JP5824862B2 - 高電圧インバータ装置 - Google Patents
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例えば、電子写真方式による画像形成装置により樹脂トナーが印刷された印刷物に、紫外線硬化型のニスをコーティングしようとすると、樹脂トナーに含まれるワックス成分により、樹脂トナー印刷部分のニスを弾いてしまう場合がある。しかし、大気圧プラズマによる表面処理を行うと、濡れ性が向上するため、ニスコーティングが可能になり、印刷物の付加価値が向上する。その大気圧プラズマを発生させるためには10数KV〜20KVの高電圧が必要となり、インバータ装置によって安全に高電圧を得る必要がある。
入力電圧がSELV以内であると、所定の出力Voutを得るためには、その数10倍から数100倍の昇圧比(倍率)nが必要となる。ここで、
n=Vout/SELV
とすれば、Vout=15KVで、SELV=48Vのときは、n=312.5倍の昇圧が必要になる。
・使用したい動作周波数でトランスとして必要なインダクタンスが得られない。
・トランスの周波数の範囲が狭い。
・誘電損失が増大する。
・高電圧による近接効果による損失が増大する。
これらによって、トランスの性能を低下させてしまう。
また、これらはトランスの持つ磁束密度を最大限有効に活用しようとするものであるが、更に昇圧しようとすると磁束密度が飽和してしまい、それ以上昇圧することができないという不具合があった。
さらに、上記複数の各トランスごとに、そのコアの外周面から所定の間隔を保ってそのトランスが発生する磁束の流れに沿う方向に上記コアを周回する無端状の金属帯を設けたことを特徴とする。
その場合、上記複数のトランスのコアの外周面が隣り合った部分では上記金属帯を共通にすることができる。
上記複数のトランスの各出力巻線の出力電圧波形の時間軸が同期することが望ましい。
さらに、上記複数の各トランスは、出力電圧が共振の鋭さに比例する共振トランスであるのが望ましい。
まず、この発明による高電圧インバータ装置の基礎となる回路構成について説明する。
〔基本的な第1実施例:図1〜図6〕
図1は、この発明による高電圧インバータ装置の基本的な実施例である第1実施例の構成を示す回路図であり、INが入力端子であり、OUTが出力端子である(以後の実施例も同じ)。
そのa点とb点との間に、a点に一端を接続したコンデンサCとアノードをb点に接続したダイオードDとを直列に接続してスナバ回路を構成している。このスナバ回路は第一、第二のトランスT1,T2のリセット用およびスイッチング素子Qswの電圧抑圧用に設けられている。そのスナバ回路は、上記のダイオードDとコンデンサCの直列回路以外にも、図示していないが、コンデンサCに並列に抵抗Rを接続したいわゆるRCスナバ回路もある。
ON時)には、図2に等価回路で示すようになり、入力電源の正極側から破線矢印で示すようにスナバ回路のコンデンサCとダイオードD(この時は接合間容量によりコンデンサとして機能する)を通してスイッチング素子Qswに電流が流れるが、第一、第二のトランスT1、T2の励磁巻線NP1,NP2には殆ど電流が流れず、出力巻線NS1,NS2にも誘起電流は殆ど流れない。
スイッチング素子QswがターンOFFした時(Turn OFF時)には、図4に等価回路で示すようになり、スナバ回路のコンデンサCの充電電荷が放電する。このときダイオードDは、順方向電圧が閾値になるまでの順方向回復時間の間は接合容量によりコンデンサとして機能する。
そのために、トランスT1、T2の特性が同じであることに加えて、スイッチング素子Qswのドレイン端子と各トランスの励磁巻線NP1,NP2の負極側端子との各接続線の長さが略同じになるように、スイッチング素子Qswを配置するのが望ましい。
次に、トランスを2個使用した高電圧インバータ装置の他の実施例である第2〜第4実施例を、図7〜図9によって説明する。これらの図において、図1と同じ部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
図7に示す第2実施例では、同一の特性を持つ別個の第一、第二のトランスT1、T2の出力巻線NS1,NS2は、各出力が電流加算されるように並列に接続されて、出力端子2a,2bへ繋がっている。この実施例によれば、出力電圧Voutはトランスが1個の場合と略同等であるが、出力直電流を倍増できるので出力電力も倍増する。
その他の構成及び作用は、前述した第1実施例と同様である。
しかし、第一のトランスT1の出力巻線NS1と第二のトランスT2の出力巻線NS2とが、出力巻線NS1の上に出力巻線NS2が積み上げられるように直列に接続され、それぞれ接続されていない各端子が出力端子2a,2bへ繋がっている。
その他の構成及び作用は第1実施例と同様である。
次に、トランスを3個使用した高電圧インバータ装置である第5実施例を図10によって説明する。
この第5実施例においては、別個に設けた同一の特性を持つ3個のトランスを使用しており、その第一のトランスT1、第二のトランスT2、第三のトランスT3の各励磁巻線NP1,NP2,NP3が、入力電源の正極とスイッチング素子Qswの正極との間に並列に接続されている。その各トランスT1、T2、T3の出力巻線NS1,NS2,NS3は全て直列に接続され、その出力巻線NS1とNS3のそれぞれ接続されていない方の端子が出力端子2a,2bへ繋がっている。
しかし、現実的には、そのトランスの数は、配置やパターン等が数とともに大きくなるため、不要輻射等のEMIに課題を残すことになるため、4個位までがよいと思われる。
また、第2〜第5実施例においても、出力の直流成分をカットしたい場合には、第1実施例と同様に出力線にコンデンサC0を設けるとよい。
この発明による高電圧インバータ装置における各トランスT1〜T3は共振トランスを用いるのが望ましい。共振トランスではフライバック方式で高電圧を得るため、エネルギーが一次側からトランスに注入される期間と二次側から取り出される期間とが交互になる。すなわち、一次側のスイッチング素子QswがONの期間にエネルギーが励磁エネルギーとして各トランスに蓄えられ、そのスイッチング素子QswがOFFの期間にそれを二次側に吐き出すような動作をする。そのため、各トランスは、スイッチング素子Qswのスイッチング周波数fsw以上の自己共振周波数fo(fsw ≦fo)で共振する。
・Vds=Vout/(N・Nps)
・Vout=Qe・Vin
ここで、共振の鋭さQeについて説明する。周波数に対する共振電流の特性をとると、共振周波数foで共振電流が最大値になるが、その前後の周波数で共振電流が最大値の1/√2になる周波数の幅(半値幅という)をΔfとすると、Qe=fo/Δfで表される無次元数である。
すなわち、接続するトランスの数Nが多くなるほど、ドレイン・ソース間電圧の波高値Vds(Vp-0)の低下が認められた。図11に示す例では、トランスが2個の場合にはVds(Vp-0)が560Vであるが、トランスが3個の場合はVds(Vp-0)が384Vである。
実例として、入力電圧Vinが56V、出力電圧Vout が10.5KV、平均出力が20W〜800Wの場合、トランス2個では耐圧が900Vのところ、トランス3個にすると耐圧が600Vになる。それによって、スイッチング素子QswのON抵抗が著しく低下し、効率(出力電力/入力電力)が大幅に向上する。図10に示した実施例の場合、79.4%の効率を得ることができた。
ここで、この発明による高電圧インバータ装置に使用するトランスの構造の一例を図12及び図13によって説明する。図12はそのトランスの正面図、図13はその巻線部の右半部の縦断面図である。
図12に示すトランス10はコア11と巻線部12とからなる。コア11はフェライト等の磁性材からなり、この例では両側部11bとその間の空間を仕切る中足(中央磁脚)11aを有するE字状のコアを2個向かい合わせに重ねたような形状をなす、例えばFEER42L型のコアである。
この例では図示していないが、巻線するために予め中足11aを覆うように樹脂製のボビンを装着し、その上に巻線部12を巻装するのが一般的である。
この発明による高電圧インバータ装置は、このようなトランスを前述した各実施例のように複数個使用する。例えば、図10によって説明した第5実施例の場合、3個のT1〜T3(それぞれ図12に示したトランス10に相当する)を、図14に示すように、実装基板15上に互いにコア11の外周面の一部である側面11cを隣り合わせて列設する。
そこで、隣接するトランス間の磁気干渉を防ぐためには、隣接するトランス間の間隔Dsを拡げればよいことになる。しかし、そうすると、図10に示したスイッチング素子Qswから各トランスT1〜T3の励磁巻線NP1〜NP3までの配線距離が長くなり、パターンループ長やパターン面積が増大して、スイッチング制御が不安定になったり、不要な輻射ノイズの影響が増大するなどの問題が出てくる。また、高電圧インバータ装置が大型化する要因にもなる。
この金属帯17には、漏れ磁束を電流に変え且つ不要輻射ノイズを発生させないために、燐青銅あるいは銅やアルミニウムなどの反磁性(非磁性)金属を使用するのが望ましいが、鉄などの磁性金属を使用しても十分効果はある。
各トランスT1〜T3のコア11の底面11dと実装基板15の上面との間には、コア11の外周と金属帯17との間隔を距離dに保つためのスペーサ18を介在させている。そのスペーサ18は、樹脂などの電気絶縁性が高く非磁性の材料によって形成される。
コア11の上面や側面と金属帯17との間にも、距離dに保つために必要であれば適宜スペーサを設けてもよい。
この実施例における金属帯19は、各トランスT1、T2、T3のコア11の外周面から所定の距離dを保って、そのコア11を周回する無端状の金属帯を一体化して、複数のトランスのコア11の外周面が隣り合った部分には、その金属帯19の共通の仕切部19aを介在させるようにしている。
11:コア 11a:中足 11c:コアの側面 11d:コアの底面
12:巻線部 12a:絶縁被覆層 15:実装基板 17:金属帯
18:スペーサ 19:金属帯 19a:仕切部 20:制御回路
T1,T2,T3:トランス(共振トランス) Qsw:スイッチング素子
D:ダイオード C,C0:コンデンサ R1:抵抗
NP,NP1,NP2,NP3:トランスの励磁巻線
NS,NS1,NS2,NS3:トランスの出力巻線
Vin:入力電圧 Vout:出力電圧 Es:絶縁層
Claims (6)
- 直流電圧若しくは直流成分に脈流が重畳された電圧を入力電圧とし、該入力電圧をスイッチングしてトランスの一次側の励磁巻線に励磁電流を流し、該トランスの二次側の出力巻線から高電圧を出力する高電圧インバータ装置において、
前記トランスを、同一の特性を持つ個別の複数のトランスによって構成し、該複数のトランスの各励磁巻線を並列又は直列に接続して同時に励磁させるようにし、該複数のトランスの各出力巻線を互いに直列又は並列に接続し、
前記複数の各トランスごとに、そのコアの外周面から所定の間隔を保って該トランスが発生する磁束の流れに沿う方向に前記コアを周回する無端状の金属帯を設けたことを特徴とする高電圧インバータ装置。 - 前記複数のトランスを共通の実装基板上に、互いに前記コアの外周面の一部を前記金属帯を介して隣り合わせにして列接したことを特徴とする請求項1に記載の高電圧インバータ装置。
- 前記複数のトランスの前記コアの外周面が隣り合った部分では前記金属帯を共通にしたことを特徴とする請求項2に記載の高電圧インバータ装置。
- 前記複数のトランスの各励磁巻線を並列に接続して同時に励磁させるようにし、該複数のトランスの各出力巻線を互いに直列に接続したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の高電圧インバータ装置。
- 前記複数のトランスの各出力巻線の出力電圧波形の時間軸が同期するようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の高電圧インバータ装置。
- 前記複数の各トランスは、出力電圧が共振の鋭さに比例する共振トランスであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の高電圧インバータ装置。
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