しかしながら、前記従来の構成では、ネット網を焼き網に載置することはできるものの、焼き網に対して載置する位置が決まっていないため、グリル庫内に配されるヒーターとの位置が確定せず、調理物の焼き具合にばらつきがおこるという課題を有するとともに、グリル扉の開閉時などにネット網および焼き網同士の磨耗を引き起こし、焼き網の耐久性を低下させるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、焼き網へのネット網載置位置を前後左右の決まった位置にセットできるようにし、ヒーターとの位置を決まった位置とすることにより、グリル扉開閉時にネット網が焼き網上でずれることを低減して、焼き網の耐久性の低下を防ぐことができる加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、本体内に、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室が配設され、前記グリル加熱室には、前記グリル加熱室前面に形成し開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、前記グリル加熱室内に配される焼き網と、前記焼き網上に載置されるネット網と、を備え、前記焼き網には、外縁体と、前記外縁体下面に両端部が固定された載置部と、を備え、前記ネット網には、少なくとも1箇所以上の脚部を備え、前記脚部は、前記外縁体の側面に係合し、前記外縁体上部かあるいは前記載置部上部に対して係合するように形成されるとともに、前記外縁体、前記載置部、及び前記脚部は線材で形成され、前記脚部は、前記載置部の1本の上面に係合され、前記脚部の略中央は、前記載置部の1本の略直上に係合された構成としたものである。
これによって、焼き網上に載置されたネット網は、脚部が焼き網の外縁体の側面に係合することと、外縁体の上部かあるいは焼き網の載置部の上部に係合することにより、左右方向と上下方向に位置が規制されて、焼き網上でずれる量が少なくなり、係合しない場合と比べて焼き網の耐摩耗性の低下を防ぐことができ、また、ネット網が焼き網上でずれることにより発生する食材の落下を防ぐことができる。
このようにして、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。また、本発明の加熱調理器は、前記焼き網の載置部は焼き網の外縁体下面に両端部が固定される構成としたものである。
これによって、ネット網の脚部は焼き網に係合する際、焼き網の載置部と焼き網の外縁体とともに係合することができる。また、ネット網の脚部の形状を焼き網の外縁体と平行に形成し、係合することができるため、構成が簡素化されてコストを安くすることができ
る。
このようにして、ネット網が焼き網上でずれる量を少なくすることができ、焼き網の耐磨耗性が向上し、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、焼き網の外縁体および焼き網の載置部は線材で形成され、ネット網の脚部は線材で形成される構成としたものである。
これによって、ネット網の脚部と焼き網の載置部が係合する箇所では、線材同士の接触となり、接触する部分をR部同士とすることが容易であるため、線材でない角材などで形成した場合に比べて、耐磨耗性を向上させることができる。このようにして、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、ネット網の脚部を焼き網の載置部を形成する1本の焼き網載置棒の上面に係合された構成としたものである。
これによって、複数の焼き網載置棒の上面にネット網の脚部を配する場合に比べて、磨耗する箇所を少なくすることができ、焼き網の耐摩耗性が向上するとともに、ネット網の脚部の折り曲げ長さを少なくすることができ、結果的に線材の全長を短くすることとなり、コスト削減を図ることができる。
また、本発明の加熱調理器は、ネット網の脚部の略中央を焼き網の載置部を形成する1本の焼き網載置棒の略直上に係合された構成としたものである。
これによって、略中央以外に載置した場合には、ネット網の脚部の上面がグリル扉の開閉時などによる外部からの力によって、ネット網の脚部は焼き網の載置部を形成する焼き網載置棒の直上からずれて傾き、食材が落ちる可能性を有しているが、略中央に係合することで少量のずれ量であればネット網を平行に保つことで、食材の落下の可能性を減らすことができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記ネット網には、前記脚部に保持された外枠部と、前記外枠部に固定された複数本の線材で形成されたネット部と、を備える構成としたものである。
これによって、ネット部は脚部と外枠部によって保持されるため、ネット部を取り付ける部分の堅牢性が高まり耐久性を向上させることができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記脚部は、前記脚部の線材の直径以上に前記ネット部より曲げ下げた形状とした構成としたものである。
これによって、ネット部と焼き網の載置棒との間に線材の直径以上となる高さを隙間として設けることができる。高さを設けることで、ネット部に一定の重量の範囲内において調理物を置かれた際にネット部がたわんだとしても、ネット部が焼き網と接触することを防ぐことができ、焼き網の耐摩耗性を向上させることができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、グリル加熱室は調理物と略水平に対峙したヒーターと、焼き網を配される受皿を備え、前記ヒーターはグリル加熱室内の上下に備え、上ヒーター
はネット網上方に位置し、下ヒーターは、焼き網の下方で受皿よりも上方に配している。
焼き網の載置部を前記グリル扉の開閉方向に対して左右方向に形成した焼き網において、ネット網のグリル扉の開閉方向に対して前方および後方の脚部は、焼き網の載置部よりも下方で下ヒーターよりも上方の位置の高さまでネット部より曲げ下げた形状とし、上下ヒーターの加熱部よりも外方で焼き網の隣り合う載置棒間に位置する構成としたものである。
これによって、ネット網が焼き網に載置され、グリル扉の開閉を行ってグリル調理室内に挿入する場合に、ネット網はヒーターには接触せず、スムーズに開閉を行うことができる。
また、ヒーターの加熱部よりも外方で焼き網の隣り合う載置棒間に位置することで、ネット網はヒーターの加熱を全面で受けることができ、調理性能が向上するので、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、ネット網の前方の脚部の後部は、焼き網の載置部の前部と隣設し、ネット網の後方の脚部の前部は、焼き網の載置棒の後部と隣設する構成としたものである。
これによって、ネット網が焼き網に載置されたときに、ネット網が前方にずれる場合においては、ネット網の後方の脚部の前部が、焼き網の載置棒の後部と接触し、ネット網は焼き網上で係止される。
一方ネット網が後方にずれる場合においても同様に、ネット網の前方の脚部の後部が、焼き網の載置棒の前部と接触し、ネット網は焼き網上で係止される。
このことにより、ずれ量を焼き網のピッチより短くすることができ、ネット網のずれ防止が図ることができ、ヒーターとの位置関係のずれ量を抑制し、ネット網上に載置された調理物とヒーターとの位置関係のずれ量を抑制することとなり、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室と、グリル加熱室前面に形成し、開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、グリル加熱室内に配される外縁体を有する焼き網と、焼き網は前記外縁体に両端部近傍が固定された載置部とを有し、焼き網上に載置したネット網は脚部を備えることなく形成された構成としたものである。
これによって、焼き網の上部に空間が十分にないグリル加熱室においても使用でき、利用者にとって利便性が高まる調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室と、グリル加熱室前面に形成し開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、グリル加熱室内に配される外縁体を有する焼き網と、焼き網に係合するネット網とを備え、ネット網は焼き網に係合する少なくとも1つ以上の係合片を形成した構成としたものである。
これによって、焼き網には載置することが困難である小さな食材を載置することが可能となり、さらには焼き網の下方からでも取り付けることが可能となり、焼き網の上部に空間が十分にないグリル加熱室においても使用でき、利用範囲が広がり、使用者にとって利
便性が高まる調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室と、前記グリル加熱室前面に形成し開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、前記グリル加熱室内に配される外縁体を有する焼き網と、前記焼き網は前記外縁体に両端部近傍が固定された複数の載置部を有し、前記複数の載置部は間隔を均一に離隔させて載置部基本間隔部を有し、前記複数の載置部は不均一な間隔部を少なくとも1箇所以上有し、前記焼き網上に載置したネット網と、前記ネット網は少なくとも1箇所以上の前記焼き網の載置部と直交する焼き網への直交嵌合部を備え、前記不均一な間隔部に前記直交嵌合部が嵌合する構成としたものである。
これによって、使用者が焼き網にネット網を載置する際に、セットできる位置が限られるため、誤載置し、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記載置部に直交する方向の前記直交嵌合部の長さAは、前記焼き網の載置部基本間隔部bより大きく、焼き網のネット網載置部の不均一な間隔部aのみが前記嵌合部の長さAより大きく形成される(a>>A>b)構成としたものである。
これによって、使用者が焼き網にネット網を載置する際に、嵌合部は焼き網の基本間隔部には係合することが物理的に不可能であり、焼き網のネット網載置部の間隔のみに嵌合することができ、誤載置し、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記直交嵌合部は、前記ネット網枠体と一体として形成される構成としたものである。
これによって、ネット網の嵌合部の構成が簡素化されてコストを安くすることができる。このようにして、ネット網が焼き網上でずれる量を少なくすることができ、焼き網の耐磨耗性が向上し、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記直交嵌合部は、前記ネット網の前方と後方に設けられる構成としたものである。
これによって、ネット網を焼き網に載置する際に前後逆でも載置することができ、かつ誤載置することを防ぐことができるため、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記ネット網は前後方向を焼き網に係止する前方嵌合部と後方嵌合部を有し、前記不均一な間隔部は、前記載置部1本を曲げ加工することで載置部基本間隔部を備えつつ形成され、前記ネット網の前方嵌合部および後方嵌合部が前記載置部基本間隔部を構成する載置部に嵌合する構成としたものである。
これによって、焼き網の載置部の構成が簡素化されてコストを安くすることができ、ネット網は前方嵌合部と後方嵌合部で焼き網に係止されることにより、よりネット網が焼き
網上でずれる量を少なくすることができ、焼き網の耐磨耗性が向上し、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、前記不均一な間隔部および載置部基本間隔部は、前記載置部の1本を少なくとも1回以上直角曲げ加工して構成したものである。
これによって、均一な部分と不均一な部分の境目がはっきりと視認でき、使用者が誤載置する可能性を減らすことができ、見栄えもよい。
このようにして、ネット網が焼き網上でずれる量を少なくすることができ、焼き網の耐磨耗性が向上し、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、本発明の加熱調理器は、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室と、前記グリル加熱室前面に形成し開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、前記グリル加熱室内に配される外縁体を有する焼き網と、前記焼き網は前記外縁体に両端部近傍が固定された複数の載置部と嵌合部を有し、前記焼き網上に載置するネット網と、前記ネット網は前記嵌合部が嵌合するネット網嵌合部を少なくとも1箇所以上設ける構成としたものである。
これによって、使用者が焼き網にネット網を載置する際に、セットできる位置が限られるため、誤載置し、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
本発明の加熱調理器は、焼き網へのネット網載置位置を前後左右の決まった位置にセットできるようにし、ヒーターとの位置を決まった位置とすることができ、グリル扉開閉時にネット網が焼き網上でずれることを低減することにより焼き網の耐久性の低下を防ぐことができる。
第1の発明は、本体内に、内部に収容された被調理物を加熱調理するグリル加熱室が配設され、前記グリル加熱室には、前記グリル加熱室前面に形成し開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、前記グリル加熱室内に配される焼き網と、前記焼き網上に載置されるネット網と、を備え、前記焼き網には、外縁体と、前記外縁体下面に両端部が固定された載置部と、を備え、前記ネット網には、少なくとも1箇所以上の脚部を備え、前記脚部は、前記外縁体の側面に係合し、前記外縁体上部かあるいは前記載置部上部に対して係合するように形成されるとともに、前記外縁体、前記載置部、及び脚部は線材で形成され、前記脚部は、前記載置部の1本の上面に係合され、前記脚部の略中央は、前記載置部の1本の略直上に係合されたものである。
これによって、ネット網は焼き網上でずれる量が少なくなり、係合しない場合と比べて焼き網の耐摩耗性の低下を防ぐことができ、ネット網が焼き網上でずれることにより発生する食材の落下を防ぐことができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、前記焼き網の載置部は前記外縁体下面に両端部が固定されるものである。
これによって、ネット網は脚部を焼き網に隣接する際、焼き網の外縁体とネット網の脚部を係合させることにより、焼き網上でずれる量を少なくすることができ、ネット網の脚部焼き網に係合する際、焼き網の載置部と焼き網の外縁体とともに接することができる。
また、脚部の形状をストレートとなるように形成することができ、形成しやすくできる。よって、焼き網上でずれる量を少なくすることができ、耐磨耗性が向上して、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、前記焼き網の外縁体および載置部は線材で形成され、前記ネット網の脚部は線材で形成されたものである。
これによって、ネット網の脚部と焼き網が係合する場合には、線材同士であるため接触する部分をR部同士とすることが容易であるため、線材でない角材などで形成した場合に比べて、耐磨耗性を向上させることができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、前記ネット網の脚部は、前記焼き網の載置部の1本の上面に係合されたものである。
これによって、複数の載置棒の上面にネット網の脚部を配する場合に比べて、磨耗する箇所を少なくすることができ、焼き網の耐摩耗性が向上するとともに、ネット網の焼き網載置部の折り曲げ長さを少なくすることができ、線材の全長を短くすることとなり、コスト削減を図ることができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず調理性能が向上する調理器を提供することができる。
また、前記ネット網の脚部の略中央は、前記焼き網の載置部の1本の略直上に係合されたものである。
これによって、略中央以外に載置した場合、ネット網脚部の上面がグリル扉の開閉時などによる外部からの力によって、焼き網の載置棒の直上からずれて傾き食材が落ちる可能性を有しているが、略中央にあることで少量のずれ量であればネット網を平行に保つことで、ネット網が焼き網上でずれることにより発生する食材の落下の可能性を減らすことができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記ネット網には、前記脚部に保持された外枠部と、前記外枠部に固定された複数本の線材で形成されたネット部と、を備えるものである。
これによって、ネット部は脚部と外枠部によって保持されるため、ネット部取り付け部の堅牢性が高まり耐久性を向上させることができ、使用者にとって、より安全・安心で利
便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、前記脚部は、前記脚部の線材の直径以上に前記ネット部より曲げ下げた形状としたものである。
これによって、ネット部と焼き網の載置棒に脚部の高さ分隙間を設けることができ、高さを設けることで、ネット部に一定の重量の範囲内において調理物を置かれた際にネット部がたわんだとしても、ネット部が焼き網と接触することを防ぐことができ、焼き網の耐摩耗性を向上させることができ、使用者にとってより安全・安心で利便性を損なわず、調理性能が向上する調理器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成の斜視図であり、本発明の実施の形態における加熱調理器である誘導加熱調理器の主要構成部品を示すものである。但し、実施の形態の説明に不要な構成部分については、主要構成であっても省略している。
誘導加熱調理器は、本体1の天面には被加熱調理器具を載置するトッププレート2が配されている。トッププレート2は高耐熱のガラス等の電磁誘導によって加熱されない材質で構成されている。
トップフレーム3は、トッププレート2の外周を囲み、本体の天面の一部もしくは殆ど全部を構成しており、トッププレート2を介して伝わる被加熱物からの熱に十分耐え、且つ外観部品として見栄えがよく、腐食にも強いステンレスやホーロー処理鋼板等の金属から成っている。
図2は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成の内部斜視図を示す。図2において、トップフレーム3に形成された天面操作部4の内部には、操作部ユニット等が配設されている。トッププレート2の下方には誘導加熱コイル5が近接して設けられている。
誘導加熱コイル5は、コイルケース6に収納され、本体1内の所定の位置に保持されている。誘導加熱コイル5には電源回路7によって高周波電力が供給され、トッププレート2に載置された鍋を誘導加熱する。
誘導加熱コイル5及び電源回路7は冷却ファン8の送風によって冷却される。本体1内には略箱形状のグリル加熱室10が配設されており、グリル加熱室10内に発熱して被加熱物を加熱するヒーター11によって加熱調理を行う。
グリル加熱室10内には、調理物を載せる焼き網12を載置した受け皿13を収納してある。グリル使用時は、グリル加熱室10の開口部を覆うグリル扉14は受け皿13に嵌着されており、グリル扉14と受け皿13は連動して前後に摺動する。
図3は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の焼き網とネット網の関係図を示す。
図3において、焼き網12は線材で形成された焼き網の外縁体である焼き網外縁体16と、焼き網外縁体16の下面に両端部を取り付けられた複数本の線材で形成した焼き網の載置部である焼き網載置棒17を有している。
焼き網の載置部である焼き網載置棒17は、グリル扉の開閉方向に対して左右方向に形成している。
また、ネット網15は、線材で形成され、複数の脚部であるネット網前方脚部19、ネット網後方脚部20、ネット網側面脚部21を下方に向けて形成している。
さらに、複数の脚部に保持されたネット網15の外枠部であるネット網外枠部18と、ネット網外枠部18に取り付けられた複数本の線材で形成されたネット部30を有している。
ネット網側面脚部21は、グリル扉の開閉方向に対して左右の側面に備えている。
図4は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の図3におけるA−A断面図である。図4において、ネット網15のネット網側面脚部21は、焼き網外縁体16の内側に係合するように焼き網外縁体16の線材と平行に形成されて、焼き網の載置部である焼き網載置棒17の上面に配される構成としたことを示す。
さらに、図5は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の図3における平面図である。図5において、図3におけるC方向から見たネット網15のネット網側面脚部21は、焼き網12の載置部である焼き網載置棒17の1本の上面に配されるとともに、ネット網側面脚部21の略中央に焼き網載置棒17の1本が配されていることを示す。
さらに、図6は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器のグリル加熱室内の位置関係図であり、ネット網15が焼き網12に載置され、グリル加熱室10内に挿入された場合のそれぞれの位置関係を示し、図3におけるD方向から見た断面図である。
ネット網15のネット網側面脚部21は、ネット網15の脚部の線材の直径以上にネット部30より曲げ下げた形状としている。
また、上ヒーター24と下ヒーター25は、上ヒーター24においては、焼き網12上方に位置し、下ヒーター25は、焼き網12の下方で受け皿13よりも上方に配している。
また、ネット網15の前方のネット網前方脚部19および後方のネット網後方脚部20は、焼き網12の前部載置棒22、後部載置棒23よりも下方で下ヒーター25よりも上方の位置の高さまでネット部30より曲げ下げた形状である。
さらに、ネット網前方脚部19および後方のネット網後方脚部20は、上ヒーター24および下ヒーター25の加熱部よりも外方で焼き網12の隣り合う焼き網載置棒17の間に位置し、ネット網15のネット網前方脚部19の後部は、焼き網12の外縁体16と隣り合う前部載置棒22の前部に位置し、ネット網15の後方のネット網後方脚部20の前部は、焼き網12の外縁体16と隣り合う後部載置棒23の後部に位置している。
このことにより、焼き網12とネット網15の接触部は線材のR部同士が接触することになるので、角材などを使用した場合に比べて、焼き網12の耐摩耗性を向上させることができる。
さらに、ネット網15のネット網側面脚部21の下面は、焼き網12の載置部である焼き網載置棒17の1つにネット網側面脚部21の略中央を接触していることにより、複数の焼き網載置棒17の上面にネット網15の脚部を配する場合に比べて、磨耗する箇所を少なくすることができ、焼き網の耐摩耗性が向上する。
さらに、複数の焼き網載置棒の上面にネット網15の脚部を複数配する場合に比べてネット網の脚部の折り曲げ長さを少なくすることができ、すなわち線材の全長を短くすることとなり、コスト削減を図ることができる。
さらに、ネット網15の脚部については線材を曲げて形成することで、別体で形成する場合に比べコストを低減することができる。
また、ネット網15のネット網側面脚部21の焼き網に載置する部分の略中央に焼き網12の載置部である焼き網載置棒17が接触することで、ネット網のネット網側面脚部がグリル扉の開閉時などで外部からの力によって、焼き網載置棒17の直上からずれて傾き、食材が落ちる可能性をずれ量を抑制することによってネット網を平行に保ち、その可能性を減らすことができる。
このようにして、焼き網12へのネット網15載置位置を前後左右の決まった位置にセットできるようにしたことで、上ヒーター24と下ヒーター25との位置を固定することができる。
これにより、ネット網15上に載置された調理物と上ヒーター24、下ヒーター25ヒの位置が固定されることになり、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができる。
さらに、ネット網15のネット網前方脚部19の後部は、焼き網の前部載置棒22と隣設し、ネット網15のネット網後方脚部20の前部は、焼き網の後部載置棒23と隣設する構成としたことによって、ネット網15が焼き網12に載置されたときに、ネット網15が前方にずれる場合においては、ネット網15のネット網後方脚部20の前部が、焼き
網12の後部載置棒23と接触し、ネット網15は焼き網12上で係止される。
一方ネット網15が後方にずれる場合においても同様に、ネット網15の前方のネット網前方脚部19の後部が、焼き網12の載置棒の前部載置棒22と接触し、ネット網15は焼き網上で係止される。
このことにより、ずれ量を焼き網のピッチより短くすることができ、ネット網のずれ防止をすることができ、グリルヒーターとの位置関係のずれ量を抑制し、それはすなわちネット網上に載置された調理物とグリルヒーターとの位置関係のずれ量を抑制することとなり、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができる。
このようにして、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
さらに、ネット網15のネット網側面脚部21をネット網の脚部の線材の直径以上にネット部より曲げ下げた形状としたことと、焼き網12の焼き網載置棒17にネット網15のネット網側面脚部21の略中央を接触して乗り上げる構成としたことにより、ネット網15と焼き網12に脚部の高さ分の隙間を設けることができる。
この隙間分の高さを設けることで、ネット網15に一定の重量の範囲内において調理物を置かれた際にネット網がたわんだとしても、ネット網の被加熱物の載置網部分が焼き網と接触することを防ぎ、焼き網の耐摩耗性を向上させることができる。
このことは、所定の重量を考慮し、曲げの大きさを変えることで高さを自由に設定できることと同義である。
また、ネット網15が焼き網12に載置されて、グリル扉の開閉を行ってグリル調理室内に挿入する場合に、ネット網15はヒーターには接触せず、スムーズに開閉を行うことができる。
さらに、ヒーターの加熱部よりも外方で、焼き網12の焼き網載置棒17の隣り合う載置棒間に位置することで、ヒーターの加熱領域の加熱をネット網の全面で受けることができ、調理性能が向上する。
また、ネット網15のネット網側面脚部21は曲率を大きくすることにより、焼き網12の焼き網載置棒17との接触部が少なくなることで耐摩耗性の向上を図ることができることはいうまでもない。
また、ネット網15の被加熱物載置網部33は、おろし金状であっても良いし、焼き網と同様に等間隔に線材が配されたような場合であっても、加熱物が用意に脱落しない形状であれば本発明と同様に焼き網に載置しにくい小魚(ししゃも、めざし)や枝豆、ナッツ、ししとうなどに対して効果があることはいうまでもない。
また、焼き網12の焼き網外縁体16が矩形である場合を示したが、焼き網外縁体16が円状であっても、隣接するようにネット網15の被加熱物載置網部33を設けることで同様の効果を発揮することはいうまでもない。
また、ネット網15のネット網外枠部18の高さは、グリル扉の開閉時に調理物が落ちない程度の高さを有するものであってもよい。
本実施の形態における構成は、据置タイプの加熱調理器であるが、同様の構成をもつ調理器であれば同様の効果を発揮することはいうまでもない。
(実施の形態2)
図7は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の焼き網とネット網の関係図である。
図7において、ネット網15は脚部を設けずに、焼き網12上に載置したものである。
本実施の形態では、ネット網15の載置部と焼き網12の載置部の接触部分が磨耗することが想定されるが、ネット網15と焼き網12の各々の接触する部分を同等の表面処理(たとえば、ニッケルメッキ)を施すことによって、耐摩耗性を改善することができる。
このことで、グリル加熱室の空間が十分にない場合であっても、焼き網では調理しにくい多数の小魚などをネット網上に載置することができて、調理性能を向上することができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器の焼き網とネット網の関係図である。図8において、ネット網15は少なくとも1つ以上の係合片26を有し、係合片26によって焼き網12の下方に載置したものである。
本実施の形態では、ネット網15の載置部と焼き網12の載置部の接触部分が磨耗することが想定されるが、ネット網15と焼き網12の各々の接触する部分を同等の表面処理(たとえば、ニッケルメッキ)を施すことによって、耐摩耗性を改善することができる。
これによって、グリル加熱室の空間が十分にない場合であっても、焼き網では調理しにくい、多数の小魚などをネット網上に載置することができて、調理性能を向上することができる。
なお、本実施の形態では、係合片26はネット網15が有しているが、焼き網12にあっても同様の効果が得られることはいうまでもない。
(実施の形態4)
図9は、本発明の第4の実施の形態における加熱調理器の焼き網12とネット網15の関係図である。図9において、ネット網15は少なくとも1つ以上の焼き網への直交嵌合部44を備え、焼き網12は、複数の載置部41を均一に離隔させて載置部基本間隔部42を設けるとともに、前記複数の載置部41は不均一な間隔部43を少なくとも一箇所以上設けている。
これにより、ネット網15の直交嵌合部44は、不均一な間隔部43と嵌合し、ネット網15は焼き網12上に固定される。
また、複数の載置部41に直交する方向の直交嵌合部44の長さAは、焼き網12の載置部基本間隔部の長さbより大きく、焼き網12のネット網載置部の間隔a(不均一な間隔部の長さ)のみが直交嵌合部44の長さAより大きく形成される(a>>A>b)。
また、直交嵌合部44は、ネット網15枠体と一体として形成される。また、直交嵌合部44は、ネット網15の前方と後方に設けられる。
また、ネット網は前後方向を焼き網に係止する前方嵌合部45と後方嵌合部46を有し、不均一な間隔部43は、載置部41の1本を曲げ加工することで載置部基本間隔部42
を備えつつ形成され、ネット網の前方嵌合部45および後方嵌合部46が前記載置部基本間隔部を構成する載置部47に嵌合する構成としている。
また、不均一な間隔部43および載置部基本間隔部42は、前記載置部41の1本を少なくとも1回以上直角曲げ加工して構成している。
これによって、使用者が焼き網にネット網を載置する際に、ネット網は前方嵌合部と後方嵌合部で焼き網に係止されることで、よりネット網が焼き網上でずれる量を少なくすることができ、a>>A>bの関係から、物理的にセットできる位置が限られるため、誤載置し、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
さらに。直交嵌合部44が、ネット網15枠体と一体で形成されることにより、ネット網の嵌合部の構成が簡素化されてコストを安くすることができる。
これによって、ネット網が焼き網上でずれる量を少なくすることができ、焼き網の耐磨耗性が向上し、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
さらに、載置部の1本を少なくとも1回以上クランク曲げ加工を行うことで、均一な部分と不均一な部分の境目がはっきりと視認でき、使用者が誤載置する可能性を減らすことができ、見栄えもよい。
これによって、ネット網を焼き網に載置する際に前後逆でも載置することができ、かつ誤載置することを防ぐことができるため、ヒーターとの位置が確定しない可能性を低減することができるため、調理物の焼き具合のばらつきを抑制することができ、使用者にとってより安全・安心で調理性能が向上する調理器を提供することができる。
なお、本実施の形態では、直交嵌合部44はネット網15が有しているが、焼き網12に嵌合部があって、同様にネット網15側に不均一な間隔部があっても同様の効果が得られることはいうまでもない。
(実施の形態5)
図10は、本発明の第5の実施の形態における加熱調理器の焼き網12とネット網15の関係図である。
ここで、不均一な間隔部43および載置部基本間隔部42は、前記載置部41の1本を少なくとも2回以上直角曲げ加工して構成している。この場合、直角曲げ加工部48の位置を設計し、焼き網12上に載置するネット網15は不均一な間隔部43に対応する位置に直行嵌合部42を設けることで、ネット網15の大きさを大小様々なものを載置することが可能となり、使用者にとって調理内容に合わせて変更することが可能となり、より利便性が高まる調理器を提供することができる。
また、本実施の形態では直角曲げ加工を施しているが、不均一な間隔部43が適当に設けることができるのであれば、クランク曲げ加工やZ曲げ加工やR曲げ加工を用いてもよいし、加工方法は特に限定するものではない。