JP2011173859A - 新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 - Google Patents

新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のインドシアニングリーン(以下、「ICG」と略記する)又は類似する化合物を2種類以上用いた場合に別々に観察可能な診断用組成物を提供すること。
【解決手段】ICGの緑色発色団(緑色を呈するに必要な化学構造体)及び近赤外蛍光団(近赤外蛍光を発するに必要な化学構造体)を変化させず、インドシアニン分子の疎水性部位を環状糖鎖シクロデキストリンの空洞に包接させ、インドシアニン分子の疎水性部位をグルコースで被覆した新規インドシアニン化合物を見出した。そのときに励起光及び/又は蛍光の波長が大きく異なる化合物を得ることができ、波長が異なる化合物を2種類混合して用いることにより被検体内における体内動態を別々に観察することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、医療診断技術、医療外科手術技術、科学測定分析技術、印刷技術、筆記技術、塗装技術、染料技術、染色技術に有用な緑色色素であり、かつ近赤外蛍光を発する性質を有する新規インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法に関する。さらに詳しくは、緑色色素でありかつ近赤外蛍光を発する性質を有する環状糖鎖シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を用いた診断用組成物及び分析方法に関するものである。
これまで緑色色素であり近赤外蛍光を発するインドシアニン化合物は種々合成されており、それらは、例えば医療分野では、眼の硝子体手術に用いる染色用色素、肝機能検査薬に用いる色素、循環機能検査薬に用いる色素、外科手術に用いる色素、外科手術に用いる近赤外蛍光化合物、科学分野では、タンパク質や糖などの染色や蛍光化用化合物、印刷技術では色素として多くの用途がある。これらのインドシアニン化合物の中でインドシアニングリーン(以下、「ICG」と略記する)とよばれる化合物は、50年近く肝機能検査薬及び循環機能検査薬として用いられている。近年、ICGの用途として肝機能検査薬及び循環機能検査薬以外に、試行ではあるが、体内、例えば血管、リンパ管、脳、眼、胃、乳、食道、皮膚、あるいはその他の部位にICGを投与し、ICGの近赤外蛍光を観察することによる医療手術及び医療診断が行われるようになった(非特許文献1)。
インドシアニン化合物は、約700nm-800nmの励起光照射により約750nm-850nm付近の近赤外の蛍光を発する。約750nm-850nmの近赤外蛍光は生体からの透過性がよく、生体関連の蛍光分析に使用されている。
"ICG蛍光Navigation Surgeryのすべて" , 草野満夫監修・編集, インターメディカ社, (2008年11月発行). "(商品名) ジアグノグリーン注射用25mg" (第一三共株式会社)の添付文書が掲載されているインターネットホームページのURL(https://www.daiichisankyo.co.jp/med/contents/di/dg2/pi/pdf/pi_dg2_0909.pdf) R. C. Benson, H. A. Kues, Phys. Med. Biol., 23, 159-163 (1978). S. Yoneyama, T. Saito, Y. Komatsu, I. Koyama, K. Takahashi, J. Duvoll-Young, IOVS, 37, 1286-1290 (1998). Y. Ye, W. P. Li, C. J. Anderson, J. Kao, G. V. Nikiforovich, S. Achilefu, J. Am. Chem. Soc., 125, 7766-7767 (2003). K. Teranishi and S. Tanabe, ITE Letters on Batteries, New Technologies & Medicine, 1, 53-60 (2000).
しかしながら、ICGの緑色発色団(緑色を呈するに必要な化学構造体)及び近赤外蛍光団(近赤外蛍光を発するに必要な化学構造体)は疎水的であり、その水溶化のためにスルホニル基が側鎖末端に結合している。このため従来のICGには、以下のように多くの問題点があった。
ICG製剤の医療での一般的な使用では、ICG25mgに蒸留水を約5mLから10mLを加え、振動撹拌により溶解する。ICGが完全に溶解されていない場合は、悪心、吐気、発熱、ショック様症状が現れることがある(非特許文献2)。又、不溶化のため生理食塩水など他の水溶液で初期溶解することはできない(非特許文献2)。
ICGは、上記のようにスルホニル基が結合しているので水溶性ではあるが、化学構造上疎水性の炭化水素基が多く界面活性を有することから脂質への吸着が生じる性質を有する。従って、血管や臓器などの生体組織に注入した際に、その注入部位に付着し、又誤って漏らし、あるいは逆流すことにより目的としない生体組織に付着することがある。生体組織に付着したICGは、拭取り操作や吸引操作では容易に生体組織から除去することができず、外科手術や医療診断に支障をきたすことがある。
ICGは、水溶液中では分子会合する性質がある。それを要因の1つとして、水溶液中での蛍光強度は低い(非特許文献3、4)。又、不溶化する要因の1つである。
又、ICG製剤には、5%以下のNaIが含有され、ヨード過敏症を起こす恐れがある問題点をも有している(非特許文献2)。
さらに、ICGは吸着する生体組織・物質が固有であることと、特定励起波長(約700nm-800nm)に対して特定波長の蛍光(約750nm-850nm)のみを示すことから、該組織・物質以外の組織・物質を造影したり、任意の組織・物質を選択的に造影することができなかった。
本発明者は、上記のような従来のICGの問題点を解決した新規化合物を創出した。そこで本発明は新しく創出した新規化合物を効果的に用いた診断用組成物及び生体の分析方法を提供することを解決すべき課題とする。
まず、本発明の診断用組成物を創出するに至った経緯を説明する。本発明者は、上記の実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、これまでと同様な外科手術法や医療診断法で使用することが可能であるところの、すなわちICGと同様な緑色を呈し、同様な近赤外蛍光を発する性質を利用した外科手術や医療診断で使用することが可能であるところのICGの緑色発色団(緑色を呈するに必要な化学構造体)及び近赤外蛍光団(近赤外蛍光を発するに必要な化学構造体)を変化させず、上記のICGの問題点を解決した。
すなわち、水あるいは生理食塩水での溶解性が高く、生体組織からの除去が容易であり、水溶液中での分子会合が低く、水溶液中での近赤外蛍光強度が高く、緑色色素で近赤外蛍光を発することを特徴とする新規インドシアニン化合物を見出した。さらには、その新規インドシアニン化合物の化学合成法及び精製法をも見出した。
本発明に関連する第一の新規インドシアニン化合物は、ICGの緑色発色団(緑色を呈するに必要な化学構造体)及び近赤外蛍光団(近赤外蛍光を発するに必要な化学構造体)に環状糖鎖シクロデキストリンを共有結合させた化合物である。さらに、本発明に関連する第二の新規インドシアニン化合物は、シクロデキストリンの空洞内にインドシアニン構造の疎水性部位であるナフチル部位を包接させることにより親水性のグルコース基で疎水性部位であるナフチル部位を被覆し、インドシアニン分子構造の多くの領域を3次元的に親水性にすることを特徴とした新規インドシアニン化合物である。従って、ICGが疎水性部位とスルホニル基の親水性を併せ持つ界面活性様の性質を特徴とするのに対し、本発明の化合物は、その分子内の疎水性部位をシクロデキストリンで被覆しているため界面活性様の性質を有しないことを特徴としている。より詳細には、本発明に関連する新規化合物、その合成方法、及びその精製方法は、
<1>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンが共有結合してなることを特徴とする、化学式1で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸、)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換できる。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される(窒素に結合する置換としてはアルキル基などが挙げられる。)。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
<2>インドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されることを特徴とする、化学式2で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換できる。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
<3>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがアミド結合を介して共有結合してなること特徴とする化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であって、化学式3で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換できる。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。m、nは、1以上6以下の整数である。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
<4>インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがアミド結合を介して共有結合してなること特徴とする化学式2に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であって、化学式4で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換できる。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。m、nは、1以上6以下の整数である。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
<5>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式5で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、n、p、qは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<6>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式6で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、n、p、qは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<7>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式7で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<8>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式8で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<9>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式9で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<10>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式10で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<11>化学式3に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式11で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<12>化学式4に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物において、化学式12で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物である。
(sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
<13>(1)インドシアニンカルボン酸化合物とアミノシクロデキストリンとを溶媒中で混合する工程と、(2)脱水縮合剤を加えて脱水縮合反応させる工程とを含むことを特徴とする、前記の化学式(化学式1,3,5,7,9,11)のいずれか1つに記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の化学合成法である。
<14>前記の化学式(化学式1,3,5,7,9,11)のいずれか1つに記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物を、水中で包接反応させることを特徴とする前記の化学式(化学式2,4,6,8,10,12)のいずれか1つに記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の化学合成法である。
<15>前記の化学式(化学式1乃至12)のいずれか1つに記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の精製法であって、該化合物をHClを含有する溶媒で溶出するカラムクロマトグラフィーによる精製法である。
本発明の診断用組成物はこれら<1>〜<15>の知見に基づき、下記化学式26で表される新規化合物が、その他の前記の化学式(化学式1乃至12)の化合物と比較して特異的な性質を有すること、そしてその特異的な性質を利用して診断を行うことができることを発見し、その知見に基づき完成したものである。具体的には、下記化学式26で表される化合物とその他の化合物とは励起光の波長が大きく異なっているか又は励起光の波長が近似していても生成する蛍光波長が異なっている上に、生体内における動態についても異なることから、化学式26で表される新規化合物とその他の化合物とを併用することにより、それらの化合物の体内動態を個別に観察することが可能であるというものである。すなわち、本発明は、
(1)下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物におけるRが−NX(Xは独立して選択される水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基)である化合物Aと、
Rが、−Cl、−OCH3、
のうちの何れか1つである下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、上記化学式1〜12のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、及びインドシアニングリーンからなる群から選択される1種以上の化合物である化合物Bと、
を別々でなる又は混合してなる発色剤を有し、
前記発色剤をそれぞれ別々に、又は、混合物として生体内に注入、又は、生体に塗布した後、それぞれに対応する励起光が照射されることで、化合物A及びBのうちの対応する化合物の分布を観察できることを特徴とする診断用組成物である。
なお、化学式26に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、そのインドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されていてもよい。
(2)前記の診断用組成物であり、水溶液であって、実質的にヨウ素を含有しないことを特徴とする体内に注入して用いられる診断用組成物である。
(3)前記化合物Aの励起光と前記化合物Bの励起光との波長が異なる請求項1又は2に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
前記化合物Aに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法である。
(4)同一の励起光を照射した場合に生成する蛍光の波長が、前記化合物Aと前記化合物Bとで異なる請求項1又は2に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
前記化合物Aから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第1撮像工程と、
前記化合物Bから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第2撮像工程と、
を有し、
前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法である。
化学式1又は化学式2で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物によれば、ICGに比べて、水あるいは生理食塩水での溶解性が高く、生体組織からの除去が容易であり、水溶液中での分子会合が低く、水溶液中での近赤外蛍光強度が高く、ヨードを含まないことを特徴とする緑色色素で近赤外蛍光を発する化合物である。特に化学式26で表される新規化合物はその他の化合物と比べて、励起光の波長(及び/又は蛍光の波長)、及び体内動態が異なるものであり、そのような新規化合物を利用した本発明の診断用組成物及び分析方法は、一度に2種類以上の蛍光物質を投与可能であり、それぞれの分布を極短時間に観察することができる。更に、本発明の診断用組成物によれば、ヨード過敏症の原因ともなるヨウ素を含有しない診断用組成物を提供することができる。
ICG及び化学式20で示される化合物のヒトの皮膚への吸着性試験の結果である。ICG及び化学式20で示される化合物の1mM水溶液(0.03mL)を腕に塗布した直後(写真左)、5分後に水洗した直後(写真中央)、さらに擦って水洗した直後(写真右)を表す。なお、右側の点は赤色ペンによるマーカーである。 ICG及び化学式20で示される化合物のセルロース繊維への吸着性試験の結果である。ICG及び化学式20で示される化合物の1mM水溶液(0.05mL)を綿棒に塗布した直後(写真上)、3分後に流水で5秒間水洗した直後(写真下)を表す。 ICG及び化学式20で示される化合物の生体の肉モデルへの吸着性試験の結果である。ICG及び化学式20で示される化合物の1mM水溶液(0.05mL)を、豚ロース肉の直径5mmの凹に塗布した直後(写真左)、3分後に流水で10秒間水洗した直後(写真右)を表す。 ICG及び化学式20で示される化合物の生体のタンパク質モデルへの吸着性試験の結果である。ICG及び化学式20で示される化合物の1mM水溶液(0.05mL)を、鶏ささみ肉の直径5mmの凹に塗布した直後(写真左)、3分後に流水で10秒間水洗した直後(写真右)を表す。 ICG及び化学式20で示される化合物の疎水性化学繊維への吸着性試験の結果である。ICG及び化学式20で示される化合物の1mM水溶液(0.05mL)をポリプロピレンマスクに塗布した直後(写真左)、20分放置後に流水で1秒間水洗した直後(写真右)を表す。 ICG及び化学式20で示される化合物の分子会合試験の結果である。左図がICG、右図が化学式20で示される化合物である。 化合物A及びICGの混合物を投与したラットにおける観察結果である。左図が化合物Aに対応する励起光を照射した場合、右図がICGに対応する励起光を照射した場合である。
本発明の診断用組成物は後述する本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物を色素として採用することにより、ヨウ素を含有させることなく診断に用いることも可能になった。本診断用組成物は従来から用いられているICGを含有する診断用組成物を代替することが可能である。例えば、肝機能検査薬、循環機能検査薬などの用途である。また、体内、例えば血管、リンパ管、脳、眼、胃、乳、食道、皮膚、あるいはその他の部位に投与して生成する近赤外蛍光を観察することによる医療手術及び医療診断に適用できる。本発明の診断用組成物に含まれる色素は生体との結合性が少なく、長時間にわたって必要な部位を標識させることが可能である。本診断用組成物は化合物Aと、化合物B及び/又はICGとを有する。化合物A及びBは前述の通り複数の化合物であり得るため、本診断用組成物は化合物Aから複数の化合物を有することも、化合物Bから複数の化合物を有することも、化合物A及びB及びICGを含むことも可能である。本診断用組成物は被検体内に投与する際には水溶液であることが望ましいが特に限定されない。また、投与に至るまでの保存時における形態は限定しない。従って、投与に至るまでの本診断用組成物はそれらの化合物の混合物であってもよいし、それぞれの化合物を別々に有していても良い。更には水溶液として調製されていても良いし、固体状に製剤化されていても良い。水溶液として投与する場合には、製剤を溶解する水を有していても良い。別々に化合物を有する場合にはある化合物は水溶液として有し、その他の化合物は固体状に製剤化されている形態を採用することもできる。診断用組成物には必要に応じて等張化剤としての塩やその他の添加物を含んでいても良い。その他、本診断用組成物の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合には、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水、溶媒など)を含有させることができる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等を用いることができる。溶媒としては水の他、必要に応じて、DMF、アルコールなどを混合溶媒として用いることができる。
製剤化する場合の剤形も特に限定されず被検体に投与する方法に応じて適正に選択される。剤形の例は錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、及び座剤である。これらの剤形で投与された後、体内における動態を観察することができる。特に注射剤として製剤化することにより、血液中における体内動態を好適に観察できる。
また、蛍光を検出できる検出装置において発光する蛍光の波長が分離して検出可能な化合物を2種類以上を混合して用いることも可能であり、更に、蛍光の波長が分離可能でなくても励起光の照射装置において励起光を分離して照射可能な2種類以上を混合して用いることも可能である。従って本発明の診断用組成物を用いて行う分析方法では、被検体に対して2つの化合物を同時に投与した状態でそれぞれの化合物の生体内動態を観察可能である。投与方法としては血液などの体液中に投与して体液内における分布を観察したり、内臓の表面などに塗布して、その表面からの吸収の様子を観察したりすることができる。被検体としては生体(人間、その他の動物のいずれでも良い。その場合、生体の外部から撮像することも、開腹した状態や内視鏡などにより生体内を直接観察できる状態など生体の内部から撮像することも可能である。)をそのまま対象にすることが可能であることはもちろん、生体以外にも励起光及び蛍光が透過可能なものについても対象にすることができる。第1及び第2撮像工程は撮像素子により電気的に行うこともできるし、写真乾板・写真フィルムなどにより化学的に行うこともできる。
<1.非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物及びその合成>
本発明に関連する非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物としては、化学式1、化学式3、化学式5、化学式7、化学式9、化学式11を挙げることができ、その合成法は、インドシアニン化合物とシクロデキストリン化合物を溶液中において反応させることにより成し遂げられる。
化学式1及び3において、シクロデキストリンに相当する部分による包接を考慮すると、R〜R及びR13〜R16はシクロデキストリンによる包接を阻害しないように嵩高くないものであることが望ましい。例えば、水素や、炭素数1〜3程度の、アルキル基又はアルコキシ基である。特に水素、メチル基、メトキシ基が望ましく、更には水素が望ましい。R,R,R11及びR12もシクロデキストリンによる包接のためにはR〜R及びR13〜R16ほどではないが嵩高くないことが望ましい。例えば、水素、炭素数1〜6程度の、アルキル基又はアルコキシ基である。R〜R及びR11〜R16はシクロデキストリンにより包接される部位であるため親水性の官能基を導入する場合であっても全体としては疎水性にすることが望ましい。R17,R18,R22及びR23はシクロデキストリンの包接にはあまり影響を与えないため上述の置換基であれば特に限定しない。R,R10,R19及びR21は合成の容易さの観点からは水素であることが望ましい。 R,R及びR20も上述の置換基であれば特に限定しない。
本発明に関連する非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、アミド結合によりインドシアニン化合物とシクロデキストリン化合物が共有結合してなる場合、その非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物合成法は、インドシアニンカルボン酸化合物とアミノシクロデキストリン化合物を溶液中において脱水縮合反応させることによって成し遂げられる。
<2.包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物>
本発明に関連するシクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、化学式2で示されるインドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンが共有結合してなるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であり、インドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されていることを特徴とする化合物である。又、インドシアニンのナフチル基がシクロデキストリンの空洞に包接され、近赤外蛍光を発するのであれば、インドシアニン基に置換基を有していても良い。又、シクロデキストリンには、さまざまな種類が知られているが、インドシアニンのナフチル基がシクロデキストリンの空洞に包接されるものであることが必要条件となる。例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンが例示される。好ましくは、β−シクロデキストリンがあげられる。又、シクロデキストリンに置換基が付いていても良い。
化学式2及び4において、R〜R及びR13〜R16はシクロデキストリンによる包接を阻害しないように嵩高くないものであることが望ましい。例えば、水素や、炭素数1〜3程度の、アルキル基又はアルコキシ基である。特に水素、メチル基、メトキシ基が望ましく、更には水素が望ましい。R,R,R11及びR12もシクロデキストリンによる包接のためにはR〜R及びR13〜R16ほどではないが嵩高くないことが望ましい。例えば、水素、炭素数1〜6程度の、アルキル基又はアルコキシ基である。R〜R及びR11〜R16はシクロデキストリンにより包接される部位であるため親水性の官能基を導入する場合であっても全体としては疎水性にすることが望ましい。R17,R18,R22及びR23はシクロデキストリンの包接にはあまり影響を与えないため上述の置換基であれば特に限定しない。R,R10,R19及びR21は合成の容易さの観点からは水素であることが望ましい。R,R及びR20も上述の置換基であれば特に限定しない。インドシアニン基とシクロデキストリンの結合は、共有結合であれば良く、特に限定されることはなく、例えば、アルキル結合、アミノ結合、アミド結合、二重結合、三重結合、エステル結合、エーテル結合等が例示できる。ただし、化学合成上、効率的であることを重視するのであれば、アミド結合が好まれる。
インドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接されるには、スペーサーを用い、インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがスペーサーを介して共有結合してなることが好ましい。この時、化学式2中のスペーサーの長さを調整することにより、インドシアニンのナフチル基のシクロデキストリンの空洞への包接の程度を制御することが可能となる。
従って、インドシアニン類と環状糖鎖シクロデキストリンがスペーサーを介して共有結合してなるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物であり、インドシアニンのナフチル基がシクロデキストリンの空洞に包接されていることを特徴とする化合物としては、化学式4のものが好ましく例示される。さらには、化学式6、化学式8、化学式10のものが好ましく例示される。さらには、化学式12のものがより好ましく例示される。化学式6におけるm,n,p及びqは、m+p及びn+qのそれぞれが5以上7以下であることが望ましい。シクロデキストリンによる包接の容易さを考慮すると、どの化学式(化学式1〜10)においてもインドシアニンに相当する構造における窒素原子とシクロデキストリンに相当する構造における酸素原子との間の構造(スペーサ)における原子数が7以上9以下であることが望ましい。
<3.包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の合成>
本発明に関連する包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、以上の通りのものであり、その合成法は、上記で合成した非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を合成前駆体とし、該化合物を水溶液中に溶解することにより成し遂げられる。水溶液には、包接化を妨げなければ、如何なる物質を含んでいても良く、水含量は、特に限定されることはない。又、包接化に適した温度は、−20℃から100℃であり、好ましくは0℃から50℃である。又、包接化に要する時間は、水溶液に添加した直後から1ヶ月程度である。包接化反応は、以上のごとく非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の性質、包接化反応の温度、水溶液の組成、濃度などによりさまざまな形態をとることは明白である。
又、本発明に関連する非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、水を含む溶媒に溶解させることで包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物に変換することができる。溶媒中の水の含有割合は特に限定しないが大きい方が原理的に包接が進行しやすく、50質量%以上とすることが望ましい。更に、水溶液以外の溶媒において包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を形成するものがあれば、特に水溶液で包接化を行う必要はない。
又、非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を合成した段階で包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を形成する場合があり、この場合は、改めて包接化反応を行う必要はない。
<4.非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の合成法(合成の一例)>
化学式11に示される化合物の合成を一例として挙げる。化学式11で示されるインドシアニン化合物は、例えば非特許文献5に記載の方法により合成する化学式13に記載の化合物と、非特許文献6に記載の方法により合成する化学式14と、脱水縮合剤として例えば水溶性カルボジイミド(WSC:例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が挙げられる)やジシクロヘキシルカルボ汁イミド(DCC)と、溶媒としてのピリジンやN,N−ジメチルホルムアミドあるいは水溶液と、を加え−20℃から60℃で10分から100時間反応することにより得ることができる。又、反応を活性化させるために活性化剤として例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加することもできる。脱水縮合剤の量は、化学式13に記載の化合物と2倍モルあるいはそれ以上であり、使用する溶媒は、反応物が溶解し、脱水縮合反応を妨げなければ制限されない。活性化剤は、脱水縮合反応を活性化するものであれば制限されず、添加する量は脱水縮合反応が期待どおりに進行する量であれば制限されない。
<5.非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の精製法>
上記の方法で合成した非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を含む混合物を酸性水溶液に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィーに供し、溶出液として例えば酸を含む水とメタノール混合液、あるいは酸を含む水とアセトニトリル混合液、あるいは酸を含む水とエタノール混合液、あるいは酸を含む水とアセトン混合液のうちのいずれかを用いることにより溶出させ、高純度の非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物を単離・精製することができる。酸としては、非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物が分解せず、溶出が効率的であり、溶出後の処理が容易であれば制限されないが、例えば塩酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、硫酸、硝酸、蟻酸などをあげることができる。好ましくは塩酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、更に好ましくは塩酸をあげることができる。酸の濃度は、非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物が分解せず、溶出が効率的であり、溶出後の処理が容易であれば制限されないが、0.01mMから10mMが好ましく、さらには、0.1mMから1mMがより好ましい。濃度をこの範囲内にすることにより目的の化合物が分解されず且つ速やかに溶出させることができる。溶出された非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、溶媒を除去することにより固体として得ることができる。溶媒の除去方法としては凍結乾燥することもできる。
<6.包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の合成法(合成の一例)及び精製法(精製の一例)>
上記の方法で合成及び精製した化学式11で記載される非包接型シクロデキストリン結合インドシアニン化合物は、例えばDMSO中では非包接型であるが、水に溶解するとすぐに、包接型である化学式12で記載の化合物となる。この現象は、H NMRで確認することができる。
従って、包接型化合物は水溶液中であれば、包接型化合物として存在し、包接型化合物として用いることができる。又、水溶液中の包接型化合物は、その水溶液の水を除去することにより固体とし、包接型化合物の固体とすることも可能である。
<7.定義等>
本発明において、「アルキル基」とは、置換基を有していてもよい炭素数1個〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基をいい、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコサニルなどの直鎖の基、又は分岐状に結合した基をいう。
本発明において、「アルコキシル基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、メチキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシエトキシ、エトキシプロポキシ、メトキシエトキシエトキシ基などの炭素数1個〜20個のアルコキシル基が直鎖上に又は分岐状に結合したものなどを挙げることができる。
本発明において、「アリール基」とは、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜20個の芳香族炭化水素を挙げることができる。
以下に本発明の好適な一実施の形態を実施例によって具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施形態によって限定されるものでなく、本発明の範囲で様々に改変して実施することができる。
<試験1:化学式15及び化学式16で示される化合物の合成及び精製>
化学式13で示される化合物0.20g、化学式14で示される化合物0.94g、WSC0.18g、HOBt0.12g、ピリジン4.0mL、N,N−ジメチルホルムアミド2.0mLの混合物を0℃、暗所において6時間撹拌した。その後、アセトン50mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式15で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式16で示される包接型化合物0.65gを得た(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので自然と包接型となる)。
次に、化学式16で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 26 ℃, Acetone: 2.10 ppm) 1.43 (2H, m), 1.55 (2H, m), 1.99
(6H, s), 2.09 (6H, s), 2.63 (6H, m), 2.80 (6H, m), 2.92 (2H, m), 3.02 (2H, dd, J = 3.7, 9.8 Hz), 3.08 (2H, t, J = 9.2 Hz), 3.2-4.1 (m), 4.19 (2H, t, J = 9.8 Hz), 4.26 (2H, t, J = 9.8 Hz), 4.33 (2H, m), 4.43 (2H, m), 4.71 (2H, d, J = 2.4 Hz), 4.81 (4H, d, J = 3.7 Hz), 4.91 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.99 (2H, d, J = 3.7 Hz),
5.08 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.13 (2H, d, J = 3.1 Hz), 6.15 (2H, d, J = 13 Hz), 6.52 (2H, t, J = 12 Hz), 7.43 (4H, m), 7.57 (1H, d, J = 12 Hz), 7.57 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.78 (2H, m), 8.06 (3H, m), 8.15 (2H, d, J = 8.5 Hz).ESI-MS m/z calcd for C131H191N4O722972, found 2973 [M]+.
<試験2:化学式19及び化学式20で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.17g、メタノール5mL、t−BuOK0.30gの混合物を室温で12時間撹拌した。その後、1M塩酸3mLを加え、さらに水50mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、減圧乾燥し化学式18で示される化合物0.17gを得た。
化学式18で示される化合物0.02g、化学式14で示される化合物0.081g、WSC0.016g、HOBt0.011g、ピリジン0.3mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.2mLの混合物を0℃、暗所において6時間撹拌した。その後、アセトン5mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式19で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式20で示される包接型化合物0.045gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので自然と包接型となる。)
次に、化学式20で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 40 ℃, Acetone: 2.26 ppm) 1.54 (2H, m), 1.68 (2H, m), 1.98
(2H, m), 2.19 (6H, s), 2.20 (2H, m), 2.30 (6H, s), 2.6-2.85 (10H, m), 2.95 (2H,
m), 3.00 (4H, m), 3.08 (2H, t, J = 12 Hz), 3.17 (2H, dd, J = 3.7, 9.8 Hz), 3.26
(2H, t, J = 9.8 Hz), 3.35-4.30 (m), 4.35 (2H, t, J = 9.2 Hz), 4.50 (2H, t, J = 9.2 H), 4.52 (2H, m), 4.63 (2H, m), 4.87 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.95 (d, J = 3.1 Hz), 4.97 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.15 (2H, d, J = 4.3 Hz), 5.25 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.29 (2H, d, J = 3.7 Hz), 6.30 (2H, d, J = 14.6 Hz),
7.58 (4H, m), 7.73 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.95 (2H, m), 8.25 (2H, m), 8.32 (2H, d, J = 14.6 Hz), 8.35 (2H, d, J = 8.5 Hz).ESI-MS m/z calcd for C135H197N4O733042, found 3042 [M]+.
<試験3:化学式21で示される化合物の合成及び精製>
化学式13で示される化合物0.04g、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β−シクロデキストリン0.18g、WSC0.05g、HOBt0.025g、ピリジン0.8mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.4mLの混合物を0℃、暗所において3時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式21で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式21で示される化合物0.11gを得た。
次に、化学式21で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 29 ℃, Acetone: 2.10 ppm) 1.79 (12H, br.), 2.68 (4H, br.),
3.0-4.5 (98H), 4.4 (4H, br.), 4.5-5.3 (14H, br.), 6.18 (2H, br.), 6.46 (2H, br.), 7.3-8.2 (15H).ESI-MS m/z calcd for C125H179N4O702856, found 2856 [M]+.
<試験4:化学式23で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.02g、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β−シクロデキストリン0.096g、WSC0.032g、ピリジン0.5mL、0.1Mリン酸緩衝液0.05mLの混合物を室温、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びアセトニトリルの混合液を使用し、化学式23で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式23で示される化合物0.014gを得た。
次に、化学式23で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 26 ℃, Acetone: 2.15 ppm) 1.26 (4H, m), 1.5-2.25 (24H, br), 2.7-4.2 (88H), 4.82 (2H, br), 4.90 (8H, br), 4.97 (2H, br), 5.03 (2H, br), 6.11 (2H, br), 6.36 (2H, br), 7.3-8.01 (15H, br).ESI-MS m/z calcd for C131H191N4O702940, found 2940 [M]+.
<試験5:化学式24で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.20g、3-アミノ-3-デオキシ-β−シクロデキストリン0.02g、WSC0.096g、HOBt0.013g、ピリジン0.4mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.2mLの混合物を室温、暗所において1時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びメタノールの混合液を使用し、化学式24で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式24で示される化合物0.013gを得た。
次に、化学式24で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 29 ℃, Acetone: 2.10 ppm) 1.1-2.5 (28H), 3.0-4.25 (88H), 4.5-5.2 (14H), 7.3-8.02(15H).ESI-MS m/z calcd for C131H191N4O702940, found 2940 [M]+.
<試験6:化学式25で示される化合物の合成及び精製>
化学式22で示される化合物0.02g、化学式14で示される化合物0.1g、WSC0.032g、ピリジン0.5mL、0.1Mリン酸緩衝液0.05mLの混合物を室温、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に水及びメタノールの混合液を使用し、化学式25で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式25で示される化合物0.021gを得た。
次に、化学式25で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 25 ℃, Acetone: 2.10 ppm) 1.0-2.5 (32H), 3.0-4.5 (96H), 4.8-5.2 (14H), 6.09 (2H, br), 6.37 (2H, br), 7.3-8.02 (15H, br).ESI-MS m/z calcd for C137H203N4O723056, found 3056 [M]+.
<試験7:化学式27で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.10g、メタノール2.0mL、50%ジメチルアミン水溶液0.25gの混合物を室温で2時間撹拌した。その後、1M塩酸2.0mLを加え、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、減圧乾燥し化学式27で示される化合物0.094gを得た。
次に、化学式27で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 80 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.81 (12H, s), 1.88 (2H, m), 2.50-2.65 (8H, m), 3.59 (6H, br. s), 4.23 (4H, br. s), 5.70 (2H, br.), 7.3-7.6 (8H, m), 7.89 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.90 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.07 (2H, d, J = 8.6 Hz). ESI-MS m/z calcd for C46H50N3O4708, found 708 [M]+.
<試験8:化学式28,29で示される化合物の合成及び精製>
化学式27で示される化合物0.03g、化学式14で示される化合物0.13g、WSC0.024g、HOBt0.016g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において24時間撹拌した。その後、アセトン5mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式28で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式28で示される化合物および化学式29で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し濃青色固体の化学式29で示される包接型化合物0.092gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式28で示される化合物は化学式29で示される化合物である包接型となる。)。
次に、化学式29で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 27 ℃, Acetone: 2.10 ppm) 1.48 (2H, m), 1.58 (2H, m), 1.80 (2H, m), 1.99 (6H, s), 2.04 (6H, s), 2.5-4.3 (m), 4.70 (2H, d, J = 307 Hz), 4.80 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.82 (2H, d, J = 4.3 Hz), 4.90 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.05 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.07 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.15 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.85 (2H, d, J = 15 Hz), 7.30 (4H, m), 7.45 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.51 (2H, d, J = 15 H), 7.74 (2H, d, J = 8.0 Hz), 8.02 (2H, d, J = 8.0 Hz), 8.09 (2H, d, J = 8.0 Hz). ESI-MS m/z calcd for C136H200N5O723055, found 3055 [M]+.
<試験9:化学式30で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、3−フランボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式30で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式30で示される化合物0.066gを得た。
次に、化学式30で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 26 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.54 (12H, s), 1.90 (2H, br.), 2.57 (4H, t, J = 6.7 Hz), 2.65 (4H, br.), 4.39 (4H, br.), 6.35 (2H, d, J = 14.6 Hz), 6.56 (1H, s), 7.39 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.53 (2H, t, J = 7.9 Hz), 7.56 (2H, d, J = 14.6 Hz), 7.65 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.82 (1H, s), 7.92 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.95 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (1H, s), 8.07 (2H, d, J = 9.2 Hz). ESI-MS m/z calcd for C48H47N2O5731, found 731 [M]+.
<試験10:化学式31,32で示される化合物の合成及び精製>
化学式30で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において4時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式31で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式31で示される化合物および化学式32で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式32で示される包接型化合物0.088gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式31で示される化合物は化学式32で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式32で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 50 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.62 (2H, m), 1.77 (2H, m), 1.85 (6H, s), 1.94 (6H, s), 2.14 (2H, m), 2.5-4.7 (m), 5.04 (d, J = 3.7 Hz), 5.06 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.11 (2H, d, J = 3.7Hz), 5.16 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.20 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.31 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.35 (2H, d, J = 3.1 Hz), 6.36 (2H, d, J = 12.8 Hz), 6.67 (1H, s), 7.6-7.75 (6H, m), 7.83 (1H, s), 7.85 (2H, d, 12.8 Hz), 8.01 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.19 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.29 (1H, s), 8.32 (2H, d, J = 7.3 Hz). ESI-MS m/z calcd for C138H197N4O733078, found 3078 [M]+.
<試験11:化学式33で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールボロン酸 0.22g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で1時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式33で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水より緑色結晶の化学式33で示される化合物0.041gを得た。
次に、化学式33で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 25 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.62 (12H, s), 1.93 (2H, m), 2.70 (4H, t, J = 6.7 Hz), 2.75 (4H, t, J = 6.7 Hz), 4.13 (3H, s), 4.48 (4H, d, J = 6.7 Hz), 6.34 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.48 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.55 (1H, s), 7.60 (2H, t, J =7.3 Hz), 7.66 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.68 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.96 (1H, s), 8.02 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.04 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.18 (2H, d, J = 8.5 Hz). ESI-MS m/z calcd for C48H49N4O4745, found 745 [M]+.
<試験12:化学式34,35で示される化合物の合成及び精製>
化学式33で示される化合物0.020g、化学式14で示される化合物0.080g、WSC0.023g、HOBt0.010g、ピリジン0.40mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.20mLの混合物を0℃、暗所において9時間撹拌した。その後、アセトン10mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式34で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式34で示される化合物および化学式35で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式35で示される包接型化合物0.068gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式34で示される化合物は化学式35で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式35で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 50 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.59 (2H, m), 1.77 (2H, m), 1.85 (6H, s), 1.92 (6H, s), 2.14 (2H, br.), 2.55-4.5 (m), 4.29 (3H, s), 5.04 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.06 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.12 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.15 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.18 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.31 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.34 (2H, d, J = 3.7 Hz), 6.36 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.59 (2H, br.), 7.65-7.85 (7H, m), 7.90 (1H, s), 8.01 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.20 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.32 (2H, d, J = 7.3 Hz). ESI-MS m/z calcd for C138H199N6O723092, found 3092 [M]+.
<試験13:化学式36で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.024g、4−(ジメチルアミノ)フェニルボロン酸 0.045g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.020g、水0.25mL、DME0.5mL、1MのNaOH水溶液0.03mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール10mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式36で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水より緑色結晶の化学式36で示される化合物0.020gを得た。
次に、化学式36で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 25 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.50 (12H, s), 1.95 (2H, m), 2.74 (8H, m), 3.10 (6H, s), 4.46 (4H, br.), 6.33 (2H, d, J = 14.0 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.42 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.46 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.60 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.01 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.02 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.04 (2H, d, J = 7.3 Hz). ESI-MS m/z calcd for C52H54N3O4784, found 784 [M]+.
<試験14:化学式37,38で示される化合物の合成及び精製>
化学式36で示される化合物0.020g、化学式14で示される化合物0.076g、WSC0.022g、HOBt0.0098g、ピリジン0.40mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.20mLの混合物を0℃、暗所において5時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式37で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式37で示される化合物および化学式38で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式38で示される包接型化合物0.040gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式37で示される化合物は化学式38で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式38で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 50 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.53 (6H, br.), 1.60 (6H, br.), 1.78 (2H, br.), 2.20 (2H, br.), 2.7-4.5 (m), 5.07 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.13-5.19 (6H), 5.18 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.25 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.29 (2H, d, J = 3.7 Hz), 6.35 (2H, br.), 7.2-8.3 (18H, br.). ESI-MS m/z calcd for C142H204N5O723131, found 3131 [M]+.
<試験15:化学式39で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、4−ヒドロキシフェニルボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.040g、水1.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。化学式39で示される化合物の析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥し化学式39で示される化合物0.067gを得た。
次に、化学式39で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 60 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.45 (12H, s), 1.87 (2H, br.), 2.63 (8H, br.), 4.43 (4H, br.), 6.41 (2H, d, J = 14.6 Hz), 6.93 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.01 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.36 (2H, d, J = 14.6 Hz), 7.40 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.48-7.70 (m), 7.90-8.00 (m). ESI-MS m/z calcd for C50H49N2O5757, found 757 [M]+.
<試験16:化学式40,41で示される化合物の合成及び精製>
化学式39で示される化合物0.033g、化学式14で示される化合物0.13g、WSC0.037g、HOBt0.017g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を室温、暗所において14時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式40で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式40で示される化合物および化学式41で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式41で示される包接型化合物0.088gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式40で示される化合物は化学式41で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式41で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 50 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.49 (6H, br.), 1.59 (6H, br.), 1.59 (2H, br.), 1.71 (2H, br.), 2.12 (2H, br.), 2.65-2.80 (8H, br.), 3.0-4.2 (m), 5.05 (2H, d, J = 3.05 Hz), 5.12 (2H, d, J = 2.4 Hz), 5.15-5.16 (4H), 5.18 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.26 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.29 (2H, d, J = 3.1 Hz), 6.20 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.12 (2H, br.), 7.32 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.40 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.48 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.53 (2H, br.), 7.70 (2H, br.), 7.95 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.06 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.11 (2H, br.). ESI-MS m/z calcd for C140H199N4O733104, found 3104 [M]+.
<試験17:化学式42で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.06g、3−チオフェンボロン酸 0.045g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.021g、水0.75mL、DME1.5mL、1MのNaOH水溶液0.09mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらにメタノール20mLを加えた。析出物を減圧濾過し、メタノールで洗浄し、ろ液を減圧濃縮した。得られた結晶をろ過し化学式42で示される化合物0.062gを得た。
次に、化学式42で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 26 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.44 (6H, s), 1.47 (6H, s), 1.93 (2H, br.), 2.62 (4H, t, J = 6.7 Hz), 2.68 (4H, br.), 4.41 (4H, br.), 6.34 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.06 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.34 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.52 (1H, br.), 7.55 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.65 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.92 (1H, m), 7.94 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.97 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.01 (2H, d, J = 8.5 Hz). ESI-MS m/z calcd for C48H47N2O4S747, found 747 [M]+.
<試験18:化学式43,44で示される化合物の合成及び精製>
化学式42で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において6時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式43で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式43で示される化合物および化学式44で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式44で示される包接型化合物0.090gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式43で示される化合物は化学式44で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式44で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 60 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.72 (2H, m), 1.77 (6H, s), 1.87 (6H, s), 1.87 (2H, br.), 2.24 (2H, br.), 2.80-3.00 (8H, br.), 3.25-4.60 (m), 5.16 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.17 (2H, d, J = 4.3 Hz), 5.23 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.25 (4H, d, J = 3.1 Hz), 5.38 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.42 (2H, d, J = 3.7 Hz), 6.40 (2H, d, J = 13.4 Hz), 7.28 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.53 (1H, s), 7.63-7.75 (6H, m), 7.79 (2H, br.), 8.08 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.22 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.26 (1H, br.), 8.35 (2H, d, J = 7.9 Hz). ESI-MS m/z calcd for C138H197N4O72S3094, found 3094 [M]+.
<試験19:化学式45で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.080g、2−チオフェンボロン酸 0.12g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.060g、水2.0mL、DME2.0mL、1MのNaOH水溶液0.12mLの混合物をアルゴン気流下で100℃で2.5時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体をメタノールで洗浄した後、ろ液を減圧乾燥した。残さを0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式45で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式45で示される化合物0.047gを得た。
次に、化学式45で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 24 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.45 (12H, s), 1.93 (2H, br), 2.61 (4H, t, J = 6.7 Hz), 2.69 (4H, br.), 4.41 (4H, br.), 6.37 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.09 (1H, d, J = 3.7 Hz), 7.36 (1H, dd, J = 3.7, 4.9 Hz), 7.39 (2H, t, J = 7.9 Hz), 7.41 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.53 (2H, t, J = 7.9 Hz), 7.65 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.92 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.94 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.96 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.01 (2H, d, J = 8.5 Hz). ESI-MS m/z calcd for C48H47N2O4S747, found 747 [M]+.
<試験20:化学式46,47で示される化合物の合成及び精製>
化学式45で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において13時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式46で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式46で示される化合物および化学式47で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式47で示される包接型化合物0.074gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式46で示される化合物は化学式47で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式47で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 60 ℃, Acetone: 2.44 ppm) 1.72 (2H, br.), 1.76 (6H, s), 1.85 (2H, br.), 1.88 (6H, s), 2.21 (2H, br.), 2.60-3.00 (8H, m), 3.2-4.6 (m), 5.15 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.17 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.23 (2H, d, J = 3.7 Hz), 5.25 (4H, br.), 5.37 (2H, d, J = 3.1 Hz), 5.41 (2H, d, J = 3.1 Hz), 6.41 (2H, d, J = 12.8 Hz), 7.32 (1H, s), 7.60-7.90 (9H, m), 8.08 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.21 (3H), 8.32 (2H, d, J = 7.9 Hz). ESI-MS m/z calcd for C138H197N4O72S3094, found 3094 [M]+.
<試験21:化学式48で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.10g、イミダゾール 0.20g、水1.0mL、DME2.5mL、1MのNaOH水溶液0.14mLの混合物をアルゴン気流下で80℃で16時間撹拌した。その後、1M塩酸を加え中和し、さらに水20mLを加えた。析出物をろ過し、析出体を水で洗浄した後、析出体を0.1%TFA/メタノールに溶解し、0.1%TFA/水を加え、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式48で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し水よリ緑色結晶の化学式48で示される化合物0.057gを得た。
次に、化学式48で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, 26 ℃, TMS: 0.00 ppm) 1.50 (6H, s), 1.53 (6H, s), 1.95 (2H, m), 2.64 (4H, br.), 2.74 (4H, br.), 4.46 (4H, br.), 6.45 (2H, d, J = 14.0 Hz), 6.90 (2H, d, J = 14.0 Hz), 7.38 (1H, s), 7.44 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.45 (1H, s), 7.56 (2H, t, J = 7.9 Hz), 7.68 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.87 (1H, s), 7.97 (2H, d, 7.9 Hz), 8.01 (2H, d, J = 9.2 Hz), 8.13 (2H, d, J = 7.9 Hz). ESI-MS m/z calcd for C47H47N4O4731, found 731 [M]+.
<試験22:化学式49,50で示される化合物の合成及び精製>
化学式48で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を室温、暗所において16時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式49で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式49で示される化合物および化学式50で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式50で示される包接型化合物0.085gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式49で示される化合物は化学式50で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式50で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 50 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.59 (2H, m), 1.84 (2H, m), 1.90 (3H, s), 1.93 (3H, s), 2.02 (3H, s), 2.04 (3H, s), 2.22 (2H, q, J = 9.8 Hz), 2.27 (2H, br.), 2.71 (1H, t, J = 9.2 Hz), 2.75 (1H, t, J = 9.8 Hz), 2.8-4.5 (m), 4.6-4.9 (4H, m), 4.97 (2H, br.), 5.06 (4H, br.), 5.18 (2H, br.), 5.22 (2H, br.), 5.36 (1H, d, J = 3.1 Hz), 5.39 (3H, br.), 6.58 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.65 (1H, d, J = 14.0 Hz), 7.01 (1H, d, J = 14.0 Hz), 7.20 (1H, d, J = 14.0 Hz), 7.65-7.80 (4H, m), 7.85 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.88 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.99 (1H, s), 8.04 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.06 (1H, d, J = 7.9 Hz ), 8.21 (1H, d, J = 7.9 Hz ), 8.22 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.27 (1H, s), 8.32 (1H, br.), 8.46 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.46 (1H, d, J = 7.9 Hz), 9.30 (1H, s). ESI-MS m/z calcd for C137H197N6O723078, found 3078 [M]+.
<試験23: 化学式51,52で示される化合物の合成及び精製>
化学式17で示される化合物0.030g、化学式14で示される化合物0.12g、WSC0.035g、HOBt0.015g、ピリジン0.60mL、N,N−ジメチルホルムアミド0.30mLの混合物を0℃、暗所において2時間撹拌した。その後、アセトン20mLを加え、析出物を減圧濾過し、化学式51で示される化合物を含む析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。溶出液に1mM塩酸を含む水及びメタノールの混合液を使用し、化学式51で示される化合物および化学式52で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し緑色固体の化学式52で示される包接型化合物0.032gを得た。(溶出液の減圧濃縮では、濃縮の最後は水の含有量が高いので化学式51示される化合物は化学式52で示される化合物である包接型となる。)
次に、化学式52で示される目的物の機器分析データを示す。1H NMR (500 MHz, D2O, 28 ℃, Acetone: 2.36 ppm) 1.35 (2H, m), 1.48 (2H, m), 1.8-2.20 (m), 2.50-4.50 (m), 4.70 (2H, br. s), 4.77 (2H, br. s), 4.80 (2H, br. s), 4.88 (2H, br. s), 5.00 (2H, br. s), 5.06 (2H, br.s), 5.11 (2H, br. s), 6.20 (2H, br.), 7.42 (4H, br.), 7.59 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.77 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.07 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.15 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.45 (2H, br.). ESI-MS m/z calcd for C134H194ClN4O723046, found 3046 [M]+.
<試験24:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の溶解性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水及び生理食塩水への溶解性試験を行った。水及び生理食塩水を用いたMolecular Probe社の粉末状のICGの溶解には1分間ほどの激しい振動撹拌が必要であるが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物では振動撹拌は不要であり速やかに溶解した。
<試験25:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物のヒトの皮膚への吸着性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のヒトの皮膚への吸着性試験を行った。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液(0.03mL)を腕にのせ、5分後に水洗し、さらに擦って水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物のヒトの皮膚への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図1)。
<試験26:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物のセルロース繊維への吸着性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のセルロース繊維への吸着性試験を行った。セルロース繊維のモデルとして綿棒(株式会社三洋)を用い、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で5秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物で示される化合物のセルロース繊維への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図2)。
<試験27:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体の肉モデルへの吸着性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の生体の肉モデルへの吸着性試験を行った。生体の肉モデルとして市販の豚ロース肉を用い、豚ロース肉に直径5mmの凹を作り、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で10秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体の肉モデルへの吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図3)。
<試験28:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体のタンパク質モデルへの吸着性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の生体のタンパク質モデルへの吸着性試験を行った。生体のタンパク質モデルとして市販の鶏ささみ肉を用い、鶏ささみ肉に直径5mmの凹を作り、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、3分後に流水(水道水、1L/min)で10秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の生体のタンパク質モデルへの吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図4)。
<試験29:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の疎水性化学繊維への吸着性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の疎水性化学繊維への吸着性試験を行った。疎水性化学繊維のモデルとしてポリプロピレンマスク(玉川衛材株式会社)を用い、ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの1mM水溶液0.05mLを塗布し、20分放置後(サンプルの水分が有るとマスクに付着しないため、水分を除去するために20分放置)に流水(水道水、1L/min)で1秒間水洗した。その結果、ICGは水洗では完全に洗えなかったが、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物は容易に水洗でき、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の疎水性化学繊維への吸着性は、ICGよりはるかに低いことが示された(図5)。
<試験30:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の水溶液中での分子会合性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水溶液中での分子会合性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の0.01mM、0.025mM、0.05mM、0.1mM水溶液をそれぞれ調整し、光路長1mmの石英セルに入れ、25℃で600nmから1000nmの光吸収スペクトルを測定した。その結果、ICGはこの濃度範囲においてH-aggregationとよばれる分子会合が生じたが(図6左図)、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物はこの濃度範囲においてH-aggregationとよばれる分子会合は生じないことが示された(図6右図)。
<試験31:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の水溶液中での蛍光性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の水溶液中での蛍光性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれの0.1μM水溶液を25℃で1cm角石英セルに入れ、720nmの励起光(バンドパス:10nm)で励起し、蛍光スペクトル(バンドパス:10nm)を測定した。蛍光効率は、ICGの蛍光効率0.13(in DMSO、25℃)をもとに算出した。その結果、ICGの蛍光量子効率は0.021であり、本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物の蛍光量子効率は0.054及び0.042であり、蛍光量子効率はICGの2.6倍と2倍であった。
<試験32:本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物の血液中での蛍光性>
ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)の血液中での蛍光性について検討した。ICG及び本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式16,20,21,23乃至25)のそれぞれを100μMになるように血液(人)中に溶解させた。それらの血液を25℃で三角石英セルに入れ、760nmの励起光(バンドパス:10nm)で励起し、表面蛍光スペクトル(バンドパス:10nm)を測定した。蛍光強度は、ICGは58(任意単位)であった。本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、特に化学式16及び化学式20で示される化合物の蛍光強度は270(任意単位)及び190(任意単位)であり、ICGの4.7倍と3.3倍であった。これは本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が生体内において、発光を阻害されないためであると考えられた。
<試験33:種々の化学構造をもつ本発明のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物について>
上記化学式26で表されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物においてXがメチル基である化合物(化学式28,29)と上記化学式12で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物においてsが3の場合(化学式26に対応し、特にシクロデキストリン部分にて包接されている)の置換基Rを変化させたときの化合物(化学式19、20、31,32,34,35,37,38,40,41,43,44,46,47,49,50,51,52)の極大吸収波長、極大蛍光波長について検討を行った。検討したRの構造及び測定結果を表1に示す。なお、極大吸収波長及び極大蛍光波長の測定はリン酸緩衝生理食塩水(PBS:pH7.4)緩衝液中にて行った。
表1より明らかなように、置換基Rとして-N(CH3)2を有する化合物(本明細書中において「化合物A」と称する)は、約600nmから約700nmの光励起により近赤外域である約750nmから約800nmの近赤外蛍光を出す化合物であることがわかった。それに対し、表1の他の化合物、ICGなど(化合物Bに含まれる化合物群のうちの一部に相当)は約800nm付近の励起により約800nm以上の近赤外蛍光を出すものであることが分かった。すなわち、表1の化合物の置換基Rとして-N(CH3)2を有する化合物Aと、表1におけるそれ以外の化合物やICGとでは、光励起域が大きく異なるが発生する蛍光波長は異なるものの近赤外域にあることが分かった。ここで、ICGは極大吸収波長が760nm、極大蛍光波長が828nmであり、化学式1乃至12のうちの、例えば化学式16で表されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化学式3におけるR1〜R16及びR19〜R21は水素;R17、R18、R22、及びR23はメチル基;m及びnは2;シクロデキストリンはβシクロデキストリン構成するグルコースの2位の炭素にて結合されている;アミドの窒素原子とシクロデキストリンとの間は両方ともプロピレン基にて接続されている。)は極大吸収波長が786nm、極大蛍光波長が802nmあった。
従って、化合物Aは、表1の化合物から化合物Aを除いた化合物、化学式1乃至12で表されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、及びICGからなる化合物群(以下、これらをまとめて「化合物B等」と称することもある)と混合して用いても、光励起域が大きく異なり、混合して用いた化合物B等に対して個別に励起させて蛍光を発生させることが可能であると思われる。
すなわち、化合物B等は、約550nm-650nmの励起光帯の光吸収は低く、この励起光帯の光照射では近赤外蛍光は弱い。したがって、化合物Aと化合物B等とを同時に同じ分析試料に添加した場合、約550nm-650nmの励起光帯の光を照射すると化合物A由来の近赤外蛍光が主に観察され、約700nm-800nmの励起光帯の光を照射すると化合物B等由来の近赤外蛍光を主に観察することができる。また、当然ではあるが、550nm-650nmの励起光帯と約700nm-800nmの励起光帯の光を同時に照射すれば、化合物A及び化合物B等の双方由来の蛍光を観察することができる。550nm-650nmの励起光帯と約700nm-800nmの励起光帯の光を短時間間隔、例えばミリ秒単位、あるいはそれよりも長い時間間隔で切り替え、蛍光を観察すれば、短時間で化合物A及び化合物B等の双方からの蛍光を取得できる。
化合物Aは、上記のごとく約550nm-650nmの励起光帯で励起し、約750nm-850nmの近赤外蛍光を発する光学特性を有するので、ストークシフト値が約150nmである。そのため、蛍光の検出には、励起光の影響が低く、励起光カットフィルターの使用を避けることが可能であり、蛍光が効率よく検出できる。
化合物Aは、上記のごとく化合物B等と同時に同一の分析試料に添加して分析でき、分析時間や分析試料を減らすことができ、効率的な分析を可能とする。化合物B等との共存使用だけでなく、使用目的に問題が生じなければ、他の蛍光色素との共存使用も可能である。
<試験34:シクロデキストリン結合インドシアニン化合物(化合物A)とその他の蛍光物質(ICG)との混合物について>
試験33の結果から、ICGと化合物Aとを混合して用いられるかどうかを実際に検討した。具体的には、両者を混合して用いた場合に識別できるかどうかを検討するため、それぞれの化合物にもう一方の化合物に適した励起光を照射して生成する蛍光の大きさを検討した。なお、化合物Aは生体内での使用が想定されるため、ヒト血液を用いた試験を行った。
まず、化合物Aを0.02 mM含んだヒト血液に625nmの励起光を照射した際の表面蛍光の極大波長及び蛍光強度はそれぞれ780nmと40であった。また、760nmの励起光を照射した際の表面蛍光の極大波長及び蛍光強度はそれぞれ800nmと10であった。760nmの励起光を照射した際の表面蛍光の828nmの蛍光強度は5であった。
次にICGを0.02mM含んだヒト血液に625nmの励起光を照射した際の表面蛍光の極大波長及び蛍光強度はそれぞれ828nmであり、その蛍光強度は5であった。625nmの励起光を照射した際の表面蛍光の780nmの蛍光強度は2であった。また、760nmの励起光を照射した際の表面蛍光の極大波長及び蛍光強度はそれぞれ828nmと115であった。
以上のように、625nmの光照射では780nmの蛍光において化合物AはICGに対し約20倍の強度であり、760nmの光照射では828nmの蛍光においてICGは化合物Aに対し約23倍の強度である。
化合物Aを0.02 mMとICGを0.02 mMとをそれぞれ含んだヒト血液に対し、625nmの励起光(化合物Aに対応)を照射した際の780nmの蛍光強度は42であり、次に760nmの励起光(ICGに対応)を照射した際の828nmの蛍光強度は120であった。これらの値はそれぞれ単独の化合物に対し、対応する励起光を照射した場合と殆ど変わらず、それぞれの対応する励起光によって、個別の化合物の存在を検出できることが分かった。つまり、625nmの励起光によって化合物Aを観察でき、760nmの励起光によってICGを観察できることが示された。
<試験35:化合物AとICGとの混合物の生体内での識別性について>
化合物Aを1mM含むPBS溶液(0.1 mL)とICGを1mM含むPBS溶液(0.1 mL)との混合液をラット尾静脈に注射した。次に、625nmに中心波長をもつLEDライトと、760nmに中心波長を持つLEDライトとを用い、2秒間隔で交互にラットに光照射し、近赤外蛍光観察を行った。観察は撮像素子を用いて行い2次元データとして取得した。625nmの光照射(化合物Aに対応)による観察(第1撮像工程に相当)結果を図7(a)に、760nmの光照射(ICGに対応)による観察(第2撮像工程に相当)結果を図7(b)に、それぞれ示す。両者の間には差異が認められ、両者の体内動態が異なること、そして、混合物を注射した場合であっても両者を別々に検出できることが分かった。
この波長の異なる光照射は極短時間で切り替え可能であり、化合物Aの生体内動態とICGの生体内動態とを極めて短時間で撮像することが可能であることが分かった。
本試験の結果から、化合物Aと化合物B等とを同時に同一試料に添加し、化合物Aが近赤外蛍光を発するための励起光と化合物Bが近赤外蛍光を発するための励起光を交互に照射し、それぞれの励起光に対応する近赤外蛍光を検出することにより、同一試料で短時間に分析をすることができることが裏付けられた。特に生体組織の分析においては、個体間で組織形状に差異があり、同一個体を検体とした多面的な分析を行うことは有用である。ここでの蛍光の検出とは、各蛍光波長に対する蛍光強度、分光しない全体としての総蛍光強度、蛍光スペクトルなどであり、目的に応じた方法を採用することができる。励起光を交互に照射する時間は、機器により設定することができる時間であり、例えばミリ秒単位以上が可能であった。また、それぞれの励起光を同時に照射すれば、それぞれの化合物からの蛍光を同時に検出することは可能であった。
それぞれの化合物に対応する励起光を照射して得られた蛍光を二次元データとして取得することでそれぞれの化合物の分布状況を取得することができる。二次元データは別々に取得した後にコンピュータ上などにて重ね合わせることもできる。

Claims (15)

  1. 下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物におけるRが−NX(Xは独立して選択される水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基)である化合物Aと、
    Rが、−Cl、−OCH3、
    のうちの何れか1つである下記化学式26のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、下記化学式1のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物、及びインドシアニングリーンからなる群から選択される1種以上の化合物である化合物Bと、
    を別々でなる又は混合してなる発色剤を有し、
    前記発色剤をそれぞれ別々に、又は、混合物として生体内に注入、又は、生体に塗布した後、それぞれに対応する励起光が照射されることで、化合物A及びBのうちの対応する化合物の分布を観察できることを特徴とする診断用組成物。
    (式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸、)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換できる。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される(窒素に結合する置換としてはアルキル基などが挙げられる。)。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
  2. 前記化学式1におけるインドシアニンのナフチル基の少なくとも一部がシクロデキストリンの空洞に包接され、下記化学式2で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換している。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
  3. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式3で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換している。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。m、nは、1以上6以下の整数である。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
  4. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式4で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23は、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。又、これらの置換基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸)であり、該置換基において水素イオンが解離する場合は、その水素イオンの代わりにナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンが置換している。アミノ基は1級、2級、3級、4級も選択される。m、nは、1以上6以下の整数である。さらには、R8とR9は、CH2、CH2CH2、CH2CH2CH2あるいはCH2CH2CH2CH2の環状構造も選択される。又、これらのアルキル基上に、水素原子の代わりにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環が置換した官能基も選択される。)
  5. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式5で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、n、p、qは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  6. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式6で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、n、p、qは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  7. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式7で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  8. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式8で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  9. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式9で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  10. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式10で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (式中のm、nは2以上6以下の整数である。rは5以上7以下の整数である。sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  11. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式11で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  12. 前記化学式1に記載のシクロデキストリン結合インドシアニン化合物が、下記化学式12で示されるシクロデキストリン結合インドシアニン化合物となっている請求項1に記載の診断用組成物。
    (sは0以上4以下の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホニル基、スルホン酸基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は複素環である。)
  13. 実質的にヨウ素を含有しないことを特徴とする請求項1〜12のうちの何れか1項に記載の診断用組成物。
  14. 前記化合物Aの励起光と前記化合物Bの励起光との波長が異なる請求項1〜13のうちの何れか1項に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
    前記化合物Aに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第1撮像工程と、
    前記化合物Bに対応する波長の励起光を照射し、生成する蛍光を撮像する第2撮像工程と、
    を有し、
    前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法。
  15. 同一の励起光を照射した場合に生成する蛍光の波長が、前記化合物Aと前記化合物Bとで異なる請求項1〜13のうちの何れか1項に記載の診断用組成物を投与された被検体に対し、
    前記化合物Aから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第1撮像工程と、
    前記化合物Bから生成された蛍光に対応する波長の光を分離して撮像する第2撮像工程と、
    を有し、
    前記化合物A及び前記化合物Bの被検体内での体内動態を別々に取得することを特徴とする分析方法。
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