JP2009157631A - 灯器、交通信号灯器、交通信号制御機、及びアンテナユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナ設置用の支柱を不要とでき、かつ、道路の美観を損なうことのない新たな技術的手段として、アンテナを組み込んだ信号灯器を提供する。
【解決手段】信号灯器1は、光学ユニット2とアンテナ4とを備えている。光学ユニット2は、LED7と、LED7が前面に実装されている基板8と、可視光透過性を有しLED7を前方で覆うカバー部材9とを有している。アンテナ4は、カバー部材9からLED7の前端までの範囲に設けられているパッチ素子11と、このパッチ素子11の後方にあるグランド素子12とを有している。パッチ素子11は可視光透過性を有し、基板8の前方に配置された支持部材10により支持されている。
【選択図】 図4

Description

この発明は灯器に関するものであり、特に道路に設置される交通信号灯器、交通信号制御機、及び、この灯器に設けられるアンテナユニットに関するものである。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)が提案されている。このITSでは、道路に通信装置(インフラ装置)が設置されており、この通信装置のアンテナから発せられた情報を、道路を走行する車両の車載機が受信し、この情報を活用することにより、車両の走行についての安全性を向上させることができる(特許文献1参照)。
このような路車間通信を無線によって行う場合、無線通信の見通しを確保する観点から、歩道等に設置した支柱から車道側にアームを張り出し、このアーム上に通信装置のアンテナを取り付けている。また、前記アームを設けなくても見通しが確保できる場合、前記支柱にアンテナを取り付けることが可能となる。
特許第2806801号公報
前記通信装置のアンテナを道路に設置するために、アンテナ専用の支柱を新たに設けることは経済的でなく、また、道路の美観の点でも好ましくない。
そこで、道路には車両感知器や光ビーコンのヘッド等が設置されているため、これらを取り付けている支柱やアームにアンテナを併設することが考えられる。しかし、この場合においても、美観の点で好ましくない。
そこで、アンテナ設置用の支柱を不要とでき、かつ、道路の美観を損なうことのない新たな技術的手段を提供することを目的とする。
本発明の灯器は、発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されていることを特徴とする。
本発明によれば、パッチ素子及びグランド素子を有するアンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませ、アンテナを目立たなくすることができる。さらに、アンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませることで、アンテナ設置用の専用の支柱を不要とすることができる。また、パッチ素子は発光体の前端よりも前方に設けられているが、パッチ素子は可視光透過性を有しているため、発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
なお、ここにいうパッチ素子における可視光透過性とは、パッチ素子の導電体部分(導体部分)が透明又は半透明である場合のみならず、パッチ素子を構成する導電体部分は可視光を遮断するが、パッチ素子の導電体部分が設けられていない部分を可視光がすり抜けて、パッチ素子の後方において発光された可視光がパッチ素子の前方に到達する状態をも含む。
前記パッチ素子は、光学ユニットを構成する部材、例えば、基板によって支持することが考えられる。しかし、基板によってパッチ素子を支持する場合、パッチ素子を取り付けるためのネジ穴等の取付部を基板に形成しなければならず、当該取付部を避けるような複雑な配線が必要となる。また、ネジ穴を避けた配線とすることができない場合にはジャンパケーブルによって配線を接続しなければならず、部品数及び製造工程が増え、製造コストが増大するという不都合が生じる。本発明の場合、パッチ素子を基板の前方に配置された支持部材によって支持しているので、以上のような不都合を回避することができる。
前記基板は、前記支持部材によって支持されていてもよい。また、前記グランド素子は、前記支持部材によって支持されていてもよい。グランド素子を支持部材によって支持する場合、基板によって支持する場合に生じる前述のような不都合(配線の複雑化等)を回避することができる。また、基板やグランド素子を支持部材によって支持すると、パッチ素子と、基板やグランド素子とが支持部材を介して一体の構造となり、ケーシング等に光学ユニット及びアンテナを組み付ける作業が容易になる。
前記パッチ素子が、前記支持部材の前方で当該支持部材によって支持され、前記グランド素子が、前記支持部材の後方で当該支持部材によって支持され、前記支持部材が、前記パッチ素子と前記グランド素子との間に配置された面状の部分を有している場合、前記支持部材の面状の部分と、前記パッチ素子及び前記グランド素子の少なくとも一方との間に、両者の間隔を設定するスペーサを備えることが好ましい。このようなスペーサを備えることによって、所望のアンテナ性能を有するように、パッチ素子とグランド素子とを前後方向に適切な間隔で配置することができる。なお、スペーサは、支持部材の面状の部分と一体に形成することもできるし、当該面状部分とは別体とすることもできる。
前記支持部材は、前記光学ユニット外部の所定の方向から入射する光が、前記基板及び前記発光体の少なくとも一方により反射するのを防止する機能を有していることが好ましい。
灯器が、交通信号用の灯器として用いられる場合、基板や発光体に照りつけた西日や朝日が地上へ反射し、その反射光によって、灯器が見づらくなったり、点灯していない灯器が点灯しているように見える「擬似点灯」が生じたりする。
本発明は、光学ユニット外部の所定の方向から入射(西日や朝日のように斜め上方から入射)する光が基板や発光体により反射するのを防止する機能を支持部材に持たせることによって、灯器が見づらくなったり擬似点灯が生じたりするのを防止することができる。言い換えると、本発明は、光の反射を防止する部材を用いてパッチ素子を支持することによって、部品の兼用による構造の簡素化や、製造コストの低減を図ることができる。
前記支持部材には、前記アンテナに接続されるケーブルを貫通させる孔が形成されていることが好ましい。これによって、支持部材の後方からパッチ素子へケーブルを接続することができる。なお、ケーブルが、グランド素子に接続する外導体とパッチ素子に接続する内導体によって構成されている場合、パッチ素子とグランド素子の双方が支持部材よりも前方にある場合は外導体と内導体を通す孔を形成する必要があり、パッチ素子のみが支持部材よりも前方にある場合は内導体を通す孔を形成する必要がある。
パッチ素子が、前記支持部材の前方で当該支持部材によって支持され、前記グランド素子が、前記支持部材の後方で当該支持部材によって支持され、前記支持部材が、前記パッチ素子と前記グランド素子との間に配置された面状の部分を有している場合、前記支持部材の面状の部分は、前後方向について前記基板と前記発光体の前端との間に設けることもできるし、前後方向について前記パッチ素子と前記発光体の前端との間に設けることもできる。
更に、前記グランド素子は、前記パッチ素子の後方であって、前後方向について前記基板と前記発光体の前端との間に設けることができる。この場合、グランド素子は発光体の前端よりも後方となるため、グランド素子が発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
また、この場合、前記光学ユニットは、発光ダイオードからなる前記発光体を複数有し、前記グランド素子は、面状であって、前記発光ダイオードを挿通させる開口部を有しているのが好ましい。これにより、グランド素子が発光ダイオードに干渉することがないように、グランド素子の開口部に発光ダイオードを挿し入れ、グランド素子を所定の位置に設けることができる。
なお、前記開口部の構成としては、グランド素子に孔をあけてグランド素子と干渉しないように発光ダイオードを配置することもできるし、孔は設けていないが、例えばグランド素子の導電体部分(導体部分)を蛇行状に配置して(導電体部分を一筆書きになるように配置して)、グランド素子と干渉しないように発光ダイオードを配置することもできる。
前記グランド素子は、前記パッチ素子の後方であって、前後方向について前記基板と前記支持部材との間に設けることができる。この場合、アンテナが所望の性能を有するように、パッチ素子とグランド素子との間に前後方向の十分な間隔を確保することができる。
前記グランド素子は、前記パッチ素子の後方であって、前記発光体の前端よりも前方に設けられており、可視光透過性を有している構成とすることができる。この場合、グランド素子は発光体の前端よりも前方に設けられているが、グランド素子は可視光透過性を有しているため、発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
前記グランド素子は、前記パッチ素子の後方であって、前記基板の後方に設けることもできる。この場合、アンテナが所望の性能を有するように、パッチ素子とグランド素子との間に、前後方向に十分な間隔を確保することができる。
また、前記パッチ素子は、可視光透過用の開口を有する導電体からなる構成とすることができる。例えば、パッチ素子をメッシュ構造又は枠構造とすることで可視光透過性を有する。
また、前記パッチ素子は、可視光透過性を有する薄膜導電体からなる構成とすることができる。これにより、パッチ素子は可視光透過性を有する。
また、前記カバー部材と前記発光体の前端との間に設けられた可視光透過性のある板部材を備え、前記パッチ素子はこの板部材に形成されているのが好ましい。この場合、パッチ素子を薄く、所定の形状に形成することが容易となる。
また、本発明の灯器は、発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されており、前記支持部材が、前記グランド素子として用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、パッチ素子及びグランド素子を有するアンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませ、アンテナを目立たなくすることができる。さらに、アンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませることで、アンテナ設置用の専用の支柱を不要とすることができる。また、パッチ素子は発光体の前端よりも前方に設けられているが、パッチ素子は可視光透過性を有しているため、発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
前記パッチ素子は、光学ユニットを構成する部材、例えば、基板によって支持することが考えられる。しかし、基板によってパッチ素子を支持する場合、パッチ素子を取り付けるためのネジ穴等の取付部を基板に形成しなければならず、当該取付部を避けるような複雑な配線が必要となる。また、ネジ穴を避けた配線とすることができない場合にはジャンパケーブルによって配線を接続しなければならず、部品数及び製造工程が増え、製造コストが増大するという不都合が生じる。本発明の場合、パッチ素子を基板の前方に配置された支持部材によって支持しているので、以上のような不都合を回避することができる。また、支持部材は、前記グランド素子としても用いられるため、部品数及び製造コストの増大を抑制することができる。
本発明の交通信号灯器は、発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されていることを特徴とする。
本発明によれば、パッチ素子及びグランド素子を有するアンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませ、アンテナを目立たなくすることができる。さらに、アンテナを灯器の光学ユニットに組み込ませることで、アンテナ設置用の専用の支柱を不要とすることができる。また、パッチ素子は発光体の前端よりも前方に設けられているが、パッチ素子は可視光透過性を有しているため、発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
また、交通信号灯器は、車両のドライバによる視認性を考慮して道路に設置される。このため、この信号灯器を道路の所定の位置に設置すれば、前記アンテナと車両の車載機との間で無線通信を行う上で、見通しが良好な状態が得られる。
前記パッチ素子は、光学ユニットを構成する部材、例えば、基板によって支持することが考えられる。しかし、基板によってパッチ素子を支持する場合、パッチ素子を取り付けるためのネジ穴等の取付部を基板に形成しなければならず、当該取付部を避けるような複雑な配線が必要となる。また、ネジ穴を避けた配線とすることができない場合にはジャンパケーブルによって配線を接続しなければならず、部品数及び製造工程が増え、製造コストが増大するという不都合が生じる。本発明の場合、パッチ素子を基板の前方に配置された支持部材によって支持しているので、以上のような不都合を回避することができる。
また、本発明の交通信号制御機は、前記交通信号灯器に接続され、前記交通信号灯器の点灯および消灯を行う交通信号制御機であって、前記アンテナを介して、前記交通信号灯器の設置された道路上を走行する車両に対して、現在及び将来の前記交通信号灯器の表示に関する信号情報を送信するように構成されているものである。
また、本発明のアンテナユニットは、発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットに組み込まれる灯器用のアンテナユニットであって、可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方に設けられるグランド素子と、前記基板の前方に配置され、前記パッチ素子を支持する支持部材と、を有していることを特徴とする。
本発明によれば、パッチ素子及びグランド素子を有するアンテナユニットを、灯器の光学ユニットに組み込ませることで、アンテナユニット(パッチ素子及びグランド素子)を目立たなくすることができる。さらに、アンテナを灯器の光学ユニットに組み込むため、アンテナ設置用の専用の支柱を不要とすることができる。また、アンテナを光学ユニットに組み込んだ際に、パッチ素子は発光体の前端よりも前方に設けられるが、パッチ素子は可視光透過性を有しているため、発光体による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
前記パッチ素子は、光学ユニットを構成する部材、例えば、基板によって支持することが考えられる。しかし、基板によってパッチ素子を支持する場合、パッチ素子を取り付けるためのネジ穴等の取付部を基板に形成しなければならず、当該取付部を避けるような複雑な配線が必要となる。また、ネジ穴を避けた配線とすることができない場合にはジャンパケーブルによって配線を接続しなければならず、部品数及び製造工程が増え、製造コストが増大するという不都合が生じる。本発明の場合、基板の前方に配置され、パッチ素子を支持する支持部材を備えているので、以上のような不都合を回避することができる。
この発明によれば、アンテナは灯器の光学ユニットに組み込まれるため、アンテナ設置用の支柱を不要とでき、かつ、道路の美観を損なうことがない。さらに、アンテナを光学ユニットに組み込んでも、発光体による発光の妨げとなることを防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る灯器の正面図である。図1の灯器は道路に設置される交通信号灯器1(以下、単に信号灯器という)であり、車両用のものである。
歩道等の路側には支柱40が設置され、この支柱40から車道側にアーム41が張り出されて設けられており、このアーム41に信号灯器1が取り付けられている。
信号灯器1は、複数(図例では三つ)の光学ユニット2と、これら光学ユニット2を組み込んでいる筐体3とを有している。三つの光学ユニット2は、赤、黄、青の灯光色を有している。各光学ユニット2にはひさし(図示せず)が取り付けられる。
また、支柱40には、信号灯器1を制御する制御装置5が取り付けられている。なお、信号灯器1の設置構造は図示しているもの以外であってもよく、図示しないが前記支柱40及び前記アーム41の形態が異なっていてもよく、また、信号灯器1が歩道橋に架設されたものであってもよい。また、制御装置5は、信号灯器1の筐体3内に設けられたものであってもよい。
なお、信号灯器1の点灯等を制御する制御装置5が、後述するアンテナ4を介した無線通信制御を行うように構成することができるが(あるいは無線通信制御を行う装置を同一筐体内に内蔵させることができるが)、別々の装置としても良い。別々とする場合、前記無線通信制御を行う装置は、信号灯器1の点灯等を制御する制御装置の近傍(同一の支柱40)に設置することが好ましい。
図2、図3及び図4は、1つの光学ユニット2の斜視図、正面図及び断面図である。光学ユニット2は、発光体としての発光ダイオード7(以下LEDという)と、複数のLED7が前面8aに実装された基板8と、収容部材6と、カバー部材9とを有している。また、本実施の形態の光学ユニット2は、基板8やLED7による太陽光の反射を防止するための反射防止部材(遮光部材)10を有している。
基板8は円形の板状に形成されている。基板8の裏面には配線パターンが形成されており、配線パターンはLED7の端子37と繋がっている。基板8上には複数のLED7が面状に広がって配設されている。
LED7はレンズ部38を有し、このレンズ部38内にLED素子(図示略)が設けられている。
収容部材6は、鋼板、アルミ又は合成樹脂材により形成され、底部(底壁)6aと、この底部6aの周縁から立設した側部(側壁)6bとを有している皿形状であり、前方に開口している。側部6bの開口側の内周には段部6cが形成され、この段部6cにカバー部材9が着脱可能に取り付けられている。これにより、収容部材6とカバー部材9との間に収容空間部Sが形成されており、この収容空間部SにLED7及び基板8が収容されている。そして、基板8は収容部材6に固定されている。収容空間部Sのうち、基板8よりも前方が前空間部S1とされ、基板8よりも後方が後空間部S2とされている。
カバー部材9は、ガラス又は樹脂製のレンズで可視光透過性を有しており(可視光に対して透明であり)、複数のLED7を前方から覆っている。カバー部材9の後面(背面)9aは凹曲面であり、前面9bは凸曲面である。ただし、信号灯器1がLED灯器であれば、カバー部材9の後面9a及び前面9bは平面とすることもできる。なお、この光学ユニット2において、前方とは光の投光側であり(カバー部材9側であり)、後方とは収容部材6の底部6a側である。
反射防止部材10は、基板8やLED7内の反射鏡7a(図9参照)に対して西日や朝日等の太陽光が入射するのを制限することにより、基板8や反射鏡7aによる反射で信号灯器1が見づらくなったり、点灯していない信号灯器1が点灯しているように見える「擬似点灯」が生じたりすることを防止するものである。また、反射防止部材10は、基板8や、後述するアンテナ4を支持する支持部材としての機能を有している。
反射防止部材10は、絶縁部材である合成樹脂材により形成され、基板8よりも前方に配置されている。反射防止部材10は、円形の板状(面状)に形成された板状部10aを備え、この板状部10aは、LED7の前端39よりも後方に配置されている。板状部10aには、LED7の配置に対応して、LED7を挿通させるための複数の挿通孔10bが形成されている。
この板状部10aは、主に基板8に対して太陽光が直接当たることを防止している。反射防止部材10は、黒色の合成樹脂材により形成されるか、少なくとも板状部10aの前面が黒色に塗装され、太陽光の反射が防止されている。反射防止部材10は、板状部10aの外周部を収容部材6の段部6cに嵌合し、段部6cに形成された図示しない爪を板状部10aに係合することによって収容部材6に固定されている。
板状部10aの後面にはボス部10cが後方突出状に形成されている。基板8は、ボス部10cのネジ穴に螺合されたネジ25によって板状部10aに固定されている。基板8の前面8aはボス部10cの先端面に当接されており、板状部10aと基板8との間には、ボス部10cの高さに相当する間隔があけられている。
図8は、反射防止部材10の後面(背面)図である。反射防止部材10の板状部10aの後面には、円形状のリブ10d,放射状のリブ10eが一体形成されている。また、板状部10aの後面には周方向等間隔に4個の前記ボス部10cが一体形成されている。さらに、板状部10aの後面には、ボス部10cとは周方向及び径方向にずれた位置に、周方向等間隔に4個のボス部10fが一体形成されている。このボス部10fは、後述するグランド素子12を取り付けるための取付部とされる。また、ボス部10fは、ボス部10cよりも低く、リブ10d,10eと同じ高さかやや高く形成されている。各挿通孔10bの周囲には、後方へ突出する筒状部10gが設けられ、この筒状部10gは、ボス部10fと同じ高さかやや低く形成されている。
図2〜図4に示すように、反射防止部材10の挿通孔10bの上縁には、庇部10hが前方に突出するように形成されている。図9に示すように、庇部10hは、西日や朝日などの斜め上方から照りつける太陽光OがLED7の反射鏡7aに入射することを防止している。したがって、当該太陽光Oが反射鏡7aによって反射されるのを好適に防止することができる。庇部10hの前端は、LED7の前端よりも突出している。反射防止部材10の筒状部10gは、LED7の外周面を囲い、LED7の姿勢を保持している。
なお、反射防止部材10は、基板8による太陽光の反射を防止する機能のみを有するものであってもよく、LED7による太陽光の反射を防止する機能のみを有するものであってもよい。
図10は、反射防止部材10の別の例を示す断面図であり、この反射防止部材10には庇部が設けられておらず、反射防止部材10の板状部10aはLED7の前端39に略一致する位置(板状部10aの厚さ内にLED7の前端39が含まれる位置)に配置されている。また、挿通孔10bの中心はLED7の中心よりもやや下側に配置されている。このような構造により、庇部がなくても斜め上方から照りつける太陽光Oが反射鏡7aによって反射されるのを好適に防止することができる。なお、本発明において、図10のように、板状部10aがLED7の前端39に略一致する形態も、板状部10aがLED7の前端39よりも後方にある場合に含まれる。また、図示しないが、板状部10aは、LED7の前端39よりも前方に配置することも可能である。
図2〜図4に示すように、光学ユニット2には、アンテナ4が組み込まれている。アンテナ4はパッチアンテナであり、パッチ素子11とグランド素子12とを有している。すなわち、図4において、パッチ素子11とグランド素子12とが、前記光学ユニット2内に、つまり前記収容空間部Sに、格納(収容)されている。
パッチ素子11は、円形の平面状に形成されている。パッチ素子11は、ボルト22及びナット23よりなる締結具によって反射防止部材10の板状部10aに取り付けられている。板状部10aとパッチ素子11との間には、筒形状のスペーサ24が介在しており、スペーサ24の筒内をボルト22が挿通している。ボルト22、ナット23、及びスペーサ24は合成樹脂材等の絶縁部材からなる。スペーサ24は、反射防止部材10とパッチ素子11との間隔を所定に設定している。スペーサ24は、反射防止部材10と一体に形成されていてもよい。
パッチ素子11は、カバー部材9からLED7の前端39までの範囲Aに設けられている。また、図4において、パッチ素子11はカバー部材9の後面9aから後方に離れて設けられている。なお、パッチ素子11の輪郭は円形以外の四角形であってもよい(図5参照)。
グランド素子12は、円形の平面状(平板状)に形成されており、基板8の前面8a側で反射防止部材10に取り付けられている。具体的には、図9に示すように、反射防止部材10の後面にはボス部10fが形成されており、グランド素子12はボス部10fのネジ穴に後方から螺合されたネジ26によって固定されている。グランド素子12の前面はボス部10fの先端面に当接されており、ボス部10fはグランド素子12と反射防止部材10の板状部10aとの間隔を設定するスペーサとして機能している。また、図8に示すように、ボス部10fと、リブ10d,10e及び筒状部10gとが同じ高さである場合、リブ10d,10e及び筒状部10gもスペーサとして機能する。なお、グランド素子は矩形又は多角形等でもよく、灯器内に収納できる形状であればどういうかたちであってもよい。
また、別の例では、図10に示すように、反射防止部材10の後面には、反射防止部材10とは別体のスペーサ28が設けられ、このスペーサ28を貫通するボルト29とナット30とによって板状部10aにグランド素子12が固定されている。
図4に示すように、グランド素子12は、パッチ素子11の後方であって、前後方向について基板8とLED7の前端39との間、より詳しくは、基板8と反射防止部材10との間に設けられている。グランド素子12には、LED7(LED7のリード線)を挿通させる開口部として複数の孔14が形成されている。この孔14の配置は、LED7の配置と一致させてあり、グランド素子12は網目構造となっている。つまり、ここでいう網目構造には、例えば練炭のように平板に孔がいくつか空けられた構造も含まれる。
また、グランド素子12の輪郭形状はパッチ素子11の輪郭形状よりも大きくなっている。グランド素子12には、反射防止部材10のボス部10cを貫通させる孔が形成されているが、当該ボス部10cがグランド素子12の外周側に配置されている場合は、当該孔は不要となる。
収容部材6(底部6a)には、アンテナ4用の同軸ケーブル15を接続させる端子部19が取り付けられており、この端子部19に、図1の制御装置5から延びる同軸ケーブル15を接続することができる。そして、この端子部19から後空間部S2へ延びる同軸ケーブル15aが、アンテナ4と接続されている。同軸ケーブル15aは、内導体15b、絶縁体15c、外導体15d及び被覆部15eを有しており、この同軸ケーブル15aの内導体15bがパッチ素子11に接続されており、外導体15dがグランド素子12に接続されている。基板8や反射防止部材10の板状部10aには、同軸ケーブル15aを貫通させる孔が形成されており、この孔によりグランド素子12やパッチ素子11への同軸ケーブル15aの接続を可能にしている。
なお、内、外導体15b,15dと各素子11,12(各素子の導電体部分)とを半田によって接続し固定することができるが、半田以外の方法であってもよい。
なお、図1の制御装置5から延びるLED7用の電源ケーブル(図示せず)が、収容部材6の底部6aに取り付けた端子部(図示せず)を介して、LED用基板8と接続されている。
以上の構成により、グランド素子12とパッチ素子11とが、前空間部S1内に設けられ、パッチ素子11は、基板8の前面8aからLED7の前端39までの範囲Aに設けられ、グランド素子12はパッチ素子11の後方に設けられた状態となる。そして、グランド素子12とパッチ素子11とが、前後方向に対向した配置となり、このアンテナ4の指向性は信号灯器1から前方へ向かう方向となる。すなわち、光学ユニット2による投光方向と、アンテナ指向性とを略一致させることができ、信号灯器1は車両に対して見通しが良い位置に設置されることから、このアンテナ指向性によって、車両の車載機(図示せず)との間で、良好な通信状態が得られる。
グランド素子12とパッチ素子11との間隔は、スペーサ24やボス部10f(又は図10に示すスペーサ28)によって、所望のアンテナ性能が得られるように設定されている。
アンテナ4が格納された信号灯器1を、路車間で無線通信を行う高度道路交通システム(ITS)に利用するために、使用周波数を715MHz〜725MHzと設定する場合、グランド素子12とパッチ素子11との前後方向の間隔を10〜40mmに設定することができる。なお、これはグランド素子12とパッチ素子11との間に、空気が介在している場合である。
なお、グランド素子12とパッチ素子11との前後方向の間隔は、パッチ素子11の外周の直径が170mm〜230mm程度で、孔の大きさが10mm〜25mm程度である場合には、20〜30mm程度が好ましい。また、孔の大きさが25〜35mm程度であれば、10〜25mm程度が好ましい。すなわち、パッチ素子11の表面の面積が小さいほどグランド素子12との前後方向の間隔は狭くする方が良く、表面積が大きいほどグランド素子12との間隔を広げると良い。なお、孔の大きさはそれぞれ異なる大きさであってもよい。
また、この図4の実施形態では、基板8の前面8aからLED7の前端39までの距離が小さくても、パッチ素子11をこの前端39よりも前方に配置することができるため、グランド素子12とパッチ素子11との前後方向の間隔を所望の値に設定しやすい。また、グランド素子12は、LED7の前端39よりも後方に配置されているので、パッチ素子11との間隔を取り易い構造となっている。
グランド素子12とパッチ素子11との間が空気のみによって絶縁されている場合、両者の間隔は20〜30mm程度であるが、グランド素子12とパッチ素子11との間に、反射防止部材10のような絶縁部材としての樹脂板が設けられている場合、両者間の誘電率が変化するため両者の間隔を前記値よりも小さくすることも可能である。この絶縁部材としては、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、フッ素樹脂板、ガラスエポキシ、FRP又はポリアセタール板がある。
また、グランド素子12とパッチ素子11とは平行に配置されていてもよいが、アンテナ指向性を調整するために、パッチ素子11及びグランド素子12の一方又は双方が、基板8に対して傾いて配置されていてもよい。
なお、信号灯器1はドライバへの視認性に鑑みて、通常、基板8自体を少し下方に傾けて設置してある。そのため、パッチ素子11及びグランド素子12を基板8に平行に取り付けることによって、アンテナ4の指向性も下方に向くが、路車間での無線通信領域を限定的としたり確実性を増したりすることを目的として、基板8よりもさらに下方に傾けるようにしても良い。
また、グランド素子12とLED7とは前後方向の位置について重複しているが、グランド素子12には、LED7(LED7のリード線)を挿通させる開口部として複数の孔14が形成されているので、グランド素子12がLED7に干渉することがないように、グランド素子12の孔14にLED7を挿し入れ、グランド素子12を所定の位置に設置することができる。そして、この形態によれば、グランド素子12はLED7の前端39よりも後方となるため、グランド素子12がLED7による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
なお、グランド素子12に形成している前記開口部の構成としては、図示しているように、グランド素子12に孔14をあけて素子と干渉しないようにLED7を配置するに限らず、図示しないが、孔14を設けずに、例えばグランド素子12の導電体部分(導体部分)を蛇行状に配置して(導電体部分を一筆書きになるように配置して)、グランド素子12と干渉しないようにLED7を配置することもできる。
以上の形態によれば、前記パッチ素子11、及び、前記グランド素子12によって、アンテナユニットが構成されており、このアンテナユニットが、信号灯器1に組み込まれたものとなっている。反射防止部材10は光学ユニット2の構成部材であるが、パッチ素子11を支持する支持部材としての機能からアンテナユニットの一構成部材とも捉えることができる。
パッチ素子11及びグランド素子12は、反射防止部材10に取り付けられて支持されているため、基板8にはパッチ素子11やグランド素子12を取り付けるためのネジ穴等の取付部を設ける必要がない。したがって、当該取付部を設けるために基板8の回路配線(配線パターン部)が複雑になったり、配線設計の制約が大きくなったりすることもない。また、当該取付部を設けるためにジャンパケーブル等が必要になることもないので、部品数や製造工程が増えることもなく、製造コストの増大を抑制することができる。
また、本実施の形態では、基板8も反射防止部材10に取り付けられている。したがって、反射防止部材10には、パッチ素子11、グランド素子12、及び基板8が取り付けられ、これらは一体化されている。そのため、これらの一体化された部品を1つのユニットとして構成することができる。そして、反射防止部材10を収容部材6に取り付けてやれば、このユニット全体を収容部材6に取り付けることができるので、収容部材6への当該ユニットの取り付けが容易になる。収容部材6には、反射防止部材10用の取付部を設ければ足りるため、構造を簡素化することができる。ただし、収容部材6には、反射防止部材10以外の部品をサポートするための部材が設けられていてもよい。
図5はアンテナ4を内蔵した光学ユニット2の変形例を示す斜視図である。なお、説明を容易とするために、LED7と反射防止部材10とを省略して図示している。このアンテナ4のパッチ素子11は、輪郭形状を矩形としている。
LED7の前端39よりも前方にあるパッチ素子11は、このLED7の前方への投光を阻害しないように、パッチ素子11の厚さ方向(前後方向)に、可視光透過性を有している(可視光に対して透明である)。具体的に説明すると、パッチ素子11は、可視光透過用の開口を有する導電体からなる。つまり、図5に示しているように、パッチ素子11をメッシュ構造による導電体とすることにより、パッチ素子11は可視光透過性を有している。このように、パッチ素子11をメッシュ構造とするために、導線によって(導線を編んで)形成することができる。
このパッチ素子11を、例えば、径(幅)が1mmである導線によってメッシュ構造とする場合、この導線のピッチ(メッシュの間隔)を所定の値として(例えば20mmとして)上下方向及び左右方向に編み、網目状金属素子とすることができる。このピッチが20mmである場合、そのピッチは約1/20波長となり、使用する周波数を約720MHz、波長を約420mmとすることができる。
また、パッチ素子11のメッシュ数(メッシュ粗さ)は変更自在であり、粗くしたものが図6である。このパッチ素子11は、一面を四分割した網目状金属素子からなる。これ以外に、図示しないが、一面を2分割したもの、三分割したもの等であってもよい。
メッシュの間隔は、特に限定されないが、1/5波長以下とするのが好ましく、特に1/10波長以下が好ましい。メッシュの間隔が小さい程高い周波数まで対応することができる。
なお、導線の強度を確保するため、導線の径(幅)は0.5mm以上が好ましく、一方で光の透過率を高めるために、2mm以下とすることが好ましい。ただし、導線を樹脂板の上に蒸着させる方法などによって製造する場合には、強度について考慮する必要性が乏しいため、その導線の幅は0.5mm以下であっても良い。
また、図7に示しているように、パッチ素子11を外形枠構造(フレーム構造)による導電体とすることにより、可視光透過性を有するものとしてもよい。この外形枠構造は、面状とするパッチ素子11の輪郭部分にのみ導線が設けられて得た構造である。
また、パッチ素子11をメッシュ構造乃至外形枠構造とする場合、前記のような導線を利用する以外に、板部材の表面に金属膜(金属薄膜)による網目を形成してもよい。この場合、図4の2点鎖線で示しているように、可視光透過性のある板部材16が、カバー部材9とLED7の前端39との間に設けられており、この板部材16の表面又は裏面(図例では表面)にメッシュ構造乃至外形枠構造であるパッチ素子11を形成してもよい。そして、この板部材16が反射防止部材10に取り付けられることによって、パッチ素子11が反射防止部材10に支持される。
板部材16としては、例えば透明の樹脂板とすることができる。板部材16は可視光を充分に透過する材料であるのが好ましく、例えば、ポリカードネート、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ガラスなどによれば薄くても強度の面で優れ、また、安価で好ましい。
板部材16を利用する場合の具体例としては、板部材16の面に、例えば線幅10μmであってピッチ(メッシュの間隔)を100μmとする導線部からなる微細なメッシュを形成すればよい。このように板部材16に微細なメッシュを形成する場合、線幅が1μm以上で50μm以下であり、ピッチが50μm以上で1000μm以下とするのが好ましい。
なお、メッシュ形状は、図示したような四角形状に限らず、三角形状、ハニカム形状とすることができ、また、全体として放射形状(蜘蛛の巣形状)等とすることができる。
また、パッチ素子11が可視光透過性を有しているものとするために、パッチ素子11を、可視光透過性を有する薄膜導電体(薄膜金属)から形成することができる。そして、この薄膜導電体を前記板部材16に形成することでパッチ素子11を薄く、所定の形状に形成することができる。この場合、薄膜導電体の厚さを1μm以上であり100μm以下とするのが好ましく、これにより、可視光透過性を有するものとなる。
パッチ素子11を板部材16に形成する方法として、以下のものがある。パッチ素子11を単独で形成し、これを板部材16に貼り付ける。この場合、パッチ素子11を板部材16に粘着部材(粘着テープ)によって接着する。または、板部材16に対して金属蒸着を行うことでパッチ素子11を形成してもよい。または、板部材16に対して印刷によってパッチ素子11を形成してもよい。または、板部材16に対して金属メッキを施してパッチ素子11を形成してもよい。
グランド素子12は金属板から形成されている。そして、パッチ素子11及びグランド素子12の材質としては、導電性があり、導電率の高い材料が好ましく、例えば、銅、真鍮などの銅合金、アルミが好ましく、鉄、ニッケル又はその他の金属とすることもできる。また、高周波は表面に電流が流れることから、板部材16に金属蒸着したものや、金属メッキ(金や銀のメッキ)を施したものでもよい(図示せず)。
次に、アンテナ内蔵型信号灯器の別の実施形態について説明する。図11はこの信号灯器が備えている光学ユニット2及びアンテナ4を示している断面図である。図11の実施形態と前記実施形態(図4)との相違点は、グランド素子12の位置である。パッチ素子11の取り付け構造は、図4と同じであり、反射防止部材10の前方にパッチ素子11が取り付けられている。
そして、グランド素子12は、反射防止部材10の板状部10aに前方突出状に形成されたボス部10fにネジ26によって取り付けられ、LED7の前端39よりも前方に配置されている。
この場合、グランド素子12についても、可視光透過性を有している。グランド素子12をパッチ素子11と同じ構成とすることにより、可視光透過性を有するものとすることができる。すなわち、グランド素子12は、メッシュ構造乃至外形枠構造による導電体からなる。また、グランド素子12は、可視光透過性を有する薄膜導電体からなるものとすることができる。
さらに、図4のパッチ素子11を板部材16に形成している場合と同様に、図11において、グランド素子12は、可視光透過性のある板部材17(図11の2点鎖線)の前面又は後面に形成することができる。なお、板部材17に対するグランド素子12の形成方法は、前記パッチ素子11の場合と同様である。そして、この板部材17が反射防止部材10に取り付けられることによって、グランド素子12が反射防止部材10に支持される。
この図11の実施形態では、グランド素子12がLED7の前端39よりも前方に設けられているが、グランド素子12は可視光透過性を有しているため、LED7の前端39から前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。なお、この場合、図4のグランド素子12に必要であった孔14は不要となる。
また、他の形態として、LED基板8に形成した回路配線(配線パターン部)を、前記グランド素子として使用(兼用)することもできる。
以上の各実施形態では、パッチ素子11及びグランド素子12は、前記空間部Sのうちの前空間部S1に設けられている。
アンテナ内蔵型信号灯器のさらに別の実施形態を説明する。図12は、この信号灯器が備えている光学ユニット2及びアンテナ4を示している断面図である。図12の実施形態と前記図4の実施形態との相違点は、グランド素子12の位置であり、その他の構成は同様である。このグランド素子12は、基板8の後方において、反射防止部材10の板状部10aに後方突出状に設けられたボス部10fにネジ26によって取り付けられている。
パッチ素子11は、前空間部S1であって、LED7の前端39よりも前方に設けられているが、グランド素子12は、後空間部S2に設けられている。そして、この実施形態によれば、所望の性能となるパッチアンテナ4とするため、パッチ素子11とグランド素子12との間に、前後方向の所定の広い間隔を設けることができる。つまり、前記のとおり、使用周波数を715MHz〜725MHzとするために、グランド素子12とパッチ素子11との前後方向の間隔を所定の値(10〜40mm)に設定し易くなる。
図13は、さらに別のアンテナ内蔵型信号灯器が備えている光学ユニット2及びアンテナ4を示している正面図である。なお、説明を容易とするために、反射防止部材10を省略して図示している(以下の図14〜図17も同様)。図13では、パッチ素子11の輪郭形状を矩形としている。また、このパッチ素子11の対向する2辺が左右方向であり、別の対向する2辺を上下方向としている。そして、同軸ケーブル15aによるアンテナ4(パッチ素子11)への給電点を、その上縁でかつ左右方向の中央部(又は下縁でかつ左右方向の中央部:つまりX軸上)とすることで、電界の面を垂直偏波(X軸方向の偏波)としている。なお、図示しないが、同軸ケーブル15aによるアンテナ4(パッチ素子11)への給電点を、右側縁(又は左側縁)でかつ上下方向の中央部(Y軸上)とすることで、電界の面を水平偏波(Y軸方向の偏波)とすることができる。
図14は、さらに別の形態の正面図である。このアンテナ4のパッチ素子11の輪郭形状は矩形であり、また、X軸上とY軸上との2つの給電点(同軸ケーブル15a)を有している。この場合、垂直偏波及び水平偏波のデュアル偏波のパッチアンテナとすることができる。さらに、この形態において、2つの同軸ケーブル15aに、同振幅で90°位相差の信号を入力することにより、円偏波のアンテナとして利用することができる。また、これらをスイッチ等によって動的に切り替えられるような構成としても良い。
図15は、さらに別の形態の正面図である。このアンテナ4のパッチ素子11の輪郭形状は矩形であり、パッチ素子11は、対向する2辺及び別の対向する2辺がそれぞれ傾斜するように設けられている。そして、隣り合う2辺のそれぞれの中央部に給電点(同軸ケーブル15a)が設けられている。この場合、+45°偏波及び−45°偏波のデュアル偏波のパッチアンテナとすることができる。さらに、この形態において、2つの同軸ケーブル15aに、同振幅で90°位相差の信号を入力することにより、円偏波のアンテナとして利用することができる。
図16は、さらに別の形態の正面図である。このアンテナ4のパッチ素子11の輪郭形状は矩形であり、このパッチ素子11の対向する2辺が左右方向であり、別の対向する2辺を上下方向としている。そして、このパッチ素子11の隅部(対角線上)に給電点(同軸ケーブル15a)が1つ設けられている。この場合、円偏波のアンテナとすることができる。
図17は、さらに別の形態の正面図である。このアンテナ4のパッチ素子11の輪郭形状は、矩形から一対の対角部を直線的に切り取った形状(六角形状)である。そして、同軸ケーブル15aによるパッチ素子11への給電点を、Y軸上としている。これにより、円偏波のアンテナとすることができる。
図18は、さらに別の形態であり光学ユニット2及びアンテナ4を示している断面図である。この図18の形態では、アンテナ4は、前記グランド素子12及び前記パッチ素子11(第1パッチ素子11)の他に、第2パッチ素子21をさらに有している。この第2パッチ素子21は、第1パッチ素子11とカバー部材9との間に配置されている。第2パッチ素子21は、反射防止部材10によって所定の位置に支持され、固定されている。具体的には、第2パッチ素子21は、ボルト22及びナット23によって反射防止部材10に取り付けられ、第2パッチ素子21と第1パッチ素子11との間にはスペーサ27が介在し、両者の間隔が所定に設定されている。
これにより、第1パッチ素子11と第2パッチ素子21とは前後方向に対面して設けられる。第1パッチ素子11は同軸ケーブル15aによって給電される給電素子であるが、第2パッチ素子21は、同軸ケーブル15aによって給電されない無給電素子である。このように、パッチ素子を2層とすることにより、広帯域な周波数特性を得ることができる。
また、他の形態として、LED7の基板8に形成した回路配線(配線パターン部)を、前記グランド素子としてもよい。つまり、基板8を、LED7用の配線部及びグランド素子12として兼用してもよい。
図19は、さらに別の実施形態であり光学ユニット2とアンテナ4とを示している断面図である。この図19の形態では、反射防止部材10が、アンテナ4のグランド素子12として用いられている。すなわち、反射防止部材10は、グランド素子12としての機能を有するような素材(導電性があり、導電率の高い材料、例えば、銅、真鍮などの銅合金、アルミが好ましく、鉄、ニッケル又はその他の金属)により形成されている。また、反射防止部材10には同軸ケーブル15aの外導体15dが接続されている。
このように、反射防止部材10にグランド素子12としての機能を持たせることによって、アンテナ4又は光学ユニット2を構成する部品が少なくなり、コスト低減や構造の簡素化、収容部材6の小型化(薄型化)が可能となる。
反射防止部材10をグランド素子12として用いるための別の例として、合成樹脂材により形成された反射防止部材10の前面に、金属蒸着したものや金属メッキを施し、グランド素子12とすることもできる。また、グランド素子12として機能する部分(例えば、反射防止部材10の内周側)のみを金属で形成し、反射防止部材10のみとして機能する部分(例えば外周側)を合成樹脂材で形成することもできる。これらの場合、反射防止部材10の全体を金属によって構成する場合に比べて、重量を抑制することができる。
以上の各実施形態によれば、パッチ素子11及びグランド素子12を有するアンテナ4は光学ユニット2に組み込まれたものとなる。なお、図1の信号灯器1は三つの光学ユニット2を有しており、それぞれの光学ユニット2にアンテナ4が組み込まれている。これにより、アンテナ4を目立たなくして信号灯器1に設置することができ、道路の美観を損なうことがない。
そして、アンテナ4が信号灯器1の光学ユニット2に組み込まれていることから、アンテナ設置用の専用の支柱を不要とすることができる。また、パッチ素子11はLED7の前端39よりも前方に設けられているが、パッチ素子11は可視光透過性を有しているため、LED7による前方への発光(灯光)の妨げになることを防止することができる。
さらに、アンテナ4が露出した状態(突出した状態)にないため、信号灯器1を取り付けるための支柱40及びアーム41(図1)の設計において、アンテナ4が受ける風荷重を追加的に考慮する必要がない。また、アンテナ4に対する防錆、防塵についても追加的に考慮する必要がない。
また、交通用の信号灯器1は、車両のドライバによる視認性を考慮して道路に設置されているため、各実施形態の信号灯器を道路の所定位置に設置することで、アンテナ4と車両の車載機との間で無線通信を行う上で、見通しが良好な状態が自然と得られる。これにより、この信号灯器1の光学ユニット2に組み込んだアンテナ4を、路車間で無線通信を行う高度道路交通システム(ITS)に活用することができ、また、良好な通信状態が得られる。
全体構成は図2〜4に示したものであって、パッチ素子11を矩形とした場合(図5)のアンテナ内蔵型光学ユニット2のモデルにおける、VSWR特性及び指向性について説明する。
図20は、このモデルにおいて、周波数を720MHzにチューニングした場合のVSWRを示したグラフである。なお、図20では、光学ユニット2のモデルとして、基板8にはLEDが設けられておらず、反射防止部材10が設けられておらず、グランド素子12には前記孔14が形成されていないものとしている。しかし、このモデルによるVSWR特性と指向性とについては、グランド素子12に孔14を形成したアンテナ4による特性と同等である。
図5を参考にして説明すると、この光学ユニット2において、パッチ素子11は左右方向の長さが201mm、上下方向の長さが173mmの矩形であり、メッシュ構造を有している。メッシュ構造は径(幅)が1mmである銅線によって構成され、ピッチ(メッシュの間隔)を左右方向に20mmとし、上下方向に21.5mmとして編んだ網目状金属素子によるものである。グランド素子12は円形(φ295mm)の銅板であり、正面視円形の光学ユニット2の中心線と同心状に配置されている。そして、同軸ケーブル15aの給電点を、上縁でかつ左右方向の中央部(前記中心線から上に85mm離れた位置)としている。グランド素子12は基板8上に設けられており、パッチ素子11とグランド素子12との前後方向の間隔が23.3mmである。また、基板8はガラスエポキシであり、カバー部材9は厚さが2mmのポリカーボネート製であり、半径500mmの球面形状を有するレンズである。
図20に示しているように、このアンテナ内蔵型光学ユニット2において、周波数715MHz〜725MHzの間におけるVSWRは、1.4未満であり、良好なものとなっている。
また、図21及び図22は、このアンテナ内蔵型光学ユニット2における水平面の指向性及び垂直面の指向性を示している。指向性の最大点で約9dBのゲインとなっており、この最大点から3db低下する範囲は、水平面で76°(図21参照)、垂直面で60°(図22参照)の角度を有しており、高度道路交通システム(ITS)において車載機と無線通信するために充分なビーム幅を有している。
また、参考として、図2〜図4に示した円形のパッチ素子11を有するアンテナ内蔵型光学ユニット2のモデルにおける、VSWR特性及び指向性について説明する。
図23は、このモデルにおいて、周波数を720MHzにチューニングした場合のVSWRを示したグラフである。なお、図23では、光学ユニット2のモデルとして、パッチ素子11は銅板(厚さ1mm)からなり可視光透過性を有していないものであり、また、基板8にはLEDが設けられておらず、反射防止部材10が設けられておらず、グランド素子12には前記孔14が形成されていないものである。しかし、このモデルによるアンテナ4のVSWR特性と指向性とについては、パッチ素子11を可視光透過性としかつグランド素子12に孔14を形成したアンテナ4による特性と同等である。
この光学ユニット2において、パッチ素子11は円形(φ215.5mm)の銅板であり、グランド素子12は円形(φ295mm)の銅板であり、これらを正面視円形の光学ユニット2の中心線と同心状に配置している。そして、同軸ケーブル15aの給電点を前記中心線から95.1mm離れた上縁部としている。グランド素子12は基板8上に設けられており、パッチ素子11とグランド素子12との前後方向の間隔が28.7mmである。また、基板8はガラスエポキシであり、カバー部材9は厚さが2mmのポリカーボネートであり、半径500mmの球面形状を有するレンズである。
図23に示しているように、このアンテナ内蔵型光学ユニット2において、周波数715MHz〜725MHzの間におけるVSWRは、1.4未満であり、良好なものとなっている。
また、図24及び図25は、このアンテナ内蔵型光学ユニット2における水平面の指向性及び垂直面の指向性を示している。指向性の最大点で約9dBのゲインとなっており、この最大点から3db低下する範囲は、水平面で80°(図24参照)、垂直面で60°(図25参照)の角度を有している。
以上より、高度道路交通システム(ITS)において車載機と無線通信するために充分なビーム幅を有している。
なお、本実施例に記載の交通信号灯器1を制御する制御装置5(交通信号制御機)は、アンテナ4を介して、交通信号灯器1を設置した道路もしくは近傍の道路等を走行する車両に対して、前記交通信号灯器1の現在及び将来の表示に関する信号情報を提供することができる。
信号情報としては、交通信号灯器1が表示する現在もしくは将来の信号灯色に関する情報を指し、各信号灯色の表示継続予定期間や表示する順序等に関する情報等を含むものである。
例えば、現在表示している灯色は青信号でその継続予定時間は5秒であり、その次に表示する灯色は黄信号でその継続予定時間は8秒であり、その次に表示する灯色は右折青矢印灯でその継続予定時間は5乃至10秒である、といった情報を所定の形式で表現して含ませると良い。なお、提供するのは現在表示している灯色とその継続時間だけとしても良いし、1サイクル分の情報をまとめて提供するようにしても良い。また、これらの情報に加えて、地点感応制御を実施している地点では、当該制御に関するパラメータ情報や制御を実施する時間帯の情報等を含ませても良い。
そして、前記信号情報を受信した車両側の車載コンピュータは、停止線までの距離と車両の走行速度や加速度等から、停止線に到着するまでの所要時間を推定した上で、当該所要時間経過後の信号灯色を推定することができる。そして、例えば現時点で青信号を表示していたとしても、停止線に到着する時点で信号灯色が赤信号と予測されるような場合には、安全に停止線の手前で停止するように、車載コンピュータは制御すれば良い。逆に、減速しなければ安全に交差点を通過できると判断できるような場合には、速度を維持するように制御すれば良い。
また、車載コンピュータは、車載装置の主導による制御のみならず、ブレーキアシストなど、ドライバの運転動作を補助する動作をしても良い。
また、車載コンピュータは、前記判断の結果を車両の搭乗者に対して、音声や画像情報によって通知するようにしても良い。例えば、「間もなく信号が変わるので停止すべきである」といった内容の音声をドライバに向けて発したり、ヘッドアップディスプレイやナビゲーション装置の画面上に文字や図柄で表示したりしても良い。
また、この発明の灯器は、前記実施形態に限定されるものではない。例えば、信号灯器は車両用以外にも、歩行者用のものであってもよい。また、信号灯器が有する発光体はLED以外に電球であってもよい。また、前記各実施形態ではグランド素子12を円形としたが、これ以外に矩形とすることもできる。また、この発明は、信号灯器以外に道路の照明用の照明灯器であってもよい。この場合、発光体として水銀灯やナトリウムランプがある。
この発明の灯器の実施の一形態を示す正面図である。 光学ユニット及びアンテナの斜視図である。 光学ユニット及びアンテナの正面図である。 光学ユニット及びアンテナの断面図である。 アンテナを内蔵している光学ユニットの斜視図である。 メッシュを粗くしたアンテナを内蔵している光学ユニットの斜視図である。 パッチ素子を外形枠構造としたアンテナを内蔵している光学ユニットの斜視図である。 反射防止部材の背面図である。 反射防止部材に対するグランド素子の取付部分を拡大して示す断面図である。 反射防止部材に対するグランド素子の取付部分の別の例を拡大して示す断面図である。 別の実施形態の灯器が備えている光学ユニット及びアンテナを示している断面図である。 さらに別の実施形態の灯器が備えている光学ユニット及びアンテナを示している断面図である。 さらに別の形態であり光学ユニット及びアンテナを示している正面図である。 さらに別の形態であり光学ユニット及びアンテナを示している正面図である。 さらに別の形態であり光学ユニット及びアンテナを示している正面図である。 さらに別の形態であり光学ユニット及びアンテナを示している正面図である。 さらに別の形態であり光学ユニット及びアンテナを示している正面図である。 さらに別の実施形態の灯器が備えている光学ユニット及びアンテナを示している断面図である。 さらに別の実施形態の灯器が備えている光学ユニット及びアンテナを示している断面図である。 パッチ素子をメッシュ構造とした場合のアンテナによるVSWRを示したグラフである。 水平面の指向性を示しているグラフである。 垂直面の指向性を示しているグラフである。 パッチ素子を円形とした場合のアンテナによるVSWRを示したグラフである。 水平面の指向性を示しているグラフである。 垂直面の指向性を示しているグラフである。
符号の説明
1 信号灯器(灯器)
2 光学ユニット
3 筐体
4 アンテナ
5 制御装置(交通信号制御機)
6 収容部材
7 LED(発光体)
8 基板
9 カバー部材
10 反射防止部材
10f ボス部(スペーサ)
11 パッチ素子
12 グランド素子
14 孔
15 同軸ケーブル
16 板部材
24 スペーサ

Claims (20)

  1. 発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、
    可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、
    前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されていることを特徴とする灯器。
  2. 前記基板が、前記支持部材によって支持されている請求項1に記載の灯器。
  3. 前記グランド素子が、前記支持部材によって支持されている請求項1又は2に記載の灯器。
  4. 前記パッチ素子が、前記支持部材の前方で当該支持部材によって支持され、
    前記グランド素子が、前記支持部材の後方で当該支持部材によって支持され、
    前記支持部材が、前記パッチ素子と前記グランド素子との間に配置された面状の部分を有しており、
    前記支持部材の面状の部分と、前記パッチ素子及び前記グランド素子の少なくとも一方との間に、両者の間隔を設定するスペーサが設けられている請求項1〜3のいずれか1つに記載の灯器。
  5. 前記支持部材は、前記光学ユニット外部の所定の方向から入射する光が前記基板及び前記発光体の少なくとも一方により反射するのを防止する機能を有している請求項1〜4のいずれか1つに記載の灯器。
  6. 前記支持部材に、前記アンテナに接続されるケーブルを貫通させる孔が形成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の灯器。
  7. パッチ素子が、前記支持部材の前方で当該支持部材によって支持され、
    前記グランド素子が、前記支持部材の後方で当該支持部材によって支持され、
    前記支持部材が、前記パッチ素子と前記グランド素子との間に配置された面状の部分を有しており、
    前記支持部材の面状の部分が、前後方向について前記基板と前記発光体の前端との間に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の灯器。
  8. 前記パッチ素子が、前記支持部材の前方で当該支持部材によって支持され、
    前記グランド素子が、前記支持部材の後方で当該支持部材によって支持され、
    前記支持部材が、前記パッチ素子と前記グランド素子との間に配置された面状の部分を有しており、
    前記支持部材の面状の部分が、前後方向について前記パッチ素子と前記発光体の前端との間に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の灯器。
  9. 前記グランド素子が、前後方向について前記基板と前記発光体の前端との間に設けられている請求項7又は8に記載の灯器。
  10. 前記光学ユニットが、発光ダイオードからなる前記発光体を複数有し、
    前記グランド素子が、面状であって、前記発光ダイオードを挿通させる開口部を有している請求項9記載の灯器。
  11. 前記グランド素子が、前後方向について前記基板と前記支持部材との間に設けられている請求項7又は8に記載の灯器。
  12. 前記グランド素子が、前記発光体の前端よりも前方に設けられており、可視光透過性を有している請求項8に記載の灯器。
  13. 前記グランド素子が、前記基板の後方に設けられている請求項7又は8に記載の灯器。
  14. 前記パッチ素子が、可視光透過用の開口を有する導電体からなる請求項1〜13のいずれか1つに記載の灯器。
  15. 前記パッチ素子が、可視光透過性を有する薄膜導電体からなる請求項1〜13のいずれか1つに記載の灯器。
  16. 前記カバー部材と前記発光体の前端との間に設けられた可視光透過性のある板部材を備え、前記パッチ素子がこの板部材に形成されている請求項1〜15のいずれか1つに記載の灯器。
  17. 発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、
    可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、
    前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されており、
    前記支持部材が、前記グランド素子として用いられていることを特徴とする灯器。
  18. 発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットと、
    可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方にあるグランド素子とを有しているアンテナと、を備え、
    前記パッチ素子が、前記基板の前方に配置された支持部材によって支持されていることを特徴とする交通信号灯器。
  19. 請求項18に記載の交通信号灯器に接続され、前記交通信号灯器の点灯および消灯を行う交通信号制御機であって、
    前記アンテナを介して、前記交通信号灯器の設置された道路上を走行する車両に対して、現在及び将来の前記交通信号灯器の表示に関する信号情報を送信するように構成されていることを特徴とする交通信号制御機。
  20. 発光体と、この発光体が前面に実装された基板と、可視光透過性を有し前記発光体を前方で覆うカバー部材とを有する光学ユニットに組み込まれる灯器用のアンテナユニットであって、
    可視光透過性を有し前記カバー部材から前記発光体の前端までの範囲に設けられているパッチ素子と、このパッチ素子の後方に設けられるグランド素子と、前記基板の前方に配置され、前記パッチ素子を支持する支持部材と、を有していることを特徴とする灯器用のアンテナユニット。
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