JP5672578B1 - 放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】発光管の内部に、陰極と陽極とが対向配置された放電ランプにおいて、陰極にトリウム以外のエミッタを添加しても、当該エミッタの早期の枯渇を防止して、電子放射機能を長時間維持し、ランプのフリッカー寿命の長期化を図るようにするとともに、当初の点灯時の点灯始動性に優れた構造を提供する。【解決手段】陰極3が、本体部31とその先端側に接合された先端部32とからなり、前記本体部は、トリウムを含まない高融点金属材料から構成され、前記先端部は、エミッタ(トリウムを除く)が含有された高融点金属材料から構成されるとともに、前記本体部および/または先端部の内部に形成された密閉空間33内に、前記先端部に含有されたエミッタ濃度よりも高濃度のエミッタ(トリウムを除く)が含有された焼結体34が埋設されているとともに、前記焼結体が、希土類複合酸化物を含んで構成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、陰極に電子放射を良好にするためのエミッタを含有してなる放電ランプに関するものであり、特に、トリウム以外のエミッタを含有してなる放電ランプに係わるものである。
一般に、高入力で高輝度な放電ランプなどにおいては、その陰極には、電子放射を容易にするためにエミッタが添加されている。例えば、特開2012−15008号公報(特許文献1)には、エミッタとして酸化トリウムを含有する放電ランプ用の陰極が開示されている。
しかしながら、トリウムは放射性物質として法的規制の対象であり、その管理や取り扱いに慎重な配慮が必要であって、そのためにトリウムに代わる代替物質が要望されている。
上記トリウムの代替物質として希土類元素およびその化合物をエミッタとして用いる電極が提案されている。希土類元素は、仕事関数(一般的に、物質表面から外方へ電子が飛び出す際に必要なエネルギー量を指す)が低く電子放射に優れた物質であり、トリウムの代替物質として期待されている。
特表2005−519435号号公報(特許文献2)には、陰極の材料であるタングステンにエミッタとして付加的に酸化ランタン(La)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)などを含有させた放電ランプが開示されている。
しかしながら、酸化ランタン(La)のような希土類酸化物は、酸化トリウム(ThO)より蒸気圧が高いために比較的蒸発しやすい。そのため、陰極に含有させるエミッタとして酸化トリウムに代えて希土類酸化物を用いた場合、当該希土類酸化物が過度に蒸発してしまい、早期に枯渇してしまうという事態が発生する。このエミッタの枯渇により、陰極における電子放射機能が失われてしまい、フリッカーが生じてしまってランプ寿命が短くなるという問題がある。
また、電子放射特性に寄与するエミッタは陰極の先端に存在するものだけであり、陰極後端から先端に向けての運搬が迅速に行われず、先端でのエミッタの蒸発に追いつかないことも一因といえる。
このためトリウム以外のエミッタ物質を使った放電ランプにおいては、点灯が早期に不安定になるなどの問題がいまだ残るというのが実情である。特に、1kW以上の高入力の放電ランプにあっては、希土類元素やバリウム系物質の蒸気は、放電ランプを不安定な点灯に導くことが顕著である。
また、陰極の内部に酸化物の状態で含有されているエミッタは、放電ランプの点灯中に温度が上昇することにより金属の状態に還元されてエミッタとして供給される。酸化物を還元するにはある程度の温度上昇が必要であるが、そうすると点灯初期のエミッタ供給には時間がかかり、エミッタの枯渇の原因となる。
特開2012−15008号公報 特表2005−519435号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、発光管の内部に、陰極と陽極とが対向配置された放電ランプにおいて、陰極にトリウム以外のエミッタを添加しても、当該エミッタの早期の枯渇を防止して、電子放射機能を長時間維持し、ランプのフリッカー寿命の長期化を図るようにするとともに、当初の点灯時の点灯始動性に優れた構造を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、この発明では、前記陰極が、本体部とその先端側に接合された先端部とからなり、前記本体部は、トリウムを含まない高融点金属材料から構成され、前記先端部は、エミッタ(トリウムを除く)が含有された高融点金属材料から構成されるとともに、前記本体部および/または先端部の内部に形成された密閉空間内に、前記先端部に含有されたエミッタ濃度よりも高濃度のエミッタ(トリウムを除く)が含有された焼結体が埋設されているとともに、前記焼結体が、希土類複合酸化物を含んで構成されていることを特徴とする。
また、前記希土類複合酸化物は、元素周期律表上の第4A族、第5A族、及び第6A族から選択された元素と、酸素と、からなる酸化物、を含有していることを特徴とする。
また、前記希土類複合酸化物は、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化イットリウム(Y)のいずれかと高融点金属との化合物からなることを特徴とする。
本発明によれば、本体部と先端部とからなる陰極における、本体部および/または先端部の内部に形成された密閉空間内に、前記先端部に含有されたエミッタ濃度よりも高濃度のエミッタ(トリウムを除く)が含有された焼結体が埋設されていることにより、エミッタ焼結体が直接先端面に露出することがなく、過度に蒸発することがないので、エミッタの早期の枯渇を防止できて安定的な点灯性がもたらされ、しかも、焼結体が、その内部に希土類複合酸化物を含んでいることにより、通常の酸化物の状態よりも低い温度でエミッタ(金属)の状態に還元される。これにより、電極の温度がより低い状態から、すなわちランプの点灯始動時から、焼結体からのエミッタの供給が円滑に行われ、点灯初期からエミッタ枯渇が生じることなく、安定したランプ点灯状態を得ることができる。
また、前記希土類複合酸化物が、元素周期律表上の第4A族、第5A族、及び第6A族から選択された元素と、酸素と、からなる酸化物、を含有していることにより、酸化物状態の融点に比べて、複合酸化物状態での融点が低くなるので、本願発明の効果を確実に発揮することができる。
更に、前記希土類複合酸化物が、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化イットリウム(Y)のいずれかと高融点金属との化合物からなることで、酸化物の状態と比較して顕著な融点の低下が生じるので、より低温状態においての還元作用が期待できる。
本発明に係る陰極構造を有する放電ランプの全体図。 本発明のいくつかの実施例を表す陰極構造図。 本発明の陰極の製造工程図。 本発明における希土類複合酸化物の融点の一例を示す表。
図1は、この発明の陰極構造を有する放電ランプの全体構造を示し、放電ランプ1は発光管2の内部に陰極3と陽極4とが対向配置されている。
図2に示されるように、陰極3は、本体部31と、その先端に接合された先端部32とからなる。
前記本体部31は、トリウムを含まない、タングステンやモリブデンなどの高融点金属材料からなる。
そして、前記先端部32は、前記本体部31の先端側、即ち、陽極4と対向する面に固相接合、溶接などの適宜な接合手段により接合されている。当該先端部32には、トリウム以外のエミッタが適宜含有量で含有されている(以下、先端部に含まれるエミッタを第1エミッタともいう)。
このトリウム以外の第1エミッタとしては、例えば、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化イットリウム(Y)などが単体、もしくはその組み合わせで用いられる。
ここで、第1エミッタの含有量は、例えば、0.1重量%〜5.0重量%、さらに望ましくは0.5〜2.5重量%と低めに設定される。この第1エミッタは、ランプの当初の点灯時における始動性を確保するためのものであって、濃度が低めに設定されるのは、放電アークに曝されてエミッタが過度に蒸発することを防止するためである。
つまり、第1エミッタの含有量が、0.1重量%未満の場合、点灯初期において電子放出に必要となるエミッタ濃度を確保できず、ランプ電圧の上昇や変動の増大が、発生する。また、含有量が、5.0重量%を超えてしまうと、タングステン材料等の製造の際に、焼結体が脆くなってしまい、焼結工程やスウェージ工程での割れに起因する破損が発生しやすくなるだけでなく、仮に、製造できた場合でも、先端部に使用した場合に、エミッタの蒸発が顕著になり、バルブの黒化(白濁)を促進してしまうため好ましくない。
さらに、先端部32にはタングステン粒の再結晶化による粒成長を抑制するための粒安定剤が添加されていてもよい。この粒安定剤は、具体的には例えば酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化ハフニウム(HfO)である。
図2に示されるように、陰極3の内部には、密閉空間33が形成されていて、該密閉空間33内には、トリウム以外のエミッタとして、希土類複合酸化物が含有された焼結体34が埋設されている(以下、焼結体に含まれるエミッタを第2エミッタともいう)。
この焼結体34に含有される第2エミッタ(希土類複合酸化物)の濃度は、前記先端部32に含有される第1エミッタの濃度よりも高濃度に設定されていて、例えば、10重量%〜80重量%である。
この希土類複合酸化物の濃度が、10重量%未満であると、陰極3内部に格納できる焼結体34のサイズの関係から、陰極先端部32に供給するエミッタ量を確保することが難しくなってしまう。また、80重量%を超えてしまうと、焼結体34のタングステン等の構成材料の割合が減少してしまい、酸化物の還元による生成物が減少してしまうため、いずれの場合も、陰極の寿命を短くしてしまうことになる。
図2(A)は、密閉空間33が本体部31側に形成されていて、焼結体34は実質的には、該本体部31内に埋設されている。
図2(B)は、密閉空間33が、本体部31と先端部32とに跨って形成されていて、焼結体34はこの本体部31と先端部32とに跨るように埋設されている。
図2(C)は、密閉空間33が先端部32側に形成されていて、焼結体34は、実質的には、該先端部32内に埋設されている。
当然ながら、これらの形態のいずれかによって、先端部32の寸法、特に、厚さ寸法が異なってくるが、いずれの形態の場合も、焼結体34の前端は、該陰極先端から1.5mm乃至3.5mmの位置に配置される。また、これらの形態のいずれを選択するかは、製造面での容易性と、先端部32の厚さに依存するコスト、あるいは全体の製造コストなどの兼ね合いで適宜に選択される。
ここで、希土類複合酸化物の原材料となる希土類酸化物は、以下の通りである。
酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化プラセオジウム(Pr11)、酸化ネオジウム(Nd
そして、希土類複合酸化物の例は、以下の通りである。
R:希土類(上記のものと、重希土類)
R−W−O
R−Zr−O
R−Ta−O
R−Nb−O
R−Mo−O
R−Hf−O
R−Ti−O
等である。
これらのうち、好ましい例としては、高温で比較的安定であり、材料も安価であるR−W−O、R−Zr−Oが挙げられる。
前述の希土類複合酸化物は、希土類酸化物と比較するとその融点が低い傾向にある。その一例を示すと、図4に示す表1のようである。
希土類複合酸化物の場合、希土類酸化物と希土類以外(4A属、5A属、6A属)の酸化物を固相反応させてできた酸化物である。このような2種の酸化物の状態図を見た場合、一般的に、いずれかの酸化物が100%の場合の融点より、両方の酸化物から反応してできた酸化物の融点が、下がる傾向にある。特に、希土類酸化物の融点は、2000℃を超える高融点物質であるため、これに固相反応を生じさせてできた希土類複合酸化物は、融点が、低下する傾向にある。
実際に、それぞれの2種類の酸化物の状態図を調べところ、ほとんどの場合、上記の一般的な傾向が成り立っている。
生成した希土類複合酸化物は、希土類の融点より下げる必要があるが、Rn−B−Oの系のように、融点があまり下がりすぎると、Wとの反応が進みすぎるなどの不具合を発生する要因となる。このため、調査した範囲で、希土類複合酸化物の希土類酸化物の相手となる酸化物は、希土類酸化物より低い融点ではあるが、1000℃〜2000℃付近の融点を持つものが好ましく、Wとの反応や希土類以外の酸化物の拡散が生じにくい物質が好ましい。このことから、物質を選定していくと、W,Zr,Ta,Hf,Tiの酸化物が、好ましいことが分かる。これらは、一般的に、4A,5A,6A族の元素である。
図4の表に例示されるように、いずれの場合も、希土類酸化物の融点に比べて、希土類複合酸化物(W,Zr,Ta,Hf,Tiが酸化物として、相を形成している)の融点が、低くなる傾向にある。これは、各々の状態図を確認すると、基本的に、上記の希土類複合酸化物の場合、組成に関わらず、融点は、希土類酸化物単体より、低くなる傾向が読み取れる。
次いで、希土類複合酸化物を含有した焼結体34の作製方法を説明する。
希土類酸化物と4A,5A,6A元素のいずれかの酸化物を、作成する希土類複合酸化物の比率に合わせて、秤量する。これらの酸化物を混合し、焼成ルツボに入れて、多くの場合、大気中で、それぞれの融点×(0.5〜0.9)の温度で、焼成を行う。取り出した粉末は、焼結していることがほとんどであるため、粉砕して、粉末にする。
この場合、作成する希土類複合酸化物は、1種類の希土類酸化物と、1種類の4A,5A,6A元素のいずれかの酸化物であるが、融点調整や電子放出特性の調整のため、各々2種類以上を混合することもできる。
例えば、GdとZrOを1:2で混合して、1800℃で、焼成することで、GdZrを生成することができる。
上記で製作した希土類複合酸化物の粉末とタングステン粉末(W)を、重量比1:1で混合し、バインダ(ステアリン酸)を添加する。これを金型内で加圧・成型したあと、脱脂→本焼成(1800℃付近)を行い、エミッタとして希土類複合酸化物を含むタングステン焼結体を完成させる。
こうして形成された希土類複合酸化物の融点は、希土類酸化物の融点より低く、例えば、Ce−W−Oの融点は、最も高い組成で、文献上、2030℃であり、最も低いものは、1020℃程度である。また、Ce−Zr−Oの融点は、2300℃程度である。
いずれの場合も、CeO(希土類酸化物)について報告されている融点の最大値2600℃に比べて低い。
このため、ランプ動作時は、陰極の密閉空間近傍の温度を、融点付近にすることで、上記のCe−W−O、または、Ce−Zr−Oなどの希土類複合酸化物が、溶融近くの温度にまで上昇すると、密閉空間内で、多孔質タングステン中を拡散しやすくなり、多孔質タングステン中を浸透して、多孔質タングステン中の高温側となる陰極先端側に移動しやすくなると推測できる。
これによって、エミッタの供給を円滑にし、希土類複合酸化物が先端部内表面に接触した部分から、Ceなどの希土類エミッタが、先端部を構成するタングステン中に拡散して、陰極先端に運ばれると推定できる。
他の希土類複合酸化物についても、同様に、融点までは至らない高温に保持することで、陰極先端へのエミッタ供給を円滑に行うことができる。
前記焼結体34中に含有する希土類複合酸化物は、陰極3内部に埋設されていることにより、放電アークに直接曝されることがなく、必要以上に加熱されることがないので過度に蒸発することがない。また、焼結体34はランプ点灯に伴い適宜に加熱され、該焼結体34中の希土類複合酸化物は濃度拡散によって先端部32側に移動供給されていく。これにより、先端部32ではエミッタとしての希土類複合酸化物が枯渇することがなく、安定的な点灯性が持続される。
さらに、前記陰極3の先端と前記焼結体34の前端との距離が1.5mm乃至5.0mmとなる位置に焼結体34が埋設されることにより、陰極先端からの希土類複合酸化物の脱離に対して過不足のない希土類複合酸化物の供給が維持される。
また、この焼結体34は、陰極先端側の端面が先端部32に当接した状態であることが望ましい。こうすることにより、焼結体34に含まれる希土類複合酸化物がランプ点灯中に、先端部32に当接していることにより、希土類複合酸化物が粒界拡散によって先端部32側に円滑に且つ速やかに移動して確実に供給されるようになる。
本発明の陰極3を構成する先端部32と焼結体34の機能と作用について説明する。先端部32には、電子放出を行う先端面にエミッタを輸送する拡散経路が構成されており、ランプの当初点灯時には、この先端部32に含有されている第1エミッタが先端面に輸送されて電子放出を行い、確実な初期点灯がなされる。この点灯により先端部32に当初含まれていた第1エミッタは消費されるが、そのエミッタが枯渇するまでに、陰極3内に埋設された焼結体34中の第2エミッタ(希土類複合酸化物)が、先端部32の拡散経路を通って、先端面に供給されていくことにより、先端面でのエミッタの枯渇が生じない。
なお、前述のとおり、本体部31はトリウムを含まないタングステンなどの高融点金属からなるものであるが、トリウム以外のエミッタを含むことを排除するものではない。その場合、高濃度の焼結体34が存在するので、エミッタを先端部32に供給するという点については、本体部31にトリウム以外のエミッタを含むことに特段の利点は存在しないかもしれないが、本体部31と先端部32が同一の材料から構成されることで両者が接合後も同じ熱的物性を有するので点灯時の高温に曝されても一体物の熱的特性と変わらず接合部の不具合の発生が生じにくいなどの別の利点を有する。
本発明の陰極構造について一寸法例を示すと以下の通りである。
陰極の外径:φ12mm、軸方向の長さ:21mm
先端部の寸法:軸方向長さ2mm、材料例:酸化ランタン(エミッタ)、酸化ジルコニウム(タングステン粒子粗大化抑制剤)をドープしたタングステン
本体部の寸法:軸方向長さ19mm、材料例:純タングステン(不純物濃度が0.1重量%未満であるタングステン)
焼結体の寸法:φ2mm、軸方向長さ:6mm、材料例:Ce−W−O(セリウムタングステート)、タングステンを重量比 1:1で混合、成型、焼結したもの。
次いで、一例として、本発明に係る図2(A)の構造を有する陰極の製造工程を、図3を用いて説明する。
先ず図3(A)に示すように、本体部31を構成する本体部材31aの先端側に密閉空間33を構成する穴33aを形成し、該穴33a内に焼結体34を挿入する。次いで、先端部32を構成する先端部材32aを焼結体34に当接する。
この時、図3(B)に示すように、焼結体34の先端は、本体部31の表面より0.5mm程度の若干量だけ突出している。
図3(C)に示すように、先端部材32aを押圧して、焼結体34を圧縮し、先端部材32aと本体部材31aとを当接する。この際、焼結体34は、本体部31や先端部32の焼結温度よりも低い温度で焼結してあるので、押圧による縮み代は大きく、本体部材31aと先端部材32aの当接により、若干量だけ縮み、焼結体34は先端部材32aと当接した状態となる。
この状態で、拡散接合や抵抗溶接等により本体部材31aと先端部材32aを接合する。
次いで、先端部材32aと本体部材31aの接合後に、陰極3の先端を切削加工する。
これにより、図3(D)に示すように、本体部31の先端に先端部32が接合され、その内部の密閉空間33内に焼結体34が密閉埋設された陰極3の最終形状が得られる。
以上説明したように、本発明においては、トリウム以外の低濃度のエミッタを含む先端部を本体部に接合してなる陰極において、先端部および/または本体部内にエミッタとして高濃度の希土類複合酸化物を含有した焼結体を埋設した陰極構造とすることで、埋設した焼結体からの過度のエミッタ(希土類複合酸化物)の移送蒸発を防止して早期の枯渇を防止するとともに、焼結体の温度を、融点付近にすることで、上記の希土類複合酸化物が、溶融近くの温度にまで上昇して、多孔質タングステン中に拡散しやすくなり、これに浸透して、多孔質タングステン中の高温側となる陰極先端側に移動しやすくなり、エミッタの供給が円滑となるという効果を奏するものである。
1 放電ランプ
2 発光管
3 陰極
31 本体部
32 先端部
33 密閉空間
34 焼結体
4 陽極


Claims (3)

  1. 発光管の内部に陰極と陽極とが対向配置された放電ランプにおいて、
    前記陰極は、本体部とその先端面に接合された先端部とからなり、
    前記本体部は、トリウムを含まない高融点金属材料から構成され、
    前記先端部は、エミッタ(トリウムを除く)が含有された高融点金属から構成されるとともに、
    前記本体部および/または先端部の内部に形成された密閉空間内に、前記先端部に含有されたエミッタ濃度よりも高濃度のエミッタが含有された焼結体が埋設され、
    前記焼結体は、希土類複合酸化物を含んで構成されていることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記希土類複合酸化物は、元素周期律表上の第4A族、第5A族、及び第6A族から選択された元素と、酸素と、からなる酸化物、を含有していることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記希土類複合酸化物は、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化イットリウム(Y)のいずれかと高融点金属との化合物からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電ランプ。



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