JP2002327289A - 銅微粉製造方法 - Google Patents
銅微粉製造方法Info
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Abstract
平均粒径を有する銅微粉を効率的且つ連続的に製造する
ための技術を提供することを課題とする。 【解決手段】 上記の課題は、銅から成る陽極6を備え
た陽極室2と、陽極室2と隔膜4を介して隣接する陰極
7を備えた陰極室3とを有する電解槽1を使用して銅微
粉を製造するための銅微粉製造方法であって、Ti3+を
含む硫酸溶液から成る電解液を陽極室2に供給し、陽極
6および陰極7の間に電圧を印加して陽極6から銅を銅
イオンとして溶出させ、陽極室2の内部において、銅イ
オンをTi 3+によって還元析出させて銅微粉を生成し、
陽極室2の内部において生成した銅微粉を一定方向に流
し、陽極室2内の電解液を連続的に取り出して、そこに
含まれる銅微粉を回収することによって解決される。
Description
子部品の原料となる銅微粉の製造方法に関するものであ
る。本発明は、より詳しくは、電解槽を使用した酸化還
元法によって、一定の平均粒径を有する銅微粉を効率的
且つ連続的に製造するための製造方法および製造システ
ムに関するものである。
方法としては、従前から種々の化学還元法が提案されて
きた。このような化学還元法としては、例えば、特開昭
59−173206や特開昭63−125605が挙げ
られる。一方、特許公報第2622019号には、より
低コスト化あるいは環境負荷の低減、並びに品質の安定
化を達成できる銅微粉の製造方法が記載されている。こ
の特許公報第2622019号に記載の発明は、陽極を
備えた陽極室と、陽極室と隔膜を介して隣接する陰極を
備えた陰極室とを有する電解槽を使用して銅微粉を製造
するものであるが、陽極は銅微粉の原料である銅から構
成されており、しかも硫酸溶液から成る電解液にはTi
3+イオンが含まれていて、電解によって陽極から溶出し
た銅イオンが直ちにTi3+イオンによって還元されて銅
微粉が生成するようになっている。かかる特許公報第2
622019号に記載の発明は、低コストで品質の安定
した銅微粉を製造できる点で有用であるが、より効率的
な製造を行うためには、次のような課題が存在する。
22019号に記載の発明では、電解によって銅から成
る陽極からCu2+イオンが溶出するようになっている
が、電解液中に共存する他のイオンに比べてCu2+イオ
ンの比重は大きいので、溶出したCu2+イオンは陽極室
の底部に沈積しやすい。従って、特許公報第26220
19号に記載の発明は、電解を継続するにつれて電解液
の下部のTi3+イオンが枯渇して、粒径のばらつきが生
じたり、板状や針状等の異形粉が析出したり、あるいは
電解槽や配管内面へ皮膜状に析出したりする。そこで、
陽極室の中のTi3+イオンの分布を均一化して上記現象
の発生を抑制することが求められている。
の発明は、例えば1μm以下の極めて微細な粉末を製造
できる点で有用であるが、このような微細な粉末の回収
は非常に困難である。水溶液中で銅粉を析出させる従来
の湿式法においては、一般的には、析出した銅粉を予め
沈降させてから間欠的に回収する方法が採られている
が、上記特許発明の方法で生成する銅微粉は電解液中で
懸濁しているので沈降するまでには長時間を要する。ま
た電解液をフィルターでろ過して銅粉を回収する方法も
あるが、上記特許発明で生成する銅微粉は、微細であ
り、しかも1g/L以下の低濃度で電解液中に浮遊して
いるため、ろ過の効率は低く、またフィルターも目詰ま
りし易いので実用的ではない。一方、析出した銅微粉を
回収することなく電解を継続すると、既に析出した銅微
粉を核として粗大な異形粉に成長してしまうことがある
ので、析出した銅微粉は逐次回収されることが好まし
い。そこで、電解液中に懸濁する銅微粉を効率的且つ連
続的に回収して、銅微粉の製造を効率化するとともに銅
微粉の粒度を一定にすることが求められている。
載の方法によると、銅を陽極として電解して銅微粉を析
出させる工程、並びにこの工程によって電解液中に生成
したTiO2+イオンを還元する工程のいずれにおいて
も、陰極において水素が発生すること加えて、電解液中
にTi3+が存在することにより、比較的容易に陰極の腐
食が進行してしまうことが明らかになった。即ち、硫酸
溶液から成る電解液に対して一般的には十分な耐食性を
発揮する耐食ステンレス鋼やチタンも、特許公報第26
22019号に記載の発明の陰極に用いた場合には、電
解液中にTi3+イオンが存在することによって、陰極の
表面の不動態皮膜が破壊されて腐食してしまう。一方、
鉛や黒鉛から成る陰極は、比較的良好な耐食性を示す
が、それでも微量ではあるが陰極表面の脱落や剥離によ
って製品中に不純物が混入する。工業材料の中では、唯
一、ジルコニウムから成る陰極が優れた耐食性を示す
が、コスト面で問題がある。従って、Ti3+イオンを含
む電解液を使用して電解を行う特許公報第262201
9号に記載の方法を使用する場合において、低コストで
しかも耐腐食性を有する新規な陰極材が求められてい
る。
を解決すべく種々検討を重ねた結果、銅から成る陽極を
備えた陽極室と、前記陽極室と隔膜を介して隣接する陰
極を備えた陰極室とを有する電解槽を使用して銅微粉を
製造するための銅微粉製造方法であって、Ti3+を含む
硫酸溶液から成る電解液を前記陽極室に供給し、前記陽
極および前記陰極の間に電圧を印加して前記陽極から銅
を銅イオンとして溶出させ、前記陽極室の内部におい
て、前記銅イオンを前記Ti3+によって還元析出させて
前記銅微粉を生成し、前記陽極室の内部において生成し
た前記銅微粉を一定方向に流し、前記陽極室内の前記電
解液を連続的に取り出して、そこに含まれる前記銅微粉
を回収することを特徴とする銅微粉製造方法とすること
によって、陽極室内のTi 3+イオンの分布を均一化する
とともに、電解液中に懸濁する銅微粉を効率的且つ連続
的に回収して銅微粉の粒径を一定化できることを見出し
た。また、銅から成る陽極とTi3+イオンを含む硫酸溶
液とを使用して銅微粉を製造する場合において、銅から
成る陰極が低コストで耐腐食性を有する陰極材であるこ
とを見出した。以下に、本発明の一実施例としての製造
システムに基づいて本発明を更に詳細に説明する。
法において使用される製造システムを概念的に示す図で
ある。この製造システムは、銅微粉を生成するための第
一の電解槽1と、第一の電解槽で生成した銅微粉を回収
するための遠心分離機14と、第一の電解液で消費され
たTi3+を再生するための第二の電解槽8とから成る。
本発明によると、製造システムを作動すると、電解液が
第一の電解槽1、遠心分離機14および第二の電解槽8
を循環するようになっている。以下に本発明の製造シス
テムを更に詳細に説明する。
される第一の電解槽は、陽極室2と陰極室3とを備えて
いる。陽極室2には銅から成る陽極6が設けられてお
り、また陰極室3には陰極7が設けられている。
陰極7は、銅から成る。陰極の形態は特に限定されない
が、例えば複数枚の銅製の網を組み合わせて構成され
る。一般的には本発明で使用される電解液と同程度の濃
度の硫酸中では銅は比較的溶解し易いが、本発明の如く
Ti3+イオンを含む電解液を使用する場合には、陰極7
が銅から構成されていても腐食を受けないことに加え、
銅から成る陰極を使用することによって低コストでしか
も効率的に電解を行うことができる。
出現象が発生して、極めて短時間に腐食が進行してしま
う。したがって、銅から成る陰極7は電解液中に完全に
沈めておくことが望ましい。また、陰極と電力供給用バ
ス・バーとの接続には、チタン、あるいはジルコニウム
板が用いられている。因に、チタン板を用いた場合に
は、比較的腐食が進行し易いため、定期的に交換する必
要がある。
の間には隔膜4が設けられている。この隔膜4は、銅か
ら成る陽極6から溶出したCu2+イオンが陰極室にまで
拡散して陰極7において樹枝状の粗大な粒子が析出する
のを有効に防止している。隔膜を構成する材料は、陽極
室2と陰極室3とを間仕切ることができ、且つ、電解液
の電気伝導を確保する材料であれば特に限定されない。
隔膜4を構成する材料としては、例えば陰イオン交換膜
や素焼きの陶器等が挙げられる。
解液は、陽極室の内部において一定方向15に流れるよ
うになっており、これによって陽極室中のTi3+イオン
の分布を均一化して銅微粉の析出効率を一定化するよう
になっている。本発明において、陽極室内の電解液を上
記の如く一定方向15に流すための具体的な手段は、特
に限定されない。例えば陽極室内の電解液を一定方向1
5に流すための手段として、陰極室3の下部と陽極室の
下部との間に流路を設けて陽極室内の電解液が下部から
上部の方向へ流れるようにする手段が挙げられる。流路
を設けて陽極室内の電解液を下部から上部に向かって流
すと、陽極室の底部におけるTi3+イオン濃度の顕著な
低下を防止できる。また、この場合、Ti3+イオンの還
元作用によって析出した銅微粉は、陽極室の上部に向か
って流れるので、後述するように陽極室の上部の電解液
を連続的に取り出して遠心分離機において銅微粉を効率
的に回収することができる。
4の下部に設けられ陰極室3と陽極室2とを連通する貫
通孔5が挙げられる。またこの貫通孔5の代替として、
点線で示されるような、陰極室の下部と陽極室の下部と
の間に設けられた輸送パイプ5’が挙げられる。ここ
で、流路は、電解液の流量1L/min当り0.3dm
2 以下の断面積となるように設計されていて陽極室内に
おける電解液に十分な流速が与えられるように設計され
ていることが好ましい。また、流路の近傍での電解液の
スムースな流れを確保するために、陰極室側にある流路
の入口および陽極室側にある流路の出口は、陰極7およ
び陽極6の下端よりも低く位置するように設けられてい
ることが好ましい。また、析出した銅微粉を陽極室中に
滞留させることなく、スムースに回収するために、陽極
室の水平断面積1dm2 当り0.5L/min以上の電
解液流量を確保することが望ましい。
らなり、しかもチタンイオン(Ti3+)を含むものが使
用される。本発明のように、Ti3+イオンを含む硫酸溶
液を用いて銅を陽極として電解を行うと、陽極から溶出
した銅イオン(Cu2+)がTi3+イオンによって還元さ
れて銅微粉を生成する。
に限定されないが、好ましくは、50〜300g/Lの
範囲になっている。電解液中の硫酸濃度が上記の範囲に
ある場合に、電解電流密度を高く維持できるとともに、
TiO2+イオンの還元を効率的に行うことができる。
オンの濃度も特に限定されないが、好ましくは0.1〜
50g/Lの範囲になっている。電解液中のTi3+イオ
ンの濃度が、上記の範囲にある場合に、析出する銅微粉
の粗大化を防止しつつ、効率的な銅微粉の生成が可能に
なる。なお、Ti3+イオン濃度が極端に低下すると、銅
の溶解が始まるため、電解液中のTi3+イオン濃度は最
低でも0.1g/L以上に保つことが好ましい。
して、上記の第一の電解槽1を作動させて陽極6および
陰極7の間に電圧を印加すると、陽極6から銅がCu2+
イオンとして溶出して、その後に還元されて銅微粉が生
成する。特定の考察に本発明は束縛されないが、第一の
電解槽内では下記式(1)のイオン反応によって銅微粉
が析出すると考えられる。 2Ti3++Cu2++2H2 O→2TiO2++Cu+4H+ ・・・・・・(1)
に流される電流の電流密度は、20A/dm2 以下であ
ることが好ましい。陽極の電流密度を上記の範囲に設定
することによって、析出する銅微粉の粗大化を防止しつ
つ銅微粉を効率的に析出させることができる。
ら銅微粉を含む電解液を連続的に取り出して、これを遠
心分離機14に供給するようになっている。遠心分離機
14において、銅微粉を含む電解液は遠心分離されて銅
微粉と電解液とに分離される。分離された銅微粉17は
沈降バスケット18に集められるようになっている。一
方、分離された電解液は、沈降バスケット18からオー
バーフローして遠心分離機14の底部から排出されて、
後述の第二の電解槽8に供給されるようになっている。
電解槽の陽極室2内の電解液中に懸濁する銅微粉を連続
的に回収するように設計されているので、既に析出した
銅微粉を核として粗大な粒子が成長するのを防止でき、
得られる銅微粉の粒径を一定化することができる。
遠心分離の条件は、特に限定されるものではないが、電
解液に1500G以上の遠心力を30sec以上の間、
負荷することが好ましい。遠心分離の条件を上記の範囲
に設定することによって、未回収の銅微粉が本発明のシ
ステムを循環して第一の電解槽に再度供給されて、この
未回収の銅微粉を核として粗大な異形状の粉末が生成す
るのを有効に防止できる。
って銅微粉が回収された後の電解液は、第二の電解槽8
の陰極室9に連続的に供給されるようになっている。こ
の第二の電解槽8は、第一の電解槽1における酸化還元
反応によって生成したTiO2+イオンを還元する役割を
果たす。
を備えている。そして、陽極室10には、陽極12が設
けられており、また陰極室9には陰極13が設けられて
いる。そして、この陽極12および陰極13の間には、
電圧が印加されるようになっている。
解槽の陰極と同様に、銅から成る。陰極の形態は、特に
限定されないが、例えば陰極は複数枚の銅製の網を組み
合わせて構成される。本発明において使用される電解液
と同程度の濃度の硫酸中では銅は比較的容易に溶解する
が、Ti3+イオンを含む電解液を使用する本発明では、
陰極が銅から構成されていても腐食を受けず、しかも銅
から成る陰極を使用することによって低コストで効率的
にTiO2+の還元を行うことができる。
発明において、第二の電解槽の陰極室9では、主に次の
式2のイオン反応が生じているものと考えられる。これ
によってTi3+イオンが再生される。 TiO2++2H+ +e- →Ti3++H2 O・・・・・(式2)
はTi3+/TiO2+の比率に大きく影響され、Ti3+/
TiO2+比が1を超えると電流効率が急激に低下するた
め、陰極の電流密度はできるだけ低く保つことが望まし
い。なお、陰極が銅製の金網を折り曲げて構成されてい
る場合には、陰極の表面積の増加に加えて、陰極近傍で
の電解液滞留が抑制されるため、電流効率の改善が達成
される。
9の間には隔膜11が設けられている。隔膜を構成する
材料は、陽極室と陰極室とを間仕切ることができ、且
つ、電解液の電気伝導が確保できるような構造を有する
材料であれば特に限定されない。このような隔膜11を
構成する材料としては、陰イオン交換膜や素焼きの陶器
等が挙げられる。また、第一の電解槽の場合と異なり、
図1に示す第二の電解槽の隔膜11には流路は形成され
なくてもよい。
二の電解槽8の陽極12および陰極13の間に電圧を負
荷すると、第二の電解槽の陰極室9に供給された電解液
に含まれるTiO2+が連続的に還元されてTi3+が再生
される。そして本発明によると、第二の電解槽において
再生されたTi3+イオンを含む電解液は再び第一の電解
槽1に供給されるようになっている。
および陰極13の間に流される電解電流密度は、前記T
iO2+の電解還元における電流効率をも鑑み、第1の電
解槽におけるTi3+の消費速度を下回らないように設定
されなければならない。
おいて流路が第1の電解槽の陰極室の下部と陽極室の下
部との間に設けられている場合には、第二の電解槽で還
元された電解液は、第一の電解槽1の陰極室3の上部か
ら注入するように設計されていることが好ましい。これ
によって、電解液が、さらに第一の電解槽の陰極7にも
接触して、Ti3+の還元が促進される。
の条件で銅微粉の製造を行った。
な寸法を以下に示す。 銅微粉製造用の第一の電解槽 1 第1の電解槽:有効容積は60L(5×3dm×深
さ4dm) 2 陽極室:有効容積20L(水平断面積5dm2 ) 3 陰極室:有効容積40L 4 隔膜:陰イオン交換膜製、有効面積9dm2 5 流路:隔膜の下部に設けられた断面積0.5dm2
(0.1×5dm)の貫通孔 6 陽極:タフピッチ銅製(1.5×3dm) 7 陰極:16mesh銅製金網(3×3dm×6枚)
枚)
電解液を5L/minの流量で本発明のシステム内で循
環させながら、銅微粉製造用の第一の電解槽の電解電流
を80Aに設定し、またTiO2+還元用の第二の電解槽
の電解電流を120Aに設定して、連続10h運転し
た。遠心分離機の沈降バスケット容量が3Lであり、遠
心力を1800Gに設定した。
た銅微粉の平均粒径を表2に示す。表2より明らかなよ
うに、本発明の製造システムの操業中において、Ti3+
イオン濃度および得られた銅微粉の平均粒径に関する経
時的な変化は認められなかった。なお、銅微粉の平均粒
径は、レーザー回折法を用いて測定した。実施例1にお
いて回収した銅微粉の総量は約900gであり、回収効
率(回収銅微粉量/理論的銅陽極溶解総量)は約95%
と算出される。この約95%という回収率は、従来の銅
微粉の電解法による製造方法と比較しても高い価であ
り、本発明の製造システムの有効性が確認された。
除いて実施例1と同じ条件で本発明の製造システムを作
動させて銅微粉を製造した。そして、この運転の前後に
おける陰極の重量変化を測定した。その結果、延べ10
0時間の運転の前後における陰極の重量変化は、±0.
0%であり、陰極は、本発明において、全く腐食溶解し
ていないことが確認された。
りに同じメッシュサイズのステンレス(sus316
L)製金網およびチタン製金網から成る陰極に用いた点
を除いては実施例2と同様にして、延べ100時間の電
解を行った。そして、実施例2と同様にして100時間
の運転の前後における陰極の重量変化を測定した。その
結果、ステンレス(sus316L)製金網から成る陰
極を用いた場合には9.5%の重量損失が認められ、一
方チタン製金網から成る陰極の場合には3.2%の重量
損失が認められた。このような重量損質の価は、実施例
2の如く銅製金網から成る陰極を用いた場合と対照的で
あり、著しく高い値である。
る。
4)
を解決すべく種々検討を重ねた結果、銅から成る陽極を
備えた陽極室と、前記陽極室と隔膜を介して隣接する陰
極を備えた陰極室とを有する電解槽を使用して銅微粉を
製造するための銅微粉製造方法であって、Ti3+を含む
硫酸溶液から成る電解液を前記陽極室に供給し、前記陽
極および前記陰極の間に電圧を印加して前記陽極から銅
を銅イオンとして溶出させ、前記陽極室の内部におい
て、前記銅イオンを前記Ti3+によって還元析出させて
前記銅微粉を生成し、前記陽極室の内部において生成し
た前記銅微粉を、前記電解液中に懸濁させながら、一定
方向に流し、前記陽極室内の前記電解液を連続的に取り
出して、そこに含まれる前記銅微粉を回収することを特
徴とする銅微粉製造方法とすることによって、陽極室内
のTi 3+イオンの分布を均一化するとともに、電解液中
に懸濁する銅微粉を効率的且つ連続的に回収して銅微粉
の粒径を一定化できることを見出した。また、銅から成
る陽極とTi3+イオンを含む硫酸溶液とを使用して銅微
粉を製造する場合において、銅から成る陰極が低コスト
で耐腐食性を有する陰極材であることを見出した。以下
に、本発明の一実施例としての製造システムに基づいて
本発明を更に詳細に説明する。
Claims (10)
- 【請求項1】 銅から成る陽極を備えた陽極室と、前記
陽極室と隔膜を介して隣接する陰極を備えた陰極室とを
有する電解槽を使用して銅微粉を製造するための銅微粉
製造方法であって、Ti3+を含む硫酸溶液から成る電解
液を前記陽極室に供給し、前記陽極および前記陰極の間
に電圧を印加して前記陽極から銅を銅イオンとして溶出
させ、前記陽極室の内部において、前記銅イオンを前記
Ti3+によって還元析出させて前記銅微粉を生成し、前
記陽極室の内部において生成した前記銅微粉を一定方向
に流し、前記陽極室内の前記電解液を連続的に取り出し
て、そこに含まれる前記銅微粉を回収することを特徴と
する銅微粉製造方法。 - 【請求項2】 前記電解液から前記銅微粉を回収した後
に前記銅イオンの還元によって生成したTiO2+を第二
の電解槽において還元して前記Ti3+を再生し、しかる
後に前記Ti3+を含む前記電解液を前記陽極室の底部に
供給することを特徴とする請求項1に記載の銅微粉製造
方法。 - 【請求項3】 前記陰極室の下部と前記陽極室の下部と
の間に電解液の流路を設け、前記電解液は前記陰極室か
ら供給されて前記流路を通過して前記陽極室内に送られ
て、これによって前記陽極室内の前記電解液は前記一定
方向に流れるようになっており、しかも前記電解液は前
記陽極室内における前記一定方向の流れの下流側から取
り出されて、そこに含まれている前記銅微粉が回収され
ることを特徴とする請求項2に記載の銅微粉製造方法。 - 【請求項4】 前記流路は前記隔膜の下部に設けられ前
記陰極室および前記陽極室を連通する貫通孔から成り、
前記電解液は前記陽極室の上部から取り出されることを
特徴とする請求項3に記載の銅微粉製造方法。 - 【請求項5】 前記銅微粉は前記電解液から遠心分離に
よって連続的に回収されることを特徴とする請求項4に
記載の銅微粉製造方法。 - 【請求項6】 前記陰極は銅からなることを特徴とする
請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅微粉製造方法。 - 【請求項7】 前記TiO2+を還元するための前記第二
の電解槽に設けられた陰極は銅から成ることを特徴とす
る請求項2に記載の銅微粉製造方法。 - 【請求項8】 銅から成る陽極を備えた陽極室と、前記
陽極室と隔膜を介して隣接する陰極を備えた陰極室とを
有する電解槽を使用して銅微粉を製造するための銅微粉
製造方法であって、前記陰極を銅から構成し、Ti3+を
含む硫酸溶液から成る電解液を、前記陽極室に供給し、
前記陽極および前記陰極の間に電圧を印加して、前記陽
極から銅を銅イオンとして溶出させ、前記陽極室の内部
において、前記銅イオンを前記Ti3+によって還元析出
させて銅微粉を生成することを特徴とする銅微粉製造方
法。 - 【請求項9】 陽極を備えた陽極室と、前記陽極室と隔
膜を介して隣接する陰極を備えた陰極室とを有する第二
の電解槽を使用してTiO2+を還元する方法であって、
前記陰極を銅から構成し、TiO2+を含む硫酸溶液から
成る電解液を、前記陰極室に供給し、前記陽極および前
記陰極の間に電圧を印加して前記TiO2+を還元するこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項10】 銅から成る陽極を備えた陽極室と、前
記陽極室と隔膜を介して隣接する陰極を備えた陰極室と
を有する銅微粉製造用の電解槽であって、前記電解液は
Ti3+を含む硫酸溶液から成り、前記隔膜は前記電解液
を前記陰極室から前記陽極室に供給するための流路を備
えており、前記陽極室内に供給された前記電解液は前記
陽極室内において一定方向に流れるようになっているこ
とを特徴とする電解槽。
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