JP5826109B2 - 電子放射性物質を添加した放電ランプ用の陰極および電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法 - Google Patents

電子放射性物質を添加した放電ランプ用の陰極および電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法 Download PDF

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Description

本発明は電子放射性物質を添加した放電ランプ用の陰極に関し、特に電子放射により消失された電子放射性物質の補填に関する。
ショートアーク放電灯の陰極として、電子放射性物質(エミッタ)を高融点金属に質量比で数%ドープした陰極が知られている。その一つとして、タングステン(W)に酸化トリウム(ThO2)を含有させたトリエーティッドタングステン(通常2wt%ThO2−W)が用いられる。高温になったタングステンによって酸化トリウムがトリウムに還元され、先端部へ拡散することにより、電子放射により消失されたトリウムを補うことができる。
特許文献1,2には、陰極の表面に侵炭によって炭化層を形成し、アーク放電を安定化する技術が開示されている。これは、陰極表面に形成された炭化層によって、低温で酸化トリウムからトリウムへの還元が起こるので、トリウムを効率よく陰極先端のアーク放電領域まで供給しようとするものである。
また、トリウムは放射性元素であるため、近年は環境負荷低減のため、多くの代替材料の提案がなされている。酸化トリウムの代替材料として、Zr 酸化物及びHf 酸化物と希土類酸化物とが任意の組成比で均一に溶け合った固体粒子状態の酸化物固溶体を形成し、酸化物を高融点化させ、タングステンにドープすることで電極寿命を向上させる電極材料が提案されている(特許文献3)。
特開2000−21349号公報 特開平10−28921号公報 特開2010−159484号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の陰極では、トリウムの還元は温度が高い陰極先端付近のみでしか起こらず、点灯時間と共に枯渇しアーク放電が不安定になる。さらに、このとき先端部以外の大部分はアーク放電に寄与することなく酸化トリウムのままで残っており、廃棄すると環境に影響がある。
また、特許文献3では、酸化トリウムの融点(約3390℃)に比べると、酸化物固溶体の融点は500〜690℃程度低く、放電ランプに適用した場合、点灯時に陰極先端が極めて高温となる放電灯用の陰極に用いた場合は、トリウムがすぐに枯渇し、これにより陰極先端が溶融損耗するおそれがある。
このような電子放射性物質の欠乏の問題は、トリウム以外の電子放射性物質であっても問題となっている。
本発明は、陰極先端に前記電子放射性物質を供給できる電子放射性物質供給方法および、前記電子放射性物質を供給できる陰極を提供することを目的とする。
(1)本発明にかかる陰極は、電子放射性物質を添加した放電ランプ用の陰極であって、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかを第2の金属酸化物として含み、前記第1金属酸化物含有部と接することにより、界面に前記第1の金属酸化物と前記第2の金属酸化物で構成された導電性酸化物固容体部が形成され第2金属酸化物含有部を備えている。したがって、下記反応(2)、反応(3)、反応(1)、反応(2)、反応(3)、・・・を繰り返すことにより、前記先端部に前記電子放射性物質を供給することができる。
反応(2):前記酸化物固容体部の前記第1金属酸化物および前記第2金属酸化物が前記高融点金属により還元され、生成された前記第1金属と前記第2金属が、先端方向へ拡散する、反応(3): 拡散した第2金属は、移動先で前記第1金属酸化物を還元し、これより前記第2金属酸化物と、前記第1金属が生成され、生成された前記第1金属は、濃度差により拡散する、反応(1):生成された第2金属酸化物が、前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する。
このように、標準生成自由エネルギーの差がある元素を利用することにより連鎖拡散が可能となる。また、導電性酸化物固容体部に電流が流れることにより、ジュール熱が発生し、これにより前記高融点金属による高温還元が先端近傍以外でも可能となる。
(2)本発明にかかる陰極は、前記第1金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物として、酸化トリウムを含み、前記第2金属酸化物含有部は、前記第2金属酸化物として、スカンジウムの酸化物、イットリウムの酸化物、テルビウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物、ホルミウムの酸化物、エルビウムの酸化物、ツリウムの酸化物、ルテチウムの酸化物を、少なくとも、1以上含む。したがって、前記反応(2)、(3)、(1)が連鎖する。
(3)本発明にかかる陰極においては、前記第2金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかの酸化物を配置した金属酸化物が複数層に配置されており、前記複数層を構成する各金属酸化物層は、同じ金属酸化物であり、かつ、各層を構成する酸化物の不純物濃度が前記第1金属酸化物含有部に近づくにつれて薄くなるように配置されている。したがって、結晶粒などの金属組織特性の急激な変化を防止できる。
(4)本発明にかかる陰極においては、前記第2金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかの酸化物を配置した金属酸化物が複数層に配置されており、前記複数層を構成する各金属酸化物層は、異なる金属酸化物であり、前記第1金属酸化物含有部に近づくにつれて、当該金属酸化物の標準生成自由エネルギーが大きくなるように配置されている。したがって段階的な還元を起こすことが可能となる。
(5)本発明にかかる陰極は、前記第2金属酸化物含有部の側面を炭化処理している。したがって、前記第2金属酸化物が炭素によって還元がなされ、前記第1金属酸化物の供給が促進される。
(6)本発明にかかる電子放射性物質の供給方法は、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部に有する電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、前記第1の金属酸化物と、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第2の金属酸化物とで構成された導電性酸化物固容体部を形成させ、前記高融点金属は、前記第1の金属酸化物および前記第2の金属酸化物を還元できる金属であり、下記反応(2)、反応(3)、反応(1)、反応(2)、反応(3)、・・・を繰り返すことにより、前記先端部に前記電子放射性物質を供給する。反応(2):前記酸化物固容体部の前記第1金属酸化物および前記第2金属酸化物が前記高融点金属により還元され、生成された前記第1金属と前記第2金属が、先端方向へ拡散する、反応(3): 拡散した第2金属は、移動先で前記第1金属酸化物を還元し、これより前記第2金属酸化物と、前記第1金属が生成され、生成された前記第1金属は、濃度差により拡散する、反応(1):生成された第2金属酸化物が、前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する。
したがって、より確実に前記第1金属を前記陰極の先端方向に供給することができる。
(7)本発明にかかる電子放射性物質の供給方法は、さらに、上記反応(3)で生成された前記第2金属酸化物が、周辺の前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する反応(4)が生じ、前記反応(4)、(3)、(4)・・・を繰り返すことにより、前記先端部に電子放射性物質を供給する。したがって、より確実に前記第1金属を前記陰極の先端方向に供給することができる。

(8)本発明にかかる電子放射性物質の供給方法は、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部に有する電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、前記第1の金属酸化物と、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第2の金属酸化物とで構成された導電性酸化物固容体部を形成させ、前記高融点金属は、前記第1の金属酸化物および前記第2の金属酸化物を還元できる金属であり、下記反応(3)、(4)、(3)、(4)・・・を繰り返すことにより、前記先端部に電子放射性物質を供給する。反応(3):前記高融点金属により還元され、拡散した第2金属が、移動先で前記第1金属酸化物を還元し、これより第1金属と、前記第2金属酸化物が生成され、生成された第1金属が先端方向へ拡散する、反応(4):生成された前記第2金属酸化物は周辺の前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する。
したがって、より確実に前記第1金属を前記陰極の先端方向に供給することができる。
(9)本発明にかかる電子放射性物質の供給方法は、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部に有する電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された金属酸化物のうち、前記第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物と前記第1の金属酸化物とで構成された導電性酸化物固容体部を、前記第1金属酸化物含有部の界面に形成させ、前記陰極に放電電流を流すことにより、前記導電性酸化物固容体部において、ジュール熱を発生させ、これにより前記第1金属酸化物含有部の第1金属酸化物を高温還元させて、前記先端に前記電子放射性物質を供給する。したがって、より確実に前記第1金属を前記陰極の先端方向に供給することができる。



特許請求の範囲にて、用いた用語について説明する。「第1金属酸化物」とは、第1金属の酸化物であり、第1実施形態では、二酸化トリウムが該当する。「第2金属酸化物」とは、第2金属の酸化物であり、第1実施形態では、酸化ジスプロシウムが該当する。

「導電性酸化物固溶体」とは、第1金属酸化物と第2金属酸化物による酸化物固溶体のうち、特に、導電性を有するものであり、酸化物固溶体の導電率が酸化物単体の導電率よりも高い場合が該当する。
「酸化物固溶体部」とは、実施形態では、軸方向に垂直な断面全面に層として構成されているものとして説明したが、軸方向に垂直な断面全面に生成されていない場合をも含む。
本発明にかかる陰極1の要部断面図である。 本発明にかかるトリウム供給のメカニズムを説明するため図である。 本発明にかかるトリウム供給のメカニズムを説明するため図である。 標準生成自由エネルギーを示す図である。 他の実施形態である陰極51の要部断面図である。 他の実施形態である陰極61の要部断面図である。 他の実施形態である陰極71の要部断面図である。 他の実施形態である陰極81の要部断面図である。 他の実施形態である陰極91の要部断面図である。 他の実施形態である陰極101の要部断面図である。 ThO2 とDy2O3の酸化物の状態図である。 トリウムと、アルカリ土類金属や希土類金属の標準生成自由エネルギーを示す図である。
本発明にかかる陰極の構造について、図面を参照して説明する。図1に示すように、陰極1は、基部3、トリア還元物含有部5,およびトリア含有部7を有する。本実施形態においては、基部3をタングステン(W)で、トリア還元物含有部5を、酸化ジスプロシウムDy2O3を含有させたタングステンで、トリア含有部7は、2重量%のトリア(二酸化トリウム(ThO2))を含有したタングステン(W)で構成した。
本実施形態においては、トリア還元物含有部5は、トリア含有部7の後端に、タングステン(W)と酸化ジスプロシウム(Dy2O3)の粉末をボールミルなどの公知の混合機を用いて混合したものを放電プラズマ焼結法で結合することにより、生成したが、これに限定されない。また、トリア含有部7のトリアの含有率もこれに限定されない。
陰極1におけるトリウムの供給メカニズムについて、図2、図3を用いて説明する。
トリア還元物含有部5とトリア含有部7の界面にて、二酸化トリウム(ThO2)と、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)が反応して、酸化物固容体(Th,Dy)Oαが生成される(反応(1))。
生成された酸化物固容体(Th,Dy)Oαは導体であるが、抵抗はタングステン(W)と比べるとはるかに高い。したがって、放電電流により、ジュール熱が発生する。このジュール熱により、従来では先端領域以外では生じなかったタングステン(W)による高温還元がなされる。すなわち、酸化物固容体(Th,Dy)Oαは、タングステン(W)により還元され、トリウム(Th)とジスプロシウム(Dy)と、酸化タングステン(WOβ)が生成される。生成されたトリウム(Th)とジスプロシウム(Dy)は、先端方向へ拡散する(反応(2))。これは、先端に向かう方向が濃度勾配の減少方向だからである。
拡散したジスプロシウム(Dy)は、移動先で酸化トリウム(ThO2)を還元し、これよりトリウム(Th)と酸化ジスプロシウム(Dy2O3)が生成される。生成されたトリウム(Th)は、先端方向へ拡散する(反応(3))。ジスプロシウム(Dy)が酸化トリウム(ThO2)を還元するのは、図4に示すように、反応部分の温度下にて、酸化物の標準生成自由エネルギーが小さいからである。
生成された酸化ジスプロシウム(Dy2O3)は、周辺の酸化トリウム(ThO2)と反応して酸化物固容体(Th,Dy)Oαを生成する(反応(1))。
以下同様にして、反応(1)→反応(2)→反応(3)→反応(1)→反応(2)・・・と繰り返され、トリウム(Th)が先端方向に供給される。
また、図3に示すように、上記反応(3)で生成された酸化ジスプロシウム(Dy2O3)のうち、一部は、タングステン(W)により高温還元されて、ジスプロシウム(Dy)と、酸化タングステン(WOβ)が生成される。生成されたジスプロシウム(Dy)は、先端方向へ拡散する(反応(4))。かかるタングステン(W)による高温還元は、導電性酸化物固容体の場合、反応(1)によって生じたジュール熱により促進される。このように、本実施形態においては、従来、先端領域だけで生じていたタングステン(W)による高温還元は、先端領域でなくても生ずる。
反応(4)にて生成されたジスプロシウム(Dy)は、先端方向へ移動し、移動先で酸化トリウム(ThO2)を還元して、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)とトリウム(Th)とが生成される。トリウム(Th)は先端方向へ移動する(反応(3))。
生成された酸化ジスプロシウム(Dy2O3)の一部は、タングステン(W)により高温還元されて、ジスプロシウム(Dy)と、酸化タングステン(WOβ)とが生成される。生成されたトリウム(Th)は、先端方向へ拡散する(図3反応(4))
以下同様にして、反応(3)→反応(4)→反応(3)→反応(4)・・・と繰り返され、トリウム(Th )が先端方向に供給される。
このように、反応部分の温度下で、トリウム(Th)と比べて、酸化物の標準生成自由エネルギーが小さい元素についての導電性酸化物固容体部を形成することにより、先端部で欠乏するトリウム(Th)を効率的に供給することができる。
このようにして、自己発熱による還元促進だけでなく、連鎖的にトリウム(Th) が生成され、アーク放電に寄与するトリウム(Th) が次々と供給されるので、枯渇を長時間にわたって抑制することができ、高輝度で安定したアーク放電を長期にわたって行うことができる。
図1において、基部3は高融点金属であればよく、タングステン以外に、モリブデン、ニオブ、タンタルなどであってもよい。
また、トリア還元物含有部に含める酸化物として、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を採用したが、これ以外にも、酸化物になったときに、放電電流によりジュール熱が発生する程度の導電性を有しており、かつ、トリウムと酸化物固容体を構成可能で、点灯時の陰極温度条件下にて、酸化物の標準生成自由エネルギーがトリウムよりも小さい元素であれば、どのようなものでもよい。
トリウムと酸化物固容体を構成可能な元素としては、同族のアクチノイド系、または、性質の似ているランタノイド系、さらに、スカンジウム (Sc)、イットリウム(Y)などが上げられる。このうち、標準生成自由エネルギーがトリウムよりも小さい元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ルテチウム(Lu)が上げられる。また、これらは、導電性を有するので、放電電流が流れることにより、上記ジュール熱も発生する。すなわち、上記元素をMで表すと、M2が混合された高融点金属でトリア還元物含有部5を構成すればよい。
図4に、スカンジウム(Sc)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ルテチウム(Lu)の各酸化物について、酸化トリウム(ThO2)の標準生成自由エネルギーの違いを示す。
また、本実施形態においては、トリア還元物含有部5を、タングステン(W)と酸化ジスプロシウム(Dy2O3)の粉末をボールミルなどの公知の混合機を用いて混合したものを放電プラズマ焼結法で結合することにより、生成したが、これに限定されない。例えば、上記M数%の酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を含有したタングステン棒を用意して、トリア含有したタングステン棒とを放電プラズマ焼結法で結合するようにしてもよい。すなわち、固相拡散接合をさせることができる手法あれば、どのような手法であってもよい。また、トリア含有部7のトリアの含有率もこれに限定されない。
なお、上記実施形態においては、トリア還元物含有部5の酸化ジスプロシウム(Dy2O3),およびトリア含有部7の酸化トリウムは、それぞれ、数%程度である。したがって、前記酸化物固容体は、軸方向に垂直な断面全面に層として酸化物固容体ができないことも考えられる。この場合でも、タングステンとの抵抗値およびその面積に応じて、前記酸化物固容体には電流が流れる。したがって、ジュール熱が発生するので、上記反応(2)、(4)におけるタングステンによる高温還元がなされる。
また、前記酸化物固容体は、軸方向に垂直な断面全面に層として形成された酸化物固容体層を構成するように、製造してもよい。
図5に、他の実施形態の陰極51を示す。陰極51は、第1実施形態と異なり、基部3が存在せず、トリア還元物含有部5,およびトリア含有部7で構成されている。また、トリア還元物含有部5は、酸化物M2の濃度が、陰極先端方向に向けて、だんだん薄くなるように構成されている。例えば、領域52は、酸化物M2が10%、領域53は酸化物M2が8%、領域54は酸化物M2が6%、領域55は酸化物M2が4%、領域56は酸化物M2が2%、とすればよい。このような段階的に濃度を変えることによる効果について、説明する。一般的には、酸化物M2は多い方が、元素Mの量も増え、トリウム(Th)の還元を促進できるので、かかる点からは、酸化物M2の濃度を濃くすることが望ましい。しかし、固相拡散接合するThO2とM2O3の濃度が大きく異なると、タングステンの濃度も大きく異なることとなり、結晶粒などの金属組織の特性が急激に変化し、このため、接合界面で応力が発生し、割れたり、熱伝導がうまく働かない可能性がある。図5に示すように、構成することにより、かかる問題を回避できる。
図6に、他の実施形態の陰極61を示す。図5に示す陰極51は同じ元素について、先端に向かうにつれてタングステンに対する混合比を薄くしたが、陰極61は、上記酸化物M2を、標準生成自由エネルギー順に並べたものである。具体的には、領域63をEr2O3 、領域64をDy2O3 、領域65をY2O3 、領域66をSc2O3をそれぞれ、タングステンに混合することにより、構成した。
これにより酸化物M2による段階的な還元を起こすことができる。また、図4に示すように、各元素の濃度差をさらに組み合わせるようにしてもよい。
図7に、図1に示す陰極1の基部3およびトリア還元物含有部5を、トリア還元物含有部72で構成した陰極71を示す。このように、トリア還元物含有部5とトリア含有部7との界面に、前記酸化物固容体部が生成されるのであれば、トリア還元物含有部5には高融点金属を含む必要はない。
図8に陰極81を示す。陰極81は、基部82、トリア還元物含有部85は、図1に示す陰極1と同様である。先端部86について、周辺のタングステン部88と、トリア含有部87で構成されている。トリア含有部87とトリア還元物含有部85の界面で、前記導電性酸化物固容体部が構成される点は、図1の陰極1と同様である。先端部の中央部分だけが、トリア含有部87なので、トリウムをより有効に使うことができると共に、周辺が熱に強いタングステンなので摩耗に強い。
上記各実施形態においては、界面にタングステンよりも導電性が低い酸化物固容体部を設けることにより、当該部分にて、放電電流によるジュール熱を発生させて、これにより、タングステンによる高温還元を可能にしている。
なお、前記酸化物固容体部は、酸化トリウムとトリア還元物含有部5の酸化物が高熱で混在されることにより、生成される。したがって、より、確実に酸化物固容体部を生成するためには、酸化トリウムの粉とトリア還元物含有部5の酸化物の粉を混ぜて、高温処理をすればよい。
また、酸化トリウムの粉末の入手が困難な場合、トリア還元物含有部5を、酸化物M2を構成可能な複数の酸化物についての任意の組み合わせで構成することにより、上記酸化物固容体部をより確実に形成することができる。
また、上記実施形態においては、トリア還元物含有部5とトリア供給部7とを軸方向に並べて接するように配置した場合について説明したが、還元したトリウムを先端に拡散させられるのであれば、これに限定されず、例えば、図9に示すように、トリア含有部97の周方向をトリア還元物含有部95で覆うようにしてもよい。図9に示す陰極91では、先端領域については、耐熱のために高融点金属部98で覆っている。また、側面を炭化処理面99で覆っている。これにより、トリア還元物含有部95における酸化物M2の炭素による還元が促進される。これにより、より多くの元素Mをトリア含有部97に供給することができる。
かかる炭化処理面は、例えば、陰極全体を気相、あるいは固相の炭素雰囲気中で加熱すればよい。または、炭化タングステン粉末を陰極側面に結合するようにすればよい。
上記実施形態においては、酸化物M2の標準生成自由エネルギー順位がトリアよりも小さい元素Mを用いて、図2,図3に示す反応を用いて、先端部にトリウムを供給している。しかし、これに限定されず、ジュール熱を発生させることにより、タングステンによるトリアの高温還元を起こさせることも可能である。かかるジュール熱が発生するのは、酸化物固容体がタングステンと比較して、はるかに抵抗が高いからである。これより従来、先端部でしか起きなかったトリウムの供給が可能となる。かかるタングステンによる高温還元だけを目的とするのであれば、上記酸化物M2の標準生成自由エネルギーについては、考慮する必要がない。
この場合、図10に示すように、先端部にトリア含有部107を設けると共に、トリア含有部107に接するように、タングステンよりも導電率の低い酸化物固容体部105を設ければよい。酸化物固容体部105は、上記酸化物M2のうち、複数の酸化物の粉を混ぜて、基部103との間で高温処理をすればよい。
なお、ある酸化物が酸化トリウムに固溶するかどうかは、例えば、図11のような公知の酸化物の状態図より明らかである。たとえば、ThO2 とDy2O3は広い温度領域かつ組成領域で酸化物の固溶体が形成され、非常に高温まで安定している。かかる固溶体形成の温度は、生産性や製造コストなどを考慮し、前記状態図から決定できる。
なお、本実施形態においては、混合機を用いて混合し、放電プラズマ焼結装置などによって、焼結・接合することで導電性酸化物固容体を生成したが、焼結体を先に通常の粉末冶金法によって形成し、その後、固相拡散接合してもよい。
上記実施形態では、第1金属としてトリウムを、第2金属としてジスプロシウムを採用した場合について説明したが、導電性酸化物固容体を構成する2つの酸化物としては、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかで、かつ、ジュール熱による電子放射性物質への還元ができる物質であれば、どのようなものであってもよく、例えば、Ba、Ca、Sr などのアルカリ土類金属や、La、Ce など電子放射性物質を含んだ希土類金属であれば、適用可能である。
その際、第1金属の酸化物と比べて第2金属の酸化物の方が、酸化物M2の標準生成自由エネルギー順位が小さいものを選択すれば、第1金属が生成の連鎖反応が起こる。
図12に、アルカリ土類金属または希土類金属の酸化物の標準生成自由エネルギーを示す。例えば、第1金属としてBaを用いれば、第2金属として、Sc、Caなどを採用することができる。
本実施形態においては、高融点金属としてタングステンを採用した場合について説明したが、酸化物固容体を還元できる金属であれば、たとえば、Mo 、Ta、Zr、Hf 等であってもよい。
また、酸化物の粉末でなくても酸化物がドープされた高融点金属でも構成してもよい。
1・・・・・・陰極
3・・・・・・基部
5・・・・・・トリア還元物含有部
7・・・・・・トリア含有部
51・・・・・陰極
61・・・・・陰極
71・・・・・陰極
81・・・・・陰極

Claims (9)

  1. 電子放射性物質を添加した放電ランプ用の陰極であって、
    希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部、
    前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかを第2の金属酸化物として含み、前記第1金属酸化物含有部と接することにより、界面に前記第1の金属酸化物と前記第2の金属酸化物で構成された導電性酸化物固容体部が形成され第2金属酸化物含有部、
    を備えた陰極。
  2. 請求項1の放電ランプ用の陰極において、
    前記第1金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物として、酸化トリウムを含み、
    前記第2金属酸化物含有部は、前記第2金属酸化物として、スカンジウムの酸化物、イットリウムの酸化物、テルビウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物、ホルミウムの酸化物、エルビウムの酸化物、ツリウムの酸化物、ルテチウムの酸化物を、少なくとも、1以上含むこと、
    を特徴とする陰極。
  3. 請求項1または請求項2の放電ランプ用の陰極において、
    前記第2金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかの酸化物を配置した金属酸化物が複数層に配置されており、
    前記複数層を構成する各金属酸化物層は、同じ金属酸化物であり、かつ、各層を構成する酸化物の不純物濃度が前記第1金属酸化物含有部に近づくにつれて薄くなるように配置されていること、
    を特徴とする陰極。
  4. 請求項1または請求項2の放電ランプ用の陰極において、
    前記第2金属酸化物含有部は、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかの酸化物を配置した金属酸化物が複数層に配置されており、
    前記複数層を構成する各金属酸化物層は、異なる金属酸化物であり、前記第1金属酸化物含有部に近づくにつれて、当該金属酸化物の標準生成自由エネルギーが大きくなるように配置されていること、
    を特徴とする陰極。
  5. 請求項1〜4のいずれかの放電ランプ用の陰極において、
    前記第1金属酸化物含有部または第2金属酸化物含有部の側面を炭化処理したこと、
    を特徴とする陰極。
  6. 希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部に有する電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、
    前記第1の金属酸化物と、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第2の金属酸化物とで構成された導電性酸化物固容体部を形成させ、
    前記高融点金属は、前記第1の金属酸化物および前記第2の金属酸化物を還元できる金属であり、
    下記反応(2)、反応(3)、反応(1)、反応(2)、反応(3)、・・・を繰り返すことにより、前記先端部に前記電子放射性物質を供給すること、
    反応(2):
    前記酸化物固容体部の前記第1金属酸化物および前記第2金属酸化物が前記高融点金属により還元され、生成された前記第1金属と前記第2金属が、先端方向へ拡散する、
    反応(3):
    拡散した第2金属は、移動先で前記第1金属酸化物を還元し、これより前記第2金属酸化物と、前記第1金属が生成され、生成された前記第1金属は、先端方向へ拡散する、
    反応(1):
    生成された第2金属酸化物が、前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する、
    を特徴とする電子放射性物質の供給方法。
  7. 請求項の電子放射性物質の供給方法において、
    さらに、上記反応(3)で生成された前記第2金属酸化物が、周辺の前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する反応(4)が生じ、前記反応(4)、(3)、(4)・・・を繰り返すことにより、前記先端部に電子放射性物質を供給すること、
    を特徴とする電子放射性物質の供給方法。
  8. 希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部にする電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、
    前記第1の金属酸化物と、前記第1金属酸化物よりも標準生成自由エネルギーが小さく、かつ、希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第2の金属酸化物とで、構成された導電性酸化物固容体部を形成させ、
    前記高融点金属は、前記第1の金属酸化物および前記第2の金属酸化物を還元できる金属であり、
    下記反応(3)、(4)、(3)、(4)・・・を繰り返すことにより、前記先端部に電子放射性物質を供給すること、
    反応(3):前記高融点金属により還元され、拡散した第2金属が、移動先で前記第1金属酸化物を還元し、これより第1金属と、前記第2金属酸化物が生成され、生成された第1金属が先端方向へ拡散する、
    反応(4):生成された前記第2金属酸化物は、周辺の前記第1金属酸化物と反応して前記導電性酸化物固容体を生成する、
    を特徴とする電子放射性物質の供給方法。
  9. 希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された第1の金属酸化物を含む高融点金属で構成された第1金属酸化物含有部を先端部に有する電子放射性物質添加陰極における電子放射性物質の供給方法であって、
    希土類金属の酸化物およびアクチノイド系金属の酸化物のいずれかから選択された金属酸化物のうち、前記第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物と前記第1の金属酸化物とで構成された導電性酸化物固容体部を、前記第1金属酸化物含有部の界面に形成させ、
    前記陰極に放電電流を流すことにより、前記導電性酸化物固容体部において、ジュール熱を発生させ、これにより前記第1金属酸化物含有部の第1金属酸化物を高温還元させて、前記先端に前記電子放射性物質を供給すること、
    を特徴とする電子放射性物質の供給方法。
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