以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態のセンサシステム10は、設定用センサユニット20、基本センサユニット30、及び表示用センサユニット40により構成されている。各センサユニット20,30,40は、それぞれ扁平な略立方体状に形成されているとともに、その厚さ方向に積層するように、長尺の矩形平板状をなす金属製のフレーム11に固定されている。以下、説明の便宜のため、各センサユニット20,30,40の積層方向を左右方向(矢印Y1に示す)と示し、左右方向に直交する方向を前後方向(矢印Y2に示す)と示し、図2(a)に示すように、左右方向及び前後方向に直交する方向を上下方向(矢印Y3に示す)と示す。
図2(a)及び(c)に示すように、設定用センサユニット20、及び表示用センサユニット40の上面には、4つの7セグメントLED(発光ダイオード)を組み合わせることにより4桁の数値又は文字を表示可能に構成された表示手段としての表示器12aが設けられている。なお、図2(b)に示すように、本実施形態の基本センサユニット30には、設定用センサユニット20や表示用センサユニット40のように表示器12aが設けられていない。
また、図2に示すように、各センサユニット20,30,40の上面には、センサユニットの動作状態を報知(表示)するための状態表示LED12bが設けられている。各センサユニット20,30,40の左側面には、自機(自ユニット)の左側に他のセンサユニットが設置された場合に、この他のセンサユニットと光通信を行うための左通信用窓13が設けられている。その一方で、図3に示すように、各センサユニット20,30,40の右側面には、自機の右側に他のセンサユニットが設置された場合に、この他のセンサユニットと光通信を行うための右通信用窓14が設けられている。各センサユニット20,30,40の内部には、左通信用窓13に対応させて光通信用受光素子15がそれぞれ設けられている一方で、右通信用窓14に対応させて光通信用投光素子16がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、各センサユニット20,30,40の前面には、投光用の光ファイバが接続される接続端子17、及び受光用の光ファイバが接続される接続端子18が設けられている。図3に示すように、各センサユニット20,30,40の内部には、接続端子17に接続される光ファイバに光を入射させる投光素子17a、及び接続端子18に接続される光ファイバから入射される光を受光する受光素子18aが設けられている。受光素子18aは、接続端子18を介して入射される入射光を光電変換し、入射光の光量(強度)に応じたレベルの検知信号を出力可能に構成されている。各センサユニット20,30,40の接続端子17,18に接続された光ファイバは、それぞれ検出対象となるワークWの搬送経路(図3で白抜きの矢印で示す)を挟んで対向するように配置されている。
なお、本実施形態の設定用センサユニット20、及び表示用センサユニット40では、第1光量及びこの第1光量より小さい第2光量の何れかの投光量で投光素子17aを発光可能に構成されている。一方、本実施形態の基本センサユニット30は、前記第1光量でのみ投光素子17aを発光可能に構成されている。また、図2に示すように、各センサユニット20,30,40の後面には、各センサユニット20,30,40と図示しない外部機器とを接続するためのケーブル19が接続されている。
また、図2(a)に示すように、設定用センサユニット20の上面であって表示器12aの後方には、作業者が操作可能な操作ダイヤル22が設けられている。操作ダイヤル22は、前後方向への回動操作及び上下方向への押下操作が可能となるように、設定用センサユニット20のケースなどに支持されている。また、操作ダイヤル22は、押下操作された場合には押下信号を出力し、前方へ回動操作された場合には、前方回動信号を出力し、後方へ回動操作された場合には後方回動信号を出力するように構成されている。なお、図2(b)及び(c)に示すように、本実施形態の基本センサユニット30及び表示用センサユニット40には、設定用センサユニット20のように操作ダイヤル22が設けられていない。
また、図1に示すように、本実施形態では、各センサユニット20,30,40がフレーム11に固定された場合、1のセンサユニットの左側面に形成された左通信用窓13と、このセンサユニットの左側に隣接する他のセンサユニットの右側面に形成された右通信用窓14とが対向(対応)するように配置される。即ち、本実施形態では、各センサユニット20,30,40がフレーム11に固定された場合、1のセンサユニットの右側面に形成された右通信用窓14と、当該センサユニットの右側に隣接する他のセンサユニットの左側面に形成された左通信用窓13とが対向(対応)するように配置される。したがって、本実施形態の各センサユニット20,30,40は、対向するように配置される左通信用窓13及び右通信用窓14を介して、光通信用受光素子15及び光通信用投光素子16により通信(光通信)可能となっている。
そして、各センサユニット20,30,40では、左通信用窓13及び右通信用窓14のうち右通信用窓14のみに対応させて光通信用投光素子16を配設している。このため、本実施形態では、センサシステム10において左端に配置されたセンサユニットから、右端に配置されたセンサユニットに向かって一方向に通信を行うように直列に接続(連結)される。したがって、本実施形態のセンサシステム10では、左端がセンサシステム10内の通信における上位端(上流端)となり、右端が下位端(下流端)となる。
次に、各センサユニット20,30,40の電気的構成について説明する。
図3(a)に示すように、設定用センサユニット20は、CPU23a及びメモリ23bからなる制御部23を備えている。制御部23のCPU23aには、表示器12a、状態表示LED12b、光通信用受光素子15、光通信用投光素子16、投光素子17a、受光素子18a、及び操作ダイヤル22が接続されている。また、図3(b)に示すように、基本センサユニット30は、CPU33a及びメモリ33bからなる制御部33を備えている。制御部33のCPU33aには、状態表示LED12b、光通信用受光素子15、光通信用投光素子16、投光素子17a、及び受光素子18aが接続されている。図3(c)に示すように、表示用センサユニット40は、CPU43a及びメモリ43bからなる制御部43を備えている。制御部43のCPU43aには、表示器12a、状態表示LED12b、光通信用受光素子15、光通信用投光素子16、投光素子17a、及び受光素子18aが接続されている。
次に、各センサユニット20,30,40の検出動作について説明する。
各CPU23a,33a,43aは、投光素子17aを発光させ、この発光された光は接続端子17を介して投光用の光ファイバに入射される。このとき、CPU33aは、第1光量で投光素子17aを発光させる。また、CPU23aは、第1光量及び第2光量のうち、ワークWの検出動作時における投光量として、メモリ23bに記憶(設定)されている投光量で、CPU43aはメモリ43bに記憶されている投光量で投光素子17aを発光させる。
投光用の光ファイバから出射された光は、接続端子18に接続された受光用の光ファイバに入射され、接続端子18を介して受光素子18aに入射される。そして受光素子18aは、入射光の光量(受光量)に応じたレベルの検知信号を各CPU23a,33a,43aに出力する。このとき、受光用の光ファイバへの入射光の光量は、投光用の光ファイバ及び受光用の光ファイバとの間に形成される光路(検出領域)へのワークWの進入量に応じて変化する。したがって、受光素子18aが出力する検知信号は、検出領域へのワークWの進入量に応じたレベルの検知信号となる。このように、本実施形態では、入射光の光量が検出対象の物理量となり、受光素子18aが入射光の光量を検知し、検知した光量に応じた検知信号を出力する物理量検知手段として機能する。
各CPU23a,33a,43aは、受光素子18aから検知信号を入力すると、検知信号のレベル(電圧など)と検出用閾値とを比較し、検出対象としてのワークWの有無を判断する。この検出用閾値は、検知信号の最小レベル(例えば零)から、受光素子18aが出力可能な検知信号の最大レベルまでの間に設定される値であり、メモリ23b,33b,43bに記憶されている。このように、本実施形態では、投光素子17aの投光量及び検出用閾値がワークWを検出するための検出条件となり、メモリ23b,33b,43bが検出条件を記憶する条件記憶手段として機能する。また、本実施形態では、各CPU23a,33a,43aが検知信号、及びメモリに記憶されている検出用閾値に基づきワークWを検出する対象検出手段として機能する。そして、各CPU23a,33a,43aは、ワークWを検出した場合には、ケーブル19を介してワークWを検出したことを示す検出信号を出力する。また、各CPU23a,33a,43aは、ワークWの検出動作中、状態表示LED12bを点灯させて作業者に検出動作が行われていることを報知する。
次に、各センサユニット20,30,40に検出用閾値を設定するための処理内容について詳しく説明する。
最初に、各CPU23a,33a,43aが電源投入時に行う電源投入時処理について図4にしたがって説明する。
図4に示すように、電源投入時処理において、各CPU23a,33a,43aは、まず他のセンサユニットが上位端側に接続(配設)されていることを示す接続信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS10)。次に、各CPU23a,33a,43aは、光通信用受光素子15から上記接続信号を入力したか否かを判定する(ステップS11)。即ち、ステップS11において各CPU23a,33a,43aは、自機の上位端側(左隣)に他のセンサユニットが接続されているか否かを判定している。ステップS11の判定結果が肯定の場合(上位端側に他のセンサユニットが接続されている場合)、各CPU23a,33a,43aは、自機番号認識時間を開始させる(ステップS12)。この自機番号認識時間は、自機の上位端側(左隣)に接続された他のセンサユニットから、この他のセンサユニットの機器番号(アドレス)を指示する番号信号が入力されるのを待機する上限時間となる。また、センサユニットの機器番号は、センサシステム10において上位端から何個目に接続されたセンサユニットであるかを示す値である。
次に、各CPU23a,33a,43aは、ステップS12で開始させた自機番号認識時間が終了(経過)したか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定結果が否定の場合(自機番号認識時間が終了していない場合)、各CPU23a,33a,43aは、光通信用受光素子15により、上位端側(左隣)のセンサユニットから番号信号を入力したか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定結果が否定の場合(番号信号を入力していない場合)、各CPU23a,33a,43aは、ステップS13の処理に戻る。
一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合(番号信号を入力している場合)、各CPU23a,33a,43aは、番号信号で指示された上位端側のセンサユニットの機器番号を確認する(ステップS15)。次に、各CPU23a,33a,43aは、確認した機器番号に1加算(+1)した機器番号を自機の機器番号として特定する(ステップS16)。次に、各CPU23a,33a,43aは、特定した自機の機器番号を設定する(ステップS17)。具体的に言えば、CPU23aは、メモリ23bに自機の機器番号を記憶させ、CPU33aは、メモリ33bに自機の機器番号を記憶させ、CPU43aは、メモリ43bに自機の機器番号を記憶させる。そして、各CPU23a,33a,43aは、設定(記憶)した自機の機器番号を指示する番号信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS18)。
また、ステップS11の判定結果が否定の場合(上位端側に他のセンサユニットが接続されていない場合)、各CPU23a,33a,43aは、センサシステム10における上位端を示す「1」を自機の機器番号として特定する(ステップS19)。また、ステップS13の判定結果が肯定の場合(自機番号認識時間が終了した場合)、各CPU23a,33a,43aは、ステップS19の処理に移行する。即ち、自機より上位端側に接続された他のセンサユニットから自機番号認識時間内に番号信号を入力しなかった場合、自機の機器番号として「1」を特定する。ステップS19の処理を終えると、各CPU23a,33a,43aは、ステップS17の処理へ移行する。
次に、設定用センサユニット20のCPU23aが実行する親機処理について図5にしたがって説明する。CPU23aは、親機処理の非実行時において、操作ダイヤル22から押下信号を入力した場合に親機処理を開始(実行)する。なお、本実施形態において、基本センサユニット30のCPU33a、及び表示用センサユニット40のCPU43aは、親機処理を実行しない。
図5に示すように、CPU23aは、作業者の操作に基づき操作ダイヤル22から入力される押下信号、前方回動信号、及び後方回動信号に基づいて、検出条件を設定(変更)するセンサユニットの機器番号(以下「設定機器番号」と示す)を選択する(ステップS201)。具体的に言えば、CPU23aは、前方回動信号を入力する毎に選択する設定機器番号を1減算(−1)する一方で、後方回動信号を入力する毎に選択する設定機器番号を1加算(+1)する。なお、CPU23aは、自機の機器番号を初期値とするとともに、選択されている設定機器番号が自機の機器番号である場合、前方回動信号を入力しても選択する設定機器番号を変更しない。即ち、設定機器番号は、自機の機器番号、及び自機の機器番号より大きい下位の機器番号の中から選択可能となっている。
また、このときCPU23aは、操作ダイヤル22の操作により選択されている設定機器番号が表示されるように表示器12aを制御する。そして、CPU23aは、操作ダイヤル22から押下信号を入力した場合、その時点で選択されている設定機器番号を、検出条件を設定するセンサユニットの設定機器番号として確定する。したがって、本実施形態では、操作ダイヤル22が、センサシステム10を構成する複数のセンサユニットのうち検出条件を作業者が指定するためのユニット指定手段として機能する。
次に、CPU23aは、押下信号、前方回動信号、及び後方回動信号に基づいて、ステップS201の処理で選択した設定機器番号のセンサユニットにおける検出条件の設定結果(設定した検出条件やエラーなど)を表示するセンサユニットの機器番号(以下「表示機器番号」と示す)を選択する(ステップS202)。具体的に言えば、CPU23aは、前方回動信号を入力する毎に選択する表示機器番号を1減算(−1)する一方で、後方回動信号を入力する毎に選択する表示機器番号を1加算(+1)する。なお、CPU23aは、ステップS201の処理で選択した設定機器番号を初期値とするとともに、選択されている表示機器番号が選択した設定機器番号である場合、前方回動信号を入力しても選択する表示機器番号を変更しない。即ち、表示機器番号は、検出条件を設定するセンサユニットの設定機器番号、及びこの設定機器番号より大きい下位の機器番号の中から選択可能となっている。
また、このときCPU23aは、操作ダイヤル22の操作により選択されている表示機器番号が表示されるように表示器12aを制御する。そして、CPU23aは、操作ダイヤル22から押下信号を入力した場合、その時点で選択されている表示機器番号を、検出条件の設定結果を表示するセンサユニットの表示機器番号として確定する。
次に、CPU23aは、操作ダイヤル22から入力される押下信号、前方回動信号、及び後方回動信号に基づいて、ステップS201の処理で選択した設定機器番号のセンサユニットに設定する検出条件(投光量及び検出用閾値)を選択する(ステップS203)。ステップS203において、まずCPU23aは、投光量を選択する。具体的に言えば、CPU23aは、操作ダイヤル22から前方回動信号を入力すると第1光量を選択する一方で、後方回動信号を入力すると第2光量を選択する。また、このときCPU23aは、操作ダイヤル22の操作により選択されている投光量が表示されるように表示器12aを制御する。そして、CPU23aは、操作ダイヤル22から押下信号を入力した場合、その時点で選択されている投光量を、ステップS201で確定した設定機器番号のセンサユニットに設定する投光量として確定する。
次に、ステップS203においてCPU23aは、検出用閾値を選択する。具体的に言えば、CPU23aは、前方回動信号を入力する毎に選択する検出用閾値を所定値だけ減算する一方で、後方回動信号を入力する毎に選択する検出用閾値を所定値だけ加算する。なお、CPU23aは、選択されている検出用閾値が下限値(最小レベル)である場合、前方回動信号を入力しても選択する検出用閾値を変更しないとともに、選択されている閾値が上限値(最大レベル)である場合、後方回動信号を入力しても選択する検出用閾値を変更しない。また、このときCPU23aは、操作ダイヤル22の操作により選択されている検出用閾値が表示されるように表示器12aを制御する。そして、CPU23aは、操作ダイヤル22から押下信号を入力した場合、その時点で選択されている検出用閾値を、ステップS201で選択した設定機器番号のセンサユニットに設定する検出用閾値として確定する。したがって、本実施形態では、操作ダイヤル22が検出条件(投光量及び検出用閾値)を作業者が指定するための条件指定手段として機能する。
次に、CPU23aは、ステップS201で選択した設定機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204の判定結果が肯定の場合(選択した設定機器番号が自機の機器番号と一致する場合)、CPU23aは、ステップS203で選択した検出条件が自機のセンサユニットに設定可能な検出条件であるか否かを判定する(ステップS205)。具体的に言えば、CPU23aは、選択した投光量が自機に設定可能な光量(第1光量又は第2光量)であるか否かを判定する。ステップS205の判定結果が肯定の場合(設定可能な検出条件である場合)、CPU23aはメモリ23bにステップS203で選択した検出条件を記憶させる(ステップS206)。したがって、本実施形態においてCPU23aは、操作ダイヤル22の操作で指定されたセンサユニットが自機(自ユニット)である場合に、操作ダイヤル22で指定された検出条件をメモリ23bに記憶させる条件記憶制御手段として機能する。
次に、CPU23aは、検出条件の設定結果として、ステップS206の処理で記憶させた投光量及び検出用閾値が表示されるように表示器12aを制御する(ステップS207)。次に、CPU23aは、ステップS202で選択した表示機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208の判定結果が肯定の場合(選択した表示機器番号が自機の機器番号と一致する場合)、CPU23aは、親機処理を終了する。一方、ステップS208の判定結果が否定の場合(選択した表示機器番号が自機の機器番号と一致しない場合)、CPU23aは、検出条件の設定結果を表示させることを指示する結果表示信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS210)。この場合、CPU23aは、検出条件の設定結果としてステップS206の処理で記憶させた投光量及び検出用閾値を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、ステップS202で選択した表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。その後、CPU23aは、親機処理を終了する。
また、CPU23aは、ステップS205の判定結果が否定の場合(設定可能な検出条件ではない場合)、設定エラー処理を実行し、設定信号で指示された検出条件をメモリ23bに記憶させないようになっている(ステップS209)。即ち、ステップS209の処理において、CPU23aは、ステップS203で設定不能な検出条件が選択されている場合、選択した検出条件への変更(書き換え)をキャンセルするようになっている。
ステップS209の処理を終えると、CPU23aは、ステップS207へ移行する。ステップS207の処理において、CPU23aは、検出条件の設定を行わなかったことを示すエラー情報(例えば「Err.」の文字列など)を表示するように表示器12aの表示内容を制御する。また、ステップS209の処理を実行したCPU23aは、ステップS210の処理において、検出条件の設定結果としてエラー情報を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、ステップS202で選択した表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。
また、ステップS204の判定結果が否定の場合(選択した設定機器番号が自機の機器番号と一致しない場合)、CPU23aは、ステップS201で選択した設定機器番号、ステップS202で選択した表示機器番号、及びステップS203で選択した検出条件(投光量及び検出用閾値)を指示する設定信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS211)。したがって、本実施形態では、設定信号が操作ダイヤル22で指定されたセンサユニットを指示するためのユニット指示信号、及び操作ダイヤル22で指定された検出条件を指示するための条件指定信号となり、設定用センサユニット20の光通信用投光素子16が信号出力手段として機能する。その後、CPU23aは、親機処理を終了する。
次に、設定用センサユニット20のCPU23a、基本センサユニット30のCPU33a、及び表示用センサユニット40のCPU43aが実行する子機処理について、図6及び図7にしたがって説明する。各CPU23a,33a,43aは、光通信用受光素子15により、設定信号を入力した場合に子機処理をそれぞれ開始(実行)する。本実施形態では、各センサユニット20,30,40の光通信用受光素子15が設定信号を入力する信号入力手段として機能する。
まず、設定用センサユニット20のCPU23a、及び表示用センサユニット40のCPU43aが実行する子機処理について説明する。
図6に示すように、まず各CPU23a,43aは、入力した設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定結果が肯定の場合(設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致する場合)、各CPU23a,43aは、設定信号で指示された検出条件が自機のセンサユニットに設定可能な検出条件であるか否かを判定する(ステップS32)。具体的に言えば、各CPU23a,43aは、設定信号で指示された投光量が自機に設定可能な光量(第1光量又は第2光量)であるか否かを判定する。ステップS32の判定結果が肯定の場合(設定可能な検出条件である場合)、CPU23aはメモリ23bに、CPU43aはメモリ43bに、設定信号で指示された検出条件を記憶させる(ステップS33)。
次に、各CPU23a,43aは、検出条件の設定結果として、ステップS33の処理で記憶させた投光量及び検出用閾値が表示されるように表示器12aを制御する(ステップS34)。次に、各CPU23a,43aは、入力した設定信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35の判定結果が肯定の場合(設定信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致する場合)、各CPU23a,43aは、子機処理を終了する。一方、ステップS35の判定結果が否定の場合(設定信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致しない場合)、各CPU23a,43aは、入力した設定信号に基づく検出条件の設定結果を表示させることを指示する結果表示信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS37)。この場合、各CPU23a,43aは、検出条件の設定結果としてステップS33の処理で記憶させた投光量及び検出用閾値を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、設定信号で指示された表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。その後、各CPU23a,43aは、子機処理を終了する。
また、CPU23aは、ステップS32の判定結果が否定の場合(設定可能な検出条件ではない場合)、設定エラー処理を実行し、設定信号で指示された検出条件をメモリ23bに記憶させないようになっている(ステップS36)。同様に、CPU43aは、ステップS32の判定結果が否定の場合、設定エラー処理を実行し、設定信号で指示された検出条件をメモリ43bに記憶させないようになっている(ステップS36)。即ち、ステップS36の処理において、各CPU23a,43aは、設定信号で設定不能な検出条件が指示されている場合、設定信号で指示された検出条件への変更(書き換え)をキャンセルするようになっている。
ステップS36の処理を終えると、各CPU23a,43aは、ステップS35へ移行する。ステップS35の処理において、各CPU23a,43aは、検出条件の設定を行わなかったことを示すエラー情報(例えば「Err.」の文字列など)を表示するように表示器12aの表示内容を制御する。また、ステップS36の処理を実行した各CPU23a,43aは、ステップS37の処理において、検出条件の設定結果としてエラー情報を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、設定信号で指示された表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。また、ステップS31の判定結果が否定の場合(設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致しない場合)、各CPU23a,43aは、光通信用受光素子15で入力した設定信号をそのまま光通信用投光素子16から出力する(ステップS38)。その後、各CPU23a,43aは、子機処理を終了する。
次に、基本センサユニット30のCPU33aが実行する子機処理について説明する。
図7に示すように、まずCPU33aは、入力した設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41の判定結果が肯定の場合(設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致する場合)、CPU33aは、設定信号で指示された検出条件が自機のセンサユニットに設定可能な検出条件であるか否かを判定する(ステップS42)。具体的に言えば、ステップS42の処理において、CPU33aは、設定信号で指示された投光量が第1光量である場合に肯定判定する一方で、第2光量である場合に否定判定する。ステップS42の判定結果が肯定の場合(設定可能な検出条件である場合)、CPU33aは、設定信号で指示された検出条件(本実施形態では検出用閾値)をメモリ33bに記憶させる(ステップS43)。
次に、CPU33aは、検出条件の設定結果を表示させることを指示する結果表示信号を光通信用投光素子16から出力する(ステップS44)。この場合、CPU33aは、検出条件の設定結果として、ステップS43の処理で記憶させた検出用閾値を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、設定信号で指示された表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。その後、CPU33aは、子機処理を終了する。
また、ステップS42の判定結果が否定の場合(設定可能な検出条件ではない場合)、CPU33aは、設定エラー処理を実行し、設定信号で指示された検出条件をメモリ33bに記憶させないようになっている(ステップS45)。即ち、ステップS45の処理において、CPU33aは、設定信号で設定不能な検出条件が指示されている場合、設定信号で指示された検出条件への変更(書き換え)をキャンセルするようになっている。
ステップS45の処理を終えると、CPU33aは、ステップS44へ移行する。CPU33aは、ステップS44の処理において、検出条件の設定結果としてエラー情報を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号として、設定信号で指示された表示機器番号を指示する結果表示信号を出力する。また、ステップS41の判定結果が否定の場合(設定信号で指示された設定機器番号が自機の機器番号と一致しない場合)、CPU33aは、光通信用受光素子15で入力した設定信号をそのまま光通信用投光素子16から出力する(ステップS46)。その後、CPU33aは、子機処理を終了する。したがって、本実施形態のCPU23a,33a,43aは、光通信用受光素子15が入力した設定信号により、検出条件を設定するセンサユニットとして自機が指示されている場合には設定信号により指示された検出条件をメモリに記憶させる記憶制御手段として機能する。
次に、設定用センサユニット20のCPU23a、基本センサユニット30のCPU33a、及び表示用センサユニット40のCPU43aが実行する表示処理について説明する。
最初に、CPU33aが実行する表示処理について説明する。
結果表示信号を入力した場合、CPU33aは、入力した結果表示信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合、CPU33aは、入力した結果表示信号で指示された検出条件の設定結果を表示することを指示するとともに、表示するセンサユニットの機器番号を特に定めない結果表示信号(以下「特定結果表示信号」と示す)を光通信用投光素子16から出力する。一方、上記判定結果が否定である場合、CPU33aは、入力した結果表示信号をそのまま光通信用投光素子16から出力する。また、CPU33aは、特定結果表示信号を入力した場合、入力した特定結果表示信号をそのまま光通信用投光素子16から出力する。そして、CPU33aは、結果表示信号、又は特定結果表示信号を出力した後に表示処理を終了する。
次に、各CPU23a,43aが実行する表示処理について説明する。
結果表示信号を入力した場合、各CPU23a,43aは、入力した表示機器信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合、各CPU23a,43aは、入力した結果表示信号で指示された設定結果を表示するように表示器12aを制御する一方で、上記判定結果が否定である場合、入力した結果表示信号をそのまま光通信用投光素子16から出力する。また、特定結果表示信号を入力した場合、各CPU23a,43aは、入力した特定結果表示信号で指示された設定結果を表示するように表示器12aを制御する。そして、各CPU23a,43aは、結果表示信号を出力した後、又は設定結果を表示させた後に表示処理を終了する。したがって、本実施形態の結果表示信号及び特定結果表示信号は、CPU33aがメモリ33bに記憶させた検出条件をセンサシステム10に含まれるセンサユニット20,40に表示させることを指示するための表示指示信号となる。また、本実施形態では、基本センサユニット30の光通信用投光素子16が表示信号出力手段となる。
以上のように、本実施形態の設定用センサユニット20は、親機処理、及び子機処理の両処理を実行可能に構成されていることから、親機及び子機の両方として機能し得る。一方、基本センサユニット30及び表示用センサユニット40は、親機処理及び子機処理のうち子機処理のみを実行可能に構成されていることから、子機としてのみ機能し得る。したがって、本実施形態では、設定用センサユニット20が第1のセンサユニットとして機能する一方で、各センサユニット20,30,40が第2のセンサユニットとして機能し得る。また、設定用センサユニット20及び表示用センサユニット40は、子機処理及び表示処理の実行によって、表示器12aに検出条件の設定結果を表示可能に構成されている。したがって、本実施形態では、設定用センサユニット20及び表示用センサユニット40が表示ユニットとして機能し得る。そして、本実施形態では、上位端に設定用センサユニット20を接続(配置)することを条件として、子機として機能可能な各センサユニット20,30,40の接続順序や、接続個数を任意に変更することができる。
次に、上記のように構成したセンサユニット20,30,40からなるセンサシステム10の作用(動作)について説明する。なお、以下の説明では、図1に示すように、上位端から下位端へ向かって、1つの設定用センサユニット20、8つの基本センサユニット30、及び1つの表示用センサユニット40を順に接続してセンサシステム10を構成しているものとして説明する。
最初に、センサシステム10の電源投入がなされた場合について説明する。
本実施形態のセンサシステム10では、電源投入がなされると、センサシステム10を構成する各センサユニット20,30,40の光通信用投光素子16から接続信号が出力される。これにより、センサシステム10の上位端に接続された設定用センサユニット20は、自機が上位端に接続されていることを把握できるとともに、その他のセンサユニット30,40は、自機より上位端側に他のセンサユニットが接続されていることを把握できる。
そして、設定用センサユニット20は、自機の機器番号を「1」とするとともに、自機の機器番号を指示する番号信号を下位端側(右隣)に接続された基本センサユニット30へ出力する。設定用センサユニット20から番号信号を入力した基本センサユニット30は、自機の機器番号を「2」とするとともに、自機の機器番号を指示する番号信号を下位端側に接続された基本センサユニット30へ出力する。以降、センサシステム10では、下位端に接続された表示用センサユニット40へ向かって、機器番号が1加算されつつ番号信号が順に出力される。これにより、本実施形態では、センサシステム10の上位端から「1」→「2」→「3」…「9」→「10」というように、各センサユニットに機器番号が割り当てられる。
次に、設定用センサユニット20における操作ダイヤル22が作業者によって操作され、設定機器番号、表示機器番号、及び検出条件が指定(選択)された場合について説明する。なお、以下の説明では、設定機器番号=5、表示機器番号=10、及び検出条件として第1光量及び検出用閾値が指定(選択)されているものとする。
まず、設定用センサユニット20からは、操作ダイヤル22の操作によって選択(指定)された内容を指示する設定信号が、設定用センサユニット20の下位端側(右隣)に接続された基本センサユニット30へ出力される。機器番号=2〜4の基本センサユニット30では、入力した設定信号で指示される設定機器番号が自機の機器番号と一致しないため、設定信号で指示される検出条件が記憶されないとともに、入力された設定信号は、そのまま下位端側に接続されたセンサユニットに出力される。一方、機器番号=5の基本センサユニット30では、入力した設定信号で指示された設定機器番号と自機の機器番号が一致し、且つ設定信号で指示された検出条件が自機で設定可能な検出条件であることから、設定信号で指示された検出条件が記憶される。このように、本実施形態では、設定用センサユニット20の操作ダイヤル22を操作することにより、センサシステム10を構成する各センサユニット20,30,40を個別に指定して検出条件を設定(変更)することができる。
また、機器番号=5の基本センサユニット30は、検出条件の設定結果を表示させること、及び表示機器番号=10を示す結果表示信号を下位端側に接続された基本センサユニット30に出力する。機器番号=6〜9の基本センサユニット30では、入力した結果表示信号がそのまま下位端側に接続されたセンサユニットに順に出力される。そして、機器番号=10の表示用センサユニット40では、入力した結果表示信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致するため、結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が表示器12aで表示される。なお、センサシステム10の下位端に設定用センサユニット20が接続されている場合には、結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が設定用センサユニット20の表示器12aで表示される。
このように、本実施形態では、設定結果を表示可能な表示器を備えない基本センサユニット30について検出条件を設定(変更)した場合であっても、この基本センサユニット30より下位端側に接続されたセンサユニットに設けられた表示器を利用して設定結果を表示し、作業者に報知することができる。さらに、本実施形態では、設定用センサユニット20における操作ダイヤル22の操作によって選択(指定)された表示機器番号のセンサユニットに設けられた表示器により、設定結果が表示される。
ここで、設定用センサユニット20における操作ダイヤル22の操作によって、表示機器番号として機器番号=10に代えて機器番号=5が選択(指定)されている場合には、機器番号=5の基本センサユニット30から特定結果表示信号が出力される。また、操作ダイヤル22の操作によって、表示機器番号として機器番号=10に代えて機器番号=6〜9が選択(指定)されている場合には、機器番号=5の基本センサユニット30から結果表示信号が出力されるとともに、結果表示信号を入力した表示機器番号の基本センサユニット30から特定結果表示信号が出力される。そして、下位端に接続された表示用センサユニット40では、入力した特定結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が表示器12aで表示される。なお、センサシステム10の下位端に設定用センサユニット20が接続されている場合には、特定結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が設定用センサユニット20の表示器12aで表示される。
このように、本実施形態では、検出条件の設定結果を表示するセンサユニットとして、誤って基本センサユニット30が選択されている場合であっても、設定機器番号の基本センサユニット30よりも下位端側に接続されたセンサユニットのうち、最も上位端側に接続されたセンサユニット20,40の表示器12aで設定結果を表示し、設定結果が報知される。
また、機器番号=5のセンサユニットとして、基本センサユニット30に代えて表示用センサユニット40が接続されている場合、この表示用センサユニット40では、設定信号で指示された検出条件が記憶されるとともに、設定結果が表示器12aで表示され、報知される。また、機器番号=5の表示用センサユニット40は、設定信号で指示された表示機器番号が自機の機器番号と一致しないため、検出条件の設定結果を表示させること、及び表示機器番号=10を示す結果表示信号を下位端側に接続された基本センサユニット30に出力する。機器番号=6〜9の基本センサユニット30では、入力した結果表示信号がそのまま下位端側に接続されたセンサユニットに順に出力される。そして、機器番号=10の表示用センサユニット40では、入力した結果表示信号で指示された表示機器番号と自機の機器番号が一致するため、結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が表示器12aに表示される。なお、センサシステム10の下位端に設定用センサユニット20が接続されている場合には、結果表示信号で指示された設定結果(光量及び検出用閾値)が設定用センサユニット20の表示器12aで表示される。
このように、本実施形態では、設定結果を表示可能な表示器12aを備えた表示用センサユニット40について検出条件を設定(変更)した場合、この表示用センサユニット40に設けられた表示器12aで設定結果を表示し、作業者に報知できる。また、本実施形態では、表示器12aを備えた表示用センサユニット40について検出条件を設定する場合であっても、この表示用センサユニット40より下位端側に接続されたセンサユニット20,40の表示器12aでも設定結果を表示し、作業者に報知することができる。
なお、設定用センサユニット20における操作ダイヤル22の操作により「11」以上の設定機器番号が指定された場合、機器番号=2〜10のセンサユニットでは、検出条件の記憶が行われること無く、入力した設定信号がそのまま下位端側に順に出力される。また、操作ダイヤル22の操作により「11」以上の表示機器番号が指定された場合、機器番号=2〜10のセンサユニットでは、設定結果の表示が行われること無く、入力した表示機器信号がそのまま下位端側に順に出力される。また、センサシステム10において、機器番号=2〜9の基本センサユニット30の何れかに代えて設定用センサユニット20を接続した場合には、この設定用センサユニット20における操作ダイヤル22を操作することで、さらに下位端側に接続された各センサユニット20,30,40の機器番号を設定機器番号や表示機器番号として指定して検出条件を設定することができる。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の設定用センサユニット20では、操作ダイヤル22を操作することで検出条件を設定するセンサユニット、及び設定する検出条件を指定できる。そして、操作ダイヤル22で指定されたセンサユニットが自機ではない場合には、操作ダイヤル22で指定されたセンサユニット、及び設定する検出条件を指示するための設定信号が光通信用投光素子16から出力される。このため、設定用センサユニット20に設けられた操作ダイヤル22を操作することによって、センサシステム10を構成するセンサユニットに検出条件の設定を指示することができる。また、設定用センサユニット20では、受光素子18aが出力する検知信号と、メモリ23bが記憶する検出条件とに基づき検出対象であるワークWを検出できる。このため、センサユニットの他に専用の設定機器を設ける従来の構成と比較して、省スペース化を図りつつ検出条件をセンサユニット毎に設定できる。
(2)本実施形態の表示用センサユニット40では、受光素子18aが出力する検知信号と、メモリ43bが記憶する検出条件とに基づきワークWを検出できる。そして、表示用センサユニット40では、入力した設定信号により、検出条件を設定するセンサユニットとして自機が指示されている場合、設定信号で指示された検出条件がメモリ43bに記憶され、さらに記憶された検出条件が表示器12aに表示される。このため、センサシステム10を構成する他のセンサユニット(設定用センサユニット20)に設けられた操作ダイヤル22を操作することによって、表示用センサユニット40に検出条件を設定することができる。したがって、省スペース化を図りつつ検出条件をセンサユニット毎に設定できる。
(3)本実施形態の基本センサユニット30では、受光素子18aが出力する検知信号と、メモリ33bが記憶する検出条件とに基づきワークWを検出できる。そして、入力した設定信号により、検出条件を設定するセンサユニットとして自機が指示されている場合には、設定信号で指示された検出条件がメモリ33bに記憶され、さらに記憶された検出条件を指示するための結果表示信号又は特定結果表示信号が出力される。このため、センサシステム10を構成する他のセンサユニット(設定用センサユニット20)に設けられた操作ダイヤル22を操作することによって、基本センサユニット30に検出条件を設定することができる。したがって、省スペース化を図りつつ検出条件をセンサユニット毎に設定できる。
(4)各センサユニット20,30,40は、受光素子18aが出力する検知信号と、各メモリが記憶する検出条件とに基づきワークWを検出できる。また、設定用センサユニット20では、操作ダイヤル22を操作することで検出条件を設定するセンサユニット、及び設定する検出条件を指定できる。そして、操作ダイヤル22で指定されたセンサユニットが自機ではない場合、設定用センサユニット20の光通信用投光素子16からは、操作ダイヤル22で指定されたセンサユニット、及び設定する検出条件を指示するための設定信号が出力される。一方、設定用センサユニット20の下位端側に接続された各センサユニット20,30,40では、入力した設定信号により、検出条件を設定するセンサユニットとして自機が指示されている場合、設定信号で指示された検出条件がメモリに記憶される。このため、設定用センサユニット20に設けられた操作ダイヤル22を操作することによって、その他の各センサユニット20,30,40の検出条件を設定できる。したがって、省スペース化を図りつつ検出条件をセンサユニット毎に設定できる。
(5)設定用センサユニット20の光通信用投光素子16は、自機より下位端側にのみ設定信号を出力し、他の各センサユニット20,30,40の光通信用投光素子16は、自機よりも下位端側にのみ結果表示信号を出力する。したがって、各センサユニット20,30,40から上位端側にも信号を出力する構成と比較して各センサユニット20,30,40の構成を簡略化することができる。
(6)設定用センサユニット20における操作ダイヤル22の操作によって、設定結果を表示するセンサユニットの表示機器番号を指定できるように構成した。このため、例えば、検出条件を設定しようとする各センサユニット20,40の表示器12aが他の機械部品や電気部品などによって視認し難い場合であっても、さらに下位端側の各センサユニット20,40の表示器12aで設定結果を表示させることで、設定結果を視認しやすくできる。
(7)また、操作ダイヤル22の操作によって、設定結果を表示するセンサユニットとして基本センサユニット30が指定された場合には、指定された基本センサユニット30が下位端側に特定結果表示信号を出力するようにした。このため、本実施形態では、誤って設定結果を表示するセンサユニットとして基本センサユニット30が指定された場合であっても、さらに下位端側にセンサユニット20,40の何れかが接続されている場合に、この接続されている各センサユニット20,40における表示器12aで設定結果を表示できる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・ 設定用センサユニット20は、設定機器番号として選択可能な機器番号のうち、連続する又は連続しない複数の機器番号を操作ダイヤル22の操作によって選択可能に構成してもよい。また、設定用センサユニット20は、設定機器番号として選択可能な機器番号を操作ダイヤル22の操作によって全て一括して選択可能に構成してもよい。
・ 設定用センサユニット20は、設定機器番号を指示する信号、表示機器番号を指示する信号、及び検出条件を指示する信号を別個に出力してもよく、このうち2つを指示する信号を出力してもよい。
・ 設定用センサユニット20には、設定機器番号を指定するためのスイッチと、表示機器番号を指定するためのスイッチ、及び検出条件を指定するためのスイッチを別個に設けてもよく、このうち2つを兼用するスイッチを設けてもよい。
・ 親機処理は、機器番号=1の設定用センサユニット20のみ、即ち上位端に接続されている設定用センサユニット20のみで実行するようにしてもよい。
・ 設定用センサユニット20における操作ダイヤル22の操作によって、センサユニット20,40において設定不能な検出条件が指定不能であることを条件として、各CPU23a,43aが実行する子機処理におけるステップS32,S36の処理や、CPU23aが実行する親機処理におけるステップS205,S209の処理を省略してもよい。
・ 子機処理のステップS36,S45では、設定信号で指示された検出条件のうち、一部の検出条件が自機に設定可能である場合に、この設定可能な検出条件のみをメモリに記憶させるようにしてもよい。同様に、親機処理のステップS209では、ステップS203で選択された検出条件のうち、一部の検出条件が自機に設定可能である場合に、この設定可能な検出条件のみをメモリに記憶させるようにしてもよい。
・ 各センサユニット20,30,40は、電気信号用の信号出力端子及び信号入力端子を介して設定信号、結果表示信号、及び特定結果表示信号などの信号を入出力可能に構成してもよい。
・ センサシステム10は、各センサユニット20,30,40を離間して配置するとともに、光通信用受光素子15及び光通信用投光素子16を光ファイバなどで通信可能に接続(連結)して構成してもよい。
・ センサシステム10は、投光素子17a及び受光素子18aなどの物理量検知手段を備えず、表示器12aにより設定結果を表示する専用の表示ユニットを組み合わせた構成としてもよい。この表示ユニットは、結果表示信号又は特定結果表示信号を入力した場合に、指定された設定結果を表示するようにする。
・ 設定用センサユニット20は、操作ダイヤル22を操作することにより、検知信号のレベルの補正値(オフセット値)などを設定可能に構成してもよい。
・ 設定用センサユニット20は、表示器12aを省略した構成としてもよい。このような構成であっても、操作ダイヤル22を操作することで、さらに下位端側に接続された各センサユニット20,30,40の機器番号を設定機器番号や表示機器番号として指定して検出条件を設定し、その検出条件の設定結果を、表示器12aを備えた別のセンサユニット20,40で表示させることができる。
・ センサシステム10は、ワークWを検出するセンサユニット20,30,40のほかにも、流体(検出対象)の圧力(物理量)を検知し、検知した圧力に応じた検知信号を出力する物理量検知手段としての圧力検知素子を備えた圧力センサを組み合わせてもよい。また、センサシステム10は、固体や流体(検出対象)の温度(物理量)を検知し、検知した温度に応じた検知信号を出力する物理量検知手段としての温度検知素子を備えた温度センサを組み合わせて構成してもよい。また、センサシステム10は、固体や流体(検出対象)の磁場の強さ(物理量)を検知し、検知した磁場の強さに応じた検知信号を出力する物理量検知手段としての磁気検知素子を備えた磁気センサを組み合わせて構成してもよい。即ち、センサシステム10を構成する個々のセンサユニットは、検出対象の物理量を検知し、検知した物理量に応じた検知信号を出力する物理量検知手段を備えたものであれば、どのような種類のセンサユニットとして構成してもよい。この場合、設定用センサユニット20は、操作ダイヤル22の操作によって、圧力センサ、温度センサ、及び磁気センサなどの検出用閾値を指定可能に構成するとともに、指定された検出用閾値を指示する設定信号を光通信用投光素子16から出力するように構成すればよい。そして、センサシステム10を構成する各センサユニットのCPUは、親機処理のステップS205や、子機処理のステップS32,S42の処理において、設定信号で指示された検出用閾値が自機のセンサユニットの種類用の検出用閾値であるか否かを判定するようにすればよい。
・ 各センサユニット20,30,40は、双方向通信を可能に構成してもよい。この場合には、各センサユニット20,30,40の右側面及び左側面に、それぞれ2つの通信窓を形成するとともに、この通信窓に対応させて光通信用受光素子15及び光通信用投光素子16を設けるとよい。
・ センサシステム10には、下位端のセンサユニットにおける光通信用投光素子16から出力される信号を入力するとともに、入力した信号を上位端のセンサユニットにおける光通信用受光素子15に対して出力する信号転送装置を設けてもよい。