JP5246412B2 - 灯器 - Google Patents
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Description
このような路側通信装置と車載通信装置との間の通信(路車間通信)を無線によって行なう場合、無線通信の見通しを確保する観点から、歩道等に設置した支柱から車道側にアームを張り出し、このアーム上に路側通信装置のアンテナを取り付けている。また、前記アームを設けなくても見通しが確保できる場合、前記支柱に路側通信装置のアンテナを取り付けることができる。
そこで、道路には車両感知器や光ビーコンのヘッド等が設置されているため、これらを取り付けている支柱やアームにアンテナを併設することが考えられる。しかし、この場合においても、煩雑となり、美観の点で好ましくない。
そこで、本発明によれば、発光ダイオードの前後方向の長さが短くても、コネクタが、基板と発光ダイオードのリード線との間に前後方向に延びて設けられていることにより、発光ダイオードの前端をアンテナよりも前方に配置させている。これにより、アンテナが発光ダイオードによる前方への発光の妨げになることを防止することができ、かつ、アンテナを基板よりも前方とすることで、当該アンテナの通信性能が基板によって阻害されるのを防ぐことができる。
このため、例えば、取り付け板の前面側に複数の発光ダイオードを実装する作業に、フロー方式やリフロー方式の半田付けを適用することが可能となり、発光ダイオードをまとめて実装させることができ、製造が容易となる。
また、取り付け板において、発光ダイオードとの実装部とコネクタとの実装部とが導線部によって電気的に接続されているので、発光ダイオードが実装された取り付け板と、基板に実装されたコネクタとが接続された状態で、基板から発光ダイオードに通電させることのできる構成が得られる。
前記のとおり、発光ダイオードが実装された取り付け板側と、基板に実装されたコネクタ側とを接続する際、複数(例えば200個)の発光ダイオードが実装された取り付け板を、基板側のコネクタに対応させて一度に接続させる作業は困難になる場合があるが、この構成によれば、一度の作業で接続させる数を減らすことができ、その接続作業が容易となる。
この場合、導線部を短くすることが可能となるので、導線部がアンテナ性能に与える影響を小さくすることができる。なお、前記横断面は、前後方向から見た場合の断面となる。
この場合、前記取り付け板が、アンテナ素子を形成するための部材を兼ねることができ、構成の簡素化が可能となる。
本発明によれば、前記アンテナは、パッチアンテナであり、そのグランド素子は、不導体からなる前記基板の前面に形成された導体層からなり、前記基板の後面に前記配線パターンが形成されていることから、前記基板が、グランド素子を形成するための部材を兼ねることができ、構成の簡素化が可能となる。
しかし、発光ダイオードの前後方向の長さが前記間隔よりも短いと、基板の前面側に実装した当該発光ダイオードの前端よりもパッチ素子が前方に位置してしまう。この場合、パッチ素子が発光ダイオードによる前方の発光の妨げになることがある。
一方、パッチ素子が発光ダイオードによる前方の発光の妨げとならないために、パッチ素子を発光ダイオードの前端よりも後方に配置しようとすると、基板の前面側に実装した当該発光ダイオードは前後方向の長さが短いことから、グランド素子とパッチ素子との前後方向の間隔を小さい値でしか設定できず、所望のアンテナ性能を発揮させることができなくなるおそれがある。
そこで、本発明によれば、基板よりも前方にグランド素子とパッチ素子とを配置し、これらグランド素子とパッチ素子とを所望の間隔としても、前記コネクタによって、発光ダイオードの前端をパッチ素子よりも前方に配置させている。したがって、パッチ素子が発光ダイオードによる前方への発光の妨げになることを防止することができると共に、パッチアンテナに所望の性能を発揮させることができる。
図1は本発明の灯器の実施の一形態を示す正面図である。図1の灯器は交通信号用であり、この交通信号灯器1(以下、単に信号灯器1ともいう)は、道路に設置された車両用である。
信号灯器1の設置構造について説明すると、歩道等の路側に支柱40が設置され、この支柱40から車道側にアーム41が張り出されて設けられており、このアーム41に信号灯器1が取り付けられている。
なお、信号灯器1の設置構造は図示したもの以外であってもよい。例えば、図示しないが、前記支柱40及び前記アーム41の形態が異なっていてもよく、また、信号灯器1を歩道橋に架設してもよい。また、本発明の信号灯器1は図示しないが、歩行者用であってもよい。
前記支柱40には、制御装置5aが取り付けられていて、この制御装置5aは、信号灯器1の点灯を制御する。なお、制御装置5aは、信号灯器1の筐体3内に設けられていてもよい。
LED7はレンズ部(モールド部)7eを有し(図7(a)参照)、このレンズ部7e内にLED素子7bが設けられている。
なお、LED基板8と、複数のLED7とは、後述する接続体19を介して接続されている。
図4の光学ユニット2は、後に説明する反射防止部材10を更に備えている。反射防止部材10は収容部材6に取り付けられていて、この反射防止部材10に前記LED基板8や後述するアンテナ4等を取り付けることができる。又は、反射防止部材10を省略してもよく、この場合、LED基板8は収容部材6に直接取り付けられ、後述のアンテナ4は、スペーサ等を介してLED基板8に取り付けられる。
図5は光学ユニット2の内部の拡大断面図であり、図4の矢印V方向からLED7及び後述する接続体19等を見た断面図である。なお、図5では、反射防止部材10を省略している。図6は、LED7の取り付け部を説明する斜視図である。
接続体19は、前記のとおり、LED基板8と複数のLED7それぞれの対のリード線7cとを電気的に接続するためのものであり、接続体19は、前後方向に長いコネクタ20を複数本有している。各コネクタ20は、図6に示しているように、LED7の一対の前記リード線7cそれぞれに接続可能となる一対の延長リード線20eが絶縁体(樹脂部材)20fによって内包された構成である。この延長リード線20eの後端部20a及び前端部20bが絶縁体20fから露出している。
図6において、取り付け板21には、一対で一組の第一の貫通孔21cが形成されていて、貫通孔21cにLED7のリード線7cを挿通させ、半田付け等によって、LED7は取り付け板21に接続されている。これにより、取り付け板21の前面21a側には複数のLED7が面状に広がって配設された構成となる。
なお、この実施形態では、一つのLED7に対して一つの独立したコネクタ20が設けられているが、一つのコネクタ20の絶縁体20fが他のコネクタ20の絶縁体20fと一体となって、複数のコネクタ20が束となっていてもよい。また、延長リード線20eの前端部20bは屈曲形状でなくてもよく、通常の直線形状であってもよい。
図6及び図11において、導線部23cの長さLと形状の具体例を説明する。導線部23cは、LED7の円柱形状であるレンズ部7eの直径d(横断面最大長さ)の半分(d/2)と一本のコネクタ20の横断面最大長さwの半分(w/2)との和(d/2+w/2)と、ほぼ同じ長さLを有していて、直線の導体からなるように形成されている。これにより、LED7のリード線7cと、コネクタ20の絶縁体20fとが干渉することはなく、かつ、導線部23cの長さを短くすることができる。また、LED7のリード線7cとコネクタ20の絶縁体20fとが干渉しなければ、導線部23cの長さLを、前記和(d/2+w/2)よりも短く設定してもよい(図11参照)。
したがって、パッチ素子11がLED7による前方への発光の妨げになることを防止することができると共に、パッチアンテナ4に所望の性能を発揮させることができる。
図7(a)に示しているように、取り付け板21の前面21a側に複数のLED7(約200個程度)を実装する。このために、複数のLED7について、取り付け板21に形成した一対で一組の貫通孔21cに、各LED7の一対のリード線7cを挿通させた状態とし、取り付け板21の後面21b側において、これら複数のLED7をまとめて半田付けをする。
そこで、LED7それぞれに対応させて、コネクタ20の第一の部分20cを取り付け板21の後面21b側に実装する。このために、取り付け板21に形成した貫通孔21dに、第一の部分20cにおける前記一対の延長リード線20eの前端部20bを挿通させ(図6参照)、取り付け板21の前面21a側から、半田付けをする。
これにより、コネクタ20の第一の部分20cとLED7とは、取り付け板21の導線部23cを介して電気的に接続された状態となる。
なお、前記説明では、取り付け板21にLED7を先に接続する場合を説明したが、逆にコネクタ20の第一の部分20cを先に接続してもよい。そして、先に接続する側において、半田付けは、例えばフロー方式によってまとめて行われる。そして、後に接続する側においては、半田付けは、例えばリフロー方式によってまとめて行われる。
なお、この接続作業において、図7(b)の二点鎖線で示しているように、パッチ素子11及びグランド素子12に形成された後述する孔34a,14aを、コネクタ20の第一の部分20c(又は第二の部分20d)に挿通させた状態とし、コネクタ20の第一の部分20cと第二の部分20dとを接続する。
この場合、図7(b)で説明したように、取り付け板21の裏面21b側に実装されているコネクタ20の第一の部分20cと、LED基板8の前面8aに実装されているコネクタ20の第二の部分20dとを接続する際、仮に取り付け板21が1枚であると、当該取り付け板21側の全てのコネクタ20の第一の部分20cと、LED基板8側の全てのコネクタ20の第二の部分20dとの位置を一致させ、全数をまとめて接続させる必要があるため、その接続作業に手間を要するおそれがある。
しかし、図8に示しているように、取り付け板21が、複数に分割されて複数のLED7が分かれて設けられている分割板25a〜25jからなるため、その接続作業が容易となる。すなわち、取り付け板21を分割することで、多数のコネクタ20の第一の部分20cも、分割板25a〜25jそれぞれに分かれて複数設けられるので、コネクタ20の第一の部分20cと第二の部分20dとを接続させる一回の接続作業で、第一の部分20cと第二の部分20dとの接続箇所の数が少なくなり、作業が簡単となる。
図9は、他の実施形態に係る信号灯器1(光学ユニット2)の内部の拡大断面図である。この実施形態は、図5の実施形態と比べて、LED7は前後方向に長くなっているが、その代わりにコネクタ20が短くなっている。しかし、図9の実施形態においても、パッチ素子11とグランド素子12との間に必要な間隔Eよりも、取り付け板21からLED7の前端39までの前後方向長さYは短く、仮にこのLED7をLED基板8に直接接続した場合ではパッチ素子11がLED7の前端39よりも前方に位置してしまう。したがって、前記実施形態と同様に、接続体19が用いられている。
また、LED7の実装部B1とコネクタ20の実装部B2とを電気的に接続している取り付け板21上の導線部23cが、パッチ素子11とグランド素子12との間に存在しているが、この実施形態においても、導線部23cは短く設定されていることにより、この導線部23cがパッチアンテナ4のアンテナ性能に与える影響を小さくしている。
前記各実施形態に用いられたパッチ素子11及びグランド素子12の具体的な構成について、図3と図4とにより説明する。
パッチ素子11は、円形又は矩形(図3では円形)の平面状(平板状)に形成されている。パッチ素子11は、LED基板8から前方へ離れて設けられているが、LED7の前端39(レンズ部7eの前端39)よりも後方に位置している。
なお、路車間通信での無線通信の領域を限定的としたり確実性を増したりすることを目的として、パッチアンテナ4をLED基板8に対して上下方向又は左右方向に傾けるようにしてもよい。つまり、パッチアンテナ4の指向性を調整するために、パッチ素子11及びグランド素子12の一方又は双方を、LED基板8に対して傾けて配置してもよい。
また、高周波は表面に電流が流れることから、樹脂製等の不導体の板部材からなる基板に、蒸着したものや、金属メッキ(金や銀のメッキ)を施したものであってもよい。
これと同様に、図10に示しているように、不導体(例えば樹脂板)からなる取り付け板21に(例えばその裏面21bに)、蒸着等によって導体膜(導体層)を形成し、この導体膜によってパッチ素子11を構成してもよい。なお、図10は、他の実施形態〔第三の実施形態〕に係る光学ユニット2の内部の拡大断面図であり、図5の実施形態の変形例である。
このような不導体からなる基板が用いられたパッチ素子11及びグランド素子12の構成によれば、取り付け板21、LED基板8が、パッチ素子11、グランド素子12を形成するための部材を兼ねることができ、構成の簡素化が可能となる。
なお、図10の実施形態では、パッチ素子11とLED7とが前後方向の位置について重複していることから、パッチ素子11には、LED7のリード線7cを挿通させる開口部として複数の孔34bが形成されている。また、グランド素子12とコネクタ20とが前後方向の位置について重複していることから、グランド素子12には、コネクタ20を挿通させる開口部として複数の孔14bが形成されている。前記孔34bの配置はLED7の配置と一致していて、前記孔14bの配置はコネクタ20の配置と一致している。
そこで、図4に示したように、前記反射防止部材10が、光学ユニット2の外部から入射する光(太陽光)がLED基板8及びLED7の少なくとも一方により反射するのを防止する機能を有している。反射防止部材10は、絶縁部材である合成樹脂材により形成されている。
例えば、本発明の信号灯器1は、赤、黄、青の灯光色を有する光学ユニット2以外に、図示しないが、車両等の進行可能を意味する矢印を点灯させる光学ユニットを更に備えた矢印式信号灯器であってもよい。この場合、矢印式信号灯器の光学ユニットも、赤、黄、青の光学ユニット2と同様に、内部に発光体(LED)及びカバー部材等を有していて、この光学ユニットにアンテナが格納されていてもよい。
また、本発明の信号灯器1は、車両用以外にも、歩行者用の信号灯器であってもよい。
2 光学ユニット
4 パッチアンテナ(アンテナ)
7 発光ダイオード(LED)
7c リード線
8 LED基板(基板)
8a 前面
8c 配線パターン
9 カバー部材
11 パッチ素子(アンテナ素子)
12 グランド素子
20 コネクタ
21 取り付け板
21a 前面
21b 後面
23c 導線部
25a〜25j 分割板
39 前端
Claims (6)
- 複数の発光ダイオード、前記発光ダイオードの後方に設けられ当該発光ダイオードに給電するための配線パターンが形成されている基板、及び、可視光透過性を有し前記発光ダイオードを前方で覆うカバー部材を有する光学ユニットと、
前記基板の前方に配置された状態で前記光学ユニットに格納されているアンテナと、
前記基板と前記発光ダイオードのリード線との間に前後方向に延びて設けられていることにより、前記発光ダイオードの前端を前記アンテナよりも前方に配置させるコネクタと、
複数の前記発光ダイオードが前面側に実装されていると共に、前記基板に実装されている前記コネクタが後面側に実装されている取り付け板と、
を備え、
前記取り付け板は、前記発光ダイオードの実装部と前記コネクタの実装部とを電気的に接続している導線部を有していることを特徴とする灯器。 - 前記取り付け板は、複数に分割されて前記複数の発光ダイオードが分かれて設けられている分割板からなる請求項1に記載の灯器。
- 前記導線部は、前記発光ダイオードの横断面最大長さの半分と、前記コネクタの横断面最大長さの半分との和とほぼ同じ乃至当該和よりも短い長さを有している直線の導体からなる請求項1又は2に記載の灯器。
- 前記アンテナは、不導体からなる前記取り付け板の一面に形成された導体層からなるアンテナ素子を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の灯器。
- 複数の発光ダイオード、前記発光ダイオードの後方に設けられ当該発光ダイオードに給電するための配線パターンが形成されている基板、及び、可視光透過性を有し前記発光ダイオードを前方で覆うカバー部材を有する光学ユニットと、
前記基板の前方に配置された状態で前記光学ユニットに格納されているアンテナと、
前記基板と前記発光ダイオードのリード線との間に前後方向に延びて設けられていることにより、前記発光ダイオードの前端を前記アンテナよりも前方に配置させるコネクタと、
を備え、
前記アンテナは、前記基板よりも前方に設けられたグランド素子、及び、このグランド素子よりも前方に設けられたパッチ素子を有しているパッチアンテナであり、
前記グランド素子は、不導体からなる前記基板の前面に形成された導体層からなり、
前記基板の後面に前記配線パターンが形成されていることを特徴とする灯器。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の灯器は、交通信号灯器であることを特徴とする灯器。
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