JP2006211877A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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渉 中堀
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Abstract

【課題】 装置全体を大型化することなく放熱効率を向上させることが可能なスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】 サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61と共振用インダクタ4とにより、LC直列共振を起こさせる。整流回路5のダイオード51,52に加わるサージ電圧を抑止し、消費電力を低減する。また、リンギング抑止回路8を、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に設ける。整流回路5のダイオード51,52に加わる高周波のリンギングを抑止し、熱抵抗の高い部位(トランス3や共振用インダクタ4など)での熱集中を防止することができる。よって、発生した熱がリンギング抑止回路8へと熱分散し、スイッチング電源装置全体の放熱効率が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力直流電圧をスイッチングして得られるスイッチング出力を電力変換トランスの出力巻線に取り出すように構成されたスイッチング電源装置に係わり、特にスイッチング動作に伴うサージ電圧を抑止するための回路(スナバ回路)を備えたスイッチング電源装置に関する。
従来より、スイッチング電源装置として種々のタイプのものが提案され、実用に供されている。その多くは、電力変換トランスの入力巻線に接続されたスイッチ回路のスイッチング動作により入力直流電圧をスイッチングし、スイッチング出力を電力変換トランスの出力巻線に取り出す方式である。スイッチ回路のスイッチング動作に伴い、出力巻線に現れる電圧は、整流回路によって整流された後、平滑回路によって直流に変換されて出力される。
この種のスイッチング電源装置においては、電力伝送ラインに直列に出力整流ダイオードが接続される。したがって、この出力整流ダイオードによる損失を低減させることは、スイッチング電源装置の効率を向上させる上で、極めて有効である。
出力整流ダイオードの損失を低減させるには、順方向電圧降下の小さいダイオードを使用すればよい。ところが、順方向電圧降下の低いダイオードは逆方向耐電圧も低い。このため、出力整流ダイオードとして、順方向電圧降下の低いダイオードを使用する場合には、特に、逆方向電圧を抑制する必要がある。
この種のスイッチング電源装置において、逆方向電圧として最も考慮しなければならないのは、スイッチ回路のオン・オフ動作に伴う、寄生要素に起因したサージ(スパイク)電圧である。サージ電圧は出力整流ダイオードに対して、逆方向電圧として印加される。このようなサージ電圧を抑制する手段として、従来より、いわゆるスナバ回路が知られている。
例えば、特許文献1には、コンデンサや抵抗器、ダイオードを用いたスナバ回路(Rスナバ回路、RCスナバ回路、RCDスナバ回路)が開示されている。
また、例えば本出願人は特許文献2において、LC共振を利用したスナバ回路を提案している。このスナバ回路によればLC共振を利用することで、上記サージ電圧を所定の電圧以下まで抑止することができる。
特開2002−209383号公報 特許第3400443号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2のスナバ回路では、確かに出力整流ダイオードに印加されるサージ電圧は抑制される(例えば、図23の符号W11)ものの、例えば図23の符号W12で示したように、高周波の電圧振幅(リンギング)は依然として残存してしまう。このような高周波成分のリンギングは、トランスやインダクタ(リーケージインダクタを含む)におけるコアロス、または配線における高周波抵抗によって熱へと変換されることで、これらの部位での発熱の要因となる。
ここで一般に、半導体や抵抗器などにおいては放熱器による放熱が容易である一方、トランスやインダクタなどにおいてはそれらの巻線構造に起因して熱抵抗が高くなる傾向にあることから、放熱効率が低下してしまい、十分な放熱を確保するのは容易ではない。そこで従来は、熱抵抗の高いトランスやインダクタに対しても十分な放熱を確保するために、これらトランスやインダクタを大型化することで熱抵抗を下げる手法や、同様にトランスやインダクタを大型化することで磁束密度を下げ、トランスやインダクタでのコアロスを低減することにより発熱を抑制する手法がとられていた。
このように、出力整流ダイオードに対して高周波のリンギングが加わっている従来の技術では、装置全体を大型化することなく放熱効率を向上させるのは困難であり、改善の余地があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、装置全体を大型化することなく放熱効率を向上させることが可能なスイッチング電源装置を提供することにある。
本発明のスイッチング電源装置は、交流電圧を変圧するトランスと、このトランスの1次側に設けられ、直流入力電圧を交流電圧に変換してトランスに供給するスイッチング回路と、トランスの2次側に設けられ、トランスの交流出力電圧を整流する整流回路と、共振用の第1のコンデンサを含んで構成され、整流回路に接続されたサージ電圧抑止回路と、このサージ電圧抑止回路の第1のコンデンサと協働してLC直列共振回路を構成する共振用インダクタと、上記第1のコンデンサおよび上記共振用インダクタのうちの少なくとも一方に並列に接続されたリンギング抑止回路とを備えたものである。
本発明のスイッチング電源装置では、サージ電圧抑止回路の第1のコンデンサと共振用インダクタとが協動してLC直列共振回路として機能することにより、整流回路に加わるサージ電圧が抑止される。また、LC直列共振回路を構成している第1のコンデンサおよび共振用インダクタのうちの少なくとも一方にリンギング抑止回路が並列に接続されていることにより、整流回路に加わる高周波のリンギングが抑止される。したがって、高周波のリンギングがリンギング抑止回路において熱へと変換され、この部分における発熱が促進されることにより、熱抵抗の高いトランスや共振用インダクタでの発熱が抑制される。
本発明のスイッチング電源装置では、上記共振用インダクタがトランスの1次側に設けられ、上記第1のコンデンサがトランスの2次側に設けられているように構成すること可能である。この場合において、上記リンギング抑止回路が、トランスの1次側および2次側のうちの高圧側に配されているように構成することが好ましい。
本発明のスイッチング電源装置では、上記サージ電圧抑止回路が、さらに第1のダイオードと回生用インダクタとを含むように構成することが可能である。
本発明のスイッチング電源装置では、上記リンギング抑止回路が、抵抗器とリンギング抑止用の第2のコンデンサとを含んで構成されているようにすることが可能である。この場合において、上記スイッチング回路が、スイッチング素子を用いて構成されたフルブリッジ型スイッチング回路またはフォワード型スイッチング回路であり、上記リンギング抑止回路における抵抗器および第2のコンデンサが互いに直列接続されているように構成することが可能である。
なお、本発明において、「サージ電圧抑止回路」とは、サージ電圧を抑止する機能を有する回路を意味する。また、「リンギング抑止回路」とは、高周波のリンギングを抑止する機能を有する回路を意味し、トランスや共振用インダクタよりも熱抵抗が低くなるように構成することが可能である。これらの回路は一般に、スナバ回路と呼ばれる。「回生用インダクタ」における「回生用」とは、サージ電圧抑止回路における共振用の第1のコンデンサに蓄えられた電気エネルギー(電荷)を放出して利用に供し得る状態とするための、という意味である。また、「LC直列共振回路」とは、インダクタとコンデンサとが直列に配列された共振回路をいう。
共振用インダクタが「1次側に設けられ」とは、インダクタまたはそれと等価な構造がトランスの1次側に設けられていることを意味するが、この場合には、トランスを介して2次側に等価的なインダクタンスが存在することになり、この等価なインダクタンスとサージ電圧抑止回路のコンデンサとが協働してLC直列共振回路を接続することになる。なお、共振用インダクタは、コイル部品を実際に配置してよいが、これに代えて(あるいはこれと共に)、トランスのリーケージインダクタンスや配線などを含めた直列インダクタンスを利用して構成してもよい。
また、リンギング抑止回路が「1次側および2次側のうちの高圧側に配され」とは、例えば、このスイッチング電源装置が降圧回路の場合は1次側に配され、逆に昇圧回路の場合は2次側に配されることを意味する。
本発明のスイッチング電源装置によれば、サージ電圧抑止回路の第1のコンデンサと共振用インダクタとによりLC直列共振を起こさせるようにしたので、整流回路に加わるサージ電圧を抑止することができ、消費電力を低減することができる。また、リンギング抑止回路を所定の位置に設けることにより、整流回路に加わる高周波のリンギングを抑止するようにしたので、熱抵抗の高い部位での熱集中を防止してリンギング抑止回路へと熱分散させることができ、装置全体の放熱効率を向上させることができる。よって、放熱器を小さくしても十分な放熱を確保することができ、装置全体を小型化することも可能となる。また、放熱器の大きさをそのまま保った場合には、装置全体がより高温まで耐え得るようになることから、装置の動作温度範囲を拡大することも可能となる。さらに、整流回路に加わる高周波のリンギングを抑制することができることから、装置内で発生するノイズを低減することも可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表すものである。このスイッチング電源装置は、図示しない高圧バッテリから供給される高圧の入力直流電圧Vinを、より低い出力直流電圧Voutに変換して、図示しない低圧バッテリに供給するDC−DCコンバータとして機能するものであり、後述するようにセンタタップ型カソードコモン接続のスイッチング電源装置である。
このスイッチング電源装置は、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとの間に設けられたインバータ回路1および平滑コンデンサ2と、1次側巻線31および2次側巻線32,33を有するトランス3と、インバータ回路1と1次側巻線31との間に設けられた共振用インダクタ4とを備えている。1次側高圧ラインL1Hの入力端子T1と1次側低圧ラインL1Lの入力端子T2との間には、図示しない高圧バッテリから出力される入力直流電圧Vinが印加されるようになっている。このスイッチング電源装置はまた、トランス3の2次側に設けられた整流回路5と、この整流回路5に接続されたサージ電圧抑止回路6と、このサージ電圧抑止回路6に接続された平滑回路7とを備えている。
インバータ回路1は、高圧バッテリから出力される入力直流電圧Vinをほぼ矩形波状の単相交流電圧に変換する単相インバータ回路であり、本発明における「スイッチング回路」の一具体例に対応する。このインバータ回路1は、図示しない制御回路から供給されるスイッチング信号(図示せず)によってそれぞれ駆動される4つのスイッチング素子S1,S2,S3,S4をフルブリッジ接続してなるフルブリッジ型のスイッチング回路である。スイッチング素子としては、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor)などのスイッチ素子が用いられる。
スイッチング素子S1はトランス3の1次側巻線31の一端と1次側高圧ラインL1Hとの間に設けられ、スイッチング素子S2は1次側巻線31の他端と1次側低圧ラインL1Lとの間に設けられている。スイッチング素子S3は1次側巻線31の他端と1次側高圧ラインL1Hとの間に設けられ、スイッチング素子S4は1次側巻線31の一端と1次側低圧ラインL1Lとの間に設けられている。上記した共振用インダクタ4は、スイッチング素子S1,S4の接続点と1次側巻線31の一端との間に接続されている。
インバータ回路1では、スイッチング素子S1,S2がオンすることにより、1次側高圧ラインL1Hから順にスイッチング素子S1、1次側巻線31およびスイッチング素子S2を通って1次側低圧ラインL1Lに至る第1の電流経路に電流が流れる一方、スイッチング素子S3,S4がオンすることにより、1次側高圧ラインL1Hから順にスイッチング素子S3、1次側巻線31、共振用インダクタ4およびスイッチング素子S4を通って1次側低圧ラインL1Lに至る第2の電流経路に電流が流れるようになっている。
トランス3の一対の2次側巻線32,33はセンタタップCで互いに接続され、このセンタタップCが接地ラインLGを介して出力端子T4に導かれている。つまり、このスイッチング電源装置はセンタタップ型のものである。このトランス3は、インバータ回路1によって変換された交流電圧を降圧し、一対の2次側巻線32,33の各端部A,Bから、互いに180度位相が異なる交流電圧VO1,VO2を出力するようになっている。なお、この場合の降圧の度合いは、1次側巻線31と2次側巻線32,33との巻数比によって定まる。
なお、共振用インダクタ4は、コイル部品を実際に配置してもよいが、これに代えて(これと共に)、トランス3のリーケージインダクタンス(図示せず)や配線などを含めた直列インダクタンスを利用して構成してもよい。この共振用インダクタ4は、後述するように(図5)、トランス3を介して2次側に等価なインダクタンス成分[L1/(n/2)2]を生じさせ、この等価なインダクタンス成分とサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61とが協働してLC直列共振回路を構成することになる。
整流回路5は、一対のダイオード51,52からなる単相全波整流型のものである。ダイオード51のアノードは2次側巻線32の一端Aに接続され、ダイオード52のアノードは2次側巻線33の一端Bに接続されている。ダイオード51,52の各カソード同士は、接続点Dにおいて互いに接続されると共に、出力ラインLOに接続されている。つまり、この整流回路5はカソードコモン接続の構造を有しており、トランス3の交流出力電圧VO1,VO2の各半波期間をそれぞれダイオード51,52によって個別に整流して直流電圧を得るようになっている。
サージ電圧抑止回路6は、コンデンサ61と、ダイオード62と、回生用インダクタ63とを含んで構成される。コンデンサ61およびダイオード62は、出力ラインLOと接地ラインLGとの間に直列に接続されている。具体的には、コンデンサ61の一端が接地ラインLGに接続され、他端がダイオード62のカソードに接続されている。また、ダイオード62のアノードは、出力ラインLOに接続されている。コンデンサ61は、1次側に設けられた共振用インダクタ4と協働してLC直列共振回路を構成するものであり、本発明における「第1のコンデンサ」に対応する。また、回生用インダクタ63は、コンデンサ61およびダイオード62の接続点Eと出力ラインLOとの間に、ダイオード62と並列に接続されている。このような構成によりサージ電圧抑止回路6は、インバータ回路1におけるスイッチング動作に伴って生ずるサージ電圧を抑止する機能を有するようになっている。なお、ダイオード62は、本発明における「第1のダイオード」の一具体例に対応する。
平滑回路7は、チョークコイル71と平滑コンデンサ72とを含んで構成されている。チョークコイル71は、出力ラインLOに挿入配置されており、その一端はサージ電圧抑止回路6の回生用インダクタ63の一端(出力ラインLO側の端点)に接続され、その他端は出力ラインLOの出力端子T3に接続されている。平滑コンデンサ72は、出力ラインLO(具体的には、チョークコイル71の他端)と接地ラインLGとの間に接続されている。接地ラインLGの端部には、出力端子T4が設けられている。このような構成により平滑回路7では、整流回路5で整流された直流電圧を平滑化して出力直流電圧Voutを生成し、これを出力端子T3,T4から低圧バッテリ(図示せず)に給電するようになっている。
リンギング抑止回路8は、抵抗器81とコンデンサ82とを含んで構成される。抵抗器81およびコンデンサ82は、共振用インダクタ4に並列に接続されている。具体的には、抵抗器81の一端が共振用インダクタ4の一端(スイッチング素子S1,S4の接続点側の端点)に接続され、その他端がコンデンサ82の一端に接続されている。また、コンデンサ82の他端は、共振用インダクタ4の他端(1次側巻線31の一端側の端点)に接続されている。このような構成によりリンギング抑止回路8は、後述するように整流回路5のダイオード51,52に加わる高周波のリンギングを抑止する機能を有するようになっている。なお、コンデンサ82は、本発明における「第2のコンデンサ」の一具体例に対応する。
また、このリンギング抑止回路8が配置される位置としては、図1に示した位置には限られず、図2に示したように、サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61に並列に接続するようにしてもよく、また図3に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のそれぞれに並列に接続(それぞれ、リンギング抑止回路8A,8B)するようにしてもよい。すなわち、リンギング抑止回路8は、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に並列に接続するようにすればよい。
次に、以上のような構成のスイッチング電源装置の動作を説明する。まず、スイッチング電源装置の全体動作を説明する。
インバータ回路1は、入力端子T1,T2から供給される入力直流電圧Vinをスイッチングして交流電圧を作り出し、これをトランス3の1次側巻線31に供給する。トランス3の2次側巻線32,33からは、変圧(ここでは、降圧)された交流電圧VO1,VO2が取り出される。
整流回路5は、この交流電圧をダイオード51,52によって整流する。これにより、センタタップC(接地ラインLG)とダイオード51,52の接続点Dとの間に整流出力が発生する。
平滑回路7は、センタタップC(接地ラインLG)とダイオード51,52の接続点Dとの間に生じる整流出力を平滑化して、出力端子T3,T4から出力直流電圧Voutを出力する。この出力直流電圧Voutは図示しない低圧バッテリに給電され、その充電に供される。
次に、図4〜図8を参照して、本発明の特徴であるサージ電圧抑止回路6およびリンギング抑止回路8の動作について説明する。
図4に示したように、インバータ回路1のスイッチング素子S1,S2がオンになると、スイッチング素子S1からスイッチング素子S2の方向に電流Ic10が流れ、トランス3の2次側巻線32,33に現れる電圧VO1,VO2がダイオード52に対して逆方向(逆電圧Vd)となり、ダイオード51およびサージ電圧抑止回路6のダイオード62に対して順方向となる。このため、2次側巻線32からダイオード51を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。
このとき、ダイオード51、ダイオード62、コンデンサ61およびトランス3の2次側巻線32を順に通る充電ループIc1が形成され、コンデンサ61への充電(エネルギーの蓄積)が行われる。一方、ダイオード52には逆電圧Vd(サージ電圧)が印加される。この充電ループIc1において、1次側の共振インダクタ4によるインダクタ成分とコンデンサ61とによりLC直列共振回路が構成されるため、コンデンサ61の端子電圧Vcは、LC共振電圧に従って上昇する。
図5は、上記したLC直列共振回路の等価回路を表すものである。等価回路は、共振用インダクタ4によって2次側に生ずるインダクタンス成分[L1/(n/2)2]と、コンデンサ61の容量[C]と、電源電圧[Vin/(n/2)]とにより構成される。この等価回路によると、コンデンサ61の端子間電圧Vcは、次の式(1)で表される。
Vc=2×Vin×(1−cosωt)/n …(1)
但し、ω=1/(L1×C/(n/2)21/2
ここで、L1は共振用インダクタ4のインダクタンス値であり、Cはコンデンサ61の容量である。nは、2次側巻線33の巻数N2に対する1次側巻線31の巻数N1の巻数比(N1/N2)である。なお、2次側巻線33の巻数N3に対する1次側巻線31の巻数N1の巻数比(N1/N3)も同様にnであるとする。
充電ループIc1において、ダイオード62の電圧降下分を無視すれば、ダイオード52に印加される逆電圧Vdは、コンデンサ61の端子電圧Vcとほぼ等しくなる。コンデンサ61の端子電圧Vcは、上記したように、共振用インダクタ4に起因するインダクタンス成分とコンデンサ61とにより定まるLC共振電圧によって上昇する。このため、ダイオード52に印加される逆電圧Vdの最大値(ピーク値)Vdmは、上記の式(1)から明らかなように、次の式(2)で示される値になる。
Vdm=2×Vin×(1−cosπ)/n
=4×Vin/n …(2)
このように、ダイオード52に印加される逆電圧VdをLC共振作用によって式(2)の値以下に抑制できるので、ノイズを少なく(サージ電圧を低く)することができる。また、ダイオード52に印加される逆電圧Vdを抑制できるので、ダイオード52として、順方向電圧降下が比較的小さいものを使用することが可能になり、この結果、ダイオード52による損失を低減し、エネルギー消費の少ない高効率のスイッチング電源装置を得ることができる。
また、ダイオード52に印加される逆電圧Vdが上記の式(2)で示されるピーク値(4×Vin/n)になると、ダイオード62が非導通となることで、コンデンサ61の端子電圧Vcがピークホールドされる。すると図4に示したように、コンデンサ61に蓄積されたエネルギーのうちの一部が、一方向性放電路Idを介して出力ラインLO側(図示しない低圧バッテリ側)に放電されようとする。したがって、コンデンサ61の端子電圧Vcが下降することからダイオード62が再び導通し、充電ループIc1によってコンデンサ61への充電が行われようとする。このようにして、コンデンサ61への微小充電およびコンデンサ61からの微小放電により上記したLC共振作用が繰り返されようとすることで、ダイオード52に印加される逆電圧Vdにおいて、前述した高周波のリンギングが発生することとなる。
ここで、本実施の形態のスイッチング電源装置では、前述のように共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に(図1の例では、共振用インダクタ4に)、リンギング抑止回路8が並列接続していることから、このような高周波のリンギングが抑止される。このように、1次側の共振インダクタ4によるインダクタ成分とコンデンサ61とによるLC共振作用によって、ダイオード52に印加される逆電圧Vdを抑制する一方、このリンギング抑止回路8によって高周波のリンギングを抑止するようにしたことで、高周波のリンギングがリンギング抑止回路において熱へと変換され、この部分における発熱が促進されることにより、熱抵抗の高いトランス3や共振用インダクタ4での発熱が抑制される。よって、熱抵抗の高い部位での熱集中を防止し、リンギング抑止回路8へと熱分散させることができ、スイッチング電源装置全体の放熱効率を向上させることができる。
次に、図6に示したように、スイッチング素子S1,S2がオンからオフになると、トランス3の2次側巻線33に現れる電圧[−VO2]は、ダイオード52に対して順方向となる。このため、2次側巻線33からダイオード52を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。このとき、回生用インダクタ63は、コンデンサ61に対する一方向性放電路Idとして機能し、コンデンサ61に蓄積されたエネルギーが一方向性放電路Idを介して出力ラインLO側(図示しない低圧バッテリ側)に回生され、利用に供される。この結果、エネルギー効率が向上する。
次に、図7に示したように、スイッチング素子S3,S4がオフからオンになると、スイッチング素子S3からスイッチング素子S4の方向に電流Ic20が流れ、トランス3の2次側巻線32,33に現れる電圧[−VO1]、[−VO2]がダイオード52に対して順方向になる一方、ダイオード51に対して逆方向(逆電圧Vd)となる。このため、2次側巻線33からダイオード52を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。
このとき、ダイオード52、ダイオード62、コンデンサ61およびトランス3の2次側巻線33の順に通る充電ループIc2が形成され、コンデンサ61への充電が行われる。一方、ダイオード51には逆電圧Vdが印加されるが、充電ループIc2において1次側の共振用インダクタ4によるインダクタンス成分とコンデンサ61とによりLC直列共振回路が構成されるため、ダイオード51に印加される逆電圧Vdは上記の式(2)の値以下に抑制される。
また、ダイオード51に印加される逆電圧Vdが上記の式(2)で示されるピーク値になると、コンデンサ61の端子電圧Vcがピークホールドされるが、共振用インダクタ4にリンギング抑止回路8が並列接続しているため、高周波のリンギングは抑止される。すなわち、高周波のリンギングがリンギング抑止回路8において熱へと変換され、この部分における発熱が促進されるため、熱抵抗の高いトランス3や共振用インダクタ4での発熱が抑制される。
最後に、図8に示したように、スイッチング素子S3,S4がオンからオフになると、トランス3の2次側巻線32に現れる電圧[−VO1]はダイオード51に対して順方向となる。このため、2次側巻線32からダイオード51を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。このときも、回生用インダクタ63は、コンデンサ61に対する一方向性放電路Idとして機能し、コンデンサ61に蓄積されたエネルギーが一方向性放電路Idを介して出力ラインLO側(図示しない低圧バッテリ側)に回生され、利用に供される。
図9は、図1の整流回路5(ダイオード51,52)における逆電圧Vdの実測波形を表すものである。この図において、(A)は従来のスイッチング電源装置における逆電圧Vdの電圧波形を示しており、(B)は本実施の形態のスイッチング電源装置における逆電圧Vdの電圧波形を示している。
このように、従来のスイッチング電源装置(図9(A))においては、符号W1で示したように高周波のリンギングが出現している一方、本実施の形態のスイッチング電源装置(図9(B))においては、符号W2で示したように高周波のリンギングが抑止され、出現していないことが分かる。よって、本実施の形態のリンギング抑止回路8を設けることで、整流回路5(ダイオード51,52)における逆電圧(サージ電圧)Vdにおいて、実際に高周波のリンギングが抑止されることが分かる。なお、このようなリンギング抑止回路を設けることで、上記のようにスイッチング電源装置の放熱効率を向上させることができるが、その一例として、例えば装置の電圧条件やその部位の材質などの条件にもよるが、例えばトランスの温度を約10〜20度ほど下げることができる。
以上のように、本実施の形態では、サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61と共振用インダクタ4とによりLC直列共振を起こさせるようにしたので、整流回路5のダイオード51,52に加わるサージ電圧を抑止することができ、消費電力を低減することができる。
また、リンギング抑止回路8を所定の位置(共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方)に設けることにより、整流回路5に加わる高周波のリンギングを抑止するようにしたので、熱抵抗の高い部位(例えば、トランス3や共振用インダクタ4)での熱集中を防止してリンギング抑止回路8へと熱分散させることができ、スイッチング電源装置全体の放熱効率を向上させることができる。よって、放熱するための部材を小さくしても十分な放熱を確保することができ、装置全体を小型化することも可能となる。また、放熱部材の大きさをそのまま保った場合には、装置全体がより高温まで耐え得るようになることから、装置の動作温度範囲を拡大することも可能となる。さらに、整流回路5のダイオード51,52に加わる高周波のリンギングを抑制することができることから、装置内で発生するノイズを低減することも可能となる。
なお、本実施の形態のスイッチング電源装置では、共振用インダクタ4がトランス3の1次側に設けられている一方、サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61がトランス3の2次側に設けられている場合について説明してきたが、例えば図10および図11に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61をいずれもトランス3の2次側に設け、これらの少なくとも一方にリンギング抑止回路8を並列接続するように構成してもよい。このように構成した場合でも、本実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。なお、図10および図11では、トランス3の2次側に設けた共振用インダクタを、2つの共振用インダクタ4A,4Bにより構成(図10では、それぞれに対してリンギング抑止回路8A,8Bを並列接続している)しているが、例えばトランス3の2次側をいわゆるプッシュプルではない回路構成とした場合などは、1つの共振用インダクタ4により構成するようにしてもよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置では、共振用インダクタ4をトランス3の1次側に設け、サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61をトランス3の2次側に設けるように構成した場合(例えば、図1,図2の構成)には、リンギング抑止回路8を、トランス3の1次側および2次側のうちの高圧側に配置するようにすることが好ましい。ここで高圧側とは、このスイッチング電源装置が降圧回路の場合は1次側、逆に昇圧回路の場合は2次側であることを意味する。すなわち、本実施の形態のスイッチング電源装置は前述のように降圧回路であることから、リンギング抑止回路8は、図2(2次側)よりも図1(1次側)の配置のほうが好ましい。ここで、高周波のリンギングを発生させるための共振電流は、1次側および2次側をまたいで流れていることから、リンギング抑止回路8の位置は原理的には1次側および2次側のどちらでもよいことになる。しかしながら、例えば図2のように、リンギング抑止回路8をサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61に並列接続するように構成した場合、トランス3の1次側巻線31と2次側巻線32,33との巻数比(降圧回路なので、1次側の巻数のほうが大きい)に起因して、リンギング抑止回路8のコンデンサ82の容量を、サージ電圧抑止回路6における共振用のコンデンサ61よりも大きくする必要が生じる。よって、1次側(高圧側)に配置するほうが好ましいことになる。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置では、サージ電圧抑止回路の回路構成は、図1に示したもの(サージ電圧抑止回路6)には限られず、共振用のコンデンサを含んでいるのであれば、例えば図12に示したような回路構成(サージ電圧抑止回路16)でもよい。具体的には、サージ電圧抑止回路6におけるコンデンサ61の代わりに2つのコンデンサ61A,61Bを設け、これらコンデンサ61A,61Bの一端を整流回路5におけるダイオード51,52のアノードにそれぞれ接続すると共に、それらの他端を互いにダイオード62のカソード(接続点E)に接続するように構成したものである。このように構成した場合も、本実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態では、センタタップ型カソードコモン接続のスイッチング電源装置について説明したが、本実施の形態では、センタタップ型アノードコモン接続のスイッチング電源装置について説明する。
図13は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。このスイッチング電源装置では、整流回路5のダイオード51のカソードがトランス3の2次側巻線32の一端Aに接続され、ダイオード52のカソードが2次側巻線33の一端Bに接続されている。ダイオード51,52の各アノード同士は、接続点Dにおいて互いに共通接続されると共に、接地ラインLGに接続されている。トランス3の2次側巻線32と2次側巻線33との接続点(センタタップC)は、出力ラインLOに接続されている。つまり、このスイッチング電源装置は、センタタップ型のアノードコモン接続構造を有しており、トランス3の交流出力電圧の各半波期間をそれぞれダイオード51,52によって個別に整流し、整流電圧を得るようになっている。
接地ラインLGと出力ラインLOとの間には、サージ電圧抑止回路6のコンデンサ61、ダイオード62および回生用インダクタ63が、図1の場合と同様の態様で接続されている。また、共振用インダクタ4には、リンギング抑止回路8の抵抗器81およびコンデンサ82が、図1の場合と同様の態様で接続されている。その他の部分の構成は、図1の場合と同様である。
本実施の形態のスイッチング電源装置の動作は、基本的には第1の実施の形態の場合(図4〜図8)と同様である。
すなわち、スイッチング素子S1,S2、またはスイッチング素子S3,S4がオフからオンになると、それぞれダイオード52,51から2次側巻線33,32を通って、出力ラインLOに電流Ixが流れる。また、ダイオード52、トランス3の2次側巻線33、ダイオード62およびコンデンサ61の順に通る充電ループIc1、またはダイオード51、トランス3の2次側巻線32、ダイオード62およびコンデンサ61の順に通る充電ループIc2がそれぞれ形成され、コンデンサ61への充電が行われる。また、いずれの場合においても、ダイオード51,52にはそれぞれ逆電圧Vdが印加されるが、充電ループIc1,Ic2において1次側の共振用インダクタ4によるインダクタンス成分とコンデンサ61とによりLC直列共振回路が構成されるため、ダイオード51,52に印加される逆電圧Vdは、前述の式(2)の値以下に抑制される。また、共振用インダクタ4にリンギング抑止回路8が並列接続しているため、高周波のリンギングは抑止され、熱抵抗の高いトランス3や共振用インダクタ4での発熱が抑制される。
一方、スイッチング素子S1,S2、またはスイッチング素子S3,S4がオンからオフになると、それぞれ、ダイオード51,52から2次側巻線32,33を通って、出力ラインLOに電流Ixが流れる。また、回生用インダクタ63がコンデンサ61に対する一方向性放電路Idとして機能し、コンデンサ61に蓄積されたエネルギーが一方向性放電路Idを介して出力ラインLO側(図示しない低圧バッテリ側)に回生され、利用に供される。
以上のように、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、上記第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、リンギング抑止回路8を所定の位置に設けることにより、整流回路5のダイオード51,52に加わる高周波のリンギングを抑止するようにしたので、熱抵抗の高い部位での熱集中を防止し、リンギング抑止回路8へと熱分散させることができる。よって、スイッチング電源装置全体の放熱効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、リンギング抑止回路8は、第1の実施の形態の図2および図3に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に並列に接続するようにすればよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、第1の実施の形態の図10および図11に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61をいずれもトランス3の2次側に設け、これらの少なくとも一方にリンギング抑止回路8を並列接続するように構成してもよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、サージ電圧抑止回路の回路構成は図13に示したもの(サージ電圧抑止回路6)には限られず、共振用のコンデンサを含んでいるのであれば、例えば図14,図15に示したような回路構成(それぞれ、サージ電圧抑止回路26,36)でもよい。このように構成した場合も、本実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、フォワード型カソードコモン接続のスイッチング電源装置について説明する。
図16は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態のスイッチング電源装置は、1次側巻線31と2次側巻線32とを有するトランス13を用いて構成されたフォワード型(一方向型)のスイッチング電源装置であり、トランス13の1次側に、図1のインバータ回路1に代えて、1つのスイッチング素子S0からなるインバータ回路11を備えている。このスイッチング電源装置はまた、トランス13の2次側に設けられた整流回路15と、この整流回路15に接続されたサージ電圧抑止回路6と、このサージ電圧抑止回路6に接続された平滑回路7とを備えている。整流回路15は、アノードがトランス13の2次側巻線32の一端Aに接続されたダイオード51と、アノードがトランス13の2次側巻線32の他端Cに接続されカソードがダイオード51のカソードに接続点Dで共通接続されたダイオード52とにより構成されたカソードコモン接続の構造を有する。
なお、サージ電圧抑止回路6、平滑回路7およびリンギング抑止回路8を始めとするその他の部分の構成は、図1の場合と同様である。
次に、図17および図18を参照して、以上のような構成のスイッチング電源装置の動作を説明する。
本実施の形態では、図17に示したように、インバータ回路11のスイッチング素子S0がオンになると、トランス13の2次側巻線32に現れる電圧VO1は、ダイオード52に対して逆方向(逆電圧Vd)となり、ダイオード51およびサージ電圧抑止回路6のダイオード62に対して順方向となる。このため、2次側巻線32からダイオード51を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。このとき、ダイオード51、ダイオード62、コンデンサ61、およびトランス13の2次側巻線32を順に通る充電ループIcが形成され、コンデンサ61への充電が行われる。一方、ダイオード52には逆電圧Vd(サージ電圧)が印加されるが、充電ループIcにおいて、1次側の共振用インダクタ4によるインダクタ成分とコンデンサ61とによりLC直列共振回路が構成されるため、ダイオード52に印加される逆電圧Vdは前述の式(2)以下の値に抑制される。
また、ダイオード52に印加される逆電圧Vdが前述の式(2)で示されるピーク値になると、コンデンサ61の端子電圧Vcがピークホールドされるが、共振用インダクタ4にリンギング抑止回路8が並列接続しているため、高周波のリンギングは抑止される。すなわち、高周波のリンギングがリンギング抑止回路8において熱へと変換され、この部分における発熱が促進されるため、熱抵抗の高いトランス3や共振用インダクタ4での発熱が抑制される。
次に、図18に示したように、インバータ回路11のスイッチング素子S0がオフになると、トランス13の2次側巻線32に現れる電圧[−VO1]はダイオード51に対して逆方向(逆電圧Vd)となる。この時、接地ラインLGからダイオード52を通って出力ラインLOに電流Ixが流れる。このとき、回生用インダクタ63は、コンデンサ61に対する一方向性放電路Idとして機能し、コンデンサ61に蓄積されたエネルギーが一方向性放電路Idを介して出力ラインLO側(図示しない低圧バッテリ側)に回生され、利用に供される。
以上のように、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、上記第1および第2の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、リンギング抑止回路8を所定の位置に設けることにより、整流回路15のダイオード52に加わる高周波のリンギングを抑止するようにしたので、熱抵抗の高い部位での熱集中を防止し、リンギング抑止回路8へと熱分散させることができる。よって、スイッチング電源装置全体の放熱効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、リンギング抑止回路8は、第1の実施の形態の図2および図3に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に並列に接続するようにすればよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、第1の実施の形態の図10および図11の場合と同様に例えば図19に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61をいずれもトランス3の2次側に設け、これらの少なくとも一方にリンギング抑止回路8を並列接続するように構成してもよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、サージ電圧抑止回路の回路構成は図16に示したもの(サージ電圧抑止回路6)には限られず、共振用のコンデンサを含んでいるのであれば、他の構成としてもよい。この場合も、本実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、フォワード型アノードコモン接続のスイッチング電源装置について説明する。
図20は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表すものである。このスイッチング電源装置は、上記第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置(図16)において、整流回路15に代えて整流回路25を備えたものである。この整流回路25は、カソードがトランス13の2次側巻線32の一端Cに接続されたダイオード51と、カソードがトランス13の2次側巻線32の他端Aに接続されアノードがダイオード51のアノードに接続点Dで共通接続されたダイオード52とにより構成されたアノードコモン接続の構造を有する。サージ電圧抑止回路6、整流回路7およびリンギング抑止回路8を始めとするその他の部分の構成は、図16の場合と同様である。
本実施の形態のスイッチング電源装置においても、上記第1〜第3の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、リンギング抑止回路8を所定の位置に設けることにより、整流回路25のダイオード52に加わる高周波のリンギングを抑止するようにしたので、熱抵抗の高い部位での熱集中を防止し、リンギング抑止回路8へと熱分散させることができる。よって、スイッチング電源装置全体の放熱効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、リンギング抑止回路8は、第1の実施の形態の図2および図3に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61のうちの少なくとも一方に並列に接続するようにすればよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、第3の実施の形態の図19に示したように、共振用インダクタ4およびサージ電圧抑止回路6のコンデンサ61をいずれもトランス3の2次側に設け、これらの少なくとも一方にリンギング抑止回路8を並列接続するように構成してもよい。
また、本実施の形態のスイッチング電源装置においても、サージ電圧抑止回路の回路構成は図20に示したもの(サージ電圧抑止回路6)には限られず、共振用のコンデンサを含んでいるのであれば、他の構成としてもよい。この場合も、本実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、サージ電圧抑止回路6,16,26,36におけるダイオード62のカソードがいずれも、接地ラインLGとは接続していない(ダイオード62が接地ラインLGから浮いている)場合について説明してきたが、前述のようにサージ電圧抑止回路の構成はこれらのものには限られず、例えば図21および図22に示したサージ電圧抑止回路46のように、ダイオード62のカソードが接地ラインLGと接続しているように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、スイッチング電源装置の回路構成を具体的に挙げて説明したが、回路構成はこれに限定されるものではない。例えば、インバータ回路を、8つのスイッチング素子を用いたフルブリッジ型、2つのスイッチング素子を用いたフォワード型、または2つもしくは4つのスイッチング素子を用いたハーフブリッジ型により構成してもよい。また例えば、スイッチング素子全体を、フライバック型などの昇圧型などにより構成してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 図1のスイッチング電源装置の動作を説明するための回路図である。 図4に示した状態におけるLC直列共振回路の等価回路を表す回路図である。 図1のスイッチング電源装置の動作を説明するための他の回路図である。 図1のスイッチング電源装置の動作を説明するための他の回路図である。 図1のスイッチング電源装置の動作を説明するための他の回路図である。 図1の整流回路における逆電圧の実測波形を表す特性図である。 第1の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 第1の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 第1の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 第2の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 第2の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 図16のスイッチング電源装置の動作を説明するための回路図である。 図16のスイッチング電源装置の動作を説明するための他の回路図である。 第3の実施の形態の変形例に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 本発明の第4の実施の形態に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 本発明の変形例に係るスイッチング電源装置の構成を表す回路図である。 本発明の変形例に係るスイッチング電源装置の他の構成を表す回路図である。 従来のスイッチング電源装置の整流回路における逆電圧(サージ電圧)の実測波形を表す特性図である。
符号の説明
1…インバータ回路、2…平滑コンデンサ、3,13…トランス、31…1次側巻線、32,33…2次側巻線、4…共振用インダクタ、5,15,25…整流回路、51,52…ダイオード、6,16,26,36,46…サージ電圧抑止回路、61…コンデンサ、62…ダイオード、63…回生用インダクタ、7…平滑回路、71…チョークコイル、72…平滑コンデンサ、8…リンギング抑止回路、81…抵抗器、82…コンデンサ、83…ダイオード、S0,S1〜S4…スイッチング素子、L1H…1次側高圧ライン、L1L…1次側低圧ライン、LO…出力ライン、LG…接地ライン、T1,T2…入力端子、T3,T4…出力端子、Ic0,Ic10,Ic20…1次側電流、Ic,Ic1,Ic2…充電ループ、Id…放電路、Vd…逆電圧(サージ電圧)、Vin…入力直流電圧、Vout…出力直流電圧。

Claims (7)

  1. 交流電圧を変圧するトランスと、
    前記トランスの1次側に設けられ、直流入力電圧を交流電圧に変換して前記トランスに供給するスイッチング回路と、
    前記トランスの2次側に設けられ、前記トランスの交流出力電圧を整流する整流回路と、
    共振用の第1のコンデンサを含んで構成され、前記整流回路に接続されたサージ電圧抑止回路と、
    前記サージ電圧抑止回路の前記第1のコンデンサと協働してLC直列共振回路を構成する共振用インダクタと、
    前記第1のコンデンサおよび前記共振用インダクタのうちの少なくとも一方に並列に接続されたリンギング抑止回路と
    を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記共振用インダクタは前記トランスの1次側に設けられ、前記第1のコンデンサは前記トランスの2次側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記リンギング抑止回路は、前記トランスの1次側および2次側のうちの高圧側に配されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記サージ電圧抑止回路は、さらに第1のダイオードと回生用インダクタとを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記リンギング抑止回路は、抵抗器とリンギング抑止用の第2のコンデンサとを含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記スイッチング回路は、スイッチング素子を用いて構成されたフルブリッジ型スイッチング回路であり、
    前記リンギング抑止回路における前記抵抗器および前記第2のコンデンサは、互いに直列接続されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記スイッチング回路は、スイッチング素子を用いて構成されたフォワード型スイッチング回路であり、
    前記リンギング抑止回路における前記抵抗器および前記第2のコンデンサは、互いに直列接続されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源装置。
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