JP5814049B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5814049B2
JP5814049B2 JP2011190986A JP2011190986A JP5814049B2 JP 5814049 B2 JP5814049 B2 JP 5814049B2 JP 2011190986 A JP2011190986 A JP 2011190986A JP 2011190986 A JP2011190986 A JP 2011190986A JP 5814049 B2 JP5814049 B2 JP 5814049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
bead
radial direction
bead core
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011190986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013052720A (ja
Inventor
のぞみ 三好
のぞみ 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2011190986A priority Critical patent/JP5814049B2/ja
Publication of JP2013052720A publication Critical patent/JP2013052720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5814049B2 publication Critical patent/JP5814049B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は空気入りタイヤに関し、特に、タイヤの構造を簡素化して、転がり抵抗を低減した空気入りタイヤに関する。
近年、環境問題を考慮してCO排出量を抑制することの観点から、低燃費化が促進されており、タイヤにおいては、転がり抵抗の低減が求められている。
タイヤの転がり抵抗は、主に、タイヤ転動中の繰り返し変形に伴うゴム部材のエネルギー損失、いわゆるヒステリシスロスに起因することが知られている。従って、転がり抵抗を低減するためには、例えば、ヒステリシスロスが特に高いトレッド部及びサイドウォール部のゴムゲージを薄肉化することが行われている。
しかしながら、なおヒステリシスロスが高くさらなる転がり抵抗の低減が求められていることから、その他のゴム部材についても省部材化を図ることが必要とされており、特許文献1には、エネルギーロスの発生し易さの指標であるtanδが大きく且つゴム使用量の多いビードフィラーゴムを省いて、カーカスの折り返しプライを、ビードコアに直接巻き上げることが開示されている。
特開2008−149778号公報
しかしながら、特許文献1のようにビードフィラーの全体を省略すると、タイヤをリムに組んだ際に、リムフランジの径方向外側のフランジ近接域での剛性が極端に低下するため、タイヤに荷重負荷がかかると、サイドウォール部がタイヤ幅方向外側へ大きく倒れ込んでしまう。そうすると、タイヤとリムフランジとの接触領域付近に局所的な歪が発生して該歪によるエネルギー損失の増加を招き、ビードフィラーを省いたことによる転がり抵抗の低減分が相殺されてしまうため、結果として、良好な転がり抵抗を得ることが難しいという問題があった。
なお、ビードフィラーを省略した際に生じるサイドウォール部での局所的な歪発生の問題を解決するためには、前記したリムフランジ近接域のゴム部材をタイヤ幅方向に厚みを持たせて、サイドウォール部の剛性を適度に高くすることが考えられる。しかしながら、かかる解決策は、タイヤの構造をより簡素化してタイヤの転がり抵抗を低減しようとする、上述の流れに逆行することになる。
従って本発明の目的は、タイヤの構造を簡素化した場合にあっても、フランジ近接域での局所的な歪が発生することなく、タイヤの構造を簡素化することによるヒステリシスロスの低減効果を享受し得る、空気入りタイヤを提案することにある。
上記目的を達成すべく発明者が鋭意研究を重ねた結果、ゴム部材の厚みを増加することなしでも、サイドウォール部がタイヤ幅方向外側へ倒れ込むことなく、リムフランジ近接域における局所的な歪の発生を抑制できる方途を見出すに到った。具体的には、ビードワイヤを巻き回してなる高剛性のビードコアと、ビードコアよりも剛性が低いが比較的硬質のゴムからなるビードフィラーに着眼し、ビードコアを構成するビードワイヤの配置と、ビードフィラーの大きさ及び配置を工夫すれば、両者の特性をバランス良く利用することにより、ビードフィラーの全体を省略することに伴う剛性の低下を担保できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) ビードコアを埋設した一対のビード部と、両ビード部間に跨ってトロイド状に延びる本体部及び該本体部から該ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に巻き上げられる折り返し部からなるカーカスとを有する空気入りタイヤにおいて、
前記ビードコアは、ビードワイヤをタイヤ幅方向へ複数列且つタイヤ径方向へ複数段に積み重ねて成り、タイヤ幅方向外側の列はタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段するとともに、最大の段数を有する大径列は前記本体部に沿ってタイヤ径方向外側へ延びており、
さらに、前記ビードコアのタイヤ径方向外側には、前記本体部に沿ってタイヤ径方向外側へ延びる、前記ビードコアのタイヤ幅方向断面積よりタイヤ幅方向断面積の小さいビードフィラーが配置されており、
前記ビードフィラーの最大幅方向長さは、前記ビードコアの最大幅方向長さの0.5倍以下であり、
前記ビードコアのタイヤ径方向最外端から前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外端までのタイヤ径方向長さは、前記ビードコアの最大径方向長さの0.4〜1.0倍であり、
タイヤのリム装着時において、前記ビードコアのタイヤ径方向最外端はリムフランジのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に位置し、前記ビードフィラーの径方向最外端はリムフランジのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側に位置し、
前記折り返し部は、前記ビードコア及び前記ビードフィラーに直接巻き付けられて、該折り返し部の端末は、少なくとも該ビードフィラーと接触することを特徴とする空気入りタイヤ。
)前記ビードコアの最大径方向長さは、前記ビードコアの最小径方向長さの2.0〜2.5倍であることを特徴とする前記(1)に記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、タイヤの構造を簡素化した場合にあっても、フランジ近接域での局所的な歪が発生することなく、タイヤの構造を簡素化することによるヒステリシスロスの低減効果を享受し得る、空気入りタイヤを提案することができる。
本発明に従う空気入りタイヤの一実施形態の幅方向断面図である。 図1で示した空気入りタイヤの一部を拡大した図である。 ビードフィラーを全て省いた従来の空気入りタイヤの、サイドウォール部の倒れ込み変形を示す図である。 ビードフィラーを全て省き、幅方向内側の列のビードワイヤ段数を多くすることで剛性を確保した空気入りタイヤの幅方向断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に従う空気入りタイヤを詳細に説明する。図1は、本発明に従う空気入りタイヤの一実施形態の、幅向断面図である。図2は、図1で示した空気入りタイヤの一部を拡大した図である。図3は、ビードフィラーを全て省いた従来の空気入りタイヤの、サイドウォール部の倒れ込み変形を示す図である。図4は、ビードフィラーを全て省き、幅方向内側の列のビードワイヤ段数を多くすることで剛性を確保した空気入りタイヤの幅方向断面図である。
本発明に従う空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ」と言う)は、図1に示すように、ビードコア2、2を埋設した一対のビード部3、3を備えており、これらビード部からそれぞれタイヤ径方向外側に延びる一対のサイド部4、4と、サイド部間に跨るトレッド部5とを備えている。そして、両ビード部3、3間には、カーカス6が両ビード部間をトロイド状に跨るように延在している。また、ビードコア2、2の径方向外側には、それぞれ、ビードフィラー6、6が配置されている。カーカス7は、実質上、ラジアル方向に配列したポリエステル等のコードの多数本をゴム被覆した少なくとも一枚のカーカスプライをビードコア2、2間に跨って配した本体部7aと、該本体部7aから延びて各ビードコア2、2の周りで幅方向内側から外側に巻き上げられた折り返し部7b、7bからなる。
図2は、図1で示した空気入りタイヤの一部を拡大した図である。
本発明のタイヤでは、図示するように、カーカス7の折り返し部7bが、ビードコア2及びビードフィラー6に沿って、ビードコア2及びビードフィラー6の周囲を直接囲いながら、タイヤ幅方向内側から外側に巻き付けられている。
ここで、タイヤを構成するゴムが繰り返し変形する際のエネルギー損失(ヒステリシスロス)の発生が、転がり抵抗を増大させることが知られている。このことから、転がり抵抗を低減するためには、ヒステリシスロスを小さくすること、具体的には、タイヤを構成するゴム部材の使用量を削減することが効果的である。そして上述のように、ビードコアの上には比較的硬質のゴムからなるビードフィラーが配置されるのが通常であるが、ビードフィラーを構成するゴムはエネルギーロスの発生し易さの指標であるtanδが大きく、またゴム使用量が多いことから、このビードフィラー全体をタイヤ構成から省略することによってヒステリシスロスを小さくし、その結果、転がり抵抗を大幅に低減することが可能となる。
しかしながら、ビードフィラーは比較的硬質のゴムからなり、ビード周りの剛性を高めて補強するものであることから、ビードフィラーの全体を省略してしまうと、ビード周りの剛性が極端に低下してしまう。図3は、ビードフィラーを全て省いた従来の空気入りタイヤの、サイドウォール部の倒れ込み変形を示す図である。ビードフィラーを全て省略したタイヤをリムに組むと、ビードコアの上側部分、すなわちリムフランジ19近接域の剛性が極端に低下しているため、図3に示すように、サイドウォール部14がタイヤ幅方向外側に大きく倒れ込んで変形が生じ、タイヤ10とリムフランジ19との接触領域付近で局所的な歪が発生する。そうすると、リムフランジ19近接域での歪エネルギー損失が増加することになるため、ビードフィラーを完全に省いたことに起因する上述の転がり抵抗の低減効果は、かかる歪エネルギー損失により相殺されてしまう。その結果、図3に示すように、ビードフィラーを全て省いただけの空気入りタイヤでは、転がり抵抗が、従来通りビードフィラーを設けた空気入りタイヤの転がり抵抗と同じか又は悪化してしまう場合がある。
そこで本発明においては、まず、ビードワイヤ8をタイヤ幅方向へ複数列且つタイヤ径方向へ複数段に積み重ねることで形成されるビードコア2において、タイヤ幅方向外側の列がタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段するとともに、最大の段数を有する大径列Lはカーカスの本体部7aに沿ってタイヤ径方向外側へ延びており、さらに、ビードコア2のタイヤ径方向外側には、カーカスの本体部7aに沿ってタイヤ径方向外側へ延びる、ビードコア2のタイヤ幅方向断面積よりタイヤ幅方向断面積の小さいビードフィラー6が配置されていることが肝要である。
図2を参照して詳細に説明すれば、ビードコア2は、1本又は複数本のビードワイヤ8をタイヤ周方向に巻き回して、幅方向断面にて、タイヤ幅方向(紙面に示すA方向)に複数列(c)、及び、タイヤ径方向(紙面に示すB方向)に複数段(r)にビードワイヤ8を積み重ねることによって形成されている。図示例では、タイヤ幅方向外側から内側に4列(c1〜c4)、及びタイヤ径方向内側から外側に最低3段(列c1の段数)、最高6段(列c4の段数)積み重ねることにより形成されている。
そして、タイヤ幅方向外側の列がタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段するように形成されている。図示例では列c1のビードワイヤ段数は3段、列c2のビードワイヤ段数は4段、列c3のビードワイヤ段数は5段、列c4のビードワイヤ段数は6段というように、タイヤ幅方向内側の列がタイヤ幅方向外側の列のビードワイヤ段数より多くなるように形成されている。このようにして、タイヤ幅方向最内側の列が最大のビードワイヤ段数を有する列、ここでは6段となる大径列Lが形成され、この大径列Lは、図示するように、カーカス7の本体部7aに沿って径方向外側へ延在するように配置されている。
なお、本発明において、「タイヤ幅方向外側の列がタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段する」とは、図示していないが、隣接する列同士のビードワイヤ段数が、タイヤ幅方向外側の列から内側の列に増加する場合だけでなく、同段数である場合を含んでもよい。
このように、ビードワイヤ8を、カーカスの本体部7aに沿って径方向外側に積み上げる構成を採用することによって、ビードフィラーを省略することで剛性が低下した、リムフランジ9近接域の剛性を補填することができる。
すなわち、図2を参照してより詳細に説明すれば、点線Nで囲う径方向外側のビードコア部分は、サイドウォール部4の倒れ込みの起点となる、リムフランジ9とタイヤ1の外表面との離反点付近でビードワイヤ8をタイヤ周方向に連続してリング状に巻き回して形成されていることから、サイドウォール部4が変形する際、倒れ込み方向に対してねじり剛性を発揮する。これにより、ビードフィラーが省略された場合に剛性が低下するリムフランジ9の近接域、特に、リムフランジ9とタイヤ1の外表面との離反点付近で高い剛性を確保することができ、サイドウォール部4の倒れ込み変形を抑制することが可能となる。そして、この倒れこみ方向に対するねじり剛性を向上させるためには、タイヤ幅方向内側の列ほどビードワイヤ段数を増加させ、かつ、最大段数を有する大系列Lを、カーカス本体部7aに沿うように配置することが有効である。
一方、点線Mで囲ったように、列c1〜c4まで同段数を有するビードコア部分では、ビードワイヤ8をタイヤ周方向に巻き回すことによって張力を生じるため、従来のビードコアと同様に、タイヤに空気を充填した際、ビード部3とリムフランジ9とを充分に密着させる効果を有する。
なお、点線Mで囲うビードコア部分に加えて径方向外側に点線Nで囲うビードコア部分を形成することで、従来のビードコア(すなわち点線Nで囲ったビードコア部分)よりもビードワイヤ8のタイヤ周方向の巻き回し数が増加することになるが、スチールからなるビードワイヤ8は、歪エネルギー損失を殆ど発生しないため、かかる構成を採用した場合であっても、転がり抵抗の低減を維持することができる。
そして上述の通り、点線Nで囲う径方向外側のビードコア部分において、倒れ込み方向に対するねじり剛性を向上させるためには、タイヤ幅方向内側の列ほどビードワイヤ段数を増加させて、ビードコアをタイヤ径方向外側に高く配置することが有効である。
しかしながら、ビードコア2は、スチールから成るビードワイヤ8を巻き回して構成されて高い剛性を有することから、例えば図4に示すようにビードワイヤ8を高く積み上げていくと、ビード部3周りの剛性が高く成り過ぎる場合がある。すなわち、タイヤ径方向内側列のビードワイヤ段数を多くし過ぎると、i)サイドウォール部剛性が高くなり過ぎるため、逆に転がり抵抗が悪化する、ii)ビードコア2はビードワイヤ8をタイヤ周方向に巻き回して形成されるため、ビードワイヤを高く積み上げたビードコア部分では、ビードコア2の性状が周方向で不均一となる、iii)サイドウォール部4のゲージ厚さが薄い部分にまでビードワイヤ8が達することによって、サイドウォール部4においてゴムとビードワイヤ間の剛性段差が生じたり、凹凸が生じてしまい、タイヤ周方向のクラックが発生する、iv)カーカスの折り返し部7bを、ビードコア2の周囲に直接巻き回すため、カーカスの折り返し端部においてプライコードとビードワイヤ間のプライコーティングゴムのせん断変形により、カーカスの折り返し端部でクラックが発生しやすくなる、v)ビード部からサイドウォール部にかけてのねじり剛性が高くなりすぎるため、リム組性が悪化する、などの問題が生じる場合がある。
従って本発明では、上述のビードコア2の構成に加えて、ビードコア2のタイヤ径方向外側に、さらに、カーカス本体部7aに沿ってタイヤ径方向外側へ延びる、ビードコア2のタイヤ幅方向断面積よりタイヤ幅方向断面積の小さいビードフィラー6が配置されることが肝要である。
ビードフィラー6は、サイドウォール部4を形成するサイドゴムよりは高剛性であるが、スチールからなるビードワイヤ8の集合によって形成されるビードコア2の剛性よりは低剛性な、硬質ゴム(弾性率10〜30MPa)によって形成されている。従って、上記構成を採用することにより、歪が集中的に発生する離反点からリムフランジ9のタイヤ径方向最外側端9Eの領域近傍において、高剛性であるビードコア2と、ビードコア2よりも剛性が低いが適度に高い剛性を有するビードフィラー6との、両剛性をバランス良く利用することができるので、当該領域の剛性を高剛性であるビードコア2のみで確保することに起因する、上述のような問題が生じることがない。さらにこの際、ビードフィラー6をカーカス本体部7aに沿うように配置しているため、サイドウォール部4の倒れ込みによる力を直接吸収して、変形を有利に抑制することができる。
また、本発明におけるビードフィラー6は、タイヤ幅方向断面積がビードコア2のタイヤ幅方向断面積よりも小さく、従来のタイヤに配置されていたビードフィラーよりも極端に体積が小さい。従って、ビードフィラーのゴム使用量を極力減らすことができるため、充分に小さいヒステリシスロスを維持することが可能となる。
その結果、タイヤの構造を極力簡素化したまま、局所的な歪が発生することのない、転がり抵抗を充分に低減した空気入りタイヤを実現することが可能となる。
さらに本発明では、カーカスの折り返し部7bが、ビードコア2及びビードフィラー6に直接巻き付けられており、折り返し部の端末7bEが、少なくともビードフィラー6と接触する位置まで巻き上げられていることが肝要である。
このように、カーカス7を、ビードコア2及びビードフィラー6の周囲全体に対して直接堅固に巻き付けることにより、カーカス7を引き抜け難くして、カーカス7の張力によっても、サイドウォール部4の倒れ込みの発生を抑制して、転がり抵抗を低減することができるからである。
また本発明では、タイヤをリムに装着する際に、ビードコア2のタイヤ径方向最外端2Eが、リムフランジのタイヤ径方向最外端9Eよりもタイヤ径方向内側に位置し、ビードフィラー6のタイヤ径方向最外端6Eが、リムフランジのタイヤ径方向最外端9Eよりも径方向外側に位置する。
タイヤをリムに装着した際、サイドウォール部4の倒れ込み変形は、主に、リムフランジ9のタイヤ径方向最外端9Eよりもタイヤ径方向外側で発生する。従って、倒れ込み変形が特に大きいリムフランジ9のタイヤ径方向最外端9Eよりもタイヤ径方向外側においては、比較的剛性が高いが柔軟性を有し、ビードコア2の剛性よりも低い剛性であるビードフィラー6を設けることによって、サイドウォール部4の倒れ込みを適度に吸収しながら、変形を抑制することができる。
一方、倒れ込み部分の起点となるリムフランジ9とタイヤ1の外表面との離反点付近では、ビードコア2を形成するビードワイヤ列のうちタイヤ幅方向内側の列の径方向距離を長くすることによって、倒れ込み方向に対するねじり剛性を発揮させることができ、サイドウォール部4の倒れ込み方向にかかる力を抑制することができる。
このように、剛性の異なるビードコア2とビードフィラー6を、サイドウォール部4の倒れ込み変形が大きく異なるリムフランジ9のタイヤ径方向最外端9Eを境界に使い分けることによって、前述のi)〜v)のような問題を生じることなしにサイドウォール部4の倒れ込みを確実に抑制することが可能となる。
なお、ビードフィラー6の最大幅方向長さWは、ビードコア2の最大幅方向長さWの0.5倍以下である。ここで、ビードフィラー6の最大幅方向長さWとは、ビードコア2のタイヤ径方向最外端2Eを通るタイヤ幅方向の最大幅のことを言う。
最大幅方向長さWを最大幅方向長さWの0.5倍超とすると、ビードフィラー6の体積が大きくなってしまい、ヒステリシスロスを小さくするためにゴム使用量を少なくして省部材化したことの効果が低減してしまうからである。
また、ビードコア2の径方向最外端2Eからビードフィラー6の径方向最外端6Eまでのタイヤ径方向長さHは、ビードコア2の最大径方向長さHの0.4〜1.0倍である。径方向長さHとは、ビードコア2を形成する大径列Lよりもタイヤ径方向外側に在るビードフィラー6のタイヤ径方向長さ、すなわち、ビードコア2のタイヤ径方向最外端2Eからビードフィラー6のタイヤ径方向最外端6Eまでのタイヤ径方向長さのことである。
径方向長さHを最大径方向長さHの0.4未満とすると、ビードフィラー6のタイヤ径方向長さが短く、サイドウォール部4の倒れ込みを有効に抑制することが難しいからである。一方、1.0倍とすると、ビードフィラー6の体積が大きくなってしまい、ヒステリシスロスを小さくするためにゴム使用量を少なくして省部材化したことの効果が低減してしまうからである。
このように、ビードフィラー6は、従来の空気入りタイヤで設けられるビードフィラーと比較して非常に小さく、サイドウォール部4の倒れ込み変形を抑制できる程度に必要最小限の体積とする
さらに、ビードコア2の最大径方向長さHは、ビードコア2の最小径方向長さhの2.0〜2.5倍であることが好ましい。
最大径方向長さHが最小径方向長さhの2.0倍未満であると、大径列Lを構成するビードワイヤ段数が少なく、サイドウォール部4の倒れ込みを抑制するのに十分なねじり剛性を生じることが難しいからである。一方、2.5倍超とすると、大径列Lのビードワイヤ段数が多くなり過ぎて、上述のi)〜v)の問題が生じ易くなる場合があったり、反対に、ビードコア2を構成するタイヤ幅方向最外側の列のビードワイヤ段数が少な過ぎて、ビード部3とリムフランジ9とを密着させる従来のビードコアの機能を、充分に発揮することが難しいからである。
なお、上述では本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。例えば、図示例では1層からなるカーカスを示したが、複数層からなるものでもよい。また当然のことながら、本発明の空気入りタイヤは、ここでは図示していないインナーライナー、キャップ層等の他のタイヤ構成部材を含むことができる。
次に、この発明の効果を確認するために、本発明に従う発明例タイヤ1〜参考例タイヤ1〜3、比較例タイヤ、さらに従来技術に従う従来例タイヤ1、2を試作し、以下の試験により比較検討を行った。
試験に用いたタイヤはいずれも、タイヤサイズ195/65R15の空気入りラジアルタイヤであり、表1に示す諸元を有する。
表1中、ビードコアの「ビードワイヤ段数」とは、それぞれのタイヤにおける、タイヤ幅方向外側から内側に向かった各列のビードワイヤ段数のことを示している。また、「プライ折り返し高さ」とは、タイヤ幅方向最外側の列の径方向最外端(すなわち、図2で示す点線Mで囲うビードコア部分の径方向最外端)から、カーカスの折り返し部の端末7bEまでの、タイヤ径方向長さのことを示している。
発明例タイヤ1は、図2に示すように、タイヤ幅方向最外側から、列c1のビードワイヤ段数:3段、列c2のビードワイヤ段数:4段、列c3のビードワイヤ段数:5段、列c4のビードワイヤ段数:6段からなるビードコアを有するとともに、ビードコアの上に、ビードコアのタイヤ幅方向断面積よりもタイヤ幅方向断面積の小さい、極小のビードフィラーが配置されたタイヤである。
発明例タイヤ2は、列c4のビードワイヤ段数が10段であり、ビードコアの一部がリムフランジの径方向最外側端よりもタイヤ径方向外側に在ること以外は、発明例タイヤ1の構成と同様である。参考例タイヤ1は、ビードフィラーの最大幅方向長さWが、ビードコアの最大幅方向長さWの0.5倍超であること以外は、発明例タイヤ1の構成と同様である。参考例タイヤ2は、ビードフィラーの最大径方向長さHがビードコアの最大径方向長さHの0.4倍未満であること、参考例タイヤ3は、ビードフィラーの最大径方向長さHがビードコアの最大径方向長さHの1.0倍超であること以外は、発明例タイヤ1の構成と同様である。発明例タイヤは、ビードコアの最大径方向長さHが最小径方向長さhの2倍未満であること以外は、発明例タイヤ1の構成と同様である。
比較例タイヤは、図4に示すタイヤであって、ビードフィラーを省略するとともに、ビードコアを構成するタイヤ幅方向最内側のビードワイヤ列のビードワイヤ段数を極端に多くすることで剛性を確保したタイヤである。他の構成は、発明例タイヤ1と同様である。
従来例タイヤ1は、全ての列のビードワイヤ段数が、発明例タイヤ1のタイヤ幅方向最外側の列のビードワイヤ段数と同じであり、且つ、ビードフィラーを省略したタイヤである。従来例タイヤ2は、従来例タイヤ1のビードコア上に、従来のように、ビードコアのタイヤ幅方向断面積よりも大きなタイヤ幅方向断面積を有するビードフィラーを設けたタイヤである。他の構成は、発明例タイヤ1と同様である。
これら各試験タイヤの転がり抵抗を、以下に示す試験方法により計測した。

(転がり抵抗試験)
各試験タイヤを標準リムに装着し、内圧を230kPaに調整した後、直径1707.6mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、車軸の転がり抵抗力を求めた。転がり抵抗の測定はJIS D4234に準拠し、スムースドラム、フォース式にて実施したものである。
また、これら各試験タイヤについて以下に示すドラム試験を行い、タイヤの耐久性を調べた。
(ドラム試験)
各試験タイヤを標準リムに装着して内圧を300kPaとし、ドラム径1.707mの鉄製平滑ドラム試験機(速度:60km/h)上を、負荷荷重1230kgの下で15000km走行させた後の、カーカスの折り返し端部におけるクラックの発生の有無を調べた。
結果を表1に併せて示す。表1に示す測定結果は、従来例タイヤ2の転がり抵抗を100として指数化し、値が小さいほど転がり抵抗性能が良好であることを示している。
Figure 0005814049
表1の結果から明らかなように、タイヤ幅方向外側の列がタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段するとともに、最大の段数を有する大径列が本体部に沿ってタイヤ径方向外側へ延びており、さらに、ビードコアのタイヤ径方向外側に、ビードコアのタイヤ幅方向断面積よりタイヤ幅方向断面積の小さいビードフィラーを配置する構成を採用することにより、従来例タイヤ1及び2よりも、転がり抵抗が顕著に向上することが確認された。
また、比較例タイヤのように、ビードフィラーを省略するとともに、ビードコアを構成するタイヤ幅方向最内側のビードワイヤ列のビードワイヤ段数を極端に多くすることで剛性を確保した場合には、ビードコア端部において、タイヤ周方向のクラックが生じることが確認された。
この発明によって、タイヤの構造を簡素化した場合にあっても、フランジ近接域での局所的な歪が発生することなく、タイヤの構造を簡素化することによるヒステリシスロスの低減効果を享受し得る空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 ビード部
4 サイド部
5 トレッド部
6 ビードフィラー
7 カーカス
7a カーカス本体部
7b カーカス折り返し部
7bE カーカス折り返し部の端末
8 ビードワイヤ
9 リムフランジ
9E リムフランジ9のタイヤ径方向最外端

Claims (2)

  1. ビードコアを埋設した一対のビード部と、両ビード部間に跨ってトロイド状に延びる本体部及び該本体部から該ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に巻き上げられる折り返し部からなるカーカスとを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアは、ビードワイヤをタイヤ幅方向へ複数列且つタイヤ径方向へ複数段に積み重ねて成り、タイヤ幅方向外側の列はタイヤ幅方向内側の列に向かってタイヤ径方向外側へ増段するとともに、最大の段数を有する大径列は前記本体部に沿ってタイヤ径方向外側へ延びており、
    さらに、前記ビードコアのタイヤ径方向外側には、前記本体部に沿ってタイヤ径方向外側へ延びる、前記ビードコアのタイヤ幅方向断面積よりタイヤ幅方向断面積の小さいビードフィラーが配置されており、
    前記ビードフィラーの最大幅方向長さは、前記ビードコアの最大幅方向長さの0.5倍以下であり、
    前記ビードコアのタイヤ径方向最外端から前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外端までのタイヤ径方向長さは、前記ビードコアの最大径方向長さの0.4〜1.0倍であり、
    タイヤのリム装着時において、前記ビードコアのタイヤ径方向最外端はリムフランジのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に位置し、前記ビードフィラーの径方向最外端はリムフランジのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側に位置し、
    前記折り返し部は、前記ビードコア及び前記ビードフィラーに直接巻き付けられて、該折り返し部の端末は、少なくとも該ビードフィラーと接触することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビードコアの最大径方向長さは、前記ビードコアの最小径方向長さの2.0〜2.5倍であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
JP2011190986A 2011-09-01 2011-09-01 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5814049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011190986A JP5814049B2 (ja) 2011-09-01 2011-09-01 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011190986A JP5814049B2 (ja) 2011-09-01 2011-09-01 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013052720A JP2013052720A (ja) 2013-03-21
JP5814049B2 true JP5814049B2 (ja) 2015-11-17

Family

ID=48130122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011190986A Expired - Fee Related JP5814049B2 (ja) 2011-09-01 2011-09-01 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5814049B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6209036B2 (ja) * 2013-09-26 2017-10-04 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP6662367B2 (ja) * 2017-12-01 2020-03-11 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6972975B2 (ja) * 2017-11-29 2021-11-24 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6954060B2 (ja) * 2017-11-30 2021-10-27 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6662366B2 (ja) * 2017-12-01 2020-03-11 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7095399B2 (ja) * 2018-05-21 2022-07-05 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7095400B2 (ja) * 2018-05-21 2022-07-05 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7095401B2 (ja) * 2018-05-21 2022-07-05 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP7142556B2 (ja) * 2018-12-13 2022-09-27 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001055022A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Toyo Tire & Rubber Co Ltd タイヤのビードコア構造及び空気入りタイヤ
JP2008155728A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2010274768A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013052720A (ja) 2013-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5814049B2 (ja) 空気入りタイヤ
US8905102B2 (en) Pneumatic radial tire with round crosssection lower filler surrounding bead core
JP5393740B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4801527B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5394415B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4482504B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5410275B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5814052B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6227855B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4944458B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP6209036B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6407707B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4878179B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006218936A (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP4215567B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2008062759A (ja) 重荷重用タイヤ
JP6308616B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5636739B2 (ja) タイヤ用ビードコアおよび空気入りタイヤ
JP4699836B2 (ja) 空気入りバイアスタイヤ
JP6047383B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008001202A (ja) 重荷重用タイヤ
JP6989374B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP5479778B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6773551B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5891025B2 (ja) ビードコアおよび空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5814049

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees