JP5814320B2 - ハンダ合金微粒子の製造方法、ハンダ合金微粒子、ハンダペーストおよび電子機器 - Google Patents
ハンダ合金微粒子の製造方法、ハンダ合金微粒子、ハンダペーストおよび電子機器 Download PDFInfo
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例えば、特許文献1(特開平9−49007)では、高温の分散媒体中にて溶融したはんだ合金に超音波振動を加えつつ分散凝固を行うことにより、粒径の均一なほぼ真球状のはんだ合金微粉末を製造する方法が提案されている。
特許文献2(特開2003−166007)では、はんだの塊を高沸点の分散媒の中ではんだの融点以上の温度で加熱して溶融し、攪拌することにより溶融はんだを液滴化し、その後に冷却して固化し、微粒子化する油中アトマイズ法が提案されている。
あるいは、略球状のハンダ粒子であるが、比較的広い粒度分布を有している。ハンダ粒子とハンダフラックスからなるハンダペーストの用途によっては、ハンダ粒子の粒径をある程度そろえる必要があり、その場合は、該ハンダ粒子を分級し、必要とされる平均粒径において粒度分布の狭いハンダ粉を得ているため、収率が低いという問題がある。上記製造方法では平均粒径が5μm以下であり、粒度分布の狭いハンダ粒子を安定的に得ることは困難である。
特許文献4(特開2012−115861)には、錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させるハンダ粉末の製造方法において、前記粉末を還元析出させる際に、前記混合液中に前記粉末を構成する錫以外の元素から構成された金属微粉末及びその金属イオンを一種以上添加することを特徴とするハンダ粉末の製造方法が提案されているが、平均粒径が1〜5μmであり、しかも、スターラのような一般的なミキサーを用いる製造方法であり、粒度分布の狭いハンダ微粒子を得ることは困難である。
特許文献6(特許第4335968号)と特許文献7(特許第4534098号)に、接近・離反可能に互いに対向して配設され,少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体中で金属化合物を還元して平均粒子径が1〜200nmの金属微粒子を製造する方法が開示されており、合金微粒子も製造できると記載されているが、卑金属化合物を還元する実施例では合金微粒子と単一金属からなる金属微粒子が混在しており、しかも、ハンダ合金微粒子の製造方法はなんら開示されていない。
[1] 接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面との間に、液相である被処理流動体を導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する該被処理流動体が薄膜流体を形成し、該薄膜流体中で金属イオンと還元剤とが反応して金属微粒子を析出する、金属微粒子の製造方法であって、被処理流動体が、ハンダ合金用の金属塩2種以上と還元剤と錯体形成剤と分散剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、pH8より大きく12以下である該薄膜流体中で前記金属塩2種以上由来の金属イオンが還元されて、2種以上の金属の合金からなり、平均粒径が10〜1000nmであるハンダ合金微粒子を析出することを特徴とする、ハンダ合金微粒子の製造方法。
[2] 前記被処理流動体は、少なくとも2つの被処理流動体である第1の被処理流動体と第2の被処理流動体とからなり、第1の被処理流動体は少なくともハンダ合金用の金属塩2種以上と錯体形成剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、第2の被処理流動体は少なくとも還元剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、第1の被処理流動体と第2の被処理流動体のいずれかは又は両方が分散剤を含有しており、第1の被処理流動体と第2の被処理流動体が別々の導入路から前記第1処理用面と第2処理用面との間に導入されて薄膜流体を形成することを特徴とする、[1]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[3] 前記被処理流動体は、3つの被処理流動体である第1の被処理流動体と第2の被処理流動体と第3の被処理流動体とからなり、第1の被処理流動体は少なくともハンダ合金用の金属塩2種以上と錯体形成剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、第2の被処理流動体は少なくとも還元剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、第3の被処理流動体は分散剤または分散剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、第1の被処理流動体と第2の被処理流動体と第3の被処理流動体が別々の導入路から前記第1処理用面と第2処理用面との間に導入されて薄膜流体を形成することを特徴とする、[1]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[4] 前記被処理流動体は、第1の被処理流動体と第2の被処理流動体とからなり、第1の被処理流動体はハンダ合金用の金属塩2種以上と錯体形成剤とpH調整剤との水溶液であり、該水溶液のpHが8以上,かつ,12未満であり、第2の被処理流動体は還元剤と分散剤とpH調整剤との水溶液であり、該水溶液のpHが第1の被処理流動体のpHよりも大きいことを特徴とする、[2]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[5] 金属イオンと還元剤とが反応する前の薄膜流体は、金属塩の濃度が0.01〜5モル%であり、還元剤が金属塩に対して0.1〜40倍のモル%であり、錯体形成剤が金属塩に対して0.1〜50倍のモル%であり、分散剤の濃度が0.001〜2.0質量%であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[6] 金属塩が、Sn−Bi系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系もしくはSn−Sb系の無鉛ハンダ合金微粒子またはSn−Pb系のハンダ合金微粒子を製造するための複数の金属塩であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[8] 還元剤が、無機系還元剤、または、無機系還元剤と有機系還元剤であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[8-1] 還元剤が、無機系還元剤、または、無機系還元剤と有機系還元剤であることを特徴とする、[7]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[9] 錯体形成剤が、ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤、またはドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[9-1] 錯体形成剤が、ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤、またはドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤であることを特徴とする、[7],[8],[8-1]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[10] ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜18の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素原子数1〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、脂肪族ヒドロキシジカルボン酸もしくは脂肪族ヒドロキシトリカルボン酸であり、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜10の脂肪族ジアミンまたは窒素原子を配位原子とする芳香族化合物もしくは縮合環化合物であり、ドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤が、アミノカルボン酸類またはアミノアルコール類であることを特徴とする、[9]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[10-1] ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜18の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素原子数1〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、脂肪族ヒドロキシジカルボン酸もしくは脂肪族ヒドロキシトリカルボン酸であり、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜10の脂肪族ジアミンまたは窒素原子を配位原子とする芳香族化合物もしくは縮合環化合物であり、ドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤が、アミノカルボン酸類またはアミノアルコール類であることを特徴とする、[9-1]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[11] 分散剤が、高・中級脂肪酸塩、天然高分子分散剤または合成高分子分散剤であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[11-1] 分散剤が、高・中級脂肪酸塩、天然高分子分散剤または合成高分子分散剤であることを特徴とする、[7]〜[10-1]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[12] pH調整剤が、有機系のアルカリもしくは酸、無機系のアルカリもしくは酸、またはアルカリ性もしくは酸性の塩であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[12-1] pH調整剤が、有機系のアルカリもしくは酸、無機系のアルカリもしくは酸、またはアルカリ性もしくは酸性の塩であることを特徴とする、[7]〜[11-1]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[13] ハンダ合金微粒子の粒度分布のCV値が80%以下であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[13-1] ハンダ合金微粒子の粒度分布のCV値が80%以下であることを特徴とする、[7]〜[12-1]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[14] ハンダ合金微粒子の固相線温度が、略同じ成分比率を有し平均粒径が略15μmのハンダ合金微粒子の固相線温度より、5℃以上低いことを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか、または[13]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[14-1] ハンダ合金微粒子の固相線温度が、略同じ成分比率を有し平均粒径が略15μmのハンダ合金微粒子の固相線温度より、5℃以上低いことを特徴とする、[7]〜[12-1]のいずれか、または[13-1]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[15] ハンダ合金微粒子中に、Ag3Sn、Ag5Sn、Cu3Sn、Cu6Sn、Cu6Sn5から選択される1種以上の金属間化合物を含有することを特徴とする、[6]に記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[16] 第1処理用面と第2処理用面の一方が他方に対して回転する速度が500rpm〜3000rpmであり、微小な間隔が0.1μm〜20μmであることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[16-1] 第1処理用面と第2処理用面の一方が他方に対して回転する速度が500rpm〜3000rpmであり、微小な間隔が0.1μm〜20μmであることを特徴とする、[7]〜[15]のいずれかに記載のハンダ合金微粒子の製造方法。
[18] [1]〜[16-1]のいずれかに記載の製造方法で製造されたハンダ合金微粒子と、ハンダフラックスとから成るハンダペースト。
[19] [17]に記載のハンダ合金微粒子とハンダフラックスとから成るハンダペースト。
[20] [18]または[19]に記載のハンダペーストを使用してディスクリート部品とチップ部品と回路基板とから選択される電子部品をハンダ付けしていることを特徴とする回路基板、または、当該ハンダ付けしている回路基板を有することを特徴とする電子機器。
本発明のハンダ合金微粒子の製造方法によると、通常の湿式還元方法によって製造されるハンダ粒子よりも平均粒子径が格段に小さく、単分散に近いハンダ合金微粒子を製造することができ、また、連続的に効率良く、かかるハンダ合金微粒子を製造することができ、大量量産に対応できる。
本発明のハンダペーストは、ハンダ合金微粒子がナノサイズであり、粒度分布が狭いため、吐出性が優れており、高密度の配線基板等に使用しても、ショートなどの問題がない。
本発明の回路基板と電子機器は、本発明のハンダペーストを使用してハンダ付けしているので、精度や信頼性が高い。
本願の請求項1に係る発明は、水性媒体中で2種以上のハンダ用金属塩由来の金属イオン、すなわち、該ハンダ用金属塩が解離して生成した金属イオンを錯体形成剤など存在下で、かつ、特定pH範囲で還元剤により還元することにより、該2種以上のハンダ用金属の合金であるハンダ合金微粒子を析出させるハンダ合金微粒子の製造方法に関するものであり、詳しくは、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面との間に、該液相となる被処理流動体を導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する該被処理流動体が薄膜流体を形成し、該薄膜流体中で金属イオンと還元剤とが反応して金属微粒子を析出する、金属微粒子の製造方法であって、被処理流動体が、ハンダ合金用の金属塩2種以上と還元剤と錯体形成剤と分散剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、pH8より大きく12以下である該薄膜流体中で前記金属塩2種以上由来の金属イオンが還元されて、2種以上の金属の合金からなり、平均粒径が10〜1000nmであるハンダ合金微粒子を析出させることを特徴とする、ハンダ粒子の製造方法に関する。
図9に示すとおり、この流動体処理装置は、第1処理用部10Mと、第2処理用部20Mと、接面圧付与機構4Mと、回転駆動部と、第1導入部d1Mと、第2導入部d2Mと、流体圧付与機構p1Mと、流体圧付与機構p2Mと、ケース3Mとを備える。回転駆動部は第1処理用部10Mに接続しているが、図示していない。ケース3Mの側壁、底部は、図9において省略されている。
第1処理用部10Mと第2処理用部20Mとは、少なくとも何れか一方が、少なくとも何れか他方に、接近・離反可能となっており、第1処理用面1Mと第2処理用面2Mは、接近・離反できる。
好ましい実施の形態では、第1処理用部10Mに対して、第2処理用部20Mが接近・離反する。これとは逆に、第2処理用部20Mに対して、第1処理用部10Mが接近・離反するものであってもよく、第1処理用部10Mと第2処理用部20Mが互いに接近・離反するものであってもよい。
第1処理用面1Mと第2処理用面2Mは、平滑であり、例えば、鏡面研磨されているが、混合効率を向上するため、第1処理用面1Mと第2処理用面2Mのいずれか又は両方に浅い溝や窪みが存在していてもよい。
上記のケース3Mは、第1処理用部10Mと第2処理用部20Mの外周面の外側に配置されており、第1処理用面1Mと第2処理用面2Mとの隙間にて生成してその外側に排出される生成物を収容する。ケース3Mは、第1処理用部10Mと第2処理用部20Mを収容する液密な容器である。
ケース3Mには、ケース3Mの外側に生成物を排出するための排出口32Mが設けられている。なお、ケース3Mの側壁、底部、排出口32Mは、図9において省略されている。
上記の流体圧付与機構p1Mは、直接的又は間接的にこの第1導入部d1Mに接続しており、第1被処理流動体に流体圧を付与する。流体圧付与機構p1Mには、コンプレッサなどのポンプを採用するとよい。
好ましい実施の形態において、第1導入部d1Mは、第2処理用部20Mの中央部分の内部に設けられた第1被処理流動体の通路であり、その一端が、第2処理用面2Mの中心位置にて開口する。第1導入部d1Mの他の一端は、ケース3Mの外部において、上記流体圧付与機構p1Mと接続している。
ここで、第1処理用面1Mと第2処理用面2Mとは、好ましくは0.1μmから100μm、特には0.1μmから20μmの微小間隔に調整されることにより、均一な反応を実現すると共に、数nm単位の金属微粒子の生成も可能となる。
第1導入部d1Mの開口部m1Mから第1処理用面1と第2処理用面2間へ導入された第1被処理流動体に対して、第2導入部d2Mの開口部m2Mから第1処理用面1と第2処理用面2間に導入された第2被処理流動体が、上記反応室となる領域HMにて、混合される(図10)。
反応生成物は、均質な反応生成物となり、金属微粒子が析出する。析出した金属微粒子は、第1処理用面1Mの回転により第2処理用面2Mとの間で剪断を受けることにより、さらに微細化されると考えられる。
従って、金属微粒子の析出は、流体圧付与機構p1Mが負荷する送圧の調整や、処理用面の回転速度、即ち、回転数の調整という、比較的コントロールし易い方法により、制御できる。
さらには、第4導入部が存在していてもよい。第4導入部は、第2処理用部20Mの内部に設けられた第4被処理流動体の通路であり、その一端が第2処理用面2Mに開口していてもよく、あるいは、第1処理用部10Mの内部に設けられた第4被処理流動体の通路であり、その一端が第1処理用面1Mに開口していてもよい。
第2ホルダー21Mは、第1ホルダー11Mの上方に配置されており、第2ホルダー21Mの下面に第2リング20RMが嵌合または固設されており、第1ホルダー11Mの上面に第1リング10RMが嵌合または固設されている。第2リング20RMの下面が第2処理用面2Mであり、第1リング10RMの上面が第1処理用面1Mである。第1処理用面1Mと第2処理用面2Mは、平滑であり、例えば、鏡面研磨されている。
第1処理用面1Mは第1ホルダー11Mの上面から突出しており、第2処理用面2Mは第2ホルダー21Mの下面から突出している。
好ましい実施の形態では、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mに対して第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが接近・離反する。これとは逆に、第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mに対して、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mが接近・離反するものであってもよく、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mと第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが互いに接近・離反するものであってもよい。
好ましい実施の形態では、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mに対して、第2処理用部20Mが接近・離反する。これとは逆に、第2処理用部20Mに対して、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mが接近・離反するものであってもよく、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mと第2処理用部20Mとが互いに接近・離反するものであってもよい。
好ましい実施の形態では、第1処理用部10Mに対して第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが接近・離反する。これとは逆に、第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mに対して第1処理用部10Mが接近・離反するものであってもよく、第1処理用部10Mと第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mとが互いに接近・離反するものであってもよい。
第1ディスク10と第2ディスク20とは、少なくとも何れか一方が、少なくとも何れか他方に、接近・離反可能となっており、第1処理用面1と第2処理用面2は、接近・離反できる。
好ましい実施の形態では、第1ディスク10に対して第2ディスク20が接近・離反する。これとは逆に、第2ディスク20に対して第1ディスク10が接近・離反するものであってもよく、第1ディスク10と第2ディスク20が互いに接近・離反するものであってもよい。
第1処理用面1と第2処理用面2は、平滑であり、例えば、鏡面研磨されているが、混合効率を向上するため、第1処理用面1と第2処理用面2のいずれか又は両方に溝状の凹部5が存在することが好ましい。
処理用面に設けられた凹部5については、反応物及び生成物を含む流体の物性に対応して、その深さ、処理用面に対して水平方向への総面積、溝の本数、及び形状を設定するとよい。
この凹部5の深さは、好ましくは1μm〜50μm、さらに好ましくは3μmから20μmである。処理用面に対して水平方向への総面積は、処理用面全体に対して5%〜50%、好ましくは15%〜25%であり、溝の本数は、3〜50本、好ましくは8〜24本である。その形状は、処理用面上をカーブもしくは渦巻状で伸びるもの、L字状に屈曲するものが例示される。さらに凹部の深さに勾配を持たせてもよい。高粘度域から低粘度域までの流体を安定的に処理用面間に導入できる。
上記のケース3は、第1ディスク10と第2ディスク20の外周面の外側に配置されており、第1処理用面1と第2処理用面2との隙間にて生成してその外側に排出される生成物を収容する。ケース3は、第1ディスク10と第2ディスク20を収容する液密な容器である。
ケース3には、ケース3の外側に生成物を排出するための排出口32が設けられている。
上記の流体圧付与機構p1は、直接的又は間接的にこの第1導入部d1に接続しており、第1被処理流動体に流体圧を付与する。流体圧付与機構p1には、コンプレッサなどのポンプを採用するとよい。
好ましい実施の形態において、第1導入部d1は、第2ディスク20の中央部分の内部に設けられた第1被処理流動体の通路であり、その一端が、第2処理用面2の中心位置にて開口する。第1導入部d1の他の一端は、ケース3の外部において、上記流体圧付与機構p1と接続している。
その外側に通り抜けようとする。
このとき、第1被処理流動体の送圧を受けた、第2処理用面2は、接面圧付与機構4の付勢に抗して、第1処理用面1から遠ざかり、第1処理用面1と第2処理用面2間に微小な間隔を開ける。
ここで、第1処理用面1と第2処理用面2とは、1μmから1mm、特に1μmから10μmの微小間隔に調整されることにより、均一な還元反応を実現すると共に、数nm単位のハンダ合金超微粒子の生成も可能となる。
第1開口部m1から第1処理用面1と第2処理用面2間へ導入された第1被処理流動体に対して、第2開口部m2から第1処理用面1と第2処理用面2間に導入された第2被処理流動体が、上記反応室となる領域Hにて、混合される(図4)。
第2導入部d2の開口部m2は、混合効率の点で、図4において環状の一点鎖線上に複数あることが好ましく、さらには複数の開口部m2相互は等間隔であることが好ましい。
反応生成物は、均質な反応生成物となり、ハンダ合金微粒子が析出する。析出したハンダ合金微粒子は、第1処理用面1の回転により第2処理用面2との間で剪断を受けることにより、さらに微細化されると考えられる。
従って、ハンダ合金微粒子の析出は、流体圧付与機構p1が負荷する送圧の調整や、処理用面の回転速度、即ち、回転数の調整という、比較的コントロールし易い方法により、制御できる。なお、第1被処理流動体および第2被処理流動体の供給温度を制御しても良い。
第2ホルダー21Mは、第1ホルダー11Mの上方に配置されており、第2ホルダー21Mの下面に第2リング20RMが嵌合または固設されており、第1ホルダー11Mの上面に第1リング10RMが嵌合または固設されている。第2リング20RMの下面が第2処理用面2Mであり、第1リング10RMの上面が第1処理用面1Mである。第1処理用面1Mと第2処理用面2Mは、平滑であり、例えば、鏡面研磨されている。
第1処理用面1Mは第1ホルダー11Mの上面から突出しており、第2処理用面2Mは第2ホルダー21Mの下面から突出している。
好ましい実施の形態では、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mに対して、第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが接近・離反する。これとは逆に、第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mに対して、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mが接近・離反するものであってもよく、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mと第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが互いに接近・離反するものであってもよい。
好ましい実施の形態では、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mに対して第2処理用部20Mが接近・離反する。これとは逆に、第2処理用部20Mに対して、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mが接近・離反するものであってもよく、第1リング10RMを具備した第1ホルダー11Mと第2処理用部20Mとが互いに接近・離反するものであってもよい。
好ましい実施の形態では、第1処理用部10Mに対して第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mが接近・離反する。これとは逆に、第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mに対して第1処理用部10Mが接近・離反するものであってもよく、第1処理用部10Mと第2リング20RMを具備した第2ホルダー21Mとが互いに接近・離反するものであってもよい。
ここで、第1流体のpHが8以上,かつ,12未満であり、第2流体のpHが第1流体のpHよりも大きいことが必要であり、1〜4大きいことが好ましい。
混合効率と反応効率の点で、第1処理用面と第2処理用面の一方が他方に対して回転する速度が500rpm〜3000rpmであり、第1処理用面1,第2処理用面2間の間隔が好ましくは0.1μmから100μm、より好ましくは、0.1μmから20μmである。
金属塩2種以上は、スズ塩を主成分とし、銀塩、銅塩、鉛塩、ビスマス塩のいずれか又は複数を副成分とすることが好ましく、特に銀塩、銅塩のいずれか又は両方を副成分とすることが好ましい。
その他の金属塩として、例えば、金塩、インジウム塩、亜鉛塩、アンチモン塩を挙げることができる。さらに鉄塩、ニッケル塩、コバルト塩、クロム塩、マンガン塩、アルミニウム塩、モリブデン塩、ニオブ塩、タンタル塩、ゲルマニウム塩を挙げることができる。副成分は2種以上を併用してもよい。
水性媒体とは、水、または水と水溶性有機溶媒との混合液をいう。そのための水溶性有機溶媒は、20℃における水に対する溶解性が50g/L以上でかつ30〜250℃の沸点を有する有機溶媒が好ましい。炭素数1〜6のアルコール(例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール)、炭素数3〜6のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、炭素数2〜6のエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、炭素数2〜6のアルキレングリコールモノエーテル(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル)が好ましく、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。水性媒体中の有機溶媒の含有量は、50質量%以下が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、2〜35質量%がさらに好ましい。有機溶媒は2種以上を併用してもよい。
かかる還元剤として無機系還元剤と有機系還元剤がある。無機系還元剤として、例えば、水素化ホウ素ナトリウム,水素化ホウ素アンモニウム等の水素化ホウ素塩系還元剤、亜リン酸,亜リン酸ナトリウム,次亜リン酸,次亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸系還元剤、ヒドラジン,塩酸ヒドラジン,硫酸ヒドラジン,抱水ヒドラジン等のヒドラジン系還元剤、亜硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸系還元剤、チオ硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸系還元剤、遷移金属元素のイオン(三価のチタンイオン、二価のコバルトイオン等)などの無機系還元剤が挙げられる。
これらのうちでは、還元力と溶解性の点で水素化ホウ素ナトリウム,水素化ホウ素アンモニウム等の水素化ホウ素塩系還元剤およびヒドラジン,塩酸ヒドラジン,硫酸ヒドラジン,抱水ヒドラジン等のヒドラジン系還元剤が好ましい。
なお、低級アルコールや還元性糖類、糖アルコールを用いる場合は、より強い還元性とするためカルボニル基を有する有機酸やケトン類を併用することが好ましい。
これらのうちでは、還元力と溶媒への溶解性の点でアルカノールアミンが好ましい。
これにより、金属イオン2種以上の還元反応を安定的におこなうことができ、単一金属からなる金属微粒子の析出を抑え、単一金属からなる金属微粒子が実質的に混在しないハンダ合金微粒子を得ることができる。なお、単一金属からなる金属微粒子が実質的に混在しないとは、実施例の[単一金属からなる金属微粒子の混在の検出方法]により調べたときに、金属微粒子10個すべてが、単一金属からなる金属微粒子でなく、ハンダ合金微粒子であることをいう。
このような錯体形成剤はキレート剤、錯化剤とも言われる。錯体形成剤が有する配位子のドナー原子と金属イオンとが結合して金属錯体化合物を形成する。ドナー原子として、例えば、窒素、酸素、硫黄が挙げられる。
このようなpH調整剤として、有機系のアルカリもしくは酸、無機系のアルカリもしくは酸、またはアルカリ性もしくは酸性の塩であり、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸塩、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アジピン酸、塩酸が例示される。なお、錯体形成剤とpH調整剤が同じものであっても良い。
かかる分散剤は、水性媒体に対して良好な溶解性を有すると共に、析出したハンダ合金微粒子を、薄膜流体中に良好に分散させることができれば、特に限定されない。該分散剤として、種々のものが利用できるが、例えば、有機酸やそれらの有機酸の塩、特には高・中級脂肪酸およびその塩を挙げることができる。
DISPERBYK-106、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-142、DISPERBYK-145、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-180、DISPERBYK-181、DISPERBYK-182、DISPERBYK-183、DISPERBYK-184、DISPERBYK-190、DISPERBYK-191、DISPERBYK-192、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2020、DISPERBYK-2022、DISPERBYK-2025、BYK-9076、ANTI-TERRA-U、ANTI-TERRA-U100、ANTI-TERRA-204、ANTI-TERRA-205、ANTI-TERRA-250等のディスパービックシリーズ品、ビックシリーズ品、アンチテラシリーズ品(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社販売品)、
ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550(以上、EFKAケミカル株式会社製)、フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745W(以上、共栄社化学株式会社製)、アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)、ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62(以上、ジョンソンポリマー株式会社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
そのようなハンダ合金微粒子としては、Sn−Pb系(60Sn/40Pb,40Sn/60Pbなど。ここで、60Sn/40Pbとは、Snが60質量%で、Pbが40質量%の意味である。以下、同様。)のものが挙げられる。又、Sn−Ag−Pb系(5Sn/1.5Ag/93.5Pbなど)、Sn−Bi−Pb系(43Sn/14Bi/43Pbなど)、Sn−Sb−Pb系(27Sn/3Sb/70Pbなど)、Sn−Bi−Ag−Pb系(57Sn/3Bi/2Ag/38Pbなど)、Sn−In系(48Sn/52In,58Sn/42Inなど)、Sn−Bi系(43Sn/57Bi,60Sn/40Biなど)、Sn−Zn系(91Sn/9Znなど)、Sn−Ag系(96.5Sn/3.5Ag,90Sn/10Agなど)、Sn−Cu系(99.3Sn/0.7Cu,97Sn/3Cuなど)、Sn−Sb系(95Sn/5Sbなど)、Sn−Au系(20Sn/80Auなど)、Sn−Bi−Ag−Cu系(Sn90/Bi7.5/Ag2/Cu0.5など)、Sn−Ge系(99Sn/1Geなど)、Sn−Bi−Cu系(92Sn/7.5Bi/0.5Cuなど)、Sn−Cu−Sb−Ag系(97Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Agなど)、Sn−Ag−Zn系(95.5Sn/3.5Ag/1Znなど)、Sn−Ag−Cu系(96.5Sn/3Ag/0.5Cu、98.3Sn/1Ag/0.7Cu、99Sn/0.3Ag/0.7Cuなど)、Sn−Bi−Sb系(52Sn/45Bi/3Sb,85Sn/10Bi/5Sbなど)、Sn−Bi−Sb−Zn系(51Sn/45Bi/3Sb/1Zn,84Sn/10Bi/5Sb/1Znなど)、Sn−Bi−Cu−Zn系(88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Znなど)、Sn−Ag−Sb系(89Sn/4Ag/7Sb,98Sn/1Ag/1Sbなど)、Sn−Ag−Sb−Zn系(88Sn/4Ag/7Sb/1Zn,97Sn/1Ag/1Sb/1Znなど)、Sn−Ag−Cu−Zn系(91.2Sn/2Ag/0.8Cu/6Zn,89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Znなど)、Sn−Zn−Bi系(89Sn/8Zn/3Bi,86Sn/8Zn/6Biなど)が例示される。有用性の点で、好ましくはSn−Bi系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Zn系の無鉛ハンダ合金微粒子、および、Sn−Pb系ハンダ合金微粒子である。
具体的には、生成するハンダ合金微粒子の固相線温度は、略同じ金属組成で、平均粒径が略15μmのハンダ合金粒子よりも5℃以上低く、特には10℃以上低い。固相線温度は通常の方法で測定でき、例えば、示差走査熱量計による吸熱ピークから固相線温度を測定することができる。
ベース樹脂は、異なるロジンまたはその誘導体を併用したもの、あるいはロジンまたはその誘導体と合成樹脂を併用したものであってもよい。
ベース樹脂は、常温で液状であることが好ましいが、35〜150℃位で溶融するか、溶剤に溶解可能であれば固形状でもよい。
チキソトロピック剤(c)としては、硬化ヒマシ油、脂肪酸アミド、ヒドロキシ脂肪酸、ジベンジリデンソルビトール等が例示される。また、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸;1,2−ヒドロキシステアリン酸、1,2−ヒドロキシオレイン酸等のヒドロキシ脂肪酸が例示される。その他に、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、アラビアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、サイリウムシードガム、ペクチン等の海藻、種子、樹皮、微生物等由来の天然ガム類、植物由来のでんぷん類、動物のコラーゲン由来のたんぱく質であるゼラチン類が例示される。
ここで、ディスクリート部品として、ヒートシンク、抵抗、コンデンサ、コイル、水晶振動子が例示され、チップ部品として、ダイオード、シリコンチップ、SiCチップ、GaAsチップ、GaAlAsチップ、LSIチップ、光素子、メモリ素子、パワーデバイス素子が例示される。
本発明の電子機器として、電子卓上計算機、電子辞書、携帯電話、パーソナルコンピュータ、テレビ、ラジオ、エアコンや冷蔵庫といった家電製品の制御装置、自動車・飛行機・船舶の制御装置、工業機器の制御装置が例示される。
本発明の回路基板は、例えば、ディスクリート部品やチップ部品を、プリント基板の表面の実装位置に載置して、ディスクリート部品やチップ部品のリード端子をこのプリント基板の表面または裏面に形成された導電パターンに対して、ハンダ付けにより接続することにより製造される。あるいは、回路基板とチップ部品との間に設けられたハンダバンプを溶融するというフリップチップ接合方法により製造される。あるいは、プリント基板の片面にチップ装着機によってチップ部品を配置した後にリフロー(加熱炉)に送って取付け固定し、続いてプリント基板の他面からプリント基板の通し穴にディスクリート部品を差し込んでチップ部品の装着面側でハンダ付けすることにより製造される。
接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面との間に、液相である被処理流動体を導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する該被処理流動体が薄膜流体を形成し、該薄膜流体中で金属イオンと還元剤とが反応して金属微粒子を析出するための装置(以下、強制超薄膜回転式反応装置という)として、エム・テクニック株式会社製のULREA(ULREAはエム・テクニック株式会社の登録商標である)を使用した。ULREAの概略図を図1に示した。
pHは、株式会社堀場製作所製のD−51S型により常温で測定した。
レーザードップラー法による粒度分布測定装置〔日機装(株)製の商品名マイクロトラックUPA150〕を用いて測定した。
CV値=(標準偏差/平均粒径)×100
ハンダ合金微粒子1gを濃硝酸で溶解した後、所定量の水で希釈して測定用水溶液とし、ICP(誘導結合プラズマ)分析にて各金属の含有量を測定した。
ハンダ合金微粒子10個について、各々のハンダ合金微粒子中の金属間化合物の含有の有無をXRD(X線回折装置)にて観察した。
任意に採取した金属微粒子10個について、金属の種類をXRD(X線回折装置)にて調べ、検出された金属が1種類のみの金属微粒子を、単一金属からなる金属微粒子とした。10個中1個でも単一金属からなる金属微粒子であると、単一金属からなる金属微粒子(以下、単一金属微粒子という)が混在していると判定した。
ハンダ合金微粒子をDSC(示差走査熱量計)にて昇温速度2℃/分で昇温して測定した。
ハンダペーストの粘度ならびにチクソトロピー指数は、JIS Z 3284 スパイラル方式粘度測定の基づき、株式会社マルコム製自動粘度測定装置PCU−205を用い、25℃で10rpmの粘度ならびにチクソトロピー指数を求めた。
5mlシリンジ(EFD,Inc.社製)にハンダペーストを充填し、内径0.14mmであり長さが15mmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製)を取り付け、圧力200kPaで1秒間隔で加圧有りと加圧なしを繰り返し、30分間に吐出された量を測定した。また、この間での詰まりの発生の有無を観察した。
ハンダペーストを調製するためのフラックスは以下のように調製した。
いずれも市販の、重合ロジン(酸価160、軟化点100℃)15部、アクリル酸変性ロジン(酸価240、軟化点120℃)36部、テルピネオール5部、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル35部、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール5部、および、硬化ヒマシ油4部を、攪拌羽根付ミキサーにより均一に混合して液状フラックスを調製した。
スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、第1流体として、ハンダ合金用金属をスズ、銀、銅として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を1.23%、硝酸銀(I)を0.0272%、硝酸銅(II)3水和物を0.011%含み、更に、錯体形成剤として酒石酸を2.0%、および、pH調整剤としてアンモニア0.67%(28%アンモニア水として2.4%)含有する水溶液を調製した。該水溶液のpHは9.7であった。
第2流体として、還元剤である水素化ホウ酸ナトリウムを10%およびエチレングリコールを0.85%、分散剤であるポリビニルピロリドン(平均分子量40000)を0.15%含有し、更に、pH調整剤として水酸化カリウムを3%含有する水溶液を調製した。該水溶液のpHは13.0であった。
第1流体中の各原料成分含有量と、第2流体中の各原料成分含有量と、第1流体と第2流体の総和中の各原料成分含有量、第1流体の流量と比重、第2流体の流量と比重を表1に記載した。第1流体と第2流体の総和中の還元剤の含有量および錯体形成剤の含有量については、金属塩の含有量(モル%)の倍率を表1に記載した。
ここで、第1流体と第2流体の総和における金属塩、還元剤および錯体形成剤の含有量(モル%)は、以下の方法により計算した。
第1流体および第2流体の比重を浮標計により測定し、その値を各々の密度(g/ml)とした。次に、第1流体の密度と単位時間あたりの第1流体の流量との積により、単位時間あたりの第1流体の質量を算出し、第2流体の密度と単位時間あたりの第2流体の流量との積により、単位時間あたりの第2流体の質量を算出した。単位時間の取り方は任意であるが、例えば1分間とすることができる。金属塩、還元剤、錯体形成剤を含む全原料成分(全原料成分は、金属塩、還元剤、錯体形成剤、分散剤、pH調整剤、水である。)について、各々の仕込み量から算出した質量%と第1流体および第2流体の単位時間あたりの質量とから、単位時間あたりの各々の質量を算出し、それを各々の分子量で除して単位時間あたりの各々のモル数を算出し、そのモル数の総計における各々のモル数の占める比率(百分率)をモル%とした。なお、単位時間の取り方により、算出される各々の成分のモル数は変化するが、そのモル数の総計における各々のモル数の占める比率(モル%)は、単位時間の取り方によらず一定である。
なお、実施例1以外の実施例および比較例についても、同様の方法により金属塩、還元剤および錯体形成剤のモル%を算出した。また、第1流体中の各原料成分含有量と、第2流体中の各原料成分含有量と、第1流体と第2流体の総和中の各原料成分含有量、第1流体の流量と比重、第2流体の流量と比重を各表に記載した。
処理用面1,処理用面2の間から、分散剤であるポリビニルピロリドン(平均分子量40000)で被覆されたスズ銀銅の合金微粒子であるハンダ合金微粒子が反応残さである水溶液とともに吐出された。
スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1で用いた第1流体(pH9.7)をガラス製のフラスコに入れ、オイルバスで加熱して100℃にした。続いて、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製US−150T)を用いて攪拌しながら、実施例1で用いた常温の第2流体(pH13.0)を点滴ロートにて滴下して、分散剤で被覆されたスズ銀銅の合金であるハンダ合金微粒子を反応残さである水溶液(pH10.0)とともに得た。
市販の回転ディスク法で製造された、スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表1に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は5000nmであり、その粒度分布のCV値は大きく、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなる合金微粒子であることが確認できた。
スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第2流体の還元剤である水素化ホウ酸ナトリウムの代わりに次亜リン酸ナトリウム、エチレングリコールの代わりにソルビトールを用いた第2流体(pH13.1)を使用した以外は同様にしてハンダ合金微粒子を得た。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第2流体の分散剤であるポリビニルピロリドンの代わりに、コントロールラジカル重合による変性アクリル系ブロック共重合体でアミノ基を有するDISPERBYK-2022(ビックケミー・ジャパン株式会社販売、不揮発分60%、平均分子量8,000)、pH調整剤である水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いた第2流体(pH12.9)を使用した以外は同様にしてハンダ合金微粒子を得た。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
スズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第1流体の錯体形成剤である酒石酸の代わりにマロン酸、pH調整剤であるアンモニアの代わりに水酸化カリウムを用いた第1流体(pH9.7)を使用した以外は同様にしてハンダ合金微粒子を得た。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
スズ95.0%とアンチモン5.0%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第1流体として、ハンダ用金属をスズ、銀、銅として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を1.23%、硝酸銀(I)を0.0272%、硝酸銅(II)3水和物を0.011%含む代わりに、ハンダ用金属をスズ、アンチモンとして、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を1.23%、塩化アンチモン(III)を0.0544%含む以外は同様にして第1流体の水溶液(pH11.0)を調製し、薄膜反応装置の回転数を900rpmとした以外は実施例1と同様にして得られたハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表2に示した。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を16μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは11.3であった。
スズ41.0%とビスマス58.0%と銀1.0%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第1流体として、ハンダ用金属をスズ、銀、銅として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を1.23%、硝酸銀(I)を0.0272%、硝酸銅(II)3水和物を0.011%含む代わりに、ハンダ用金属をスズ、ビスマス、銀として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を0.523%、硝酸ビスマス(III)5水和物を0.782%、硝酸銀(I)を0.00914%含む以外は同様にして第1流体の水溶液(pH11.5)を調製し、実施例1と同様にして得られたハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表2に示した。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは11.8であった。
スズ63.0%と鉛37.0%とからなるハンダ合金微粒子を製造するため、実施例1において、第1流体として、ハンダ用金属をスズ、銀、銅として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を1.23%、硝酸銀(I)を0.0272%、硝酸銅(II)3水和物を0.011%含む代わりに、ハンダ用金属をスズ、鉛として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を0.803%、硝酸鉛(II)を0.343%含む以外は同様にして第1流体の水溶液(pH9.5)を調製し、実施例1と同様にして得られたハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表2に示した。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは9.8であった。
実施例1において、第1流体としてpH調整剤としてアンモニア0.67%(28%アンモニア水として2.4%)を含有する代わりに、アンモニア0.17%(28%アンモニア水として0.6%)を含有する水溶液(pH7.4)とした以外は同様にしてハンダ合金微粒子を得た。この際の第1処理用面と第2処理用面間の間隙を10μmとし、この際に生成直後の薄膜流体のpHは7.9であった。
実施例1において、錯体形成剤である酒石酸を使用しない以外は同様にしてハンダ合金微粒子を製造しようとしたが、第1流体中において、金属塩から金属粒子が生成し、均一な第1流体の水溶液を調製することができず、ハンダ合金微粒子を製造することはできなかった。
実施例4において、錯体形成剤であるマロン酸を使用しない以外は同様にしてハンダ合金微粒子を製造しようとしたが、第1流体中において、金属塩から金属粒子が生成し、均一な第1流体の水溶液を調製することができず、ハンダ合金微粒子を製造することはできなかった。
実施例1において、錯体形成剤である酒石酸の代わりにエチレンジアミンを使用した以外は同様にして第1流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは9.7)、これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
また、ハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表2に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は30nmであり、その粒度分布のCV値は小さく、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなることが確認できた。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表2に示した。このハンダペーストの微小吐出性は良好であり詰まりもなかった。
実施例1において、第1流体として、ハンダ合金用金属をスズ、銀、銅として、各々の金属塩である、塩化スズ(IV)を12.3%、硝酸銀(I)を0.272%、硝酸銅(II)3水和物を0.11%含み、更に、錯体形成剤として酒石酸を2.0%、および、pH調整剤としてアンモニア0.67%(28%アンモニア水として2.4%)含有する水溶液を調製した。該水溶液のpHは9.4であった。
第2流体として、還元剤である水素化ホウ酸ナトリウムを10%およびエチレングリコールを0.85%、分散剤であるポリビニルピロリドン(平均分子量40000)を0.15%含有し、更に、pH調整剤として水酸化カリウムを3%含有する水溶液を調製した。該水溶液のpHは13.0であった。これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは9.8であった。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表4に示した。このハンダペーストの微小吐出性は良好であり詰まりもなかった。
実施例1において、第1流体における錯体形成剤である酒石酸を13.3%とした以外は同様にして、第1流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは9.6)、これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは9.9であった。
また、ハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表4に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は32nmであり、その粒度分布のCV値は小さく、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなることが確認できた。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表4に示した。このハンダペーストの微小吐出性は良好であり詰まりもなかった。
実施例1において、第2流体における還元剤である水素化ホウ酸ナトリウムを17.9%およびエチレングリコールを1.5%として、第2流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは9.7)、実施例1の2倍の流量を導入してハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
また、ハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表4に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は33nmであり、その粒度分布のCV値は小さく、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなることが確認できた。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表4に示した。このハンダペーストの微小吐出性は良好であり詰まりもなかった。
実施例1において、第2流体における分散剤であるポリビニルピロリドン(平均分子量40000)を0.5%とした以外は同様にして、第2流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは9.7)、これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
また、ハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表4に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は29nmであり、その粒度分布のCV値は小さく、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなることが確認できた。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表4に示した。このハンダペーストの微小吐出性は良好であり詰まりもなかった。
実施例1において、第2流体における還元剤である水素化ホウ酸ナトリウムを0%およびエチレングリコールを0%とした以外は同様にして、第2流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは9.8)、これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒の調製を試みたが、ハンダ合金微粒子は生成しなかった。なお、薄膜反応装置における混合直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
実施例1において、第2流体における分散剤であるポリビニルピロリドン(平均分子量40000)を0%とした以外は同様にして、第2流体の水溶液を調製し(該水溶液のpHは13.0)、これ以後は実施例1と同様にしてハンダ合金微粒子を調製した。
薄膜反応装置における生成直後の薄膜流体のpHは10.0であった。
また、ハンダ合金微粒子の平均粒径、粒度分布およびCV値を測定し、ハンダ合金微粒子の成分分析を行い、単一金属微粒子の混在の有無を調べ、ハンダ合金微粒子の固相線温度および液相線温度を測定し表3に示した。このハンダ合金微粒子の平均粒径は150nmであり、その粒度分布のCV値は700%と大きくなり、ハンダ合金微粒子は所定の金属割合であるスズ96.5%と銀3.0%と銅0.5%とからなることが確認できた。
さらに、実施例1と同様にして、ハンダペーストを調製し、粘度、チクソトロピー指数、微小吐出性を測定し表3に示した。このハンダペーストの微小吐出性は詰まりが発生した。
2 第2処理用面
3 ケース
4 接面圧付与機構
5 溝状の凹部
10 第1ディスク
20 第2ディスク
32 排出口
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d3 第3導入部
p1 第1流体圧付与機構
p2 第2流体圧付与機構
50 回転軸
1M 第1処理用面
2M 第2処理用面
3M ケース
4M 接面圧付与機構
10M 第1処理用部
10RM 第1リング
11M 第1ホルダー
20M 第2処理用部
20RM 第2リング
21 第2ホルダー
d1M 第1導入部
d2M 第2導入部
p1M 流体圧付与機構
p2M 流体圧付与機構
32M 排出口
41M リング収容部
50M 回転軸
Claims (13)
- 接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面との間に、液相である被処理流動体を連続的に導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する該被処理流動体が薄膜流体を形成し、該薄膜流体中で金属イオンと還元剤とが反応して金属微粒子を析出する、金属微粒子の連続的製造方法であって、被処理流動体が、少なくとも2つの被処理流動体である第1の被処理流動体と第2の被処理流動体とからなり、第1の被処理流動体は少なくともハンダ合金用の金属塩2種以上と錯体形成剤とpH調整剤を含有し、そのpHが8〜12である水性媒体であり、第2の被処理流動体は少なくとも還元剤とpH調整剤と分散剤を含有する水性媒体であり、第2の被処理流動体のpHは第1の被処理流動体のpHより1〜4大きく、第1の被処理流動体と第2の被処理流動体が別々の導入路から前記第1処理用面と第2処理用面との間に連続的に導入されて薄膜流体を形成し、該薄膜流体は、ハンダ合金用の金属塩2種以上と還元剤と錯体形成剤と分散剤とpH調整剤を含有する水性媒体であり、pH8より大きく12以下である該薄膜流体中で前記金属塩2種以上由来の金属イオンが還元されて、2種以上の金属のハンダ合金となり、平均粒径が10〜1000nmであるハンダ合金微粒子を析出することを特徴とする、ハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 第1の被処理流動体はハンダ合金用の金属塩2種以上と錯体形成剤とpH調整剤との水溶液であり、該水溶液のpHが8〜12であり、第2の被処理流動体は還元剤と分散剤とpH調整剤との水溶液であり、第2の被処理流動体のpHが第1の被処理流動体のpHよりも1〜4大きいことを特徴とする、請求項1に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 金属イオンと還元剤とが反応する前の薄膜流体は、金属塩の濃度が0.01〜5モル%であり、還元剤が金属塩に対して0.1〜40倍のモル%であり、錯体形成剤が金属塩に対して0.1〜50倍のモル%であり、分散剤の濃度が0.001〜2.0質量%であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 金属塩が、Sn−Bi系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系もしくはSn−Sb系の無鉛ハンダ合金微粒子またはSn−Pb系のハンダ合金微粒子を製造するための複数の金属塩であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 被処理流動体中の金属塩と還元剤と錯体形成剤とpH調整剤と分散剤は、水、水溶性アルコール、または、水と水溶性アルコールの混合物に溶解していることを特徴とする、請求項1に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 還元剤が、無機系還元剤、または、無機系還元剤と有機系還元剤であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 錯体形成剤が、ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤、またはドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- ドナー原子として酸素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜18の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素原子数1〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、脂肪族ヒドロキシジカルボン酸もしくは脂肪族ヒドロキシトリカルボン酸であり、ドナー原子として窒素原子を有する錯体形成剤が、炭素原子数1〜10の脂肪族ジアミンまたは窒素原子を配位原子とする芳香族化合物もしくは縮合環化合物であり、ドナー原子として酸素原子と窒素原子を有する錯体形成剤が、アミノカルボン酸類またはアミノアルコール類であることを特徴とする、請求項7に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 分散剤が、高・中級脂肪酸塩、天然高分子分散剤または合成高分子分散剤であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- pH調整剤が、有機系のアルカリもしくは酸、無機系のアルカリもしくは酸、またはアルカリ性もしくは酸性の塩であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- ハンダ合金微粒子の粒度分布のCV値が80%以下であり、単一金属からなる金属微粒子が実質的に混在していないことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- ハンダ合金微粒子中に、Ag3Sn、Ag5Sn、Cu3Sn、Cu6Sn、Cu6Sn5から選択される1種以上の金属間化合物を含有することを特徴とする、請求項4に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
- 第1処理用面と第2処理用面の一方が他方に対して回転する速度が500rpm〜3000rpmであり、微小な間隔が0.1μm〜20μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハンダ合金微粒子の連続的製造方法。
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