本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例に係る遊技システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技システムの概念を説明するための説明図である。図1に示す遊技システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とを有する。複数の遊技機20は、遊技島を形成し、遊技島毎に島コントローラ30が設けられている。また、遊技システムは、カード管理装置40、精算機60及び景品管理装置70を有する。
図1に示す遊技システムでは、遊技店の営業時間の開始前に、遊技店に配設された各機器を動作可能な状態とする開店処理が行われる。具体的には、遊技店の店員によりカード管理装置40が起動され、カード管理装置40が開店処理操作を受け付けると、カード管理装置40は、島コントローラ30、精算機60及び景品管理装置70を起動する。島コントローラ30が台間カード処理機10及び遊技機20を起動することで、遊技システム全体の開店処理が完了し、営業が可能な状態となる。
ここで、本実施例に係るカード管理装置40には、遊技システムを形成する各装置の動作可能時間帯が設定されている。そして、開店処理操作を受け付けた時刻が、動作可能時間帯以外であるならば、開店処理を停止し、島コントローラ30、精算機60及び景品管理装置70の起動を行わない。
このように、動作時間帯に開店処理操作を受け付けた場合にのみ、開店処理を実行し、島コントローラ30、精算機60及び景品管理装置70を起動するよう構成することで、想定外の時間帯に開店処理が行われ、店員によって不正に玉の計数や景品交換が行われることを防止できる。
次に、本実施例に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とを有する。複数の遊技機20は、遊技島を形成し、遊技島毎に島コントローラ30が設けられている。
また、島コントローラ30と、ホールコンピュータ90と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70とは、通信回線80を介して接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定個数のパチンコ玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域へのパチンコ玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれたパチンコ玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機20は、入賞領域ごとに何個のパチンコ玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだパチンコ玉の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過したパチンコ玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数が上皿に投出される。
また、遊技機20は、ホールコンピュータ90に対して打込信号、賞出信号を出力する。打込信号は、遊技領域に所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を打ち込む度に生成されるパルス信号である。賞出信号は、所定数(例えば10玉)の賞玉を投出する度に生成されるパルス信号である。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技に用いるプリペイド価値及び持玉数が関連付けられたカードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を記憶する。台間カード処理機10は、持玉数を上限としてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。また、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応するパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。また、受け付けたカードに貯玉数が関連付けられており、所定の再プレイ操作がなされたならば、貯玉数を所定数減算してパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。
また、台間カード処理機10は、紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶する。また、台間カード処理機10は、カード排出操作を受け付けたならば、プリペイド価値及び持玉数をカードに関連付けて排出する処理を行う。
また、台間カード処理機10は、ホールコンピュータ90に対して貸玉信号を出力する。貸玉信号は、台間カード処理機10が所定数(例えば10玉)のパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する度に生成されるパルス信号である。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介してホールコンピュータ90、カード管理装置40及び会員管理装置50と通信する。
ホールコンピュータ90は、遊技機20より受信した打込信号及び賞出信号並びに台間カード処理機10より受信した貸玉信号に基づいて、遊技システム全体の管理を行う装置である。
カード管理装置40は、カードIDと持玉数を対応付けたカードデータを管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置70からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置70に対して通知する。
さらに、カード管理装置40は、遊技システム全体の開店処理を実行する遊技システム管理装置として動作する。また、既に説明したように、カード管理装置40は、動作可能時間帯を設定する機能と、開店処理操作を受け付けた時刻が動作可能時間帯以外である場合に開店処理を制限する機能とを有する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
精算機60は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置70には、カードからカードIDを読み取るリーダライタ並びに特殊景品を払い出す特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタにより読み出したカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
次に、図2に示したカード管理装置40の内部構成について説明する。図3は、図2に示したカード管理装置40の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、カード管理装置40は、入力部41と、表示部42と、通信部43と、タイマー46と、記憶部44と、制御部45とを有する。
入力部41は、キーボードやマウス等である。表示部42は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。通信部43は、通信回線80を介して島コントローラ30、精算機60、景品管理装置70及び会員管理装置50等とデータ通信するためのインタフェース部である。タイマー46は、制御部40に対して時刻情報を出力する計時部である。
記憶部44は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カードデータ44a、動作可能時間帯設定データ44b及び設定変更履歴データ44cを記憶する。カードデータ44aは、カードIDに持玉数、プリペイド価値の残高、挿入履歴、排出履歴、使用中か否かを示す使用フラグ等を対応付けたデータである。
動作可能時間帯設定データ44bは、遊技システムの動作可能時間帯を指定するデータである。設定変更履歴データ44cは、動作可能時間帯設定データ44bに対する変更の履歴を示すデータである。
図3に示す制御部45は、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード管理部45a、権限判定部45b、動作可能時間帯設定部45c、報知部45d、開店処理操作受付部45e及び開店処理制御部45fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、カード管理部45a、権限判定部45b、動作可能時間帯設定部45c、報知部45d、開店処理操作受付部45e及び開店処理制御部45fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
カード管理部45aは、カードデータ44aの更新を行う処理部である。カード管理部45aは、台間カード処理機10、精算機60及び景品管理装置70と通信して、カードIDに対応付けられた持玉数、プリペイド価値の残高、挿入履歴、排出履歴、使用中か否かを示す使用フラグ等を更新する。
権限判定部45bは、操作者に対して設定された権限を判定する処理部である。具体的には、権限判定部45bは、表示部42にログイン画面を表示し、操作者が入力部41により入力した識別情報(操作者ID)及びパスワードに基づいて、該操作者が動作可能時間帯設定データ44bを変更する権限を有するか否かを判定する。
動作可能時間帯設定部45cは、操作者により入力された動作可能時間帯を動作可能時間帯設定データ44bとして記憶部44に記憶させることで、遊技システムの動作可能時間帯を設定する処理部である。なお、動作可能時間帯設定部45cは、権限判定部45bにより操作者が所定の権限を有すると判定された場合にのみ、動作可能時間帯の設定を許可する。
また、動作可能時間帯設定部45cは、動作可能時間帯が変更された場合に、操作者IDと、変更が行われた日時と、変更前後の動作可能時間帯とを対応付けて、設定変更履歴データ44cとして記憶部44に記憶させる。
報知部45dは、動作可能時間帯設定部45cにより動作可能時間帯が変更された場合に、該変更された内容及び該変更を行った操作者に関する情報を設定変更履歴データ44cとして記憶部44に記憶させる旨を操作者に対して報知する処理部である。
開店処理操作受付部45eは、操作者による開店処理操作を受け付ける処理部である。開店処理操作は、具体的には、入力部41による所定のコマンド入力などである。開店処理操作受付部45eが開店処理操作を受け付けると、開店処理制御部45fが開店処理を開始する。
開店処理制御部45fは、遊技システム全体の開店処理を行う処理部である。開店処理制御部45fは、開店処理操作受付部45eが開店処理操作を受け付けると、タイマー46より時刻情報を取得し、取得した時刻情報が動作可能時間帯設定データ44bに示された動作可能時間帯内であるか否かを判定する。取得した時刻情報が動作可能時間帯以外である場合には、開店処理制御部45fは開店処理を停止する。一方、取得した時刻情報が動作可能時間帯内である場合には、開店処理制御部45fは、島コントローラ30、精算機60及び景品管理装置70を起動し、島コントローラ30に台間カード処理機10及び遊技機20を起動させることで、遊技システム全体の開店処理を行う。
次に、図3に示した動作可能時間帯設定データ44b及び設定変更履歴データ44cについて説明する。図4は、図3に示した動作可能時間帯設定データ44b及び設定変更履歴データ44cについて説明するための説明図である。図4に示すように、動作可能時間帯設定データ44bは、動作可能時間帯の開始時間と終了時間とを有する。図4に示す例では、開始時間が「07:00」であり、終了時間が「03:00」である。したがって、動作可能時間帯は、「07:00〜03:00」となり、「03:00〜07:00」の間は開店処理が禁止されることとなる。
図4に示すように、設定変更履歴データ44cは、動作可能時間帯を変更する操作を行った操作者を識別する操作者IDと、設定変更が行われた日時を示す設定日時と、変更前の開始時間及び終了時間と、変更後の開始時間及び終了時間とを有する。
図4に示す例では、設定変更履歴データ44cは、操作者IDが「1001」である操作者により、2011年8月2日の23時に、動作可能時間帯が「05:00〜05:00」から「07:00〜03:00」に変更されたことを示している。ここで、開始時間と終了時間とが同一である場合には、任意の時間に開店処理が実行可能であることを示す。
また、図4に示す例では、設定変更履歴データ44cは、操作者IDが「0001」である操作者により、2011年8月24日の5時に、動作可能時間帯が「07:00〜03:00」から「06:00〜02:30」に変更されたことを示している。また、設定変更履歴データ44cは、操作者IDが「0001」である操作者により、2011年8月24日の22時30分に、動作可能時間帯が「06:00〜02:30」から「07:00〜03:00」に変更されたことを示している。
次に、動作可能時間帯を設定するための設定画面について説明する。図5は、遊技システムの導入時の設定において動作可能時間帯を設定する場合の設定画面である。図5の設定画面では、操作者ID「1001」であるメンテナンス員が操作していることが示されている。
図5に示す設定画面は、コードに関する設定項目として、一般カードの販社を一意に識別する一般カード販社コードと、一般カードの利用における自遊技店の識別コードである一般カード店コードと、会員カードの販社を一意に識別する会員カード販社コードと、会員カードの利用における自遊技店の識別コードである会員カード店コードと、自遊技店の店名とを有する。図5に示す例では、一般販社コードに「1001」、一般カード店コードに「001」、会員カード販社コードに「0001」、会員カード店コードに「123」、店名に「パーラーG」を設定している。
また、各台計数機の有無の設定として、各台計数機があることを示す「1」が設定され、持玉分割の有無の設定として、持玉分割ありを示す「1」が設定されている。また、各台カメラ・インタフェースの有無の設定として、各台カメラ・インタフェースがないことを示す「0」が設定されている。また、三者間通信の有無の設定として、三者間通信ありを示す「1」が設定され、三者間通信の接続先を示す三者間通信URLとして「http://www.xxx.jp」が設定されている。
また、運用に関する設定項目として、動作可能時間帯と、24時間中に電源のオフを行うか否かと、36時間運用を行うか否かと、自動開店処理を行うか否かを有する。操作者は、この動作可能時間帯の項目に開始時間と終了時間とを入力することで、動作可能時間帯を設定することができる。図5では、動作可能時間帯は「07:00〜03:00」に設定されている。
また、24時間中に電源のオフを行うか否かについては、営業終了後に電源のオフを行うことを示す「0」、24時間電源をオフすることなく、メニュー画面からの操作に基づいて電源をオフすることを示す「1」、24時間の間に再起動を行うことを示す「2」のいずれかを設定可能であり、図5では「1」が設定されている。
また、36時間運用については、行わないことを示す「0」が設定されている。36時間運用を行う場合には、この項目を「1」に設定するととともに、36時間運用を行う特別営業日を指定する。図5では、特別営業日を3日分設定可能な場合を示している。また、自動開店処理については、自動開店処理を行わないことを示す「0」を設定している。
図6は、遊技店の管理者が動作可能時間帯を設定する場合の設定画面である。図6の設定画面では、操作者ID「0001」である遊技店管理者が操作していることが示されている。また、図6に示す設定画面は、通常営業時間が「10:00〜22:00」であること、動作時間帯が「07:00〜03:00」であることを示している。ここで、操作者は、動作可能時間帯を変更することができる。操作者が動作可能時間帯を変更する操作を行うと、図6に示すように「設定変更を行うと、変更の情報が記録されます。変更しますか?」とのメッセージとともに、「[はい]/[いいえ]」との選択肢が表示される。ここで、「はい」を選択すると、動作可能時間帯の変更が行われて、動作可能時間帯設定データ44b及び設定変更履歴データ44cが更新される。また、「いいえ」を選択すると、動作可能時間帯の変更はキャンセルされる。
また、図6に示す設定画面には、日付と曜日に対応付けて、休日であるか否かと、営業日であるか否かと、営業を行う場合の営業時間と、天気とを入力する項目が表示される。休日であるか否かの項目は、平日であれば「0」、休日であれば「1」を入力する。営業日であるか否かの項目は、営業日であれば「0」、定休日であれば「1」である。営業時間の項目は、通常営業時間とは異なる時間に営業する特別営業日についてはその営業時間を入力できるが、特別営業日でなければ通常営業時間が初期値として表示される。天気の項目は、晴れであれば「0」、曇りであれば「1」、雨であれば「2」、雪であれば「3」、その他であれば「4」である。
次に、動作可能時間帯以外に開店処理操作を行った場合の操作画面について説明する。図7は、動作可能時間帯以外に開店処理操作を行った場合の操作画面である。図7の操作画面では、操作者ID「0003」である店員が操作していることが示されている。
図7に示す操作画面は、「開店処理を行います」とのメッセージの表示、開店日時、天気、カード管理の状態、会員管理の状態、処理状況及び処理履歴を表示している。開店日時は、「2011/08/24(水)」の「10:00〜22:00」であり、天気は晴れを示す「0」である。カード管理の状態は、「2011/08/23」の「22:15」に最新の閉店処理が行われて帳票にデータが登録済である。会員管理の状態は、「2011/08/23」の「22:40」に最新の閉店処理が行われて帳票にデータが登録済である。処理状況としては、「カードシステム保持期限外データ削除」、「センター通信 営業状態通知」、「カードシステム日時データ初期化」、「カードシステム日時データ処理」、「センター通信 未送信締上データ送信」、「センター通信 営業状態通知」及び「プロセス起動」が行われたことを示している。
また、図7に示す操作画面は、時刻設定として、現在時刻を変更する操作を受け付けることができる。具体的には、現在の時刻が「08:00」であり、入力した分数を進めるか又は遅らせることができる。
ここで、図7に示す操作画面では、開店処理操作が行われた時刻が動作可能時間帯以外であるために、「現在の時刻では開店ができません。」とのメッセージが表示され、開店処理が停止している。このように、所定の権限を有する操作者のみが動作可能時間帯を設定できるよう構成した場合には、動作可能時間帯の設定権限を持たない操作者が動作可能時間帯以外に開店処理操作を行うと、開店処理を継続することができず、開店処理を中止することとなる。
一般の店員であっても動作可能時間帯を設定できるよう構成した場合には、図8に示すように動作可能時間帯以外に開店処理操作を行うと、「現在の時刻では開店ができません。」とのメッセージとともに、「開店するには、動作可能時間帯を変更してください。」とのメッセージを表示する。なお、その他の表示及び項目については、図7に示した操作画面と同様のであるので説明を省略する。
次に、図2に示したカード管理装置40による動作可能時間帯の設定処理について説明する。図9は、図2に示したカード管理装置40による動作可能時間帯の設定処理について説明するフローチャートである。
図9に示すように、カード管理装置40の権限判定部45bは、操作者のID及びパスワード等の入力を受け付けて操作者を認証し、権限の判定を行う(ステップS101)。判定の結果、操作者に動作可能時間帯を変更する権限がなければ(ステップS102;No)、動作可能時間帯設定部45cは、動作可能時間帯の変更不可を操作者に対して報知し(ステップS109)、処理を終了する。
一方、操作者に動作可能時間帯を変更する権限があるならば(ステップS102;Yes)、動作可能時間帯設定部45cは、操作者による動作可能時間帯の入力を受け付ける。操作者による動作可能時間帯の入力を受け付けたならば(ステップS103;Yes)、動作可能時間帯設定部45cは、入力された動作可能時間帯に通常の営業時間が含まれるか否かを判定する(ステップS104)。
入力された動作可能時間帯から通常の営業時間が逸脱するならば(ステップS104;No)、動作可能時間帯設定部45cは、ステップS103に移行し、動作可能時間帯の入力を待機する。なお、入力された動作可能時間帯から通常の営業時間が逸脱することを操作者に対して報知してもよい。
入力された動作可能時間帯に通常の営業時間が含まれるならば(ステップS104;Yes)、報知部45dは、変更された内容及び該変更を行った操作者に関する情報を設定変更履歴データ44cとして記憶部44に記憶させる旨を操作者に対して報知する(ステップS105)。
ステップS105の後、操作者が変更をキャンセルしたならば(ステップS106;No)、動作可能時間帯設定部45cは、そのまま処理を終了する。一方、ステップS105の後、操作者が変更を実行したならば(ステップS106;Yes)、動作可能時間帯設定部45cは、入力された動作可能時間帯により動作可能時間帯設定データ44bを更新する(ステップS107)。また、動作可能時間帯設定部45cは、操作者のIDと、設定日時と、更新前後の動作可能時間帯とを対応付けて設定変更履歴データを更新し(ステップS108)、設定処理を終了する。
次に、カード管理装置40による開店処理について説明する。図10は、図2に示したカード管理装置40による開店処理について説明するフローチャートである。図10に示すように、カード管理装置40の開店処理制御部45fは、操作者による開店処理操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、タイマー46より現在時刻を取得する(ステップS202)。
開店処理制御部45fは取得した現在時刻と動作可能時間帯設定データ44bに示された動作可能時間帯とを比較し、現在時刻が動作可能時間帯に含まれるか否かを判定する(ステップS203)。
取得した現在時刻が動作可能時間帯に含まれる場合には(ステップS203;Yes)。開店処理制御部45fは、カード管理装置40の開店処理を実行する(ステップS204)。開店処理制御部45fは、カード管理装置40の開店処理を実行した後、島コントローラ30を起動する(ステップS205)。起動された島コントローラ30は、台間カード処理機10及び遊技機20を起動する。また、開店処理制御部45fは、島コントローラ30の起動後、精算機60を起動し(ステップS206)、景品管理装置70を起動する(ステップS207)。以上の処理により、遊技システム全体の開店処理が完了する。
一方、取得した現在時刻が動作可能時間帯以外である場合には(ステップS203;No)。開店処理制御部45fは、開店処理を停止して(ステップS208)、動作可能時間帯から外れていることを報知して(ステップS209)、処理を終了する。
次に、カード管理装置40によるカードの管理について説明する。開店処理が完了した後、カード管理装置40は、会員カードや一般カードの管理を行うことが可能となる。例えば、景品管理装置70にカードが挿入されると、カード管理装置40は、景品管理装置70からカードの挿入を通知される。この通知には、カードを識別するカードIDが含まれているので、カード管理装置40は、該カードIDの使用フラグを「1」にセットする。使用フラグは、値が「1」であれば、該カードIDを有するカードがいずれかの装置で使用中であることを示し、値が「0」であれば、該カードIDを有するカードがいずれの装置にも使用されていないことを示す。そして、景品管理装置70からカードが排出されると、カード管理装置40は、景品管理装置70からカードの排出を通知される。この通知には、カードを識別するカードIDが含まれているので、カード管理装置40は、該カードIDの使用フラグを「0」にリセットする。
また、景品管理装置70は、挿入されたカードが会員カードであるならば、会員管理装置50に対してもカードの挿入や排出を通知する。会員管理装置50は、カード管理装置40と同様に、通知に含まれるIDに基づいてカードの使用状態を管理する。
ここで、景品管理装置70に会員カードが挿入された状態でエラーが発生すると、景品管理装置70は、会員カードを排出し、エラー解除時に景品管理装置70の内部に収納されていた一般カードを読み込む。この一般カードの読取りにより、景品管理装置70からカード管理装置40への通知が行われるので、カード管理装置40は、エラー発生時に挿入されていた会員カードの使用フラグを「0」にリセットすることができる。
しかしながら、景品管理装置70が読み込むカードが一般カードであるために、会員管理装置50に対しては通知が発生せず、会員管理装置50ではエラー発生時に挿入されていた会員カードの使用フラグは「1」のままとなる。
このように、カード管理装置40が管理する使用フラグと会員管理装置50が管理する使用フラグとが不一致となると、景品管理装置70による会員カードの移行を正常に行うことができない。カード管理装置40は、移行元の会員カードが使用されていない状態であると正常に認識してプリペイド価値の残高並びに持玉を移行可能であるが、会員管理装置50は、移行元の会員カードが使用中の状態であると認識してしまい、貯玉の移行を許可しないためである。
そこで、本実施例に係るカード管理装置40は、景品管理装置70が会員カードの移行を行う場合に、会員管理装置50に対してカード排出処理要求を送信し、使用フラグの値を一致させる。
図11は、会員カードの移行時の処理について説明するための説明図である。図11に示すように、景品管理装置70は、会員カードの移行を行う場合には、カード管理装置40に対してカード移行を通知する(1)。カード管理装置40は、景品管理装置70からの通知を受けたならば、会員管理装置50に対してカード排出処理を要求する(2)。
会員管理装置50は、移行元の会員カードの使用フラグを「0」に書き換えて(3)、カード管理装置40に対してカード排出処理の完了を通知する(4)。カード管理装置40は、会員管理装置50よりカード排出処理の完了を通知されたならば、移行元の会員カードに対応付けられていたプリペイド価値の残高と持玉とを移行先の会員カードに移行させ(5)、景品管理装置70に対してカード管理装置40での移行完了を通知する(6)。
景品管理装置70が会員管理装置50に対してカード移行を通知すると(7)、会員管理装置50は、移行元の会員カードに対応付けられていた貯玉とポイントとを移行先の会員カードに移行させ(8)、景品管理装置70に対して会員管理装置50での移行完了を通知する(9)。以上の処理により、カード管理装置40が管理する使用フラグと会員管理装置50が管理する使用フラグとを一致させ、会員カードの移行を正常に行うことができる。
図11に示すカードの移行はあくまでも一例であり、カード情報の移行の順番は適宜変更可能である。景品管理装置から移行通知を受け取ったカード管理装置が会員管理装置に対してカード排出処理要求とともに移行指示し、該移行指示を受けて会員管理装置側で移行処理を行ってもよい。また、景品管理装置からの移行通知はカード管理装置ではなく、会員管理装置で通知するようにしてもよく、両方の管理装置へ同時に通知するようにしてもよい。また、カード管理装置と会員管理装置とが1つの管理装置で構成されている場合であっても、カード管理テーブルが別々に構成されていれば、同様の処理を行うこととなる。
上述してきたように、本実施例では、カード管理装置40は、遊技システムを形成する各装置の動作可能時間帯を示す動作可能時間帯設定データ44bを設定し、動作可能時間帯内に開店処理操作を受け付けた場合には開店処理操作に応答する開店処理を実行し、動作可能時間帯以外に開店処理操作を受け付けた場合には開店処理操作に応答する開店処理を実行しないよう制御するよう構成したので、遊技店の開店処理に関連する不正を効率良く防止することができる。
また、本実施例では、カード管理装置40は、動作可能時間帯が変更された場合に、該変更された内容及び該変更を行った操作者に関する情報を含む履歴情報を動作可能時間帯の変更に係る履歴情報を設定変更履歴データ44cとして記憶するので、不正が行われた場合の調査に効率的に行うことができる。
また、本実施例では、カード管理装置40は、動作可能時間帯が変更された場合に、該変更された内容及び該変更を行った操作者に関する情報を設定変更履歴データ44cとして記憶する旨を操作者に対して報知することで、不正の抑止を行うことができる。
また、本実施例では、カード管理装置40は、所定の権限が付与された操作者であると判定された場合に、動作可能時間帯を設定可能とすることにより、遊技店の開店処理に関連する不正を効率良く防止することができる。
なお、本実施例では、動作可能時間帯以外に開店処理操作を受け付けた場合に、島コントローラ30、精算機60及び景品管理装置70の起動を停止する構成について説明したが、精算機60又は景品管理装置70の起動を選択的に停止するように構成してもよい。また、動作可能時間帯以外に開店処理操作を受け付けた場合に、精算機60による精算処理を禁止するように構成してもよい。また、動作可能時間帯以外に開店処理操作を受け付けた場合に、景品管理装置70による景品交換処理や貯玉処理を禁止するように構成してもよい。また、遊技媒体を計数する計数機の起動を停止する構成若しくは計数機による計数処理を禁止する構成であってもよい。
また、本実施例では、遊技システムを形成する各装置の動作可能時間帯を示す動作可能時間帯を設定する構成を例に説明を行ったが、遊技システムの開店処理を禁止する開店禁止時間帯を設定するように構成してもよい。
また、指定された時刻に自動的に開店処理を行う自動開店処理機能を有する遊技システムでは、自動開店処理機能に設定された開店時刻が動作可能時間帯以外であったとしても、自動開店処理機能を優先することが好ましい。
また、本実施例では、カード管理装置40による開店処理について説明を行ったが、会員管理装置50や他の装置による開店処理に対しても本発明は適用可能である。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。