JP4054948B2 - 連結型センサシステム - Google Patents
連結型センサシステム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4054948B2 JP4054948B2 JP2001139389A JP2001139389A JP4054948B2 JP 4054948 B2 JP4054948 B2 JP 4054948B2 JP 2001139389 A JP2001139389 A JP 2001139389A JP 2001139389 A JP2001139389 A JP 2001139389A JP 4054948 B2 JP4054948 B2 JP 4054948B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- command
- sensor
- period
- value
- adjacent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Switches Operated By Changes In Physical Conditions (AREA)
- Electronic Switches (AREA)
- Selective Calling Equipment (AREA)
- Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファイバ型光電センサ、近接センサ、超音波センサ等のヘッド分離型センサの本体ユニット(以下、『センサユニット』と称する)を制御盤内に密に隣接してコンパクトに収容するに好適な連結型センサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
連結型光電センサシステムを構成するファイバ型光電センサは、センサユニット(業界では『アンプユニット』とも言う)と、このセンサユニットから導出された光ファイバの先端に設けられたセンサヘッドとを有する。
【0003】
センサユニットは薄型ハウジングを有する。この薄型ハウジング内には、往路光ファイバに結合される発光ダイオードを含む検出用投光系回路と、復路光ファイバに結合されるフォトダイオードを含む検出用受光系回路と、検出用受光系回路から得られる受光出力を処理してオン/オフデータや光量データを生成する信号処理回路等が含まれている。
【0004】
センサユニットを構成する薄型ハウジングは、通常、DINレール等の取付具を介して互いに密に隣接して制御盤内に整列状態で装着される。各センサユニットからは、スイッチング出力や光量データ等を導出してプログラマブルコントローラ等に伝えるためのケーブルが引き出される。
【0005】
センサユニットの連結台数は、16台、32台、64台と言ったように、多数台数に亘るのが普通である。そのため、それらセンサユニットの個々から導出される多数のケーブルをコンパクトに纏めて配線するのは手間がかかる。
【0006】
ひとつの解決策としては、相隣接するセンサユニット同士を順次にコネクタ(電気コネクタ、光コネクタ等)で結び、個々のセンサユニットから生成されるオン/オフデータや光量データ等をバケツリレー方式で順次にセンサユニット間で一方向へシリアルに伝送して、センサユニット列の最端部に位置するセンサユニットから取り出すように構成することが考えられる。
【0007】
このような構成を採用すれば、個々のセンサユニットから信号導出用のケーブルを引き出すのが不要となり、配線を著しく簡素化することができる。伝送方向を双方向とすれば、逆に、最端部のセンサユニットから個々のセンサユニットに各種のコマンドやデータを送り込むこともできる。
【0008】
センサユニット列の一つ(例えば、最端部に位置するセンサユニット)とFAシステムに多く採用されるフィールドバスとの間に通信ユニット(『バスユニット』等とも称する)を介在させれば、センサユニット列のバケツリレー通信並びにフィールドバス通信を順に経由して、各センサユニットとフィールドバス上の他の制御機器(例えば、プログラマブルコントローラ、他の各種センサ)や上位パソコン等との間で直接的に双方向データ通信を実現することもできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
センサユニットとして光電センサユニットを採用する場合、その基本的な機能としては、物体検知光を投光する投光素子と物体検知光を受光する受光素子とを有する物体検知用投受光手段が必要とされる。物体検知出力として二値信号を生成するためには、受光量レベルと比較されるべき適切なしきい値が必要とされる。このしきい値が不適切であれば、物体検知動作に支障を来す。一方、しきい値が適切であっても、投光素子や受光素子の劣化等により、投光強度や受光信号強度が変動すれば、同様に物体検出に支障を来す。
【0010】
そのため、光電センサの動作信頼性を検証するためには、受光量レベルのモニタが必要となる。より具体的には、モニタが必要とされる場合、そのようなタイミングで、センサユニット列を構成する最端部のセンサユニットに対しモニタ要求コマンドを送り込む。送り込まれたモニタ要求コマンドは、センサユニット列間においてバケツリレー方式で順次転送され、目的とするセンサユニットに取り込まれる。すると、モニタコマンドを取り込んだセンサユニットでは、適当なタイミングで受光量レベルを読み取り、これをモニタ要求コマンドに対するレスポンスとして、センサユニット列の受付側端部に位置するセンサユニットへ向けて送り出す。すると、この受光量レベルを含むレスポンスは、センサユニット列間において順次バケツリレー方式で転送され、モニタコマンド発行元へと転送される。
【0011】
ところで、各センサユニットにおける受光量レベルは、検知対象領域に物体の存在するオン期間と物体の存在しないオフ期間とでは大きく異なる。適切なしきい値を判定するためには、オン期間および/またはオフ期間における受光量レベルを適切にモニタせねばならない。
【0012】
しかし、各センサユニットにおいて、いつの時点でオン期間が生じ、またいつの時点でオフ期間が生ずるかは予測できない。オン期間とオフ期間とが例えば50%程度のデューティであれば予めモニタタイミングを設定しても無理なくオン期間又はオフ期間の受光量レベルをモニタすることができる。一般の制御状態を想定すると、物体の存在しないオフ期間に比べ、物体の存在するオン期間は著しく短い。
【0013】
このことからすると、各センサユニットにおいて、モニタコマンドに応答して、正確にオン期間および/またはオフ期間の受光量レベルをサンプルすることはかなり困難である。
【0014】
本発明者等は、センサユニットにおけるオン期間の受光量レベルを正確に一定の条件でモニタできれば、そのモニタされたデータを様々な制御の目的に利用できるという着想を得た。例えば、投受光光学系が一定であっても、検出されるべき物体が大小異なれば、受光量レベルは変動する。そのため、一定の条件でサンプルされたオン期間の受光量レベルに基づき、逆に検出対象物体の大きさや距離を判定し、その判定結果を用いて制御システムを構成することもできる。
【0015】
この発明は、上述の技術的背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、光電センサにおけるオン期間の受光量レベルを、一定の条件で正確にモニタすることを可能とした連結型センサシステムを提供することにある。
【0016】
この発明の他の目的とするところは、光電センサのみならず、超音波センサやインパルスセンサ等のように、放射体を媒介として検出動作を行うセンサにおいて、オン期間における放射受取強度レベルを一定の条件下において正確にモニタすることを可能とした連結型センサシステムの提供を目的とするところにある。
【0017】
この発明の他の目的とするところは、そのような連結センサシステムの実現に好適な要素技術を提供することにある。
【0018】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、以下の明細書の記載を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための連結型センサシステムは、互いに密に隣接して配置されると共にコネクタ手段を介して隣接するもの同士で信号伝達可能に結合され、隣接するもの同士でバケツリレー方式でデータの受け渡しを行う複数台のセンサユニットを有する。
【0020】
センサユニットの各々には、各側のコネクタ手段と、双方向通信手段と、物体検知用投受光手段と、受光量現在値生成保持手段と、コマンド対応処理手段と、が設けられる。
【0021】
各側のコネクタ手段は、隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とする。
【0022】
双方向通信手段は、各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とする。
【0023】
物体検知用投受光手段は、物体検知光を投光する投光素子と、物体検知光を受光する受光素子とを有する。
【0024】
受光量現在値生成保持手段は、オン期間の代表値を生成すると共に、これを受光量現在値としてオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで更新させつつ保持する。ここで、明状態オン方式のセンサにおいては、受光量レベルの代表値が受光量レベルのピーク値とされ、かつ暗状態オン方式のセンサにおいては、受光量レベルの代表値が受光量レベルのボトム値とされる。
【0025】
このような構成によれば、それらのピーク値又はボトム値は、検出環境下において安定しかつ個々の検出物体の性状を反映しているため、信頼性の高い受光量レベルをモニタすることが可能となる。
【0026】
コマンド対応処理手段は、双方向通信手段を介して隣接する一方の側のセンサユニットから受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときにはその時点で保持されている受光量現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側の隣接センサユニットへと返送する一方、自機を指定するものでないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側のセンサユニットへと送信する。
【0027】
このような構成によれば、センサユニットの側で常時オン期間における受光量レベルをサンプルし、しかもオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで更新させつつ、受光量現在値として保持しているため、いついかなる時点でモニタコマンドが到来しても、直近の検出物体に関する、正確に条件の揃った受光量レベルをコマンドに対するレスポンスとしてコマンド発行元へと返送することができる。
【0028】
又、好ましい実施の形態においては、明状態オン方式による動作モードと暗状態オン方式による動作モードとを併有し、モード切替設定器の設定状態により、それらのモードのいずれかが選択的に実行され、かつモード切替器の設定状態に応じてピーク値の保持又はボトム値の保持の選択が自動的に行われるようにしてもよい。
【0029】
本発明連結型センサシステムのセンサユニットは、コネクタ手段と、双方向通信手段と、物体検知用投受光手段と、受光量現在値生成保持手段と、コマンド対応処理手段と、を有する。
【0030】
各側のコネクタ手段は、隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とする。
【0031】
双方向通信手段は、各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とする。
【0032】
物体検知用当受光手段は、物体検知光を投光する投光素子と物体検知光を受光する受光素子とを有する。
【0033】
受光量現在値生成保持手段は、オン期間の代表値を生成すると共に、これを受光量現在値としてオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで更新させつつ保持する。ここで、明状態オン方式のセンサにおいては、受光量レベルの代表値が受光量レベルのピーク値とされ、かつ暗状態オン方式のセンサにおいては、受光量レベルの代表値が受光量レベルのボトム値とされる。
【0034】
コマンド対応処理手段は、双方向通信手段を介して隣接する一方の側のコネクタ手段を経由して受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときには、その時点で保持されている受光量現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側のコネクタ手段へと返送する一方、自機を指定するものではないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側のコネクタ手段へと送信する。
【0035】
本発明センサユニットの好ましい実施の形態においては、明状態オン方式による動作モードと暗状態オン方式による動作モードとを併有し、モード切替設定器の設定状態により、それらのモードのいずれかが選択的に実行され、かつモード切替器の設定状態に応じてピーク値の保持又はボトム値の保持の選択が自動的に行われるようにしてもよい。
【0036】
別の一面から見た本発明の連結型センサシステムのセンサユニットは、双方向通信手段と、放射送出手段と、放射受取手段と、放射受取強度現在値生成保持手段と、コマンド対応処理手段と、を有する。
【0037】
双方向通信手段は、隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とするための各側のコネクタ手段と、各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とする。
【0038】
放射送出手段は、検知対象領域に向けて光、超音波、電磁波等の放射を送出する一方、放射受取手段は、放射送出手段から送出されたのち、検知対象領域を経由して到来する放射を受け取る。
【0039】
放射受取強度現在値生成保持手段は、放射受取強度レベルを基準値と比較してオンオフ信号である物体検知出力を生成する物体検知出力生成手段と、放射受取強度レベルが高いときにオンする方式のセンサにおいては、オン期間の放射受取強度レベルのピーク値を、又放射受取強度レベルが低いときにオンする方式のセンサにおいては、オン期間の放射受取強度レベルのボトム値を、放射受取強度レベルの代表値としてそれぞれ生成すると共に、これをオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで受け取られる放射強度の現在値として更新させつつ保持する。
【0040】
コマンド対応処理手段は、双方向通信手段を介して隣接する一方の側のコネクタ手段を経由して受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときには、その時点で保持されている放射受取強度現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側のコネクタ手段へと返送する一方、自機を指定するものではないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側のコネクタ手段へと送信する。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る連結型センサシステム、並びに、それを構成するセンサユニット、通信ユニットの一実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
本発明のセンサシステムの一実施形態を示す斜視図が図1に示されている。同図に示される連結型センサシステムは、ファイバ型光電センサシステムを構成している。
【0043】
すなわち、このセンサシステムは、16台のセンサユニットSU1〜SU16と、1台のバスユニット(本発明の通信ユニットに相当)BUとを、互いに密に隣接して、DINレール1を介して1列に連装して構成されている。尚、DINレール1は、例えば制御盤内の機器取付面に装着されている。
【0044】
センサユニットSU1〜SU16のそれぞれは、連装方向へ幅の薄い略矩形のハウジングを有する。図示例では、このハウジングの下面側には、DINレール1に嵌め込まれる凹部が、また上面側には表示部2と操作部3とが設けられている。表示部2は図では4個の7セグメント表示器で構成されている。又、操作部3は、図示を省略したが、マイクロタイプの押しボタンスイッチや、DIPスイッチ等で構成される。これらの表示部2や操作部3は、各センサユニットの状態を表示したり、設定操作等のために使用される。
【0045】
センサユニットSU1〜SU16の各ハウジング後面側には往路光ファイバ4aと復路光ファイバ4bとが引き出されている。これらの光ファイバの先端5a,5bには、投光口と受光口とが形成されている。これらの投光口と受光口とを向かい合わせに位置決めすれば、透過型光電センサが構成される。これらの投光口と受光口とをほぼ平行に位置決めして、対象物体へ対向させれば、反射型の光電センサが構成される。
【0046】
センサユニットSU1〜SU16の電気的なハードウェア構成については後に詳細に説明するが、要するに、それらのハウジング内には図において直立状態に姿勢を保たれる回路基板が内蔵される。この回路基板上には、検出用投光系回路と、検出用受光系回路と、信号処理回路とが搭載される。検出用投光系回路には投光用のLEDが内蔵される。検出用の受光系回路には受光用のフォトダイオードが内蔵される。信号処理回路には、受光系回路から得られる受光出力をA/D変換してサンプリングしたり、受光出力を二値化してオン/オフデータを生成する二値化回路等が内蔵される。こうして得られた、受光光量データやオン/オフデータは、後に詳細に説明するように、相隣接するセンサユニット間でコネクタ手段を介してバケツリレー方式で受け渡され、最終的にセンサユニット列の最端部に位置するセンサユニットSU1へと運ばれ、ここからバスユニットBUを介して、フィールドバス上のプログラマブルコントローラ(PLC)や上位コンピュータ等へと送出される。
【0047】
後に詳細に説明するが、センサユニットSU1〜SU16の各ハウジング内には、図において直立状態に姿勢を保たれた回路基板が支持される。この回路基板の両面には、一対の投受光素子で構成される光コネクタが設けられる。一方、これら光コネクタと対向するハウジング両側面には、投受光用窓が開口形成される。従って、相隣接するセンサユニットは、この光通信用窓を介して、相互に信号伝達を行う。
【0048】
次に、バスユニットBUの構成について説明する。バスユニットBUは、図ではセンサユニットSU1〜SU16よりもやや幅広に描かれている。バスユニットBUの機能は、後に詳細に説明するが、センサユニット列SU1〜SU16と、FAシステム用のフィールドバスとの間にあって、両者間におけるプロトコル変換を担うものである。すなわち、このセンサシステムにおいては、相隣接するセンサユニット間においては、後述する光通信プロトコルを介して、双方向データ通信が行われる。これに対して、バスユニットBUが接続されるフィールドバス上においては、フィールドバスプロトコルを用いて双方向データ伝送が行われる。尚、このフィールドバスの代表的なものとしては、ASI,DEVICE Net,Profibus等が挙げられる。フィールドバスには一般的にPLCやFAパソコン等が接続される。
【0049】
そのため、バスユニットBUでは、光通信プロトコルとフィールドバスプロトコルとの変換を行うことによって、フィールドバス上のPLCや上位パソコンと本発明のセンサ列システムSU1〜SU16との双方向データ通信を可能とするのである。
【0050】
バスユニットBUのハウジングの下面側には、センサユニットSU1〜SU16のハウジングと同様にして、DINレール1に装着するための凹部が形成され、またその上面側には、モバイルコンソールユニット(以下、単に『モバコン』と言う)MCを接続するためのコネクタ503が形成されている。
【0051】
バスユニットBUのハウジングの前面側には、後述するスイッチ回路505を構成するDIPスイッチ505aと、後述する表示回路506を構成するLEDランプ506aが取り付けられている。加えて、バスユニットBUのハウジングの前面側には、フィールドバスプロトコルにてデータ伝送を行うケーブル13が引き出されている。このケーブル13が、フィールドバス上のPLCや他のセンサさらには上位パソコン等へ接続される。
【0052】
バスユニットBUの電気的なハードウェア構成については後に詳細に説明するが、要するに、フィールドバスとの接続を行うためのネットワーク通信回路と、センサユニット列SU1〜SU16との接続を行うための光通信回路とフィールドバスプロトコルと光通信プロトコルとのプロトコル変換を行うプロトコル変換処理部とを含んでいる。
【0053】
次に、モバコンMCは、持ち歩き可能なハンディタイプの操作器である。このモバコンMCを用いて、センサユニット列SU1〜SU16に対して各種のデータを設定したり、それらセンサユニット列SU1〜SU16からオン/オフデータや各種の設定データ等を読み出して表示することを可能としている。すなわち、この連結型センサシステムにおいては、バスユニットBUを介してセンサユニット列SU1〜SU16とフィールドバス上のPLCや上位パソコンとの間のデータ交信を行うと共に、センサユニット列SU1〜SU16とモバコンMCとの間においても、光通信プロトコルを使用して、データの送受信が行えるようになっている。
【0054】
次に、本発明システムを含むFAネットワークの一例を示す図が図2に示されている。同図に示されるように、図1に示される連結型センサシステムは、バスユニットBUを介してフィールドバスに接続され、同時にバスユニットBUを介してモバコンMCにも接続される。尚、図においてSUはセンサユニット、BUはバスユニット、MCはモバイルコンソール(モバコン)である。
【0055】
従って、このようなFAネットワークによれば、センサユニット列SU,SU…とPLC等との間で、バスユニットBUのプロトコル変換機能を利用して、互いにデータの送受信を行い、センサユニット列SU,SU…からのオン/オフデータを、PLCが受け取ることによって、所望のシーケンス制御等が実行される。又、必要な場合には、PLCや上位パソコン等から、逆にバスユニットBUを経由してセンサユニット列SU,SU…に設定データ等を送り込むことによって、各センサユニット(この例では、ファイバ型光電センサ)の動作特性を任意に設定することができる。
【0056】
しかも、図1の斜視図からも明らかなように、個々のセンサユニットSU1〜SU16のハウジングには、個々にオン/オフデータを導出するための信号ケーブルが存在しないため、16点,32点,64点等といったように、多数のセンサユニットを制御盤内に装着する場合にも、配線が著しく簡素化され、システム全体をコンパクトに収容することが可能となる。
【0057】
次に、センサユニットの電気的構成を概略的に示すブロック図が図3に示されている。先に説明したように、センサユニットSUに内蔵される回路基板上には、計測用回路(A)と、右側通信用回路(B1)と、左側通信用回路(B2)と、出力系回路(400)と、操作部(本発明の明状態オン方式と暗状態オン方式との切替設定手段としてのDIPスイッチを含む)3と、表示部2と、それらの回路を統括制御するCPU100とを備えている。
【0058】
CPU100はマイクロプロセッサを主体として構成され、規定のシステムプログラムに従って、計測用回路(A)、右側通信用回路(B1)、左側通信用回路(B2)、並びに、出力系回路(400)等を適宜に制御するものである。このCPU100内には、生成された受光量レベルの代表値を受光量現在値として記憶保持するための不揮発性メモリ100aが含まれており、後述するホールド処理並びに受光量データ取得処理が実行されると、取得された受光量のピークおよび/またはボトムホールド値がこの不揮発性メモリ100aに記憶される。
【0059】
計測用回路(A)は、さらに、投光系回路300と、投光系回路300で駆動され、周期的にパルス光を送出するLED320と、透過又は反射して到来するパルス光を受光するフォトダイオード330と、フォトダイオードの出力を処理する受光系回路310とを備えている。
【0060】
投光系回路300には、所定周期並びに所定ゲインをもって投光用駆動パルスを生成する機能が内蔵される。そして、この投光用駆動パルスによって、LED320が駆動され、LED320から生ずる光は、往路光ファイバ4aへと導入される。
【0061】
一方、受光系回路312は、復路光ファイバ4bの出射光を受けるフォトダイオード330の出力電気パルスを、同期検波技法を用いてサンプリングすると共に、これを適当なゲインで増幅並びに波形整形さらにはA/D変換する機能が内蔵されている。
【0062】
CPU100では、受光系回路310から得られた受光データをそのまま受光光量データとして、或いは適当なしきい値を基準として二値化して、オン/オフデータに変換した後、出力系回路400を介して外部へ導出することが可能となっている。尚、受光系回路310から得られる受光データは、本発明の受光量現在値生成処理のために利用される。
【0063】
尚、図1に示されるセンサユニットSU1〜SU16の場合、個々のセンサユニットからオン/オフデータを導出しない構成とされているが、この出力系回路400を備えておけば、必要により個々のセンサユニットから従前通りにオン/オフデータを出力させることができる。
【0064】
言うまでもないことであるが、バスユニットBUを使用して、フィールドバスとセンサユニット列との間で、オン/オフデータの送受信を行う場合には、上述の受光光量データやオン/オフデータは、出力系回路400へ与えられる代わりに、CPU100内における所定のメモリに記憶され、後述する通信回路(B1,B2)を経由して、隣接するセンサユニットへと受け渡される。送信フォーマットについては、任意のフォーマットを採用できる。例えば、センサユニット列を構成するユニット接続台数が16台の場合、1送信フレームのデータビット数を8ビットとして、2回の送信フレームに分割して、16台のユニットのデータをシリアル伝送することができる。
【0065】
次に、通信用回路について説明する。右側通信用回路(B1)は、投光系回路210と、投光系回路210の出力で駆動されるLED18と、隣接ユニットSU13からの光信号を受光するフォトダイオード19と、フォトダイオード19の出力を処理する受光系回路220とを備えている。
【0066】
同様にして、左側通信用回路(B2)は、投光系回路240と、投光系回路240の出力で駆動されるLED18と、隣接ユニットSU11から到来する光信号を受光するフォトダイオード19と、フォトダイオード19の出力信号を処理する受光系回路230とを備えている。
【0067】
これら左右の通信用回路(B1,B2)は、CPU100によって統括制御される。尚、後に詳細に説明する本発明のコマンド対応処理はこのCPU100のシステムプログラムによって規定されるものである。
【0068】
次に、バスユニットの電気的構成を概略的に示すブロック図が図4に示されている。同図に示されるように、バスユニットBUに内蔵された回路基板上には、CPU500と、光通信回路501と、ネットワーク通信回路502と、モバコン接続コネクタ503と、モバコン検知回路504と、スイッチ回路(DIPスイッチを含む)505と、表示回路(LEDを含む)506と、不揮発性メモリ507と、センサ電源オン/オフ回路508と、通信方向切替回路509とが搭載されている。
【0069】
光通信回路501は、隣接するセンサユニットSU1との間で双方向光通信を行うための回路である。この光通信回路501で隣接センサユニットSU1から受信した信号は、CPU500に取り込まれる。
【0070】
一方、光通信回路501を介して隣接センサユニットSU1へと送り出すべきデータとしては、2系統のデータが可能とされている。第1の系統のデータは、CPU500から生成されるデータである。第2の系統のデータは、ケーブル12、モバコン接続コネクタ503を経由してモバコンMCから導入されたデータである。これら2系統のデータは、通信方向切替回路509を介して択一的に光通信回路501へと送り出される。
【0071】
この通信方向切替回路509の制御は、モバコン検知回路504の出力に基づき、CPU500によって制御される。すなわち、モバコンコネクタ503に対してケーブル12が接続されているとき、これをモバコン検知回路504が検知して、通信方向切替回路509は、モバコンデータ側へと切り替えられる。これに対して、モバコン接続コネクタ503に対し、ケーブル12が接続されていなければ、モバコン検知回路504の出力に基づき、CPU500では通信方向切替回路509をCPU側へと切り替える。
【0072】
ネットワーク通信回路502は、フィールドバスとの接続を行って、必要なデータを双方向に伝送するように機能する。このネットワーク通信回路502の制御は、CPU500によって行われる。
【0073】
すなわち、ネットワーク通信回路502を介してフィールドバスから取り込まれたデータは、CPU500を経由した後、通信方向切替回路509並びに光通信回路501を経由して、センサユニット列を構成する隣接センサユニットSU1へと送り出される。一方、光通信回路501を介して隣接センサユニットSU1から取り込まれたデータは、CPU500を経由して、ネットワーク通信回路502を介し、フィールドバス上へと送り出される。更に、ケーブル12並びにモバコン接続コネクタ503を介して、モバコンMCから導入されたデータは、通信方向切替回路509並びに光通信回路501を介して、隣接センサユニットSU1へと送り出される。
【0074】
その結果、バスユニットBUのプロトコル変換機能を介することにより、フィールドバス上のPLCや上位パソコンと、センサユニット列SU1〜SU16上のセンサユニットとの間において、双方向にデータ伝送を行いつつ、個々のセンサユニットSU1〜SU16からオン/オフデータをPLCや上位パソコンへ吸い上げたり、逆に、PLCや上位パソコンから各種の設定情報を、センサユニット列SU1〜SU16上の個々のセンサユニット或いは特定のセンサユニットへと送り込むことが可能となされている。
【0075】
次に、本発明の要部である、受光量現在値生成保持のための処理について説明する。
【0076】
バスユニットBU並びに一連のセンサユニット内の投受光素子の配置を模式的に示す断面図が図5に示されている。
【0077】
同図において、BUはバスユニット、SU1〜SU4はセンサユニット、17は回路基板、18は投光素子、19は受光素子、8は右側通信用窓、9は左側通信用窓、14はバスユニットの通信用窓である。
【0078】
このように、バスユニットBU並びにセンサユニットSU1〜SU4の一方又は双方の側面には、投受光用の窓が開口形成されており、これらの窓8,9,14を介して、隣接するセンサユニット間或いはセンサユニットとバスユニットとの間において、光通信が可能となされている。
【0079】
図6には、センサユニット列のアドレス割付態様の一例が示されている。同図に示されるように、この例にあっては、センサユニット列は16台のセンサユニットSU1〜SU16から構成されており、一方フィールドバス上には上位パソコン900、2台のPLC901,902が接続されている。そして、それらフィールドバス上の上位パソコン900並びに2台のPLC901,902と、センサユニット列SU1〜SU16との間では、バスユニットBUを介して双方向データ通信が可能となされている。又、バスユニットBUにはケーブル12を介してモバコンMCが接続されている。そして、このモバコンMCの操作によって、センサユニット列SU1〜SU16に対して各種のデータの設定や逆にセンサユニット側のデータを吸い上げてモバコンに表示させることが可能とされている。尚、先に説明したように、センサユニット列を構成する相隣接するセンサユニットの相互間においては、バケツリレー方式により、データ伝送が行われる。
【0080】
センサユニット側で実行されるオン時受光量モニタ処理のフローチャートが図7に示されている。同図において、電源投入により処理が開始されると、まずライトオン方式(明状態オン方式;LON)であるか、又はダークオン方式(暗状態オン方式;DON)であるかの判断が行われる(ステップ700)。
【0081】
ここで、『ライトオン方式(LON)』とは、物体の存在する状態のほうが物体の存在しない状態に比べて、受光量レベルが高い方式を意味し、『ダークオン方式(DON)』とは、物体の物体の存在する状態のほうが物体の存在しない状態に比べて、受光量レベルが低い方式を意味する。
【0082】
ライトオン方式(LON)と判定されると(ステップ700『LON』)、その後オフ状態の期間中(ステップ702『OFF』)、受光量データの取得が繰り返し実行される(ステップ701)。
【0083】
この状態において、物体検知出力がオフ状態からオン状態へと切り替わると(ステップ702『ON』)、ピークホールド処理を実行しつつ(ステップ703)、受光量データを繰り返し取得する処理が(ステップ704)、その後、オン状態からオフ状態へと切り替わるまで(ステップ705『ON』)、実行される(ステップ703,704)。
【0084】
その後、再び物体検知出力がオン状態からオフ状態へと切り替わると(ステップ705『オフ』)、それまでホールドされたピーク値はオン時データとして更新される(ステップ706)。
【0085】
これに対して、電源投入直後の判定処理において、ダークオン方式であると判定されると(ステップ707『DON』)、その後、オフ状態の期間中(ステップ712『OFF』)、受光量データの取得が繰り返し行われる(ステップ711)。
【0086】
その後、物体検知出力がオフ状態からオン状態へと切り替わると(ステップ712『ON』)、ボトムホールド処理を繰り返しつつ(ステップ713)、受光量データを取得する処理(ステップ714)が、オン状態の期間中(ステップ715『ON』)、繰り返し実行される(ステップ713,714)。
【0087】
その後、オン状態からオフ状態への切替が行われると(ステップ715『OFF』)、それまでホールドされたボトム値をオン時データとして更新する処理が実行される(ステップ716)。
【0088】
このように、図7に示される実施形態によれば、電源投入直後ダークオンと判定された場合には(ステップ700『LON』)、オフ状態においては単なる受光量データ取得処理(ステップ701)が、またオン状態においてはピークホールド処理が実行される(ステップ703)。
【0089】
これに対して、電源投入直後にダークオン方式であると判定されると(ステップ700『DON』)、オフ状態においては単なる受光量データ取得処理が(ステップ711)、またオン状態においてはボトムホールド処理(ステップ713)が実行される。
【0090】
そして、このようにして得られたピークホールド値は受光量現在値データとして更新され(ステップ706)、またボトムホールド値は受光量現在値データとして更新される(ステップ716)。
【0091】
次に、センサユニット側で実行されるオフ時受光量モニタ処理のフローチャートが図8に示されている。同図において、電源投入により処理が開始されると、まずライトオン方式かダークオン方式かの判定が行われる(ステップ800)。
【0092】
ここで、ライトオン方式と判定されると(ステップ800『LON』)、その後オン状態が継続する期間中(ステップ802『ON』)、受光量データの取得が繰り返し実行される(ステップ801)。
【0093】
その後、オン状態からオフ状態への切替が行われると(ステップ802『OFF』)、その後ピークホールド処理(ステップ803)を実行しつつ、受光量データの取得処理(ステップ804)がオフ期間の継続中(ステップ805『OFF』)、繰り返し実行される(ステップ803,804)。
【0094】
その後、オフ状態からオン状態への切替が行われると(ステップ805『ON』)、それまでホールドされたピーク値はオフ時データとして更新される(ステップ806)。
【0095】
これに対して、電源投入直後にダークオン方式であると判定されると(ステップ800『DON』)、その後、オン状態が継続する期間中(ステップ812『ON』)、受光量データの取得が繰り返し実行される(ステップ811)。
【0096】
その後、オン状態からオフ状態への切替が行われると(ステップ812『OFF』)、ボトムホールド処理(ステップ813)を実行しつつ、受光量データを取得する処理が(ステップ814)、オフ状態の継続する期間中(ステップ815『OFF』、繰り返し実行される(ステップ813,814)。
【0097】
その後、オフ状態からオン状態への切替が行われると(ステップ815『ON』)、それまでホールドされたボトム値がオフ時データとして更新される(ステップ816)。
【0098】
このように、図8のフローチャートに示される実施形態によれば、電源投入直後にライトオン方式であると判定されると(ステップ800『LON』)、オン期間においては単なる受光量データ取得処理が(ステップ801)、オフ状態においてはピークホールド処理を実行しつつ受光量データの取得処理が実行される(ステップ803,804)。
【0099】
そして、オフ状態からオン状態への復帰のたびに、それまでホールドされたピーク値がオフ時データとして更新される(ステップ806)。
【0100】
これに対して、電源投入直後にダークオン方式であると判定されると(ステップ800『Dオン』)、オン状態においては受光量データ取得処理が(ステップ811)が、またオフ状態においてはボトムホールド処理を実行しつつ(ステップ813)、受光量データの取得処理が実行される(ステップ814)。そして、オフ状態からオン状態への切り替わりのたびに、それまでホールドされたボトム値がオフ時データとして更新される(ステップ816)。
【0101】
尚、こうして得られたオン時データやオフ時データは、受光量現在値データとして、図3に示されるCPU100内の不揮発性メモリ100aに保持され、後述するモニタ要求コマンドの到来を待機することとなる。
【0102】
次に、オン時ピークホールド処理を説明する図が図9に示されている。尚、図9に示されるグラフは、ライトオン方式に対応したものである。ダークオン方式の場合、受光量波形の極性は反転することは言うまでもない。
【0103】
図においては、第N周期におけるオン期間でのピーク値と第N+1周期におけるオン期間でのピーク値がそれぞれピークホールド処理により保持される。こうして保持されたピークホールド値は、オン期間とオフ期間との切替タイミングにおいて、図示しないメモリに保持される。そのため、図のグラフにおいては、第N周期におけるオン期間とオフ期間との切替タイミングにおいて、オン期間(第N周期)でのピークホールド値に更新され、さらに第N+1周期におけるオン期間とオフ期間との境界タイミングにおいて、オン期間(第N+1周期)でのピークホールド値への更新が行われている。言うまでもないが、それらオン時ピークホールド値は、CPU100内のメモリ100aに保持される。尚、CPUの電源がオフされた場合、ピークホールド値の保存が不要であれば、不揮発性メモリではなくRAM等の単なる揮発性メモリに変更してもよい。
【0104】
次に、オフ時ボトムホールド処理を説明するための図が図10に示されている。同図に示されるグラフにおいても、ライトオン方式に対応するものであり、ダークオン方式の場合にはグラフの極性が反転する。
【0105】
このグラフにおいては、第N周期におけるオフ期間でのボトム値と第N+1周期のオフ期間のボトム値がホールドされている。そして、第N周期のオフ期間でホールドされたボトムホールド値は、第N周期のオン期間からオフ期間への切替タイミングにおいてオン時ボトムホールド値として保存され、同様に第N+1周期のオフ期間でのボトム値がボトムホールド値として保存される。そして、第N+1周期のオン期間からオフ期間への切替タイミングにおいてボトムホールド値として保存される。
【0106】
次に、センサユニット側で実行される受光量モニタコマンド対応処理のフローチャートが図12に示されている。このフローチャートは、センサユニットにおいて、なんらかのコマンドが受信されたことによって起動される。図では示されていないが、センサユニットのそれぞれにおいては、到来したコマンドが自機宛のものか他機宛のものかの判断処理を行い、他機宛のものについては隣接する他機へと転送する処理を行い、自機宛のものについては図12に示されるコマンド対応処理を実行するのである。同図においてコマンド受信により処理が開始されると、まずコマンド解析処理が実行される(ステップ1201)。
【0107】
ここでコマンド解析の結果受光量モニタコマンド以外の他のコマンド対応処理であると判定されると(ステップ1202NO)、当該他のコマンド対応処理が実行される。
【0108】
これに対して、コマンド解析の結果(ステップ1201)、それが受光量モニタコマンドであると判定されると(ステップ1202YES)、さらに当該受光量モニタコマンドの種別が判定される(ステップ1203)。
【0109】
この実施形態においては、受光量モニタコマンドとして、オン時ピークコマンドとオフ時ボトムコマンドとピーク&ボトムコマンドとの3種類のコマンドが用意されている。
【0110】
ここで、オン時ピークコマンドと判定されると、ピークホールド値読出処理が(ステップ1204)、オフ時ボトムコマンドと判定されると、ボトムホールド値読出処理が(ステップ1206)、ピーク&ボトムコマンドと判定されると、ピーク&ボトム値読出処理(ステップ1205)、がそれぞれ実行され、該当するデータがメモリから読み出される。
【0111】
その後、読み出されたピークホールド値、ボトムホールド値、ピーク&ボトム値は、コマンドに対するレスポンスとして生成され(ステップ1207)、コマンド発行元であるモバイルコンソールMCやネットワークを介して接続された上位パソコン等へ宛てて送信される(ステップ1208)。
【0112】
図では示されていないが、こうして送信されたレスポンスは、バケツリレー方式で隣接するセンサユニット間を順次に受け渡され、最終的にセンサユニット列の端部に位置するセンサユニットSU1からモバコンMCへと、又はバスユニットBUを経由してネットワーク上の上位パソコンやPLC等へと送信される。
【0113】
そのため、モバコンMCやネットワーク上の上位パソコン等から受光量レベルモニタ要求コマンドを特定のセンサユニットに宛てて送信すれば、図12のフローチャートで説明した処理が実行される結果、予め図7又は図8のフローチャートで示される処理により保存された受光量現在値データが、レスポンスとしてコマンド発行元であるモバコンMCやネットワーク上の上位パソコン等へと返送される。
【0114】
ここで、重要な点は、従前のコマンド並びにレスポンス処理においては、センサユニット側でコマンドを受信した時点において、受光量データの保存処理を実行していたため、コマンドを受信した時点がたまたまオン期間に該当すれば目的とするオン時受光量データを取得できるものの、そのような良好なタイミングに合致する確率は極めて低く、そのためモニタデータの信頼性が低かったのに対し、本発明方式によれば、コマンドの到来を待つことなく、センサユニットが自発的にオン期間又はオフ期間の受光量データを保存しているため、受光量レベルモニタコマンドが到来した時点がいつであろうとも、要求されるオン期間若しくはオフ期間の受光量データを正確にモニタすることができるのである。
【0115】
従って、この実施形態によれば、従前のモニタ要求コマンドを使用した例とは異なり、目的とするオン期間又はオフ期間の受光量レベルを誤りなく正確に取得することができ、取得データの信頼性が著しく向上する。そのため、こうして得られたモニタコマンドは、単にオン/オフデータスイッチングのためのしきい値の調整のみならず、受光量レベルそのものが検知物体の大きさや距離をも代表するため、これに基づき各種のフィードバック制御等も実現することができる。
【0116】
尚、以上の実施形態においては、本発明を光電センサに応用したが、本発明の応用はこれに限定されるものではない。例えば、センサユニットとして近接センサユニットや超音波センサユニット等を使用し、超音波受信強度や電磁波受信強度を予めオン期間とオフ期間とに分けてセンサユニット側で自発的に生成保存しておくことによって、同様なモニタ要求に対応させることができる。
【0117】
又、以上の実施形態においては、本発明を連結型センサシステムにおけるセンサユニットに応用したが、単独の光電センサ、超音波センサ、電磁波センサ等でも、常時オン期間又はオフ期間の受信強度を保存しておくことにより、同様な目的を達成できることは言うまでもない。
【0118】
図11には、受光量モニタコマンドの到来タイミングとオン/オフタイミングとの関係が示されている。図のように、オフ期間に比べオン期間が著しく短い場合、受光量モニタコマンドの到来するタイミングはオン期間並びにオフ期間に対してまちまちとなる。このような場合においても、本発明においては、オン期間並びにオフ期間の受信強度レベルを保存しておくため、このような受光量モニタの到来タイミングの不規則性に対しても誤りなくオン時並びにオフ時受信強度レベルを正確に返送することができる。
【0119】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、光電センサにおけるオン期間における受光量レベルを、各検出物体毎に、一定の条件で正確にモニタすることを可能とした連結型センサシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセンサシステムの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明システムを含むFAネットワークの一例を示す図である。
【図3】 センサユニットの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】 バスユニットの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】 バスユニット並びに一連のセンサユニットの投受光素子の配置を模式的に示す断面図である。
【図6】 センサユニットのアドレス割付を示す図である。
【図7】 センサユニット側で実行されるON時受光量モニタ処理のフローチャートである。
【図8】 センサユニット側で実行されるOFF時受光量モニタ処理のフローチャートである。
【図9】 オン時ピークホールド処理を説明する図である。
【図10】 オフ時ボトムホールド処理を説明する図である。
【図11】 受光量モニタコマンドの到来タイミングとオン/オフタイミングとの関係を説明する図である。
【図12】 センサユニット側で実行される受光量モニタコマンド対応処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 DINレール
2 表示部
3 ダークオン方式/ライトオン方式切替のためのDIPスイッチを含む操作部
4a 往路光ファイバ
4b 復路光ファイバ
5a 往路光ファイバの先端
5b 復路光ファイバの先端
6 表示部
7 操作部
8 右側通信用窓
9 左側通信用窓
17 回路基板
18 投光素子
19 受光素子
100 CPU
100a 不揮発性メモリ
210 投光系回路
220 受光系回路
230 受光系回路
240 投光系回路
300 投光系回路
310 受光系回路
320 LED
330 PD
400 出力系回路
500 CPU
501 光通信回路
502 ネットワーク通信回路
503 モバコン接続コネクタ
504 モバコン検知回路
505 DIPスイッチを含むスイッチ回路
506 表示回路
507 不揮発性メモリ
508 センサ電源オン/オフ回路
509 通信方向切替回路
900 上位パソコン
901,902 PLC
SU1〜SU16 センサユニット
MC モバイルコンソールユニット
BU バスユニット(通信ユニット)
Claims (5)
- 互いに密に隣接して配置されると共にコネクタ手段を介して隣接するもの同士で信号伝達可能に結合され、隣接するもの同士でバケツリレー方式でデータの受け渡しを行う複数台のセンサユニットを有し、
センサユニットの各々には、
隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とするための各側のコネクタ手段と、
各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とするための双方向通信手段と、
物体検知光を投光する投光素子と物体検知光を受光する受光素子とを有する物体検知用投受光手段と、
明状態オン方式のセンサにおいては、オン期間の受光量レベルのピーク値を、又暗状態オン方式のセンサにおいては、オン期間の受光量レベルのボトム値を、受光量レベルの代表値としてそれぞれ生成すると共に、これをオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで受光量現在値として更新させつつ保持する受光量現在値生成保持手段と、
双方向通信手段を介して隣接する一方の側のセンサユニットから受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときには、その時点で保持されている受光量現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側の隣接光電センサユニットへと返送する一方、自機を指定するものではないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側の光電センサユニットへと送信するコマンド対応処理手段と、が設けられている連結型センサシステム。 - 明状態オン方式による動作モードと暗状態オン方式による動作モードとを併有し、モード切替設定器の設定状態により、それらのモードのいずれかが選択的に実行され、かつモード切替器の設定状態に応じてピーク値の保持又はボトム値の保持の選択が自動的に行われる、請求項1に記載の連結型センサシステム。
- 隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とするための各側のコネクタ手段と、
各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とするための双方向通信手段と、
物体検知光を投光する投光素子と物体検知光を受光する受光素子とを有する物体検知用投受光手段と、
明状態オン方式のセンサにおいては、オン期間の受光量レベルのピーク値を、又暗状態オン方式のセンサにおいては、オン期間の受光量レベルのボトム値を、受光量レベルの代表値としてそれぞれ生成すると共に、これをオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで受光量現在値として更新させつつ保持する受光量現在値生成保持手段と、
双方向通信手段を介して隣接する一方の側のコネクタ手段を経由して受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときには、その時点で保持されている受光量現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側のコネクタ手段へと返送する一方、自機を指定するものではないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側のコネクタ手段へと送信するコマンド対応処理手段と、
を具備する連結型センサシステムのセンサユニット。 - 明状態オン方式による動作モードと暗状態オン方式による動作モードとを併有し、モード切替設定器の設定状態により、それらのモードのいずれかが選択的に実行され、かつモード切替器の設定状態に応じてピーク値の保持又はボトム値の保持の選択が自動的に行われる、請求項3に記載の連結型センサシステム。
- 隣接するセンサユニットとの間における信号の伝達を可能とするための各側のコネクタ手段と、
各側のコネクタ手段を介して隣接するセンサユニットとの間で双方向にデータ通信を可能とするための双方向通信手段と、
検知対象領域に向けて光、超音波、電磁波等の放射を送出する放射送出手段と、
放射送出手段から送出されたのち、検知対象領域を経由して到来する放射を受け取る放射受取手段と、
放射受取強度レベルを基準値と比較してオンオフ信号である物体検知出力を生成する物体検知出力生成手段と、
放射受取強度レベルが高いときにオンする方式のセンサにおいては、オン期間の放射受取強度レベルのピーク値を、又放射受取強度レベルが低いときにオンする方式のセンサにおいては、オン期間の放射受取強度レベルのボトム値を、放射受取強度レベルの代表値としてそれぞれ生成すると共に、これをオン期間からオフ期間へと切り替わるタイミングで受け取られる放射強度の現在値として更新させつつ保持する放射受取強度現在値生成保持手段と、
双方向通信手段を介して隣接する一方の側のコネクタ手段を経由して受信した特定コマンドの内容が自機を指定するものであるときには、その時点で保持されている放射受取強度現在値を当該コマンドに対するレスポンスとして、双方向通信手段を介してコマンド到来側のコネクタ手段へと返送する一方、自機を指定するものではないときには、当該コマンドを双方向通信手段を介して隣接する他方の側のコネクタ手段へと送信するコマンド対応処理手段と、
を具備する連結型センサシステムのセンサユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001139389A JP4054948B2 (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 連結型センサシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001139389A JP4054948B2 (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 連結型センサシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002334391A JP2002334391A (ja) | 2002-11-22 |
JP4054948B2 true JP4054948B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=18986169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001139389A Expired - Lifetime JP4054948B2 (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 連結型センサシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4054948B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5021127B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2012-09-05 | 株式会社キーエンス | センサ、センサ管理装置、センサ管理プログラムおよびセンサシステム |
EP2418458B1 (en) * | 2003-09-19 | 2017-03-15 | Omron Corporation | Multiple sensor system |
JP5120526B2 (ja) * | 2003-09-19 | 2013-01-16 | オムロン株式会社 | 変位センサシステム |
JP2005208022A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-08-04 | Sunx Ltd | 検出センサ及びセンサシステム |
JP4824955B2 (ja) * | 2005-06-30 | 2011-11-30 | パナソニック電工Sunx株式会社 | 検出センサ及び検出センサシステム |
JP5184022B2 (ja) * | 2007-09-21 | 2013-04-17 | パナソニック デバイスSunx株式会社 | センサシステム及び検出センサ |
JP5823801B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-11-25 | パナソニック デバイスSunx株式会社 | センサユニット、及びセンサシステム |
JP2018163114A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 株式会社新技術総研 | 計測装置、計測システム |
-
2001
- 2001-05-09 JP JP2001139389A patent/JP4054948B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002334391A (ja) | 2002-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6717515B1 (en) | Sensor system | |
US8346510B2 (en) | Continuously-arranged sensor system, network unit, and sensor unit | |
US7057152B2 (en) | Photoelectric sensor having sensitivity adjustment device | |
JP4054948B2 (ja) | 連結型センサシステム | |
US9291497B2 (en) | Sensor system having a plurality of coupled sensors | |
US8237587B2 (en) | Continuously-arranged sensor system, network unit, and sensor unit | |
JP4120750B2 (ja) | センサシステム | |
US7440872B2 (en) | Flexible scanning and sensing platform | |
JP3611207B2 (ja) | 連装用センサユニット | |
US7362451B2 (en) | Sensor device | |
JP4548595B2 (ja) | センサ装置 | |
JP2020024401A (ja) | 産業用カメラシステムの照明を制御する装置及び方法 | |
JP4054947B2 (ja) | 連結型センサシステム | |
JP4058589B2 (ja) | 連結型センサシステム | |
JP4009838B2 (ja) | 光電センサ | |
KR102047134B1 (ko) | 가시광 통신을 이용한 무선 필드 버스 시스템 및 이를 통한 데이터 전송 방법 | |
CN211505924U (zh) | Diy光栅 | |
JP2002333936A (ja) | 連結型センサシステム | |
JP7027228B2 (ja) | 検出センサ、検出センサシステム | |
KR100342350B1 (ko) | 통합 다중 제어 장치 | |
JP2010079450A (ja) | 空間光伝送装置 | |
CN214895656U (zh) | 一种显示芯片测试设备 | |
KR200177423Y1 (ko) | 통합 다중 제어 시스템 | |
CN202793322U (zh) | 一种快速自反馈扫描系统 | |
CN113406720A (zh) | Diy光栅 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070802 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070822 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071022 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071114 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071127 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4054948 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |