JP5813269B1 - 抗菌性組成物及びその製造方法並びに生け簀の水質浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水中で使用しても抗菌活性が失われにくい抗菌剤を提供する。【解決手段】耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を備える。【選択図】なし
Description
本発明は、抗菌性組成物及びその製造方法並びに生け簀の水質浄化方法に関する。
本来魚介類は自然界の川や海で生息するものであり、魚介類が過剰生息したとしてもその天敵によって自然淘汰されるから、環境汚染を引き起こすには至らない。しかしながら養殖場においては、効率を優先するために魚介類が過密化することが多い。このような養殖場における食べ残した餌及び排泄物は、生け簀の底面に沈殿堆積する傾向があるため、新しい水を導入するだけでは清掃浄化することは大変困難である。一方で、餌及び排泄物が底面に堆積していくと、生け簀内で繁殖しやすくなった雑菌のために病気が発生し、魚介類が死滅していくこととなる。このような原因で使用出来なくなった養殖場は国内外に数多く存在する。
雑菌の繁殖を防ぐために、養殖場では抗菌剤又は抗生物質等の化学薬品が用いられている。しかしながら、健康上の問題から化学薬品の使用量には限りがあり、十分な効果を発揮できないことがある。また、水中に化学薬品を混入したとしても、水の入れ換えによって化学薬品は外部に流出してしまうため、効果が失われるとともに公害を発生する可能性すら存在する。
このような課題を解決するために、化学物質の代わりに銀を用いる方法が開発されてきた。例えば特許文献1には、ナノ銀を担持する多孔性物質が、養殖場又は農場等において抗菌剤として使用可能であることが開示されている。また、特許文献2には、銀と水ガラスとを含む焼成体が水質改良材として使用可能であることが開示されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の抗菌剤は、水中において銀が次第に流出してしまうため長期間の効果が望めないという課題を有していた。
本発明は、水中で使用しても抗菌活性が失われにくい抗菌剤を提供することを目的とする。
本発明の課題を解決するために、一実施形態に係る抗菌性組成物は以下の構成を備える。すなわち、柿渋を介して銀を担持する多孔質を備えることを特徴とする。
本発明によれば、水中で使用しても抗菌活性が失われにくい抗菌剤を提供することができる。このような抗菌剤は、例えば、海水又は淡水の魚介類の養殖場において雑菌繁殖による養殖被害を防ぐために用いることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定されるわけではない。
本発明の一実施形態に係る抗菌性組成物は、耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を備える。
多孔質とは、多数の細孔を持つ物質のことを指す。多孔質としては、オングストローム(1億分の1センチ)レベルの極微小の連続した空洞を有する構造を持つものも知られている。多孔質は水分子を吸収する性質があり、その後加熱によって脱水してもそれ自体の構造は破壊されない。また、脱水後空いた空洞に再びガスや水を強力に吸着することもできる。
銀粒子が互いに接触しないように安定的に多孔質に銀を担持させることにより、高い抗菌性を得ることができる。この観点から、多孔質は大きい表面積を有していることが好ましい。例えば、多孔質の1g当たりの表面積(比表面積)は、1m2/gよりも大きいことが好ましく、10m2/gよりも大きいことがより好ましく、100m2/gよりも大きいことがさらに好ましく、300m2/gよりも大きいことが特に好ましい。比表面積の測定方法は周知であり、例えばBET法によって行うことができる。
多孔質の種類は特に限定されず、例えばゼオライト、セラミックス、サンゴ、活性炭、多孔性金属、ポリウレタン、又はコンクリート等が挙げられる。養殖場の生け簀に投入する用途で用いるためには、生け簀から流出しないように抗菌性組成物が水中に沈殿することが好ましい。このような観点から、多孔質の比重は1より大きいことが好ましい。また、銀の流出を防ぐとともに水が懸濁することを防ぐ観点から、抗菌性組成物は水に溶けにくいことが好ましい。以上のような観点から、多孔質としてはカルシウムを含んでいることが好ましく、特に炭酸カルシウムのようなカルシウム化合物を主成分とすることが好ましい。
抗菌剤の吸着母体となる多孔質として特に好ましくはサンゴが挙げられる。サンゴは、水に溶けにくく、速やかに水中に沈殿しやすい点で特に好ましい。サンゴとしては、安全に加工され海水又は軟水に使用可能な加工サンゴを用いることができる。サンゴは元来海で生息しているため、当然水と相性が良く、水に溶けにくい。また、サンゴは水中にむらなく速やかに底に沈む傾向がある。さらには、サンゴは他の物質の表面を固めにくく、水や空気を通しやすい。さらには、サンゴの吸着面積は大きく、その比表面積は1立方センチメートルあたり300平方メートル以上ともいわれている。このように、サンゴは多くの銀を担持することが可能な吸着母体であるといえる。
多孔質の形状は特に限定されず、例えばブロック状、砕石状又は粉末状等が挙げられる。特に養殖場で用いる際に、取り扱いを容易とし、速やかに水中に沈殿するように、多孔質の平均粒子径は5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。一方で、多孔質の平均粒子径は0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。本明細書において、平均粒子径は顕微鏡により測定されるものとする。すなわち、顕微鏡で銀粒子を含む試料を観察し、観察された銀粒子の長径を粒子径とする。そして、一定の観察範囲内にある粒子径の平均を平均粒子径とする。
銀は、銀単体であっても銀イオンであってもよい。どちらの場合であっても抗菌力を期待することができる。一実施形態においては銀として銀粒子が用いられ、さらなる実施形態においては高い抗菌力を有する銀ナノ粒子(以下、ナノ銀と呼ぶ)が用いられる。現代科学の進歩によって開発されたナノ銀は、大変抗菌力が強く、雑菌はもとよりウイルスに対しても強い効果が認められており、化粧品及び歯磨き等でよく使用されている。また、ナノ銀は、物理的な電気作用によって連続的な殺菌作用を発揮すると言われており、水中においても強力な殺菌効果を発揮する。ナノ銀は溶解しにくいために、ナノ銀を含む抗菌性組成物による抗菌作用が持続することが期待される。
ナノ銀の平均粒子径は、90nm未満であることが好ましく、50nm未満であることがさらに好ましく、20nm未満であることがより好ましく、10nm未満であることが特に好ましい。ナノ銀の平均粒子径の下限は特にないが、例えば1nmより大きくてもよい。銀の純度は、抗菌効果が得られるのであれば特に限定されない。例えば、銀粒子に微量の不純物が混入していても抗菌作用は期待できる。このような観点から、銀粒子に占める銀の割合は、一実施形態においては90%以上であり、さらなる実施形態においては99%以上である。
銀の担持量は、抗菌性が発揮されるのであれば特に限定されない。特にナノ銀を用いる場合には、ナノ銀の高い抗菌作用のために、銀の担持量は微量であってもよい。例えば、銀の担持量は、抗菌性を高めるために、銀が担持された多孔質1gあたり0.01μg以上であることが好ましく、0.1μg以上であることがより好ましい。一方で、銀の担持量は、生産コストを減らす観点から、銀が担持された多孔質1gあたり1000μg以下であることが好ましく、100μg以下であることがさらに好ましく、10μg以下であることがより好ましい。
耐水性結合材とは、多孔質と銀とを結合する、水に溶けにくい物質のことを指す。耐水性結合材を用いて多孔質と銀とを結合することにより、水中に抗菌性組成物を投入した際に銀が流出して次第に抗菌性が低下することを防止することができる。例えば、耐水性結合材の溶解度は、水1Lに対して1g以下であることが好ましく、0.1g以下であることがより好ましい。
耐水性結合材としては特に限定されないが、多孔質及び銀との結合性が高い物質であることが好ましい。特に、銀による抗菌性を高めるために、銀が露出するように(水中であれば水に露出するように)耐水性結合材が銀と結合していることが好ましい。このような観点から、耐水性結合材として銀との化学的親和性が期待される化合物を用いることが好ましく、このような化合物としては例えばカテキン又はタンニン等のポリフェノール類が挙げられる。このように、耐水性結合材がポリフェノールを含有していることは好ましい。
また、抗菌性組成物の製造を容易とする観点から、耐水性結合材は耐水性を発揮する前には水溶性であることが好ましい。このような耐水性結合材としては水性の耐水性塗料が挙げられる。このような耐水性塗料の溶液は、多孔質に付与した後に乾燥させることにより耐水性を発揮する。このように水性の結合材溶液を用いることによっても、銀が結合材により完全に覆われる可能性が低くなるため、銀の抗菌性が損なわれることを防止することが期待される。
上記の観点から、耐水性結合材として柿渋を用いることは特に好ましい。柿渋は植物自然素材であって人体に無害であり、古来より魚網又は蛇の目傘等の塗料として使用されてきた。柿渋は抗菌性に大変優れており、ウイルスに対しても強い効果が証明されている。したがって、安全性が高く殺菌作用を有する銀と組み合わせて用いるのに適しているものと考えられる。また、蛇の目傘の製造において用いられていることからもわかるように、柿渋液は素材に対する密着性に優れており、一方で、一旦乾燥すると素材の性質を損なうことなく優れた耐水性と耐久性を素材にもたらすことができる。
柿渋は、渋柿を圧搾することにより得られた搾汁を濾過し、発酵及び熟成することにより得られたものである。なお、柿渋の主成分はタンニンであることが知られている。柿渋としては一般的に販売されている原液を使用することができる。柿渋は、抗菌性だけでなく、抗ウイルス性をも示すことが知られている(例えば、特開昭54−14545号公報)。臭気を低減するために、市販されている、脱臭処理が施された柿渋を使用することができる。
本実施形態に係る抗菌性組成物は、水中で用いることができる。例えば、養殖場の生け簀に投入することにより、生け簀が菌で汚染され魚介類が死滅することを防ぐことができる。一実施形態において、抗菌性組成物は生け簀の底に沈殿するように投入される。食べ残った餌及び魚介類の排泄物は底部に沈殿する傾向があるが、底に沈殿している抗菌性組成物により、底部で菌が繁殖することを防止することができる。このため、本実施形態に係る抗菌性組成物は、砂に潜る性質のある魚介類、例えばエビ又はウナギ等の養殖において好適に用いることができる。また、多孔質としてサンゴが用いられた抗菌性組成物は、サンゴが水及び空気を通しやすい点でも、砂に潜る性質のある魚介類の養殖において好適に用いることができる。
このように、本実施形態に係る抗菌性組成物は水質浄化用抗菌性組成物として用いることができ、抗菌性組成物を生け簀に投入することにより、生け簀の水質を浄化することができる。本明細書において、水質の浄化には、水質を改善することの他に、水質を維持することも含まれる。
また、本実施形態に係る抗菌性組成物は、浄水器で用いることができる。抗菌性組成物を濾材とともに浄水器に充填することにより、浄水器内での菌の繁殖を防止することができる。
以下に、本実施形態に係る抗菌性組成物の製造方法の一例について説明する。一実施形態において、抗菌性組成物は、多孔質に銀を吸着させる工程(ステップS10)と、多孔質に付与された結合材を乾燥させて耐水性を発現させる工程(ステップS20)と、を有する方法により製造される。
ステップS10においては、多孔質に銀を吸着させる。例えば、銀を含有する溶液に多孔質を浸漬することにより、多孔質に銀を吸着させることができる。溶媒としては特に限定されないが、例えば水を用いることができる。溶液中の銀の含有量は、望ましい抗菌性が得られるのであれば、特に限定されない。例えば、溶液中の銀の含有量は、一実施形態においては0.1mg/L以上であり、別の実施形態においては0.5mg/L以上であり、さらなる実施形態においては1.0mg/L以上である。また、一実施形態においては200mg/L以下であり、別の実施形態においては50mg/L以下であり、さらなる実施形態においては20mg/L以下であり、さらなる別の実施形態においては5.0mg/L以下である。
銀を含有する溶液は、さらに耐水性を発揮する前の耐水性結合材を含有していることが好ましい。結合材の量は、銀を多孔質と結合できるのであれば特に限定されない。例えば、溶液中の結合材の含有量は、溶液全体に対して、一実施形態においては1%以上であり、別の実施形態においては2%以上であり、さらなる実施形態においては5%以上である。また、一実施形態においては30%以下であり、別の実施形態においては25%以下であり、さらなる実施形態においては20%以下である。上記の範囲は結合材として柿渋を用いる場合に特に適しており、結合材の量は使用される柿渋原液の量を示す。
特に、耐水性結合材として柿渋を用いる場合、銀を含有する溶液を多孔質に含浸させることにより多孔質を柿渋で染色することができ、さらにこの際に銀と親和性の高い柿渋の特性を生かして多孔質内部に銀を担持することができる。
ステップS20においては、多孔質に付与された結合材を乾燥させて耐水性を発現させる。銀を含有する溶液に結合材が含まれている場合は、溶液に浸漬した多孔質を乾燥させることにより、耐水性を発現することができる。銀を含有する溶液に結合材が含まれていない場合には、多孔質をさらに結合材で処理することができる。
例えば、上記のように銀と柿渋とを含有する溶液を用いて多孔質を処理する場合、柿渋が乾燥することにより銀は多孔質に強力に密着担持される。
上記の実施形態によれば、多孔質に耐水性結合材を介して銀を担持させることにより、水中でも銀が多孔質から剥離することを防ぐことができる。このため、本実施形態に係る抗菌剤によれば、水中において長期間の抗菌効果が得られることが期待される。
上記の通り、一実施形態においては、多孔質としてはサンゴが用いられ、銀としてはナノ銀が用いられ、耐水性結合材としては柿渋が用いられる。サンゴは、ナノ銀粒子と柿渋の双方の強い抗菌性をもたらす母体となり、互いの相乗効果を生かして、海水又は軟水に溶け出さない理想的な抗菌剤が得られる。例えば、完成された抗菌剤を養殖場内部の水中にまくと、抗菌剤は砂土壌面に均一に沈むため、長期間に渡り安全に安定的に殺菌作用が得られ、砂土壌が清潔に改良される。このように、自然界に存在する安全な素材を有効利用した安全性の高い抗菌剤により、養殖場における雑菌を死滅させるとともに、水質汚染を防ぐことができる。
[実施例1]
まず、銀及び柿渋を含有する溶液を調製した。溶液は、50gとなるように水で希釈した柿渋原液(市販品,16.6g)と、50gとなるように水で希釈したナノ銀溶液(UFS−REFINE社製,UFS−CW20F,ナノ銀の平均粒子径5nm,銀含有量160μg/ml,1.0g)と、を混合することにより作製した。
まず、銀及び柿渋を含有する溶液を調製した。溶液は、50gとなるように水で希釈した柿渋原液(市販品,16.6g)と、50gとなるように水で希釈したナノ銀溶液(UFS−REFINE社製,UFS−CW20F,ナノ銀の平均粒子径5nm,銀含有量160μg/ml,1.0g)と、を混合することにより作製した。
次に、調製した溶液にサンゴ(熱帯魚用サンゴ,粒径0.85mm以下,関西電気サービス株式会社製,100g)を投入し、30分間浸漬した。その後、サンゴを取り出して風乾させた。こうして、耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を作製した。
得られた多孔質に銀を結合できていることを確認するために、得られた多孔質を水で洗浄した。具体的には、得られた多孔質を容器に入れて水中で10日間放置した。この間、容器から水が溢れるように、容器に常に新しい水道水を供給した。その後、多孔質を取り出して乾燥させた。
水中で放置して乾燥させた後の多孔質について、大腸菌(Escherichia coli, NBRC 3972)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus subsp. aureus, NBRC 12732)を供試菌として抗菌活性を評価した。まず、供試菌を普通寒天培地に移植し、35℃で24時間培養後、1コロニーを普通ブイヨン培地に接種し、35℃で18時間振とう培養した。この菌液を1/500濃度普通ブイヨン培地を用いて1mlあたりの菌数が105になるように希釈調製し、試験菌液とした。
次に、水中で放置して乾燥させた後の多孔質1gを三角フラスコに採取し、121℃で15分間高圧滅菌した。この三角フラスコに、上記調製した試験菌液10mlを加えた後、35℃において振とう培養した。なお、空試験として、試験菌液10mlを同様に振とう培養した。24時間振とう培養後、試験菌液1mlあたりの生菌数を標準寒天培地を用いて測定した。結果を以下に示す。
・大腸菌 初発菌数 560,000/mL
24時間後の菌数 240/mL
空試験 16,000,000/mL
・黄色ブドウ球菌 初発菌数 610,000/mL
24時間後の菌数 5/mL
空試験 150,000/mL
24時間後の菌数 240/mL
空試験 16,000,000/mL
・黄色ブドウ球菌 初発菌数 610,000/mL
24時間後の菌数 5/mL
空試験 150,000/mL
[実施例2]
水中での使用時における抗菌活性を評価するために、実施例1と同様の方法で耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を作製し、水中で10日間放置した後で、乾燥させていない多孔質を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を以下に示す。
・大腸菌 初発菌数 670,000/mL
24時間後の菌数 130/mL
空試験 9,600,000/mL
・黄色ブドウ球菌 初発菌数 540,000/mL
24時間後の菌数 140/mL
空試験 210,000/mL
水中での使用時における抗菌活性を評価するために、実施例1と同様の方法で耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を作製し、水中で10日間放置した後で、乾燥させていない多孔質を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を以下に示す。
・大腸菌 初発菌数 670,000/mL
24時間後の菌数 130/mL
空試験 9,600,000/mL
・黄色ブドウ球菌 初発菌数 540,000/mL
24時間後の菌数 140/mL
空試験 210,000/mL
[実施例3]
得られた多孔質に柿渋及び銀が強固に結合されていることを確認するために、実施例1と同様の方法で耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を作製し、透明容器に多孔質2gと水10mLとを入れて封印した。4ヶ月経過後に確認したところ、水に着色は見られなかった。
得られた多孔質に柿渋及び銀が強固に結合されていることを確認するために、実施例1と同様の方法で耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を作製し、透明容器に多孔質2gと水10mLとを入れて封印した。4ヶ月経過後に確認したところ、水に着色は見られなかった。
以上のように、本実施形態に係る銀を担持する多孔質は高い抗菌性を示すことが見いだされた。この抗菌性は流水にさらした後であっても認められることから、銀が多孔質に強く保持されていることが確認された。このような銀を担持する多孔質は、水質浄化のために可能であるとともに、一度投入すればその効果が長期間発揮されるものと考えられる。
Claims (9)
- ポリフェノールを含む耐水性結合材を介して銀を担持する多孔質を備えることを特徴とする抗菌性組成物。
- 柿渋を介して銀を担持する多孔質を備えることを特徴とする抗菌性組成物。
- 前記銀は銀ナノ粒子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗菌性組成物。
- 前記多孔質はカルシウムを含むことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の抗菌性組成物。
- 前記多孔質はサンゴであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の抗菌性組成物。
- 水質浄化用抗菌性組成物であることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の抗菌性組成物。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の抗菌性組成物を生け簀に投入する工程を有することを特徴とする、生け簀の水質浄化方法。
- 多孔質に銀を吸着させる工程と、
前記多孔質に付与された、ポリフェノールを含む結合材を乾燥させて耐水性を発現させる工程と、
を有することを特徴とする抗菌性組成物の製造方法。 - 多孔質に銀を吸着させる工程と、
前記多孔質に付与された柿渋を乾燥させて耐水性を発現させる工程と、
を有することを特徴とする抗菌性組成物の製造方法。
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