JP5817073B2 - 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 - Google Patents
新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5817073B2 JP5817073B2 JP2010126339A JP2010126339A JP5817073B2 JP 5817073 B2 JP5817073 B2 JP 5817073B2 JP 2010126339 A JP2010126339 A JP 2010126339A JP 2010126339 A JP2010126339 A JP 2010126339A JP 5817073 B2 JP5817073 B2 JP 5817073B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- chemical formula
- cyclodextrin
- groups
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Description
<1>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンが共有結合してなることを特徴とする、化学式1で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<2>インドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されることを特徴とする、化学式2で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<3>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがアミド結合を介して共有結合してなること特徴とする化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であって、化学式3で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<4>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがアミド結合を介して共有結合してなること特徴とする化学式2に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であって、化学式4で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<5>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式5で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<6>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式6で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<7>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式7で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<8>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式8で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<9>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式9で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<10>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式10で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<11>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式11で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<12>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式12で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
<13>(1)インドシアニンカルボン酸化合物とアミノシクロデキストリンとを溶媒中で混合する工程と、(2)脱水縮合剤を加えて脱水縮合反応させる工程とを含むことを特徴とする、前記の化学式(化学式1,3,5,7,9,11)のいずれか1つに記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の化学合成法である。
(1)下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物におけるRが−NX2(Xは独立して選択される水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基)である化合物Aと、
Rが、−Cl、−OCH3、
を別々でなる又は混合してなる発色剤を有し、
前記発色剤をそれぞれ別々に、又は、混合物として生体内に注入、又は、生体に塗布した後、それぞれに対応する励起光が照射されることで、化合物A及びBのうちの対応する化合物の分布を観察できることを特徴とする診断用組成物である。
前記化合物Aに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法である。
前記化合物Aから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法である。
本発明に関連する非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物としては、化学式1、化学式3、化学式5、化学式7、化学式9、化学式11を挙げることができ、その合成法は、インドシアニン化合物とシクロデキストリン化合物を溶液中において反応させることにより成し遂げられる。
本発明に関連するシクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、化学式2で示されるインドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンが共有結合してなるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であり、インドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されていることを特徴とする化合物である。又、インドシアニンのナフチル基がシクロデキストリンの空洞に包接され、近赤外蛍光を発するのであれば、インドシアニン基に置換基を有していても良い。又、シクロデキストリンには、さまざまな種類が知られているが、インドシアニンのナフチル基がシクロデキストリンの空洞に包接されるものであることが必要条件となる。例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンが例示される。好ましくは、β−シクロデキストリンがあげられる。又、シクロデキストリンに置換基が付いていても良い。
本発明に関連する包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、以上の通りのものであり、その合成法は、上記で合成した非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を合成前駆体とし、該化合物を水溶液中に溶解することにより成し遂げられる。水溶液には、包接化を妨げなければ、如何なる物質を含んでいても良く、水含量は、特に限定されることはない。又、包接化に適した温度は、−20℃から100℃であり、好ましくは0℃から50℃である。又、包接化に要する時間は、水溶液に添加した直後から1ヶ月程度である。包接化反応は、以上のごとく非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の性質、包接化反応の温度、水溶液の組成、濃度などによりさまざまな形態をとることは明白である。
化学式11に示される化合物の合成を一例として挙げる。化学式11で示されるインドシアニン化合物は、例えば非特許文献5に記載の方法により合成する化学式13に記載の化合物と、非特許文献6に記載の方法により合成する化学式14と、脱水縮合剤として例えば水溶性カルボジイミド(WSC:例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が挙げられる)やジシクロヘキシルカルボ汁イミド(DCC)と、溶媒としてのピリジンやN,N−ジメチルホルムアミドあるいは水溶液と、を加え−20℃から60℃で10分から100時間反応することにより得ることができる。又、反応を活性化させるために活性化剤として例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加することもできる。脱水縮合剤の量は、化学式13に記載の化合物と2倍モルあるいはそれ以上であり、使用する溶媒は、反応物が溶解し、脱水縮合反応を妨げなければ制限されない。活性化剤は、脱水縮合反応を活性化するものであれば制限されず、添加する量は脱水縮合反応が期待どおりに進行する量であれば制限されない。
上記の方法で合成した非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を含む混合物を酸性水溶液に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィーに供し、溶出液として例えば酸を含む水とメタノール混合液、あるいは酸を含む水とアセトニトリル混合液、あるいは酸を含む水とエタノール混合液、あるいは酸を含む水とアセトン混合液のうちのいずれかを用いることにより溶出させ、高純度の非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を単離・精製することができる。酸としては、非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物が分解せず、溶出が効率的であり、溶出後の処理が容易であれば制限されないが、例えば塩酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、硫酸、硝酸、蟻酸などをあげることができる。好ましくは塩酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、更に好ましくは塩酸をあげることができる。酸の濃度は、非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物が分解せず、溶出が効率的であり、溶出後の処理が容易であれば制限されないが、0.01mMから10mMが好ましく、さらには、0.1mMから1mMがより好ましい。濃度をこの範囲内にすることにより目的の化合物が分解されず且つ速やかに溶出させることができる。溶出された非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、溶媒を除去することにより固体として得ることができる。溶媒の除去方法としては凍結乾燥することもできる。
上記の方法で合成及び精製した化学式11で記載される非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、例えばDMSO中では非包接型であるが、水に溶解するとすぐに、包接型である化学式12で記載の化合物となる。この現象は、1H NMRで確認することができる。
本発明において、「アルキル基」とは、置換基を有していてもよい炭素数1個〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基をいい、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコサニルなどの直鎖の基、又は分岐状に結合した基をいう。
化学式13で示される化合物0.20g、化学式14で示される化合物0.94g、WSC0.18g、HOBt0.12g、ピリジン4.0mL、N,N−ジメチルホルムアミド2.0mLの混合物を0℃、暗所において6時間撹拌した。その後、アセトン50mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式15で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式16で示される包接型化合物0.65gを得た(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので自然と包接型となる)。
(6H, s), 2.09 (6H, s), 2.63 (6H, m), 2.80 (6H, m), 2.92 (2H, m), 3.02 (2H, dd, J = 3.7, 9.8 Hz), 3.08 (2H, t, J = 9.2 Hz), 3.2-4.1 (m), 4.19 (2H, t, J = 9.8 Hz), 4.26 (2H, t, J = 9.8 Hz), 4.33 (2H, m), 4.43 (2H, m), 4.71 (2H, d, J = 2.4 Hz), 4.81 (4H, d, J = 3.7 Hz), 4.91 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.99 (2H, d, J = 3.7 Hz),
5.08 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.13 (2H, d, J = 3.1 Hz), 6.15 (2H, d, J = 13 Hz), 6.52 (2H, t, J = 12 Hz), 7.43 (4H, m), 7.57 (1H, d, J = 12 Hz), 7.57 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.78 (2H, m), 8.06 (3H, m), 8.15 (2H, d, J = 8.5 Hz).ESI-MS m/z calcd for C131H191N4O722972, found 2973 [M]+.
<試験2:化学式19及び化学式20で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.17g、メタノール5mL、t−BuOK0.30gの混合物を室温で12時間撹拌した。その後、1M塩酸3mLを加え、さらに水50mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、減圧乾燥し化学式18で示される化合物0.17gを得た。
(2H, m), 2.19 (6H, s), 2.20 (2H, m), 2.30 (6H, s), 2.6-2.85 (10H, m), 2.95 (2H,
m), 3.00 (4H, m), 3.08 (2H, t, J = 12 Hz), 3.17 (2H, dd, J = 3.7, 9.8 Hz), 3.26
(2H, t, J = 9.8 Hz), 3.35-4.30 (m), 4.35 (2H, t, J = 9.2 Hz), 4.50 (2H, t, J = 9.2 H), 4.52 (2H, m), 4.63 (2H, m), 4.87 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.95 (d, J = 3.1 Hz), 4.97 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.15 (2H, d, J = 4.3 Hz), 5.25 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.29 (2H, d, J = 3.7 Hz), 6.30 (2H, d, J = 14.6 Hz),
7.58 (4H, m), 7.73 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.95 (2H, m), 8.25 (2H, m), 8.32 (2H, d, J = 14.6 Hz), 8.35 (2H, d, J = 8.5 Hz).ESI-MS m/z calcd for C135H197N4O733042, found 3042 [M]+.
<試験3:化学式21で示される化合物の合成及び精製>
化学式13で示される化合物0.04g、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β−シクロデキストリン0.18g、WSC0.05g、HOBt0.025g、ピリジン0.8mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.4mLの混合物を0℃、暗所において3時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式21で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式21で示される化合物0.11gを得た。
3.0-4.5 (98H), 4.4 (4H, br.), 4.5-5.3 (14H, br.), 6.18 (2H, br.), 6.46 (2H, br.), 7.3-8.2 (15H).ESI-MS m/z calcd for C125H179N4O702856, found 2856 [M]+.
<試験4:化学式23で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.02g、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β−シクロデキストリン0.096g、WSC0.032g、ピリジン0.5mL、0.1Mリン酸緩衝液0.05mLの混合物を室温、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びアセトニトリルの混合液を使用し、化学式23で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式23で示される化合物0.014gを得た。
<試験5:化学式24で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.20g、3-アミノ-3-デオキシ-β−シクロデキストリン0.02g、WSC0.096g、HOBt0.013g、ピリジン0.4mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.2mLの混合物を室温、暗所において1時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びメタノールの混合液を使用し、化学式24で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式24で示される化合物0.013gを得た。
<試験6:化学式25で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.02g、化学式14で示される化合物0.1g、WSC0.032g、ピリジン0.5mL、0.1Mリン酸緩衝液0.05mLの混合物を室温、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びメタノールの混合液を使用し、化学式25で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式25で示される化合物0.021gを得た。
<試験7:化学式27で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.10g、メタノール2.0mL、50%ジメチルアミン水溶液0.25gの混合物を室温で2時間撹拌した。その後、1M塩酸2.0mLを加え、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、減圧乾燥し化学式27で示される化合物0.094gを得た。
<試験8:化学式28,29で示される化合物の合成及び精製>
化学式27で示される化合物0.03g、化学式14で示される化合物0.13g、WSC0.024g、HOBt0.016g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン5mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式28で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式28で示される化合物および化学式29で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し濃青色固体の化学式29で示される包接型化合物0.092gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式28で示される化合物は化学式29で示される化合物である包接型となる。)。
<試験9:化学式30で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、3−フランボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式30で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式30で示される化合物0.066gを得た。
<試験10:化学式31,32で示される化合物の合成及び精製>
化学式30で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において4時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式31で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式31で示される化合物および化学式32で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式32で示される包接型化合物0.088gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式31で示される化合物は化学式32で示される化合物である包接型となる。)
<試験11:化学式33で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールボロン酸 0.22g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で1時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式33で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水より緑色結晶の化学式33で示される化合物0.041gを得た。
<試験12:化学式34,35で示される化合物の合成及び精製>
化学式33で示される化合物0.020g、化学式14で示される化合物0.080g、WSC0.023g、HOBt0.010g、ピリジン0.40mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.20mLの混合物を0℃、暗所において9時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式34で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式34で示される化合物および化学式35で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式35で示される包接型化合物0.068gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式34で示される化合物は化学式35で示される化合物である包接型となる。)
<試験13:化学式36で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.024g、4−(ジメチルアミノ)フェニルボロン酸 0.045g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.020g、水0.25mL、DME0.5mL、1MのNaOH水溶液0.03mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール10mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式36で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水より緑色結晶の化学式36で示される化合物0.020gを得た。
<試験14:化学式37,38で示される化合物の合成及び精製>
化学式36で示される化合物0.020g、化学式14で示される化合物0.076g、WSC0.022g、HOBt0.0098g、ピリジン0.40mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.20mLの混合物を0℃、暗所において5時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式37で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式37で示される化合物および化学式38で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式38で示される包接型化合物0.040gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式37で示される化合物は化学式38で示される化合物である包接型となる。)
<試験15:化学式39で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、4−ヒドロキシフェニルボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。化学式39で示される化合物の析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥し化学式39で示される化合物0.067gを得た。
<試験16:化学式40,41で示される化合物の合成及び精製>
化学式39で示される化合物0.033g、化学式14で示される化合物0.13g、WSC0.037g、HOBt0.017g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を室温、暗所において14時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式40で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式40で示される化合物および化学式41で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式41で示される包接型化合物0.088gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式40で示される化合物は化学式41で示される化合物である包接型となる。)
<試験17:化学式42で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.06g、3−チオフェンボロン酸 0.045g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.021g、水0.75mL、DME1.5mL、1MのNaOH水溶液0.09mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物を減圧濾過し、メタノールで洗浄し、ろ液を減圧濃縮した。得られた結晶をろ過し化学式42で示される化合物0.062gを得た。
<試験18:化学式43,44で示される化合物の合成及び精製>
化学式42で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において6時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式43で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式43で示される化合物および化学式44で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式44で示される包接型化合物0.090gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式43で示される化合物は化学式44で示される化合物である包接型となる。)
<試験19:化学式45で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、2−チオフェンボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.060g、水2.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2.5時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式45で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式45で示される化合物0.047gを得た。
<試験20:化学式46,47で示される化合物の合成及び精製>
化学式45で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において13時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式46で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式46で示される化合物および化学式47で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式47で示される包接型化合物0.074gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式46で示される化合物は化学式47で示される化合物である包接型となる。)
<試験21:化学式48で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.10g、イミダゾール 0.20g、水1.0mL、DME2.5mL、1MのNaOH水溶液0.14mLの混合物をアルゴン気流下で80℃で16時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、析出体を0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式48で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水よリ緑色結晶の化学式48で示される化合物0.057gを得た。
<試験22:化学式49,50で示される化合物の合成及び精製>
化学式48で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を室温、暗所において16時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式49で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式49で示される化合物および化学式50で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式50で示される包接型化合物0.085gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式49で示される化合物は化学式50で示される化合物である包接型となる。)
<試験23: 化学式51,52で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において2時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式51で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式51で示される化合物および化学式52で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式52で示される包接型化合物0.032gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式51示される化合物は化学式52で示される化合物である包接型となる。)
<試験24:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の溶解性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水及び生理食塩水への溶解性試験を行った。水及び生理食塩水を用いたMolecular Probe社の粉末状のICGの溶解には1分間ほどの激しい振動撹拌が必要であるが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物では振動撹拌は不要であり速やかに溶解した。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のヒトの皮膚への吸着性試験を行った。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液(0.03mL)を腕にのせ、5分後に水洗し、さらに擦って水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物のヒトの皮膚への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図1)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のセルロース繊維への吸着性試験を行った。セルロース繊維のモデルとして綿棒(株式会社三洋)を用い、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で5秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物で示される化合物のセルロース繊維への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図2)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の生体の肉モデルへの吸着性試験を行った。生体の肉モデルとして市販の豚ロース肉を用い、豚ロース肉に直径5mmの凹を作り、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で10秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体の肉モデルへの吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図3)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の生体のタンパク質モデルへの吸着性試験を行った。生体のタンパク質モデルとして市販の鶏ささみ肉を用い、鶏ささみ肉に直径5mmの凹を作り、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で10秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体のタンパク質モデルへの吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図4)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の疎水性化学繊維への吸着性試験を行った。疎水性化学繊維のモデルとしてポリプロピレンマスク(玉川衛材株式会社)を用い、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、20分放置後(サンプルの水分が有るとマスクに付着しないため、水分を除去するために20分放置)に流水(水道水、1L/min)で1秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の疎水性化学繊維への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図5)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水溶液中での分子会合性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の0.01mM、0.025mM、0.05mM、0.1mM水溶液をそれぞれ調整し、光路長1mmの石英セルに入れ、25℃で600nmから1000nmの光吸収スペクトルを測定した。その結果、ICGはこの濃度範囲においてH-aggregationとよばれる分子会合が生じたが(図6左図)、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物はこの濃度範囲においてH-aggregationとよばれる分子会合は生じないことが示された(図6右図)。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水溶液中での蛍光性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの0.1μM水溶液を25℃で1cm角石英セルに入れ、720nmの励起光(バンドパス:10nm)で励起し、蛍光スペクトル(バンドパス:10nm)を測定した。蛍光効率は、ICGの蛍光効率0.13(in DMSO、25℃)をもとに算出した。その結果、ICGの蛍光量子効率は0.021であり、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物の蛍光量子効率は0.054及び0.042であり、蛍光量子効率はICGの2.6倍と2倍であった。
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の血液中での蛍光性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれを100μMになるように血液(人)中に溶解させた。それらの血液を25℃で三角石英セルに入れ、760nmの励起光(バンドパス:10nm)で励起し、表面蛍光スペクトル(バンドパス:10nm)を測定した。蛍光強度は、ICGは58(任意単位)であった。本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物の蛍光強度は270(任意単位)及び190(任意単位)であり、ICGの4.7倍と3.3倍であった。これは本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が生体内において、発光を阻害されないためであると考えられた。
上記化学式26で表されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物においてXがメチル基である化合物(化学式28,29)と上記化学式12で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物においてsが3の場合(化学式26に対応し、特にシクロデキストリン部分にて包接されている)の置換基Rを変化させたときの化合物(化学式19、20、31,32,34,35,37,38,40,41,43,44,46,47,49,50,51,52)の極大吸収波長、極大蛍光波長について検討を行った。検討したRの構造及び測定結果を表1に示す。なお、極大吸収波長及び極大蛍光波長の測定はリン酸緩衝生理食塩水(PBS:pH7.4)緩衝液中にて行った。
試験33の結果から、ICGと化合物Aとを混合して用いられるかどうかを実際に検討した。具体的には、両者を混合して用いた場合に識別できるかどうかを検討するため、それぞれの化合物にもう一方の化合物に適した励起光を照射して生成する蛍光の大きさを検討した。なお、化合物Aは生体内での使用が想定されるため、ヒト血液を用いた試験を行った。
化合物Aを1mM含むPBS溶液(0.1 mL)とICGを1mM含むPBS溶液(0.1 mL)との混合液をラット尾静脈に注射した。次に、625nmに中心波長をもつLEDライトと、760nmに中心波長を持つLEDライトとを用い、2秒間隔で交互にラットに光照射し、近赤外蛍光観察を行った。観察は撮像素子を用いて行い2次元データとして取得した。625nmの光照射(化合物Aに対応)による観察(第1撮像工程に相当)結果を図7(a)に、760nmの光照射(ICGに対応)による観察(第2撮像工程に相当)結果を図7(b)に、それぞれ示す。両者の間には差異が認められ、両者の体内動態が異なること、そして、混合物を注射した場合であっても両者を別々に検出できることが分かった。
Claims (7)
- 下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物におけるRが−NX2(Xは独立して選択されるアルキル基)である化合物Aと、
Rが、−Cl、−OCH3、
を別々でなる又は混合してなる発色剤を有し、
前記発色剤をそれぞれ別々に、又は、混合物として生体内に注入、又は、生体に塗布した後、それぞれに対応する励起光が照射されることで、化合物A及びBのうちの対応する化合物の分布を観察できることを特徴とする診断用組成物。
- 前記化学式1におけるインドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接され、下記化学式2で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
- 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式3で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
- 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式4で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
- 実質的にヨウ素を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の診断用組成物。
- 前記化合物Aの励起光と前記化合物Bの励起光との波長が異なる請求項1〜5のうちの何れか1項に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
前記化合物Aに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法。 - 同一の励起光を照射した場合に生成する蛍光の波長が、前記化合物Aと前記化合物Bとで異なる請求項1〜5のうちの何れか1項に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
前記化合物Aから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010126339A JP5817073B2 (ja) | 2010-01-28 | 2010-06-01 | 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010017255 | 2010-01-28 | ||
JP2010017255 | 2010-01-28 | ||
JP2010126339A JP5817073B2 (ja) | 2010-01-28 | 2010-06-01 | 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011173859A JP2011173859A (ja) | 2011-09-08 |
JP5817073B2 true JP5817073B2 (ja) | 2015-11-18 |
Family
ID=44687082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010126339A Active JP5817073B2 (ja) | 2010-01-28 | 2010-06-01 | 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5817073B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2530093B1 (en) | 2010-01-28 | 2018-11-21 | National UniversityCorporation Mie University | Indocyanine compound, synthesis method thereof, purification method thereof, diagnostic composition using indocyanine compound, and device for measuring in vivo kinetics and device for visualizing circulation using diagnostic composition |
US11077211B2 (en) * | 2013-11-11 | 2021-08-03 | Medibeacon Inc. | Compositions and methods for assessing gut function |
IL237210A (en) * | 2015-02-12 | 2016-05-31 | Magdassi Shlomo | Preparations containing green indocyanine for visualization of the urinary tract and their use in drug preparation |
CN112891557A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-06-04 | 柯阳 | 一种ICG-β-环糊精载药系统及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1276833B1 (it) * | 1995-10-09 | 1997-11-03 | Sorin Biomedica Cardio Spa | Coloranti fluorescenti della famiglia della solfo benz e indocianina |
AU766290B2 (en) * | 1998-04-03 | 2003-10-16 | Mallinckrodt, Inc. | Non-covalent bioconjugates useful for diagnosis and therapy |
JP2000095758A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-04-04 | Schering Ag | 近赤外蛍光造影剤および蛍光造影方法 |
US6656451B1 (en) * | 2000-10-16 | 2003-12-02 | Mallinckrodt, Inc. | Indole compounds as novel dyes for organ function monitoring |
WO2008016139A1 (fr) * | 2006-08-04 | 2008-02-07 | Osaka University | Dérivé fluorescent d'oléamide et ses utilisations |
-
2010
- 2010-06-01 JP JP2010126339A patent/JP5817073B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011173859A (ja) | 2011-09-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11344632B2 (en) | Indocyanine compound, synthesis method and purification method thereof, diagnostic composition using the indocyanine compound, and device for measuring biokinetics and device for visualizing circulation using the diagnostic composition | |
EP2968614B1 (en) | Methods of manufacture and synthesis of amino acid linking groups conjugated to compounds used for targeted imaging of tumors | |
DK1937676T3 (en) | Biocompatible fluorescent imaging compounds | |
RU2475266C2 (ru) | Оптические агенты визуализации | |
US5672333A (en) | Delta1,6 bicyclo 4,4,0! functional dyes for contrast enhancement in optical imaging | |
JP5500875B2 (ja) | 新規化合物、該新規化合物を用いたプローブ及び該新規化合物もしくは該プローブを用いた蛍光イメージング用造影剤 | |
JP2010534711A (ja) | ペプチドイメージング剤 | |
CN109395079B (zh) | 一种多功能纳米探针及其制备方法和应用 | |
EP1176987B1 (de) | Kurzkettige peptid-farbstoffkonjugate als kontrastmittel für die optische diagnostik | |
JP2017128532A (ja) | 光学イメージング用造影剤の製造方法、及び光学イメージング用造影剤 | |
JP2010169678A (ja) | 生物試料用標識剤並びに該標識剤を用いた標識方法及びスクリーニング方法 | |
JP5817073B2 (ja) | 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 | |
US5709845A (en) | Tricyclic functional dyes for contrast enhancement in optical imaging | |
CN113979912B (zh) | 两种前列腺特异性膜抗原靶向荧光探针及其制备方法与应用 | |
CN104428290B (zh) | 蒽基‑四内酰胺大环类及它们在检测靶糖中的用途 | |
Ding et al. | A novel active mitochondrion-selective fluorescent probe for the NIR fluorescence imaging and targeted photodynamic therapy of gastric cancer | |
Jia et al. | Water-soluble chromenylium dyes for shortwave infrared imaging in mice | |
CN105949112B (zh) | 一种用于光学成像的化合物、制备方法及其键合物 | |
US5723104A (en) | Monocyclic functional dyes for contrast enhancement in optical imaging | |
CN109432420B (zh) | 一种纳米颗粒的制备方法 | |
JP2012509300A (ja) | 色素コンジュゲートイメージング剤 | |
CN111943954A (zh) | 二氢卟吩衍生物及其相应的制备方法和用途 | |
WO2022138550A1 (ja) | 血管のイメージング試薬 | |
CN110064059B (zh) | 一种荧光/光声/spect多模式成像纳米探针的制备方法及其在癌症诊断中的应用 | |
CN105037490B (zh) | 一类乙二醛酶i不可逆抑制剂及其制备方法和用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140701 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140828 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140902 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150303 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150507 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150526 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150724 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150911 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5817073 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |