JP5815288B2 - 化粧料 - Google Patents

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本発明は、特定の表面被覆処理を施した粉体と、粒子径25〜35μmの球状粒子と、油剤を配合する化粧料であり、膜薄でありながら隠蔽性が高く、塗布時に早くおさまり、さらに肌の凹凸を目立たなくする効果にも優れている化粧料に関するものである。
近年、シミやそばかすばかりでなく、毛穴や深い皮溝も、外観上の好ましくない部位として認識されているため、ファンデーションやコンシーラー等のアイテムでは、カバー力(隠蔽性)と同時に肌の凹凸を目立たなくする効果を求められることが多い。
従来、隠蔽性や肌への密着力を高めるためには、固着性の良い油剤を多く配合したり、屈折率の高い粉体を多量に配合し、さらに粉体を肌に付着させるような表面被覆処理を施したりしていた(例えば、特許文献1〜4)。特に油剤を多く配合した化粧料では、これらの表面被覆処理粉体のうち、親水化処理した粉体を用いると、肌への付着性は向上するものの、厚みのある化粧膜になりやすく、不自然な仕上がりになりがちであった。また、疎水化処理した粉体を用いると、粉体の油剤への分散性が良いために、塗布時にズルついておさまりが悪く、何度も擦ることで、かえって隠蔽性に欠けることがあった。
また、肌の凹凸を目立たなくする技術としては、球状粒子を配合し、肌に当たった光を拡散反射させて、凹凸をぼかすものが殆どであり、用いる粒子の大きさは1〜20μm程度であることが多かった。しかし、特に油剤を多く配合した化粧料では、油剤が媒体となって、毛穴や皮溝の幅より小さい球状粒子と一緒に、金属酸化物等の着色顔料を同時に溝に落とし込んでしまうため、かえって毛穴や皮溝を目立たせてしまう現象があった。そこで、粒径25〜35μmの球状粒子を用いると、化粧膜の均一性を損なわずに凹凸を目立たなくする効果を付与できることが明らかとなった(特許文献5参照)が、肌への付着性に乏しい顔料を使用すると、化粧持ちや隠蔽性の点で満足のいくものではなかった。
一方、粉体の表面被覆処理技術としても種々の研究がなされているが、水系媒体への分散性に優れる親水化処理として、低分子有機ケイ素誘導体及び水溶性カチオンポリマーで被覆する技術が開発された(特許文献6、7参照)。この様な表面処理は、表面に親油性基や反応性基が多数存在する有機粉体に特に好適であり、有機粉体の水系媒体分散性を向上させることができるが、無機粉体への処理による効果や使用感等については、あまり知られていなかった。一部、有機酸またはアルコールとのシラン複合体被覆処理された無機粉体を配合する技術(特許文献8参照)が知られているものの、特定の水溶性カチオンポリマーと複合的に被覆処理されることについては、全く示唆がなかった。
特開2001−146557号公報 特開2002−220322号公報 特開2002−255746号公報 特開2005−289834号公報 特許第4606187号公報 特許第4250551号公報 特許第4475970号公報 特開2009−263249号公報
本発明は、粉体が肌への付着性に富むことで、薄い化粧膜であるにもかかわらず隠蔽性が高く、塗布時には粉体が媒体の油剤に応じて動き続けることなく早くおさまり、均一な化粧膜を形成し、凹凸を目立たなくする効果にも優れた化粧料を提供することを目的とする。
本発明は上記の事情に鑑み検討した結果、特定の表面被覆処理を施した粉体を、油剤を多く含む化粧料に配合すると、粉体の肌への付着性が良いために化粧膜が早く完成し、しかも化粧膜が薄く、さらに特定の粒子径の球状粒子と組み合わせることにより、隠蔽性を保ちつつ凹凸を目立たなくする効果の付与も可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
〔1〕 次の成分(A)〜(C);
(A)金属酸化物、金属水酸化物、及び/又はそれらを含む複合体から選択される少なくとも1種以上の粉体粒子の表面を、メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、及び、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体で被覆してなる表面被覆処理粉体 1〜78質量%
(B)1次粒子の平均粒子径が25〜35μmの球状粒子 2〜50質量%
(C)油剤 20〜80質量%
を配合することを特徴とする化粧料。
〔2〕 前記(A)の表面処理される粉体が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、及び/又はそれらを含む複合体から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする〔1〕の化粧料。
〔3〕 前記(A)における前記化合物の被覆量が、表面被覆処理粉体の0.1〜30質量%であることを特徴とする〔1〕または〔2〕の化粧料。
〔4〕 さらに(D)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化粧料。
本発明の化粧料は、特定の表面被覆処理を施した粉体と、特定の粒子径の球状粒子と、油剤を組み合わせることによって、肌への付着性に富み、薄い塗布膜であるにもかかわらず隠蔽性が高く、塗布時に化粧膜が早くおさまり、凹凸を目立たなくする効果に優れたものである。
本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)の表面被覆処理粉体は、無機粉体粒子の表面を三種の化合物で親水化処理したものである。表面処理される粉体は、金属酸化物、金属水酸化物、及び/又はそれらを含む複合体から選択される少なくとも1種であり、金属酸化物、金属水酸化物としては、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒径、多孔質、無孔質等の粒子構造等、特に限定されず、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、黒酸化チタン、硫酸バリウム、群青、紺青等が挙げられる。
また、複合体とは、これらの金属酸化物及び/又は金属水酸化物を少なくとも1種以上含む2種以上の粉体から構成され、ある粒子表面に他の粒子が担持(化学吸着や静電吸着等の物理吸着などによる付着)されているか、ある粒子に他の粒子が内包されているか、あるいは複数の粉体を混合焼成、ゾルゲル法等により複合化したものを指す。例えば、鉄ドープ酸化チタン、酸化チタン酸化鉄焼結体、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、酸化亜鉛複合マイカ、酸化チタン複合セリサイト、酸化亜鉛複合セリサイト、酸化セリウム複合セリサイトなどが挙げられる。さらに好ましくは、二酸化チタン、酸化亜鉛及び/又はそれらの複合体が好ましく、二種以上を組み合わせても良い。
成分(A)において、表面処理される粉体、即ち未処理の粉体の平均粒子径は、何れも0.01〜150μm程度の範囲であり、好ましくは0.01〜50μm程度、より好ましくは0.01〜20μm程度の範囲である。平均粒子径が上記範囲の下限未満である粉体を調製することは困難である。また、平均粒子径が上記範囲の上限を越える粉体では、これを使用して得られる化粧料でざらつきが著しく感じられ、肌への付着性もなくなってしまう場合がある。なお、隠蔽性を重視する場合には、表面処理される粉体の平均粒子径が0.03〜3μmであることがより好ましい。なお、粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定によって測定される。
成分(A)で使用される表面処理剤は、メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、及び、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、である。これらの化合物の好ましい市販品としては、メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)及びヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリルの混合物であるMONOSILIOL C(EXSYMOL社製)及び、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体溶液として、MEポリマー09W(東邦化学工業社製)が挙げられる。
成分(A)において、表面処理剤の被覆量は、表面処理される粉体の化学組成、粒子形状や平均粒子径等に応じて選択すればよく、特に限定されないが、表面被覆処理粉体の、好ましくは0.1〜30質量%程度、より好ましくは2〜10質量%程度が選択される。
また、表面処理剤の組成は、特に限定しないが、メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)及びヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリルと、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の比率が、10:1〜1:15の範囲であることが好ましい。なお、その他の第三成分を同時に含んだ表面処理でもかまわない。
成分(A)の表面被覆処理粉体において、表面処理剤を粉体粒子に被覆する方法は特に制限なく、公知の方法で実施できる。例えば、水又は必要に応じて水及びアルコールの混合液に表面処理剤と表面処理される粉体粒子を添加し、撹拌処理又はボールミル処理した後、水洗、濾過を繰返し、夾雑物を除去した後、乾燥、粉砕することにより、目的の表面被覆処理粉体を得ることができる。また、表面処理剤である三種の化合物を同時に表面処理することもでき、何れか一つの化合物で最初に表面被覆処理をしてから、更に他の化合物を表面被覆処理することもできる。
本発明の化粧料における成分(A)の配合量は、1〜78質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましい。成分(A)をこの範囲で配合すると、隠蔽性及び塗布膜のおさまりの早さに優れる。
本発明に用いられる成分(B)の球状粒子は、1次粒子の平均粒子径が25〜35μmであり、一般的に幅100〜300μmで深さ20〜100μmと言われている人の毛穴や皮溝に対し、選択的に蓋をして溝を埋めることにより、皮溝を目立たなくするものである。
粒子径が35μmを超える球状粒子は、肌上で安定して留まる場所が無く、塗布時に肌から落下するか、塗布体や指に付着するもの以外は、転がり続け、化粧膜によれを生じやすい。また、この現象は経時的にも生じるため、経時的に毛穴や皮溝を目立たなくする効果の持続性が低下するため、好ましくない。粒径が25μm未満の球状粒子は、毛穴や皮溝に選択的に存在しない、つまり皮丘にも存在するために、毛穴や皮溝を目立たなくする効果が低く、逆に本来、皮丘に存在すべき他の粉体を、毛穴や皮溝に落ち込ませるといった現象も引き起こす場合もあり、好ましくない。
従って、成分(B)における平均粒子径とは、単一成分の粒度分布が、この範囲に近いものであることが望ましい。粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定によって測定される。粒度分布測定は、エタノール100質量部に対し、複合粉体10質量部の割合で分散させ、得られた分散液を粒度分布測定器(堀場製作所社製、LA−920)で測定する。
なお、成分(B)における粒子径は、肌上に塗布された際の粒子の大きさを表すものであり、成分(C)油剤等と接触して膨潤や収縮等の変形を生ずる粒子については、変形後の粒子の大きさを表すものである。
本発明の化粧料には、成分(B)の球状粒子以外に、粒径25μm未満や粒径35μmを超える大きさの球状粉体を配合することもできるが、全球状粉体中の成分(B)粒径25〜35μmの球状粒子の含有量は、20〜100堆積%であることが好ましい。成分(B)をこの範囲で含有すると、より皮溝を目立たせなくする効果に優れる。
成分(B)の球状粒子は、その組成は特に限定はされず、通常化粧料に用いられる粉体であれば、多孔質、無孔質等の粒子構造等に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ポリスチレンパウダー、ウレタンパウダー等の有機粉体類、シリカ、ケイ酸マグネシウム等の無機粉体類、シラスバルーン、ガラスバルーン、(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル)コポリマー等の中空粉体類、前記有機粉体・無機粉体・中空粉体等の複合化粉体類等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、シリコーンパウダー、ウレタンパウダー等の弾性を有する粒子や、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、シリカ等の光散乱性の高い粒子が特に好ましい。
成分(B)における球状なる意味は、真球状のみを意味するものではなく、楕円、球状等を含むものである。また、成分(B)の球状粒子は、表面が平滑のものでも、表面に孔が開いているものや、表面に微小の凹凸があるものでも良い。
本発明の化粧料における成分(B)の配合量は2〜50%であり、3〜30%がより好ましい。成分(B)をこの範囲で配合すると、より皮溝を目立たせなくする効果に優れる。
本発明に用いられる成分(C)油剤は、塗布時に成分(A)及び(B)の分散媒体となるものであり、通常の化粧料に用いられる油剤であれば、特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、シリコーン油類、フッ素系油類、ステロール系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、液体油として、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、エノ油、カヤ油、オリーブ油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油、牛脚脂、肝油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。また固体油として、例えば、カカオ脂、牛脂、羊脂、豚脂、馬脂、硬化油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等が挙げられる。また液体又は固体の油剤として、例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油等が挙げられる。またロウ類として、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カポックロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、セラックロウ等が挙げられる。またエステル油として、オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、トリ−2−エチルヘキサエン酸グリセリン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のイソオクタン酸エステル、ラウリン酸へキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸オクチルドデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。また、炭化水素油として、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフイン、セレシン、ワセリン、ポリブテン、オレフィンオリゴマー、水添C6−14オレフィンポリマー、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。また、シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーンが挙げられる。また、フッ素系油としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。またステロールとしては、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等が挙げられる。また、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらより1種又は2種上を用いることができる。
本発明の化粧料における成分(C)の配合量は20〜80%であり、25〜60%がより好ましい。成分(C)をこの範囲で配合すると、なめらかな使用感と化粧膜の均一性がより良好で、皮溝を目立たなくする効果に優れる。
本発明の化粧料において、さらに成分(D)として部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を配合することが好ましい。隠蔽性を低下することなく、肌の凹凸を目立たなくする効果を向上させることができる。部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物であり、具体的には、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサンージフェニルシロキサンーメチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサンーメチルフェニルシロキサンーメチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマー等のオルガノポリシロキサンエラストマーが挙げられる。
成分(D)は、成分(C)との混合物として市販されていることが多いが、その場合は、成分(D)は成分(C)で潤膨された状態にあり、本発明では、この市販された状態のものが使用できる。市販品としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG−16(固形分20〜30%)、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとフェニルトリメチコンとの混合物としてKSG−18(固形分10〜20%)等が挙げられる。部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を含有する場合、全油剤量の1〜30%配合することがより好ましい。
本発明の化粧料は、常法に従い、公知の化粧料成分と組み合わせて配合することにより製造される。成分(A)と成分(B)を分散媒である成分(C)に混合分散させる方法については、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。例えば、ロールミルや、プロペラミキサー、ハイスピードミキサー、ディゾルバー、ホモジナイザー、湿式ジェットミル、コロイドミル、マスコロイダー、ビーズミル、サンドミル等の湿式混合分散機を使用しても、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ワーナー等で乾式混合分散してもよい。
本発明の化粧料には、更に、本発明の目的及び効果を阻害しない範囲で、通常の化粧料等に用いられる他の成分、例えば、界面活性剤、アルコール類、水、保湿剤、ゲル化剤及び増粘剤、上記表面被覆処理された以外の粉体、中和剤、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、粉体、紫外線吸収剤、美肌用成分、外用薬剤、香料等を適宜配合することができる。
本発明の化粧料の剤型については、油剤を配合する剤型であれば特に限定せず、例えば液状、乳液状、クリーム状、固形状、ゲル状、ペースト状、スティック状等、種々の形態にて実施することができる。また、本発明の化粧料は、油性系、油中水型乳化系、水中油型乳化系等、その剤形は特に制限されず、具体的には乳液、クリーム、美容液、化粧油、リップクリーム、ハンドクリーム、洗顔料などのスキンケア化粧料、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅、リップグロス等のメイクアップ化粧料、日焼け止め乳液、日焼け止め下地、日焼け止めオイル、日焼け止めスティック等、種々の化粧料にて実施することできる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
1.表面被覆処理粉体の製造
[製造例1]酸化チタンの例
精製水700gに塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体0.4gと、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル及びメチルシラノールトリPEG−8−グリセリルココエートを含む混合物(MONOSILIOL C:EXSYMOL社製)4gを添加し均一に溶解させた。その溶液中に酸化チタン(TINANIXJR−800:テイカ社製)95.6gを加え、50℃に保温し10時間撹拌を行った。その後冷却し、得られたスラリーを取り出し、水洗、濾過し、洗浄を行った。その後、得られた混合物を乾燥した後、粉砕して、目的とする表面が親水化処理された酸化チタンを得た。
[製造例2]酸化亜鉛の例
上記と同様の表面処理剤、計4.4gを、酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛 MZ−500:テイカ社製)95.6gに被覆処理した。その後冷却し、得られたスラリーを取り出し、水洗、濾過し、洗浄を行った。その後、得られた混合物を乾燥した後、粉砕して、目的とする表面が親水化処理された酸化亜鉛を得た。
[製造例3]酸化鉄の例
上記と同様の表面処理剤、計4.4gを、ベンガラ(タロックスレッドR516P:チタン工業社製)、黄酸化鉄(タロックスイエローLL−100P:チタン工業社製)、黒酸化鉄(タロックスブラックBL−100P:チタン工業社製)、それぞれ95.6gに被覆処理した。その後冷却し、得られたスラリーを取り出し、水洗、濾過し、洗浄を行った。その後、得られた混合物を乾燥した後、粉砕して、目的とする表面が親水化処理された各酸化鉄を得た。
2.化粧料の製造
[実施例1〜4、比較例1〜5:油性固形ファンデーション]
下記表1に示す処方の油性固形ファンデーションを調製し、(イ)隠蔽性、(ロ)膜薄感、(ハ)塗布膜のおさまりの早さ、(ニ)凹凸を目立たなくする効果、について下記の評価方法により評価した。結果を併せて表1に示す。なお、表1の各母粉体は、上記親水化処理粉体の製造例と同じ粉体を用いた。
注1:KSG−15(信越化学工業社製)
注2:シリコーン処理 KF−9901(信越化学工業社製)
注3:MX-3000C(平均粒径30μm)(綜研化学社製)
注4:KSP−102(平均粒径30μm)(信越化学工業社製)
注5:D−200(平均粒径30μm)(根上工業社製)
注6:MX−500C(平均粒径5μm)(綜研化学社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を混合溶解する。
B:成分9〜30をAに添加し混合分散する。
C:Bを90℃で再溶解する。
D:Cを金皿に充填し、流し込み充填、またはプレス成型する。
(評価方法)
前記実施例1〜4及び比較例1〜5の油性固形ファンデーションを、化粧品専門パネル20名に使用してもらい、「(イ)隠蔽性」、「(ロ)膜薄感」、「(ハ)塗布膜のおさまりの早さ」の各々の項目について、以下に示す評価基準にしたがって、各ファンデーション毎に評点を付し、全パネルの評点の平均点により以下に示す判定基準にしたがって判定した。なお、「(ニ)凹凸を目立たなくする効果」については、顔面を左右に分けて片方のみファンデーションを塗布し、未塗布部位との比較により評価した。
(評価基準)
評価結果 : 評 点
非常に良好: 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
(判定基準)
全パネルの評点の平均点 : 判 定
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5点未満: ○
2.0以上〜3.5点未満: △
2.0点未満 : ×
実施例1〜4の油性固形ファンデーションは、隠蔽性が高いのに膜が薄く、塗布膜が早くおさまる使用感を付与し、同時に塗布膜形成を阻害することなく凹凸を目立たなくする効果に優れた化粧料であった。一方、成分(C)油剤の配合量が少ない比較例1、成分(B)の球状粒子を配合していない比較例2、成分(A)の代わりに他の被覆処理粉体、あるいは未処理の粉体を配合した比較例3と4、成分(B)の代わりに粒子径の小さい球状粒子を配合した比較例5は、表に記載の各項目で劣るものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)金属酸化物、金属水酸化物、及び/又はそれらを含む複合体から選択される少なくとも1種以上の無機粉体粒子の表面を、メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、及び、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体で被覆してなる表面被覆処理粉体 1〜78質量%
    (B)1次粒子の平均粒子径が25〜35μmの球状粒子 2〜50質量%
    (C)油剤 20〜80質量%
    を配合することを特徴とする化粧料であって、
    成分(A)において、前記メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体による被覆量が、表面被覆処理粉体の0.1〜30質量%であり、かつ
    前記メチルシラノールトリ(ヤシ油脂肪酸PEG−8グリセリル)及びヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリルと、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体との質量比率が、10:1〜1:15である、化粧料。
  2. 前記(A)の表面処理される粉体が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、及び/又はそれらを含む複合体から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
  3. さらに(D)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
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