JP5962525B2 - 電解液の給液装置および給液方法 - Google Patents

電解液の給液装置および給液方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解液の給液装置および給液方法に関する。さらに詳しくは、電解採取や電解精製の電解槽に電解液を給液する給液装置および給液方法に関する。
硫化物から目的金属を回収する湿式製錬プロセスの一例を図4に基づき説明する(特許文献1参照)。
まず、ニッケルマットなどの原料を粉砕工程において粉砕した後、後述のアノライトと混合してマットスラリーとし、その大部分をセメンテーション工程に供給する。セメンテーション工程には塩素浸出工程で得られた浸出液が供給されており、この浸出液中に含まれる銅がマット中のニッケルと置換反応を起こして、硫化銅として析出する。そして、析出した硫化銅をセメンテーション残渣とともに分離し、塩素浸出工程に供給する。
セメンテーション工程の終液中にはCoやFeなどが含まれているため、浄液工程で塩素ガスを吹き込んで酸化しつつ、同時に炭酸ニッケルを添加して中和する、いわゆる酸化中和法により、これらの元素およびCu、Pb、Asなどの微量不純物を除去する。不純物を除去した液はその後、ニッケル電解液としてニッケル電解工程に送る。ニッケル電解工程においては、電解採取により、ニッケル電解液に含まれるニッケルを電気ニッケルとして回収する。ニッケル電解工程から排出されたニッケル電解廃液は、脱塩素処理工程において塩素が除去されアノライトとなり、粉砕工程、浄液工程、および後述の脱銅電解工程に送られる。脱塩素処理工程で分離された塩素ガスは塩素浸出工程および浄液工程に繰り返して再利用する。
塩素浸出工程には残りのマットスラリーとMS(Mix Sulfide:ニッケルとコバルトの混合硫化物)およびセメンテーション残渣からなるスラリーが供給される。塩素浸出工程では、浸出槽に吹き込まれる塩素ガスの酸化力によって、スラリー中の固形物に含まれる非鉄金属が実質的に全て液中に浸出される。塩素浸出工程から排出されたスラリーは固液分離装置により浸出液と浸出残渣とに固液分離される。マットに含まれていた硫黄はほとんど浸出されず、その大部分が浸出残渣として分離される。非鉄金属が浸出された浸出液の大部分は、そのままセメンテーション工程に繰り返して供給される。浸出液の一部は脱銅電解工程に送られ、電解採取により銅が除去された脱銅電解廃液が浸出液とともにセメンテーション工程に供給される。
図5に示すように、従来の脱銅電解工程の処理設備は、濃度調整槽101、ヘッドタンク102、および脱銅電解槽103を備えている。濃度調整槽101において浸出液にアノライトを混合することで、銅イオン濃度を調整して脱銅電解液とする。濃度調整槽101内の脱銅電解液はポンプPによりヘッドタンク102に送液され、ヘッドタンク102から所定の流量で脱銅電解槽103に給液される。脱銅電解槽103では、電解採取により脱銅電解液に含まれる銅を電気銅として回収する。そして、銅が除去された脱銅電解廃液が脱銅電解槽103から排出される。
ヘッドタンク102は、液面に大気圧がかかるタンクであり、液面高さと液体の流出部の高さの差である位置ヘッドを与えて液体を流出させるものである。位置ヘッドを一定にすることで液体を一定流量で定常的に流出させることができる。すなわち、ヘッドタンク102により脱銅電解液が一定流量で脱銅電解槽103に給液される。
脱銅電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液である。脱銅電解槽103においては、銅とニッケルの標準電極電位の違いを利用して、選択的に銅をカソードに電着させることで、脱銅電解液から銅を除去する。
塩化ニッケル溶液中の銅イオンを電解採取で除去する反応は、下記のアノード反応とカソード反応からなる。なお、E0は標準電極電位である。
(アノード反応)
(1) 2Cl-→Cl2+2e- E0=1.36V
(2) Cu+→Cu2++e- E0=0.16V
(3) Cu++1/2Cl2→Cu2++Cl- E0=0.42V
(カソード反応)
(4) Cu2++e-→Cu+ E0=0.51V
(5) Cu++e-→Cu0 E0=0.16V
(6) 2H++2e-→H2 E0=0V
(7) Ni2++2e-→Ni0 E0=-0.25V
アノード反応としては(1)から(3)の反応が考えられるが、主反応は塩素ガス(Cl2)の発生である。一方、カソード反応としては、最初に電位差が最も小さい(4)の反応が進み、全てのCu2+がCu+に還元される。その後、(5)の反応が進むことでCu0がカソードに電着する。ここで、銅電着反応による分極が生じても、(7)の反応によるNi0の電着はある程度抑制される。しかし、脱銅電解槽103内の銅イオン濃度がある一定値を下回ると分極が大きくなり、(7)の反応が進行してカソードにニッケルが電着してしまう。
ニッケルの電着を抑制するためには、脱銅電解槽103内の銅イオン濃度を最適な条件に調整する必要がある。具体的には、(4)の反応で得られたCu+を(2)の反応でできる限りCu0まで還元でき、かつ、(7)の反応が進行しない最低限の銅イオン濃度に調整することが求められる。例えば、脱銅電解廃液の銅イオン濃度が7g/L以上となるように調整される(特許文献2参照)。
脱銅電解槽103内の銅イオン濃度を調整するには、脱銅電解槽103の電解電流を制御する方法か、脱銅電解槽103への銅供給量を制御する方法が考えられる。電解電流を制御する方法では電解電流を低下させる場合もあり、限られた設備で銅を効率よく除去することを考慮すると、銅供給量を制御する方法の方が電解電流を維持できるため好ましい。
脱銅電解槽103への銅供給量を制御するには、脱銅電解液の給液流量を制御する方法か、脱銅電解液の銅イオン濃度を制御する方法が考えられる。脱銅電解液の給液流量を制御すには脱銅電解液の給液流量を測定する必要があるが、一般的な流量計は電解電流の影響を受けるため、脱銅電解液の給液流量を測定することは困難である。そのため、前述のごとくヘッドタンク102により脱銅電解液の給液流量を一定とすることが一般的である。そこで、従来は濃度調整槽101において脱銅電解液の銅イオン濃度を調整することで、銅脱銅電解槽103への銅供給量を制御していた。
しかし、原料である鉱石中の銅品位は一定でないため、浸出液の銅イオン濃度は原料により変動する。そのため、濃度調整槽101により脱銅電解液の銅イオン濃度を最適な条件に維持することは困難であり、脱銅電解液の銅イオン濃度が変動してしまう。そして、従来のヘッドタンク方式では、脱銅電解液の銅イオン濃度の変動に対応できず、脱銅電解槽103内の銅イオン濃度が低下し、ニッケルが電着してしまう恐れがあった。結局、ニッケルの電着を防止するためには、脱銅電解廃液の銅イオン濃度の管理値を理想的な値よりも高めに設定せざるをえず、脱銅電解槽103への銅供給量に余裕があるために、電流効率が理想的な条件から比べると低くなるという問題がある。
特許第3243929号公報 特開平5−295467号公報
本発明は上記事情に鑑み、電解液の金属イオン濃度の変動に関わらず電解槽への金属供給量を一定に調整できる電解液の給液装置および給液方法を提供することを目的とする。
第1発明の電解液の給液装置は、浸出液にアノライトまたは水を混合して、銅イオン濃度が所定の濃度に調整された電解液を得る濃度調整手段と、前記濃度調整手段から電解槽に前記電解液を送液する送液手段と、前記電解槽の電解電流の影響によらず前記電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定可能な電磁流量計と、前記電解液の給液流量を制御可能なバルブと、を備え、前記浸出液は、ニッケル硫化物を含むスラリーに塩素ガスを吹き込んで、該スラリー中の固形物に含まれる金属を液中に浸出する塩素浸出工程で得られた浸出液であり、前記電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液であり、前記電解槽は、電解採取により前記電解液中の銅を電着させる電解槽であることを特徴とする
第2発明の電解液の給液方法は、浸出液にアノライトまたは水を混合して、銅イオン濃度が所定の濃度に調整された電解液を得、電解槽に前記電解液を送液し、前記電解槽の電解電流の影響によらず前記電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定可能な電磁流量計を用いて、該電解液に含有される金属イオンの流量を測定し、前記電磁流量計の測定値が一定の値となるように前記電解液の給液流量を制御する方法であって、前記浸出液は、ニッケル硫化物を含むスラリーに塩素ガスを吹き込んで、該スラリー中の固形物に含まれる金属を液中に浸出する塩素浸出工程で得られた浸出液であり、前記電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液であり、前記電解槽は、電解採取により前記電解液中の銅を電着させる電解槽であることを特徴とする
第1発明によれば、流量計で電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定できるので、流量計の測定値が一定の値となるようにバルブを制御することで、電解液の金属イオン濃度の変動に従い電解液の給液流量を増減させ、電解液の金属イオン濃度の変動に関わらず電解槽への金属供給量を一定に調整できる。その結果、電解液の銅イオン濃度の変動に関わらず電解槽への銅供給量を一定に調整できるので、電解槽内の銅イオン濃度を最適な条件に調整でき、銅を効率良く電着させることができる。また、予め電解液の金属イオン濃度を調整することで、電解液の金属イオン濃度の変動を抑制でき、電解液の給液流量の増減を抑えることができる。そのため、電解液の給液流量の増減による電解槽の液面高さの変動を抑制できる
第2発明によれば、電解液に含有される金属イオンの流量が一定となるように電解液の給液流量を制御することで、電解液の金属イオン濃度の変動に従い電解液の給液流量を増減させ、電解液の金属イオン濃度の変動に関わらず電解槽への金属供給量を一定に調整できる。その結果、電解液の銅イオン濃度の変動に関わらず電解槽への銅供給量を一定に調整できるので、電解槽内の銅イオン濃度を最適な条件に調整でき、銅を効率良く電着させることができる。また、予め電解液の金属イオン濃度を調整することで、電解液の金属イオン濃度の変動を抑制でき、電解液の給液流量の増減を抑えることができる。そのため、電解液の給液流量の増減による電解槽の液面高さの変動を抑制できる
本発明の一実施形態に係る電解液の給液装置を備える脱銅電解工程の処理設備の説明図である。 電磁流量計の原理説明図である。 電磁流量計のノイズ除去方法の説明図である。 湿式製錬プロセスの工程図である。 従来の脱銅電解工程の処理設備の説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る電解液の給液装置は、硫化物から目的金属を回収する湿式製錬プロセスにおける脱銅電解工程の処理設備の一部として用いられるものである。脱銅電解工程には塩素浸出工程で得られた浸出液の一部が供給され、電解採取により不純物である銅が除去される。湿式製錬プロセスの全体工程については、従来と同様であるので説明を省略する(図4参照)。
図1に示すように、本実施形態に係る電解液の給液装置Aは、脱銅電解槽Bに脱銅電解液を給液する装置であり、濃度調整槽1と、ポンプPと、流量計2と、流量制御バルブ3とを備えている。濃度調整槽1と脱銅電解槽Bとは配管4で接続されており、配管4に上記ポンプP、流量計2および流量制御バルブ3が介装されている。なお、流量計2と流量制御バルブ3の前後は特に限定されないが、濃度調整槽1は流量計2より上流側に配置される必要がある。
濃度調整槽1には、浸出液とアノライトとが供給されている。浸出液は、湿式製錬プロセスの塩素浸出工程で得られた浸出液であり、アノライトは、湿式精錬プロセスのニッケル電解工程から排出されたニッケル電解廃液を脱塩素処理工程において塩素を除去して得られたアノライトである(図4参照)。以下、浸出液にアノライトを混合した液を脱銅電解液と称する。脱銅電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液である。アノライトは、ニッケルやコバルトなどの目的金属や不純物が除去された液であり、金属イオン濃度が低い。そのため、濃度調整槽1において浸出液にアノライトを混合することで、脱銅電解液の銅イオン濃度が所定の濃度となるよう調整できる。
なお、濃度調整槽1が特許請求の範囲に記載の濃度調整手段に相当する。濃度調整のためには、アノライトに代えて水を混合してもよいが、湿式製錬プロセスの水バランスを考慮すると、工程内で発生するプロセス水であるアノライトを用いる方が好ましい。
濃度調整槽1で銅イオン濃度が調整された脱銅電解液は、ポンプPの駆動により配管4を介して脱銅電解槽Bに送液される。
なお、ポンプPは特許請求の範囲に記載の送液手段に相当する。
流量計2は、電磁流量計である。一般的な電磁流量計の測定原理を以下に説明する。
電磁流量計は電磁誘導の原理を利用した流量計である。図2に示すように、一般的な電磁流量計2は、測定管21と、励磁コイル22と、一対の電極23、34とを備えている。励磁コイル22により生じる磁界は測定管21の軸方向と直交する方向であり、一対の電極23、24は、測定管21の軸方向および磁界方向と直交する方向に配置されている。
磁束密度B(T)の磁界中に導電性の流体が流れると、磁界方向と直交する方向に起電力E(V)が発生する。この起電力Eは、流体の平均流速をv(m/s)、測定管21の直径をd(m)とすると、E=Bdvで表される。そのため、起電力Eを電極23、24間の電位差として検出することで、測定管21内に流れる流体の平均速度vを測定でき、これより流体の流量を測定できる。
しかし、電磁流量計2は、電気的に均一な導電性の流体でなければ正確に流量を測定できないことが知られている。また、非導電性の流体では起電力の測定が困難になることが知られている。濃度調整槽1で銅イオン濃度を調整したとしても、得られる脱銅電解液は電気的に不均一であり、電磁流量計2でその流量を正確に測定できない。
ここで、本願発明者らは、電解液の金属イオン濃度が高くなり導電性が高くなると、起電力Eが大きくなり電磁流量計2で測定される流量が多くなり、電解液の金属イオン濃度が低下し導電性が低くなると、起電力Eが小さくなり電磁流量計2で測定される流量が少なくなるという知見を得た。このことから、電磁流量計2で電解液の流量を測定すると、電解液の実際の流量ではなく、電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定できることを見出した。すなわち、脱銅電解液の実際の流量が一定であったとしても、脱銅電解液の銅イオン濃度が高くなると電磁流量計2で測定される流量が多くなり、脱銅電解液の銅イオン濃度が低くなると電磁流量計2で測定される流量が少なくなる。そのため、脱銅電解槽Bへの銅供給量を一定にするためには、流量計2の測定値が一定の値となるように流量制御バルブ3の開度を調整すればよい。
流量計2は、脱銅電解槽Bに接続された配管4に介装されているため、脱銅電解槽Bの電解電流の一部が配管4内の脱銅電解液を通り、流量計2の電極23、24を介して地絡する。そのため、電極23、24間の電位差には、脱銅電解液の流れにより生じる起電力Eの他に、電解電流によるノイズが含まれる。本実施形態では、脱銅電解槽Bの電解電流によるノイズを除去できる流量計2が用いられる。
電解電流によるノイズの除去方法は種々の方法を採用でき、特に限定されないが、例えば以下の方法が用いられる。
図3に示すように、励磁コイル22により直流で断続的に磁界を作る。磁界のあるときにサンプリングされた電極23、24間の電位差には、電解液の流れにより生じる流量成分と電解電流によるノイズ成分が含まれる。磁界のないときにサンプリングされた電位差はノイズ成分のみである。そのため、磁界があるときの電位差から磁界がないときの電位差を差し引くことで、電解電流によるノイズを除去できる。
以上のように、流量計2は、脱銅電解槽Bの電解電流の影響によらず脱銅電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定できる。
脱銅電解槽Bにおいては、電解採取により脱銅電解液中の銅をカソードに電着させる。銅とニッケルの標準電極電位の違いを利用して、選択的に銅をカソードに電着させることで、脱銅電解液から銅を除去し、脱銅電解廃液として排出する。
つぎに、本実施形態の電解液の給液装置Aによる脱銅電解液の給液方法を説明する。
濃度調整槽1において浸出液にアノライトを混合することで、脱銅電解液の銅イオン濃度が所定の濃度となるよう調整し、ポンプPの駆動により配管4を介して脱銅電解槽Bに脱銅電解液を送液する。
流量計2を用いて、配管4を流れる脱銅電解液に含有される銅イオンの流量を測定し、流量計2の測定値が一定の値となるように流量制御バルブ3の開度を調整する。これにより脱銅電解液の給液流量を制御する。
例えば、脱銅電解液の銅イオン濃度が高くなると、流量計2の測定値が高くなる。この場合、流量制御バルブ3を絞ることで、脱銅電解液の実際の給液流量を少なくする。逆に、脱銅電解液の銅イオン濃度が低くなると、流量計2の測定値が低くなる。この場合、流量制御バルブ3を開くことで、脱銅電解液の実際の給液流量を多くする。
以上のように、脱銅電解液に含有される銅イオンの流量が一定となるように給液流量を制御することで、脱銅電解液の銅イオン濃度の変動に従い脱銅電解液の給液流量を増減させることとなり、脱銅電解液の銅イオン濃度の変動に関わらず脱銅電解槽Bへの銅供給量を一定に調整できる。
前述のごとく、湿式製錬プロセスの脱銅電解工程においては、脱銅電解液に不純物である銅の他に、ニッケルやコバルトなどの目的金属が含まれているため、脱銅電解液から銅を選択的に除去する必要がある。そして、脱銅電解槽B内の銅イオン濃度がある一定値を下回ると、ニッケルやコバルトが電着してしまい、操業効率が低下する。しかし、本実施形態によれば、脱銅電解槽B内の銅イオン濃度を最適な条件に調整でき、ニッケルやコバルトが電着することなく、銅を効率良く電着させることができる。
脱銅電解液の銅イオン濃度の変動が大きい場合には、銅イオン濃度が低いと脱銅電解液の給液流量が多くなりすぎ、脱銅電解槽Bから脱銅電解液があふれる恐れがあり、銅イオン濃度が高いと脱銅電解液の給液流量が少なくなりすぎ、脱銅電解槽Bの液面高さが低くなりすぎる恐れがある。しかし、本実施形態では、濃度調整槽1で予め脱銅電解液の銅イオン濃度を調整するので、脱銅電解液の銅イオン濃度の変動を抑制でき、脱銅電解液の給液流量の増減を抑えることができる。そのため、脱銅電解液の給液流量の増減による脱銅電解槽Bの液面高さの変動を抑制できる。
(その他の実施形態)
本発明に係る電解液の給液装置および給液方法は、上記の脱銅電解工程に限定されず、ニッケルやコバルトなどの電解採取、銅などの電解精製において、電解槽に電解液を供給するのにも適用できる。この場合にも、電解槽内の目的金属のイオン濃度の変動を小さくできるので、操業効率を向上させることができる。
つぎに、実施例を説明する。
湿式製錬プロセスの脱銅電解工程において、上記実施形態を適用して脱銅電解液の給液流量を制御した場合(実施例1)と、従来と同様にヘッドタンク方式(図5参照)として脱銅電解液の給液流量を一定にした場合(比較例1)とで操業を行った。脱銅電解槽Bに給液される脱銅電解液の銅イオン濃度は23.5g/Lとした。なお、実施例1において流量計2は、電磁流量計(アズビル社製、MGG10CZ型)を使用した。
実施例1および比較例1において、脱銅電解液の給液流量、および脱銅電解廃液の銅イオン濃度を測定し、脱銅電解液と脱銅電解廃液の銅イオン濃度差、および電流効率を求めると、表1の通りとなった。なお、電流効率は以下の式で求めた。
電流効率=〔銅イオン濃度差×給液流量〕/〔Cu2+電気化学等量×通電時間×通電電流〕
表1から明らかなように、実施例1は比較例1に比べて、銅イオン濃度差を大きくすることでき、電流効率を向上できることが確認された。なお、電着した電気銅中のNi品位は実施例1と比較例1とで同等であった。
A 給液装置
B 脱銅電解槽
1 濃度調整槽
2 流量計
3 流量制御バルブ
4 配管

Claims (2)

  1. 浸出液にアノライトまたは水を混合して、銅イオン濃度が所定の濃度に調整された電解液を得る濃度調整手段と、
    前記濃度調整手段から電解槽に前記電解液を送液する送液手段と、
    前記電解槽の電解電流の影響によらず前記電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定可能な電磁流量計と、
    前記電解液の給液流量を制御可能なバルブと、を備え
    前記浸出液は、ニッケル硫化物を含むスラリーに塩素ガスを吹き込んで、該スラリー中の固形物に含まれる金属を液中に浸出する塩素浸出工程で得られた浸出液であり、
    前記電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液であり、
    前記電解槽は、電解採取により前記電解液中の銅を電着させる電解槽である
    ことを特徴とする電解液の給液装置。
  2. 浸出液にアノライトまたは水を混合して、銅イオン濃度が所定の濃度に調整された電解液を得、
    電解槽に前記電解液を送液し、
    前記電解槽の電解電流の影響によらず前記電解液に含有される金属イオンの流量を定性的に測定可能な電磁流量計を用いて、該電解液に含有される金属イオンの流量を測定し、
    前記電磁流量計の測定値が一定の値となるように前記電解液の給液流量を制御する方法であって、
    前記浸出液は、ニッケル硫化物を含むスラリーに塩素ガスを吹き込んで、該スラリー中の固形物に含まれる金属を液中に浸出する塩素浸出工程で得られた浸出液であり、
    前記電解液は、銅を含有する塩化ニッケル溶液であり、
    前記電解槽は、電解採取により前記電解液中の銅を電着させる電解槽である
    ことを特徴とする電解液の給液方法。
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