JP5825166B2 - 電子写真感光体用添加剤、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、「導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体において、該電子写真感光体の最外層がフルオロアルキル基を有する電荷輸送材料及びフッ素樹脂粒子を含有する樹脂層からなることを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
例えば、特許文献2には、「所定の式で表わされる含フッ素N,N,N’,N’−テトラアリールベンジジン誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
例えば、特許文献3には、「所定の式で表わされるフルオロアルキル基を有するスチルベン誘導体」開示されている。
例えば、特許文献4には、「所定の式で表わされるフルオロアルキル基を有するジアミン化合物」が開示されている。
例えば、特許文献5には、「所定の式で表わされる電子写真感光体用添加剤」が開示されている。
請求項1に係る発明は、
下記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤。
一般式(III)中、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数6以上20以下のアリール基を表し、Xは下記式(IV)、式(V)又は式(VI)で表される2価の有機基を表す。
前記一般式(I)において、Rfが分岐を2個以上有する炭化水素基である、請求項1に記載の電子写真感光体用添加剤。
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた感光層と、
を有し、
最表面層が、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層である、電子写真感光体。
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた感光層と、
を有し、
最表面層が、電荷輸送材料と、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層である、電子写真感光体。
前記最表面層が、前記感光層上に設けられた表面保護層である、請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体。
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置、前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置から選ばれる少なくとも1種と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤は、下記一般式(I)で表される化合物である。
一般式(III)中、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数6以上20以下のアリール基を表し、Xは下記式(IV)、式(V)又は式(VI)で表される2価の有機基を表す。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
したがって、電子写真感光体の最表面層の形成用組成物に、フッ素樹脂粒子と共に本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤を含ませると、フッ素樹脂粒子の分散助剤の使用量を減じても、この組成物はフッ素樹脂粒子の分散性に優れると考えられる。フッ素樹脂粒子の分散助剤としては、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するクシ型ポリマーを用いる場合が多い。しかしこの化合物は感光層の残留電位を上昇させて帯電安定性を損なう原因になりやすいところ、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤を用いれば、最表面層の形成に使用する前記化合物の使用量を低減し得る。
そして、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤は、フッ素化された炭化水素基と電荷輸送骨格と特定の連結基とのみを有する構造であるため、電子写真感光体の最表面層に適用した場合に、最表面層の電気特性に悪影響を及ぼし難いと考えられる。
以上のことから、電荷輸送性材料とフッ素樹脂粒子と本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤とを含む組成物を用いて形成された電子写真感光体の最表面層は、帯電安定性に優れ、使用による電気特性の変化が起こり難いと考えられる。
その結果、上記の電子写真感光体を備えた画像形成装置は、電子写真感光体の電気特性の変化に起因する、画質の濃度ムラや粒状性(画質のざらつき)等の画像欠陥の発生が抑制されると考えられる。
その結果、結着樹脂と本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤を含む組成物を用いて形成された電子写真感光体の最表面層は、帯電安定性に優れ、使用による電気特性の変化が起こり難いと考えられる。
加えて、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤は、電荷輸送骨格を有する化合物であることから、電荷輸送材料としての機能を発揮すると考えられる。したがって、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤を電子写真感光体の感光層に含ませて、電荷輸送材料として用い得る。
前記一般式(I)中、Aは前記一般式 (II)又は一般式(III)で表されるアリールアミンから誘導されるm価の有機基を表す。
前記一般式(II)及び一般式(III)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7で表される、置換又は無置換の炭素数6以上20以下のアリール基としては、例えば、以下の構造の置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
n21が2以上のとき、R21は同じでもよく異なっていてもよい。n22が2以上のとき、R22は同じでもよく異なっていてもよい。n23が2以上のとき、R23は同じでもよく異なっていてもよい。
n31が2以上のとき、R31は同じでもよく異なっていてもよい。n32が2以上のとき、R32は同じでもよく異なっていてもよい。n33が2以上のとき、R33は同じでもよく異なっていてもよい。n34が2以上のとき、R34は同じでもよく異なっていてもよい。
R35は、水素原子又はメチル基であり、望ましくは水素原子である。
Rfで表される炭化水素基における分岐の個数は、主鎖から枝分かれした側鎖の個数と、さらに各側鎖における主鎖から枝分かれした側鎖の個数の合計である。ここで、炭化水素基における主鎖とは、炭化水素基を構成する炭素原子が最も数多く連続する鎖を意味し、側鎖とは主鎖に結合する鎖を意味する。それぞれの側鎖においても、その側鎖を構成する炭素原子が最も数多く連続する鎖を主鎖とみなし、当該主鎖に結合する鎖を側鎖とみなす。
前記Rf−1乃至Rf−10の分岐数は、Rf−1、Rf−2、Rf−3、Rf−4及びRf−5が1個であり、Rf−6が2個であり、Rf−7及びRf−8が3個であり、Rf−9及びRf−10が4個である。
Rfで表される炭化水素基における分岐の個数は、2個以上が望ましく、3個以上がより望ましい。
また、Rfで表される炭化水素基は、フッ素樹脂粒子の分散性の観点から、水素原子の複数個がフッ素原子に置換されていることが望ましく、水素原子のすべてがフッ素原子に置換されていることがより望ましい。
さらに上記の観点から、Rfで表される炭化水素基は、炭素数が5以上10以下で水素原子のすべてがフッ素原子に置換されていることが望ましく、炭素数が7以上10以下で水素原子のすべてがフッ素原子に置換されていることがより望ましく、炭素数が9又は10で水素原子のすべてがフッ素原子に置換されていることが更に望ましい。
前記一般式(I)中、Aが前記一般式 (II)で表されるアリールアミンから誘導される有機基の場合、mは、1以上3以下の整数が望ましく、1又は2がより望ましい。
前記一般式(I)中、Aが前記一般式 (III)で表されるアリールアミンから誘導される有機基の場合、mは、2以上4以下の整数が望ましく、2又は3がより望ましく、2が更に望ましい。
なお、表5乃至8中のAr−7乃至Ar−24は下記の構造の置換基を表し、「*」は窒素原子との結合位置を表し、「**」は「−(T)l−O−C(=O)−C6H4−O−Rf」との結合位置を表す。T−1等は、前記一般式(I)におけるTの具体例として既述した2価の炭化水素基であり、Rf−1等は、前記一般式(I)におけるRfの具体例として既述した炭化水素基である。
含フッ素エステル化合物は、水酸基を有するアリールアミン化合物の水酸基に対し1当量以上用いることが望ましく、1.2当量以上用いることがより望ましく、1.5当量以上用いることが更に望ましい。
エステル交換反応は、さらに、硫酸、リン酸等の無機酸;チタンアルコキシド;カルシウム、コバルト等の酢酸塩又は炭酸塩;亜鉛、鉛等の酸化物;等を触媒として加えて行ってもよい。触媒は、水酸基を有するアリールアミン化合物1質量部に対して、1/10000質量部以上1質量部以下用いることが望ましく、1/1000質量部以上1/2質量部以下用いることがより望ましい。
エステル交換反応は、反応温度100℃以上300℃以下で行うことが望ましく、脱離するアルコールの沸点以上で行うことがより望ましい。エステル交換反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス中で行うことが望ましい。エステル交換反応には、p−シメン、1−クロロナフタレン等の高沸点溶剤を用いてもよい。
含フッ素エステル化合物は、例えば、含フッ素カルボン酸とアルコールとを酸触媒を用いて脱水反応させることによって合成される。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、最表面層が、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層である、電子写真感光体である。
ここで前記組成物には、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤が1種含まれても2種以上含まれてもよい。
なお、「最表面層が、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層」には、以下の(1)及び(2)が含まれる。
(1)最表面層が、結着樹脂と、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含んで構成された層。
(2)最表面層が、反応性電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物の硬化膜で構成された層。
本実施形態に係る電子写真感光体によれば、最表面層が、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、前記一般式(I)で表される化合物以外の電荷輸送骨格及びフッ素化炭化水素基を有する化合物と、を含む組成物により形成された層である場合に比べ、電気特性の変化が抑制される電子写真感光体が提供される。
ここで前記組成物には、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤が1種含まれても2種以上含まれてもよい。
なお、「最表面層が、電荷輸送材料と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層」には、以下の(3)及び(4)が含まれる。
(3)最表面層が、結着樹脂と、電荷輸送材料と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含んで構成された層。
(4)最表面層が、反応性電荷輸送材料と、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物の硬化膜で構成された層。
他の本実施形態に係る電子写真感光体によれば、最表面層が、電荷輸送材料と、前記一般式(I)で表される化合物以外の電荷輸送骨格及びフッ素化炭化水素基を有する化合物と、を含む組成物により形成された層である場合に比べ、クリーニング性に優れる電子写真感光体が提供される。
図1乃至図3は、それぞれ本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示す電子写真感光体10は、導電性基体4上に下引層1が設けられ、下引層の上に感光層として電荷発生層2及び電荷輸送層3が設けられ、さらに最表面層となる表面保護層5が設けられている。
図2に示す電子写真感光体10は、図1に示す電子写真感光体10と同様に電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層を備えているが、下引層1の上に電荷輸送層3、電荷発生層2、表面保護層5が順次設けられている。
図3に示す電子写真感光体10は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層、すなわち単層型感光層6(電荷発生/電荷輸送層)に含有し、感光層6の上には表面保護層5が設けられている。
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
下引層は、導電性基体表面における光反射の防止、導電性基体から感光層への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。
下引層に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
また、下引層形成用塗布液中に粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂中とを含んで構成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、例えば10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送材料と、必要に応じて結着樹脂と、を含んで構成される。そして、電荷輸送層が最表面層に該当する場合、電荷輸送層は、本実施形態に係る電子写真感光体用添加剤を含む。
中でも、電荷移動度の観点から、以下の式(B−1)乃至(B−3)で表される化合物が望ましい。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は、例えば10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
表面保護層は、前記感光層上に設けられた最表面層である。表面保護層は、具体的には、反応性電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物の硬化膜で構成される。
つまり、表面保護層は、反応性電荷輸送材料の重合体(又は架橋体)と、フッ素樹脂粒子と、前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤と、を含む電荷輸送性硬化膜で構成されている。
さらに前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤が反応性基を有する場合は、表面保護層は、反応性電荷輸送材料の重合体(又は架橋体)と、フッ素樹脂粒子と、反応性電荷輸送材料と前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤との重合体(又は架橋体)と、を含む電荷輸送性硬化膜で構成されている。なお、この場合、表面保護層には、前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤どうしの重合体(又は架橋体)及び未反応の前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤が含まれていてよい。
反応性電荷輸送材料は、−OH、−OCH3、−NH2、−SH、−COOH、及び、炭素二重結合を持つ官能基を有する基から選択される置換基の少なくとも1つを持つ電荷輸送材料の少なくとも1種であることがよい。特に、反応性電荷輸送材料としては、−OH、−OCH3、−NH2、−SH、−COOH、及び、炭素二重結合を持つ官能基を有する基から選択される置換基を少なくとも2つ(さらには3つ)持つ電荷輸送材料が望ましい。この如く、電荷輸送材料に反応性官能基(当該置換基)が増えることで、架橋密度が上がり、より強度の高い硬化膜(架橋膜)が得られる。
Fr−(D)n3 ……一般式(C)
一般式(C)中、Frは電荷輸送能を有する化合物から誘導される有機基(電荷輸送骨格)を表し、Dは、−(−R11−Z)n1(R12)n2−Y(但し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分鎖状のアルキレン基を表し、Zは酸素、NH、又は硫黄原子を表し、Yは−OH、−OCH3、−NH2、−SH又は−COOHを表し、n1は0又は1を表し、n2は0又は1を表す。)、又は炭素二重結合を持つ官能基を有する基を表し、n3は1以上4以下の整数を表す。
Dで表される炭素二重結合を持つ官能基を有する基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリルビニルエーテル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを有する基(特に、これら基を末端に有する基)が挙げられる。
ArC5は置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のアリーレン基を表す。
Dは、−(−R11−Z)n1(R12)n2−Y(但し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分鎖状のアルキレン基を表し、Zは酸素、NH、又は硫黄原子を表し、Yは−OH、−OCH3、−NH2、−SH又は−COOHを表し、n1は0又は1を表し、n2は0又は1を表す。)、又は−(CH2)d−(O−CH2−CH2)e−O−CO−C(R’)=CH2(但し、R’は水素原子、又はメチル基を表し、dは1以上5以下の整数を表し、eは0又は1を表す。)を表す。e1乃至e5はそれぞれ独立に0又は1を表し、Dの総数は1以上4以下である。kは0又は1を表す。
ArC1乃至ArC5に関し、置換アリール基及び置換アリーレン基における置換基としては、D以外のものとして、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6以上10以下のアリール基等が挙げられる。
ここで、式(7)中のArとしては、下記式(8)又は(9)で表されるものが望ましい。
式(7)中のZ’としては、下記式(10)乃至(17)のいずれかで表されるものが望ましい。
上記式(16)及び(17)中のWとしては、下記(18)乃至(26)で表される2価の基のいずれかであることが望ましい。但し、式(25)中、uは0以上3以下の整数を表す。
フッ素樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の粒子が挙げられる。
フッ素樹脂粒子は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
なお、フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)を用いて、フッ素樹脂粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液を屈折率1.35で測定した値をいう。
フッ化アルキル基含有共重合体としては、例えば、下記構造式(E)及び構造式(F)で表される繰り返し単位を持つフッ化アルキル基含有共重合体が挙げられる。
X’及びY’で表されるアルキレン鎖(無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖)としては、炭素数1以上10以下のアルキレン鎖が望ましい。
Y’で表される−(CzH2z−1(OH))−中のzは、1以上10以下の整数が望ましい。
p’、q’、r’及びs’はそれぞれ独立に、0又は1以上10以下の整数が望ましい。
R105、R106で表される基としては、水素原子、メチル基、エチル基が望ましく、メチル基がより望ましい。
フッ化アルキル基含有共重合体は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
フッ化アルキル基含有共重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。
表面保護層には、反応性電荷輸送材料(例えば一般式(C)で表される化合物)と共に、フェノール樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂などを併用してもよい。また、強度を向上させるために、スピロアセタール系グアナミン樹脂(例えば「CTU−グアナミン」、味の素ファインテクノ(株)製)など、一分子中の官能基の個数がより多い化合物を当該架橋物中の材料に共重合させることも効果的である。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香属アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機イオウ系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤が挙げられる。
ここで、アルコールに溶解する樹脂とは、炭素数5以下のアルコールに1質量%以上溶解する樹脂を意味する。アルコールに溶解する樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂が挙げられる。
表面保護層には、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。
表面保護層には、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等を添加してもよい。
そして、表面保護層形成用塗布液を、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の公知の方法により塗布し、必要に応じて例えば温度100℃以上170℃以下で加熱して硬化させることで、表面保護層が得られる。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。単層型感光層の厚さは5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下がより望ましい。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図4に示すように、例えば、矢印Aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、記録紙P(被転写媒体)をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて記録紙Pに電子写真感光体10上のトナー像を転写させる転写装置50と、電子写真感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置70(トナー除去手段の一例)とを備える。そして、トナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、トナー像を定着させる定着装置60が設けられている。
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。また、帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。帯電装置20としては、接触型帯電器がよい。
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザー光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザーの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザーや青色レーザーとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザーも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザー光源も有効である。
現像装置40は、例えば、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容する容器内に、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置された現像ロール41が備えられた構成が挙げられる。現像装置40としては、2成分現像剤により現像する装置であれば、特に制限はなく、周知の構成が採用される。
現像剤は、トナーからなる一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤であってもよい。
転写装置50としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
クリーニング装置70は、例えば、筐体71と、クリーニングブレード72と、クリーニングブレード72の電子写真感光体10回転方向下流側に配置されるクリーニングブラシ73と、を含んで構成されている。また、クリーニングブラシ73には、例えば、固形状の潤滑剤74が接触して配置されている。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、これに限られず、例えば、少なくとも、電子写真感光体10を備えていればよく、その他、例えば、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、転写装置50、及びクリーニング装置70から選択される少なくとも一つを備えていてもよい。
以下において「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(一般式(I)で表される化合物の合成)
下記構造式で表されるアリールアミン化合物(A)5g、下記構造式で表される含フッ素オキシ安息香酸エステル(B)8.6g、テトラブトキシチタン0.1gを50mlのフラスコに入れ、窒素雰囲気下、150℃で10時間反応させた。反応液をトルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状物として、表2に示す化合物(I)−8を3.1g得た。化合物(I)−8のIRスペクトルを図6に示す。
(一般式(I)で表される化合物の合成)
前記アリールアミン化合物(A)5g、下記構造式で表される含フッ素オキシ安息香酸エステル(C)20g、テトラブトキシチタン0.1gを50mlのフラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃で15時間反応させた。反応液をトルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状物として表2に示す化合物(I)−7を6.2g得た。化合物(I)−7のIRスペクトルを図7に示す。
(電子写真感光体−1の作製)
酸化亜鉛(テイカ社製、平均粒子径70nm、比表面積値15m2/g)100部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(信越化学社製KBM502)1.2部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。この表面処理酸化亜鉛110部を、テトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、アリザリン1.5部をテトラヒドロフラン50部に溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与した酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
(電子写真感光体−2の作製)
ルブロンL−2とGF−300を用いなかった以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−2とする。
(電子写真感光体−3の作製)
化合物(I)−7を表3に示す化合物(I)−10に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−3とする。
(電子写真感光体−4の作製)
化合物(I)−7を表3に示す化合物(I)−11に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−4とする。
(電子写真感光体−5の作製)
化合物(I)−7を表5に示す化合物(I)−27に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−5とする。
(電子写真感光体−6の作製)
化合物(I)−7を表6に示す化合物(I)−65に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−6とする。
(電子写真感光体−7の作製)
化合物(I)−7を表7に示す化合物(I)−86に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−7とする。
(電子写真感光体−8の作製)
化合物(I)−7を表8に示す化合物(I)−111に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−8とする。
(電子写真感光体−9の作製)
前記化合物(D)及び前記基本単位1が連なった高分子化合物を、下記構造式で表される化合物(E)及び下記基本単位2が連なった高分子化合物に代えた以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−9とする。
(電子写真感光体−10の作製)
化合物(I)−7、ルブロンL−2及びGF−300を用いなかった以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。
実施例1で合成した化合物(I)−8を0.5部、下記構造式で表される化合物(F)3部、下記構造式で表される化合物(G)0.4部、酸硬化触媒(楠本化成製Nacure2500)0.01部及びGF−400(分散助剤、東亞合成(株)製)0.01部をシクロペンチルメチルエーテル8部及びシクロペンタノール2部の混合液に溶解させた後、ルブロンL−2を0.03部加えてナノマイザーで分散混合し塗布液を得た。この塗布液を上記で得た電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、150℃で30分加熱処理して硬化させ、膜厚6μmの表面保護層を形成した。これを電子写真感光体−10とする。
(電子写真感光体−11の作製)
電子写真感光体−10と同様にして電荷輸送層までを作製した。
実施例2で合成した化合物(I)−7を0.5部、下記構造式で表される化合物(H)4部、前記化合物(D)1部、前記基本単位2が連なった高分子化合物1部、重合開始剤(大塚化学製OTazo-15)0.1部、ルブロンL−2を0.3部、及びGF−400を0.01部、モノクロロベンゼン6部に溶解し塗布液を得た。この塗布液を上記で得た電荷輸送層の上にスプレー塗布し、室温で1時間風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素雰囲気下で155℃、45分加熱処理して硬化させ、膜厚8μmの表面層保護を形成した。これを電子写真感光体−11とする。
(電子写真感光体−12の作製)
化合物(I)−7を用いず、GF−300を0.04部に変更した以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−12とする。
(電子写真感光体−13の作製)
化合物(I)−7、ルブロンL−2及びGF−300を用いなかった以外は電子写真感光体−1と同様にして電荷輸送層までを作製した。これを電子写真感光体−13とする。
(電子写真感光体−14の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−8を用いず、GF−400を0.03部に変更した以外は電子写真感光体−10と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−14とする。
(電子写真感光体−15の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−7を用いず、GF−400を0.02部に変更した以外は電子写真感光体−11と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−15とする。
(電子写真感光体−16の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−8を下記構造式で表される化合物(I)に代え、GF−400を0.03部に変更した以外は電子写真感光体−10と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−16とする。
(電子写真感光体−17の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−7を電荷輸送性を示さない下記構造式で表される化合物(J)に代え、GF−400を0.05部に変更した以外は電子写真感光体−11と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−17とする。
(電子写真感光体−18の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−8を下記構造式で表される化合物(K)に代え、GF−400を0.04部に変更した以外は電子写真感光体−10と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−18とする。
(電子写真感光体−19の作製)
表面保護層の形成において化合物(I)−7を下記構造式で表される化合物(L)に代え、GF−400を0.05部に変更した以外は電子写真感光体−11と同様にして表面保護層までを作製した。これを電子写真感光体−19とする。
上記で得た電子写真感光体−1乃至19について、以下の評価を行った。結果を表9に示す。
電子写真感光体−1乃至19のいずれかを搭載した富士ゼロックス製画像形成装置Color 1000 Pressを準備し、画像形成速度を2分の1に設定変更した。クリーニングブレードは、電子写真感光体の回転方向とは逆向きの方向に向けて接触角23°、接触荷重3g/mmの条件で配置した。帯電装置には、電子写真感光体の表面の初期帯電電位が−800Vになるように電圧を印加し、この時の印加電圧を保った。
この画像形成装置を用いて、富士ゼロックス社製C2紙A4紙を使用し、30℃、85%RHの環境下で、文字とパッチのある総合パターンにて、5万枚の画像形成を連続して行った。
上記の画像形成後、電子写真感光体の表面の帯電電位(V)を電位プローブを用いて測定し、初期帯電電位(−800V)から上昇した分の差(△VH(V))によって以下の基準に従って帯電安定性を判定した。
A:△VH15V未満
B:△VH15V以上30V未満
C:△VH30V以上
続いて、10℃、15%RHの環境下で、同様に5万枚の画像形成を連続して行い、電子写真感光体の摩耗率(nm/Kcycle)および表面粗さ(十点平均粗さRz(μm))を測定し、また、電子写真感光体の表面上における、トナーや、トナー及び感光層表面の硬化物に由来する汚れ等の付着物の付着の有無を評価した。
A:付着なし
B:部分的(面積の30%以下)に付着あり
C:広範(面積の30%超)に付着あり
A:画質欠陥なし
B:部分的(面積の10%以下)にスジ等の画質欠陥あり
C:広範(面積の10%超)にスジ等の画質欠陥あり
A:転写効率90%以上
B:転写効率85%以上90%未満
C:転写効率85%未満
A:ざらつき感なし
B:部分的(面積の10%以下)にざらつき感あり
C:広範(面積の10%超)にざらつき感あり
したがって、前記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤は、電子写真感光体の電気特性の変化を抑制すると共に、電子写真方式による画像形成の際に画像欠陥の発生を抑制することがわかる。
Claims (7)
- 下記一般式(I)で表される電子写真感光体用添加剤。
(一般式(I)中、Aは下記一般式 (II)又は一般式(III)で表されるアリールアミンから誘導されるm価の有機基を表し、Tは炭素数1以上10以下の2価の炭化水素基を表し、Rfは水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数3以上10以下の分岐した炭化水素基を表し、lは0又は1を表し、mは1以上4以下の整数を表す。)
(一般式(II)中、Ar1、Ar2及びAr3はそれぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数6以上20以下のアリール基を表す。
一般式(III)中、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数6以上20以下のアリール基を表し、Xは下記式(IV)、式(V)又は式(VI)で表される2価の有機基を表す。)
- 前記一般式(I)において、Rfは分岐を2個以上有する炭化水素基である、請求項1に記載の電子写真感光体用添加剤。
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた感光層と、
を有し、
最表面層が、電荷輸送材料と、フッ素樹脂粒子と、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層である、電子写真感光体。 - 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた感光層と、
を有し、
最表面層が、電荷輸送材料と、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用添加剤と、を含む組成物により形成された層である、電子写真感光体。 - 前記最表面層が、前記感光層上に設けられた表面保護層である、請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体。
- 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。 - 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置、前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置から選ばれる少なくとも1種と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
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