JP5824440B2 - 発光体付車両用アンテナ - Google Patents

Description

本発明は、発光体付車両用アンテナに関するものである。

従来から、車体のルーフパネルには、テレビやラジオ等の受信を行うためにアンテナ装置が搭載されている。今後、ルーフパネル上には、ＧＰＳ受信用のアンテナ装置やＦＯＢキーから送信される信号の受信用のアンテナ装置等の搭載が検討されている。
このようなアンテナ装置として、ルーフパネルに上方に向かって突設されたフィン形状のケースを備え、このケースの内側にアンテナ素子が収容された、いわゆるシャークフィンアンテナが知られている。

ここで、例えば特許文献１には、ケースの外面にＬＥＤ等の発光体が取り付けられ、この発光体がウィンカ操作や、ＦＯＢキー操作（例えば、ドアロックの施解錠操作や、大型駐車場等での自車両の位置を確認するためのカーファインド操作）のアンサーバック等によるウィンカランプの点灯、ブレーキ操作によるブレーキランプの点灯に連動して点灯する構成が開示されている。
この構成によれば、車体の比較的高い位置に発光体を配置できるので、車両の種々の運転操作を周囲の車両（運転者）や人に伝えることができ、利便性等を向上できるとされている。

特開２０１１−２４５９３４号公報

図７は従来のアンテナ装置を説明するための概略断面図であり、図８は従来のアンテナ装置の指向性を示す図である。
上述した特許文献１のアンテナ装置１００では、図７に示すように、発光体１０１がケース１０２の外面（図中ではケース１０２の頂部に１つ示す）に設けられているので、ケース１０２内部にはアンテナ素子１０３と発光体１０１用の配線１０４が混在することになる。そのため、アンテナ素子１０３が発光体１０１の配線１０４である金属線の影響を受け、アンテナ素子１０３の本来の特性が発揮できなくなる虞がある。

例えば、図７、図８に示すように、アンテナ素子１０３の後方に発光体１０１の配線１０４が引き回されている場合には、特にアンテナ素子１０３に対して後方でのアンテナ指向性が低下し、アンテナ素子１０３の後方でヌルポイントＮ（著しく通信感度が低下する点）が発生する等の問題がある。
搭載されたアンテナ素子１０３がラジオ受信アンテナ等の場合、車両の向きによって受信感度が著しく低下する。また、アンテナ素子１０３がＦＯＢキーからの送信信号の受信用アンテナの場合、ユーザがヌル方向（例えば、車両後方）からＦＯＢキーを操作しても（図８中矢印参照）、ＦＯＢキーとアンテナ素子１０３との間での通信が妨げられ、通信が成立しない虞がある。

そこで、本発明は、アンテナ素子の特性を維持した上で、視認性を向上させることができる発光体付車両用アンテナを提供するものである。

本発明の発光体付車両用アンテナは以下の構成を採用した。
（１）基台と、前記基台上に配設されたアンテナ素子と、前記基台の周縁部上に配設され、前記アンテナ素子よりも下方に位置する発光体と、前記アンテナ素子を上方から覆って収容するケースと、を備え、前記ケースは、光透過性材料からなるとともに、その下端開口縁が前記基台の周縁部上に配設され、前記発光体は、前記基台の周縁部のうち、前記ケースの下端開口縁と重なる部分に配置されている構成とした。

この構成により、基台の周縁部で、かつアンテナ素子よりも下方に発光体を配置することで、発光体用の配線はアンテナ素子よりも低い位置に配置されることになる。そのため、アンテナ素子が発光体用の配線等による影響を受け難くなり、アンテナ素子の特性を良好に維持できる。この場合、従来のように発光体用の配線により通信を妨げられることがないので、ヌルポイント等の発生を防ぎ、全方位に亘って良好な通信感度を発揮することができる。
また、基台の周縁部上に発光体を配設するとともに、ケースの下端開口縁を基台の周縁部に当接させることで、発光体とケースの下端開口縁とが近接または重なるように配置される。この場合、発光体から出射された光束がケースを伝播することで、ケース全体が発光した状態になるので、視認性を向上させることができる。
したがって、アンテナ素子の特性を維持した上で、視認性を向上させることができる。
また、基台のうち、ケースの下端開口縁と重なる部分に発光体を配置することで、発光体から出射された光束をケースに効率的に伝播させることができ、視認性を向上させることができる。

（２）前記（１）の発光体付車両用アンテナでは、前記ケース内において、前記発光体よりも内側に、遮光性材料からなる内装材が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、ケースの内面に遮光性材料からなる内装材が配置されているため、ケース外観を良好に維持できるとともに、発光体から出射される光束を外部に向けて効率的に発光させることができ、視認性の更なる向上を図ることができる。

本発明によれば、ヌルポイント等の発生を防ぎ、全方位に亘って良好な通信感度を発揮することができるとともに、発光体から出射された光束がケースを伝播することで、ケース全体が発光して見える。
したがって、アンテナ素子の特性を維持した上で、視認性を向上させることができる。

車両を斜め後方から見た部分斜視図である。 本実施形態におけるアンテナ装置の分解斜視図である。 図２のＡ−Ａ線に相当するアンテナ装置の断面図である。 図２のＢ矢視図である。 アンテナ装置の指向性を示す図である。 本実施形態の他の構成を示す図３のＣ部に相当する拡大図である。 従来のアンテナ装置を説明するための概略断面図である。 従来のアンテナ装置の指向性を示す図である。

次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の発光体付車両用アンテナ１３（以下、単にアンテナ装置１３という）を四輪の車両１０に搭載した場合を例にして説明する。
（車両）
図１は車両を斜め後方から見た部分斜視図である。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。
図１に示すように、本実施形態の車両１０（以下、自車両１０ともいう）には、車体１１のルーフパネル１２の後端部であって、左右方向中央部にアンテナ装置１３が設置されている。

なお、車体１１の前部及び後部における左右両側には、ウィンカランプ（右側のウィンカランプ１４Ｒ及び左側のウィンカランプ１４Ｌ）が配置されている（図中では後部のウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌのみを示す）。ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌは、右左折または車線移動する際に、運転者のウィンカ操作により移動方向のウィンカランプを点滅させることで、後続車両の運転者や歩行者等に自車両１０の移動方向を知らせる。

また、ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌは、自車両１０が交通の障害物（ハザード）となっていること、駐停車中であること等を表示するためのハザードランプとしても機能する。その場合には、両ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌが点滅する仕組みとなっている。なお、本実施形態の車両１０は、ユーザが所有するＦＯＢキーを操作（例えば、ＦＯＢキーによるドアロックの施解錠操作や、大型駐車場等での自車両１０の位置を確認するためのカーファインド操作）した際のアンサーバックとして、ハザードランプが点滅するように構成されている。

（アンテナ装置）
図２はアンテナ装置の分解斜視図、図３は図２のＡ−Ａ線に相当するアンテナ装置の断面図、図４は図２のＢ矢視図である。
図２〜図４に示すように、上述したアンテナ装置１３は、いわゆるシャークフィンアンテナであって、基台２１と、基台２１上に搭載されたアンテナ部２２及び発光部２３と、アンテナ部２２及び発光部２３を上方から覆って収容するケース２４と、を備えている。

基台２１は、前方に向けて先細る平面視五角形状に形成され、防水ラバー２５（図３参照）を間に挟んでルーフパネル１２上に固定されている。基台２１の前部には、下方に向けて突出するボス部３１（図３参照）が形成されている。このボス部３１は、例えばルーフパネル１２に形成された図示しない取付孔内に挿入され、ルーフパネル１２の内側から固定されることで、基台２１がルーフパネル１２に固定される。また、ボス部３１には、基台２１を上下方向で貫通する貫通孔３２が形成されており、この貫通孔３２を通して車体１１側からアンテナ配線３３や発光体配線３４がアンテナ装置１３内（基台２１とケース２４とで囲まれた空間）に引き込まれている。

アンテナ部２２は、テレビやラジオ等の受信や、ＦＯＢキーとの通信等を行うものであって、アンテナ基板４１と、アンテナ基板４１上に実装されたアンテナ素子４２と、を備えている。
アンテナ基板４１は、基台２１上のうち、ボス部３１の上方にスペーサ４３等を介して固定されており、基台２１の上面に対して隙間をあけた状態で配置されている。また、アンテナ基板４１には、上述した貫通孔３２からアンテナ装置１３内に引き込まれたアンテナ配線３３が電気的に接続されている。
アンテナ素子４２は、基端部がアンテナ基板４１上に接続されるとともに、基端部から先端部に向かうに従い後斜め上方に向けて延在している。

発光部２３は、発光体回路５１と、この発光体回路５１に接続されたＬＥＤ等からなる複数の発光体５２と、を備えている。
発光体回路５１は、基台２１上のうち、ボス部３１の後方に位置する部分に固定されている。また、上述した発光体配線３４は、アンテナ基板４１と基台２１との間の隙間を通って基台２１上を引き回され、発光体回路５１に電気的に接続されている。

各発光体５２は、プリント基板や、フレキシブルプリント基板等の基板５４上に実装され、それぞれが電気的に接続されている。各発光体５２は、基台２１上面のうち、周縁部全体に亘ってそれぞれ間隔をあけて配列され、それぞれが主に上方に向けて光束を出射するように構成されている。
また、各発光体５２は、基板５４を介して上述した発光体回路５１に電気的に接続されており、例えばＦＯＢキーの操作結果に応じて上述したウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌに連動して点灯するようになっている。

このように、本実施形態では、アンテナ素子４２が基台２１に対して隙間をあけて配置されたアンテナ基板４１上に実装される一方、各発光体５２は基台２１の周縁部上に配列されている。そのため、各発光体５２及び発光体配線３４は、アンテナ素子４２よりも低い位置に配設されている。

ケース２４は、後方に向かうに従い漸次高く、かつ幅広に形成されるとともに、上方に向かうに従い先細るフィン形状に形成された中空の部材である。そして、ケース２４は、その内側にアンテナ部２２や発光部２３を収容した状態で基台２１に固定されている。
具体的に、本実施形態のケース２４は、アンテナ装置１３の外観を構成するケース本体（ケース）６１と、発光体５２よりも内側に配設された内装材６２と、を備えている。

ケース本体６１は、ポリカーボネート等の光透過性を有する材料により構成されている。ケース本体６１の下端開口縁は、基台２１の外形と同等の形状に形成され、その下端開口縁が基台２１の周縁部上に当接した状態で、ケース２４と基台２１とが固定されている。すなわち、本実施形態では、ケース本体６１の下端開口縁の下方に上述した発光体５２が位置しており、ケース本体６１の下端開口縁と基台２１の周縁部との間に発光体５２が挟持されている。したがって、発光体５２から出射される光束は、ケース本体６１内を伝播するように構成されている。なお、ケース本体６１の下端開口縁のうち、発光体５２と対向する部分には発光体５２を収容する収容部（凹部）を形成することが好ましい。

内装材６２は、遮光性材料からなり、ケース２４内部が外部から視認できないようになっている。具体的に、本実施形態の内装材６２は、ケース本体６１の内面が所望の色（例えば、車体１１の色と同色）によって塗装されることで構成されている。

（作用）
次に、上述したアンテナ装置１３の作用について説明する。以下の説明では、ＦＯＢキー操作のアンサーバック機能について説明する。
ＦＯＢキーから送信された指令信号（例えば、ドアロックの施解錠操作や、カーファインド操作等の指令信号）を車両１０側（アンテナ素子４２）で受信すると、そのアンサーバックとして両ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌが点滅するとともに、発光体５２が点灯する。このとき、発光体５２から出射された光束は、ケース２４のケース本体６１内を伝播することで、ケース本体６１全体が発光して見える。
このように、ＦＯＢキーの操作結果に基づいてウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌや発光体５２が点灯することで、遠方からドアロックの施解錠操作を行った場合や、大型駐車場等で自車両１０の駐車場所を確認する場合等に、その操作結果を速やかに判断できる。

この場合、本実施形態では、ルーフパネル１２に設けられたアンテナ装置１３が発光部２３を備えているため、上述したアンサーバック機能の視認性を向上させることができる。すなわち、発光部２３が車両１０のうち比較的高い位置に配設されることになるので、ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌがユーザから見て死角となっていた場合等であっても、発光体５２の点灯に基づいてＦＯＢキーの操作結果を判断できる。

しかも、本実施形態では、基台２１の周縁部で、かつアンテナ素子４２よりも下方に発光体５２を配置する構成とした。
この構成によれば、発光体配線３４がアンテナ素子４２よりも低い位置に配置されることになるため、アンテナ素子４２が発光体配線３４等による影響を受け難くなり、アンテナ素子４２の特性を良好に維持できる。この場合、本実施形態では、従来のように発光体１０１用の配線１０４により通信を妨げられることがないので、ヌルポイントＮ等の発生を防ぎ、図５に示すように、車両１０の全方位に亘って良好な通信感度を発揮させることができる。

また、基台２１の周縁部上に発光体５２を配設するとともに、ケース２４の下端開口縁を基台２１の周縁部に当接させることで、発光部２３とケース２４の下端開口縁とが近接または重なるように配置される。この場合、発光部２３（発光体５２）から出射された光束がケース本体６１を伝播することで、ケース本体６１全体が発光した状態になるので、視認性を向上させることができる。
特に、本実施形態では、基台２１のうち、ケース本体６１の下端開口縁と重なる部分に発光体５２を配置することで、発光体５２から出射された光束をケース本体６１に効率的に伝播させることができ、視認性をさらに向上させることができる。

さらに、本実施形態では、ケース本体６１の内面に遮光性材料からなる内装材６２が配設されているため、ケース２４外観を良好に維持できるとともに、発光部２３から出射される光束を外部に向けて効率的に発光させることができ、視認性の更なる向上を図ることができる。

以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、アンテナ装置１３にシャークフィンアンテナを用いた場合について説明したが、これに限らずポールアンテナを用いることも可能である。

また、上述した実施形態では、内装材６２としてケース本体６１の内面に塗装を施す構成について説明したが、これに限らず、光透過性材料からなるケース本体６１と、遮光性材料からなる内装材６２と、を二色成形する等しても構わない。また、ケース本体６１と内装材６２とを別体で形成し、両者間に隙間を設けても構わない。さらに、内装材６２を設けない構成としても構わない。

また、上述した実施形態では、ケース本体６１の下端開口縁の下方、すなわち下端開口縁と重なる位置に発光体５２を配置する構成について説明したが、発光体５２から出射される光束がケース本体６１内を伝播する構成であれば、ケース本体６１の下端開口縁と発光体５２との位置関係は適宜設計変更が可能である。例えば、基台２１の周縁部のうち、ケース本体６１の内側（例えば、ケース本体６１と内装材６２との間の隙間）に発光体５２を配置する構成や、ケース本体６１の外側に発光体５２を配置する構成であっても構わない。

また、上述した実施形態では、ケース本体６１の下端開口縁のうち、発光体５２と重なる部分に発光体５２を収容する収容部を形成し、ケース本体６１の下端開口縁を基台２１に固定する構成について説明したが、これに限らず、例えば図６に示すように、ケース本体６１の下端開口縁と基台２１とを光透過性を有するスペーサ７１（例えば、接着剤等）を挟んで固定し、このスペーサ７１内に発光体５２が収容されるような構成にしても構わない。

また、発光体５２の色や形状等は、適宜設計変更が可能である。上述した実施形態では、発光体５２が基台２１の上面から上方に向けて突出するように設ける構成について説明したが、これに限らず、基台２１に埋設させるように構成しても構わない。
また、上述した実施形態では、発光体５２を基台２１の全周に亘って配設する構成について説明したが、これに限らず、基台２１の一部のみに配設しても構わない。

さらに、上述した実施形態では、ＦＯＢキーの操作結果に応じて発光体５２が発光する構成について説明したが、これに限らず、各種運転操作（ウィンカ操作やブレーキ操作等）に応じて発光する構成にしても構わない。
さらに、上述した実施形態では、ウィンカランプ１４Ｒ，１４Ｌ（ハザードランプ）に連動して発光体５２が発光する構成について説明したが、これに限らず、発光体５２のみを独立して発光させても構わない。
また、上述した実施形態では本発明のアンテナ装置１３を四輪の車両に適用した場合について説明したが、これに限らず二輪や三輪の車両にも適用可能である。

１０…車両 １３…アンテナ装置（発光体付車両用アンテナ） ２１…基台 ２４…ケース ４２…アンテナ素子 ５２…発光体 ６２…内装材

Claims (2)

1. 基台と、
   前記基台上に配設されたアンテナ素子と、
   前記基台の周縁部上に配設され、前記アンテナ素子よりも下方に位置する発光体と、
   前記アンテナ素子を上方から覆って収容するケースと、を備え、
   前記ケースは、光透過性材料からなるとともに、その下端開口縁が前記基台の周縁部上に配設され、
   前記発光体は、前記基台の周縁部のうち、前記ケースの下端開口縁と重なる部分に配置されていることを特徴とする発光体付車両用アンテナ。
2. 前記ケース内において、前記発光体よりも内側には、遮光性材料からなる内装材が配置されていることを特徴とする請求項１記載の発光体付車両用アンテナ。

Images