JP5820087B1 - 焙煎コーヒー豆の製造方法 - Google Patents

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Abstract

粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%の水を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法。

Description

本発明は、焙煎コーヒー豆の製造方法に関する。
コーヒー飲料にはポリフェノールの一種である、クロロゲン酸、カフェ酸、フェルラ酸等のクロロゲン酸類が含まれており、クロロゲン酸類は血圧降下作用等の優れた生理活性を有することが知られている。しかしながら、生コーヒー豆を焙煎すると、ヒドロキシハイドロキノンが発生し、このヒドロキシハイドロキノンがクロロゲン酸類の生理作用を阻害することが報告されている。したがって、クロロゲン酸類による生理作用を十分発現させるためには、クロロゲン酸類の含有量が高く、かつヒドロキシハイドロキノンの含有量の低い焙煎コーヒー豆とすることが有利である。そこで、ヒドロキシハイドロキノン量を低減させた焙煎コーヒー豆の製造方法として、例えば、予め大気圧下で80〜150℃に加熱した原料焙煎コーヒー豆を、6.7kPa以下の真空条件下、90〜150℃にて加熱処理する方法が提案されている(特許文献1)。また、原料焙煎コーヒー豆を水系溶媒に浸漬させて、原料焙煎コーヒー豆からヒドロキシハイドロキノンを抽出する方法も提案されている(特許文献2)。
また、コーヒー飲料は嗜好飲料として広く愛好されており、風味の良好なコーヒー飲料の原料として有用な焙煎コーヒー豆が求められる。例えば、低品位豆の不快な香りや風味を低減可能な焙煎コーヒー豆の製造方法として、生コーヒー豆を焙煎機内で熱風焙煎し、焙煎終了時に焙煎前の生豆重量に対して20重量%以上の冷却水を炒豆に噴霧し、焙煎機内の温度を維持して、炒豆の含水率が4%以下になるまで焙煎機内で炒豆を乾燥させる方法が提案されている(特許文献3)。また、より多くの香味成分を抽出しやすいコーヒー豆とするために、焙煎コーヒー豆を高温高圧の飽和水蒸気と接触させて、焙煎コーヒー豆中に含まれるオリゴ糖の含量を増加させる方法が知られている(特許文献4)。更に、コーヒー本来の香味の保存性のよい豆入りコーヒー飲料とするために、容器に充填する未粉砕の焙煎コーヒー豆として、70〜95℃、30〜120分の熱水処理及び/又は蒸煮処理を施した焙煎コーヒー豆を用いることが提案されている(特許文献5)。
(特許文献1)特開2011−055716号公報
(特許文献2)特開2008−178399号公報
(特許文献3)特開2005−058061号公報
(特許文献4)国際公開第2006/080334号
(特許文献5)特開2000−279094号公報
本発明は、粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%の水を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法を提供するものである。
発明の詳細な説明
コーヒー風味には、アロマ、甘味、酸味、苦味等の様々な要素があり、コーヒー飲料の風味はこれらの味覚のバランスの上に成り立っており、また味に奥行きや広がりが増すことでコクとして感じられる。したがって、コーヒー風味の一つの要素が低減すると、風味バランスが崩れ、風味に違和感を生ずることがあり、またバランスの崩れたコーヒー風味からはコクを感じ難い。
本発明は、風味バランスが良好で、かつクロロゲン酸類量を損なうことなく、ヒドロキシハイドロキノン量を選択的に低減した焙煎コーヒー豆の製造方法に関する。
本発明者らは、粉砕された原料焙煎コーヒー豆に微量の水を添加し、その状態を所定の温度にて保持することにより、風味バランスが良好で、かつクロロゲン酸類量を損なうことなく、ヒドロキシハイドロキノン量を選択的に低減したコーヒー飲料の原料として有用な焙煎コーヒー豆が得られることを見出した。
本発明によれば、風味バランスが良好で、かつクロロゲン酸類量を損なうことなく、ヒドロキシハイドロキノン量を選択的に低減した焙煎コーヒー豆を簡便な操作で効率よく製造することができる。また、本発明の製造方法により得られた焙煎コーヒー豆は、クロロゲン酸類を豊富に含み、ヒドロキシハイドロキノン量が低減されているため、クロロゲン酸類による生理効果を十分に期待することができる。したがって、本発明の製造方法により得られた焙煎コーヒー豆は、長期に亘って継続して摂取するためのコーヒー飲料の原料として有用である。
本発明の焙煎コーヒー豆の製造方法は、粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%の水を添加した後、10〜110℃にて保持するものである。
本発明で使用する原料焙煎コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等を挙げることができる。また、コーヒー豆の産地としては特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グァテマラ等が挙げられる。
原料焙煎コーヒー豆は、生コーヒー豆を焙煎したものでも、市販品でもよい。コーヒー豆の焙煎方法は特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することが可能である。例えば、焙煎温度は、好ましくは180〜300℃、より好ましくは190〜280℃、更に好ましくは200〜280℃であり、加熱時間は、所望の焙煎度が得られるように適宜設定可能である。また、焙煎装置としては、例えば、焙煎豆静置型、焙煎豆移送型、焙煎豆攪拌型等を使用することができる。具体的には、棚式乾燥機、コンベア式乾燥機、回転ドラム型乾燥機、回転V型乾燥機等が挙げられる。加熱方式としては、直火式、熱風式、半熱風式、遠赤外線式、赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式等を挙げることができる。
原料焙煎コーヒー豆のL値は、風味の観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、15以上が更に好ましく、またヒドロキシハイドロキノン量の低減の観点から、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がより好ましく、28以下が更に好ましく、23以下が殊更好ましい。かかるL値の範囲としては、好ましくは10〜40、より好ましくは12〜35、より好ましくは15〜30、更に好ましくは15〜28、殊更に好ましくは15〜23である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。色差計として、例えば、スペクトロフォトメーター SE2000((株)日本電色社製)を用いることができる。
原料焙煎コーヒー豆は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。2種以上の原料焙煎コーヒー豆を使用する場合、豆種や産地の異なるコーヒー豆だけでなく、焙煎度の異なるコーヒー豆を使用することも可能である。焙煎度の異なるコーヒー豆を使用する場合、L値が上記範囲外のものを用いても差し支えないが、L値の平均値が上記範囲内となるように適宜組み合わせて使用することが好ましい。L値の平均値は、使用する原料焙煎コーヒー豆のL値に、当該原料焙煎コーヒー豆の含有比率を乗じた値の総和として求められる。
原料焙煎コーヒー豆は、粉砕されたものである。原料焙煎コーヒー豆の粉砕に使用する装置は所望の粒径に粉砕することができれば特に制限されないが、例えば、ミル、グラインダー等を挙げることができる。
粉砕された原料焙煎コーヒー豆の平均粒径は、ヒドロキシハイドロキノン量の低減の観点から、5mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、1.5mm以下が更に好ましく、また生産効率の観点から、0.001mm以上が好ましく、0.01mm以上がより好ましく、0.05mm以上が更に好ましい。かかる平均粒径の範囲としては、好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜2.5mm、更に好ましくは0.05〜1.5mmである。ここで、本明細書において「平均粒径」とは、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の累積粒度分布曲線において50%(d50)に相当する粒子径である。なお、Tyler標準篩、ASTM標準篩、JIS標準篩等を用いて平均粒径が上記範囲内となるように分級することも可能であり、また所望する平均粒径がレーザ回折・散乱法粒度分布測定装置の測定範囲外である場合にも前記篩を用いて分級することができる。
本発明の製造方法においては、先ず、粉砕された原料焙煎コーヒー豆に水を添加する。
添加する水は特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができる。また、水には、本発明の効果を妨げない範囲内において、例えば、酸、アルカリ、金属塩、過酸化水素、クロロゲン酸類含有組成物(例えば、クロロゲン酸類、生コーヒー豆又は焙煎コーヒー豆の抽出物)等が含まれていてもよい。
水の温度は、後述する保持温度に近い温度がよいが、水温調整のし易さの観点から、10〜100℃が好ましく、15〜70℃がより好ましく、18〜50℃が更に好ましく、18〜25℃が殊更に好ましい。
水の添加方法は特に限定されないが、例えば、直接水を投入する方法、水を噴霧する方法等を挙げることができる。また、水の添加後、あるいは水を添加しながら、原料焙煎コーヒー豆を撹拌混合することが好ましい。なお、水の添加は、常圧下、減圧下及び加圧下のいずれでもよいが、添加のし易さの観点から常圧下がよい。また、水を添加する際の焙煎コーヒー豆の温度は、好ましくは10〜100℃、より好ましくは15〜70℃、更に好ましくは15〜30℃、殊更に好ましくは18〜25℃である。
焙煎コーヒー豆に対する水の添加量は、原料焙煎コーヒー豆を水に浸漬させて原料焙煎コーヒー豆からヒドロキシヒドロキノンを抽出するのに十分な量である必要はなく、原料焙煎コーヒー豆の表面の一部を水と接触させることができる量であればよい。具体的には、水の添加量は、焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%であるが、ヒドロキシハイドロキノン量の低減、風味バランスの観点から、原料焙煎コーヒー豆に対して、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、25質量%以上が更に好ましく、30質量%以上がより更に好ましく、またクロロゲン酸類の溶出防止の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、75質量%以下がより更に好ましく、70質量%以下が殊更に好ましい。水の添加量の範囲としては、原料焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは15〜85質量%、更に好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは20〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、より更に好ましくは30〜70質量%である。
水は、全量を連続的に添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
また、水を添加する際の雰囲気温度は、後述する保持温度に近い温度がよいが、温度調整のし易さの観点から、好ましくは10〜100℃、より好ましくは15〜70℃、更に好ましくは18〜50℃、より更に好ましくは18〜25℃である。
次に、水と接触後の原料焙煎コーヒー豆を、10〜110℃にて保持する。
保持温度は、ヒドロキシハイドロキノン量の低減、生産効率の観点から、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、35℃以上が殊更好ましく、また風味バランスの観点から、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましく、70℃以下が殊更好ましい。保持温度の範囲としては、好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜90℃、更に好ましくは30〜80℃、殊更好ましくは35〜70℃である。
保持時間は保持温度により適宜選択することが可能であるが、ヒドロキシハイドロキノン量の低減の観点から、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、20分以上が更に好ましく、30分以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、200分以下が好ましく、150分以下がより好ましく、120分以下が更に好ましく、90分以下が殊更に好ましい。保持時間の範囲としては、好ましくは5〜200分、より好ましくは10〜150分、更に好ましくは20〜120分、殊更に好ましくは30〜90分である。ここでいう保持時間は、予め所定の温度に制御された装置を使用する場合は、当該装置に原料焙煎コーヒー豆を収容してからの経過時間であり、また装置に原料焙煎コーヒー豆を収容後に温度設定する場合は、所定の温度に到達してからの経過時間である。
保持温度が10〜70℃である場合、保持時間は20〜200分が好ましく、30〜180分がより好ましく、60〜180分が更に好ましい。一方、保持温度が70℃超〜110℃である場合、保持時間は5〜90分が好ましく、10〜70分がより好ましく、20〜60分が更に好ましい。
なお、本工程においては、水と接触後の原料焙煎コーヒー豆を所望の温度にて所定時間保持するために、例えば、恒温槽、乾燥機、オートクレーブ等の装置を適宜使用することができる。また、保持工程は、常圧下、加圧下又は減圧下で行うことが可能であるが、風味バランスの観点から、常圧下で行うことが好ましい。
また、保持工程は、密封状態で行うことが好ましい。ここで、本明細書において「密閉状態」とは、蒸気や空気等のガスの流通が遮断され、開放大気系に直接接触しないことをいい、例えば、水と接触後の原料焙煎コーヒー豆を密閉容器に収容して保持工程を行えばよい。密閉容器はガスの流通を遮断できれば、その形状及び材質は特に限定されないが、加熱により変質せず、かつ加圧に耐え得る容器が好ましく、例えば、金属製容器、ガラス製容器等を挙げることができる。密閉容器の具体例としては、例えば、レトルトパウチ、缶、ビン、ビーカー等が挙げられ、缶、ピン及びビーカーは、栓や蓋により密閉可能で、かつ開閉自在なものが好ましい。
保持工程後、装置から焙煎コーヒー豆を取り出し、本発明の焙煎コーヒー豆を得ることができる。保持工程において加熱処理した場合には、焙煎コーヒー豆を冷却することが好ましい。また、保持工程後、焙煎コーヒー豆を乾燥してもよく、乾燥方法としては、例えば、送風ファンを用いて乾燥する方法、減圧乾燥する方法、凍結乾燥する方法等を挙げることができる。なお、乾燥後の焙煎コーヒー豆の含水率は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が殊更に好ましい。なお、含水率は、常圧加熱乾燥法により測定することが可能であり、具体的には、試料約1gを秤量し、それを105℃で6時間加熱処理した後、加熱処理後の試料を秤量し、加熱処理前後の試料の質量から算出することができる。具体的には以下の式を用いて算出することができる。
含水率(質量%)=([加熱処理前のコーヒー豆の質量(g)]−[加熱処理後のコーヒー豆の質量(g)])/[加熱処理前のコーヒー豆の質量(g)]×100
このようにして得られた焙煎コーヒー豆は、以下の特性を具備することができる。
(1)焙煎コーヒー豆中のヒドロキシハイドロキノンの含有量は、生理効果の観点から、焙煎コーヒー豆100g当たり10mg以下が好ましく、5mg以下がより好ましく、1mg以下が更に好ましい。かかるヒドロキシハイドロキノンの含有量の下限値は特に限定されず、焙煎コーヒー豆100g当たり0mgであってもよい。なお、ヒドロキシハイドロキノンの含有量が0mgとは、後掲の実施例に記載の「ヒドロキシハイドロキノンの分析」において、ヒドロキシハイドロキノンの含有量が検出限界以下である場合も包含する概念である。
(2)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量は、生理効果増強の観点から、焙煎コーヒー豆100g当たり、100mg以上が好ましく、300mg以上がより好ましく、500mg以上が更に好ましく、また風味の観点から、4500mg以下が好ましく、4000mg以下がより好ましく、3500mg以下が更に好ましい。かかるクロロゲン酸類の含有量の範囲としては、焙煎コーヒー豆100g当たり、好ましくは100〜4500mg、より好ましくは300〜4000mg、更に好ましくは500〜3500mgである。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称であり、本発明においては、上記6種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。また、クロロゲン酸類の含有量は、上記6種の合計量に基づいて定義される。
なお、本明細書における「焙煎コーヒー豆中のヒドロキシハイドロキノン含有量」及び「焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類含有量」は、焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液中のヒドロキシハイドロキノン含有量及びクロロゲン酸類含有量に基づいて下記式(i)〜(ii)により求めたものである。
(i)焙煎コーヒー豆中のヒドロキシハイドロキノン含有量(mg/100g)=[コーヒー抽出液中のヒドロキシハイドロキノン含有量(mg/100g)]×[コーヒー抽出液の質量(g)]/[焙煎コーヒー豆の質量(g)]
(ii)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類含有量[mg/100g]=[コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類含有量(mg/100g)]×[コーヒー抽出液の質量(g)]/[焙煎コーヒー豆の質量(g)]
なお、コーヒー抽出液の分析条件は、次のとおりである。粉砕焙煎コーヒー豆0.8gに、抽出用水(リン酸1gと、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDPO)0.03gをイオン交換水1Lに溶解した液)を80g加え、95〜99℃の間に保持しながら10分間浸漬抽出を行う。次に、コーヒー抽出液の上清を採取し、それを後掲の実施例の記載の方法に供して、ヒドロキシハイドロキノン含有量及びクロロゲン酸類含有量を分析する。
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の焙煎コーヒー豆の製造方法を開示する。
<1>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%の水を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法。
<2>
原料焙煎コーヒー豆の豆種が、好ましくはアラビカ種、ロブスタ種及びリベリカ種から選ばれる少なくとも1種であり、原料焙煎コーヒー豆の産地が、好ましくはブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン及びグァテマラから選ばれる少なくとも1種である、前記<1>記載の製造方法。
<3>
原料焙煎コーヒー豆が、生コーヒー豆を、好ましくは180〜300℃、より好ましくは190〜280℃、更に好ましくは200〜280℃の温度で焙煎したものである、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4>
原料焙煎コーヒー豆のL値が、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは15以上であって、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下、更に好ましくは28以下、殊更に好ましくは23以下である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の製造方法。
<5>
原料焙煎コーヒー豆のL値が、好ましくは10〜40、より好ましくは12〜35、更に好ましくは15〜30、更に好ましくは15〜28、殊更に好ましくは15〜23である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<6>
原料焙煎コーヒー豆が、好ましくは1種単独であるか、あるいは焙煎度、豆種及び産地のうちの1以上が異なる混合物である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の製造方法。
<7>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは1.5mm以下であって、好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の製造方法。
<8>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が、好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜2.5mm、更に好ましくは0.05〜1.5mmである、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の製造方法。
<9>
好ましくは水の添加後、あるいは水を添加しながら、原料焙煎コーヒー豆を撹拌混合する、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の製造方法。
<10>
水の添加を、好ましくは常圧下で行う、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の製造方法。
<11>
水の添加を、好ましくは室温ないし室温付近の温度、より好ましくは15〜30℃、更に好ましくは18〜25℃で行う、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の製造方法。
<12>
添加する水が、好ましくは水道水、蒸留水、イオン交換水及び天然水から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の製造方法。
<13>
添加する水の温度が、好ましくは保持温度と略同一の温度、より好ましくは10〜100℃、更に好ましくは15〜70℃、更に好ましくは18〜50℃、殊更に好ましくは18〜25℃である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の製造方法。
<14>
水の添加量が、原料焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であって、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の製造方法。
<15>
水の添加量が、原料焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは15〜85質量%、更に好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは20〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、より更に好ましくは30〜70質量%である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の製造方法。
<16>
保持温度が、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上、殊更に好ましくは35℃以上であって、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下、殊更に好ましくは70℃以下である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の製造方法。
<17>
保持温度が、好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜90℃、更に好ましくは30〜80℃、殊更好ましくは35〜70℃である、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の製造方法。
<18>
保持時間が、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、更に好ましくは20分以上、殊更に好ましくは30分以上であって、好ましくは200分以下、より好ましくは150分以下、更に好ましくは120分以下、殊更に好ましくは90分以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の製造方法。
<19>
保持時間が、好ましくは5〜200分、より好ましくは10〜150分、更に好ましくは20〜120分、殊更に好ましくは30〜90分である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の製造方法。
<20>
保持温度が10〜70℃である場合、保持時間は、好ましくは20〜200分、より好ましくは30〜180分、更に好ましくは60〜180分である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の製造方法。
<21>
保持温度が70℃超から110℃である場合、保持時間は、好ましくは5〜90分、より好ましくは10〜70分、更に好ましくは20〜60分である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の製造方法。
<22>
保持工程を、好ましくは常圧下で行う、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の製造方法。
<23>
保持工程を、好ましくは密封状態で行う、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の製造方法。
<24>
保持工程後、好ましくは焙煎コーヒー豆を乾燥する、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の製造方法。
<25>
乾燥後の焙煎コーヒー豆の含水率が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、殊更に好ましくは5質量%以下である、前記<24>記載の製造方法。
<26>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのヒドロキシハイドロキノンの含有量が、好ましくは10mg以下、より好ましくは5mg以下、更に好ましくは1mg以下、殊更に好ましくは0mgである、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の製造方法。
<27>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が、好ましくは100mg以上、より好ましくは300mg以上、更に好ましくは500mg以上であって、好ましくは4500mg以下、より好ましくは4000mg以下、更に好ましくは3500mg以下である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の製造方法。
<28>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が、好ましくは100〜4500mg、より好ましくは300〜4000mg、更に好ましくは500〜3500mgである、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の製造方法。
<29>
クロロゲン酸類が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる少なくとも1種である、前記<27>又は<28>記載の製造方法。
1.焙煎コーヒー豆の分析
粉砕焙煎コーヒー豆0.8gに、抽出用水〔リン酸1gと、1−ヒドロキシ1,1−ジホスホン酸(HEDPO)0.03gをイオン交換水1Lに溶解した液〕を80g加え、95〜99℃の間に保持しながら10分間浸漬抽出を行い、上清を採取し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液に基づいて、焙煎コーヒー豆の分析を行った。
2.HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシハイドロキノン(HHQ)の分析
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、米国ESA社製)を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・アナリティカルセル:モデル5011(ESA)、
・クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:クーロケムIII(ESA)、
・溶媒送液ポンプ:LC−20AD(島津製作所社製)、イナートミキサー20A(島津製作所社製)
・オートサンプラー:SIL−20AC(島津製作所社製)、ピークパルスダンパー、
・デガッサー:DGU−20A−5(島津製作所社製)、
・カラムオーブン:CTO−20AC、
・カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm(資生堂社製)。
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・電気化学検出器の印加電圧:200mV、
・カラムオーブン設定温度:40℃、
・溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、
・溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液A及びBの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学社製)、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学社製)、リン酸(特級、和光純薬工業社製)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業社製)を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
コーヒー抽出液4mLをボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、アジレントテクノロジー社製)に通液し、初通過液約0.5mLを除いて通過液を得た。この通過液2mLについて、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A、孔径0.45μm、ジーエルサイエンス社製)にて濾過し、速やかに分析に供した。
HPLC−電気化学検出器の上記の条件における分析において、ヒドロキシハイドロキノンの保持時間は6.3分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシハイドロキノン(和光純薬工業社製)を標準物質とし、ヒドロキシハイドロキノン含量(mg/kg)を求めた。
3.クロロゲン酸類(CGA)の分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:SPD20A(島津製作所社製)、
・カラムオーブン:CTO−20AC(島津製作所社製)、
・ポンプ:LC−20AT(島津製作所社製)、
・オートサンプラー:SIL−20AC(島津製作所社製)、
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト社製)、
・デガッサー:DGU−20A−5(島津製作所社製)。
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・UV−VIS検出器設定波長:325nm、
・カラムオーブン設定温度:35℃、
・溶離液C:0.05M 酢酸、0.1mM HEDPO、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
・溶離液D:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、コーヒー抽出液を、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A、孔径0.45μm、ジーエルサイエンス社製)にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類含有量(質量%)を求めた。
4.L値の測定
試料を、色差計(スペクトロフォトメーター SE2000、日本電色社製)を用いて測定した。
5.平均粒径の測定
平均粒径は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて体積基準の平均径を測定した。
実施例1
ブラジル産アラビカ種のL18の原料焙煎コーヒー豆を、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル(株)〕にて粉砕し、平均粒経0.30mmの粉砕原料焙煎コーヒー豆を得た。次に、ガラスビーカーに粉砕原料焙煎コーヒー豆20g計量した。
次に、粉砕原料焙煎コーヒー豆20gに、イオン交換水1.8gを加え、薬さじにて均一に混合を行った。ガラスビーカーを密栓した後に、40℃の恒温槽にて60分間静置を行い、焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎豆を、凍結乾燥機(EYELA、FDU-1110)にて凍結乾燥し、含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。前述の「焙煎コーヒー豆の分析」に基づいて、得られた焙煎コーヒー豆の分析を行った。その結果を表1に示す。
実施例2〜7
表1に示すイオン交換水の添加量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005820087
実施例8〜10及び比較例1〜2
実施例1において、原料焙煎コーヒー豆に対するイオン交換水の添加量を39質量%とし、表2に示す保持温度に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて分析を行った。
また、実施例8〜10及び比較例2で得られた焙煎コーヒー豆5gに熱水(98℃)100gを加えて、十分に撹拌し、市販コーヒーフィルターにて濾過し、風味評価用コーヒー抽出液を得た。得られた風味評価用コーヒー抽出液のアロマ、甘味、酸味、苦味、コクについて、専門パネル5名が下記の基準に基づいて官能評価し、その後協議により最終スコアを決定した。分析結果及び官能試験の結果を表2に示す。
アロマの評価基準
5:アロマが強く、コーヒーらしさを十分感じる
4:アロマがやや強く、コーヒーらしさを感じる
3:アロマがやや弱いが、コーヒーらしさをやや感じる
2:アロマが弱く、コーヒーらしさに乏しい
1:アロマが非常に弱く、コーヒーらしさに欠ける
甘味の評価基準
5:甘味が強く、コーヒーらしさを十分感じる
4:甘味がやや強く、コーヒーらしさを感じる
3:甘味がやや弱いが、コーヒーらしさをやや感じる
2:甘味が弱く、コーヒーらしさに乏しい
1:甘味が非常に弱く、コーヒーらしさに欠ける
酸味の評価基準
5:酸味が強く、コーヒーらしさを十分感じる
4:酸味がやや強く、コーヒーらしさを感じる
3:酸味がやや弱いが、コーヒーらしさをやや感じる
2:酸味が弱く、コーヒーらしさに乏しい
1:酸味が非常に弱く、コーヒーらしさに欠ける
苦味の評価基準
5:苦味が強く、コーヒーらしさを十分感じる
4:苦味がやや強く、コーヒーらしさを感じる
3:苦味がやや弱いが、コーヒーらしさをやや感じる
2:苦味が弱く、コーヒーらしさに乏しい
1:苦味が非常に弱く、コーヒーらしさに欠ける
コクの評価基準
5:コクが強く、コーヒーらしさを十分感じる
4:コクがやや強く、コーヒーらしさを感じる
3:僅かにコクがあり、コーヒーらしさをやや感じる
2:コクが弱く、コーヒーらしさに乏しい
1:コクが非常に弱く、コーヒーらしさに欠ける
Figure 0005820087

実施例11〜13及び比較例3
実施例1において、原料焙煎コーヒー豆に対するイオン交換水の添加量を39質量%又は40質量%とし、表3に示す保持温度及び保持時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0005820087
実施例14

ブラジル産アラビカ種のL18の原料焙煎コーヒー豆を、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル(株)〕にて粉砕し、平均粒経0.30mmの粉砕原料焙煎コーヒー豆を得た。次に、ガラスビーカーに粉砕原料焙煎コーヒー豆20g計量した。
次に、得られた粉砕原料焙煎コーヒー豆20gを用いて、実施例8と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表4に示す。
実施例15
ブラジル産アラビカ種のL25の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例14と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表4に示す。
実施例16
ブラジル産アラビカ種のL35の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例14と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0005820087
実施例17〜20
ブラジル産アラビカ種のL18の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて1秒間粉砕し、TESTING SIEVE(TOKYO SCREEN社製、JIS Z8801)を用いて、表5に示すフラクションに分級した。なお、表5の「篩メッシュ」において表中の各数値は篩目の大きさを示し、例えば、実施例17では、粉砕原料焙煎コーヒー豆の粒子径が目開き4mmの篩をパスし、目開き3.5mmの篩にオンする大きさであることを意味する。
次に、実施例8において、平均粒経0.30mmの粉砕原料焙煎コーヒー豆の代わりに、表5に示すフラクションの原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例8と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて粉砕し、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表5に示す。
比較例4
ブラジル産アラビカ種の未粉砕のL18の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例14と同様の操作にて含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎コーヒー豆について、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて粉砕し、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表5に示す。
Figure 0005820087
表5から、未粉砕の原料焙煎コーヒー豆に微量の水を添加した後、その状態を所定の温度にて保持したとしても、ヒドロキシハイドロキノン量の低減が不十分となることがわかる。一方、表1〜4から、粉砕された原料焙煎コーヒー豆に微量の水を添加した後、その状態を所定の温度にて保持することで、クロロゲン酸類量を損なうことなく、ヒドロキシハイドロキノ量を選択的に低減した焙煎コーヒー豆が得られることがわかる。

Claims (7)

  1. 粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して5〜95質量%の水を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法。
  2. 保持時間が10〜200分である、請求項1記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  3. 常圧下で保持する、請求項1又は2記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  4. 前記原料焙煎コーヒー豆のL値が10〜40である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  5. 前記原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が5mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  6. 当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのヒドロキシハイドロキノンの含有量が10mg以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  7. 当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が100mg以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
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