JP5818463B2 - 荷役車両 - Google Patents
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Description
前記昇降支持体の傾斜角を検出する傾斜センサと、
水平保持ボタンの操作により前記傾斜センサの検出値に基づき前記車体部リフト装置を操作して前記昇降支持体を水平姿勢とする荷役制御装置と、を備え、
前端部リフト装置は、前端部リフト駆動装置により前方に出退駆動されて前面に駆動くさび面を有する駆動くさびブロックと、前記前端部リフト駆動装置の前部に配置されて幅方向の水平支軸を介して上下方向に揺動自在な揺動レバーと、当該揺動レバーの後端部に設けられて前記駆動くさびブロックの駆動くさび面により受動くさび面を介して押し上げられる受動くさびブロックと、前記揺動レバーの前端部に幅方向の車輪支持軸を介して設けられて上下方向に揺動自在に支持された車輪支持フレームと、当該車輪支持フレームに前後方向に所定間隔をあけて配置された複数の遊転車輪とを具備したものである。
昇降支持体は、左右一対のフォークからなり、
前記フォークの前端部に前端部リフト装置をそれぞれ設け、
当該前端部リフト装置と車体部リフト装置とを連動する荷役制御装置を設けたものである。
また段差を解消するために傾斜して設置されたスロープから荷室に出入りする時に、水平保持ボタンか操作されると、荷役制御装置により、傾斜センサの検出信号に基づいて車体リフト装置が操作され、遊転車輪の車輪支持軸を中心に昇降支持体が上下方向に傾動されて昇降支持体および昇降支持体上の荷の姿勢を水平に保持することができる。これにより、荷の上端部が出入り口や荷室の天井面に接触するのを防止することができ、段差調整用のスロープを介して最大限の高さの荷をスムーズに搬入、搬出することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図11(a)および図12(a)に示すように、この荷役車両11は、限られた大きさの荷室3を有するたとえばコンテナ1に対して、最大限の高さの荷10を、左右壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに出入り口2から出し入れするものである。なお、コンテナ1に限るものではなく、限られた高さの荷室に荷を搬入出するものでもよい。
車体12の上部に、アクセルレバー21や荷役操作パネル22、ステアリングハンドル23、モニター装置24が配置され、右後部に設けられた運転席25の床部にフットブレーキ26が設けられている。また車体12の上部で左右両側に立設されたポスト27に、前照灯28や方向指示器29などが設けられている。さらに車体12の底部で左側に、ステアリングハンドル23によりステアリングモータと走行用モータを介して走行駆動および操舵される操向駆動輪31が配置されている。さらにまた車体12およびフォーク14L,14Rは、1個の操向駆動輪31と2組の遊転車輪52とで支持され、さらに車体12の底部右側に、操向駆動輪31と幅方向で略同一の軸線上に垂直軸心周りに旋回自在に支持されたキャスター32が回転自在に設けられており、このキャスター32により車体12の姿勢が補助されている。
車体部リフト装置13は、図2、図5に示すように、車体12の前部に設置された車体前部フレーム41と、フォーク14L,14Rの後部に配置されたリフトフレーム42の左右のブラケットとの間に、案内機構として、幅方向のピンを介して回動自在に連結されて互いに平行な上下一対で左右二組のリンクアーム43aからなる平行リンク機構43が設けられ、リフトフレーム42が車体12に平行に昇降自在に連結されている。そして左右のリンクアーム43a間に、傾斜姿勢の車体部リフトシリンダ(車体部昇降駆動装置)44が設けられており、そのシリンダ本体が車体前部フレーム41の下部に支持され、ピストンロッドがリフトフレーム42の中央上部に連結されている。したがって、車体部リフトシリンダ44を伸縮駆動することにより、リフトフレーム42を平行リンク機構43を介して車体前部フレーム41に対して平行に昇降移動させ、リフトフレーム42の前部に設けられたフォーク14L,14Rを昇降駆動させることができる。これにより、車体10とフォーク14L,14Rが前後方向および幅方向に同一の傾斜姿勢となる。
[シフト装置]
また図4に示すように、リフトフレーム42の前部に、左右のフォーク14L,14Rをそれぞれ幅方向に移動可能なシフト装置45が設けられている。このシフト装置45は、リフトフレーム42の前部で左右のサイドプレート42L,42Rの間に上下一対のスライド軸46U,46Dが幅方向に連結され、フォーク14L,14Rの後端部に立設された左右のバックレスト47L,47Rが、スラスト軸受を介してスライド軸46U,46Dに幅方向にシフト自在に支持されている。そして、右サイドプレート42Rに連結された左シフトシリンダ(左シフト駆動装置)48Lが左バックレスト47Lの背面に連結され、左サイドプレート42Lに連結された右シフトシリンダ(右シフト駆動装置)48Rが右バックレスト47Rの背面に連結されている。したがって、左右シフトシリンダ48L,48Rを伸縮駆動することにより、左右のフォーク14L,14Rをセンター位置からそれぞれシフト距離SR,SLの範囲で幅方向に単独、または連動してシフトすることができる。
図6〜図8に示すように、これら左右フォーク14L,14Rは、コンテナ1の荷室3の床面3Fとの間に荷10Dの底部に形成される高さHの低いフォーク挿入空間(底部空間)10Dに挿入可能な厚みTの薄板状に形成されており、複数の遊転車輪52が左右フォーク14L,14Rの底面から突出量tで少し下方に突出されている。そしてこれら遊転車輪52を介してフォーク14L,14Rを所定のリフト昇降ストロークLSだけ上昇させて、荷10を床面3Fから持ち上げるフォーク部リフト装置51が、左右のフォーク14L,14Rに前端部内にそれぞれ設けられている。またここで、遊転車輪52の接地面積が小さいと、荷10の荷重が床面3Fに集中してしまい、床面3Fを踏み抜いて損傷させるおそれがあるため、左右のフォーク部リフト装置51には、幅方向の軸心周りに回転自在な横長の遊転車輪52が4個ずつ、前後方向に一定間隔をあけて配置され、各遊転車輪52をそれぞれ均等圧で床面3Fに押し付けることができるようにフォーク部リフト装置51が構成されている。
左右のフォーク14L,14Rに設けられるフォーク部リフト装置51は同一構造である。フォーク14L,14Rは、底面が開放されたチャンネル形断面で、左右の側板の内面に前端部分を除いて補強側板53がそれぞれ取り付けられ、補強側板53の前端部間に水平支軸54が幅方向に掛け渡されている。そして、この水平支軸54に左右一対の揺動レバー55が上下方向に揺動自在に枢支されている。これら水平支軸54から前方に伸びる揺動レバー55の前端部間に、水平方向の車輪支持軸56が掛け渡され、この車輪支持軸56に左右一対の車輪支持フレーム(車輪支持体)57の中間部が上下方向に揺動自在に枢支されている。そして、車輪支持フレーム57間には、車輪支持軸56の前後に等間隔をあけて4個の遊転車輪52が回転自在に軸支されて、正転または反転することで前方または後方の直進方向にフォーク14L,14Rの前端部を案内する。
図1に示すように、この荷役車両11に設けられた荷役制御装置71には、荷役操作パネル22からの操作信号が入力される。また車体の前部に設けられて車体12およびフォーク14L,14Rの前後方向の傾きを検出する傾斜センサ72の検出信号と、フォーク14L,14Rの左右一方(図では右側)の前端部に設けられて前方の壁面や荷などとの距離を検出する距離センサ73の検出信号がそれぞれ荷役制御装置71に入力される。そしてこの荷役制御装置71から、車体部リフト装置13の車体部リフトシリンダ44の制御弁を操作する車体部リフト操作器74への操作信号と、フォーク部リフトシリンダ51の制御弁を操作するフォーク部リフト操作器75への操作信号と、シフト装置45の左右のシフトシリンダ48L,48Rの制御弁をそれぞれ操作するシフト操作器76への操作信号がそれぞれ出力される。また荷役制御装置71では、距離センサ73の検出信号に基づいて、モニター装置24に前方の壁面や荷までの距離を表示させる。
搬入動作において、フォーク14L,14Rを下限に下ろした状態で、荷10の底部に形成されたフォーク挿入空間10Dにフォーク14L,14Rを挿入し、水平保持ボタン22Hとフォーク上昇ボタン22FUを押すことにより,車体部リフト装置13とフォーク部リフト装置51を連動して駆動し、フォーク14L,14Rを上昇させて荷10を底部から支持する。荷役車両11を走行させて路面からスロープ4に、さらにスロープ4から荷室3の床面3Fに移動する。
たとえばコンテナ1のように、奥行きがあり幅の狭い荷室3に、壁面3R,3Lに沿う収納位置Pに対して、前後方向に長さのある荷10を搬入、搬出する場合、荷役車両11の従来の動作は、たとえば図14に示す2つのパターンA,Bが考えられる。図14(a)に示すパターンAは、荷10の前端部を左壁面3Lに接近するよう車軸Oを傾斜させるとともに、操向駆動輪31を左前方に向く操向方向から直進方向に転舵しつつ曲線方向に沿って前進させ、左壁面3Lに沿う収納位置Pに荷を搬入する方法である。また図14(b)に示すパターンBは、収納位置P前端を狙い位置とし、荷10の前端部を左壁面3Lに接近するよう車軸Oを傾斜させて、荷役車両11を直進させる。荷10の前端部が収納位置Pの前端に達すると、荷役車両11を一旦停止させ、さらに操向駆動輪31を左側に90°近く転舵して駆動させることにより、荷役車両11の後部を左側に振って、荷10の後端部を左壁面3Lに接近させる。
この荷役車両11による荷の搬入方法を、図12を参照して説明する。
1)図12(a)に示すように、フォーク挿入空間10Dに挿入されたフォーク14L,14Rにより荷10を底部から支持する荷役車両11を、スロープ4から出入り口2を介して荷室3に入庫し、まず収納位置Pの後端近傍まで、荷10の前端部を接近させる。
5)図12(d)に示すように、車体部リフト装置13およびフォーク部リフト装置51を作動してフォーク14L,14Rを下降させ、荷10を収納位置Pに着地させる。そして、荷役車両11を後方に直進させてフォーク14L,14Rを荷10のフォーク挿入空間10Dから抜き出し、荷10の積み込みが完了する。この時、フォーク14L,14Rが左側で車体12がセンター位置より右側にあるため、車体12が左壁面3Lから離間されているので、荷役車両11の後退をスムーズに行うことができる。
次に、荷室3の壁面3L,3Rに荷10の全側面が近接(または接触)した収納位置Pの荷10を、搬出する方法を、図13を参照して説明する。
3)図13(c)に示すように、フォーク14L,14Rを右壁面3R側にシフトすることにより、荷旋回中心Ocを中心として荷10の後端部を右壁面3R側に回動させる。同時に、車体旋回中心Osを中心として車体12をフォーク14L,14Rと反対側の左壁面3L側に回動させて、車軸Oが後部ほど左壁面3Lから離間する所定角度θoで傾斜させる。
上記荷役車両11による荷役方法によれば、シフト装置45により遊転車輪52間の荷旋回中心Oc周りにフォーク14L,14Rを左右一方に回動させるとともに、車体12を操向駆動輪31の車体旋回中心Osとして左右他方に回動させることで、前端部が壁面3L,3Rに近接する荷10の後部側を壁面3L,3Rに幅寄せすることができる。反対に、壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに積載された荷10を、シフト装置45を用いることで、荷10の後端部を壁面3L,3Rから離間させて車軸Oを後部から壁面3L,3Rから離間する方向に傾斜させることができる。これにより、壁面3L,3Rに干渉することなく、壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに搬入、搬出することができ、コンテナ1などで幅の限られた荷室3に対して、熟練を要することなく容易かつスムーズに搬入、搬出することができる。また壁面3L,3Rや出入り口2に枠体2aのような突起物があっても、荷10を壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに容易に搬入出することができる。特に、コンテナ1で出入り口2近傍の収納位置Pに搬入出する場合、車体12がスロープ4にあるが、シフト装置45により、出入り口2に設けられた枠体2aに干渉することなく、容易にかつスムーズに荷役作業を行うことができ有効性が高い。
上記実施例によれば、フォーク部リフト装置51において、フォーク部リフトシリンダ59により出退駆動される駆動くさびブロック60により、くさび面60t,58tを介して揺動レバー55の後端部に設けられた受動くさびブロック58を加圧摺動し、前方へ押出駆動力を揺動レバー55の後端部の押し上げ駆動力に変換し、これにより大きい駆動力で揺動レバー55の後端部の押し上げる。そして揺動レバー55の前端部を押し下げて、車輪支持フレーム57に車輪支持軸56を介して上下方向に揺動自在に設けられた複数の遊転車輪52を均等に床面3Fに押し付け、フォーク14R,14Lの前端部をリフトすることができる。このように、くさびブロック60,58のくさび面60t,58tを利用した運動方向の変換機構を設けたので、フォーク部リフト装置51の厚みを小さくしてフォーク14R,14Lの厚みを薄くすることができ、さらに大きい駆動力を得ることができる。これにより、高さの低い荷10のフォーク挿入空間10Dであってもフォーク14R,14Lを挿入可能となり、さらに大重量の荷10をリフト可能な大きい駆動力を得ることができる。また車輪支持フレーム57に前後方向に所定間隔を開けて配置された複数の遊転車輪52により、荷10の荷重を分散させることができ、床面3Fの損傷を未然に防止することができる。
Oc 荷旋回中心
Os 車体中心
1 コンテナ
2 出入り口
3 荷室
3F 床面
5 運搬車両
10 荷
10D フォーク挿入空間(底部空間)
11 荷役車両
12 車体
13 車体部リフト装置
14L,14R フォーク(昇降支持体)
31 操向駆動輪
32 キャスター
33 ストッパ
41 車体前部フレーム
42 リフトフレーム
43 平行リンク機構
43a リンクアーム
44 車体部リフトシリンダ(車体部リフト駆動装置)
45 シフト装置
46U,46D スライド軸
47L,47R バックレスト
48R,48L シフトシリンダ
51 フォーク部リフト装置(前端部リフト装置)
52 遊転車輪
53 補強側板
54 水平支軸
55 揺動レバー
56 車輪支持軸
57 車輪支持フレーム
58 受動くさびブロック
58t 受動くさび面
59 フォーク部リフトシリンダ(前端部リフト駆動装置)
60 駆動くさびブロック
60t 駆動くさび面
61 ガイド部材
71 荷役制御装置
74 車体部リフト操作器
Claims (2)
- 走行車輪を有する車体と、当該車体の前部に設けられて荷の底部に挿入される昇降支持体と、車体に設けられて前記昇降支持体を昇降駆動する車体部リフト装置と、昇降支持体の先端側に設けられて前記昇降支持体を昇降駆動する先端部リフト装置とを具備した荷役車両であって、
前記昇降支持体の傾斜角を検出する傾斜センサと、
水平保持ボタンの操作により前記傾斜センサの検出値に基づき前記車体部リフト装置を操作して前記昇降支持体を水平姿勢とする荷役制御装置と、を備え、
前記先端部リフト装置は、先端部リフト駆動装置により前方に出退駆動されて前面に駆動くさび面を有する駆動くさびブロックと、前記先端部リフト駆動装置の前部に配置されて幅方向の水平支軸を介して上下方向に揺動自在な揺動レバーと、当該揺動レバーの基端部に設けられて前記駆動くさびブロックの駆動くさび面により受動くさび面を介して押し上げられる受動くさびブロックと、前記揺動レバーの先端部に幅方向の車輪支持軸を介して設けられて上下方向に揺動自在に支持された車輪支持フレームと、当該車輪支持フレームに前後方向に所定間隔をあけて配置された複数の遊転車輪と、を具備した
ことを特徴とする荷役車両。 - 昇降支持体は、左右一対のフォークからなり、
前記フォークの先端部に先端部リフト装置をそれぞれ設け、
当該先端部リフト装置と車体部リフト装置とを連動する荷役制御装置を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の荷役車両。
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