JP5812847B2 - 二酸化炭素の回収装置及び方法 - Google Patents
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Description
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
後記熱交換器において熱交換された二酸化炭素を吸収した吸収液を、加熱して、該吸収液から二酸化炭素を脱離させるための再生塔と、
再生塔において二酸化炭素を脱離した吸収液を、フラッシュして圧力を低減するとともに蒸気と吸収液とに分離するためのフラッシュタンクと、
フラッシュタンクにおいて分離された吸収液の少なくとも一部と吸収塔において二酸化炭素を吸収した吸収液との間で熱交換させるための熱交換器と、
フラッシュタンクにおいて分離された吸収液の残部に中和剤を添加した後、蒸留するためのリクレーマ装置と、
リクレーマ装置において発生した蒸気を吸収塔または再生塔に供給する配管と
を有する二酸化炭素の回収装置。
(2) フラッシュタンクからリクレーマ装置に搬送される吸収液の圧力を一定圧に調整するための調圧装置をさらに有する、(1)記載の二酸化炭素の回収装置。
(3) 再生塔において二酸化炭素を脱離した吸収液は、フラッシュタンクにおいて減圧される前の圧力が大気圧よりも高い、(1)または(2)記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
(4) リクレーマ装置における蒸留温度は、リクレーマ装置内の蒸気中におけるアミン/水の比率が吸収液中のそれと等しくなる温度である、(1)または(2)記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
(5) フラッシュタンクにおいて分離された蒸気を再圧縮して再生塔に供給する、(1)または(2)記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
(6) リクレーマ装置において発生した蒸気を圧縮して再生塔に供給する場合に、圧縮された蒸気の圧力を一定圧に調整し、且つ圧縮のために使用する圧縮機による加圧分を調整することによって、圧縮する前の蒸気の圧力を大気圧以下に減圧する、(1)または(2)記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
また、フラッシュタンクにおいて分離された蒸気を再圧縮して再生塔に供給してもよい。
リクレーマ装置において発生した蒸気を圧縮して再生塔に供給する場合、圧縮された蒸気の圧力を一定圧に調整し、且つ圧縮のために使用する圧縮機による加圧分を調整することによって、圧縮する前の蒸気の圧力を大気圧以下に減圧できるので、そのような条件に設定してもよい。
加えて、フラッシュタンクからリクレーマ装置に搬送される吸収液の圧力を一定圧に調整するための調圧装置を設けても良い。これにより、リクレーマ装置の運転圧力を一定にできるため、蒸留条件を制御しやすくなる。
また、再生塔から搬送される液を減圧した際に生じる吸収液のフラッシュ蒸気はそのままでは再生塔内よりも低温なので、該蒸気を圧縮して再生塔に直接供給することにより、再生塔加熱用の水蒸気量を低減することができる。なお、リクレーマのアミンを含む蒸気についても、上述のフラッシュした蒸気と共に圧縮して再生塔に供給することができる。
ここで、前記の蒸気26や減圧する際に生じた蒸気29は加圧することにより、高温蒸気として再生塔8に供給してもよく、これにより、再生塔8の加熱用水蒸気の使用量を低減できる。
一方、本発明の装置では、リーン吸収液10をタンク24でフラッシュして減圧するため、リクレーマ25内の圧力は安定しているが、図3のように、タンク24とリクレーマ25の間に調圧弁33を設けることにより、リクレーマ25内の圧力をより安定化することができる。圧力が安定すると、蒸留条件は温度だけで制御可能となるため、運転制御が容易になる。
図1に示した装置を用い、CO2を含む排ガス処理の実験を行った。主な実験条件は吸収塔7入口ガス及び液温度40℃、再生塔8入口液温度100℃、再生塔8内圧力160kPa(ゲージ)、液温度:最高120℃、冷却器5温度30℃、ガス量500m3/h、液ガス比3.0(L/m3)、循環液量1500Lであった。排ガス1中のCO2は吸収塔7で回収され、吸収塔7下部タンク30内にリッチ吸収液9として収集され、次いでリッチ吸収液9は熱交換器3で加熱された後、再生塔8に供給される。再生塔8内では、リッチ吸収液9は、リボイラ21により更に加熱されることにより、CO2を放出し、リーン吸収液10として再生塔下部タンク31に回収される。ここでリーン吸収液10は大気圧のタンク24に放出され、減圧された後、吸収液10の一部は熱交換器3を経て再び、吸収塔7に供給される。また、別の吸収液10の一部はポンプ14によりリクレーマ25に供給され、ここで中和剤が添加され、HSSの酸成分が中和剤と反応して取り除かれ、アミンと水からなる蒸気26となり、再生塔8に戻される。なお、HSSから回収された反応生成物は残滓28としてリクレーマ25から回収される。これにより、吸収液10は連続的にHSSの除去・吸収液としての再生が可能になる。なお、吸収液には30%MEA(モノエタノールアミン)液を用い、中和剤にはNaOHを用いた。ここでリクレーマ内の加熱温度を126℃とすることにより、蒸気26中のアミン/水蒸気重量比を30/70にできる。また蒸気26を蒸気圧縮ポンプ32で160kPa以上に加圧して、再生塔8に供給することにより、 連続的にリクレーマを稼働させることが可能になる。
図6に示すように、HSSを含むリーン吸収液10を直接リクレーマ25に供給し、中和剤27を加えて、残滓28を回収するプロセスを用いた。この場合、リクレーマ25内も160kPaの加圧条件となるため、リクレーマ内を実施例と同一温度とすると蒸気26中のアミン濃度が30%よりも低くなった。よって、アミン濃度を実施例と同等にするためには、蒸気により更に多くの熱を吸収液に供給し、液温度が152℃まで加熱する必要があることが判明した。
図2に示すように、リクレーマ25から発生するアミンを含む水蒸気26を、吸収塔下部タンク30内の熱交換器34に供給し、蒸気が凝縮した液も同時にタンク30へ供給することにより、連続的にリクレーマ25を運転することが可能になる。なおこの場合も、リクレーマからの蒸気26の温度は126℃であった。
図3に示すように、タンク24からリクレーマ25にリーン吸収液10を供給系に調圧弁33Aを設け、リクレーマ25に供給されるアミン液10の圧力を一定制御することにより、圧力変動に伴う蒸気26中のアミン濃度の変化は考慮しなくて良くなり、リクレーマ25内の蒸留温度の制御が容易になる。なお、この場合、調圧弁33はポンプ14の前後いずれに設置してもよい
図7に示すように、再生塔8からリーン吸収液10をフラッシュするためのタンク24とリクレーマ25に並列に供給し、リクレーマ25から出た蒸気を圧縮する圧縮機32を設けたことにより、圧縮機32による加圧分を調整し、これにより、リクレーマ25内部の圧力を調整することができる。これによって、リクレーマ25で大気圧以下の減圧蒸留を行うことも可能になる。また、本実施例では、吸収液10をタンク24にフラッシュした際に発生する蒸気29を圧縮ポンプ32で加圧し、加熱蒸気として再生塔8に戻している。
図4に示すように、リクレーマ25から再生塔8への蒸気26の供給系に調圧弁33Bを設け、再生塔に供給される蒸気の圧力を一定に調整することにより、蒸気圧縮ポンプによる加圧分を調整し、リクレーマ25内部の圧力を調整することができる。これによって、リクレーマ25で大気圧以下の減圧蒸留を行うことも可能になる。また、本実施例では、吸収液10をタンク24にフラッシュした際に発生する蒸気29を圧縮ポンプ32で加圧し、加熱蒸気として再生塔8に戻している。
上記実施例1〜4と比較例2(図7)の装置で、リクレーマ25から再生塔8に供給する蒸気26中のアミン濃度の変動(=|蒸気中のアミン濃度−吸収液中のアミン濃度|/吸収液中のアミン濃度、濃度は全て重量パーセント)を比較した結果を図7に示す。実施例4は、調圧弁33で圧力が変動しないように調整しているが、このような調圧弁のない他の実施例の装置も比較例2の装置に比べて蒸気中のアミン濃度の変動が少ないことが明らかである。この場合、実施例1の結果を基準(=1)とした。
なお、本発明ではCO2吸収液としてMEAを用いたが、他のアミンでも同様の効果があることは明らかである。また、中和剤もNaOHに限らず、他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物または塩でもよい。
Claims (6)
- 二酸化炭素を含む被処理ガスとアルカノールアミンを含む吸収液とを接触せしめて、該二酸化炭素を該吸収液に吸収させるための吸収塔と、
後記熱交換器において熱交換された二酸化炭素を吸収した吸収液を、加熱して、該吸収液から二酸化炭素を脱離させるための再生塔と、
再生塔において二酸化炭素を脱離した吸収液を、フラッシュして圧力を低減するとともに蒸気と吸収液とに分離するためのフラッシュタンクと、
フラッシュタンクにおいて分離された吸収液の少なくとも一部と吸収塔において二酸化炭素を吸収した吸収液との間で熱交換させるための熱交換器と、
フラッシュタンクにおいて分離された吸収液の残部に中和剤を添加した後、蒸留するためのリクレーマ装置と、
リクレーマ装置において発生した蒸気を吸収塔または再生塔に供給する配管と
を有する二酸化炭素の回収装置。 - フラッシュタンクからリクレーマ装置に搬送される吸収液の圧力を一定圧に調整するための調圧装置をさらに有する、請求項1記載の二酸化炭素の回収装置。
- 再生塔において二酸化炭素を脱離した吸収液は、フラッシュタンクにおいて減圧される前の圧力が大気圧よりも高い、請求項1または2記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
- リクレーマ装置における蒸留温度は、リクレーマ装置内の蒸気中におけるアミン/水の比率が吸収液中のそれと等しくなる温度である、請求項1または2記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
- フラッシュタンクにおいて分離された蒸気を再圧縮して再生塔に供給する、請求項1または2記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
- リクレーマ装置において発生した蒸気を圧縮して再生塔に供給する場合に、圧縮された蒸気の圧力を一定圧に調整し、且つ圧縮のために使用する圧縮機による加圧分を調整することによって、圧縮する前の蒸気の圧力を大気圧以下に減圧する、請求項1または2記載の装置を用いた二酸化炭素の回収方法。
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