JP5821493B2 - 真空脱ガス設備の煙道ダクト内付着物の除去装置 - Google Patents
真空脱ガス設備の煙道ダクト内付着物の除去装置Info
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Description
上記態様によれば、手動用ブレーカーを利用できる。このため、上記態様に係る除去装置であれば、従来の大型除去装置を用いる方法と比較してコンパクトな除去装置となる。よって、設置スペースが小さい場合であっても、上記態様に係る除去装置を設置することができる。
さらに、上記態様に係る除去装置であれば、ブレーカーの反力を受けるようにブレーキが配置されているため、ブレーカーの反力を低減することができる。よって、煙道ダクト内付着物を除去する際、作業者の作業負担を低減させることができるほか、チゼルの打撃力の低減を抑制できる。
上記態様によれば、ブレーカーの向きをさらに前後、左右、昇降のうち少なくとも一つを自在に調整できる。このため、上記態様に係る除去装置であれば、ブレーカーの位置(つまり、チゼルの先端の位置)を自在に決めることができる。よって、処理槽に設けられたマンホールから挿入したチゼルの先端を目的とする煙道ダクト内付着物に押し当てることができ、煙道ダクト内付着物を確実に除去することができる。
また、上記態様に係る除去装置であれば、ブレーカーの向きと位置を目的とする向きと位置に固定することができる。よって、処理槽に設けられたマンホールから挿入したチゼルの先端を目的とする煙道ダクト内付着物に押し当てることができ、煙道ダクト内付着物を除去することができる。さらに、備えられたブレーキで、ブレーカーの反力を低減することもできる。よって、煙道ダクト内付着物を除去する際、作業者の作業負担を低減させることができるほか、チゼルの打撃力の低減を抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係る煙道ダクト内付着物の除去装置(以下、単に「除去装置」ともいう。)1を用いた作業状態を示す図である。図1には、真空脱ガス設備の処理槽2と、処理槽2と連通する煙道ダクト3と、処理槽2の、煙道ダクト3と対向する側に設けられたマンホール4が示されており、前記煙道ダクト3の図1における右側には図示しないダストセパレーターが連続している。マンホール4の外側には、レール6上に除去装置1が走行可能に支持されていて、この除去装置1の一部をなすチゼル5が前記マンホール4から処理槽2を経て煙道ダクト3にまで挿入されている。係る除去装置1は、作業者7が操作するようになっている。
この除去装置1を用いて除去作業する際には、図1に示すように、レール6上を走行可能に搭載された除去装置1をマンホール4側に向かって作業者7が人力で押して、チゼル5を処理槽2に設けられたマンホール4から煙道ダクト3に向かって挿入する。そして、上記各調整機構10、20、30、40、50を用いて、チゼル5の先端を目的とする煙道ダクト内付着物に押し当てるとともに、ブレーカー60を作動させる。こうして、煙道ダクト内付着物を粉砕し、それらを煙道ダクト3内から除去する。
(前後調整機構10及びその動作)
図1及び図4に示すように、2本のレール6はマンホール4の中心から煙道ダクト3の中心に向かう方向と平行になるように、例えば処理槽2等が設けられている建屋の床に固定されて水平に配置されている。このレール6は、図4〜図8に示すように、断面視でI型をしたレールである。そして、この2本のレール6の間にはこれらと平行をなして、図4〜図9に示すように、ピンラック17が1本配置されている。このピンラック17は、後述するピンギア13と噛み合うように直線状に配置された形状となっている。
なお、台車11には下向きのレール用ワイヤブラシ11aとピンラック用ワイヤブラシ11bが設けられていて、付着物の除去をしている。
図8〜図10に示すように、台車11が前後移動する際には、ピンギア13はピンラック17と噛み合いながら回転している。このため、油圧ディスクブレーキ70を作動させて(つまり、油圧ディスクブレーキ70でディスク14を挟んで)ディスク14の回転を止めるとピンギア13の回転も同時に止まるので、ピンラック17とピンギア13とが噛み合ったまま停止状態を維持できる。このため、除去装置1を前後方向の任意の位置に配置し、前記ブレーキ70を作動させてその位置決めをすることができる。よって、ブレーカー60に設けられたチゼル5の先端を前後方向において煙道ダクト3内の任意の位置に配置することができる。さらに、この台車11に設けられた油圧ディスクブレーキ70で、煙道ダクト内付着物を除去する際に発生する前後方向のブレーカー反力を受けることもできる。
昇降調整機構20は、図4に示すように、2本の伸縮可能な油圧シリンダー22と、油圧シリンダーによって昇降する1台の昇降台座21とを含んで構成されている。
油圧シリンダー22は台車11上に固定されており、その上端は昇降台座21の下向きの面に下から当たって接している。このため、油圧シリンダー22を作動させ伸縮させることで、昇降台座収容部16に収容されている昇降台座21の垂直ガイド部21aをローラー16aで案内して昇降させることができる。よって、昇降台座21の昇降と連動して、昇降台座21に搭載された、後述する左右調整機構30やブレーカー60等も昇降する。ここで、油圧シリンダー22の伸縮量を決定して昇降台座21の高さ位置を決めることにより、ブレーカー60の高さは決められる。
なお、この昇降台座21には、図2及び図4に示すように、これに隣接して同一の高さにディスク24が固定され、さらに昇降台座21には左右方向に延在させて配置された2本のレール23が設けられている。このレール23は、左右調整機構30の一部である横行台座31に設けられた4つの車輪32を走行可能に係合するためのものである。
左右調整機構30は、図4に示すように、1台の横行台座31と、横行台座31にそのブラケット31aを介して設けられた4つの車輪32と、前記昇降台座21に設けられて前記車輪32が案内されるレール23とを含んで構成されている。
横行台座31に設けられた4つの車輪32は、昇降台座21に設けられた2本のレール23に嵌め込まれている(図2を参照)。2本のレール23は、開口部が個別に前方と後方を向いた溝型をなし、その開口部に車輪32が係合されている。このため、人が押すことによって横行台座31はこのレール23に沿って、左右に移動することができる。よって、横行台座31の移動と連動して、横行台座31に搭載された、後述する旋回調整機構40やブレーカー60等も左右に移動する。
この横行台座31には、そのブラケット31bを介して油圧ディスクブレーキ(つまり、横行用ブレーキ)71が設けられている(図2及び図12を参照)。この油圧ディスクブレーキ71を作動させて昇降台座31に設けられたディスク24を挟むことで、横行台座31の左右方向への横行移動を止めることができる。こうすることで、横行台座31の上部に搭載されたブレーカー60を左右の任意の位置に配置することができる。よって、ブレーカー60に設けられたチゼル5の先端を煙道ダクト3内の左右の任意の位置に配置することができる。さらに、油圧ディスクブレーキ71で、煙道ダクト内付着物を除去する際に発生する左右方向のブレーカー反力に耐えることもできる。
なお、この横行台座31には、図4に示すように、旋回軸受41と油圧ディスクブレーキ(つまり、旋回用ブレーキ)72とが設けられており、この油圧ディスクブレーキ72で後述する旋回台座42に設けられたディスク43を挟むことができる。
旋回調整機構40は、図3及び図4に示すように前記横行台座31上に旋回軸受41を介して設けられた1台の旋回台座42を中心にして構成されている。旋回軸受41は横行台座31の概ね中央部に配置され、この軸受41の外輪41aが横行台座31上に固定され、その内輪41bが旋回台座42の下面に固着されている。かくして、旋回台座42は、横行台座31上に旋回軸受41を介して旋回可能に搭載されている。このため、旋回台座42の上部に搭載された俯仰調整機構50及びブレーカー60は、旋回台座42を介して旋回することができる。よって、作業者7がブレーカー60後端のハンドルグリップ61を持ってブレーカー60を旋回させることができる。
なお、この旋回台座42には、図3に示すようにディスク43が固着されている。このディスク43は、横行台座31の設けられた油圧ディスクブレーキ72で挟まれるためのものである。
図4に示した前記油圧ディスクブレーキ72を作動させ、ディスク43を油圧ディスクブレーキ72で挟むことで、旋回台座42を任意の方向に回転させた状態で固定することができる。よって、旋回台座42の旋回に連動して、旋回台座42上に搭載されたブレーカー60の向きを目的とする方向に固定することができる。このため、チゼル5の先端を煙道ダクト3内の任意の位置に配置することができる。さらに、油圧ディスクブレーキ72で、煙道ダクト内付着物を除去する際に発生する旋回方向のブレーカー反力に耐えることもできる。
なお、旋回台座42には、図3に示すように、油圧ディスクブレーキ73が設けられており、この油圧ディスクブレーキ73で後述するブレーカー60の俯仰と連動するディスク63を挟むことができる。
俯仰調整機構50は、図2及び図3に示すように、俯仰軸受装置51aをそれぞれ含む2台のブレーカー支持部51とブレーカー60の水平軸52とで構成されている。ブレーカー支持部51は旋回台座42の概ね中央部の左右に搭載されており、ブレーカー支持部51上の軸受装置51aでブレーカー60を左右に貫通している水平軸52を回転可能に支持している。このため、ブレーカー60を俯仰可能としている。ブレーカー60の俯仰は、ハンドグリップ61を手動で上下させてブレーカー60を水平軸52中心に俯仰させて行う。
また、図3及び図14に示すように、旋回台座42に配置された1台の油圧ディスクブレーキ73を作動させ、この油圧ディスクブレーキ73で後述するブレーカー60の水平軸52に固定されたディスク63を挟むことで、ブレーカー60の俯仰方向の向きを任意の方向に固定することができる。このため、チゼル5の先端を煙道ダクト3内の任意の位置に配置することができる。さらに、油圧ディスクブレーキ73で、煙道ダクト内付着物を除去する際に発生する俯仰方向のブレーカー反力に耐えることもできる。
図3に示すように、ブレーカー60は、チゼル5を備える1台のブレーカー本体64と、ブレーカー本体64を覆うブレーカーケース65と、ブレーカー60の俯仰と連動する1枚のディスク63とを含んでいる。
また、ブレーカー60後端に設けられたハンドグリップ61周辺には、ブレーカー60のON/OFF、旋回・俯仰・横行の各ブレーキのON/OFF、走行ブレーキのON/OFF、油圧シリンダー22による昇降のON/OFFの各操作スイッチが配置されている。このため、作業者7はブレーカー60の後側の床上にいて、ハンドグリップ61に手を掛けたり、台車11を押した姿勢のまま各作動操作ができる。
また、ブレーカー60の先端に設けられたチゼル5は取り換え可能なように取り付けられている。
なお、上記実施形態において、レール6は建屋の床に固定されて配置されている旨を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、レール6は建屋の天井に配置されていても良いし、壁に配置されていても良い。また、除去装置1が移動可能に搭載されるのであれば、レール6に限定されるものでもない。
本発明の実施形態に係る除去装置1は、製鉄所製鋼工場の真空脱ガス設備(単槽型)の煙道ダクト内付着物の除去作業に用いることができる。また、大型除去装置を用いた場合と比較して、安価である。
2…処理槽
3…煙道ダクト
4…マンホール
5…チゼル
6…レール
7…作業者
10…前後調整機構
11…台車
11a…レール用ワイヤブラシ
11b…ピンラック用ワイヤブラシ
12…車輪
12a…車軸
13…ピンギア
13a…回転軸
14…ディスク
15…浮上がり押え
16…昇降台座収容部
16a…ローラー
17…ピンラック
20…昇降調整機構
21…昇降台座
21a…垂直ガイド部
22…油圧シリンダー
23…レール
24…ディスク
30…左右調整機構
31…横行台座
31a…ブラケット
31b…ブラケット
32…車輪
40…旋回調整機構
41…旋回軸受
41a…旋回軸受の外輪
41b…旋回軸受の内輪
42…旋回台座
43…ディスク
50…俯仰調整機構
51…ブレーカー支持部
51a…俯仰軸受装置
52…水平軸
60…ブレーカー
61…ハンドグリップ
63…ディスク
64…ブレーカー本体
65…ブレーカーケース
70…走行用油圧ディスクブレーキ
71…横行用油圧ディスクブレーキ
72…旋回用油圧ディスクブレーキ
73…俯仰用油圧ディスクブレーキ
Claims (3)
- 真空脱ガス設備に含まれる処理槽の、煙道ダクトとは反対側に設けられたマンホールから煙道ダクト内付着物を除去する除去装置であって、
前記マンホールから前記処理槽を経て前記煙道ダクトに達するチゼルを備えたブレーカーと、
前記ブレーカーの向きを俯仰可能、且つ左右に旋回可能に調整できるように同ブレーカーを支持した調整機構と、
前記ブレーカーの反力を受けるように配置されたブレーキと、を有することを特徴とする真空脱ガス設備の煙道ダクト内付着物の除去装置。 - 前記調整機構は、前記ブレーカーの向きを、前記マンホールから前記煙道ダクトに向かう方向に沿う前後方向と、前記マンホールから前記煙道ダクトに向かう方向に対して左右方向と、上下方向と3つの方向のうち少なくとも一つの方向をさらに自在に調整できるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空脱ガス設備の煙道ダクト内付着物の除去装置。
- 真空脱ガス設備に含まれる処理槽の、煙道ダクトとは反対側に設けられたマンホールから煙道ダクト内付着物を除去する除去装置であって、
前記マンホールから前記処理槽を経て前記煙道ダクトに達するチゼルを備えたブレーカーと、
前記ブレーカーを俯仰可能に支持する俯仰調整機構と、
前記俯仰調整機構を前記マンホールから前記煙道ダクトに向かう前方向に対して、左右方向に旋回可能に支持する旋回調整機構と、
前記旋回調整機構を前記左右方向に移動可能に支持する左右調整機構と、
前記左右調整機構を昇降可能に支持する昇降調整機構と、
前記昇降調整機構を前記真空脱ガス設備のある建屋の一部に前後方向に移動可能に支持する前後調整機構と、
さらに、前記ブレーカーを所定の位置と向きに固定するブレーキとを備えたことを特徴とする真空脱ガス設備の煙道ダクト内付着物の除去装置。
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