JP5816538B2 - アノード及び金の電解精製方法 - Google Patents
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Description
このような金の電解精製方法及び装置として、例えば、特許文献1には、酸溶液の電解液、電解槽、陰極、陽極、電源、浄液設備、循環槽、及び制御装置を備えた金電解精製装置が提案されている。この提案によれば、前記電解液に酸化剤を添加することでプレーティングを抑制し、金電解精製装置の稼働率を向上させることにより、金の回収における生産性の向上を図れることが開示されている。
アノード10は、電解反応によって、アノード本体1の金が殆ど溶解されるため、通電の量、通電の方向、通電時間の調整が重要となる。しかし、通電時には、アノード及びカソードの表面、アノード内部の組成の微妙な変化が、通電に影響を与えることもある。このため、アノードの溶解状況、及びアノード本体の減肉形状を制御することは困難である。例えば、図1及び図2に示す均一な厚みのアノード本体1を有するアノード10においては、金の電解精製中にアノード本体1の溶解速度、及びアノード本体1の減肉が均一に進むとは限らない。金の電解精製中に、アノード本体1が不均一な溶解速度となると、アノード本体1の減肉形状を制御できず、図3及び図4に示すように、電解精製後のアノード10’は、アノード本体1の長さ方向中央部1aが他の部分よりも集中的に溶解してしまう。更に、アノード本体1の溶解が進むと、未だ、十分な量の金属(アノード)があっても、アノード本体1の長さ方向中央部1aよりも下部分が脱落してしまい、電解不良が発生、又は金の回収が不十分になってしてしまうという問題がある。また、アノード本体1の上部、及び取付部2を除いて最後まで溶解できず、残部が多く生じるので、アノードの鋳返し率が増加し、1つのアノード当りの金の収率が低下してしまうという課題がある。
<1> 金の電解精製に用いられるアノードであって、
アノード本体と、該アノード本体の一端に設けられた取付部とを有し、
前記アノード本体が、前記取付部と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有することを特徴とするアノードである。
<2> アノード本体が、取付部と対向する他端側に向かって厚みが漸次減少するテーパー形状を有する前記<1>に記載のアノードである。
<3> アノード本体の最大厚みDHと、アノード本体の最小厚みDLとの比(DH/DL)が2以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のアノードである。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のアノードを陽極として電解液中に金を溶解させ、陰極としてのカソードに金を析出させることを特徴とする金の電解精製方法である。
以下、本発明のアノードについて図面を参照して説明する。
図5は、本発明のアノードの一例を示す平面図、図6は、図5のB−B線での概略断面図である。
図5に示すように、本発明のアノード20は、アノード本体21と、該アノード本体21の一端に設けられた取付部22とを有している。図5では、アノード本体21の上端部の両端に2つの取付部22,22を有している。
アノード本体21の形状は、アノードと対面配置されるカソードの形状と相似していることが好ましい。例えば、カソードの形状が長方形であればアノード本体の形状を長方形とし、カソードの形状が矩形であればアノード本体の形状を矩形とする。
アノード本体21は、金品位が90質量%〜99.9質量%程度である粗金から形成されている。
前記粗金の原料としては、例えば、非鉄製錬工程で発生する粗金、金属リサイクル工程にて発生する粗金などが使用できる。金属の製錬段階で発生したものであれば、金属回収にもなり、精製等に適しているからである。なお、金の電解精製後に残ったアノード本体、アノード本体の上部、及び取付部を再溶解した材料なども用いることができる。
前記アノード本体21は、少なくとも一部がテーパー形状であることが必要であり、アノード本体の一部に均一な厚みの水平部を有していてもよいが、図6に示すように、アノード本体21の一方の面の全面がテーパー形状となっていることが好ましい。
これらの中でも、図6に示すように、アノード本体21が、取付部22と対向する他端側に向かって厚みが漸次減少するテーパー形状を有する態様が、より均一にアノード本体の溶解を図れる点から特に好ましい。
アノード本体21は、カソードと対面配置される面が表裏の両面ある。この表裏の両面ともテーパー形状としてもよいし、片方の面だけをテーパー形状としてもよい。アノード本体の片方の面だけをテーパー形状とした場合には、他方の面をカソード面と平行面とするのが好ましい。このようにアノード本体をテーパー面と平行面とし、カソードと対面する状況に差異を設けることで、アノード本体の長さ方向上部の局所的な溶解を避け、アノード本体の長さ方向下部の脱落を防止することができる。なお、前記アノード本体の平行面は、平行といっても多少の傾斜角度を有するものは許容される。
前記アノード本体21の最大厚みDHは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mm〜20mmが好ましい。
前記アノード本体21の最小厚みDLは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm〜10mmが好ましい。
前記取付部22は、アノード本体21と同じ材料を用いて一体に形成されることが好ましいが、異なる材料を用いて別体に形成することもできる。
前記取付部22の形状が正方形である場合には、1辺の長さW1は、10mm〜30mmが好ましい。
図8は、本発明の別のアノードの概略断面図を示し、アノード本体21の長さ方向上部にアノード本体21が取付部22と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有し、アノード本体21の長さ方向中央部には厚みが均一な水平部21aを有し、アノード本体21の長さ方向下部にはアノード本体21が取付部22と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有している。
図9は、本発明の別のアノードの概略断面図を示し、アノード本体21の表裏の両面が、いずれもアノード本体21の取付部22と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有している。
図10は、本発明のアノードの別の平面図を示し、アノード本体21の上端部の中央に取付部23を1つ有している。
前記収納バックは上端部が開口し、底部が閉鎖された袋状とされ、該底部は、金電解時に発生するアノードスライムを溜めることができるようになっている。
本発明の金の電解精製方法は、本発明の前記アノードを陽極として電解液中に金を溶解させ、陰極としてのカソードに金を析出させることを特徴とする。
前記金の電解精製方法に用いる金電解精製装置は、電解槽、アノード、カソード、電解のための電源制御装置、電解液、電解液の温度制御、液性調整装置を備えており、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明の金の電解精製方法は、前記金電解精製装置を用い、金であれば酸性溶液を電解液として、本発明の前記アノードの不純物量や金の回収量などに応じて、通電電流量、通電時間を設定すればよい。
この金電解精製装置100は、アノード20と、カソード31とを有し、電解液32を収容する電解槽30と、外部電源33とを有している。
アノード20としては、本発明の前記アノードが用いられている。
カソード31としては、不溶性極板(例えば、チタン製)が用いられている。
電解液32としては、塩化金酸溶液又は塩化金溶液が用いられている。
電解槽30内には、外部電源33に接続した4本のカソード31と、3本のアノード20とが等間隔交互に平行配置されている。アノード20はカソード31で挟まれており、カソード31から見ると、アノード20は、平行面とテーパー面を有している。カソードの面とアノード本体21の平行面とが平行になるように配置されている。アノード本体21のテーパー面は、対面するカソード面に対しても非平行で鋭角となる。
アノード20の上端部には、アノード本体21と一体に取付部22が2つ設けられている。
アノード20は、アノード本体21が、取付部22と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有している。このアノード20は、金の品位が90質量%〜99.9質量%程度の粗金を溶解鋳造し、金品位95質量%〜99.9質量%の矩形状に形成されている。
ここで、図5及び図6に示す本発明のアノード20を用い、このアノード20を図13に示す金電解精製装置100に装着して金の電解精製を行った。
アノード20は、矩形状のアノード本体21と、該アノード本体21の一端に設けられた取付部22とを有している。
アノード20は、粗金から鋳造され、金品位99.9質量%である。
アノード本体21の長さL1が138mm、アノード本体21の幅L2が100mmであった。
アノード本体21の最大厚みDHが17mm、アノード本体21の最小厚みDLが5mmであり、アノード本体21が、取付部22と対向する他端側に向かって厚みが漸次減少するテーパー形状を有しており、比(DH/DL)は、17mm/5mm=3.4であった。
アノード20は、アノード本体21の上端部から5mmの位置に電解液の液面が位置するようにして電解液中に浸漬されている。
カソード31としては、不溶性極板(チタン製)を用いた。
取付部22は、正方形状であり、1辺の長さW1は20mmであった。
電解液32としては、塩化金酸溶液を用いた。
金の電解精製条件としては、電流密度(Dk)100A/m2で電解精製を行った。その結果、図11及び図12に示すように、金の電解精製終了後のアノード20’は、アノード本体の上部21b、及び取付部22のみを残して溶解されており、アノード本体21の長さ方向中央部よりも下部分が脱落することなく、金品位99.99質量%以上の高純度の電気金が得られた。
金の電解精製終了後、溶解しなかったアノード本体21、アノード本体の上部21b、及び取付部22は、再度溶解鋳造してアノードとされ、再使用される。
1a 中央部
2 取付部
10 アノード
10’ 電解精製後のアノード
20 アノード
20’ 電解精製後のアノード
21 アノード本体
21a 水平部
21b 上部
22、23 取付部
30 電解槽
31 カソード
32 電解液
33 外部電源
100 金電解精製装置
Claims (3)
- 金の電解精製に用いられるアノードであって、
アノード本体と、該アノード本体の一端に設けられた取付部とを有し、
前記アノード本体が、前記取付部と対向する他端側に向かって厚みが減少するテーパー形状を有することを特徴とするアノード。 - アノード本体の最大厚みD H と、アノード本体の最小厚みD L との比(D H /D L )が2以上である請求項1に記載のアノード。
- 請求項1から2のいずれかに記載のアノードを陽極として電解液中に金を溶解させ、陰極としてのカソードに金を析出させることを特徴とする金の電解精製方法。
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