、218、219に挿通されるように形成されている。また、皿バネの代わりに、プーリーと従動ギアとに摩擦板を当接して配置するようにしてもよい。
本実施形態において、駆動ギア215は、図23に示すように反時計周りに回転する。したがって、各従動ギア209U、209D、209L、209Rは、時計周りに回転する。
図22−図24に示すように吊り枠207は、湾曲操作装置である。吊り枠207は、湾曲部202bの上下左右の湾曲方向にそれぞれ対応する4つの枠207U、207D、207L、207Rを備え、略十字形状に構成されている。吊り枠207には、中心軸部である枠軸207aが立設している。操作子205の軸部205aと吊り枠207の枠軸207aとはユニバーサルジョイント221を介して同軸に取付け固定されている。
ユニバーサルジョイント221は、操作部203内に設けられた図示しないフレームに回動自在に配設されている。このように構成された吊り枠207は、操作子205の傾倒操作に伴って揺動する。
上用枠207Uと下用枠207Dとは枠軸207aを挟んで一直線上に配置されている。上用枠207Uの端部には上用プーリー押圧部207Uaが設けられている。下用枠207Dの端部には下用プーリー押圧部207Daが設けられている。一方、左用枠207Lと右用枠207Rとは上下用枠中心線207cに直交するとともに、枠軸207aを挟んで一直線上に配置されている。左用枠207Lの端部には左用プーリー押圧部207Laが設けられている。右用枠207Rの端部には右用プーリー押圧部207Raが設けられている。
図23、図24に示すようにプーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raは、予め定めた形状に形成されている。各プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raは、各プーリー208U、208D、208L、208R上に配置されるように各枠207U、7D、7L、7Rの一側面から突出している。プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raのプーリー側の面には押圧部材が固定されている。押圧部材は、プーリー208U、208D、208L、208Rに直接、当接配置される。押圧部材は、押圧性及び滑り性を考慮した硬質な例えばフッ素樹脂等の樹脂部材である。
なお、プーリー側の面に押圧部材を固定することなく、プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raをプーリー208U、208D、208L、208Rに直接、当接させる構成であってもよい。
また、操作子205が直立状態、言い換えれば、図22に示すように湾曲部202bが直線状態のとき、プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raに固定されている押圧部材と、各プーリー208U、208D、208L、208Rとの間には予め設定した隙間が設けられる。各プーリー208U、208D、208L、208Rは、各プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raに対向して設けられる。
これらの構成によれば、操作者が例えば、湾曲部202bを上方向に湾曲させる操作、即ち、操作子205を矢印Yu方向へ傾倒操作したとき、図25に示すように吊り枠207が揺動される。このとき、上用枠207Uが上用プーリー208Uに近接する一方、下用枠207Dは、下用プーリー208Dから遠ざかる。
なお、図24及び図25においては、湾曲部を上方向に湾曲させる際の動作を説明するため、上下方向用のプーリー208U、208D、調整部209AU、209AD、及び従動ギア209U、209Dを記載して、左右方向に関係するプーリー208L、208R、調整部209AL、209AR、従動ギア209L、209Rを図から省略している。
操作者は、湾曲部202bを上方向に湾曲させる際、操作子205を連続的にY25方向に傾倒操作する。操作者が操作子205の傾倒操作を開始すると、まず、プーリー押圧部207Uaの押圧部材が上用プーリー208U上に当接する。その後、傾倒操作にともなって上用プーリー208Uは、上調整部209AUの付勢力に抗して上軸216に沿って移動される。つまり、上用プーリー208Uは、上従動ギア209U方向に向かって押し下げられていく。
上用プーリー208Uが押し下げられていくにしたがって、上調整部209AUは、圧縮されていく。そして、図26Aに示すように上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離Lが初期状態である距離L0から距離L1に変化していく。距離LがL1になると、上従動ギア209Uの回転が上調整部209AUを介して上用プーリー208Uに伝達される。即ち、上用プーリー208Uが回転して、上用湾曲ワイヤー211が破線の矢印Y26Aに示すように牽引される。すると、湾曲部202bは、湾曲を開始する。言い換えれば、距離Lが距離L1に到達するまでの間、上従動ギア209Uだけが駆動ギア215によって回転される。
この後、操作子205の傾倒角度が引き続き大きくなることにより、上用プーリー208Uがプーリー押圧部7Uaによってさらに上従動ギア209U方向に向けて移動されていく。この結果、図26Bに示すように上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離Lが距離L2に変化する。このとき、上従動ギア209Uの回転が上調整部209AUを介して上用プーリー208Uに伝達される。すると、上用プーリー208Uが回転する。この結果、上用湾曲ワイヤー211がさらに破線の矢印Y26Bに示すように牽引されて、湾曲部202bが例えば図25の実線に示すような湾曲状態になる。
その後、操作子205が予め定めた最大傾倒角度に到達すると、図26Cに示すように上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離Lが距離L3になる。このとき、上従動ギア209Uの回転が上調整部209AUを介して上用プーリー208Uに伝達される。すると、上用プーリー208Uが回転する。この結果、上用湾曲ワイヤー211が、矢印Y26Cに示すようにさらに牽引されて湾曲部202bが最大の湾曲状態になる。
本実施形態において、操作子205を傾倒操作する際の傾倒操作力量は、傾倒角度の増加に伴って増大する。具体的に、操作子205が傾倒操作されると、例えば上用プーリー208Uが上調整部209AUの付勢力に抗して上軸216に沿って上従動ギア209U方向に向かって移動を開始する。そして、上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離Lが距離L1になって、上用湾曲ワイヤー211の牽引が開始される。このとき、湾曲部202bの湾曲角度が大きくなるにしたがって傾倒操作力量が増大する。言い換えれば、上調整部209AUは、操作子205の傾倒角度が増加するにしたがって傾倒操作力量を増加させるとともに、上従動ギア209Uの回転を上用プーリー208Uに伝達して該プーリー208Uを傾倒操作力量に対応する角度分、回転移動させる。
本実施形態において、操作子205の最大操作力量、即ち、湾曲部202bを最大に湾曲させる傾倒操作力量は、上調整部209AUの付勢力を調整して予め定めた値に設定してある。その値は、操作子205の操作によって直接、上用湾曲ワイヤー211を牽引操作した場合の操作力量に比べて小さな力量である。
なお、上述においては、操作者が湾曲部202bを上方向に湾曲させる操作子205の傾倒操作について説明している。しかし、操作者が湾曲部202bを上方向以外に湾曲させるように操作子205を傾倒操作した場合でも、操作子205を傾倒操作する際の傾倒操作力量は、傾倒角度の増加に伴って増大する。そして、湾曲ワイヤー212、213、214の牽引が開始された後、湾曲部202bの湾曲角度が大きくなるにしたがって傾倒操作力量が増大する。
傾倒操作力量は、枠207U、207D、207L、207Rの長さ、調整部209AU、209AD、209AL、209ARの付勢力を適宜設定することによって、所望する値に設定することが可能である。
ここで、上述のように構成した内視鏡201の湾曲部202bの湾曲操作について説明する。
操作者は、挿入部202を例えば口腔から体内に挿入するにあたって、操作部203内のモーター210を駆動させて各従動ギア209U、209D、209L、209Rを回転状態にする。このとき、各プーリー208U、208D、208L、208Rと各プーリー押圧部207Ua、207Da、207La、207Raの押圧部材との間には隙間が設けられ、湾曲部202bは直線状態である。
操作者は、図示しない観察装置の画面に表示されている内視鏡画像を観察しつつ、挿入部202の体内への挿入を開始する。
操作者は、例えば湾曲部202bを上方向に湾曲操作するため、図25に示すように操作子205を矢印Y25方向に傾倒操作する。すると、操作子205及び吊り枠207が一体で揺動する。この結果、吊り枠207の上用枠207Uに設けられている上用プーリー押圧部7Uaがプーリー208Uの面上に配置される。その後、該プーリー208Uは、上軸216に沿って上従動ギア209U方向に向かって移動していく。このとき、操作子205の傾倒角度が大きくなるにしたがって傾倒操作力量が徐々に増加していく。
上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離Lが距離L1に到達すると、上従動ギア209Uの回転が上調整部209AUを介して上用プーリー208Uに伝達される。即ち、上従動ギア209Uと上調整部209AUと上用プーリー208Uとが一体で回転角度変化を開始する。
すると、上用プーリー208Uに固定されている上用湾曲ワイヤー211が上用プーリー208Uの回転角度変化に伴って牽引されていく。この結果、湾曲部202bの湾曲が開始される。この後、さらに、操作子205が連続的に傾倒操作されることによって、上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離が徐々に狭められていく。このとき、操作子205を操作する傾倒操作力量は、徐々に増大していく。また、上従動ギア209Uと上調整部209AUと上用プーリー208Uとは一体のまま、若しくは互いに摺動しながら、回転角度が徐々に大きくなっていく。この結果、上用湾曲ワイヤー211がさらに牽引され、湾曲部202bの湾曲角度が増大していく。
操作者が、操作子205の傾倒操作を継続すると、上用プーリー208Uと上従動ギア209Uとの距離が連続的に狭められていく。この結果、上従動ギア209Uと上調整部209AUと上用プーリー208Uとが一体のまま回転角度が増大する。したがって、上用湾曲ワイヤー211がさらに牽引されて湾曲部202bがさらに上方向に湾曲される。
一方、操作者が、操作子205の傾倒操作中において、操作子205の傾倒角度を傾倒状態で保持すると、上従動ギア209Uと上調整部209AUと上用プーリー208Uとが一体のまま、若しくは互いに摺動しながら回転角度は保持される。つまり、湾曲部202bの湾曲角度は、湾曲された状態で保持される。
本実施形態において、操作子205の傾倒操作中に、例えば先端部202aが管腔の壁等に当接した場合、壁によって湾曲部202bの湾曲動作が阻止される。このとき、上用湾曲ワイヤー211の牽引が不能になる場合がある。この場合、内視鏡201を操作する操作者は、湾曲部202bを湾曲させる傾倒操作中において、湾曲角度が大きくなるにつれて操作子205に掛かる操作力量が増大していることを手応えとして感じている。
そのため、操作者は、傾倒操作中において、操作子205の傾倒操作力量が増大しているにも関わらず、表示装置の画面に表示される内視鏡画像に変化が生じていない場合、挿入部202の先端部202aが管腔の壁等に当接した等、湾曲部の不具合の察知を行える。
このように、本実施形態の内視鏡201によれば、操作部203に設けられている操作子205を上下左右の何れかの方向に傾倒操作する。すると、その傾倒操作に対応する湾曲ワイヤー211、212、213、214を直接牽引操作することなく、傾倒操作に対応するプーリー208U、208D、208L、208Rが軸216、217、218、219に対して調整部209AU、209AD、209AL、209ARの付勢力に抗して従動ギア209U、209D、209L、209R方向に移動する。そして、プーリー208U、208D、208L、208Rと従動ギア209U、209D、209L、209Rとの距離Lが、予め定めた距離L1になる。このとき、従動ギア209U、209D、209L、209Rの回転は、調整部209AU、209AD、209AL、209ARを介してプーリー208U、208D、208L、208R伝達される。すると、従動ギア209U、209D、209L、209Rと、調整部209AU、209AD、209AL、209ARと、上用プーリー208U、208D、208L、208Rとが一体で所定の角度、回転移動する。この結果、傾倒操作に対応するプーリー208U、208D、208L、208Rに他端が固定された湾曲ワイヤー211、212、213、214が牽引されて、湾曲部202bが傾倒操作方向に湾曲していく。
この構成において、操作子205の傾倒操作力量は、予め、操作子205の操作によって直接、湾曲ワイヤー211、212、213、214を牽引操作する力量よりも小さく設定してある。このため、操作部203に設けた操作子205を傾倒操作して湾曲部202bを容易に湾曲動作させることができる。
また、操作子205の傾倒操作力量を上述したように予め、操作子205の操作によって直接、湾曲ワイヤー211、212、213、214を牽引操作する力量よりも小さく設定し、且つ、湾曲部202bの湾曲角度を大きくする傾倒操作を行うにしたがって傾倒操作力量が増大する構成にしている。この結果、湾曲ワイヤー211、212、213、214に応力変化が生じて各プーリー208U、208D、208L、208Rが応力変化に合わせて回転する。また、この回転により、つり枠207と各プーリー208U、208D、208L、208Rとの間でプーリー208U、208D、208L、208Rの円周方向の摩擦力が生じる。つり枠207が円周方向へ動くことで、操作子205には、操作子205を傾倒させようとする方向とは逆方向の力が生じる。したがって、操作者は、湾曲部202bを湾曲動作させる傾倒操作中において、湾曲ワイヤー211、212、213、214に掛かる応力変化を、表示装置に表示される内視鏡画像及び傾倒操作力量の変化から感知して、湾曲部202bの湾曲動作の異常による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
なお、操作子205を傾倒操作して湾曲された湾曲部202bは、操作子205を直立した状態に戻すことによって、湾曲部202bの有する弾発力によって直線状態に復帰する。
図27−図31Dを参照して本付記の第2実施形態を説明する。
図27に示すように本実施形態の内視鏡201Aは、操作部203の外周面に操作ダイヤルである上下湾曲ノブ(以下、上下ノブと略記する)205UDと、操作ダイヤルである左右湾曲ノブ(以下、左右ノブと略記する)205LRとが配置されている。図28に示すように操作部203内には、上下ノブ205UDの上下軸部205UDaと、左右ノブ205LRの左右軸部205LRaと、上下カムシャフト231と、左右カムシャフト232と、カムシャフトギア233と、上下プーリー部240と、左右プーリー部250と、駆動力伝達部209Aと、モーター210Bと、湾曲ワイヤー211、212、213、214とが主に設けられている。なお、上述した第1実施形態と同部材には同符号付して説明を省略する。
本実施形態において、各湾曲ワイヤー211、212、213、214の一端は、図28に示すように前記第1実施形態と同様に湾曲部202bの先端側の予め定めた位置に固定されている。
一方、図29に示すように上用湾曲ワイヤー211の他端は、上下プーリー部240の上下ワイヤー固定プーリー241の予め定めた位置に固定され、下用湾曲ワイヤー212の他端は上下ワイヤー固定プーリー241の予め定めた位置に固定されている。また、左用湾曲ワイヤー213の他端は、左右プーリー部250の左右ワイヤー固定プーリー251の予め定めた位置に固定され、右用湾曲ワイヤー214の他端は左右ワイヤー固定プーリー251の予め定めた位置に固定されている。
各湾曲ワイヤー211、212、213、214は、操作部203内に導入された後、例えば複数のガイドローラー299によって走行経路を変更されて、予め定めた張力で張られている。
図28及び図30に示すように本実施形態の駆動力伝達部209Aは、第1従動ギア291、第2従動ギア292、第1摩擦板293、及び第2摩擦板294を備えて構成されている。
第1従動ギア291と第2従動ギア292とは、伝達軸295の一端及び他端にそれぞれ一体に固定されている。第1摩擦板293と第2摩擦板294とは、左右ワイヤー固定プーリー251及び上下ワイヤー固定プーリー241を挟んで対向して配置されている。
モーター210Bのモーター軸210aには駆動ギア215Bが固定されている。駆動ギア215Bには第1従動ギア291が噛合するとともに、第1歯車296が噛合している。第1歯車296は、第1摩擦板293の外周面に形成された外歯車である。また、第2従動ギア292には第2歯車297が噛合している。第2歯車297は、第2摩擦板294の外周面に形成された外歯車である。本実施形態において、駆動部は、モーター210Bと、駆動ギア215Bと、第1摩擦板293と、第2摩擦板294とで構成される。第1摩擦板293は、駆動ギア215Bによって回転され、第2摩擦板294は、第2従動ギアによって回転される。
本実施形態において、駆動ギア215Bは、例えば反時計周りに回転する。したがって、第1従動ギア291、第2従動ギア292及び第1摩擦板293は、時計周りに回転する。一方、第2摩擦板294は、反時計周りに回転する。
図28−図30に示すように本実施形態において、上下ノブ205UDは、上下用湾曲操作装置を構成する。上下用湾曲操作装置は、上下ノブ205UDと、カムシャフトギア233と、上下カムシャフト231と、上下プーリー部240とを備えて構成されている。
一方、左右ノブ205LRは、左右用湾曲操作装置を構成する。左右用湾曲操作装置は、左右ノブ205LRと、左右カムシャフト232と、左右プーリー部250とを備えて構成されている。
ノブ205UD、205LRは、時計周り、又は、反時計回りに回転操作可能である。即ち、ノブ205UD、205LRは、回動自在である。上下ノブ205UDは、回動操作することにより、湾曲部202bを上方向或いは下方向に所望する角度、湾曲動作させる操作指示を行える。一方、左右ノブ205LRは、回動操作することにより、湾曲部202bを左方向或いは右方向に所望する角度、湾曲動作させる操作指示を行える。
上下ノブ205UDは、上下軸部205UDaを備えている。上下軸部205UDaの外周面の予め定めた位置に外歯車205gが設けられている。上下軸部205UDaには軸方向貫通孔234が形成されている。軸方向貫通孔234には、左右ノブ205LRが備える、左右軸部205LRaが予め定めた嵌め合いで挿通される構成になっている。
カムシャフトギア233は、ギア部235を備えている。ギア部235は、外歯車205gと噛合するように構成されている。カムシャフトギア233の予め定めた位置には予め定めた形状の上下用係合凹部236fが形成されている。
上下カムシャフト231は、指示部材であり、外周面に突起237を有する。突起237は、フレーム203Fに形成されている上下カムシャフト配置孔203H1の内周面に形成されている。突起237は、予め定めた形状の上下カム溝203HC1内に摺動自在に配置される。
上下カムシャフト231は、上下用係合凹部236f内に配置される上下用係合凸部236mを備えている。上下用係合凸部236mが上下用係合凹部236fに係合された状態において、上下カムシャフト231は、カムシャフトギア233と一体に回転する構成になっている。
なお、符号231hは、上下伝達穴であり、後述する上下突起が配置される。
上述した構成によれば、上下ノブ205UDの回転は、外歯車205gを有する上下軸部205UDaと、ギア部235を有するカムシャフトギア233と、係合状態の上下用係合凹部236f及び上下用係合凸部236mとを介して、上下カムシャフト231に伝達される。この結果、上下ノブ205UDの回動操作に伴って、上下カムシャフト231は、フレーム203Fの上下カムシャフト配置孔203H1に対して矢印30Y1、30Y2方向に進退移動する。
一方、上下軸部205UDaの軸方向貫通孔234に配置される左右軸部105LRaの予め定めた位置には、予め定めた形状の左右用係合凹部238fが形成されている。
左右カムシャフト232は、指示部材であり、外周面に突起239を有する。突起239は、左右カム溝203HC2内に摺動自在に配置される。左右カム溝203HC2は、フレーム203Fに形成されている左右カムシャフト配置孔203H2の内周面に形成されている。
また、左右カムシャフト232は、左右用係合凹部238f内に配置される左右用係合凸部238mを備えている。左右用係合凸部238mが左右用係合凹部238fに係合された状態において、左右カムシャフト232は、左右軸部205LRaと一体に回転する構成になっている。
なお、符号232hは、左右伝達穴であり、後述する左右突起が配置される。
上述した構成によれば、左右ノブ205LRの回転は、係合状態の左右用係合凹部238fと左右用係合凸部238mとを介して左右カムシャフト232に伝達される。この結果、左右ノブ205LRの回動操作に伴って、左右カムシャフト232は、フレーム203Fの左右カムシャフト配置孔203H2に対して矢印30Y3、30Y4方向に進退移動する。
上下プーリー部240は、上下ワイヤー固定プーリー241と、上下伝達軸242と、上下支持軸243とを備えて構成されている。上下伝達軸242は、該プーリー241の一面側から突出する第1軸である。上下支持軸243は、該プーリー241の他面側から突出する第2軸である。上下伝達軸242の端部には駆動力伝達部を構成する上下突起244が設けられている。上下突起244は、駆動力伝達部を構成する上下伝達穴231h内に配置される。上下伝達穴231hは、駆動力伝達部を構成する蓋部材231Cによって塞がれる。蓋部材231Cは、上下伝達軸242が挿通する開口を有する。上下支持軸243の端部は、図示しないフレームに回動自在に支持されている。
一方、左右プーリー部250は、左右プーリー251と、左右伝達軸252と、左右支持軸253とを備えて構成されている。左右伝達軸252は、該プーリー251の一面側から突出する。左右支持軸253は、該プーリー251の他面側から突出する。左右伝達軸252の端部には駆動力伝達部を構成する左右突起254が設けられている。左右突起254は、駆動力伝達部を構成する左右伝達穴232h内に配置される。左右伝達穴232hは、駆動力伝達部を構成する蓋部材232Cによって塞がれる。蓋部材232Cは、左右伝達軸52が挿通する開口を有する。左右支持軸253の端部は、図示しないフレームに回動自在に支持されている。
これらの構成によれば、例えば、操作者が湾曲部202bを上方向に湾曲させる操作、即ち、図29に示す上下ノブ205UDを矢印29Y1方向へ回転させる操作を行ったとき、上下ノブ205UDは、図31Aにおいては、矢印31Y1方向へ回転する。したがって、上下軸部205UDaが備える外歯車205gに噛合しているギア部235を備えるカムシャフトギア233が逆方向である矢印31Y2方向に回転する。すると、カムシャフトギア233の回転に伴って、上下カムシャフト231が上下カムシャフト配置孔203H1に対して矢印31Y3方向に移動していく。
上下カムシャフト231が矢印31Y3方向に移動することによって、蓋部材231Cが上下突起244に徐々に近接し、その後、当接する。当接後においても、上下ノブ205UDが引き続き矢印31Y1方向へ回転されることによって、上下カムシャフト231がさらに矢印31Y3方向へ移動される。そして、この移動に伴って上下プーリー部240が上下カムシャフト231とともにさらに矢印31Y3方向に移動して、上下プーリー部240の上下ワイヤー固定プーリー241の一面が第2摩擦板294に当接する。
上下ワイヤー固定プーリー241の一面が第2摩擦板294に当接して、予め定めた押圧力の当接状態に変化することによって、第2摩擦板294の回転が上下ワイヤー固定プーリー241に伝達される。この結果、上下ワイヤー固定プーリー241が矢印31Y2(図29では矢印29Y2)方向に回転を開始する。すると、上下ワイヤー固定プーリー241に固定されている上用湾曲ワイヤー211が牽引される一方、下用湾曲ワイヤー212が弛緩されて湾曲部202bの上方向への湾曲が開始される。
この後、操作者は、上下ノブ205UDを矢印31Y1方向へ回転させる力を付与し続ける。すると、上下ワイヤー固定プーリー241の一面が第2摩擦板294を押圧する押圧力が徐々に増大していく。この結果、第2摩擦板294の回転が上下ワイヤー固定プーリー241に伝達されて、該プーリー241の回転角度が変化する。すると、上用湾曲ワイヤー211は、さらに牽引されて湾曲部202bが最大の湾曲状態に近づいていく。
なお、上述した押圧力が増大しているとき、上下ノブ205UD、カムシャフトギア233、及び上下カムシャフト231は、移動することなく停止状態で押圧力だけが増大する。
本実施形態において、上下ノブ205UDを回転操作する際の回転操作力量は、第1段階である該ノブ205UDの回転によってカムシャフトギア233及び上下カムシャフト231が回転している段階と、第2段階である該ノブ205UDの回転によって上下カムシャフト231が移動している段階と、第3段階である該ノブ205UDの回転によって上下ワイヤー固定プーリー241が第2摩擦板294を押圧している段階と、でそれぞれ異なる。具体的に、回転操作力量は、第1段階から第2段階、第2段階から第3段階に行くにしたがって段階的に増加する。加えて、第3段階において回転操作力量は、湾曲部202bの湾曲開始から湾曲部202bが最大湾曲状態に回転角度変化するにつれて僅かずつ増加する。
そして、本実施形態において、上下ノブ205UDの最大操作力量、即ち、湾曲部202bを最大に湾曲させる際の操作力量は、予め定めた値に設定してある。その値は、上下ノブ205UDの操作によって直接、上用湾曲ワイヤー211を牽引操作した場合の操作力量に比べて小さな力量である。
最大操作力量は、突起237の形状と上下カム溝203HC1との関係、即ち、カム角度、カムピッチ等を適宜設定することによって、所望する値に設定することが可能である。
なお、操作者が湾曲部202bを下方向に湾曲させる操作の場合、図29に示すように上下ノブ205UDを矢印29Y2方向へ回転させる操作を行う。このとき、図31Bにおいて、上下ノブ205UDは、矢印31Y2方向へ回転し、その回転に伴って上述したようにカムシャフトギア233が逆方向である矢印31Y1方向に回転される。この結果、上下カムシャフト231が上下カムシャフト配置孔203H1に対して矢印31Y4方向に移動する。上下カムシャフト231が矢印31Y4方向へ移動することによって、上下伝達穴231hの底面、上下突起244に徐々に近接し、その後、当接する。当接後においても、上下ノブ205UDが引き続き矢印31Y2方向へ回転されることによって、上下カムシャフト231がさらに矢印31Y4方向へ移動される。そして、この移動に伴って上下プーリー部240が上下カムシャフト231とともにさらに矢印31Y4方向に移動して、上下ワイヤー固定プーリー241の他面が第1摩擦板293に当接する。
上下ワイヤー固定プーリー241の他面が第1摩擦板293に当接して、予め定めた押圧力の当接状態に変化することによって、第1摩擦板293の回転が上下ワイヤー固定プーリー241に伝達される。この結果、上下ワイヤー固定プーリー241が矢印31Y1(図29では矢印29Y1)方向に回転を開始する。すると、上下ワイヤー固定プーリー241に固定されている下用湾曲ワイヤー212が牽引される一方、上用湾曲ワイヤー211が弛緩されて湾曲部202bの下方向への湾曲が開始される。
この後、操作者は、上下ノブ205UDを矢印31Y2方向へ回転させる力を付与し続けることにより、上下ワイヤー固定プーリー241の他面が第1摩擦板293を押圧する押圧力が徐々に増大していく。この結果、第1摩擦板293の回転が該プーリー241に伝達されて回転する。すると、下用湾曲ワイヤー212は、さらに牽引されて湾曲部202bが最大の湾曲状態に近づいていく。このとき、上述したように上下ノブ205UD、カムシャフトギア233、及び上下カムシャフト231は、停止状態である。
また、操作者が湾曲部202bを左方向に湾曲させる操作の場合、図29に示す左右ノブ205LRを矢印29Y1方向へ回転させる操作を行う。このとき、図31Cにおいて、左右ノブ205LRは、矢印31Y1方向へ回転し、その回転に伴って左右カムシャフト232が左右カムシャフト配置孔203H2に対して矢印31Y4方向に移動する。左右カムシャフト232が矢印31Y4方向へ移動ることによって、左右伝達穴232hの底面が左右突起254に徐々に近接し、その後、当接する。当接後においても、左右ノブ205LRが引き続き矢印31Y1方向へ回転されることによって、左右カムシャフト232がさらに矢印31Y4方向へ移動される。そして、この移動に伴って左右プーリー部250が左右カムシャフト232とともにさらに矢印31Y4方向に移動して、左右ワイヤー固定プーリー251の他面が第1摩擦板293に当接する。
左右ワイヤー固定プーリー251の他面が第1摩擦板293に当接して、予め定めた押圧力の当接状態に変化することによって、第1摩擦板293の回転が左右ワイヤー固定プーリー251に伝達される。この結果、左右ワイヤー固定プーリー251が矢印31Y2(図29では矢印29Y2)方向に回転を開始する。すると、左右ワイヤー固定プーリー251に固定されている左用湾曲ワイヤー213が牽引される一方、右用湾曲ワイヤー214が弛緩されて湾曲部202bの左方向への湾曲が開始される。
この後、操作者は、左右ノブ205LRを矢印11Y1方向へ回転させる力を付与し続ける。このとき、上述したように左右ノブ205LR及び左右カムシャフト32は、移動することはないが、左右ワイヤー固定プーリー51の他面が第1摩擦板93を押圧する押圧力が徐々に増大していく。この結果、第1摩擦板93の回転が該プーリー51に伝達されて該プーリー51の回転角度が変化する。すると、左用湾曲ワイヤー13は、さらに牽引されて湾曲部202bが最大の湾曲状態に近づいていく。
さらに、操作者が湾曲部202bを右方向に湾曲させる操作の場合、図29に示す左右ノブ205LRを矢印9Y2方向へ回転させる操作を行う。このとき、図31Dにおいて、左右ノブ205LRは、矢印31Y2方向へ回転し、その回転に伴って左右カムシャフト232が左右カムシャフト配置孔203H2に対して矢印31Y3方向に移動する。、左右カムシャ
フト232が矢印31Y3方向へ移動することによって、蓋部材232Cは、左右突起254に徐々に近接し、その後、当接する。当接後においても、左右ノブ205LRが引き続き矢印31Y2方向へ回転されることによって、左右カムシャフト232がさらに矢印31Y3方向へ移動される。そして、この移動に伴って左右プーリー部250が左右カムシャフト232とともにさらに矢印31Y3方向に移動して、左右ワイヤー固定プーリー251の一面が第2摩擦板294に当接する。
左右ワイヤー固定プーリー251の一面が第2摩擦板294に当接して、予め定めた押圧力の当接状態に変化することによって、第2摩擦板294の回転が左右ワイヤー固定プーリー251に伝達される。この結果、左右ワイヤー固定プーリー251が矢印31Y1(図29では矢印29Y1)方向に回転を開始する。すると、左右ワイヤー固定プーリー251に固定されている右用湾曲ワイヤー214が牽引される一方、左用湾曲ワイヤー213が弛緩されて湾曲部202bの右方向への湾曲が開始される。
この後、操作者は、左右ノブ205LRを矢印31Y2方向へ回転させる力を付与し続ける。このとき、上述したように左右ノブ205LR及び左右カムシャフト232は、移動することはないが、左右ワイヤー固定プーリー251の一面が第2摩擦板294を押圧する押圧力が徐々に増大していく。この結果、第2摩擦板294の回転が該プーリー251に伝達されて回転角度が変化して、右用湾曲ワイヤー214は、さらに牽引されて湾曲部202bが最大の湾曲状態に近づいていく。
上述において、操作者が湾曲部202bを下方向、左方向、右方向に湾曲させる湾曲操作をした場合、回転操作力量は、回転されるしたがって段階的に増大する。そして、湾曲ワイヤー212、213、214の牽引が開始された後は、湾曲部202bの湾曲角度が大きくなるにしたがって回転操作力量が徐々に増大する。
ここで、上述のように構成した内視鏡201Aの湾曲部202bの湾曲操作について説明する。
操作者は、挿入部202を例えば口腔から体内に挿入するにあたって、操作部203内のモーター210Bを駆動させて、従動ギア291、292及び摩擦板293、294を回転状態にする。このとき、上下ワイヤー固定プーリー241と第1摩擦板293との間、及び上下ワイヤー固定プーリー241と第2摩擦板294との間、及び左右ワイヤー固定プーリー251と第1摩擦板293との間、及び左右ワイヤー固定プーリー251と第2摩擦板294との間にはそれぞれ隙間が設けられ、湾曲部202bは直線状態である。
操作者は、図示しない観察装置の画面に表示されている内視鏡画像を観察しつつ、挿入部202の体内への挿入を開始する。
まず、操作者は、例えば湾曲部202bを上方向に湾曲操作するため、図29に示すように上下ノブ205UDを矢印29Y1方向に回転操作する。すると、上下ノブ205UDの回転に伴って上述したようにその回転が伝達されて、上下ワイヤー固定プーリー241が徐々に第2摩擦板294に近接していく。このとき、上下ノブ205UDの回転量が増加する一方、回転操作力量は段階的に増加していく。
そして、上下ワイヤー固定プーリー241が第2摩擦板294に当接することによって、第2摩擦板294の回転が該プーリー241に伝達される。この結果、上下ワイヤー固定プーリー241の回転角度変化が開始する。
上下ワイヤー固定プーリー241の回転角度変化が開始すると、該定プーリー241に固定されている上用湾曲ワイヤー211が該プーリー241の回転角度変化に伴って牽引されていく。この結果、湾曲部202bの上方向への湾曲が開始される。この後、さらに、上下ノブ205UDが連続的に回転操作されることによって、上下ワイヤー固定プーリー241の第2摩擦板294に対する押圧力が徐々に増大して該プーリー241の回転角度は増加していく。この結果、上用湾曲ワイヤー211がさらに牽引されて湾曲部202bの湾曲角度が増大していく。
なお、このとき、上下ノブ205UDを操作する回転操作作力量も徐々に増大する。
操作者が、上下ノブ205UDの回転操作を継続することにより、上下ワイヤー固定プーリー241の回転角度はさらに増大し、上用湾曲ワイヤー211がさらに牽引される。この結果、湾曲部202bは、最大の湾曲状態に向かって湾曲されていく。
一方、操作者が、上下ノブ205UDの回転操作中において、上下ノブ205UDの回転操作状態を保持すると、第2摩擦板294が滑り状態になって上下ワイヤー固定プーリー241の回転角度が保持される。つまり、湾曲部202bの湾曲角度は、湾曲された状態に保持される。
本実施形態において、上下ノブ205UDの回転操作中に、例えば先端部202aが管腔の壁等に当接した場合、壁によって湾曲部202bの湾曲動作が阻止される。このとき、上用湾曲ワイヤー211の牽引が不能になる場合がある。この場合、内視鏡201Aを操作する操作者は、湾曲部202bを湾曲させる傾倒操作中において、湾曲角度が大きくなるにつれて操作子205に掛かる操作力量が増大していることを手応えとして感じている。
そのため、操作者は、傾倒操作中において、操作子205の傾倒操作力量が増大しているにも関わらず、表示装置の画面に表示される内視鏡画像に変化が生じていない場合、挿入部202の先端部202aが管腔の壁等に当接した等、湾曲部の不具合の察知を行える。
このように、本実施形態の内視鏡201Aによれば、操作部203に設けられているノブ205UD、205LRを時計廻り、或いは反時計回りに回転する操作を行う。すると、その操作に対応する湾曲ワイヤー211、212、213、214を直接牽引操作することなく、回転操作に対応するプーリー部240、250のワイヤー固定プーリー241、242が摩擦板293、294方向に移動する。そして、ワイヤー固定プーリー241、242が摩擦板293、294に当接する。すると、摩擦板293、294の回転がプーリー241、242に伝達されて、該プーリー241、242が所定の角度、回転移動する。この結果、回転操作に対応する湾曲ワイヤー211、212、213、214が牽引されて、湾曲部202bが湾曲していく。
この構成において、ノブ205UD、205LRの回転操作力量は、予め、ノブ205UD、205LRの操作によって直接、湾曲ワイヤー211、212、213、214を牽引操作する力量よりも小さく設定してある。このため、操作部203に設けたノブ205UD、205LRを回転操作して湾曲部202bを容易に湾曲動作させることができる。
また、ノブ205UD、205LRの回転操作力量を上述したように予め、ノブ205UD、205LRの操作によって直接、湾曲ワイヤー211、212、213、214を牽引操作する力量よりも小さく設定し、且つ、湾曲部202bの湾曲角度を大きくする回転操作を行うにしたがって回転操作力量が増大する構成にしている。したがって、操作者は、湾曲部202bを湾曲動作させる傾倒操作中において、湾曲ワイヤー211、212、213、214に掛かる応力変化を表示装置に表示される内視鏡画像及び傾倒操作力量の変化から感知して、湾曲部202bの湾曲動作の異常による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
なお、ノブ205UD、205LRを回転操作して湾曲された湾曲部202bの湾曲状態は、回転されたノブ205UD、205LRを逆方向に回転操作することによって徐々に小さくなるように変化する。そして、ノブ205UD、205LRを元の状態に戻ったとき、湾曲部202bは、元の直線状態に復帰する。
また、上述した内視鏡201Aにおいては、湾曲部202bを上下左右の四方向に湾曲させるため操作部本体203bの外周面に上下ノブ205UDと左右ノブ205LRとを配置する構成としている。しかし、湾曲部202bが上下の2方向に湾曲する構成の場合、図32に示すように上述した左右ノブ205LRを操作部203の外周面に設け、これを上下ノブとする。
本実施形態において、操作部203内には、左右ノブ205LRに一体な左右軸部205LRaと、左右カムシャフト232と、左右プーリー部250と、駆動力伝達部209Aと、モーター210Bと、湾曲ワイヤー211、212(図示省略)とを設ける。この構成によれば、左右ノブ205LRの回動操作によって湾曲部202bを上下の二方向に上述と同様に湾曲動作させることができる。
また、湾曲部202bを例えば上方向にだけ湾曲させる構成においては、図33−図36Bに示すように内視鏡201Bを構成する。
図33−図36Bを参照して本付記の変形例である内視鏡201Bの構成を説明する。
図33は内視鏡の構成を説明する側面図であって、操作部に操作ダイヤルを備え、操作部内に上用湾曲ワイヤーが固定されたプーリー、摩擦板及びプーリー移動体を備える内視鏡を説明する図、図34は図33の内視鏡の操作部を矢印34Y方向から見たときの図であって、上用湾曲ワイヤーが固定されたプーリー、摩擦板、プーリー移動体、操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図、図35Aはカム受け面を有するプーリー移動体を説明する図、図35Bはプーリー移動体のカム受け面を説明するカム線図、図36Aは湾曲部が直線状態におけるプーリー、摩擦板、プーリー移動体、及び操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図、図36Bは湾曲部が最大湾曲状態におけるプーリー、摩擦板、プーリー移動体、及び操作ダイヤルの軸部との関係を説明する図である。
以下の説明において、上述した実施形態と同部材には同符号を付して説明を省略する。
図33、図34に示すように本実施形態の内視鏡201Bは、操作部203の外周面には操作ダイヤルである上湾曲ノブ(以下、上ノブと略記する)205Uが配置されている。一方、操作部203内には、上ノブ205Uに一体な軸部205Uaと、プーリー移動体261と、上プーリー262と、摩擦板263と、モーター210Cと、上用湾曲ワイヤー211とが主に設けられている。
本実施形態において、上用湾曲ワイヤー211の一端は、湾曲部202bの先端側の予め定めた位置に固定されている。一方、上用湾曲ワイヤー211の他端は、上プーリー262の予め定めた位置に固定されている。上湾曲ワイヤー211は、操作部203内に導入された後、ガイドローラー298によって走行経路を変更されて、予め定めた張力で張られている。
また、摩擦板263は、モーター210Cのモーター軸210aに固定されている。摩擦板263は、モーター210Cによって図33に示すように時計周りに回転する。図34の符号263aは、プーリー保持軸であり、上プーリー262が摺動自在に配置される。本実施形態において、モーター210C及びモーター210Cによって直接回転される摩擦板263は、駆動部である。
図34及び図35Aに示すようにプーリー移動体261は、予め定めた厚み寸法の円板であって、受け本体261aと、例えば一対の突起261b、貫通孔261hを備えている。受け本体261aの一面にはカム受け面261cを備えている。カム受け面261cは、図35Bに示すカム曲線を有して構成されている。貫通孔261hは、逃がし孔であり、プーリー保持軸263aが収容配置される。一対の突起261bは、回り止めであり、受け本体261aの外周面から予め定めた量突出している。
なお、受け本体261aの他面は、プーリー押圧面であり、平面から突出する例えば2つの凸部を有している。2つの凸部は、平面上で円周方向に対して等間隔で配置され、凸部の先端部は半球状である。この構成によれば、上プーリー62は、凸部によって回動可能に保持される。
軸部205Uaの先端面は、プーリー移動体261のカム受け面261cに対応するカム面205Ucとして構成されている。
図34に示すように軸部205Ua及びプーリー移動体261の受け本体261aは、パイプ形状のフレーム264内に配置される。フレーム264は、操作部203内に固設されている。軸部205Ua及び受け本体261aは、フレーム264内において回動自在である。突起261bは、長孔264h内に摺動自在に配置される。長孔264hは、フレーム264に形成されている。長孔264hの軸は、フレーム264の中心軸に平行である。
湾曲部202bが直線状態のとき、図36Aに示すように摩擦板263と上プーリー262との間に隙間d1が形成される。プーリー移動体261、上プーリー262とプーリー移動体261との間に隙間d2が形成されるように、フレーム264内に配置される。
なお、符号265は、バネである。バネ265は、プーリー移動体261を上ノブ205U方向に付勢して、プーリー移動体261をフレーム264内の予め定めた位置に配置させる。符号266は、係止ピンである。軸部205Uaは、係止ピン266の先端部が軸部205Uaの周溝205Ug内に配置されることによって、フレーム264内でフレーム軸方向に移動することなく回動するように保持されている。
上述した構成によれば、上ノブ205Uを図33の矢印Y33方向に回転すると、図36Aにおいて軸部205Uaは、同方向である矢印36Y1方向に回転する。すると、軸部205Uaの回転に伴ってカム面205Ucのカム受け面261cに対する位置が変化する。即ち、カム面205Ucがカム受け面261c上を回転移動する。この結果、プーリー移動体261は、バネ265の付勢力に抗して矢印36Y2方向に向かって移動されて、プーリー押圧面が上プーリー262に当接する。
そして、操作者が、上ノブ205Uの回転操作を継続することにより、プーリー移動体261及び上プーリー262が一体で矢印36Y2方向に移動されて、上プーリー62が摩擦板263に当接する。上プーリー262が摩擦板263に当接することによって、摩擦板263の回転が上プーリー262に伝達される。
この結果、上プーリー262は、回転角度変化を開始する。そして、上プーリー262に固定されている上用湾曲ワイヤー211が上プーリー262の回転角度変化に伴って牽引され、湾曲部202bの上方向への湾曲が開始される。
この後、操作者が、さらに、上ノブ205Uが連続的に回転操作されることによって、上プーリー262の摩擦板63に対する押圧力が徐々に増大される。すると、上プーリー262の回転角度がさらに増加していく。そして、操作者によって上ノブ205Uが予め定めた最大回転量に到達することにより、図36Bに示すように上プーリー262が最大の回転角度に到達する。このとき、上用湾曲ワイヤー211が最大牽引状態になって、湾曲部202bが図33の破線に示すように最大の湾曲状態になる。
このように、本実施形態の内視鏡201Bによれば、操作部203に設けられている上ノブ205Uを予め定めた方向に回転する操作を行う。すると、その操作に対応する上用湾曲ワイヤー211を直接牽引操作することなく、プーリー移動体261を移動され、その後、プーリー移動体261と上プーリー262とが一体で摩擦板263に向かって移動する。そして、上プーリー262と摩擦板263とが当接する。すると、摩擦板263の回転が上プーリー262に伝達されて、上プーリー262が所定の角度、回転移動する。この結果、上用湾曲ワイヤー211が牽引されて、湾曲部202bが上方向に湾曲していく。
この構成において、上ノブ205Uの回転操作力量は、予め、上ノブ205Uの操作によって直接、上用湾曲ワイヤー211を牽引操作する力量よりも小さく設定してある。このため、操作部203に設けた上ノブ205Uを回転操作して湾曲部202bを容易に湾曲動作させることができる。
また、上ノブ205Uの回転操作力量を上述したように予め、上ノブ205Uの操作によって直接、上用湾曲ワイヤー211を牽引操作する力量よりも小さく設定し、且つ、湾曲部202bの湾曲角度を大きくする回転操作を行うにしたがって回転操作力量が増大する構成にしている。したがって、操作者は、湾曲部202bを湾曲動作させる回転操作中において、上用湾曲ワイヤー211に掛かる応力変化を表示装置に表示される内視鏡画像及び回転操作力量の変化から感知して、湾曲部202bの湾曲動作の異常による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
以上詳述した本付記の第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
(5)操作部から延出する挿入部の先端側に設けられた湾曲自在な湾曲部と、
前記湾曲部の先端側の予め定めた位置に一端が固定され、牽引によってその一端を基端方向に移動させることによって該湾曲部を湾曲させる湾曲方向に対応して設けられる牽引部材と、
前記牽引部材の他端が予め定めた位置に固定される回転体と、
前記操作部に設けられ、前記湾曲部を湾曲動作させる際に操作される湾曲操作装置と、 前記牽引部材を移動させる駆動力を発生する駆動部と、
前記湾曲操作装置の操作に対応する前記回転体に対して前記駆動力を伝達して前記回転体を回転させる駆動力伝達状態を得る駆動力伝達部と、
を有する挿入装置。
(6)前記湾曲操作装置は、前記湾曲部を湾曲動作させる際に傾倒操作される棒状の操作子、及び前記操作部に設けられフレームに回動自在に配設されたユニバーサルジョイントを介して前記操作子に一体に固定される前記回転体を押圧して移動させる押圧部を有する前記湾曲部の湾曲方向に対応する枠を備えた吊り枠を備えて構成され、
前記駆動部は、モーター、該モーターのモーター軸に固定された駆動ギア、及び前記駆動ギアによって前記牽引部材を牽引する方向に回転される前記湾曲部の湾曲方向に対応して設けられた複数の従動ギアを備えて構成され、
前記駆動力伝達部は、前記従動ギアと前記回転体との間に配置されて該従動ギアの回転を該回転体に伝達する伝達力調整部である付記5に記載の挿入装置。
(7)前記伝達力調整部は、皿バネである付記6に記載の挿入装置。
(8)前記操作部内に前記湾曲部の湾曲方向に対応する軸を設け、該軸に、該湾曲部の湾曲方向に対応して設けられた前記従動ギア及び前記回転体と、該従動ギアと該回転体との間に配置される前記皿バネとを配設した付記6又は7に記載の挿入装置。
(9)前記湾曲操作装置は、前記湾曲部を湾曲動作させる際に時計周り又は反時計周りに回転操作される操作ダイヤルに同軸で一体固定されて該操作ダイヤルと一体に回転する軸部、及び該軸部の回転によって前記操作ダイヤルの軸方向に進退される指示部材を備えて構成され、
前記駆動部は、モーター、該モーターによって、直接、或いは間接的に回転される摩擦板とを備えて構成される付記5に記載の挿入装置。
(10)前記湾曲部の湾曲方向が対向する二方向である構成において、
前記駆動部は、モーター、該モーターのモーター軸に固定された駆動ギア、前記駆動ギアによって回転される第1摩擦板、及び前記駆動ギアによって回転される従動ギアを介して前記第1摩擦板とは逆方向に回転される第2摩擦板を備えて構成され、
前記回転体は、一面側から突出する第1軸及び他面側から突出する第2軸を備えて構成され、
前記駆動力伝達部は、前記第1軸の端部に設けられた突起部と、前記指示部材に設けられ前記突起部が収容される穴と、前記穴部を塞ぎ前記第1軸が挿通する開口を有して前記突起部に当接する蓋部材とを備えて構成される付記9に記載の挿入装置。
(11)前記湾曲部の湾曲方向が四方向である内視鏡は、前記操作ダイヤル、前記指示部材、及び前記回転体をさらに1つずつ多く備え、一方の操作ダイヤルの軸と他方の操作ダイヤルの軸とを同軸で配置する一方、2つの指示部材のうち一方、及び2つの回転体のうちの一方を2つの操作ダイヤルの軸と同軸上に配置し、2つの指示部材のうちの他方及び2つの回転体のうち他方を前記2つの操作ダイヤルの軸とは異なる軸上に配置する構成において、
前記内視鏡は、さらに、前記2つ操作ダイヤルのうち外側に配置された軸の回転を、前記2つの操作ダイヤルの軸とは異なる軸上に配置された指示部材に伝達する伝達機構部を備える付記10に記載の挿入装置。
(12)前記湾曲部の湾曲方向が一方向である構成において、
前記駆動部は、モーター、該モーターのモーター軸に固定された摩擦板とを備えて構成され、
前記湾曲操作装置は、前記操作ダイヤルと一体に回転する軸部、及び該軸部の回転によって前記操作ダイヤルの軸方向に進退されて前記回転体を移動させる動力伝達部を兼用する受け部材を備えて構成される付記9に記載の内視鏡。
(13)操作部から延出する挿入部の先端側に設けられた湾曲自在な湾曲部と、
前記湾曲部の先端側の予め定めた位置に一端が固定され、牽引によってその一端を基端方向に移動させることによって該湾曲部を湾曲させる湾曲方向に対応して設けられる牽引部材と、
前記牽引部材の他端が予め定めた位置に固定される回転体と、
前記操作部に設けられ、前記湾曲部を湾曲動作させる際に操作される湾曲操作装置と、 前記牽引部材を移動させる駆動力を発生する駆動部と、
前記湾曲操作装置の操作に対応する前記回転体に対して前記駆動力を伝達して前記回転体を回転させる駆動力伝達状態を得る駆動力伝達部と、
を有する挿入装置器。
図38−図41を参照して本付記の第3の実施形態を説明する。
図38、図39に示すように操作部303内には、操作子305の軸部305aと、駆動力伝達部310と、牽引部材である湾曲ワイヤー311、312、313、314と、プーリー320とが主に設けられている。
プーリー320は、駆動部であって回転体である。プーリー320は、操作部303内に配設されて、図中の矢印Ycに示すように時計周り方向に回転される。プーリー320のプーリー軸321は、操作子305の軸部305aの略直下であって、操作部303の長手軸に対して直交する位置関係で横向きに配置されている。プーリー320の外周面322は、牽引部材移動面である。プーリー320は、外周面322に接触された湾曲ワイヤー311、312、313、314にプーリー320の回転駆動力を伝達する。
図38に示すように操作子305が例えば直立状態のとき、プーリー320のプーリー軸321は、軸部305aの中心軸延長線近傍に配置されている。
図38、図39に示したプーリー320は、駆動装置であるモーター(不図示)によって回転される。本実施形態において、モーターのモーター軸は、操作部303の長手軸に対して平行に配置される。モーター軸にはモーター側笠歯車(不図示)が設けられ、プーリー軸321にはモーター側笠歯車と噛合するプーリー側笠歯車(不図示)が設けられている。
そして、プーリー320は、モーター軸の回転が、モーター側笠歯車からプーリー側笠歯車に伝達されて、時計周りの回転状態になる。
湾曲ワイヤー311、312、313、314は、湾曲部302bの四つの湾曲方向に対応するワイヤーであって、上用湾曲ワイヤー311、下用湾曲ワイヤー312、左用湾曲ワイヤー313、及び右用湾曲ワイヤー314である。
各湾曲ワイヤー311、312、313、314の一端は、湾曲部302bの先端側の予め定めた位置に固定されている。一方、各湾曲ワイヤー311、312、313、314の他端は、コイルバネ315の一端側に固定されている。コイルバネ315は、弛み取り機構であり、予め定めたバネ定数を備えている。コイルバネ315は、各湾曲ワイヤー311、312、313、314に対応して1つずつ設けられている。各湾曲ワイヤー311、312、313、314に対応するコイルバネ315の他端は、操作部303内に設けられた隔壁303cに一列に配列して固定されている。
各湾曲ワイヤー311、312、313、314は、操作部303内に導入された後、例えば複数のガイドローラー319によって走行経路を変更され、プーリー320の操作子305側の外周面322近傍をプーリー軸321に対して直交する位置関係で通過している。各湾曲ワイヤー311、312、313、314は、湾曲部302bが直線状態において、予め定めた張力で張られ、外周面322に近接、或いは当接している。
湾曲部302bが直線状態において、各コイルバネ315は、弾性範囲内において伸長状態である。そして、湾曲部302bが図38の破線に示すように上方向に湾曲された状態のとき、上用湾曲ワイヤー311が固定されているコイルバネ315は、元の伸長状態に対して弾性範囲内で収縮する。これに対して、上用湾曲ワイヤー311に対向する下用湾曲ワイヤー312が固定されているコイルバネ315は元の伸長状態に対して弾性範囲内でさらに伸長する。一方、左用湾曲ワイヤー313が固定されているコイルバネ315及び右用湾曲ワイヤー314が固定されているコイルバネ315は、元の伸長状態と略同じ状態である。
駆動力伝達部310は、吊り枠307と、押圧板308と、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rとを備えて構成されている。
図39に示すように吊り枠307は、4つの枠307U、307D、307L、307Rを備え、略十字形状に構成されている。4つの枠307U、307D、307L、307Rは、湾曲部302bの上下左右の湾曲方向にそれぞれ対応している。吊り枠307には、中心軸部である枠軸307aが立設している。操作子305の軸部305aと吊り枠307の枠軸307aとはユニバーサルジョイント316を介して同軸に取付け固定されている。
ユニバーサルジョイント316は、操作部303内に設けられた図示しないフレームに回動自在に配設されている。このように構成された吊り枠307は、操作子305の傾倒操作に伴って揺動する。
上用枠307Uと下用枠307Dとは枠軸307aを挟んで一直線上に配置されている。上用枠307Uの端部には上用操作入力伝達ワイヤー取付部7Uaが設けられている。下用枠307Dの端部には下用操作入力伝達ワイヤー取付部7Daが設けられている。一方、左用枠307Lと右用枠307Rとは上下用枠中心線307cに直交するとともに、枠軸307aを挟んで一直線上に配置されている。左用枠307Lの端部には左用操作入力伝達ワイヤー取付部307Laが設けられている。右用枠307Rの端部には右用操作入力伝達ワイヤー取付部307Raが設けられている。
押圧板308は、各湾曲ワイヤー311、312、313、314をプーリー320の外周面322に押しつける部材である。押圧板308は、4つの湾曲ワイヤー311、312、313、314に対応して1つずつ設けられている。4つの押圧板308は、操作部303内に設けられた図示しないフレームに固定された押圧板用軸317に回動自在に配設される。押圧板用軸317は、プーリー軸321に対して平行に配置されている。
押圧板308は、例えば金属製の板部材である。押圧板308は、軸孔308aと、連結部308bと、接触面308cとを有している。軸孔308aは、連結部308bと接触面308cとの間の予め定めた位置に形成されている。軸孔308aは、押圧板用軸317が挿通される貫通孔である。
各連結部308bには操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rの一端である先端がそれぞれ固設される。上用操作入力伝達ワイヤー309Uの他端である基端は、上用操作入力伝達ワイヤー取付部307Uaに取り付けられている。同様に、下用操作入力伝達ワイヤー309Dの他端部は、下用操作入力伝達ワイヤー取付部307Daに取り付けられ、左用操作入力伝達ワイヤー309Lの他端部は左用操作入力伝達ワイヤー取付部307Laに取り付けられ、右用操作入力伝達ワイヤー309Rの他端部は右用操作入力伝達ワイヤー取付部307Raに取り付けられている。
接触面308cは、外周面322近傍を通過している各湾曲ワイヤー311、312、313、314を挟んで外周面322に対向するように配置されている。
これらの構成によれば、例えば、操作者が操作子305を傾倒操作することによって吊り枠307が揺動される。例えば、操作者が操作子305を矢印Yu方向に傾倒操作した場合、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rのうち揺動方向に対応する上用操作入力伝達ワイヤー309Uが牽引される。
上用操作入力伝達ワイヤー309Uが牽引されると、該ワイヤー309Uの先端が固定された押圧板308が押圧板用軸317を中心に回転される。押圧板308の回転に伴って接触面308cが上用湾曲ワイヤー311に接触する。その後、操作子305の傾倒角度が増大されるにしたがって、接触面308cは、上用湾曲ワイヤー311を外周面322に押し付けていく。
上用湾曲ワイヤー311が接触面308cによってプーリー320の外周面322に押圧されると、外周面322と上用湾曲ワイヤー311との間に摩擦抵抗が発生する。プーリー320の回転駆動力は、摩擦抵抗の発生に伴い、外周面322を介して上用湾曲ワイヤー311に伝達される。
この結果、上用湾曲ワイヤー311は、摩擦抵抗の大きさに対応してプーリー320の回転方向に移動されていく。つまり、プーリー320の外周面322から上用湾曲ワイヤー311に伝達される回転駆動力によって、上用湾曲ワイヤー311による牽引が開始されて、湾曲部302bが湾曲動作する。
湾曲部302bは、操作子305の傾倒角度が大きくなるにしたがって、接触面308cが上用湾曲ワイヤー311を外周面322に押し付ける押圧力が増大されて、さらに湾曲していく。そして、操作子305の傾倒角度が予め定めた角度に到達すると、操作子305の傾倒操作が停止された状態になる。このとき、操作者が、操作子305に掛ける操作力量を増大させ続けると、接触面308cによる上用湾曲ワイヤー311を外周面322に押し付ける押圧力が増大されていく。この結果、上用湾曲ワイヤー311は、外周面322から伝達される回転駆動力によってさらに牽引され、湾曲部302bは上方向に対して最大の湾曲角度の湾曲状態に至る。
本実施形態において、操作子305を傾倒操作する際の操作力量は、接触面308cによって湾曲ワイヤー311、312、313、314が外周面322に接触された後、湾曲部302bの湾曲角度が大きくなるにしたがって増加する。言い換えれば、接触面308cよる湾曲ワイヤー311、312、313、314を外周面322に押し付ける押圧量は、操作子305の操作力量の増加に伴って増加する。
そして、本実施形態において、操作子305の最大操作力量、即ち、湾曲部302bを最大に湾曲させる際の傾倒操作力量は、予め定めた値に設定されている。その値は、操作子305の傾倒操作によって、湾曲ワイヤー311、312、313、314を直接、牽引操作した場合の操作力量に比べて小さな力量である。
なお、傾倒操作力量は、各枠307U、307D、307L、307Rの長さ、押圧板308の長さ及び軸孔308aの位置、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rの剛性を適宜設定することによって、所望する値に設定することが可能である。
また、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309R、吊り枠307、及び押圧板308は、予め定めた剛性を有している。この結果、操作子305は、上述したように予め定めた傾倒角度に到達したとき、それ以上倒れることなく停止される。
また、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rは、予め定めた張力で張られている。この結果、操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rは、操作子305を傾倒操作したとき、その傾倒方向に対応する操作入力伝達ワイヤーが瞬時に牽引される。そして、各操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rは、吊り枠307のワイヤー取付部307Ua、307Da、307La、307Raとそれぞれの押圧板308の連結部308bとに直接、或いは、図示しないガイドローラーによって走行経路を変化されて、互いに連結されている。
符号318は、仕切り板である。仕切り板318は、隣り合って配列されているコイルバネ315同士が接触すること、及びコイルバネ315に接続された湾曲ワイヤー311、312、313、314同士が接触すること、を防止するように設けられる。図示は省略するが、各押圧板308の間に押圧板308同士が接触することを防止する仕切り部材を設ける構成、或いは、仕切り板318に押圧板仕切り部を設ける構成であってもよい。
ここで、上述のように構成した内視鏡301の湾曲部302bの湾曲操作について説明する。
操作者は、挿入部302を例えば口腔から体内に挿入するにあたって、操作部303内のモーターを駆動させてプーリー320を回転状態にする。操作者は、図示しない観察装置の画面に表示されている内視鏡画像を観察しつつ、挿入部302の体内への挿入を開始する。
次に、操作者は、例えば湾曲部302bを上方向に湾曲操作するため、図40に示すように操作子305を矢印40Y1方向に傾倒操作する。すると、操作子305及び吊り枠307が一体で同方向に移動する。
この結果、吊り枠307の下用操作入力伝達ワイヤー取付部307Daがプーリー320方向に向かって移動する。一方、上用操作入力伝達ワイヤー取付部307Uaがプーリー320から離間する方向に移動する。すると、予め定めた張力で張られていた操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rのうち、傾倒操作に対応する上用操作入力伝達ワイヤー309Uは、徐々に牽引され、下用操作入力伝達ワイヤー309Dは徐々に弛緩されていく。
上用操作入力伝達ワイヤー309Uの牽引に伴って、上述したように押圧板308が軸孔308aを中心に矢印40Y2方向に回転され、接触面308cが上用湾曲ワイヤー311に接触する。この後、さらに、操作子305の傾倒操作されることによって、押圧板308は、上用操作入力伝達ワイヤー309Uの牽引によって同方向にさらに回転される。この結果、接触面308cは、上用湾曲ワイヤー311を回転しているプーリー320の外周面322に押圧する。このときの押圧力量は、操作子305を傾倒操作する操作力量に対応する。
上用湾曲ワイヤー311がプーリー320の外周面322に接触すると、外周面322と上用湾曲ワイヤー311との間に摩擦が発生する。上用湾曲ワイヤー311は、発生する摩擦抵抗によってプーリー320の回転方向に移動され、湾曲部302bが上方向に湾曲されていく。このとき、上用湾曲ワイヤー311の移動量は、接触面308cとの間に発生する摩擦抵抗に比例する、言い換えれば、外周面322に対する押圧力に比例する。
そして、操作者が、操作子305をさらに40Y1方向へ傾倒操作することにより、接触面308cから上用湾曲ワイヤー311にかかる押圧力が増大されて上用湾曲ワイヤー311がさらに牽引され、湾曲部302bがさらに上方向に湾曲する。一方、操作者が、操作子305の傾倒操作位置を保持することによって、湾曲部302bは、その湾曲角度の湾曲状態に保持される。
また、操作子305の40Y1方向への傾倒操作継続中において、先端部302aが管腔の壁に当接した場合、該壁によって湾曲部302bの湾曲動作を阻止される。このとき、例えば、上用湾曲ワイヤー311の牽引が不能になる場合がある。本実施形態の内視鏡301において、操作子305に掛かる操作力量は、湾曲部302bの湾曲角度を大きくする傾倒操作中において、湾曲角度が大きくなるにつれて増大する。
したがって、術者は、操作子操作中において、操作子305を操作する操作力量が増大しているにも関わらず、表示装置の画面に表示される内視鏡画像に変化が生じていないことから、挿入部302の先端部2aが管腔の壁等に当接した等、湾曲部の不具合の察知を行える。
このように、本実施形態の内視鏡301によれば、操作部303に設けられている操作子305を傾倒操作することによって、湾曲ワイヤー311、312、313、314を直接牽引操作することなく、駆動力伝達部310を揺動させる。駆動力伝達部310が揺動されると、押圧板用軸317を中心に押圧板308が回転してプーリー320の外周面322に操作子305の傾倒指示に対応する湾曲ワイヤー311、312、313、314を押圧する。この結果、押圧された湾曲ワイヤー311、312、313、314は、このとき発生する摩擦抵抗によって、プーリー320の回転方向に移動されて湾曲部302bを湾曲させる。
この構成において、操作子305の傾倒操作力量は、予め、操作子305の傾倒操作によって直接、湾曲ワイヤー311、312、313、314を牽引操作する力量よりも小さく設定してある。このため、操作部303に設けた操作子305を傾倒操作して湾曲部302bの湾曲動作を容易に行うことができる。
なお、操作子305を傾倒操作して湾曲された湾曲部302bは、操作子305を直立した状態に戻すことによって、湾曲部302bの有する弾発力によって直線状態に復帰する。
また、上述した実施形態においては、プーリー320の外周面322を牽引部材移動面としている。しかし、牽引部材移動面は、プーリー320の外周面322に限定されるものではなく、図41に示すベルト325の表面を牽引部材移動面とするようにしてもよい。図41に示すように操作部303内に、例えば駆動プーリー323と、従動プーリー324と、該プーリー323、324に巻き付けられて回転体となるベルト325とを設ける。この構成によれば、押圧板308の接触面308cによって湾曲ワイヤー311、312、313、314をベルト325の表面に押圧することによって、同様の作用及び効果を得ることができる。
また、上述した実施形態においては、操作子305が予め定めた傾倒角度に到達したとき、その傾倒操作が停止されるとしている。しかし、図42に示すように各操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rの中途部に例えば予め定めたバネ定数の傾倒操作用コイルバネ326を設けるようにしてもよい。
この構成によれば、操作子305の傾倒操作中において、操作子305が予め定めた傾倒角度に到達した後、操作子305は、傾倒操作が停止されること無く、継続して傾倒操作可能である。このとき、傾倒操作用コイルバネ326は、操作子305の傾倒操作に伴って、伸長される。この結果、操作子305を操作する操作力量が増大する。つまり、各操作入力伝達ワイヤー309U、309D、309L、309Rの中途部に傾倒操作用コイルバネ326を設けることによって、操作子305の傾倒角度の増加とともに傾倒操作力量及び押圧力量が増大する構成を得ることができる。
図43、図44を参照して本付記の第4の実施形態を説明する。
図43は操作部に湾曲操作装置を構成する操作ダイヤルを有する内視鏡を説明する図、図44は操作ダイヤルと駆動力伝達部と超音波モーターとの関係を説明する図である。
図43に示すように本実施形態の内視鏡301Aは、操作子305に替えていわゆる湾曲操作ノブである操作ダイヤル351を備えている。そして、操作部303内には、駆動部としてプーリー320に替えて一対の超音波モーター352を備えている。そして、図44に示すように駆動力伝達部310Aは、軸体353、固定板354、スプロケット355及び摺動部材356を備えて構成されている。
本実施形態において、湾曲部302bAは、上下の二方向に湾曲する。その他の構成は上述した第3実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
操作ダイヤル351は、回転操作可能な湾曲操作装置である。操作ダイヤル351は、軸回りに時計周り或いは反時計周りに回転して湾曲操作指示を行う。湾曲部302bAは、操作ダイヤル351の回転操作によって、上方向に所望する角度、或いは、下方向に所望する角度、湾曲動作する。操作ダイヤル351は、親指等で回動操作を行えるように操作部303の側面に配置されている。
操作部303内には、軸体353、固定板354、スプロケット355及び一対の摺動部材356と、湾曲ワイヤー311、312と、一対の超音波モーター352U、352Dとが主に設けられている。超音波モーター352U、352Dは、駆動装置である。超音波モーター352は、超音波振動を発生する牽引部材移動面である振動面352aを有している。超音波モーター352U、352Dの各振動面352aは、後述する摺動部材356a、356bをそれぞれ矢印Y43方向に直進移動させる直進駆動力を発生する。
軸体353は、金属製で予め定めた剛性を有する例えば、丸棒である。軸体353の一端面は、操作ダイヤル351の図示されていない裏面に一体に固定される。この結果、軸体353は、操作ダイヤル351の回転操作に伴って回転する。
固定板354は、金属製で予め定めた剛性を有する一対の例えば円板を合わせて構成される。固定板354は、スプロケット355を保持する保持板と、軸体353の他端面が一体に固定される取付板とを兼用している。
軸体353の他端面は、固定板354の一方の円板の中心354oとは異なる位置、つまり、偏心した位置の軸体固定部354aに固定されている。本実施形態において、軸体固定部354aは、中心354oを挟んで挿入部302とは逆方向に設けられている。
この構成によれば、操作ダイヤル351を回転操作することによって軸体353が一体に回転する。すると、この回転に伴って、固定板354は、スプロケット355とともに軸体固定部354aを中心に破線に示すように回動する。言い換えれば、固定板354は、中心354oを通過する操作部長手軸に平行な基準線Loを挟んで破線に示すように図中上方向、下方向に振れる。
スプロケット355の中心は、固定板354の中心と同心である。スプロケット355は、回転体である。スプロケット355は、固定板354を構成する一対の円板の間に回動自在に配置されている。スプロケット355にはチェーン357が噛合される。チェーン357の一端側は、第1摺動部材356aの基端側に取り付けられ、他端側は第2摺動部材356bの基端側に取り付けられる。第1摺動部材356aの先端側には上用湾曲ワイヤー311の基端部が固定され、第2摺動部材356bの先端側には下用湾曲ワイヤー312の基端部が固定される。
各湾曲ワイヤー311、312は、操作部303内に導入された後、複数のガイドローラー(図44の符号359)によって走行経路を変更される。本実施形態において、上用湾曲ワイヤー311と下用湾曲ワイヤー312とは、操作部303内を平行な位置関係で走行するように配置される。
各湾曲ワイヤー311、312は、湾曲部302bが実線に示す直線状態において、予め定めた張力で張られた状態である。このとき、図43に示すように第1超音波モーター352Uの振動面352aと第1摺動部材356aとの間、および、第2超音波モーター352Dの振動面352aと第2摺動部材356bとの間、には予め定めた隙間dが形成されている。
第1超音波モーター352Uの振動面352aと第2超音波モーター352Dの振動面352aとは対向した位置関係で配置されている。
上述した構成の内視鏡301Aの作用を説明する。
内視鏡301Aにおいて、操作者が湾曲部302bを例えば上方向に湾曲させる際、操作ダイヤル351を図44の矢印44Y1方向に回転操作する。すると、軸体353が操作ダイヤル351と共に一体に回転して、固定板354及びスプロケット355が軸体固定部354aを中心に回転する。
スプロケット355にはチェーン357が噛合している。そして、チェーン357には摺動部材356a、356bが固定されている。したがって、軸体固定部354aを中心にスプロケット355が回転すると、第1摺動部材356aが第1超音波モーター352U方向に向かって移動する。このとき、第2摺動部材356bは、第2超音波モーター352Dから離間するように移動する。つまり、第1摺動部材356aと第1超音波モーター352Uの振動面352aとの間隔は、寸法dから徐々に狭まり、第2摺動部材356aと第2超音波モーター352Dの振動面352aとの間隔は寸法dに対して拡がっていく。
そして、第1摺動部材356aが振動面352aに当接されることによって、振動面352aの直進駆動力が第1摺動部材356aに伝達される。第1摺動部材356aは、振動面352aに押し付けられる押圧力の大きさに対応して矢印44Y2方向に移動していく。この第1摺動部材356aの移動に伴って、上用湾曲ワイヤー311が牽引されて、湾曲部302bAの上方向への湾曲が開始される。
そして、操作ダイヤル351の回転量が予め設定されている最大角度に到達したとき、上用湾曲ワイヤー311は、振動面352aから伝達された直進駆動力によって最大牽引状態になる。このとき、湾曲部302bAは、上方向に対して最大の湾曲角度の湾曲状態になる。
本実施形態において、操作ダイヤル351の回転操作によって、第1摺動部材356aと振動面352aとの間隔、及び第2摺動部材356aと振動面352aとの間隔が変化される。言い換えれば、操作ダイヤル351の回転操作に伴って、摺動部材356a、356bの走行位置が変更される。
操作ダイヤル351の回転操作力量は、第1摺動部材356aが第1超音波モーター352Uの振動面352aに接触した後、及び第2摺動部材356bが第1超音波モーター352Dの振動面352aに接触した後、回転操作量の増大に伴って徐々に増加していく。また、操作ダイヤル351の回転操作力量が大きくなるにしたがって、第1摺動部材356aを振動面352aに押し付ける押圧力及び第2摺動部材356bを振動面352aに押し付ける押圧力も増大していく。
そして、本実施形態において、操作ダイヤル351の最大回転操作力量は、予め定めた値、即ち、操作ダイヤル351の操作によって直接、湾曲ワイヤー311、312を牽引操作する操作力量より予め小さな力量に設定してある。
なお、回転操作力量は、操作ダイヤル351の径寸法、固定板354の径寸法、スプロケット355の径寸法、軸体固定部354aの位置等と、を適宜設定することによって、所望する値に設定することが可能である。
ここで、上述のように構成した内視鏡301Aの湾曲部302bAの湾曲操作について説明する。
操作者は、挿入部302を例えば口腔から体内に挿入するにあたって、一対の超音波モーター352U、352Dを駆動し、振動面352aを振動状態にする。そして、操作者は、図示しない観察装置の画面に表示されている内視鏡画像を観察しつつ、挿入部302の体内への挿入を開始する。
次に、操作者は、例えば湾曲部302bを上方向に湾曲操作するため、操作ダイヤル351を上述したように回転操作して第1摺動部材356aを第1超音波モーター352Uの振動面352aに接触させる。すると、第1摺動部材356aが振動面352aの直進駆動力によって移動され、上用湾曲ワイヤー311が矢印44Y2方向に牽引される。この結果、湾曲部302bは、上方向に湾曲する。なお、上用湾曲ワイヤー311は、振動面352aに押圧される第1摺動部材356aの押圧力に比例して移動する。
ここで、操作者が、操作ダイヤル351をさらに回転操作することにより、押圧力が増加する。すると、上述したように、第1摺動部材356aが振動面352aの直進駆動力によってさらに移動される。この結果、上用湾曲ワイヤー311がさらに牽引されて湾曲部302bの湾曲角度が大きくなる。一方、操作者が、操作ダイヤル351の回転位置を保持することによって、湾曲部302bは、操作ダイヤル351の回転位置に対応した湾曲角度の湾曲状態に保持される。
また、操作ダイヤル351の矢印Y44Y1方向への回転操作継続中において、先端部302aが管腔の壁に当接した場合、壁によって湾曲部302bの湾曲動作が阻止される。このとき、例えば上用湾曲ワイヤー311の牽引が不能になる場合がある。本実施形態の内視鏡301Aにおいて、操作ダイヤル351に掛かる回転操作力量は、湾曲部302bAの湾曲角度を大きくする回転操作中において、湾曲角度が大きくなるにつれて増大する。
したがって、操作者は、操作ダイヤル操作中において、操作ダイヤル351を操作する回転操作力量が増大しているにも関わらず、表示装置の画面に表示される内視鏡画像に変化が生じていないことから、挿入部302の先端部2aが管腔の壁等に当接した等、湾曲部の不具合の察知を行える。
このように、本実施形態の内視鏡301Aによれば、操作部303に設けられている操作ダイヤル351を回転操作することによって、湾曲ワイヤー311、312を直接牽引操作することなく、摺動部材356a、356bの一方を、超音波モーター352U、352Dの振動面352aに当接させる。そして、振動面352aに摺動部材356a、356bの一方が押圧されることによって、振動面352aの直進駆動力によって一方の摺動部材356a、356bが移動される。すると、移動される摺動部材356a、356bに対応する湾曲ワイヤー311、312が牽引されて湾曲部302bが湾曲動作する。
この構成において、操作ダイヤル351の回転操作力量は、予め、操作ダイヤル351の操作によって直接、湾曲ワイヤー311、312を牽引操作する力量よりも小さく設定してある。このため、操作部303に設けた操作ダイヤル351を回転操作して湾曲部302bの湾曲動作を容易に行うことができる。
また、操作ダイヤル351の回転操作力量を、予め、操作ダイヤル351の操作によって直接、湾曲ワイヤー311、312を牽引操作する力量よりも小さく設定し、且つ、湾曲部302bAの湾曲角度を大きくする回転操作を行うにしたがって回転操作力量及び押圧力量が増大する構成である。この結果、操作者は、湾曲部302bAを湾曲動作させる回転操作中において、湾曲ワイヤー311、312に掛かる応力の変化を、表示装置に表示される内視鏡画像及び回転操作力量の変化から感知して、湾曲部302bの湾曲動作の異常による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
なお、操作ダイヤル351を回転操作して湾曲された湾曲部302bAは、操作ダイヤル351を逆方向に回転させて元の位置に戻すことによって、湾曲部302bAの有する弾発力によって直線状態に復帰する。
また、湾曲部が上下左右の四方向の場合、上述した操作ダイヤル351、超音波モーター352、駆動力伝達部310Aを左右用として、もう一組、操作部303に設ける。
上述においては、操作ダイヤル351を回転操作することによって、湾曲ワイヤー311、312を直接牽引操作することなく、摺動部材356a、356bを超音波モーター352U、352Dの振動面352aに押圧している。そして、湾曲ワイヤー311、312は、振動面352aの直進駆動力が摺動部材356a、356bに伝達されることによって移動して牽引を開始する。しかし、牽引部材移動面は、超音波モーター352U、352Dの振動面352aに限定されるものではなく、図45に示す回転体であってもよい。回転体は、予め定めた方向に回転するローラー364U、64Dの外周面である。
図45に示す符号361は第1平歯車であり、符号362は第2平歯車であり、符号363は駆動モーターであり、符号363aはモーター軸である。
モーター軸363aは、第1平歯車361に固定されている。つまり、第1平歯車361は、駆動歯車である。第1平歯車361と第2平歯車362とは噛合している。したがって、第2平歯車362は、第1平歯車361の回転が伝達されて第1平歯車361と逆方向に回転する従動歯車である。
第1平歯車361には下用ローラー364Dが一体に同軸に固定されている。第2平歯車362には上用ローラー364Uが一体に同軸に固定されている。この結果、駆動モーター363が駆動されると、図中下用ローラー364Dが時計周りに回転し、上用ローラー364Uが反時計周りに回転する。
本実施形態において、固定板354にはスプロケット355の代わりにプーリー355Pが回動自在に取り付けられている。プーリー355Pの外周面には湾曲ワイヤー365が巻回されている。湾曲ワイヤー365の一端は、湾曲部302bAの先端側の予め定めた位置に固定されている。湾曲ワイヤー365の他端は、湾曲部302bAの先端側の予め定めた位置に固定されている。湾曲ワイヤー365は、湾曲部302bAが直線状態において、予め定めた張力で張られている。そして、上用ローラー364Uと湾曲ワイヤー365との間、および下用ローラー364Dと湾曲ワイヤー365との間には、予め定めた隙間dが形成されている。
つまり、本実施形態において、駆動部は、回転するローラー364U、364Dである。そして、駆動力伝達部310A1は、軸体353、固定板354、プーリー355P及び湾曲ワイヤー365とで構成されている。
この構成によれば、操作ダイヤル351の回転操作に伴って湾曲ワイヤー365の走行位置が変更される。そして、操作者が、操作ダイヤル351を矢印45Y1方向に回転操作すると、破線に示すようにプーリー355Pを上用ローラー364U方向に移動させ、湾曲ワイヤー365を上用ローラー364Uの外周面に押圧する。すると、上用ローラー364Uの回転駆動力が湾曲ワイヤー365に伝達されて、湾曲ワイヤー365が破線に示す矢印45Y2方向に牽引されて湾曲部302bAが上方向に湾曲動作する。
このように、操作ダイヤル351を回転操作することによって、湾曲ワイヤー365を直接牽引操作することなく、プーリー355Pに巻回されている一方側の湾曲ワイヤー365をローラー364Uに押圧し、他方側の湾曲ワイヤー365をローラー364Dから離間させる位置変更を行う。この結果、ローラー364Uに押圧された湾曲ワイヤー365の一方側がローラー364Uの回転駆動力によって移動されて、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、図46においては、駆動力伝達部310Bを、軸体353と、円板の外周面に歯部を有する外歯車371と、リング形状で内周面に前記歯部に噛合する歯部を有する内歯車付プーリー372と、湾曲ワイヤー365とで構成している。
この構成において、ローラー373U、373Dは、駆動モーター374U、374Dによってそれぞれ予め定めた方向に回転されている。
上述と同様に内歯車付プーリー372の外周面には湾曲ワイヤー365が巻回されている。軸体353は、外歯車371の中心部に一体に固定されている。外歯車371の外径寸法は、内歯車付プーリー372の歯車372gを有する内径寸法より小径である。外歯車371と内歯車付プーリー372の歯車372gとは、湾曲ワイヤー365を予め定めた張力で張った状態において、一部が噛合し、その他の部分が浮いた状態、即ち遊びを有して噛合している。
この構成によれば、操作ダイヤル351を回転操作することによって軸体353が一体に回転する。軸体353の回転によって外歯車371が回転して、内歯車付プーリー372が破線に示すように遊び分振れる。
すると、内歯車付プーリー372の外周面に巻回されている一方側の湾曲ワイヤー365が破線に示すように上用ローラー373Uの外周面に押圧される。一方、他方側の湾曲ワイヤー365は、下用ローラー373Dから離間していく。即ち、湾曲ワイヤー365の走行位置が変更される。
この結果、ローラー373Uに押圧された湾曲ワイヤー365の一方側がローラー373Uの回転駆動力によって移動されて上述の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、この構成において、駆動部は、モーター374及びローラー373に替えて超音波リニアモーターであってもよい。また、駆動部をローラー373の代わりにローラー形状の磁石を用いるようにしてもよい。磁石は、マグトラン(登録商標)が好適であり、移動される湾曲ワイヤーも非接触駆動伝達可能に構成される。
また、上述した実施形態において、挿入装置を医療機器である内視鏡としている。しかし、医療機器は内視鏡に限定されるものではなく、例えば、内視鏡が挿通される湾曲部を有するオーバーチューブ、湾曲部を備える処置具等であってもよい。
以上詳述した本付記の第3の実施形態及び第4の実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
(14)操作部から延出する挿入部の先端側に設けられた複数の方向に湾曲自在な湾曲部と、
前記湾曲部の先端側の予め定めた位置に一端が固定され、牽引によってその一端を基端方向に移動させることによって該湾曲部を湾曲させる前記複数の湾曲方向に対応して設けられる牽引部材と、
前記操作部に設けられ、前記湾曲部を湾曲動作させる際に操作される湾曲操作装置と、 前記牽引部材を移動させる牽引部材移動面を備える駆動部と、
前記湾曲操作装置の操作に伴って移動されて、該湾曲操作装置の操作に対応する牽引部材を前記牽引部材移動面に押圧して該牽引部材移動面の駆動力を前記牽引部材に伝達する駆動力伝達部と、
を有する挿入装置。
(15)前記駆動力伝達部は、
前記湾曲部を湾曲動作させる際に傾倒操作される棒状の操作子に、前記操作部に設けられフレームに回動自在に配設されたユニバーサルジョイントを介して、取り付け固定される吊り枠と、
先端と基端とを備え、前記基端が前記吊り枠が備える複数の枠の端部にそれぞれ設けられたワイヤー取付部に取り付けられる操作入力伝達ワイヤーと、
前記操作入力伝達ワイヤーの先端が固設される連結部、前記操作部に設けられたフレームに固定される軸が挿通配置される軸孔、及び前記複数の牽引部材のうち予め定められた牽引部材を挟んで前記駆動部の牽引部材移動面に対向して配置される接触面を有する複数の押圧板と、
を有する付記14に記載の挿入装置。
(16)前記駆動部は、駆動力を発生する牽引部材移動面を備え、駆動モータによって予め定めた方向に回転される回転体である付記15に記載の挿入装置。
(17)前記駆動力伝達部は、
前記湾曲部を湾曲動作させる際に時計周り又は反時計周りに回転操作される操作ダイヤルに同軸に固定されて該操作ダイヤルと一体に回転する軸部と、
前記牽引部材が外周面に配置される回転板と、
前記回転板が回動自在に取り付けられるとともに、前記回転板の回転中心とは異なる位置に前記軸部の他端が一体に固定される固定板と、
を有する付記14に記載の挿入装置。
(18)前記駆動力伝達部は、
前記湾曲部を湾曲動作させる際に時計周り又は反時計周りに回転操作される操作ダイヤルに同軸に固定されて該操作ダイヤルと一体に回転する軸部と、
前記牽引部材が外周面に配置される回転板に対して内歯車を一体的に設けたリング形状の内歯車付プーリーと、
前記内歯車に噛合する外歯車を備え、外径寸法が前記内歯車付プーリーの内径寸法より小径で、前記軸部の他端が回転中心に一体に固定される外歯車と、
を有する付記14に記載の挿入装置。
(19)前記駆動部は、直進駆動力を発生する牽引部材移動面を備え、予め定めた方向に向かう超音波振動を発する超音波モーターであることを特徴とする付記4又は付記18に記載の挿入装置。
(20)前記駆動部は、回転駆動力を発生する牽引部材移動面を備え、駆動モータによって予め定めた方向に回転される回転体であることを特徴とする付記17又は付記18に記載の挿入装置。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
本出願は、2012年1月16日に日本国に出願された特願2012−006301号、2012年1月23日に日本国に出願された特願2012−011326号、2012年2月6日に日本国に出願された特願2012−023182号、および特願2012−023183号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

Claims (9)

  1. 被検体に挿入される挿入部と、
    操作者が操作指示を入力するために動かす湾曲操作装置と、
    前記湾曲操作装置の動きに基づいて駆動力を発生させる湾曲駆動部と、
    記湾曲駆動部の前記駆動力によって牽引される牽引部材と、
    前記挿入部に設けられ、前記牽引部材に接続されて該牽引部材の牽引に伴って湾曲される湾曲部と、
    前記牽引部材と前記湾曲操作装置とを弾性部を介して接続する力覚提示部と、
    を有することを特徴とする挿入装置。
  2. 前記力覚提示部は、
    前記湾曲操作装置に連結される第1ワイヤーと、
    前記牽引部材に連結される第2ワイヤーと、
    を具備し、
    前記弾性部は、前記第1ワイヤーと前記第2ワイヤーとを接続する請求項1に記載の挿入装置。
  3. 前記湾曲駆動部は、前記駆動力によって回動され、前記牽引部材を牽引する回動部材を具備し、
    前記弾性部は、前記湾曲操作装置と前記回動部材とを接続する請求項1に記載の挿入装置。
  4. 前記湾曲操作装置は、操作指示を入力する回転軸部を有し、
    前記弾性部は、一端が前記回動部材に固定され、他端が前記回転軸部に固定され、前記湾曲部が直線状態において初期状態に保持されることを特徴とする請求項3に記載の挿入装置。
  5. 前記湾曲部が上下方向の二方向に湾曲可能な構成において、
    前記牽引部材は、前記上下方向にそれぞれ対応する2本の牽引部材を有し、
    前記湾曲駆動部は、前記上下方向に対応する1つの湾曲駆動部を有し、
    前記力覚提示部は、前記上下方向にそれぞれ対応する上操作知覚部及び下操作知覚部を有することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
  6. 前記湾曲操作装置によって入力された指示を検出して操作入力指示信号を出力する入力指示検出部と、
    前記入力指示検出部から出力された操作入力指示信号に基づいて、前記牽引部材を牽引する駆動信号を算出して前記湾曲駆動部に出力する制御部と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の挿入装置。
  7. 前記湾曲操作装置は、軸部を備え、該軸部の傾倒方向及び傾倒角度を変化させる傾倒操作によって操作指示が可能な操作子であり、
    前記入力指示検出部は、前記操作子の傾倒操作量を検出する傾倒操作量検出装置であり、
    前記操作子を構成する軸部の予め定めた位置に前記力覚提示部の端部が固定されることを特徴とする請求項に記載の挿入装置。
  8. 前記湾曲部が上下方向に加えてさらに左右方向の四方向に湾曲可能な構成において、
    前記牽引部材は、前記上下左右方向に対応する4本の牽引部材を有し、
    前記湾曲駆動部は、前記上下方向及び前記左右方向にそれぞれ対応する2つの湾曲駆動部を有し、
    前記力覚提示部は、前記上下左右方向にそれぞれ対応する上操作知覚部、下操作知覚部、左操作知覚部及び右操作知覚部を有し、
    前記操作子を構成する軸の予め定めた位置、または、前記操作子の軸に一体な枠体に前記力覚提示部の一端が固定されることを特徴とする請求項に記載の挿入装置。
  9. 前記湾曲操作装置は、回転軸部を備え、該軸部の回転方向及び回転角度を変化させる回転操作によって操作指示が可能な湾曲操作ノブ又は湾曲操作レバーであり、
    前記入力指示検出部は、前記回転軸部の回転操作量を検出する回転操作量検出装置であり、
    前記回転軸部の予め定めた位置に前記力覚提示部の端部が固定されることを特徴とする請求項に記載の挿入装置。
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