JP5820242B2 - パーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の製造方法 - Google Patents
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Description
ルホン酸[CF3SO3H]を無溶媒中で反応させ、ろ過・濃縮後、析出したトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛を遠心分離により得ている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
ロメタンスルホン酸[CF3SO3H]と酸化亜鉛[ZnO]を加え、24時間室温で撹拌し、生成したトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(固体)をろ過により得ている。ここで使用しているトリフルオロメタンスルホン酸は、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛を得るために必要な理論当量数の2.2倍と大過剰である(非特許文献3参照)。
。また少量残存するトリフルオロメタンスルホン酸を除去するためにエーテル洗浄を行なっている(非特許文献4参照)。
メタンスルホン酸の理論当量数の0.95〜2.00倍を加え、真空下で蒸発・乾固させ、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム固形分を得ている。この場合未反応酸化スカンジウムの除去工程がないので、実施例に記載されているように、トリフルオロメタンスルホン酸を過剰に加えて、未反応酸化スカンジウムを残存させないようにする必要がある(特許文献2参照)。
したがって、上記問題点を解決する技術が望まれていた。
、亜鉛(Zn)および希土類金属から選ばれる原子を示し、mは、0から9の整数を示し、nは、Mの原子価に等しい整数を示す。]
<3>金属酸化物を、パーフルオロアルキルスルホン酸に対し理論当量以上使用することを特徴とする、<1>又は<2>に記載のパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の製造方法。
、亜鉛(Zn)および希土類金属から選ばれる原子を示し、nは、Mの原子価に等しい整数を示す。]
、亜鉛(Zn)および希土類金属から選ばれる原子を示し、mは、0から9の整数を示し、nは、Mの原子価に等しい整数を示す。]
本発明の製造方法の目的物であるパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩は、一般式
M(〔CF3−(CF2)m−〕SO3)n[式中、Mはマンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)および希土類金属(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、YbまたはLu)から選ばれる原子を示し、mは0から9の整数を示し、nはMの原子価に等しい整数を示す。]で表される化合物である。
本発明の製造方法において、金属酸化物とパーフルオロアルキルスルホン酸を有機溶媒中で反応させる際の有機溶媒としては、生成するパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩を溶解し、またパーフルオロアルキルスルホン酸が溶解し、特にパーフルオロアルキルスルホン酸イオンを安定化するものであれば限定されない。
ここで、「パーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩が有機溶媒に溶解する」とは、可溶であれば特に制限はないが、合成時の使用溶媒量などの経済性を考慮すると、具体的には、溶解度として、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の有機溶媒に対する溶解度が5g/100g(30℃)以上、好ましくは10g/100g(30℃)以上、より好ましくは50g/100g(30℃)以上であることが好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸の有機溶媒への溶解度については、相溶性があることが最も好ましいが、可溶であれば、溶解度に特に制限はない。
有機溶媒としては、パーフルオロアルキルスルホン酸イオンを安定化し反応時の有機溶媒の着色を抑制すること、パーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の高い溶解度を考慮すると、プロトン性極性溶媒、特にアルコール系溶媒が好適である。
アルコール系溶媒としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルコールが使用でき、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどが好適に使用することができる。また下記一般式(3)で表されるアルコキシアルコール類も使用でき、アルコール系溶媒に含まれる。
パーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の製造後に置換する有機溶媒については、本発明の製造方法によれば遊離で存在するパーフルオロアルキルスルホン酸が存在しないので、特に制限はなく、所望により自由に選択できる。従って水溶媒への置換も可能であり、着色のない水溶液が容易に得られる。
本発明の製造方法において、金属酸化物とパーフルオロアルキルスルホン酸を有機溶媒中で反応させる際の金属酸化物としては、有機溶媒中でパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩が形成されるものであれば限定されず、従来公知のマンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)および希土類金属(Sc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、YbまたはLu)の酸化物、特にニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、La(ランタン)の酸化物が好適である。金属酸化物としては、市販品あるいは公知の方法にて調合したもの等、いずれの形態のものも使用することが可能である。
本発明の製造方法において、金属酸化物とパーフルオロアルキルスルホン酸を有機溶媒中で反応させる際のパーフルオロアルキルスルホン酸としては、下記一般式(4)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸を使用する。
パーフルオロアルキルスルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸(m=0)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(m=1)、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸(m=2)などが好ましいが、一般式(4)においてmが0から9の範囲であれば、特に制限はない。パーフルオロアルキルスルホン酸としては、市販品あるいは公知の方法にて調合したもの等、いずれの形態のものも使用することが可能である。
金属酸化物とパーフルオロアルキルスルホン酸を有機溶媒中で反応させる際の、金属酸化物のパーフルオロアルキルスルホン酸に対する含有比率は、理論当量数(モル比)であってよいが、パーフルオロアルキルスルホン酸を残存させないためには、金属酸化物がパーフルオロアルキルスルホン酸に対して過剰であることが好適である。金属酸化物のパーフルオロアルキルスルホン酸に対する過剰率であるが、理論当量数に対し1.01倍から1.10倍(モル比)の範囲が好ましい。それ以上多くすることは、経済的でなく、未反応金属酸化物を固液分離により除去する操作が煩雑になる。また金属酸化物が多すぎると、例えば以下のような反応が起こることも考えられる。すなわち、(反応式1)の反応が完結せず、(反応式2)の反応による生成物が多くなり、収率を低下させる。
金属酸化物を有機溶媒に分散させ、例えば−10〜60℃、好ましくは30℃以下に保ち、これに上記一般式(4)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸を例えば0.5
〜3時間かけて滴下する。得られた溶液を、例えば−10〜60℃、好ましくは30℃以下で、例えば2〜5時間攪拌すると、上記一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩を含む溶液が得られる。
ることにより、実質的に不純物化合物を含まないパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩溶液が得られる。
4径フラスコを使用して、酸化亜鉛[ZnO]8.14g(0.1000mol)をメタノール150gに分散し、激しく撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸[CF3SO3H]29.43g(0.1961mol)を1時間掛けて滴下した(酸化亜鉛はトリフルオロメタンスルホン酸の理論当量数の1.02倍)。この時のフラスコ内温度は、30℃以下にな
るように水冷を行ない、Max.29℃であった.その後室温で3時間の撹拌を続け、わずかに残存する未反応物をガラスファイバーフィルターを使用して、ろ過により除去した。得られたろ過液は無色透明(ハーゼン色数で20以下)なトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛[Zn(CF3SO3)2]のメタノール溶液(反応により生成した少量の水を含む)であった。溶液中のZn含量をキレート滴定により分析したところ、仕込みZnOに対し98%(トリフルオロメタンスルホン酸に対し100%)であった。この溶液をエバポレーターにより溶媒を留去後、真空度200Pa以下、80℃で5時間の乾燥を行ない、得られたトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛粉末の元素分析を行なった。6.7%(理論値6.6%)C、17.5%(理論値17.6%)S、17.9%(理論値18.0%)Znであった。
4径フラスコを使用して、酸化ニッケル[NiO]7.47g(0.1000mol)をメタノール150gに分散し、激しく撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸[CF3SO3H]28.59g(0.1905mol)を1時間掛けて滴下した(酸化ニッケルはトリフルオロメタンスルホン酸の理論当量数の1.05倍)。この時のフラスコ内温度は、30℃
以下になるように水冷を行ない、Max.28℃であった.その後室温で5時間の撹拌を続け、わずかに残存する未反応物をガラスファイバーフィルターを使用して、ろ過により除去した。得られたろ過液は微淡緑色透明(有機溶媒が変質した茶褐色成分は含まれてい
ない)なトリフルオロメタンスルホン酸ニッケル[Ni(CF3SO3)2]のメタノール溶液(
反応により生成した少量の水を含む)であった。溶液中のNi含量をキレート滴定により
分析したところ、仕込みNiOに対し95%(トリフルオロメタンスルホン酸に対し10
0%)であった。この溶液をエバポレーターにより溶媒を留去後、真空度200Pa以下
、80℃で5時間の乾燥を行ない、得られたトリフルオロメタンスルホン酸ニッケルの元素分析を行なった。6.8%(理論値6.7%)C、17.8%(理論値18.0%)S、16.6%(理論値16.5%)Niであった。
4径フラスコを使用して、酸化銅[CuO]7.96g(0.1000mol)をエタノール200gに分散し、激しく撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸[CF3SO3H]
29.43g(0.1961mol)を1時間掛けて滴下した(酸化銅はトリフルオロメタンスルホン酸の理論当量数の1.02倍)。この時のフラスコ内温度は、30℃以下になる
ように水冷を行ない、Max.29℃であった.その後室温で3時間の撹拌を続け、わずかに残存する未反応物をガラスファイバーフィルターを使用して、ろ過により除去した。得られたろ過液は淡青色透明(有機溶媒が変質した茶褐色成分は含まれていない)なトリフルオロメタンスルホン酸銅[Cu(CF3SO3)2]のエタノール溶液(反応により生成した少量の水を含む)であった。溶液中のCu含量をキレート滴定により分析したところ、仕込
みCuOに対し98%(トリフルオロメタンスルホン酸に対し100%)であった。この溶液をエバポレーターにより溶媒を留去後、真空度200Pa以下、80℃で5時間の乾燥を行ない、得られたトリフルオロメタンスルホン酸銅の元素分析を行なった。6.7%(理論値6.6%)C、17.8%(理論値17.7%)S、18.0%(理論値17.6%)Cuで
あった。
4径フラスコを使用して、酸化ランタン[La2O3]16.29g(0.050mol)をメタノール200gに分散し、激しく撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸[CF3SO3H] 44.14g(0.2941mol)を2時間掛けて滴下した(酸化ランタンはトリ
フルオロメタンスルホン酸の理論当量数の1.02倍)。この時のフラスコ内温度は、3
0℃以下になるように水冷を行ない、Max.29℃であった.その後室温で5時間の撹拌を続け、わずかに残存する未反応物をガラスファイバーフィルターを使用して、ろ過により除去した。得られたろ過液は無色透明(ハーゼン色数で20以下)なトリフルオロメタンスルホン酸ランタン[La(CF3SO3)3]のメタノール溶液(反応により生成した少量の水を含む)であった。溶液中のLa含量をキレート滴定により分析したところ、仕込みL
a2O3に対し98%(トリフルオロメタンスルホン酸に対し100%)であった。この溶液をエバポレーターにより溶媒を留去後、真空度200Pa以下、80℃で5時間の乾燥を行ない、得られたトリフルオロメタンスルホン酸ランタンの元素分析を行なった。6.0
%(理論値6.2%)C、16.0%(理論値16.4%)S、23.8%(理論値23.7%)Laであった。
Claims (5)
- 有機溶媒がアルコール系有機溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載のパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の製造方法。
- 金属酸化物を、パーフルオロアルキルスルホン酸に対し理論当量の1.01〜1.10倍量使用することを特徴とする、請求項1または2に記載のパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩の製造方法。
- 金属酸化物と、トリフルオロメタンスルホン酸を、メタノールあるいはエタノール中で反応させ、得られたトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩のメタノールあるいはエタノール溶液から、未反応の金属酸化物を、固液分離により除去することにより、トリフルオロメタンスルホン酸の金属塩のメタノールあるいはエタノール溶液を得ることを特徴とする、請求項4に記載のトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩の製造方法。
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