JP5811184B2 - 燃料電池用電極触媒層、燃料電池用電極、燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents
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Description
2H++2e−+(1/2)O2→H2O …(II)
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池の代表例である固体高分子形燃料電池のスタックの概略を示す斜視図である。また、図2は、当該固体高分子形燃料電池の基本構成を模式的に示す断面図である。さらに、図3は、当該固体高分子形燃料電池の電極触媒層を模式的に示す説明図である。但し、図3において、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。
高分子電解質膜11は、燃料電池1の運転時にアノード電極触媒層13aで生成したプロトンを膜厚方向に沿ってカソード電極触媒層13cへと選択的に透過させる機能を有する。また、高分子電解質膜11は、アノード側に供給される燃料ガスとカソード側に供給される酸化剤ガスとを混合させないための隔壁としての機能をも有する。
電極触媒層(アノード電極触媒層13a、カソード電極触媒層13c)は、実際に電池反応が進行する層である。具体的には、アノード電極触媒層13aでは水素の酸化反応が進行し、カソード電極触媒層13cでは酸素の還元反応が進行する。
アノード電極触媒層に用いられる粒状の触媒131bは、好適には白金を含む。ただ、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒を適用することができる。また、カソード電極触媒層に用いられる触媒もまた、好適には白金を含む。ただ、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒を同様に使用できる。
上記触媒を担持するための担体は、導電性担体であることが好ましい。つまり、担体は、触媒と他の部材との間における、電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能するものであることが好ましい。ただ、特に限定されるものではなく、従来公知の担体を同様に使用できる。
プロトン伝導材としては、例えば、プロトン供与性基を有する高分子電解質材料を挙げることができる。そして、高分子電解質材料は、構成材料であるイオン交換樹脂の種類によって、フッ素系高分子電解質材料と炭化水素系高分子電解質材料とに大別される。
ガス拡散層(アノードガス拡散層20a、カソードガス拡散層20c)は、セパレータのガス流路(GPa、GPc)を介して供給されたガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を電極触媒層(13a、13c)へ拡散させる機能を有する。また、ガス拡散層は、電子伝導パスとしての機能を有する。
セパレータ30は、例えば、厚さ0.5mm以下の薄板にプレス処理を施すことによって図1に示すような凹凸形状に成形することにより得られるが、このような形態に限定されない。すなわち、例えば平板状の金属板(金属基材)に対して切削処理を施すことにより、ガス流路や冷媒流路を構成する凹凸形状を形成してもよい。
図5は、第2実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、第3実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1及び第2実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、第4実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第3実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、第5実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第4実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、第6実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜5実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図10(a)は、第7実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。また、図10(b)及び(c)は、図10(a)の触媒体における触媒粒子の周囲を拡大して示す説明図である。但し、図10(a)において、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第6実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、第8実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第7実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、第9実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第8実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、第10実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第9実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、第11実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第10実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図15(a)及び(b)は、第12実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を拡大して示す説明図である。なお、第1〜第11実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図16は、第13実施形態に係る燃料電池の電極触媒層を構成する触媒体の構造を模式的に示す説明図である。但し、手前側全体を覆っているプロトン伝導材の表示は省略している。なお、第1〜第12実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
上記各実施形態において、下記式(1)で表される、担体におけるプロトン伝導材の接触率(θ)が0.4以上であることが好ましい。
(式(1)中、「Cdl_30%」は、相対湿度30%における電気二重層容量を示す。また、「Cdl_100%」は、相対湿度100%における電気二重層容量を示す。)
上記各実施形態のうち、スルホン酸基等のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(EW)が異なる2種のプロトン伝導材が2層などの層構造を形成した実施形態においては、以下の構成とすることが好ましい。具体的には、実施形態1〜3、5〜10、12〜14においては、以下の構成とすることが好ましい。
上記各実施形態のうち、スルホン酸基等のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(EW)が異なる2種のプロトン伝導材が2層などの層構造を形成した実施形態においては、以下の構成とすることが好ましい。具体的には、実施形態1〜3、5〜10、12〜14においては、以下の構成とすることが好ましい。
上記各実施形態のうち、スルホン酸基等のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(EW)が異なる2種のプロトン伝導材が2層などの層構造を形成した実施形態においては、以下の構成とすることが好ましい。具体的には、実施形態1〜3、5〜10、12〜14においては、以下の構成とすることが好ましい。
<電極触媒スラリの作製>
まず、ケッチェンブラックを電気炉内にて窒素雰囲気下、2000℃、1時間焼成し、グラファイト化ケッチェンブラックを生成した。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は718m2/gであり、グラファイト化ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は151m2/gであった。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックス(登録商標)を用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
電極触媒スラリAと同様に、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒3.4gと、イオン交換水82gと、ノルマルプロピルアルコール50gと、プロトン伝導材であるNAFION15gとを混合した。ここで、NAFIONとしては、NAFION溶液(DuPont社製、20質量%、EWは1000)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリA’を得た。
<電極触媒スラリの作製>
実施例1−1で得られた白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5gと、イオン交換水70gと、エチルアルコール45gと、プロトン伝導材6.3gとを混合した。ここで、プロトン伝導材としては、旭硝子株式会社製パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN−PE2(25質量%、EWは1580)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリCを得た。
<電極触媒スラリの作製>
電極触媒スラリAと同様に、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5gと、イオン交換水74gと、エチルアルコール44gと、プロトン伝導材13gとを混合した。ここで、プロトン伝導材としては、旭硝子株式会社製パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN−PE2(25質量%、EWは1580)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリDを得た。なお、電極触媒スラリDにおいて、導電性担体に対するプロトン伝導材の比(質量比)は0.9である。
<電極触媒スラリの作製>
電極触媒スラリAと同様に、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5.3gと、イオン交換水74gと、エチルアルコール50gと、プロトン伝導材16gとを混合した。ここで、プロトン伝導材としては、旭硝子株式会社製パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN201(20質量%、EWは660)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリEを得た。なお、電極触媒スラリEにおいて、導電性担体に対するプロトン伝導材の比(質量比)は0.9である。
<電極触媒スラリの作製>
電極触媒スラリAと同様に、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5.3gと、イオン交換水76gと、ノルマルプロピルアルコール48gと、プロトン伝導材であるNAFION16gとを混合した。ここで、NAFIONとしては、NAFION溶液(DuPont社製、20質量%、EWは1000)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリFを得た。なお、電極触媒スラリFにおいて、導電性担体に対するプロトン伝導材の比(質量比)は0.9である。
(酸素還元活性評価)
上記各例の膜電極接合体に対して下記の評価条件で、酸素還元活性評価を行った。具体的には、0.9V時の白金表面積当たり発電電流を測定した。得られた結果を図20に示す。
・温度 :80℃
・ガス成分 :水素(アノード側)/酸素(カソード側)
・相対湿度 :100%RH/100%RH
・圧力 :150kPa(abs)/150kPa(abs)
・電圧走査方向:アノード
上記各例の膜電極接合体に対して下記の評価条件で、発電性能評価を行った。具体的には、1.5A/cm2時の電圧を測定した。得られた結果を表1に示す。
・温度 :80℃
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・相対湿度 :90%RH/90%RH
・圧力 :200kPa(abs)/200kPa(abs)
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金担持濃度が30質量%となるように、導電性担体としてのグラファイト化ケッチェンブラックを白金含有水溶液中に浸漬し、乾燥させることで、白金を担持させた。さらに、窒素雰囲気中、1000℃で1時間熱処理して、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒を得た。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×6cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、実施例2−1で得られた白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5gと、イオン交換水70gと、エチルアルコール45gと、プロトン伝導材2.8gとを混合した。ここで、プロトン伝導材としては、旭硝子株式会社製パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN−PE2(25質量%、EWは1580)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に分散させ、それに加えて減圧濃縮することによって、電極触媒スラリG2を得た。濃縮後の電極触媒スラリG2の固形分濃度は30質量%であった。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×6cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、実施例2−1で得られた白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5gと、イオン交換水70gと、エチルアルコール45gと、プロトン伝導材4.2gとを混合した。ここで、プロトン伝導材としては、旭硝子株式会社製パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN−PE2(25質量%、EWは1580)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、それに加えて減圧濃縮操作を加えることによって、電極触媒スラリG3を得た。濃縮後の電極触媒スラリG3の固形分濃度は30質量%であった。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×6cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、実施例2−1で得られた白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5.3gと、イオン交換水76gと、ノルマルプロピルアルコール48gと、プロトン伝導材であるNAFION16gとを混合した。ここで、NAFIONとしては、NAFION溶液(DuPont社製、20質量%、EWは1000)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリIを得た。なお、導電性担体に対するプロトン伝導材の比(質量比)は0.9である。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×6cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
(発電性能の湿度依存性評価)
上記実施例2−1〜実施例2−3及び比較例2−1の膜電極接合体に対して、下記評価条件で、発電性能の湿度依存性評価を行った。具体的には、相対湿度を変化させながら、電流密度0.1A/cm2及び1.0A/cm2時の電圧を測定した。得られた結果をそれぞれ図21及び図22に示す。
・温度 :80℃
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・相対湿度 :40〜100%RH(両極)
・圧力 :200kPa(abs)/200kPa(abs)
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金粒子の担持濃度が50質量%となるように、導電性担体としてのケッチェンブラック5質量部を、0.2質量%白金含有塩化白金酸水溶液2500質量部中にホモジナイザを用いて十分に分散させた。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、718m2/gである。さらに、クエン酸ナトリウム50質量部を加え、十分に混合させて反応液を調製した。さらに、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間還流することにより、還元した白金をケッチェンブラック表面へ担持させた。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金粒子担持濃度が50質量%となるように、導電性担体としてのケッチェンブラック5質量部を、0.2質量%白金含有塩化白金酸水溶液2500質量部中にホモジナイザを用いて十分に分散させた。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、718m2/gである。さらに、クエン酸ナトリウム50質量部を加え、十分に混合させて反応液を調製した。さらに、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間還流することにより、還元した白金をケッチェンブラック表面へ担持させた。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金粒子の担持濃度が50質量%となるように、導電性担体としてのケッチェンブラック5質量部を、0.2質量%白金含有塩化白金酸水溶液2500質量部中にホモジナイザを用いて十分に分散させた。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、718m2/gである。さらに、クエン酸ナトリウム50質量部を加え、十分に混合させて反応液を調製した。さらに、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間還流することにより、還元した白金をケッチェンブラック表面へ担持させた。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金粒子の担持濃度が50質量%となるように、導電性担体としてのケッチェンブラック5質量部を、0.2質量%白金含有塩化白金酸水溶液2500質量部中にホモジナイザを用いて十分に分散させた。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、718m2/gである。さらに、クエン酸ナトリウム50質量部を加え、十分に混合させて反応液を調製した。さらに、還流反応装置を用い、反応液を攪拌しながら85℃で4時間還流することにより、還元した白金をケッチェンブラック表面へ担持させた。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
(発電性能の湿度依存性評価)
上記実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1及び比較例3−2の膜電極接合体に対して下記評価条件で、発電性能の湿度依存性評価を行った。具体的には、相対湿度を変化させながら、電流密度0.1A/cm2時の電圧を測定した。得られた結果を図23に示す。
・温度 :80℃
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・相対湿度 :40〜100%RH(両極)
・圧力 :200kPa(abs)/200kPa(abs)
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金担持濃度が50質量%となるように、導電性担体としてのケッチェンブラックを白金含有水溶液中に浸漬し、乾燥させることで、白金を担持させた。さらに、窒素雰囲気中、1000℃で1時間熱処理して、白金担持ケッチェンブラックからなる電極触媒を得た。なお、ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、780m2/gである。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
まず、電極触媒における白金担持濃度が30質量%となるように、導電性担体としてのグラファイト化ケッチェンブラックを白金含有水溶液中に浸漬し、乾燥させることで、白金を担持させた。さらに、窒素雰囲気中、1000℃で1時間熱処理して、白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒を得た。なお、グラファイト化ケッチェンブラックの窒素BET比表面積は、150m2/gである。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
実施例4−1で得られた白金担持ケッチェンブラックからなる電極触媒5.3gと、イオン交換水76gと、ノルマルプロピルアルコール48gと、プロトン伝導材であるNAFION16gとを混合した。ここで、NAFIONとしては、NAFION溶液(DuPont社製、20質量%、EWは1000)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリO1を得た。
次に、高分子電解質膜の両面の周囲にガスケットを配置した。高分子電解質膜としては、Dupont社製、NAFION NR211を用い、厚みは25μmであった。また、ガスケットとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスを用い、厚みが25μmで、接着層が10μmであった。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
<電極触媒スラリの作製>
実施例4−2で得られた白金担持グラファイト化ケッチェンブラックからなる電極触媒5.3gと、イオン交換水76gと、ノルマルプロピルアルコール48gと、プロトン伝導材であるNAFION16gとを混合した。ここで、NAFIONとしては、NAFION溶液(DuPont社製、20質量%、EWは1000)を用いた。さらに、上記混合物をビーズミル(アシザワファインテック株式会社製サンドグラインダー)で十分に混合し分散させることで、電極触媒スラリO2を得た。
実施例1−1で得られた電極触媒スラリA’を用いて電解質膜上にスプレー塗布及び熱処理を行うことでアノード触媒層(5cm×2cm)を形成し、本例の膜電極接合体を得た。
(発電性能の湿度依存性評価)
上記実施例4−1、実施例4−2、比較例4−1及び比較例4−2の膜電極接合体に対して下記評価条件で、発電性能の湿度依存性評価を行った。具体的には、相対湿度を変化させながら、電流密度0.1A/cm2時の電圧を測定した。得られた結果を図24に示す。
・温度 :80℃
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・相対湿度 :40〜100%RH(両極)
・圧力 :200kPa(abs)/200kPa(abs)
10 膜電極接合体
13 電極触媒層
131 電極触媒
131a 担体
131b 触媒
133、133a、133b、133c、133a’、133b’、133c’、133α、133β、133γ プロトン伝導材
135 触媒体
Claims (16)
- 触媒と、
前記触媒を担持する担体と、
前記触媒及び前記担体の少なくとも一部と接触し、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値の異なる2以上のプロトン伝導材と、
を含有し、
前記プロトン伝導材のうち最もプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値の高いプロトン伝導材は、前記触媒の少なくとも一部と接触しており、かつ、前記触媒の表面における接触率が最も大きいことを特徴とする燃料電池用電極触媒層。 - 触媒と、
前記触媒を担持する担体と、
プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値の異なる2以上のプロトン伝導材と、
を含有し、
前記2以上のプロトン伝導材は層構造を形成し、
前記プロトン伝導材のうち最もプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値の高いプロトン伝導材は、前記触媒の少なくとも一部及び前記担体の少なくとも一部と接触しており、かつ、前記触媒の表面における接触率が最も大きいことを特徴とする燃料電池用電極触媒層。 - 前記プロトン供与性基がスルホン酸基であり、
前記プロトン伝導材のうち最もスルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値の高いプロトン伝導材におけるスルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値は、1200以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒層。 - 前記プロトン供与性基がスルホン酸基であり、
前記プロトン伝導材は、スルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値が1200以上であるプロトン伝導材を含み、
前記担体に対する、前記スルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値が1200以上であるプロトン伝導材の比は、質量比で0.5以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。 - 前記プロトン供与性基がスルホン酸基であり、
前記プロトン伝導材は、スルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値が1200以上であるプロトン伝導材と、スルホン酸基1モル当たりの乾燥質量値が700以下であるプロトン伝導材とからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。 - 下記式(1)で表される、前記担体における前記プロトン伝導材の接触率(θ)が0.4以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。
θ=(Cdl_30%)/(Cdl_100%) (1)
(式(1)中、「Cdl_30%」は相対湿度30%における電気二重層容量を示し、「Cdl_100%」は相対湿度100%における電気二重層容量を示す。) - 前記触媒の担持量が0.35mg/cm2以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。
- 前記触媒の担持量が0.12mg/cm2以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。
- 前記担体がカーボン担体であり、当該カーボン担体の比表面積が150m2/g以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。
- 前記担体がカーボン担体であり、当該カーボン担体の比表面積が700m2/g以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層。
- 下記式(1)で表される、前記カーボン担体における前記プロトン伝導材の接触率(θ)が0.35以下であることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池用電極触媒層。
θ=(Cdl_30%)/(Cdl_100%) (1)
(式(1)中、「Cdl_30%」は相対湿度30%における電気二重層容量、「Cdl_100%」は相対湿度100%における電気二重層容量を示す。) - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層を有することを特徴とする燃料電池用電極。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の燃料電池用電極触媒層を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項13に記載の燃料電池用膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
- 前記燃料電池用電極触媒層は、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が高いプロトン伝導材に対するプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が低いプロトン伝導材の質量比での割合が、電極触媒層の平面内で異なる構造を有し、
ガス流路内のガスの相対湿度が90%以上である領域に、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が低いプロトン伝導材に対するプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が高いプロトン伝導材の質量比での割合が大きい触媒体を含有することを特徴とする請求項14に記載の燃料電池。 - 前記燃料電池用電極触媒層は、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が高いプロトン伝導材に対するプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が低いプロトン伝導材の質量比での割合が、電極触媒層の平面内で異なる構造を有し、
ガス排出口近傍の領域に、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が低いプロトン伝導材に対するプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値が高いプロトン伝導材の質量比での割合が大きい触媒体を含有することを特徴とする請求項14又は15に記載の燃料電池。
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