JP2017225964A5 - - Google Patents

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テニスボールを利用した環境浄化具及び用途
本発明は,硬式テニスボール(以下,テニスボールと略記する。)に各種の環境浄化素子を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることにより,様々な分野の環境改善に貢献できる環境浄化具に関する。
その環境浄化素子と用途分野を詳述すると,例えば,(1)光増感剤を含有させることにより,ア)海洋における赤潮や湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,イ)水産養殖場・魚場・生け簀・船舶等におけるウイルス類や微小貝類の抑制,ウ)病院・畜舎施設・公共施設での感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の滅菌・脱臭を行うことができる。
(2)炭,鉄成分,石灰,明礬,鉄明礬,有機酸,プルシアンブルー及び希土類元素化合物等を含有させることにより,ア)畜産業(畜舎,牧場)の廃水や地下水,イ)下水道や産業廃水,ウ)湖水・河川水・浄水場(池)水・工業用水・地下水・井戸水・飲料水・養殖場水,エ)原子力発電所内外の放射性汚染水等におけるリン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,重金属(ヒ素・カドミウム・クロム・鉛・水銀・セレン・銅・ニッケル・コバルト・マンガン等々),COD,臭気及び着色等を減少させることができる。
(3)炭と鉄成分及び又は有機酸鉄塩を含有させることにより,ア)水質・ヘドロの浄化,イ)水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
更に,これらの環境浄化具の製作法と使用法に関する。
[1]第一に,光のフォトンエネルギーを光増感剤に照射して生成させる活性化エネルギーにより,酸素気体から発生させた一重項酸素を用いて環境浄化する例(1)〜(5)について述べる。
(1)赤潮やアオコ等藻類の除去
海洋における水質の富栄養化に伴う赤潮の発生は,魚類及び植物などの生物の死滅を含む悪影響をもたらすことから,その除去方法の開発が強く望まれている。
中でも瀬戸内海地方では,降雨量が少なく,大きな河川に乏しく,灌漑用の溜池が多く流れが緩やかなこと,沿岸海域の富栄養化が進み易いことなどによる陸水のアオコ,海水の赤潮による被害が起きやすいことで知られている。
瀬戸内海環境保全特別措置法などの水質汚濁防止に関する法律に基づくCOD,N,Pの総量規制などが実施され,生物学的あるいは物理学的除去技術が研究開発されている(特許文献1)が,効果的なものとはなっていない。
先年瀬戸内海地方での漁業被害(養殖カキ,アコヤガイ,ヒラメ,タイ,車エビ等特産品)への赤潮被害は甚大であった。水産業,特に各種養殖業の安定操業上その対策が強く求められて来た。
また琵琶湖等の湖沼では,アオコの発生により美観が損ねられ,特有の臭気が問題となっている。これらの水を飲料水に使用する場合,浄水場での水処理がうまくいかなかったり,水道水に不快な臭いや味がついたりする。更に,アオコの原因となるプランクトンの中には毒性を持つものもいることが知られている。
<養殖の大敵「赤潮」の除去>
そこで,赤潮藻類(Chattonella ovata:シャトネラ オバータ, C. marina:シャトネラ マリナ, C. antiqua:シャトネラ アンチィーカ)(福山大学提供)にローズ・ベンガル(RB),マラカイト・グリーン(MG)及びメチレン・ブルー(MB)等の光増感剤を添加し可視光領域の光照射したところ,藻類の細胞が破壊され細胞死が顕微鏡観察から確認された。中でもRBが低濃度(1μM)でも非常に効果的であることが分かった。
更に,固定化RBやフタロシアニンも光照射下のO2 により赤潮を破壊できた。
この固定化RBやフタロシアニンは,光を遮断すると効果が無く,化学毒性はほとんどないことが明らかとなった。
一方,MGの場合は,光毒性よりも化学毒性の方が,赤潮に効果が有ることも分かった。
<水道水を汚す「アオコ」の除去>
広島県賀茂郡河内町白竜湖及び東広島市三永水源池より採水し,培養したアオコ(Microcrystis aeruginosa)(藍藻網クロオコックス科)を含んだ水を使用し,光増感剤を添加後15W蛍光灯照射で試験した。
RB溶液濃度が高い場合(20μM以上),処理したアオコは3日目で白濁化し始め,徐々に溶けて消失した。しかし,RBの溶液は,日に日に退色した。これは,発生した一重項酸素によって酸化されたためと考えられる。一方,光遮断下では,殆どアオコには変化が無く,0μMでは,7日目から緑色(葉緑素)が薄くなり,自然に分解されて行った。これは,光が当たらないため光合成ができなくなり,アオコ自身が死んだものと考えられる。
前記赤潮の実験とほぼ同様の実験を行った。RBもMB(100μM)も光照射下でアオコを殺せることが分かった。MBは50μMでは,アオコを殺せなかっことからRBよりも効果が低かった。
RBもMBも光遮断下では,アオコは死なないことから,赤潮に比べてアオコはこれらの化学毒性に強かった。これは,細胞の大きさ,細胞表面の相違等の複雑な要因が考えられる。藍藻Microcrystisは細胞同士が群体を形成し,多糖質の粘液で環境から身を守っている。赤潮Chattonellaと大きく違うところであり,アオコの持つ防御機構が相違の原因であると考えられる。
(非特許文献1,非特許文献2)
(2)ウイルスの除去(A)
水中動物飼育用水槽内の藻類と細菌を抑制するために,少なくとも一つの陽電化を有するテトラピロール及びテトラアゾピロール族の化合物を光増感剤として水中に投入し,光(可視光線:約350〜900nm)照射により三重項酸素から一重項酸素を形成させる方法が開示されている。
これらの化合物は,たとえば昆虫の胃毒薬としても知られていて,水槽内の魚や植物に影響を及ぼすことなく,水の中に直接加えることができる。このような光増感剤の水槽水への使用は,放射線照射に際して励起分子の形成に触媒作用を及ぼすその能力により,水槽内の単細胞もしくは多細胞藻類または細菌の広がりを防ぐのに有利である。
更に,グラム陽性およびグラム陰性の両方の細菌を効果的に抑制することができる。特に代替の方法に比べて,多くの他の薬品に対して抵抗力のあるグラム陰性細菌を,非常に効果的に抑制できるという利点を有する。その典型的な例は,大腸菌,緑膿菌およびビブリオアングイラルムである。他方では,このような増感剤は,ブドウ球菌や連鎖球菌などのグラム陽性細菌も不活性化できる。(特許文献2)
(3)ウイルスの除去(B)
東南アジアから,中国,韓国,日本,北米に至る広範なエビ養殖業に於いて,重大な脅威となっている急性ウイルス血症(White Spot Syndrome (WSS:エビ白斑病ウイルス);日本名 Penaeid Rod-shaped DNA Virus (PRDV))の原因ウイルスを単離し,それにより汚染された海水を,水に不溶の固定化色素を用いた光増感による一重項酸素生成によって浄化できることが報告された。更に同ウイルスによって汚染されたクルマエビ及びイソガニ類の卵を同様に処理することにより,卵の孵化に影響を与えることなく,ウイルスを不活性化させることにも成功し,本ウイルスの治療に初めて成功したとの記載がある。(非特許文献3)
(4)微小貝類の付着抑制効果
本発明者らは,塩ビ板に光増感剤を塗布し大阪湾(木津川関西電力発電所の取水口近辺)の海水面から90cmの水域でのフジツボ付着を抑制する試験を実施した。開始から一か月後の付着状態は,80%程度まで抑制できる結果であった。又,一部付着したフジツボは,無塗布板に付着したフジツボに比べ剥離し易い利点が認められた。
(5)汚染空気の滅菌・脱臭
空気浄化を目的に様々な脱臭装置や殺菌徐放剤等が開発されているが,安全性や設備の維持コスト面がこれらの課題になっている。悪臭や感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の脱臭,滅菌を安全かつ低コストで行い,病院や畜舎施設,あるいは公共施設など人の多い室内環境での利用を提案する。
悪臭成分(し尿,汗及び卵,魚肉,野菜等の腐敗臭等)とは化学的にアンモニア,スカトールのほか,プロピオン酸等の低級脂肪酸,硫黄系の硫化水素,メチルメルカプタン,二硫化メチルなどが含まれる。
従来の技術として,これらの除去方法には以下の方法が使用されているが,幾つかの問題点がある。
(A)吸着法:根本的な解決にならない。
(B)分解法 a)紫外線:安全性,器材の持続性に難
b)活性酸素,オゾン:安全性, 酸化チタン:経済性
そこで,色素(光増感剤)を溶解した水溶液中に空気とともに送られる臭気成分や病原微生物を光照射によって発生する一重項酸素により酸化分解させた。
メチルメルカプタン(タマネギ腐敗臭)は10分で,スカトール(糞様臭)は40分で分解したことが,ガスクロマトグラフィー分析から確認された。
更に,インフルエンザウイルスは数分で殺傷し,ウイルスの中で,消毒剤に比較的耐性があるとされる難殺傷性ウイルスにも,殺ウイルス効果が明らかになった。
(非特許文献4)
以上の様に,三重項酸素から光増感剤と光(可視光線:約350〜900nm)照射により生成される一重項酸素は,目的とする周囲の生物(生命体)に影響を与えることなく,目的外のウイルス,細菌,藻類,微小貝類等の繁殖抑制に有効であることが知られている。
即ち,一重項酸素は,原理的には用途場面により生命種繁殖の制御選択が可能なことが明らかになって来ている。
更に,脱臭源である種々の有機物の分解にも有用であることが確認されている。
しかしながら,前記各事例のいずれに於いても,産業規模での実用場面では,一定の効力を長期的に持続させる経済的な手法が課題となっている。
一方,従来光増感剤をテニスボールに保持させて,光を照射し一重項酸素を発生させた例は全くなかった。
[2]第二に,リン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,重金属(ヒ素・カドミウム・クロム・鉛・水銀・セレン・銅・ニッケル・コバルト・マンガン等々),COD,臭気及び着色等を減少させる環境浄化例(1)〜(9)について述べる。
(1)人間や畜産廃水浄化法としては,活性汚泥法が広く採用されて来た。しかしながら,本法は微生物の好気的呼吸による有機物を二酸化炭素と水に分解するところから(1)大量の空気の供給(曝気)にコストがかかる,(2)過度の有害物質によって活性汚泥が阻害を受ける,(3)窒素,リンの除去率は20〜40%程度と低い,(4)難分解性物質の除去は困難である,(5)大量の余剰汚泥が発生する等の問題がある。(非特許文献5)
一方,下水道や産業廃水等の処理では,凝集剤による凝集沈殿法が用いられている。
(2)硫酸ばん土(Al(SO・18HO)を用いる処理方法は,硫酸ばん土が比較的安価である等の理由から最も一般的に行われているが,その凝集効果は必ずしも高いものではない。すなわち,懸濁物質等の凝集効果が遅く,形成される凝集フロックも小さく,浄化効率が低くなる。特に,被処理水が低温の場合や有機系汚濁物質に対して十分な凝集効果が得られない。また,アルカリ消費量が,大きいために多量のアルカリ剤や凝集補助剤の併用を必要とする等の欠点がある。
(3)ポリ塩化アルミニウム(PAC:〔Al(OH)Cl6−n)を用いる処理方法は,低温の場合にも十分な凝集効果を上げることができ,凝集フロックの形成も比較的速い等の利点があるため,浄化効率が高く,次第に硫酸ばん土に代えて広く用いられるようになってきている。しかし,PAC製造工程における条件の調整が複雑で均質な製品が得られ難いために,製品の凝集性能にばらつきが生じやすく,コストも硫酸ばん土に比べて著しく高価になるという欠点がある。
(4)塩化第二鉄(FeCl・nHO)溶液を用いる水質浄化方法は,上記アルミニウム系水質浄化剤よりも金属含有量が高く,低添加量で使用でき,凝集フロックが大きく,各種重金属との共沈作用が大きい等,凝集効果上の利点はある。ところが,塩化第二鉄溶液は,塩素イオンを含むため腐食性がある上に安定性が低いという問題がある。
(5)ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄;〔Fe(OH)(SO3−n/2)(n<2, m > 10)は,塩化第二鉄溶液やポリ塩化アルミニウムを用いた場合の欠点である塩素イオンによる腐食性がなく,ポリ塩化アルミニウム(PAC)と同様に,低温の場合にも十分な凝集効果を上げることができ,凝集フロックの形成も早いという利点がある。しかし,ポリ硫酸第二鉄を単独で用いた場合には,沈殿するのに充分な大きさのフロックが形成されないため,フロックの沈降性が悪く,微細なフロックが被処理水中に残ってしまうという欠点があった。
また,これらの凝集剤はいずれも脱臭性が少なく人間や畜産のし尿の様な強烈な悪臭が有る用途には不向きであった。
(6)し尿またはし尿排水中に,微粉末状の活性炭と鉄粉末を添加し,撹拌,流動させる。また,その撹拌,流動をさせる装置が提案されている。活性炭と鉄粉末の組み合わせによりリン,COD,窒素,色および臭気の減少が認められた。(特許文献3)
しかしながら,まず活性炭は産業的には高価な資材であり,大量・広域の汚水処理用には実用上相応しくない。
又,反応槽でし尿,活性炭と鉄粉末の反応後,生成するゲル状のリン酸鉄固体と微粉末の活性炭及び鉄粉末の混合固体を分離するために沈殿層とリン酸回収槽が複数個必要になっている。更に,リン酸回収槽でのろ過は生成したリン酸鉄がゲル状固体となりろ過性が極めて悪くなることが推定される。
更に,鉄粉末と活性炭とを通水性の容器(袋)内に入れて反応させる方法は,生成するゲル状リン酸鉄により活性炭と鉄粉末の表面が直ぐ目詰まりを起こし吸着機能の低下が予想される。従って,本法は,炭素と鉄素材の組み合わせにより,従来の浄化材の対イオンの環境中への遊離が回避される点での特徴はあるものの,未だ複数の実用的な課題があった。
(7)工業用水のカルシウムは,企業でのボイラー配管等中での閉塞の問題を引き起こしている。また,寒冷地での冬季道路に散布されたカルシウムを含む凍結防止材が,近郊の河川・湖沼に流入して,魚介類の養殖に弊害をもたらし,組合では大きな痛手となっている。
一方,近年諏訪湖では,シジミの生産量減少が続いて居り,深刻な問題となっている。
これらの水道施設,河川,湖沼等でのカルシウムの捕捉除去策が求められている。
(8)平成22(2011)年3月11日発生した岩手県から宮城県・福島県にかけての太平洋沿岸を震源とするマグニチュード9.0の大地震とそれに伴って引き起こされた巨大津波は,死者・行方不明者約2万5000人と住宅・地場産業・交通網そして豊かな自然等の生活圏の一切を根こそぎ奪う日本史上類をみない大惨事となった。更に,この未曽有の大地震と津波が原因で,東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質格納庫建屋内水素爆発が引き起こり,従来考えられなかった東北はもとより関東までの広域にわたる放射性物質の放散が起こってしまった。
この様な中で,東日本広域の各県市町村に於いて,放射性物質の除染作業が過去に経験のない深刻な社会問題として取り組まれてきた。
しかしながら,既に5箇年を経過した現在に於いても各県市町村での膨大な量の汚染土壌処理の問題,汚染された広大な山林・緑地・農地の除染の問題,原子力発電所近海の汚染された海水の問題,更に所内の膨大な数のタンクに保管された汚染冷却水の問題,そして現代科学技術ではその抑止が不可能な所周辺の汚染地下水流出の問題等が手付かずの状態で山積している。
これら汚染環境からの放射性物質の簡便な捕捉法が求められている。
(9)工場跡地や天然鉱脈地・採鉱精錬場等の土壌や地下水の重金属(ヒ素・カドミウム・クロム・鉛・水銀・セレン・銅・ニッケル・コバルト・マンガン等々)汚染が問題視されて久しく、従来その対策に様々な方法が検討されてきた。
ヒ素化合物は、ボルシアの時代のはるか前から毒殺作用に使われてきた。ヒ素は最初に発見された主要な発癌物質(癌の原因になる物質)で、いまから200年ほど前にイギリスの医者が煙突の煤の中から見つけ出し、癌の原因になることを確認している。ある地域の住民全体が長い間慢性ヒ素中毒にかかったことが、記録に残っている。環境がヒ素で汚染したために、馬、牛、ヤギ、豚、鹿、魚、蜂などが病気になったり、死んだこともある。こうした事実があるのに、ヒ素は広く使われている。合衆国南部では、綿花畑にヒ素を散布したため、養蜂業はほとんどつぶれてしまい、長い間ヒ素殺虫剤を使っていた農夫たちは、慢性ヒ素中毒にかかり、家畜も殺虫・除草剤のヒ素のために中毒を起こした。ブルーベリーの畑にまいたヒ素は、風に乗って隣の土地へと飛んでいき、小川をよごし、蜂や牛は中毒し、人間も病気にかかってしまった。(非特許文献6)
外界にあるヒ素が人間の体内に癌を発生させることはほとんど確実で、これはすでにおそろしい二例の事実となって現れている。その一つは鉱山のボタ山からヒ素が流出した例であり、いま一つはヒ素を多量に含んだ岩からヒ素が出たことがあって、そのとき水が汚染し、大勢の人々が癌になっている。ヒ素の入った殺虫剤をばらまけば、かつてのこうした状況をいとも簡単に再現できる。土壌にまず毒がしみこむ。雨が降って、ヒ素は小川や川へ、そして貯水池へと運ばれていく。地底の広い海も、汚染してしまう。(非特許文献6)
いつまでも土壌を汚すものにヒ素がある。でもヒ素を使ったのは昔のことで、タバコ畑でも1940年代の中頃から有機合成殺虫剤に切り替えだした。それなのに、アメリカのタバコ畑でできる巻煙草を調べてみると、ヒ素が検出され、その含有量は、1932年から1952年の間に3倍も増えている。更にその後の調査では、6倍という数字がでた。ヒ素毒物学の権威ヘンリー・S・サタリー博士の説明によれば、かなり前から有機合成殺虫剤がもっぱら使われるようになったにも拘わらず、タバコの木は相変わらず昔使われたヒ素系の毒を吸収し続けているためだという。 というのもヒ酸鉛は簡単には分解しない毒素であって、それがタバコ畑の土壌に染み付いているためなのである。そしてヒ酸鉛は、可溶性のヒ素をこれからも出し続けるだろうという。タバコ畑の土壌は、たいてい(累積した毒に、ほとんど半永久的に汚染してしまった)ヒ素の入った殺虫剤を使わなかった地中海東部海岸地方では、このようなヒ素含有量の増大は見られなかった。(非特許文献6)
ヒ酸ナトリウムは除草剤として使われる。道路ぎわに除草剤をまいたときは、牛が死んだり、またおびただしい野生動物が犠牲になったりした。水中の雑草をとろうと湖や貯水池に除草剤をまいたために、水道の水は飲めなくなるし、湖では泳げなくなったこともある。サツマイモのつるを枯らそうと畑に散布したときには、大勢の人間、また動物が犠牲になった。
これは、1951年ごろにイギリスで施行された方法である。昔は硫酸を使ってつるを焼きはらっていたが、硫酸が手に入りにくいので、イギリスではこの新しい方法に切り替えたのだった。危険な薬品を使うので、イギリス農務省は、ヒ素をまいた畑には入らないように注意していた。だが、牛にわかるはずがない、毎年、牛は決まったように死んでいった。そのうちある農家の主婦が、中毒で死亡した。ヒ素の入った水を飲んだのだ。イギリスの大きな化学薬品会社が、すぐにヒ素散布剤の製造を中止し(1959年)、既に小売り、卸売りの手に渡った分を回収した。そしてすぐそのあと、農務省は、人間、並びに家畜に極めて危険なヒ素剤は禁止する、と政令を出した。1961年、オーストラリア政府も、同じような禁止令を出している。だが、合衆国では、この毒薬の使用はいまなお放任されている。(非特許文献6)
ヒ素(元素記号As)は、第5A族元素の一つであり、地殻中に広く分布し、火山活動などにより自然界に、あるいは鉱石や化石燃料の採掘、産業活動により人為的に環境中へ放 たれている。海水にも約2ppbのヒ素が含まれており、プランクトンや海藻類は海水中からヒ素を取り入れ、蓄積している。これらを食物としている魚介類にも蓄積されるので 、我々人間の体内にもヒ素を取り込んでいる。一方、ヒ素ミルク事件に代表されるようにヒ素は有毒であり、無機ヒ素の致死量は体重1kgにつき約2mg(2ppm)とされている。また、この濃度よりも少ない超微量のヒ素の摂取でもおう吐、腹痛、下痢等の症状や肝機能障害、感覚以上などが起こり、慢性的なヒ素摂取により神経障害や発がん性を生じると言われている。従って、ヒ素イオンの用水への混入は生命の危険を伴うものであるから、我々が摂取する食物や飲料水から極力ヒ素を排除することが要求されている。
浄水場で水を処理してヒ素を除去しても、公共の飲料水の供給においてヒ素が危険レベルで検出されることが多数の地域社会で起こる。たとえば、飲料水の高いヒ素濃度はUSA 、中国、バングラディッシュ、台湾、メキシコ、アルゼンチン、ポーランド、カナダ、ハンガリー、インドなどから最近報告されており、日本からの報告もある。水中では、ヒ素の殆どの普通の電価状態は5価のヒ素As(V)、すなわちヒ酸塩類の形で存在し、これは有酸素の地表水において広く存在している。また3価のヒ素As(III)は、亜ヒ酸塩類の形で存在し、これは酸素の少ない地下水において発生しやすい。環境レベルであるpH4〜10の範囲において、支配的な3価のヒ素As(III)化合物は電荷的には中性であるが、一方、5価のヒ素As(V)の化合物は負に帯電している。
世界的には水不足が深刻で、特にインドやバン グラデシュの西ベンガル周辺では、地下水のヒ素汚染が世界最大規模で発生していることが明らかになってから久しいが、現時点でも適切な方策がなく、水質基準を満足する健康被害のない飲料水を経済的に生産するための技術が要望されている。(特許文献4)
ネパール南部テライ低地ナワルパラシ(Nawalparasi)郡に於いては、地下水ヒ素汚染が深刻で、それを飲料する住民の多くがヒ素被害に見舞われ続けている。(非特許文献7)
その対策として、簡便なヒ素除去フィルターの使用が一部の個別世帯で行われているが、低所得者層も含めた地域全域としての施策は難航している。経済的な浄化方策が求められている。
直近の国内でも築地から移転予定だった水産仲卸豊洲新市場に於いて、地下水中のヒ素濃度が基準値を超えていることが判明し問題視されてきた。
ところで、鉄粉がヒ素を含む重金属類を吸着するという知見は、1980年前後におい て排水処理の分野で既知の事実となっている(例えば、非特許文献8及び非特許文献9)。
鉄粉でヒ 素を吸着する方法としては例えば下記の従来技術1及び2が知られている。
<従来技術1:鉄粉にヒ素を吸着させ、超電導磁石分離装置で磁力選別する方法> ヒ素を含む泥水に鉄粉を混合して一定時間反応させた後に、超伝導磁石を用いた磁気分 離装置で鉄粉を回収する方法が提案されている(非特許文献10)。
<従来技術2:鉄粉にヒ素を吸着させ、遠心分離機で回収する方法> ヒ素を含む泥水に鉄粉を混合して一定時間反応させた後に、比重差を利用して遠心分離 装置で鉄粉を回収する方法が提案されている(非特許文献11)。
しかしながら、いずれの方法に於いてもヒ素吸着後の鉄粉を混合物から分離するために高価な大型装置を必要として居り、簡便で経済的な手法が求められていた。
[3]第三に,水産業に於ける水質浄化改善による水産資源育成について述べる。
かつて,有名なニシンの産地の小樽湾では,しだいに湾内の海藻の成長が衰え,ニシンの漁獲量が減少していった。その原因は,大量のニシンの加工のために近郊の山地から木材を次々に伐採し,河川から湾に注ぐ水には豊富な栄養分が欠乏してしまったためであることが知られている。
従来から水中に鉄分が少なければ,植物プランクトンや海藻類(アオサ,コンブ,ワカ メ,ヒジキ,テングサ等),海草類(スガモ,アマモ等)が発生しないことが知られている。植物プランクトンや海藻類,海草類が発生しなければ,水中に生息している動物プラ ンクトン,小魚や大きい魚,カキやホタテガイ,アワビ等の貝,ウニ,エビ,カニ等も成長しないことになる。
全ての植物プラントや海藻類等は,窒素や燐等の栄養塩類を体内に吸収するためには,最初に少量の鉄分を体内に取り込まなければならない。そのため,鉄が全く無ければ,食 物連鎖は基本的に成立しないことになる。
そこで,海や川,湖,池,沼等において,水中(海水中又は淡 水中)に浸漬して鉄イオン(二価鉄イオン)を溶出させることによって,水質の浄化と水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図れるようにした水質浄化及び水産資源育成用の固形物が提案されている。(特許文献5)
また,鉄イオンは,水中の食物連鎖の頂点にある植物プランクトンの餌になるだけでなく,植物プランクトンの光合成で二酸化炭素(CO)を消費すると同時に,水中生物の増殖と活性により,ヘドロを浄化する働きがあることも認められている。(特許文献6)
鉄イオン発生法としては,鉄と炭素材料による幾つかの提案がなされている。(特許文献5,特許文献6,特許文献7)
しかしながら,長期的に安定した効力を発揮できる簡便な方法にはいずれも至っていない。
[4]次に,本発明の素材となるテニスボールについて述べる。
日本のテニス人口を「過去1年間に1回以上,硬式テニスを行った日本の10歳以上の人口」と定義すると,テニス人口は373万人で,長期的な減少傾向にはある。しかし,20歳以上(成人)についてみると,今後行いたい・続けたいスポーツとしてテニスを挙げた実施希望者は,テニス人口の2倍程度存在しており,潜在的な愛好者は多いと言える(笹川スポーツ財団2012年)。
成人テニス人口の年代別構成比をみると,男性は20代(29.9%)が,女性は40代(26.6%)が最も多い。10年前(2001年)と比較すると,男女ともに20代,30代の割合が減少する一方で,40代以上のすべての年代の割合が増加している。特に60代の増加は男女ともに顕著であり,テニス人口の高齢化の進行が確認できる(総務省2001年,2011年)。
日本で消費されるテニス用品の大部分は輸入に依存している。財務省「貿易統計」によると,2012年のテニスラケット(ソフトテニスラケットを含む)とテニスボール(ソフトテニスを含まない)の輸入総額は,それぞれ約27億5千万円と約19億8千万円となっている。
また,2012年のテニスラケットの輸入元をみると,輸入総額ベースで中国が89.2%と大多数を占め,続いてアメリカが3.4%,ベトナムが2.6%である。
テニスボールの最大の輸入元はタイであり,輸入総額ベースで全体の90.6%を占める。次いで,台湾が4.8%,中国が4.3%となっている。(非特許文献12)
硬式テニスボールは,中空ゴムの表面に起毛を巻いた(フェルトカバー)ボールで,直径6.54〜6.86cm,重さ56.0〜59.4gであり,2種類のボールがある。プレッシャーボール(正式にはプレッシャーライズドボール:約1.8気圧の窒素ガスが充填されたもので,ボールの反発力を高めている。缶詰に入っているボールで試合球として使用されている。缶の圧力も1.8気圧にしてある。)とノンプレッシャーボール(主に練習用,レジャー用として使用されるゴムボールで,内圧は気圧と同じで,ゴムの厚さを少しだけ厚くしている。)である。
これらの新品のテニスボールにはきれいにフェルト(起毛布)で覆われており,ボールの耐久性を高めるためとバウンドを安定させる役目をしている。
しかし,打球するにつれてフェルトが毛羽立ち磨耗して安定感が無くなりバウンドに影響してくるのでプレッシャーボール,ノンプレッシャーボールに関らず寿命がある。
更に,ボール自体の空気も徐々に抜けて弾みにくくなってくる。
プレッシャーボールはボールの性能を維持するために未開封の缶に入っているときは,ボールの内部の空気圧と同等レベルの圧力がかけられているが,缶を開封すると,使用状況にもよるが2週間から1ヶ月位で弾みが悪くなり寿命となる。(非特許文献13)
近年テニスクラブ等では,特に高齢の富裕層で,単に空気圧の減少で弾みが悪いだけの理由で新品のボールに変えてしまう場合が目立っている。
そのためスポーツ施設側では,次々に溜まる膨大な量のテニスボールの処分にコストがかかり苦慮している。
近年の技術革新によりテニスボールの素材や製品の耐久性は格段に向上している。従って,使用済みボールであっても単に空気圧が低下しただけで,フェルトやゴムボールの素材の劣化は僅かなものが多い。
これらの有効利用は,現代のエコ社会(地球温暖化抑制)推進の観点からも有益である。
特開平6−1701号公報 特表2002−538946号公報 特開2014−131791号報 再表2011−48705号公報 特開2014−131791号報 特開2011−50934号公報 特開2007−268511号公報 特開2013−183676号公報 特開2014−186028号公報 特開2013−221933号公報 特開2012−229998号公報 特開2014−1952号公報 特開平10−216739号公報 特開平11−94993号公報 特開2013−184149号公報 特開2014−77720号公報 特開2014−200867号公報 特開2014−106023号公報 特開2005−270773号公報 特開2013−095641号公報 特開2015−071154号公報 特開2006−341139号公報
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以下の(1)〜(3)を課題とする。
(1)ア)海洋における赤潮や湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,イ)水産養殖場・魚場・生け簀・船舶等におけるウイルス類や微小貝類の抑制,ウ)病院・畜舎施設・公共施設での感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の滅菌・脱臭。
(2)ア)畜産業(畜舎,牧場)の廃水や地下水,イ)下水道や産業廃水,ウ)湖水・浄水場(池)水・工業用水・飲料水・地下水・養殖場水,エ)原子力発電所内外の放射性汚染水等におけるリン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,COD,臭気及び着色等を減少させること。
(3)ア)水質・ヘドロの浄化,イ)水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図ること。
本発明は,このような事情に鑑みてなされたものであり,これまでコストをかけて廃棄処分されてきた使用済みテニスボールに新たな機能を付与して,水質浄化材,水産資源育成保護材,生活環境改善材等の産業分野に貢献すると共に,素材としての機能が未だ保有している使用済みテニスボールの再利用により,エコ社会(地球温暖化抑制)推進に寄与することを目的とする。
本発明者らは,上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果,テニスボールに各種の環境浄化素子を含有させることにより,様々な分野の長期的な環境改善に貢献できる環境浄化具を提供することができる。
(1) 環境浄化素子として光増感剤を含有させ光を照射し一重項酸素を発生させることにより,ア)海洋における赤潮や湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,イ)水産養殖場・魚場・生け簀・船舶等におけるウイルス類や微小貝類の抑制,ウ)病院・畜舎施設・公共施設での感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の滅菌・脱臭を行うことができる。
(2)炭,鉄成分,石灰,明礬,鉄明礬,有機酸,プルシアンブルー及び希土類元素化合物等を含有させることにより,ア)畜産業(畜舎,牧場)の廃水や地下水,イ)下水道や産業廃水,ウ)湖水・河川水・浄水場(池)水・工業用水・地下水・井戸水・飲料水・養殖場水,エ)原子力発電所内外の放射性汚染水等におけるリン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,重金属(ヒ素・カドミウム・クロム・鉛・水銀・セレン・銅・ニッケル・コバルト・マンガン等々),COD,臭気及び着色等を減少させることができる。
(3)環境浄化素子として,炭と鉄成分及び又は有機酸鉄塩を含有させることにより,ア)水質・ヘドロの浄化,イ)水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
すなわち,本発明は,
1.使用済み硬式テニスボール又は,新規(未使用)硬式テニスボール(以下単にテニスボールと略記する。)に光増感剤を含有させることを特徴とする環境浄化具,
2.光増感剤がポルフィリン系誘導体,ローズベンガル,メチレンブルー及びマラカイト・グリーンであることを特徴とする1記載の環境浄化具,
3.ポルフィリン系誘導体が,ポルフィリン,フタロシアニン,フタロシアニン金属錯体であることを特徴とする2記載の環境浄化具,
4.フタロシアニン金属錯体が,銅フタロシアニン(フタロシアニンブルーB),塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB),鉄フタロシアニン錯体,マグネシウムフタロシアニン錯体及びチタニウムフタロシアニン錯体であることを特徴とする3記載の環境浄化具,
5.テニスボールに竹炭及び又は木炭からなる炭を含有させることを特徴とする環境浄化具,
6.テニスボールに砂鉄,還元鉄,スチールウール及び又はページ石からなる鉄成分を含有させることを特徴とする環境浄化具,
7.テニスボールに石灰を含有させることを特徴とする環境浄化具,
8.テニスボールに明礬及び又は鉄明礬を含有させることを特徴とする環境浄化具,
9.テニスボールにタンニン・カテキンに代表されるフェノール系化合物,蓚酸・クエン酸・リンゴ酸・カルボキシメチルセルロース(CMC)・アルギン酸(アルギン酸Na)・キサンタンガムに代表されるカルボン酸化合物,又はフェノール性OH基とカルボキシ基を合わせ持つフルボ酸である有機酸を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具,
10.テニスボールにタンニン・カテキンに代表されるフェノール系化合物,蓚酸・クエン酸・リンゴ酸・カルボキシメチルセルロース(CMC)・アルギン酸(アルギン酸Na)・キサンタンガムに代表されるカルボン酸化合物,又はフェノール性OH基とカルボキシ基を合わせ持つフルボ酸である有機酸の鉄(2価及び又は3価)塩を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具,
11.テニスボールにプルシアンブルーを含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具,
12.テニスボールに周期表第3B族の希土類元素化合物を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具,
13.テニスボールに光増感剤,炭,鉄成分,石灰,明礬,鉄明礬,有機酸,有機酸鉄(2価及び3価)塩、プルシアンブルー及び周期表第3B族の希土類元素化合物の2種以上からなる環境浄化素子を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具,
14.テニスボール内部に光増感剤,炭,鉄成分,石灰,明礬,鉄明礬,有機酸,有機酸鉄(2価及び3価)塩、プルシアンブルー及び周期表第3B族の希土類元素化合物の1種以上からなる環境浄化素子を含有させる際に,充填剤として,炭,炭酸カルシウム,ホタル石,珪藻土,パーライト,バーミキュライト、セルロースナノファイバー(CNF)及び吸水材の1種以上を共存させることを特徴とした環境浄化具,
15.テニスボールに光増感剤,炭,鉄成分,石灰,明礬,鉄明礬,有機酸,有機酸鉄(2価及び3価)塩、プルシアンブルー及び周期表第3B族の希土類元素化合物からなる環境改善素子をバインダーを用いて担持させることを特徴とする1〜13記載の環境浄化具の製作法,
16.周期表第3B族の希土類元素化合物が、水酸化セリウム並びに酸化セリウムに代表されるセリウム化合物、及び水酸化ランタン並びに酸化ランタンに代表されるランタン化合物であること特徴とする請求項12〜15の環境浄化具及び環境浄化具の製作法,
17.光源が太陽光線,低圧水銀灯,中圧水銀灯,高圧水銀灯,ナトリウムランプ,タングステンハロゲンランプ,蛍光灯ランプ及びLEDランプであることを特徴とする1〜4及び12〜13記載の環境浄化具の使用法,
18.水相系及び気相系環境分野で使用することを特徴とする請求項1〜13記載の環境浄化具の使用法,
19.用途分野が,赤潮・アオコ等藻類の除去が必要な海洋・湖沼・河川・プール,ウイルス類や微小貝類の抑制が不可欠な水産養殖場・魚場・生け簀,感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の滅菌・脱臭が求められる病院・畜舎施設・公共施設,更に畜産業(畜舎,牧場)からの廃水,下水道や産業廃水処理施設及び原子力発電所内外の高放射線量施設・地域・海域,工業用水・地下水・井戸水・飲料水・湖沼水・養殖場水の水質浄化分野,水産資源(魚介類,海藻類,海草類)の育成分野であることを特徴とする1〜14及び16記載の環境浄化具を提供する。
(1)海洋における赤潮や湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,(2)水産養殖場・魚場・生け簀等におけるウイルス類や微小貝類の抑制,(3)インフルエンザウイルス等の空気感染症の滅菌や有機物の脱臭等,(4)畜産業(畜舎,牧場)からの廃水,下水道や産業廃水処理施設における下水道や産業廃水におけるリン,窒素化合物,COD,臭気及び着色等を減少,(5)原子力発電所内外の高放射線量施設・地域・海域での放射性金属類等の除染,(6)工業用水,地下水・飲料水,湖沼水,養殖場水のカルシウム・重金属(ヒ素・カドミウム・クロム・鉛・水銀・セレン・銅・ニッケル・コバルト・マンガン等々)等の水質浄化をすることができる,(7)水質・ヘドロの浄化並びに水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
以下,本発明について更に詳しく説明する。
[1]先ず本発明のテニスボールについて述べる。
本発明で使用されるテニスボールは,使用済みボールでも洗浄後十分に利用できる。無論,各メーカーから市販されている何れの新品でも構わない。最近練習用のボール等はアジア諸国から低廉に流通している。
近年テニスクラブ等では,特に高齢の富裕層で,単に空気圧の減少で弾みが悪いだけの理由で新品のボールに変えてしまう場合が目立っている。
そのためスポーツ施設側では,つぎつぎに溜まる膨大な量のテニスボールの処分にコストがかかり苦慮している。
近年の技術革新によりテニスボールの素材や製品の耐久性は格段に向上している。従って,使用済みボールであってもフェルトやゴムボールの素材の劣化は僅かなものが多い。
これらの有効利用は,現代のエコ社会(地球温暖化抑制)推進の観点からも有益である。
起毛は,各種の天然繊維や合成繊維の組み合わせからなる起毛布(フェルト)で作製されている。通常は認識し易い(見易い)黄色染料が塗布されていて使用済みボールでもその退色化はほとんど見られない。即ち,各メーカーでは黄色染料をフェルトに固定化するための各種の技術が開発されている。
[2]本発明では,テニスボールに各種の環境浄化素子を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させて環境改善を図ることができるところに特徴がある。
(1)第1の環境浄化素子としては,光増感剤が挙げられる。
その具体例としては,ポルフィリン系誘導体,ローズベンガル,メチレンブルー及びマラカイト・グリーン等が挙げられる。
ポルフィリン系誘導体としては,ポルフィリン,エチルポルフィリン,メソポルフィリン,プロトポルフィリン,ジューテロポルフィリン,ヘマトポルフィリン,コプロポルフィリン,ウロポルフィリン,テトラフェニルポルフィリン(TTP),フタロシアニン系化合物等である。
ここで,フタロシアニン系化合物としては,フタロシアニンの他に種々の金属錯体が適用できる。
例えば,銅フタロシアニン(フタロシアニンブルーB),塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB),鉄フタロシアニン,マグネシウムフタロシアニン,アルミニウムフタロシアニン,マンガンフタロシアニン,ニッケルフタロシアニン,コバルトフタロシアニン,ルテニウムフタロシアニン,パラジウムフタロシアニン,白金フタロシアニン,亜鉛フタロシアニン及びチタンフタロシアニン等が一例として挙げられる。
(2)第2の環境浄化素子としては,炭が挙げられる。
本発明者らは,汚濁度の高い黒色豚舎廃水の凝集試験検討に於いて,竹炭を用いた結果,凝集作用が認められ,加えて高い脱臭能及び高い脱色能に優れることを確認した。
又,木炭を用いても同様な効果が認められた。
炭の種類としては,竹炭,木炭,ヤシ殻炭,バガス炭及び活性炭等が同様に使用できる。これらの中で特には竹炭及び木炭が浄化機能の多面性,性能の均一性更に経済的な入手性の面で優れている。
(A)竹炭:竹炭の原料である竹の種類は,日本では600種余りある。それらの中で,真竹,孟宗竹,金明孟宗竹,黒竹,篠竹,根曲竹,園紋竹,矢竹,支那竹,蓬莱竹,淡竹,布袋竹及び亀甲竹等が,身近なものとして様々な生活の用途に利用されてきた。これらはいずれも竹炭の原料とすることができるが,特には,真竹,孟宗竹,金明孟宗竹及び亀甲竹が好ましく,更には孟宗竹が好ましい。
竹炭の構造は,超微細孔が多数存在し,その半径が15−27nmであり木炭などに比べて小さい。炭化温度によって表面積も大きくなり,竹炭1g中の孔の表面積は,炭化温度200℃で1.7mで,800℃で724.8mという測定結果が示されている。
炭化温度が1000℃を超えると微細孔が収縮する傾向があり,全般的な吸着性能が低下する。
炭化温度400−500℃で焼き上げた竹炭は,アンモニア吸着に優れ,炭化温度900−1000℃で焼き上げた竹炭は,ベンゼン,トルエン,インドール,ノネナール等の吸着に優れる。(非特許文献15)
また竹炭はアンモニア吸着能に優れることから汚水のアンモニア性窒素分の減少に寄与できる。更に,竹炭は弱アルカリ性であるところから汚水の硝酸性窒素分の固定化も期待できる。
竹炭の形状は,板状(1cm〜10cm角),粒状(1〜10mm径)及び紛状(1mm径以下)等があり,本発明用途では,使用場面に応じてそれぞれ選択することが出来る。
竹炭(嵩比重:約0.43g/ml)を加熱燃焼させて得られる無機質の灰分は,ミネラル:約2〜2.5質量%である。
ミネラルの主なものは,カリウム,カルシウム,リン,ナトリウム,鉄,マグネシウム,マンガン,亜鉛,セレン等が含まれており,珪酸(カリウム)の含量が多い。また有害な水銀,六価クロム,砒素などの有害物質は含まれて居らず灰分自身の安全性が高い。
従って,悪臭の吸着後の竹炭を加熱燃焼させて可燃成分を放出させた無機質の灰分に誘導することにより,質量では50分の1前後,容積では100分の1前後の大幅な減容化が可能である。(非特許文献15)
竹は,かつては農業,建築,生活環境の様々な場面に多用されてきたが,近年代替え資材等の出現により大幅な需要減少で,多くの竹林は荒廃して来ている。しかも竹は毎年多数の竹の子からの成長が早く,現在では多くの農家ではその管理に甚だ苦慮している。
従って,竹炭の原料である竹は実用的な入手性の点で極めて経済性に富む資材となっている。
(B)木炭:一方,木炭も汚水の浄化と臭気の高い脱臭能が認められた。
日本では,ナラ,ブナ,カシ,クヌギなどの木材を炭化した物が主に使われてきた。
日本の木炭は400℃あたりの温度で炭化をすすめた後,精錬工程として細かな「ネラシ」が入るのが特徴である。白炭は空気を入れて未炭化成分を焼き飛ばすネラシを行い,黒炭は密閉した炉内で時間をかけて炭化を上げるネラシを行う。(非特許文献16)
本発明では,前記したいずれの原料木材やそれらを炭化して製造した木炭類が同様に使用できる。近年の山林や里山では森林育成のために間伐を必要とし生ずる膨大な間伐材の利用が求められている。竹炭の場合と同様に,環境保全を図る上からもこれらの産業上の利用拡大は社会的に有意義である。
木炭の脱臭用としては,製造温度が中温炭即ち500℃以上700℃位のものが比表面積が大きく好ましい。
一般には,竹炭の方が細孔の径がより小さく表面積が多いため,木炭よりも吸着力が高い。またミネラル分(特に珪酸・カリウム・カルシウム)も備長炭より多いのが特徴である。しかし,木炭は海外からも含め低廉に入手できるところから,大量に使用する場面では有利である。
木炭の形状は,塊状(5mm〜10mm角),粒状(1〜5mm径)及び紛状(1mm径以下)等があり,本発明分野では,使用場面に応じてそれぞれ選択することが出来る。
この様な有害物質の吸着と高い脱臭能を有する炭の大きな表面積に光増感剤を含浸させることにより,光増感剤の長期間の徐放(スロー・リリース)が可能になる。
光増感剤の炭への含浸量は,任意に設定できるが,通常は0.1〜20質量%であり,好ましくは1〜10質量%が好ましい。
光増感剤の炭への含浸法は,浸漬法で行うことができるが,上述の接着剤を適当量用いて付着することもできる。
また,炭は光増感剤と一緒に起毛に付着させることができる。この際には,接着剤の使用により可能になる。
脱臭浄化後の炭は,豊富な有機・無機成分を含有しそのまま農作物の有機栽培法の土壌改質剤として利用することができる。
多孔質の竹炭や木炭を土に混ぜると,土の中の通気性,通水性,保水性が良くなり,日光の熱を吸収しやすくなり土の温度も上昇する。土全体がふくよかになり,微生物が増え,庭木・野菜・園芸植物などの育ちやすい環境が出来上がる。特に作物の根に栄養分を運ぶ働きをする微生物を増やすのには最適である。適量の粉炭を加えると,土の中に残留している有害な物質もきれいに吸着され,炭に含まれているミネラルが用土に補給される。また,炭を入れた土で育てると,庭木や作物そのものが丈夫になり,病害虫に対する抵抗力も強くなるので農薬などの薬剤の使用量を減らすことができる。(非特許文献16)
またこれらを燃焼させることにより,数%以下の大幅な減容化させることが出来る。更に,この燃焼後に得られる豊富なミネラル類からなる灰分も,圃場での良質な栄養素として活用できる。
この燃焼の際には,竹炭及び木炭は,高い自由エネルギー(Δ Gh °( T ))(非特許文献17)を有し,二酸化炭素への完全燃焼により高い標準燃焼熱(ΔcH °)(非特許文献18)を放出するところから各種産業の熱エネルギー源として活用できる利点も備えている。
竹炭及び木炭は,テニスボール球体内部に充填させる方法とそれらの微粉末をバインダーを用いて起毛に担持させることもできる。
一方,赤潮やアオコの発生を予防するためには,その要因である窒素,リンの富栄養化を抑制することが合わせて重要である。
(3)第3の環境浄化素子としては,鉄成分(金属鉄及び鉄酸化物)が挙げられる。
従来鉄イオンは,水中のリンイオンを水に不溶のリン酸鉄沈殿物として取り除くことができることが知られている。(非特許文献19)
又,本発明者らは,先願の特許に於いて放射性物質の吸着材料の検討の中で驚くべきことに金属鉄単身及び鉄酸化物が高い放射性物質の吸着能があることを見出している。(特許文献7)
そこで,本発明者らは,汚濁度の高い黒色豚舎排水の凝集試験を行った結果,竹炭や木炭の存在下に於いて金属鉄単身及び鉄酸化物が凝集作用を促進することを確認した。
金属鉄単身は,原子価数0の金属鉄である。
金属鉄には,α(結晶構造:体心立方),γ(結晶構造:面心立方)及びδ(結晶構造:面心立方)の三種の同素体として知られている。
金属鉄の実用的な形態としては,砂鉄や弁柄等の酸化鉄を還元した還元鉄が挙げられる。
その種類は,結晶体とアモルファス体があり,いずれも同様に使用することができる。
また,広く流通している鉄繊維(例:スチールウール)も好適に用いることができる。スチールウールは「ペイントの剥離」「金属の研磨,サビ落し」「家具や木工品の研磨・仕上げ」「石材や床の研磨,掃除」など多岐に渡って幅広く利用されており経済性に富む資材である。
その種類としては,等級:超極荒(♯5:約0.09mm),極荒(♯4:約0.08mm),中荒(♯3:約0.07mm),荒目(♯2:約0.05mm),細目(♯1:約0.035mm),細目(♯0:約0.025mm),中細(♯00:約0.02mm),極細(♯000:約0.014mm),極細(♯0000:約0.012mm)(日本スチールウール株式会社カタログより)等が市販されており,いずれも使用場面に合せて選択採用することができる。
また,スチールウールの形態には,吸着効率を上げるための方策として種々考えられるが,その一つとしては,裁断微細化したチップ状の形態の銘柄(カットウール)の採用もより好ましい。
更に,近年ステンレス素材の製品も上市されて来た。その材質は,18−8ステンレス鋼からなりクロム17〜19%とニッケル8〜10%を基本組成として含有する鉄合金である。この様な他の金属との組み合わせから作製された鉄合金類の金属繊維も同様に使用できる。
一方,鉄酸化物としては,酸化第一鉄(FeO),酸化第二鉄(Fe2O3)及びそれらの混合物(Fe3O4等)を主成分として含有する天然鉄化合物群が挙げられる。
天然に産出する鉱石としては,赤鉄鉱,磁鉄鉱,褐鉄鉱,黄鉄鉱及びリョウ鉄鉱が知られている。これらの中で,主として微粒子状の磁鉄鉱からなる砂鉄が,性能及び経済性上優れている。
砂鉄の成分は,産地により差はあるものの酸化第一鉄と酸化第二鉄を主成分とし,他TiO,SiO,CaO及び更に微量P,S等の成分からなっている。
その銘柄の一部を挙げると,(%):
真砂砂鉄(中倉):FeO (24.72), Fe2O3 (64.45), SiO2 (8.40), CaO (2.24), MgO (1.54), Al2O3 (2.34), TiO2 (1.27), V2O5 (0.258), Cr2O3 (0.089), MnO (0.05),(T・Fe:59.00)
赤目砂鉄(老谷):FeO (19.55), Fe2O3 (52.71), SiO2 (14.50), CaO (2.68), MgO (0.94), Al2O3 (4.98), TiO2 (5.32), V2O5 (0.369), Cr2O3 (0.100), MnO (0.34),(T・Fe: 52.07)
浜砂鉄(江津):FeO (24.72), Fe2O3 (56.87), SiO2 (4.90), CaO (2.36), MgO (0.37), Al2O3 (1.79), TiO2 (6.98), V2O5 (0.295), Cr2O3 (0.229), MnO (0.03),(T・Fe:59.00)
川砂鉄(斐伊川):FeO (22.13), Fe2O3 (64.84), SiO2 (2.24), CaO (0.50), MgO (1.10), Al2O3 (4.51), TiO2 (5.23), V2O5 (-), Cr2O3 (0.110), MnO (なし),(T・Fe:62.55)
第三紀層砂鉄(久村):FeO (24.64), Fe2O3 (38.28), SiO2 (11.30), CaO (2.30), MgO (1.89), Al2O3 (4.10), TiO2 (8.84), V2O5 (0.480), Cr2O3 (0.131), MnO (0.43),(T・Fe:46.68)等である。
砂鉄は,我が国に2億トン以上の埋蔵量があり古くから高炉銑の原料として利用されてきた。全鉄分として55〜60%,銅が痕跡でリンや硫黄も極めて少ないので高級鋼,特殊鋼用として1957年度には,全電気銑鉄生産量315390トンのうち砂鉄銑が244029トンを占めている。
この様に極めて大量に低廉で流通している資材であることから,実用場面での採用が可能である。
その粒径は,微細な程より好ましいが,一例として,(1)45μm以下又は(2)45〜100μmの汎用品が好適に用いられる。
また,無機鉄化合物の他の具体例の一つとしてページ石(商品名:メサライト)も挙げられる。その化学組成を示す。
( FeO:48.72%, Fe2O3:29.84%, B2O3:13.24%, CaO:1.60%, MgO:1.51%, SiO2:1.16%, MnO:0.62%, Na2O:0.29%, TiO2:0.11%, CO2:1.14%, S:0.09%, H2O(+):0.70%, H2O(-):0.52% )
二価の鉄酸化物が主成分で,水産資源育成用素材として有利である。
これらの金属鉄及び酸化鉄類は,テニスボールの起毛にバインダーを用いて担持させたり,球体内部に充填することができる。その際,電気伝導性を有する炭類との併用が鉄イオン発生に有利となり好ましい。
更に,鉄イオン源資材として,鉄明礬や硫酸鉄等も用いることができる。
(4)第4の環境浄化素子としては,石灰が挙げられる。
本発明者らは,汚濁度の高い黒色豚舎廃水の凝集試験検討に於いて,消石灰を用いた結果,高い凝集作用が認められ,加えて脱臭能及び脱色能に優れることを確認した。
本発明の石灰の具体例は,実用的に低廉な消石灰及び又は生石灰が挙げられる。石灰は,汚水中の有機物類のカルボキシル基,スルホニル基,ホスホニル基,フェノール性ヒドロキシ基等とカルシウム塩を形成して凝集能を発揮する。また,無機類のリン酸や硫酸ともカルシウム塩の沈殿物を形成して凝集能を発揮する。
特に,リン酸カルシウムは,水への溶解度が極めて低いところからリンイオンの捕捉除去に好適である。
又,本発明者らは,石灰を汚濁度の高い畜産廃水に適用させたところ単独で極めて高い凝集能があることを見出した。更に,石灰は畜産廃水の強烈な悪臭の減少化と脱色にも効果があることも認められた。
そこで,石灰をバインダーを用いて起毛に担持させることや球体内部に石灰を充填させることもできる。消石灰は水に溶解して(水酸化カルシウム水溶解度:0.185g / 100g / 0℃)生成するカルシウムイオンによって,汚水中に溶解するリン酸分を水に不溶のリン酸カルシウムとして析出補足させて水中濃度を下げて浄化させることができる。
消石灰は,球体内部に単独で充填させても良いが,炭や他の浄化素子と混合して充填しても良い。
この消石灰充填球体は,特にリン酸分の多い汚水に適用されるのが好ましい。
(5)第5の環境浄化素子としては,明礬が挙げられる。
本発明者らは,汚濁度の高い黒色豚舎排水の凝集試験検討に於いて,明礬を用いた結果,高い凝集作用が認められた。
明礬は,従来無機汚水の凝集能は知られていたが,大量に有機物が懸濁しているし尿廃水の浄化材として用いられた例はなかった。しかしながら,本発明者らは,汚濁度の高いし尿廃水に適用させたところ高い凝集能があることを見出した。又,本来明礬が有する脱臭作用もし尿廃水の強烈な悪臭の減少化に効果があることも認められた。
明礬は,MIII (SO−M SO・24HO の化学式で表される複塩の総称である。ここで,Mは,Na,K,Rb,Cs,NH,TlIであり,MIIIは,Al,Ga,In,TiIII,VIII,CrIII,MnIII,FeIII,CoIII,RhIII,IrIII等が知られている。
通常には,カリミョウバン(アルミニウムカリウムミョウバン)として硫酸アルミニウムカリウムの12水和物[KAl(SO・12HO]を指す。
また,アンモニアミョウバンとして硫酸アルミニウムアンモニウムの12水和物(NHAl(SO・12HO)も同様に使用できる。
更に「焼きミョウバン」として無水の[KAl(SO]も同様に使用できる。
本発明の石灰と明礬を組み合わせることによりpHを調節したり,上澄み液の透明度を向上させることができる。
ここで金属が鉄の場合の鉄明礬としては,ヒドロキシ硫酸第二鉄カリウム(KFe3(SO4)2(OH)6),硫酸第一鉄カリウム(K2Fe(SO4)2),硫酸第二鉄カリウム(KFe(SO4)),硫酸第二鉄アンモニウム(NH4Fe(SO4)2・12H2O)等があり,石灰と組み合わせることにより中性付近でのカルシウムイオン源,鉄イオン源及び窒素イオン源として水産資源育成(植物プランクトン,貝類・カワニナ等の繁殖)等にも寄与することができる。
又明礬は,体臭の消臭効果があることが古くから知られてきた。
その理由としては,まず第一に,明礬は水に溶けると酸性になるということによる。ニオイは皮膚表面の雑菌が汗の成分を分解することで発生する。皮膚が酸性であれば,雑菌の繁殖が抑制され,結果的に臭いが抑えられる。制菌作用にとどまらず,より積極的な殺菌作用もある。
第二は,皮膚上で作られたニオイそのものを消臭する作用がある。明礬にはさまざまな金属が含まれており,これらの酸化還元反応による金属消臭が行われたり,ニオイ成分の中和による消臭も行われる。
特に,酸性の性質がある明礬は,アルカリ性のニオイ成分であるアンモニアに対する消臭作用は特異的で,汗くささを抑えるのには非常に有効である。(非特許文献20)
従って,明礬含有テニスボールに気相で汚染空気を接触させることにより消臭浄化することができる。
一方,明礬は,飲み水の浄化作用や放射性物質の除染にも有効であることが知られている。(特許文献9)
従って,明礬含有テニスボールを浄水場や養殖場等で使用することにより水質の浄化が可能になる。
(6)第6の環境浄化素子としては,有機酸が挙げられる。
さて,環境浄化材の役割として,重金属や放射性金属の捕捉除去も重要な課題となっている。
これらの用途分野には,有機酸類を用いて金属塩を形成させる方法が効率的である。
(特許文献10,特許文献11)
有機酸類の種類としては,フェノール系化合物及びカルボン酸系化合物が挙げられる。
フェノール系化合物としては,タンニン,カテキン,ロジゾン酸,オキシン(8−ヒドロキシキノリン)等が挙げられる。
これらの中で,タンニンは一般化学品として流通しており,また汚水の凝集材や海水からの放射性物質の除染材として使用された例もあり好ましい。(特許文献10,特許文献11,特許文献12,特許文献13,特許文献14)
又,本発明者らは豚舎廃水の凝集試験検討に於いて,タンニンを添加することによりフロック(沈殿物)の粒度を上げて分離が有利になると同時に上澄み液の透明度が向上することも確認している。
タンニンは,加水分解型ガロタンニン,縮合型タンニン,5倍子及び渋柿液等のいずれも使用できる。
カテキン(3−オキシフラバンのポリオキシ誘導体の総称)は,フラバノール,3,5,7,3’,4’-ペンタオキシフラバン,カテキンガラート(3−ガロイルカテキン)及び茶殻等のいずれも使用できる。
カルボン酸系化合物としては,クエン酸,リンゴ酸,蓚酸,カルボキシメチルセルロース(CMC),アルギン酸(アルギン酸Na),キサンタンガム等が挙げられる。
中でもナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)やアルギン酸(アルギン酸Na)は,放射性物質の除染分野での除染材として重要である。(特許文献14,特許文献15,特許文献16)
又フェノール性OH基とカルボキシ基を合わせ持つフルボ酸等も用いることができる。
一方,水環境分野の中でも生活に密着した工業用水,飲料水,湖沼水,養殖場水の水質浄化の取り組みも古来から行われてきた。
その一つとして古くから工業用水のカルシウムは,企業でのボイラー配管等中での閉塞の問題を引き起こしてきた。また,寒冷地での冬季道路に散布されたカルシウムを含む凍結防止材(塩化カルシウム等)が,近郊の河川・湖沼に流入して,魚介類の養殖に弊害をもたらし,組合では大きな痛手となっている。
近年,諏訪湖では,シジミの生産量減少が続いて居り,深刻な問題となっている。
これらの水道施設,河川,湖沼等でのカルシウムの捕捉除去策が求められている。
本発明らは,種々のカルシウム捕捉材を検討し,蓚酸が優れた性能を示すことを検証した。これは,蓚酸カルシウムが極めて低い水溶解度(0.67mg / 100g / 13℃)によるものである。
上記有機酸類は,既述と同様にバインダーを用いて起毛に担持させることや球体内部に単独で含有させても良いが,炭や他の浄化素子類と混合して充填しても良い。
(7)第7の環境浄化素子としては,プルシアンブルーが挙げられる。
福島第一原子力発電所内の原子炉建屋内の汚染水・滞留水処理系統に於いてプルシアンブルーを用いて放射性セシウムを吸着後凝集沈殿させることにより除去している。
凝集沈殿は水の中に広く分布するような吸着剤(フェロシアン化物)で目的とするもの(汚染水・滞留水では放射性セシウム)を吸着させ,そこに凝集剤を加えて,汚染水中にコロイド粒子として広がっているセシウムを吸着した吸着剤の反発を除去して凝集させ,凝集した吸着剤は沈殿を起こすので,これを利用した方法である。凝集沈殿は膨大な量の水の中に薄く広がっている放射性セシウムの除去方法として優れた方法であったと思われる。(非特許文献21)
放射性セシウム除染剤として優れるプルシアンブルーは,既述と同様にテニスボールにバインダーを用いて起毛に担持させることや球体内部に単独で含有させても良いが,炭や他の浄化素子類と混合して充填しても良い。
(8)第2の環境浄化素子の炭と第3の環境浄化素子の鉄成分(金属鉄及び鉄酸化物)を組み合わせることにより,ア)水質・ヘドロの浄化,イ)水産資源(魚介類や海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
HNLC(High nitrate but low chlorophyll = 富硝酸塩・貧葉緑素)海域の南極海やアラスカ湾は,硝酸塩,燐酸塩,ケイ酸塩が豊富なのに植物プランクトンが少ない謎があった。
1L当たり数〜数十ナノグラムの極微量の鉄イオンを植物プランクトンが摂取している。
ジョン・マーチン博士(1935-1993)は,鉄不足のアラスカ湾の海水に鉄を加えクロロフィルが劇的に増殖(培養)することを実証した。(1989)(非特許文献22,非特許文献23)
松永勝彦北海道大学教授は,以下の研究成果を報告している。
1)河川水からフルボ酸鉄だけを除いた水と除かない水を用いてクロレラ(植物プランクトン)を培養すると,前者の培地ではクロレラは増殖しないのに反し,後者は著しく増殖した。
2)植物プランクトンの培養実験で,フルボ酸鉄は,鉄イオンよりプランクトンを増殖する能力が高い。食物連鎖の結果として魚介類を豊富にする。
3)フルボ酸鉄は,細胞膜を容易に通過できるが,フルボ酸自体は細胞内に入らず,細胞膜まで運ぶ役割である。
4)コンブの生育にも効果があり,色つやの良し悪しは,光合成色素であるクロロフィル,フィコキサンチン,βーカロチンなどの色素濃度が左右し,フルボ酸鉄はこれらの色素濃度を高め,コンブの品質に大きく関与している。又,硝酸塩も摂取し易くなるので,厚みも増す。河口域のコンブは最高級品である。
5)フルボ酸鉄の湖水と河川の濃度比をみると,硝酸塩と同様なカーブを描く。
即ち,硝酸塩もフルボ酸鉄と同様に植物プランクトンに摂取されている。
6)広葉樹と針葉樹の葉1グラム当たりの鉄の含有量は,0.03〜0.06ミリグラムの範囲内でほとんど変わらないが,針葉樹の葉には樹脂や抗菌物質が含有され分解され難い。広葉樹と針葉樹の腐植土中の単位重量当たりの鉄量は,広葉樹の方が針葉樹より一けた高い。(非特許文献22,非特許文献23)
7)水深50mまでの沿岸海域は,全海洋の面積のわずか0.6%に過ぎないが,バイオマス(生物量)は,全海洋の70%を占めている。
8)気仙沼湾内は,外海より10倍以上の基礎生産量(プランクトンを育てる機能)があった。それは,湾内に流入する大川の栄養素によりプランクトン(餌)を増やす能力が高くなっている。(非特許文献24)
9)沿岸海域での海産物生産の減少は,山林の伐採による河川からのフルボ酸鉄流入の減少に基づくと指摘した
そこで,カキ養殖家畠山重篤らは,「森は海の恋人」運動を展開し,河川上流の山への植林活動を続けた結果,減少していた生産量がしだいに回復してきた。(非特許文献25,非特許文献26,非特許文献27)
本発明では,前述の知見から鉄イオンを遊離する鉄成分をテニスボールに含有させることにより水産資源(魚介類や海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
その素子としては,フルボ酸の他に有機酸類等の鉄塩が挙げられる。有機酸としては,既述したフェノール系化合物及びカルボン酸系化合物が同様に挙げられる。
フェノール系化合物としては,タンニン,カテキン,ロジゾン酸,オキシン(8−ヒドロキシキノリン)等が挙げられる。
カルボン酸系化合物としては,クエン酸,リンゴ酸,蓚酸,カルボキシメチルセルロース(CMC),アルギン酸(アルギン酸Na),キサンタンガム等が挙げられる。
更に,有機酸類の鉄塩としての具体例は,タンニン酸鉄塩,クエン酸鉄塩,カルボキシメチルセルロース鉄塩(CMC鉄塩)及びアルギン酸鉄塩等が一例として挙げられる。
一方,既述の様に鉄イオン発生法としては,炭素材料と鉄成分(金属鉄及び鉄酸化物)の組み合わせによる幾つかの提案がなされている。本発明では,両素子をテニスボールの球内に密着して充填混合させるところに特徴があり,これを水中に浸漬すると,水を媒体として炭素材料と鉄成分との接触部に局部電池が形成され,酸化還元反応の腐食作用によりイオン化傾向の大きい鉄又は鉄化合物から植物プラントや海藻類,海草類の生育,繁殖に不可欠な鉄イオン(二価鉄イオン)を短時間で効率良く溶出させることができる。 その結果,本発明の水質浄化及び水産資源育成用の浄化具を用いれば,植物プランクトンや海藻類,海草類,微生物の繁殖が促進されることになり,植物プラントや海藻類,海草類の餌を求めて小魚が集まり,それらを餌とする魚が海藻類や海草類の近くに大量に集まり,水産資源の育成と増加を図れる。しかも,植物プランクトンや海藻類,海草類,微生物の繁殖が促進されることによって,水(海水や淡水)及びヘドロが浄化されると共に ,二酸化炭素が吸収されて地球温暖化防止にも役立つことになる。
又,河川周辺や人口池(ビオトープ等)での植物プラントや藻類の繁殖が促進されることにより,蛍の餌となるカワニナの生育にも有利になり,自然環境の回復による生活環境改善にも貢献できる。
この本発明で用いられる炭素材料と鉄成分は,上述した第2の環境浄化素子としての炭と第3の環境浄化素子としての鉄成分(金属鉄及び鉄酸化物)がそのまま適用される。
本発明では,更に炭素材料と鉄成分に加えて,前記の有機酸類を共存混合させることにより,有機酸類の作用で炭素材料と鉄成分との酸化還元電位が低下し,鉄イオンの形成を容易にするところに特徴がある。
ここで用いられ有機酸は,前記の化合物類がそのまま使用できる。
従って,炭素材料,鉄成分及び有機酸類の組み合わせを用いることにより,有機酸鉄塩を製造することなく,又長期的な安定効力発現に適している。
(9)ヒ素浄化用素子:近年ヒ素浄化法としていくつかの提案がなされている。
炭素を含有する鉄粉は、鉄表面でセメンタイトFe3−Cが生成 されやすく、よりカソード表面が増加し、鉄粉の酸化反応が増進する。また、平均粒径が 大きい鉄粉は、滞ることなく鉄粉と溶存酸素及び重金属との反応が順次進み、比表面積が大きい鉄粉は、重金属との接する表面積が大きく、重金属との反応が増進する。 以上のことより、浄化反応剤の鉄粉によって、汚染物質を含有する水から汚染物質を取り除くことができる。(特許文献18)
また、モリブデン酸アンモニウム等のヒ素イオン吸着性化合物 を担持したメソポーラスアルミナは、pH調整等の水質 調整を行なわずに常温処理において、水中の微量のヒ素 イオンを選択的に吸着して除去できる。特別の前処理を 行なわないので余分の後処理も必要がなく、かつ加熱装置なども使用しないので、低コストのヒ素除去システム を構築できる。多段にヒ素処理装置を構成することにより、迅速で大量にヒ素イオンフリーの水溶液を得ること ができる。(特許文献19)
更に、排水中のヒ素を低減することの容易な水質浄化剤として、粒径が150μmを超え、250μm以下の範囲の硫酸アルミニウ ム粉体と、粒径が75μmを超え、600μm以下の範 囲の炭酸ナトリウム粉体とを含有する。炭酸ナトリウム 粉体の粒径は、250μm以下であることが好ましい。 水質浄化剤中における硫酸アルミニウム粉体と炭酸ナトリウム粉体との合計量に対する炭酸ナトリウム粉体の含有量は、30〜50質量%であることが好ましい。(特許文献20)
本発明は、これらの知見から鉄成分としては、原子価数0の金属鉄(鉄粉、還元鉄、鉄繊維(例:スチールウール))及び鉄酸化物(砂鉄、鉄鉱石)、炭素材料としては竹炭及び木炭、モリブデン酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、アルカリ成分としては炭酸ナトリウムや消石灰及び生石灰等の素子類の一種以上をテニスボールの起毛に担持及び又は球内に内包させることを特徴とするヒ素浄化具である。
鉄成分、モリブデン酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、アルカリ成分は、それぞれ単独でも効果を示すことができるが、竹炭及び又は木炭等の炭素材料との二元系で組み合わせてテニスボールに含有させることにより、長期的に安定した一定の効果を発現できるところに本発明の大きな特徴がある。
一方、希土類元素化合物は、ヒ素除染に有効なことが広く知られている。
中でもランタノイド系の1種類であるセリウムの含水酸化物は、ヒ素、弗素、ホウ素などの陰イオンに対して高い選択吸着性のあることが知られている。(特許文献21)
本発明では、希土類元素化合物中でも希土類元素酸化物又は水酸化物をテニスボールの起毛及び又は球内に含有させて、ヒ素除染を行うところに特徴がある環境浄化具を提供する。
ここで希土類元素酸化物又は水酸化物とは、元素が周期表第3B族の希土 類元素であって、スカンジウムSc、イットリウムY、ランタノイド元素、ランタンLa 、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm 、ユウロピウムEu、カドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミ ウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、イッテルビウムYb、ルテチウムLuの酸化物又は水酸化物等が挙げられる。なかでも好ましい元素はランタンLa 、セリウムCeであり、特には4価のセリウムCe が好ましい。また、これら希土類元素酸化物又は水酸化物の混合体も有用である。
しかしながら、吸着量が高いとされているランタン等の希土類系吸着剤は、その砒素化合物吸着量が水中の砒素濃度の影響を受け、砒素濃度1.0mg/l以下の濃度領域になると急激に平衡 吸着量が低下するという欠点があった。
そこで、本発明では、希土類元素酸化物又は水酸化物を空隙の多い多孔質担体に担持させたテニスボールを作製することにより、汚染水との接触を格段に効率化し、低濃度の砒素吸着を可能にした。
本発明の担体としては、テニスボールの微細合成繊維からなる起毛、多孔質で高表面積を有する炭及び極微細セルロース集合体のセルロースナノファーバー(CNF)を挙げることができる。
炭は、前述の竹炭又は木炭のいずれででも良いが、竹炭がより優れている。
セルロースナノファーバー(CNF)は、木材及び竹材から製造されたもののいずれも使用できるが、特には竹材を原料に製造されたものが好ましい。また、含水品と粉体品のいずれでも使用できる。
希土類元素酸化物又は水酸化物の担体への単独での担持量は、テニスボールの起毛に担持させる場合は、テニスボールの重量に対して1〜10%が好ましい。
更には、炭及びCNFとの混合で担持させることにより吸着効果を高率化することができる。この際には、希土類元素酸化物又は水酸化物と炭及びCNFの合計重量で、テニスボールの重量に対して2〜10%が好ましい。
一方、テニスボールの球内に希土類元素酸化物又は水酸化物を単独で充填して使用することもできるが、より吸着効果を高めるためには、炭やCNF等担体との混合充填が好ましい。
希土類元素酸化物又は水酸化物と担体との混合割合は、任意に選択することができるが、好ましくは、重量比が希土類元素酸化物又は水酸化物:担体=1:5〜5:1が相応しい。
従来、飲料用にするためには一般的な砒素吸着剤による処理に加えて活性炭による最終処理が必要となる欠点があった。
しかし、本発明の担体であるテニスボールの微細合成繊維からなる起毛、多孔質で高表面積を有する炭及び極微細セルロース集合体のセルロースナノファーバー(CNF)を用いることにより、担体自身の水質浄化作用もあいまって高純度の浄水を得ることができる。
更に、本発明浄化具の特徴は、ヒ素汚染土壌浄化の場合に、水とヒ素汚染土壌の懸濁物中に本発明浄化具を投入して撹拌・吸着させた後、浄化された汚染物質と浄化具の分離が容易なことにあり、実用上経済性に富む技術である。また、分離したヒ素吸着浄化具は、別途既存の手法でヒ素を回収することができる点でも有利である。
[3]本発明環境浄化具の製作法について述べる
これまで上述した第1〜第7の環境浄化素子含有本発明テニスボール球体(以下テニスボール球体と略記する)は,環境浄化素子類を,起毛及び又は球体内部に単独で担持及び又は充填される場合と二種類以上を複合させて担持及び又は充填させる場合がある。これらは,用途場面で選択することができる。
(1)テニスボール起毛利用型:起毛に環境浄化素子類を担持させる場合はバインダーを使用することができる。
その種類としては,高分子,脂質,界面活性剤,明礬等が挙げることができる。特に高分子としては,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂,ウレタン樹脂,末端にアルコキシシリル基,クロロシリル基,イソシアナトシリル基,メルカプト基等を有するポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロース(CMC),プルラン,キサンタン,セルロースナノファイバー(CNF),アルギン酸(アルギン酸Na),カチオン化材(SY−GTA80:阪本薬品),膠(ニカワ),デンプン糊,エマルジョン(AP−6750,2920F:スチレン・アクリル系:昭和高分子化学(株)),チタニウムテトライソプロポオキサイド(((CH3)2CHO)4Ti:関東化学(株)),ウレタン系エマルジョン(村山化学研究所:PU800E),ラノリン(日本精化),耐水性バインダー(ニットーボーケミカルズ)等が好適に使用できる。
これらのバインダーは,単独で使用される場合と二種類以上を複合させて用いられる場合がある。これらは,環境浄化素子の種類や量,更にテニスボール環境浄化具の使用場面によって設定される。
これらのバインダーによって環境浄化素子類の起毛への担持量は,テニスボールの質量に対して0.1〜10質量%であり,好ましくは0.5〜5質量%である。
(2)テニスボール球体内面利用型:内面に環境浄化素子類を含有させる。
(A)穴:テニスボールは中空ゴム製で,(電気)ドリルや焼き鉄棒等で容易に穴を開けることができる。テニスボール球体の穴は,例えば直径5〜15mmの円形で上下左右対称的に2〜6個開けて使用することができる。
(B)フィルター:穴は通水性及び通気性のフィルターで栓にすることにより,充填した環境浄化素子粒子の流出を禁止し、溶出した成分はテニスボール球内面から外面への急速な放散を抑制し,徐放させることができる。一方、汚染成分はテニスボール球外面から内面へ通過させ内包した環境浄化素子と反応させた後は、その反応物の球外面への流出は禁止することができる。
その材質は,有機材料及び無機材料のいずれでも採用できる。
(C)充填材:環境浄化素子類を充填する場合は,単独で行うこともできるが,他の充填材と混合・含浸させて行うこともできる。後者の方法は,主目的として環境浄化素子類の長期的な徐放効果の観点からより好ましい。
充填剤としては,炭,炭酸カルシウム,ホタル石,珪素土,パーライト,バーミュキライト、セルロースナノファイバー(CNF)及び吸水材等が挙げられ,特には炭が好ましく,環境浄化素子として上述した竹炭や木炭がそのまま使用できる。
また、CNFも開発途上にはあるが、極微細繊維集合体により環境浄化素子類の高分散性からの高活性と同時に一方で徐放効果も期待できる。
炭酸カルシウムやホタル石(CaF2)はカルシウムイオン源として,珪素土,パーライト及びバーミュキライトは珪素イオン源として,いずれも水溶解度は低いながら水産資源育成(植物プランクトン・貝類・カワニナ等の繁殖)上好ましい。尚ホタル石は,抗菌力の面でも好ましい。
環境浄化素子が炭素材料と鉄成分の混合体の場合は,両者を緊密に接触させる必要から吸水材を共存させるのが好ましい。
この吸水材としては,綿,コルクやチップ状又はペレット状の木材などの繊維物質が好ましい。例えば製材所などで発生するチップ状又はペレット状木材を利用することにより材料コストを安くすることができる。
[4]テニスボール球体の使用方法と用途について述べる。
水相系で使用する場合は,本発明テニスボール球体と水の接触のさせ方に(1)水面浮遊法,(2)水中浸漬法,(3)槽接触法の3通りが採用できる。
(1)水面浮遊法:
テニスボール球体の複数個を水面に浮遊させる方法には,(A)網に入れて浮かべる,(B)通水性容器に充填して浮遊させる,(C)オイルフェンスで囲いを作りその中で浮遊させることができる。
(A)網の材質は,漁網に用いられている(底曳き網など)ハイゼックスなどのポリエチレン系,(刺網や定置網)ナイロンなどのポリアミド系,(巾着網など)テトロンなどのポリエステル系等が使用される。(非特許文献28)
(B)通水性容器の材質は,比重が水より小さい合成繊維からなり,容器は網目状壁面の円筒で管内部にテニスボール球体を充填し水面に浮遊させる。(図6:大径管内浮上回転式環境浄化具)テニスボール球体は,水流や風で管内の水面で回転でき,又容器自体も円筒形で回転できる。
この方法は,ア)湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,イ)水産養殖場(エビ(東南アジア),カニ(中国上海等),魚(ウナギ,ブリ,マグロ),貝(アワビ,シジミ,アサリ)等)・魚場・生け簀等におけるウイルス類の抑制,ウ)湖沼,浄水場,養殖場,原子力発電所プール等におけるリン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,COD,臭気及び着色等の浄化に使用される。
一方,湖沼,海域での植物プランクトンや藻類の繁殖を促進させ,水産資源(魚介類や海藻類,海草類等)の育成のための漁礁に好適である。
更に,河川周辺や人口池での蛍の餌となるカワニナの生育を増進させ自然環境の回復による生活環境改善にも貢献できる。
又,この円筒を水面上で縦に設置し,管内部にテニスボール球体を充填し水面に浮遊させて,上方から循環水等を落下させる。(図5:大径管内落下回転式環境浄化具)
この方法は,池(神社仏閣名所等),養魚場,浄水場等溜まり水の浄化に好適である。
(C)オイルフェンスには,発泡スチロール性の筒形の浮体物におもりを付けて連結したものや,幕状のビニロン帆布上下に浮体とおもりを付けたものなど,さまざまなタイプのフェンスがある。(非特許文献29)
この方法は,広域での環境浄化に好適であり,主に,ア)海洋での赤潮の防除,イ)湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,ウ)原子力発電所海域での高い放射線金属類の除染等に適用できる。
テニスボール球体は水面での波や風によって回転し易く,球体の起毛や内部に担持・内包された浄化素子と汚物との吸着・脱着が促進され,浄化効率を上げる特徴がある。
(2)水中浸漬法:
上記通水性管内部にテニスボール球体を充填し水路に設置する。
(図4:水路に設置した管内回転式環境浄化具)
この方法は,例えば,原子力発電所,沈殿池,浄水場,工場等からの排水路等に好適に採用される。
又,池,湖沼や海底等のヘドロ上部に設置することにより,ヘドロの分解や藻類の繁殖を促すことができる。
更に,原子力発電所近海海底の放射性金属の捕捉が可能である。
(3)槽接触法:
攪拌機付きの反応槽を用いて汚水とテニスボール球体を接触させて,浄化する方法で短期間で効率的に処理できる利点がある。
工業廃水,原子力発電所汚染水,浄水場水処理等に採用できる。
(4)塔接触法:
塔内にテニスボール球体を充填して,下方から汚水を流入させ上方から流出させて浄化する方法である。テニスボール球体と汚水の接触は,1回のみのワンパス法と,上方から流出させた液を再び下方から複数回流入させる循環法とがある。
この方法は,テニスボール球体が上昇水流中で回転し,浄化素子の汚物との接触が高効率になり,浄化速度を上げる利点がある。
工業廃水,原子力発電所汚染水,浄水場水処理等に採用できる。
[5] 光増感剤含有テニスボール使用法と用途について述べる。
(1)光源:
光増感剤含有テニスボールを屋外で使用する場合は,経済的に自然光(太陽光)を用いるのが好ましい。
一方,屋内や装置内で使用する場合は,光源としては,波長200〜800μmに強い放射光領域を持つランプを使用する。低圧水銀灯,中圧水銀灯,高圧水銀灯,ナトリウムランプ,タングステンハロゲンランプ,蛍光灯ランプ及びLEDランプ等が使用できる。
ここでの留意点は,ランプの放射光の波長分布と増感剤の吸収特性のマッチングである。例えば,増感剤にメチレンブルーを用いる場合は,タングステンハロゲンランプを,増感剤にローズベンガルを用いる場合は,高圧水銀灯を使用する。
光増感剤としてのフタロシアニン化合物は,多数の種類が合成されており吸収特性の選択が幅広く利用できる。
一方,光源としてのLEDランプも近年各種の波長分布の放射光が開発され,本発明での採用に有利となっている。
又,屋内や装置内で使用する場合に於いても光ファイバーを用いて太陽光を導入利用することもできる。
(2)一重項酸素発生装置:
光増感剤含有テニスボールを屋内で使用する場合の一重項酸素発生装置は,透明なガラス製やプラスチック製の筒や塔にテニスボールを充填して,下部から汚水を挿入して,ボールを浮遊回転させながら外部の光源から各種の光を照射する外部照射法を採用することができる。
又,別法として,二重の円筒からなる充填塔の中央部に各種の光源を設置し,二重の円筒間に,本発明の光増感剤含有テニスボール球体を充填し,汚水を流通させて,内側の筒の内部から光を照射する内部照射法が適用できる。
その際には,光源の発熱を除熱するための方策を施すことが好ましく,例えば,内側の円筒に空気を挿入すること等が好ましい。
次に,悪臭や感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の脱臭,滅菌を安全かつ低コストで行い,病院や畜舎施設,あるいは公共施設など人の多い室内環境での利用の場合は,気相でテニスボール球体を使用することができる。
その一つは,上記外部照射法装置の筒内に下方から汚染空気を挿入して,ボールを浮遊回転させながら外部から光を照射する方法が採用できる。
又,別法は,上記内部照射法装置の筒間に下方から汚染空気を挿入して,ボールを浮遊回転させながら内側の筒の内部から光を照射する方法が採用できる。
尚,これら汚染空気の浄化は,液相法で行うこともできる。
即ち,前記外部照射法装置及び内部照射法装置のテニスボール球体充填箇所に,水を満たし,そこに汚染空気を下部から挿入させることができる。
汚染物は,水相内のテニスボール球体で捕捉・分解され,浄化された空気が上部気相に放出される。
以下,実施例を挙げて,本発明をより具体的に説明するが,本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[1][テニスボール]:
中空ゴムに起毛を巻いた(フェルトカバー)ボール。
外直径=6.6cm 内(直)径=6.0cm,内容積=113cm3 , 表面積=137cm2 , 重さ56.0g
[2][環境浄化素子]
フタロシアニンブルーB:大日精化
塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB):大日精化
鉄フタロシアニン錯体:東京化成
粒状竹炭:NPO法人白井環境塾製造品(粒径:3〜8mmφ粒)
粉状竹炭(パウダー):NPO法人白井環境塾製造品(粒径:<1mmφ粒)
粉状木炭(パウダー):NPO法人白井環境塾製造品(粒径:<1mmφ粒)
砂鉄:試料名(IDN-1)(株式会社正栄商会)
組成:(Fe2O3:51.0%, FeO:28.5%, M-Fe<0.1%, SiO2:1.29%, TiO2:2.89%,Total-Fe:57.8%)(測定:(株)大同分析リサーチ)
粒度: (1) <45μm, (2) 45〜100μm
還元鉄(パウダー):大同株式会社
スチールウール:日本スチールウール株式会社
試料名(等級:極細:♯0000), 繊維中心径:約12μm
カットウール:日本スチールウール株式会社
試料名(等級:極細:♯0000)の線材及び条材から製造したウールを細かく裁断して短繊維に加工した商品。
消石灰(Ca(OH)2):東洋砿業(株)
硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O):昭和化学
蓚酸ナトリウム((CO2Na)2):関東化学(株)
蓚酸((CO2H)2・2H2O):関東化学(株)
ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC):和光純薬
アルギン酸(アルギン酸Na):株式会社キミカ
クエン酸:和光純薬
タンニン:富士化学工業(株)
フルボ酸:豊田孝義
アルギン酸鉄(II):特開平5−244900号公報記載
クエン酸鉄(II):特開2010−241631号公報記載
CMC鉄(III):特開昭51−142546号公報記載
タンニン酸鉄(II)担持パルプ:特開平11−010169号公報記載
パラモリブデン酸アンモニウム((NH4)6[Mo7O24]・4H2O):関東化学(株)
硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・18H2O): 関東化学(株)
炭酸ナトリウム(Na2CO3):関東化学(株)
水酸化セシウム(Ce(OH)3):和光純薬(CeO2・nH2O:80-87%CeO2)
[3][バインダー]
エマルジョン(AP−6750:スチレン・アクリル系):昭和高分子化学(株)
エマルジョン(AP−2920F:スチレン・アクリル系):昭和高分子化学(株)
(起毛に還元鉄及び砂鉄担持時使用)
チタニウムテトライソプロポオキサイド(((CH3)2CHO)4Ti):関東化学(株)
含水セルロースナノファイバー(CNF):モリマシナリー(株)(90%含水品)
[4][フィルター]
フィルター:アサヒ繊維工業(株)
[5][充填材]
炭酸カルシウム(CaCO3):関東化学(株)
ホタル石 (CaF2):株式会社正栄商会
パーライト:昭和化学株式会社
ページ石:(商品名:メサライト);日本メサライト株式会社
バーミュキライト:福島バーミ株式会社
木綿綿:大創株式会社
<環境浄化具の製作>
[実施例1]フタロシアニンブルーB起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にフタロシアニンブルーB1.12gと含水セルロースナノファイバー(CNF)10gを入れ,撹拌させて青色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして起毛が青色の2%フタロシアニンブルーB起毛担持テニスボールが得られた。
主に水質・空気の浄化に用いられる。
[実施例2]竹炭起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に粉状竹炭2.8gとエマルジョン10gを入れ,撹拌させて黒色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして起毛が黒色の5%竹炭担持テニスボールが得られた。主に水質・空気の浄化に用いられる。
[実施例3](竹炭+還元鉄)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に粉状竹炭1.68g,還元鉄粉1.68及びエマルジョン10gを入れ,撹拌させて黒色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%竹炭・3%還元鉄担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(ヘドロの解消)と水産資源育成(植物プランクトンや藻類の繁殖等)に用いられる。
[実施例4](消石灰+明礬)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に消石灰1.12g,明礬2.24g及びチタニウムテトライソプロポオキサイド(((CH3)2CHO)4Ti)10gを入れ,撹拌させて白色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして2%消石灰・4%明礬担持テニスボールが得られた。
主に水質の浄化と水産資源育成(貝類・カワニナ等繁殖)に用いられる。
[実施例5](竹炭+硫酸第一鉄)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に粉状竹炭1.12g,硫酸第一鉄2.24g及び含水CNF10gを入れ,撹拌させて灰色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして2%竹炭・4%硫酸第一鉄担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(ヘドロの解消)と水産資源育成(植物プランクトン,藻類,貝類の繁殖等)に用いられる。
[実施例6](木炭+砂鉄)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に粉状木炭1.12g,砂鉄(<45μm)2.24g及びエマルジョン10gを入れ,撹拌させて灰色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして2%木炭・4%砂鉄担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(ヘドロの解消)と水産資源育成(植物プランクトン,藻類,貝類の繁殖等)及び重金属(ヒ素等)浄化等に用いられる。
[実施例7](竹炭+還元鉄+タンニン)起毛担持テニスボールの作製
1Lステンレス製容器に粉状竹炭1.12g,還元鉄1.12g,タンニン1.12g及びエマルジョン10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして2%竹炭・2%還元鉄・2%タンニン担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)と水産資源育成(魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例8](明礬+タンニン)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に明礬1.68g,タンニン1.12g及びエマルジョン10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%明礬・2%タンニン担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)に用いられる。
[実施例9]蓚酸ナトリウム起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器に蓚酸ナトリウム2.8gとチタニウムテトライソプロポオキサイド(((CH3)2CHO)4Ti)10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして5%蓚酸ナトリウム担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(富カルシウム水の浄化)に用いられる。
[実施例10]プルシアンブルー起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にプルシアンブルー1.68gとエマルジョン10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%プルシアンブルー担持テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)に用いられる。
[実施例11]CMC起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)1.68gと含水CNF12gを入れ,撹拌させて白色懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%CMC担持テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,魚介類の繁殖等)と水質浄化(放射能汚染水)に用いられる。
[実施例12]アルギン酸Na起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にアルギン酸Na1.68gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%アルギン酸Na担持テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,魚介類の繁殖等)と水質浄化(放射能汚染水)に用いられる。
[実施例13]アルギン酸鉄(II)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にアルギン酸鉄(II)1.68gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%アルギン酸鉄(II)担持テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例14]クエン酸鉄(II)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にクエン酸鉄(II)1.68g,含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%クエン酸鉄(II)担持テニスボールが得られた。主に水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例15]CMC鉄(III)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にCMC鉄(II)1.68gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%CMC鉄(III)担持テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例16](タンニン酸鉄(II)担持パルプ)起毛担持テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にタンニン酸鉄(II) 担持パルプ1.68gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして3%タンニン酸鉄(III)担持テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例17]フタロシアニンブルーB起毛担持+竹炭内包テニスボールの作製
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粒状竹炭90mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。
1Lステンレス製容器にフタロシアニンブルーB1.12gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に前記竹炭内包テニスボールを入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。こうして2%フタロシアニンブルーB担持竹炭内包テニスボールが得られた。
主に水質・空気の浄化に用いられる。
[実施例18]フタロシアニンブルーB起毛担持+(フタロシアニンブルーB・竹炭)内包テニスボールの製作
1Lステンレス製容器にフタロシアニンブルーB1.12gと含水CNF10gを入れ,撹拌させて懸濁液を得た。この中に使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)を入れ10分間回転・塗着させた。続いて,このボールを引き上げ金網にのせ自然乾燥した後更にエアヒータ(約80℃)で仕上げ乾燥させた。
続いて,このテニスボールに直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粒状竹炭50mlとフタロシアニンブルーB50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。
こうして起毛にフタロシアニンブルーB担持・(フタロシアニンブルーB・竹炭)内包テニスボールが得られた。
主に水質・空気の浄化及び水産業ウイルスの浄化に用いられる。
[実施例19]竹炭・砂鉄内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状竹炭60mlと砂鉄(45〜100μm)40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・砂鉄内包テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例20]木炭・還元鉄内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状木炭60mlと還元鉄40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。
こうして木炭・還元鉄内包テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例21]炭酸カルシウム・カットウール・明礬内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉末状炭酸カルシウム40ml,カットウール30ml及び明礬30mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして炭酸カルシウム・カットウール・明礬内包テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,貝類・カワニナ等の繁殖)に用いられる。
[実施例22]珪藻土・消石灰・鉄明礬内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状珪藻土40ml,消石灰20ml及び鉄明礬40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして珪藻土・消石灰・明礬内包テニスボールが得られた。
主に水質の浄化及び水産資源育成(貝類・カワニナ等の繁殖)に用いられる。
[実施例23]パーライト・砂鉄・消石灰・明礬内包テニスボールの製作
使用後水3乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕したパーライト粉末20ml,砂鉄(45〜100μm)20ml,消石灰20ml及び明礬40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうしてパーライト・砂鉄・消石灰・明礬内包テニスボールが得られた。
主に水質の浄化及び水産資源育成(植物プランクトン,貝類・カワニナ等繁殖)に用いられる。
[実施例24]竹炭・蓚酸内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いだ。この中に粉状竹炭30mlと蓚酸・2水塩(((CO2H)2・2H2O))70mlを充填し,入口は木綿綿及びフィルターを詰めた。こうして竹炭・蓚酸内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(富カルシウム水,放射性金属汚染水の浄化)に用いられる。
[実施例25]竹炭・フタロシアニンブルーB内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粒状竹炭50mlとフタロシアニンブルーB50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・フタロシアニンブルーB内包テニスボールが得られた。
主に水産業ウイルスの浄化に用いられる。
[実施例26]竹炭・塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB)内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粒状竹炭50mlと塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB)50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB)内包テニスボールが得られた。
主に水産業ウイルスの浄化に用いられる。
[実施例27]竹炭・鉄フタロシアニン錯体内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粒状竹炭50mlと鉄フタロシアニン錯体50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・鉄フタロシアニン錯体内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産業ウイルスの浄化に用いられる。
[実施例28]ホタル石・ページ石・CMC内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕した粉状ホタル石20ml,粉砕した粉状ページ石(メサライト)30ml及びナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうしてホタル石・ページ石・CMC内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,魚介の繁殖等)に用いられる。
[実施例29]ホタル石・ページ石・アルギン酸Na内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕した粉状ホタル石20ml,粉砕した粉状ページ石(メサライト)30ml及びアルギン酸(アルギン酸Na)50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして木炭・ページ石・アルギン酸(アルギン酸Na)内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例30]木炭・クエン酸内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状木炭50mlとクエン酸50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。
こうして木炭・クエン酸内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例31]バーミキュライト・タンニン内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕したバーミキュライト50mlとタンニン50mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうしてバーミキュライト・タンニン内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例32]竹炭・砂鉄・クエン酸内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状竹炭30ml,砂鉄(45〜100μm)30ml及びクエン酸40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・砂鉄・クエン酸内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例33]珪藻土・還元鉄・クエン酸内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉末状珪藻土30ml,還元鉄30ml及びクエン酸40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして珪藻土・還元鉄・クエン酸内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例34]パーライト・還元鉄・CMC内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕したパーライト30ml,還元鉄30ml及びナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうしてパーライト・還元鉄・ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例35]炭酸カルシウム・還元鉄・アルギン酸Na内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉末状炭酸カルシウム30ml,還元鉄30ml及びアルギン酸Na40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして炭酸カルシウム・還元鉄・アルギン酸Na内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,貝類・カワニナ等繁殖)に用いられる。
[実施例36]竹炭・還元鉄・タンニン内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉状竹炭30ml,還元鉄30ml及びタンニン40mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうして竹炭・還元鉄・タンニン内包テニスボールが得られた。
主に水質浄化(放射能汚染水)及び水産資源育成(植物プランクトン,藻類・魚介類の繁殖等)に用いられる。
[実施例37]ホタル石・ページ石・フルボ酸内包テニスボールの製作
使用後水洗乾燥したテニスボール(56g)に直径10mmの穴を上下左右対称に4か所開けた。上の穴からフィルターを入れ,下と左右の内側を塞いで粉砕したホタル石40ml,粉砕したページ石(メサライト)30ml及びフルボ酸30mlを充填した。その後上の穴は木綿綿及びフィルターを詰めて塞いだ。こうしてホタル石・ページ石・フルボ酸内包テニスボールが得られた。
主に水産資源育成(植物プランクトン,貝類・カワニナの繁殖等)に用いられる。
[実施例38]テニスボールを充填した樹脂ケースの製作(図1)
流入する水によってボールが回転可能な内径約10cmの網目状樹脂製円筒を作製し,環境浄化素子を担持したテニスボール12個を充填した環境浄化具を作製した。
[実施例39]水路に設置した管内回転式環境浄化具(図2)
実施例50で作製した円筒状環境浄化具を2本水路に設置し,浄化実施した。
(原子力発電所,沈殿池,浄水場,工場等からの)排水路等に好適である。
[実施例40]大径管内落下回転式環境浄化具の製作(図3)
内径約40cmの網目状樹脂製円筒を作製し,環境浄化素子を担持したテニスボールを複数個充填して水面に設置し,上方から循環水等を注ぐ浄化法である。
池(神社仏閣名所等),養魚場,浄水場等溜まり水の浄化に好適である。
[実施例41]大径管内浮上回転式環境浄化具の製作(図4)
内径約1m以上の網目状樹脂製筒を作製し,漁礁用環境浄化素子を担持したテニスボールを数10個以上充填して水面に浮上させて設置した環境浄化具である。
ア)湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,イ)水産養殖場(エビ(東南アジア),カニ(中国),魚(ウナギ,ブリ,マグロ),貝(アワビ,シジミ,アサリ)等)・魚場・生け簀等におけるウイルス類の抑制,ウ)湖沼,浄水場,養殖場,原子力発電所プール等におけるリン,窒素化合物,カルシウム,放射性金属,重金属(ヒ素等)、COD,臭気及び着色等の浄化。
一方,湖沼,海域での植物プランクトンや藻類の繁殖を促進させ,水産資源(魚介類や海藻類,海草類等)の育成のための漁礁に好適である。
更に,河川周辺や人口池(ビオトープ等)での蛍の餌となるカワニナの生育を増進させ自然環境の回復による生活環境改善にも貢献できる。
これら用途の多様化は,テニスボールに含有させる環境改善素子の選択により可能になる。
本発明で提供される環境浄化具を用いることにより,
(1)海洋における赤潮や湖沼・河川におけるアオコ等藻類の除去,(2)水産養殖場・魚場・生け簀等におけるウイルス類や微小貝類の抑制,(3)インフルエンザウイルス等の空気感染症の滅菌や有機物の脱臭等,(4)畜産業(畜舎,牧場)からの廃水,下水道や産業廃水処理施設における下水道や産業廃水におけるリン,窒素化合物,COD,臭気及び着色等を減少,(5)原子力発電所内外の高放射線量施設・地域・海域での除染,(6)工業用水,飲料水,地下水、河川水、湖沼水,養殖場水のカルシウム、重金属類(ヒ素等)等の水質浄化をすることができる,(7)水質・ヘドロの浄化並びに水産資源(魚介類,海藻類,海草類等)の育成と増加を図ることができる。
更に,これらの環境浄化具の製作法と使用法に関する。
:環境浄化素子を担持したテニスボールと当該ボールを充填した網目状樹脂ケース入り管内回転式環境浄化具写真 :水路に設置した管内回転式環境浄化具写真 :大径管内落下回転式環境浄化具写真 :大径管内浮上回転式環境浄化具写真

Claims (5)

  1. 使用済み硬式テニスボール又は、新規(未使用)硬式テニスボール(以下単にテニスボールと略記する。)にポルフィリン・フタロシアニン・フタロシアニン金属錯体に代表されるポルフィリン系誘導体、ローズベンガル、メチレンブルー及びマラカイト・グリーンからなる光増感剤を、一つ以上含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具。
  2. フタロシアニン金属錯体が、銅フタロシアニン(フタロシアニンブルーB)、塩素化銅フタロシアニン(シアニングリーンB)、鉄フタロシアニン錯体、マグネシウムフタロシアニン錯体及びチタニウムフタロシアニン錯体であることを特徴とした請求項1記載の環境浄化具。
  3. テニスボールに竹炭及び又は木炭からなる炭、砂鉄・還元鉄・スチールウール及び又はページ石からなる鉄成分、石灰、明礬及び又は鉄明礬、プルシアンブルー、水酸化セリウム及び又は酸化セリウムに代表されるセリウム化合物、水酸化ランタン及び又は酸化ランタンに代表されるランタン化合物、タンニン・カテキンに代表されるフェノール系化合物、蓚酸・クエン酸・リンゴ酸・カルボキシメチルセルロース(CMC)・アルギン酸(アルギン酸Na)・キサンタンガムに代表されるカルボン酸化合物、又はフェノール性OH基とカルボキシ基を合わせ持つフルボ酸である有機酸の浄化素子の中から一つ以上を含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具。
  4. テニスボールに請求項1の光増感剤と請求項3の浄化素子を混合して含有(起毛に担持及び又は球内に充填)させることを特徴とした環境浄化具。
  5. 用途分野が、赤潮・アオコ等藻類の除去が必要な海洋・湖沼・河川・プール、ウイルス類や微小貝類の抑制が不可欠な水産養殖場・魚場・生け簀、感染症発生予防や感染拡大を防止するための汚染空気の滅菌・脱臭が求められる病院・畜舎施設・公共施設、更に畜産業(畜舎、牧場)からの廃水、下水道や産業廃水処理施設及び原子力発電所内外の高放射線量施設・地域・海域、工業用水・地下水・井戸水・飲料水・湖沼水・養殖場水の水質浄化分野、水産資源(魚介類、海藻類、海草類)の育成分野であることを特徴とする請求項1〜4記載の環境浄化具を提供する。

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