JP2014234361A - 木材の芳香蒸留水と金属担持焼成物を用いた抗菌・芳香剤 - Google Patents

木材の芳香蒸留水と金属担持焼成物を用いた抗菌・芳香剤 Download PDF

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Yoshiharu Okamoto
芳晴 岡本
岡本 健三
Kenzo Okamoto
健三 岡本
和利 田中
Kazutoshi Tanaka
和利 田中
雄一郎 赤松
Yuichiro Akamatsu
雄一郎 赤松
徹 北邨
Tooru Kitamura
徹 北邨
眞治 川崎
Shinji Kawasaki
眞治 川崎
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Abstract

【課題】金属イオンを多く含有する抗菌・芳香剤を簡単な方法にて提供する。【解決手段】木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水と金属担持焼成物を混合して得られる、金属イオンを多く含有する抗菌・芳香剤。【選択図】なし

Description

本発明は、金属イオンを多く含有する抗菌・芳香剤に関する。詳細には、木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水と金属担持焼成物を含む抗菌・芳香剤に関する。
近年、銀イオンなどの金属イオンの殺菌・抗菌・消臭効果が社会的にも認知されてきている。高濃度の銀イオン水を得るために硝酸銀が一般的に用いられている。殺菌・抗菌・消臭効果を高めるためにはさらに銀イオン濃度を高める必要がある。しかも、硝酸銀などの刺激の強い薬剤を用いた場合には、ヒトをはじめとする動物への適用に危険性と不安がある。
また、銀イオンを含有するゼオライト等から銀イオンを水中に抽出する試みがなされているが(特許文献1参照)、この方法はpH2〜5の酸性条件下で行われ、折角抽出された銀イオンが酸化銀として沈殿してしまい、実用的な消毒、抗菌または消臭剤を作製することはできなかった。
かかる状況において、ヒトや動物に対して安全性が高い抗菌・芳香剤を得る技術が切望されていた。
特開2002−068914号公報
本発明の解決課題は、ヒトや動物に対して安全性が高い抗菌・芳香剤を提供することであった。
本発明者らは、上記課題を解決せんと鋭意研究を重ね、木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水と金属担持焼成物を混合することにより非常に高濃度の金属イオンを含む溶液が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を含む抗菌・芳香剤。
(2)下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を含む混合物の液体部分を含む抗菌・芳香剤。
(3)焼成物が(i)銀、金、銅および亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持してなる金属担持無機化合物、ならびに(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および(iv)微細可燃物を含む混合物の焼成物である、(1)または(2)記載の抗菌・芳香剤。
(4)金属が銀である(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌・芳香剤。
(5)銀イオン濃度が0.5ppm以上である(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌・芳香剤。
(6)下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を混合することを特徴とする、抗菌・芳香剤の製造方法。
(7)下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を混合し、次いで固液分離を行って液体部分を得ることを特徴とする、抗菌・芳香剤の製造方法。
(8)焼成物が(i)銀、金、銅および亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持してなる金属担持無機化合物、ならびに(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および(iv)微細可燃物を含む混合物の焼成物である、(6)または(7)記載の抗菌・芳香剤の製造方法。
(9)金属が銀である(6)〜(8)のいずれかに記載の抗菌・芳香剤の製造方法。
(10)銀イオン濃度が0.5ppm以上である(6)〜(9)のいずれかに記載の抗菌・芳香剤。
本発明の抗菌・芳香剤は、抗菌性のある金属イオンを多く含むので、効果的な消毒、殺菌、抗菌ができ、木材の水蒸気蒸留の際に得られる芳香蒸留水を含むので、芳香効果も高い。しかも本発明の抗菌・芳香剤は自然由来の原料から構成されるので、ヒトや動物および周囲の環境にも優しいものである。
高濃度(0.5ppm以上)の銀イオンを含有する水溶液はより抗菌性が強いことが実証されている。本発明者らは、木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水と金属担持焼成物を混合することにより、非常に高濃度の金属イオンを含む溶液を得ることに成功した。本発明では、0.5ppm以上の高濃度の銀イオンを含有する水溶液を簡単に、しかも短時間で得ることができる。本発明の抗菌・芳香剤は、芳香蒸留水の自然の芳香と、高濃度金属イオンによる抗菌効果によって、極めて優れた性能を有するものとなっている。
図1は、木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水に銀担持焼成物を浸漬して得られた上清中の銀イオン濃度を経時的に示す図である。菱形はペレット状の焼成物を用い、サンプル採取前に振盪した場合、四角はドーナツ状の焼成物を用い、ポンプで撹拌した場合、三角はドーナツ状の焼成物を用い、サンプル採取前に振盪した場合、×はドーナツ状の焼成物を用い、静置した場合の結果を示す。
本発明は、第1の態様において、
下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を含む抗菌・芳香剤。
を提供する:
本発明の抗菌・芳香剤の1の成分である芳香蒸留水は、木材を水蒸気蒸留することにより得られる。一般的には、木材から精油を抽出するときに水蒸気蒸留が用いられるが、その際に芳香性の蒸留水が生じる。本明細書の「芳香蒸留水」はこのような蒸留水を指す。
木材は、いずれの種類の木に由来するものであってもよく、ヒノキ、マツ、スギ、モミ、キリ、ヒバ、ケヤキ、カエデ、カツラ、ブナ、ナラ、ユーカリ、ビャクダン、クロモジ、ニオイコブシ、ヒメコマツ、アスナロ、ミズメザクラ、ユズ、レモン、サンショウ 等が挙げられるが、これらに限らない。また木材は、木全体に由来するものであってもよく、木の一部に由来するものであってもよい。本明細書において「木材」とは、例えば枝葉部分または芯の部分に由来するものであってもよく、あるいは果実や果皮をも含む樹木全体のいずれの部分であってもよい。
水蒸気蒸留は、水への溶解度が小さい物質を蒸留精製する際に水を加えたり水蒸気を吹きこんだりして行う公知の蒸留法であり、木材からの精油成分の抽出に一般的に用いられている。水蒸気蒸留に用いられる装置も多種多様なものが公知であり、当業者は容易に木材を水蒸気蒸留して芳香蒸留水を得ることができる。なお、木材のみならず、セージ、バジル、ペパーミントなどのハーブを水蒸気蒸留した際に得られる芳香蒸留水を本発明に用いてもよい。
木材等から精油を得るために行われる水蒸気蒸留において大量の芳香蒸留水が生じる。これらの芳香蒸留水は産業廃棄物として処理されていたが、本発明によってその有効利用の途が見出されたことは、資源の有効利用および環境保護の観点から意義深いことである。
本発明者らは、ヒノキ芯を水蒸気蒸留して得られた芳香蒸留水の成分分析を行い、抗菌性について検討したが、有意な抗菌性は見いだせなかった。そこで、芳香蒸留水に抗菌性を付与して、自然の香りと強力な抗菌性を有する製品を開発することとし、芳香蒸留水と金属を担持する焼成物を組み合わせるという発想にたどり着いた。
本発明のもう1つの成分である金属を担持する焼成物は、抗菌作用を有することが知られている金属、例えば銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持するものである。金属として好ましいのは銀である。本明細書において、金属を担持する焼成物を「焼成物」または「セラミック」ということがある。
本発明者らは、銀を担持する焼成物を水に添加することにより比較的高濃度の銀イオン水を作成している(特開2012−232960号公報等参照)。今回、水のかわりに芳香蒸留水を用いることにより、高濃度の金属イオン水を得ることに成功した。今回得られた金属イオン水は、芳香蒸留水由来の豊かな自然の香りを有し、使用感に優れている。
本発明に用いられる金属を担持する焼成物はいずれの種類のものであってもよく当業者に公知であり、当業者が容易に作製することができ、市販もされている。例えば特開2007−332131号公報または特開2012−232960号公報に記載されたものであってもよい。これらの公報の記載を参照することにより本明細書に取り入れる。
例えば特開2012−232960号公報に記載された金属を担持する焼成物は、(i)銀、金、銅および亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持してなる金属担持無機化合物、ならびに(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および
(iv)微細可燃物を含む混合物の焼成物である。
金属担持無機化合物(i)は、抗菌性を発現するもととなる金属、例えば銀、金、銅または亜鉛のいずれかあるいはそれらのうち2種以上を担持してなり、これらの金属イオンの放出源となるものである。担体となる無機化合物としては、例えば、金属酸化物や金属リン酸塩などの金属塩等を主成分とする無機化合物材料が挙げられ、金属を担持することができる機能を有するものであれば、特に制限されるものではなく、上記以外にも、例えばセメント、石こう、ガラス系材料といった無機系の材料も挙げられる。これらのうちでも、金属担持無機化合物(i)としては、銀イオンを強固に長期間保持できることから、難溶性オルトリン酸塩に銀を担持してなる材料(例えば、特開平5−294808号公報、および特開平7−316008号公報参照。)などを好適に用いることができるが、これらに限定されるものではない。金属担持無機化合物(i)における金属の含有割合は、安定的にこれらの金属を担持させることができ、かつ十分な抗菌性能を発現することができる量に適宜調整すればよく、特に制限されるものではない。金属担持無機化合物(i)は、混練するその他の材料成分:(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および(iv)微細可燃物との均一混合性や、金属イオンの放出性能の観点から、粉末状または微粒子状であることが好ましい。
粘土物質(ii)は公知であり、様々な定義が知られている。例えば、数ミクロン〜数十ミクロン程度の粒子からなり、シリカおよびアルミナのうち少なくとも一方を含む物質であると定義することができ、また例えば、数ミクロン〜数十ミクロン程度の粒子からなり、層状ケイ酸塩鉱物を主成分とし、方解石、苦灰石、長石、沸石などを含み、焼成することによって固まり、焼成物の骨格を形成する殻体となる物質であると定義することもできる。粘土物質(ii)の例としては、木節粘土、蛙目粘土など、あるいはラポナイトRDS粘土、ゼオライト系粘土、LUDOX、水ガラス、モンモリロナイト、コロイダルシリカ、ベントナイトなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2種以上の粘土物質を混合して用いてもよい。粘土物質(ii)は、成分(i)、(iii)および(iv)との均一混合性の観点から、粉末状であることが好ましい。
二酸化チタン(iii)は、前記の金属イオンとともに、抗菌性を発現するものである。すなわち、前記の金属イオンのみでは、例えば、ベロ毒素、エンテロトキシン等といった菌放出毒素に対しては充分な抗菌効果を発現しにくかったが、二酸化チタンを含有させることにより、紫外線が当たることで光触媒効果が発現し、これらの菌放出毒素をも分解無害化することができる。二酸化チタン(iii)は、光触媒用として一般的に用いられる微粒子状のものが好ましい。
微細可燃物(iv)は、前記(i)〜(iii)成分とともに混練、成形した組成物を焼成した際に、焼失し、そのあとが空隙となることで、焼成物を多孔質体とする機能を有するものである。微細可燃物(iv)としては、焼成により焼失するものであれば、特に制限されるものではないが、粉末状若しくは粒状とした合成高分子、粉末状若しくは粒状とした天然木質材、粉末状若しくは粒状とした種子、合成繊維、天然繊維、活性炭繊維などが好適に用いることができる。粉末状もしくは粒状とした種子としては、例えば、胡桃を粉末状若しくは粒状にしたものなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。更なる高いレベルの安全性を確保し、より安心して使用するためには、天然繊維または粉末状もしくは粒状の種子などを用いることが特に好ましい。微細可燃物(iv)は、抗菌剤に偏りのない空隙を生じさせて均一な多孔質体とするために、粉末状若しくは粒状又は繊維状であることが好ましい。例えば、成分(iv)が粒状である場合には、そのサイズは特に限定されないが、焼成物に徐崩壊性を持たせる場合には50〜500μm程度であることが好ましい。
成分(i)〜(iv)成分を含有してなる組成物は、抗菌剤に求められる適度な強度と優れた抗菌性能を付与するために、各成分の混合割合を以下のような割合とすることが好ましい。すなわち、金属担持無機化合物(i)は、金属イオンを放出して消臭抗菌性能を発現する抗菌剤における主要成分であり、抗菌剤の単位体積当りの抗菌性能を優れたものとするために、前記組成物中に、50〜74重量%程度とすることが好ましい。また、粘土物質(ii)は、抗菌剤の骨格を形成する成分であり、抗菌剤に求められる徐崩壊性を付与する場合には、前記組成物中に20〜44重量%程度とすることが好ましい。さらに、二酸化チタン(iii)は、成分(i)とともに、抗菌性能を発現する成分であり、組成物中に1〜10重量%程度とすることが好ましい。また、微細可燃物(iv)は、抗菌剤に偏りのない空隙を生じさせて多孔質体とするために、組成物中に5〜10重量%程度とすることが好ましい。さらに、成分(i)〜(iv)を含有してなる組成物には、例えば、CMC、メチルセルロースおよびアラビアガム等といったバインダー成分および水を少量加えてもよく、その添加量は、混練、成形時の取り扱い性を考慮して適宜決定すればよいが、前記バインダー成分は前記組成物中に0.5〜2重量%程度とするのが好ましい。
成分(i)〜(iv)を含有してなる組成物を混練するには、一般的な混練機を用いることができる。また、混練したものを成形する際の形状は、抗菌剤の用途に応じて適宜定めればよく、特に制限されるものではないが、表面積をより大きくして粘土物質(b)および水(c)との接触面積を確保しつつ、強度も損なわないものとすることが好ましい
成分(i)〜(iv)を含有してなる組成物を混練、成形したものを焼成するときの条件としては、約500〜約800℃の雰囲気温度において2〜8時間焼成することが好ましい。ここでいう焼成とは、成形した材料に直接着火させ反応させるものではなく、炉内において高温でじっくりと処理することをいう。とくに本発明では徐崩壊性を与えるために、この温度管理に注意する必要があり、高温度、例えば900℃以上で焼成したものは徐崩壊性を失い、また500℃未満で焼成した時には脆くなりすぎる恐れがある。なお、前記焼成温度と焼成時間との関係は、焼成炉の熱容量との関係もあり、一概に規定することはできないが、前記温度および時間の範囲内で、焼成温度が500℃に近くなる低い温度で焼成する場合には焼成時間を長くとり、反対に焼成温度が800℃に近くなる高い温度で焼成する場合には焼成時間は短めにすることが、焼成物の強度と崩壊性との兼ね合いの観点から好ましい。
焼成物の形状は、棒状、球状、筒状、顆粒、ペレット、不定形、粉末など様々な形態とすることができるが、焼成物(a)が直径5mm以下、好ましくは直径3mm以下、より好ましくは直径2mm以下の粒状物または粉末である場合には、より高濃度の金属イオン水をより短時間のうちに得ることができる。本発明の使用目的に応じてペレットの形状やサイズを選択して、金属イオンを徐々に放出、繰り返し放出、あるいは素早く放出させることができる。
上記態様の抗菌・芳香剤は、芳香蒸留水と焼成物を混合することによって得ることができる。芳香蒸留水と焼成物の混合割合は、必要とされる抗菌・芳香剤中の金属イオン濃度、抗菌・芳香剤の適用対象、抗菌・芳香剤の形態に応じて適宜変更することができる。芳香蒸留水と焼成物の混合は、芳香蒸留水中に焼成物を添加してもよく、焼成物に芳香放流水を添加してもよい。混合の際に混合物を撹拌してよい。撹拌後に静置してもよい。通常は、混合は、0℃よりも高い温度〜100℃未満の温度で行うことができ、例えば、10〜40℃、あるいは室温にて行ってもよい。
本発明は、もう1つの態様において、
下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を含む混合物の液体部分を含む抗菌・芳香剤。
を提供する。
この態様の抗菌・芳香剤は、前記態様の抗菌・芳香剤の液体部分を含むものである。液体であるためスプレー形態やミスト形態にすることも容易であり、適用範囲が広くなる。
本発明は、さらなる態様において、
下記の(i)および(ii):
(i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
(ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
を混合することを特徴とする、抗菌・芳香剤の製造方法を提供する。
混合は、例えば芳香蒸留水中に焼成物を添加することによって行ってもよく、焼成物に芳香蒸留水を添加してもよい。芳香蒸留水と焼成物の混合割合は、必要とされる抗菌・芳香剤中の金属イオン濃度、抗菌・芳香剤の適用対象、抗菌・芳香剤の形態に応じて適宜変更することができる。混合の際に混合物を静置してもよく、撹拌、振盪あるいは超音波処理等を行ってもよい。通常は、混合は、0℃よりも高い温度〜100℃未満の温度で行うことができ、例えば、10〜40℃にて行ってもよい。混合時間は、焼成物から金属イオンが十分に放出される時間行う。芳香蒸留水および焼成物の量にもよるが、通常は数時間〜数日であり、焼成物のサイズを小さくする等により24時間以内とすることもできる。あるいは、その後、上記のようにして得られた混合物をさらに固液分離して液体部分を得てもよい。固液分離法および手段は当業者に公知であり、例えば遠心分離、濾過、沈降などを用いることができる。
必要に応じて、上記のごとく得られた液体部分を遠心分離、濾過等の公知の方法によって清澄化してもよい。
かくして得られた本発明の抗菌・芳香剤を壜、スプレー缶、スプレー壜等の適当な容器に充填することできる。あるいは本発明の抗菌・芳香剤を公知のゲルや軟膏基剤と混合してパスタ状にすることもでき、チューブ等の適当な容器に充填することもできる。本発明の抗菌・芳香剤にさらに香料、抗菌剤、着色料等を添加してもよい。また本発明の抗菌・芳香剤をミスト状にして用いることができる。
本発明の抗菌・芳香剤は上記のように様々な態様にて使用することができ、芳香または抗菌を必要とする箇所またはその周囲に適用して効果を得ることができる。本発明の抗菌・芳香剤は、建築材料、家屋、獣舎、衣類、家具、カーテン、絨毯、皮革製品、生ゴミ、トイレ、玄関、居室、倉庫などの消臭および抗菌、靴の臭いの防止、衣類の防臭および抗菌、部屋干しの臭いの防止、手足やその他の皮膚の抗菌および消臭、家畜舎の消毒など、多種多様な物品や用途に適用することができる。公知の手段/方法を用いることにより本発明の抗菌・芳香剤を用途に適した形態とすることができる。適用は、いずれの方法で行ってもよく、噴霧、散布、塗布、浸漬等にて行うことができる。
本明細書において「芳香」とは心地よい香りをいい、特に木材や森林の香りあるいは果実の香りなどの植物系の香りをさす。本明細書において「抗菌」とは微生物の増殖を抑制することをいい、微生物を死滅させること、ならびに消毒および消臭も包含する。
以下に実施例を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1 芳香蒸留水への焼成物の浸漬時間および焼成物の形状と、芳香蒸留水中の金属イオン濃度との関係
実験に用いた焼成物は以下のようにして製造した。2種以上の金属の難溶性オルトリン酸塩に銀を10重量%担持してなる材料である金属担持無機化合物(太平化学産業株式会社製、シルバーエース)60重量%と、木節粘土30重量%と、二酸化チタン(テイカ株式会社製、AMT−100)1重量%と、微細可燃物として活性炭粉末(太平化学産業株式会社製、ヤシコールSS(粒径75〜250μmのもの約97重量%))9重量%とからなる組成物を混練し、ペレット状(サイズ:直径1.5cm、長さ1.5cmの筒状)またはドーナツ状(サイズ:直径1.7cm、穴の直径0.75cm)に成形した後に、700℃前後の雰囲気温度において約2時間焼成することにより、焼成物を作製した。焼成したペレット1個あたりの重量は約2g、ペレット1個あたりの銀含量は約125mgであった。
芳香蒸留水は以下のようにして調製した。
まず、所定量の材料を蒸留釜へ投入、密閉した。この際、蒸留釜へは必要に応じて所定量の水をあらかじめ貯留しておいた。また、減圧蒸留を行う場合は蒸留釜を密閉後、排気用ポンプにより所定の圧力まで釜内の圧力を減じた。次に、蒸留釜へ高圧水蒸気を導入し蒸留釜内の温度を水の沸点付近まで上昇させた。このとき、冷却器へ水を流し蒸留釜の出口から冷却器へ導入された蒸気を冷却・凝縮させた。凝縮した液体をセパレーターへ導入すると水に溶解しない精油部分が上層に、水溶性成分を含んだ芳香蒸留水が下層に溜まった。セパレーターから下層部分のみを取り出すことにより芳香蒸留水を得た。
ペレット状およびドーナツ状の焼成物を芳香蒸留水中に添加し、室温で静置、撹拌または循環条件下で溶出してくる銀イオン濃度を、経時的に測定した。静置の場合、焼成物9gおよび芳香蒸留水2000mlを用いた。撹拌または循環条件では、焼成物約90gおよび芳香蒸留水約20リットルを用いた。芳香蒸留水のpHは調整しなかった。ペレット状の焼成物を用いた場合は、サンプルを採取する前に毎回ボトルを手で十分に振った後、サンプルを採取した。ドーナツ状の焼成物を用いた場合は、(i)常に水槽用の小型ポンプで液体を循環させた後、サンプルを採取、(ii)サンプルを採取する前に毎回ボトルを手で十分に振った後、サンプルを採取、(iii)撹拌せず静置し、サンプルの採取もできるだけ静かに行う、の3とおりの実験を行った。銀イオン濃度の測定は、ICP発光分光分析装置(RIGAKU CIROS CCD (株)リガク製)を用いて行った。
焼成物の浸漬時間と芳香蒸留水中の銀イオン濃度の関係を図1に示す。芳香蒸留水と焼成物の混合物を撹拌または循環条件下においた場合は、静置条件下においた場合よりも迅速に銀イオンが溶出することがわかった。焼成物の形状は銀オインの溶出にあまり影響しなかった。撹拌または循環条件下では、6時間の浸漬で銀イオン濃度が約0.5ppmに達し、24時間の浸漬で銀イオン濃度は1ppm近くになった。静置した場合でも100時間で1ppmの銀イオン濃度となった。さらに長時間浸漬すると銀イオン濃度は約3.6pmとなった。これらの結果から、芳香蒸留水と焼成物を組み合わせると、比較的短時間で高濃度の金属イオンを溶出させることができることが確認された。
実施例2 本発明の芳香・抗菌剤の抗菌効果
実施例1で製造した焼成物2gを実施例1で製造した芳香蒸留水350mlに添加し、室温で約7日間静置することにより得た上清(銀オイン濃度0.4ppm)の抗菌効果を調べた。ミラクルアクアAg(有限会社グローブ製、水道水および銀担持ペレットから調製された市販品、銀オイン濃度0.4ppm)および芳香蒸留水のみを用いて比較実験を行った。水道水を用いてコントロール実験を行った。
抗菌効果の試験は大腸菌(ATCC25922)を用いて以下のように行った。各サンプル溶液10mlを50mlの遠沈管に入れ、それぞれの溶液に各菌液を100マイクロリットル(10cfu/ml)添加し、よく混和した。菌液添加5、15、30、60分時に菌液を混和した溶液から50マイクロリットルサンプリングし、滅菌シャーレ(直径9cm)に移した。あらかじめ準備しておいた標準寒天培地液(ニッスイ:日水製薬株式会社、Tokyo、Japan)10mlをシャーレに入れ、サンプリング液と混和した。その後、シャーレを37℃の恒温器内で24時間インキュベートした。24時間後、シャーレ内のコロニー数をカウントした。
本発明の芳香・抗菌剤の抗菌効果を表1に示す。
Figure 2014234361
芳香蒸留水および焼成物から得た上清の抗菌効果はコントロール、ミラクルアクア、 芳香蒸留水のみの場合を遙かに上回り、大腸菌のコロニーを全く生じさせなかった。
実施例3 本発明の芳香・抗菌剤の獣医師による使用感
開業獣医師に依頼して、実施例2に記載の方法により得られた上清を、動物の耳、皮膚、口腔に適用し、悪臭や化膿の有無などを主な指標として使用感を評価してもらった。加えて、犬猫用トイレにも使用してもらい、使用感を評価してもらった。
結果を表2に示す。
Figure 2014234361
さらに、皮膚疾患、耳、口腔の臭気のあるイヌの飼い主に本発明の芳香・抗菌剤の総体的な使用感を尋ねた結果を表3に示す。皮膚については患部の症状改善(発赤の消失、湿潤状態が乾燥状態に改善、かゆみの消失等)があったかどうか、耳、口腔、犬猫用トイレに関しては臭気の消失があるかどうかについて、「効果あり」、「効果なし」、「悪化した」の3段階の評価を飼い主にしてもらった。
Figure 2014234361
これらの結果から、本発明の芳香・抗菌剤の有効性が確認された。
本発明は、抗菌剤や芳香剤などに応用することができるので、日用品や医薬品等の広い分野において利用可能である。

Claims (10)

  1. 下記の(i)および(ii):
    (i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
    (ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
    を含む抗菌・芳香剤。
  2. 下記の(i)および(ii):
    (i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
    (ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
    を含む混合物の液体部分を含む抗菌・芳香剤。
  3. 焼成物が(i)銀、金、銅および亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持してなる金属担持無機化合物、ならびに(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および(iv)微細可燃物を含む混合物の焼成物である、請求項1または2記載の抗菌・芳香剤。
  4. 金属が銀である請求項1〜3のいずれか1項記載の抗菌・芳香剤。
  5. 銀イオン濃度が0.5ppm以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の抗菌・芳香剤。
  6. 下記の(i)および(ii):
    (i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
    (ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
    を混合することを特徴とする、抗菌・芳香剤の製造方法。
  7. 下記の(i)および(ii):
    (i)木材を水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水
    (ii)銀、金、銅または亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持する焼成物
    を混合し、次いで固液分離を行って液体部分を得ることを特徴とする、抗菌・芳香剤の製造方法。
  8. 焼成物が(i)銀、金、銅および亜鉛からなる群より選択される1種またはそれ以上の金属を担持してなる金属担持無機化合物、ならびに(ii)粘土物質、(iii)二酸化チタン、および(iv)微細可燃物を含む混合物の焼成物である、請求項6または7記載の抗菌・芳香剤の製造方法。
  9. 金属が銀である請求項6〜8のいずれか1項記載の抗菌・芳香剤の製造方法。
  10. 銀イオン濃度が0.5ppm以上である請求項6〜9のいずれか1項記載の抗菌・芳香剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017154934A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 黒崎播磨株式会社 遮熱タイル及びその製造方法
JP2020128850A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 栗田工業株式会社 スラリーアイスの製造方法
JP2022176091A (ja) * 2021-05-12 2022-11-25 浩河未来実業有限公司 抗微生物組成物及びその製造方法

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