JP2007012506A - 燃料電池及び燃料電池製造方法 - Google Patents

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Takeshi Obata
毅 小畑
Kenji Kobayashi
憲司 小林
Shoji Sekino
省治 関野
Hideaki Sasaki
英明 佐々木
Tsutomu Yoshitake
務 吉武
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Abstract

【課題】 電池出力を低下させないで、燃料利用効率を向上させること。
【解決手段】 燃料が供給される燃料極6と、酸素が供給される酸化剤極7とを備えている。このとき、燃料極6は、プロトンを伝導することができるプロトン伝導性材料23と、燃料と水とからプロトンを生成する化学反応を進める触媒22と、制限透過層24とを備えていることが好ましい。制限透過層24は、炭素から形成される主鎖にペンダント基が結合された高分子を主成分として含んでいる。そのペンダント基は、フルオロアルキル基を含有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池および燃料電池製造方法に関し、特に、アルコールを用いて電力を生成する燃料電池およびその燃料電池を生産する燃料電池製造方法に関する。
メタノールを用いて電力を生成する直接メタノール型燃料電池が知られている。その直接メタノール型燃料電池は、アノードにメタノール水溶液(またはメタノール蒸気と水と)が供給され、カソードに酸素が供給されることにより、電力を生成する。このとき、そのアノードでは、次の反応式:
CHOH+HO→6H+CO+6e
により表現される電極反応が進行する。そのカソードでは、次の反応式:
3/2O+6H+6e→3H
により表現される電極反応が進行する。
その直接メタノール型燃料電池は、水素を用いて電力を生成する燃料電池に比較して、反応速度や出力密度が劣っているが、燃料の貯蔵が容易であり、改質器が不要であり、エネルギー密度が非常に高い。その直接メタノール型燃料電池は、さらに、その燃料電池に比較して、小型化、負荷応答性の向上、低コスト化等の可能性を有している。このため、その直接メタノール型燃料電池は、可搬型の小型発電機、車載動力源への応用が期待されている。
その直接メタノール型燃料電池は、燃料極から酸化剤極にプロトンが伝導する際に、電解質膜中の水が酸化剤極側に移動することが知られている。その移動は、その燃料の利用効率を低下させる。その直接メタノール型燃料電池は、燃料の利用効率の向上が望まれ、この水の移動を低減させることが望まれている。電解質膜は、膜厚を厚くすることにより、この水の移動を低減させることができることが知られている。電解質膜は、膜厚を厚くすることにより、膜抵抗が増加し、その直接メタノール型燃料電池出力が低下することが知られている。その直接メタノール型燃料電池は、さらに、高濃度のメタノール水溶液を使用するときに、そのメタノールが燃料極から電解質膜を透過し酸化剤極に浸透する現象(メタノールクロスオーバー)により、電池出力と燃料利用効率の低下が生じてしまうことが知られている。高濃度のメタノール溶液の使用することができ、燃料の利用効率が高い燃料電池が望まれている。
特開2002−15742号公報には、液体燃料が浸透により電極に直接供給され高温で稼動可能な燃料電池であって、高い出力を有するとともに、長期間の使用の際も高い出力および信頼性を維持する燃料電池が開示されている。その燃料電池は、燃料極と、前記燃料極に対向して配置された酸化剤極と、前記燃料極および前記酸化剤極に挟持された電解質膜とを具備している。前記燃料極および前記酸化剤極または前記電解質膜内に配置されたプロトン導電部は、無機プロトン導電材料と有機材料との混合部材からなり、前記有機材料は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキサゾリン、ポリジメチルシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴としている。
これらの有機材料のうちのポリジメチルシロキサンを除く有機材料は、水や有機溶剤に溶けやすく、酸・アルカリによる影響を受けやすく、耐薬品性に劣る。ポリオキサゾリンは、特に、薬品等の化成品の前駆物質として使われてもいる材料であり、容易に酸化分解されやすい性質を有し、特に、高温下においては、顕著に酸化分解が進み、熱安定性に著しく欠けることが知られている。一方、ポリジメチルシロキサンは、これらの影響を受けにくいが、無機プロトン材料と均一に混合させることは極めて困難であることが知られている。ポリジメチルシロキサンは、特に、酸・アルカリ成分や有機溶媒に対し高く、その分子構造ならびに分子量の特性上、無機プロトン材料と均一に混ざり難い性質を有する。したがって、燃料電池は、これらの有機材料を電解質膜やプロトン伝導部に適用するときに、長期間にわたり安定した特性を発揮し続けることが難しいことが知られている。燃料電池は、長期間に渡り、高出力かつ、安定した出力を示し、特に燃料利用効率の優れた燃料電池を提供することにある。さらには量産性が高く、低コストで製造が可能であることが望まれている。
特表2000−501223号公報には、メタノール透過性は低いがプロトン伝導性は高く、且つ安価で容易に入手できるプロトン伝導性ポリマーフィルムの作製方法が開示されている。そのプロトン伝導性ポリマーフィルムの作製方法は、プロトン伝導特性を有する材料を形成するように処理可能なスルホン酸ポリマー材料を調製する工程と、過剰なプロトン伝導性を生じる程度に該材料のプロトン伝導特性を強化するように該材料を処理する工程と、プロトンを有する元素の一部分を互いに結合させてより密でかつ安定性が保持された膜を形成するように該材料を追加処理する工程とを含んでいる。
特開2001−158806号公報には、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質、プロトン伝導性、メタノール遮断性に優れた高分子複合膜、その製造方法、ならびに触媒活性に優れた燃料電池用電極が開示されている。その電極は、ポリビニルアルコール、スルホン化剤、および架橋剤の混合溶液を熱処理して得られる、架橋構造を有するスルホン基含有ポリビニルアルコール、上記混合溶液を吸水性または親水性高分子膜に塗布した後、スルホン化して架橋して得られる高分子複合膜、ならびに、架橋構造を有するスルホン基含有ポリビニルアルコールと多孔質粒子に担持された触媒微粒子を含んでいる。
特開2001−160407号公報には、プロトン伝導性、メタノール遮断性、メタノール水溶液中でのドーパントの安定性に優れた燃料電池用高分子固体電解質、および触媒活性に優れた電極が開示されている。その電極は、メタ型ポリアニリン溶液に、有機リン酸化合物溶液をブレンドして得られるプロトン伝導性ポリマーからなる固体高分子電解質、ならびに上記プロトン伝導性ポリマー、および多孔質粒子に担持された触媒微粒子を含んでいる。
特開2002−15742号公報 特表2000−501223号公報 特開2001−158806号公報 特開2001−160407号公報
本発明の課題は、燃料利用効率が高い燃料電池を提供することにある。
本発明の他の課題は、高濃度のメタノール溶液を使用する燃料電池を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、燃料が燃料極から電解質膜を透過して酸化剤極に浸透する現象を抑制する燃料電池を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、寿命がより長い燃料電池を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、燃料電池の生産コストを低減する燃料電池製造方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による燃料電池は、燃料が供給される燃料極(6)と、酸素が供給される酸化剤極(7)とを備えている。このとき、燃料極(6)は、プロトンを伝導することができるプロトン伝導性材料(23)(44)と、燃料と水とからプロトンを生成する化学反応を進める触媒(22)(43)と、制限透過層(24)(46)とを備えていることが好ましい。制限透過層(24)(46)は、炭素から形成される主鎖にペンダント基が結合された高分子を主成分として含んでいる。そのペンダント基は、フルオロアルキル基を含有している。
その制限透過層(24)(46)は、触媒(22)(43)とプロトン伝導性材料(23)(44)とを被覆することが好ましい。
その主鎖は、フッ素に結合されないことが好ましい。
そのフルオロアルキル基は、カルボン酸エステル基を介して主鎖に結合されることが好ましい。
そのフルオロアルキル基のうちのカルボン酸エステル基に結合される炭素は、第一級炭素原子であることが好ましい。
本発明による燃料電池は、フルオロアルキル基に含まれるフッ素の原子数xとフルオロアルキル基に含まれる水素の原子数yとを用いて、次数式:
z=x÷(x+y)
により表現されるフッ素含有率zは、0.3〜1であることが好ましい。
そのフルオロアルキル基は、炭素の原子数が3〜15であることが好ましい。
その高分子は、分子量が1000〜50000であることが好ましい。
その高分子は、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルであることが好ましい。または、その高分子は、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルであることが好ましい。
その制限透過層(24)(46)は、高分子と、カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が炭素から形成される主鎖に結合された他の高分子との混合物であることが好ましい。そのアルキルアルコールエステル基は、炭素の原子数が2〜10であることが好ましい。その高分子は、ポリメタクリル酸シクロヘキシルであることが好ましい。
その高分子は、カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が主鎖にさらに結合されていることが好ましい。そのアルキルアルコールエステル基は、炭素の原子数が2〜10であることが好ましい。そのアルキル基は、シクロヘキシルであることが好ましい。
燃料極(6)は、接着層(46)をさらに備えていることが好ましい。このとき、その制限透過層(46)は、接着層(46)を介して触媒(43)とプロトン伝導性材料(44)とを被覆している。
その接着層(46)は、ポリビニルアルコール、セルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、寒天、アルブミンから形成される集合から選択される1つ以上の物質を含有していることが好ましい。
接着層(46)は、シランカップリング剤から形成されることが好ましい。シランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリエトキシシランであることが好ましい。
燃料極(6)は、触媒(22)(43)を担持する担持体(21)(42)をさらに備えていることが好ましい。
制限透過層(24)(46)は、厚さが10nm〜500nmであることが好ましい。
本発明による燃料電池製造方法は、本発明による燃料電池を生産する方法である。その燃料電池は、燃料が供給される燃料極(6)と、酸素が供給される酸化剤極(7)とを備えている。このとき、燃料極(6)は、その燃料と水とからプロトンを生成する化学反応を進める触媒(22)(43)と、そのプロトンを伝導することができるプロトン伝導性材料(23)(44)と、制限透過層(24)(46)とを備えている。制限透過層(24)(46)は、フルオロアルキル基を含有するペンダント基が主鎖に結合された高分子を含んでいる。本発明による燃料電池製造方法は、触媒(22)(43)とプロトン伝導性材料(23)(44)とを備えている燃料極中間生成物を調製するステップと、その高分子を含有する溶液を調製するステップと、燃料極中間生成物に溶液を塗布して乾燥させことにより、燃料極(6)を形成するステップとを備えていることが好ましい。
本発明による燃料電池は、燃料極(6)と酸化剤極(7)とに挟まれて配置される電解質膜(5)をさらに備えている。このとき、溶液は、燃料極中間生成物が電解質膜(5)に接合された後に、その燃料極中間生成物に塗布されることが好ましい。
燃料極(6)は、燃料を触媒(22)(43)に通す拡散層(11)をさらに備えている。このとき、溶液は、拡散層(11)を通してその燃料中間生成物に塗布されることが好ましい。
その溶液は、ディップコート法によりその燃料極中間生成物に塗布されることが好ましい。または、その溶液は、スプレーコート法により燃料極中間生成物に塗布されることが好ましい。
その高分子は、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとから形成される集合から選択されるモノマーの重合体から合成されることが好ましい。
その高分子は、ポリカルボン酸から合成されることが好ましい。そのポリカルボン酸は、ポリメタクリル酸と、ポリアクリル酸と、メタクリル酸とアクリル酸との共重合体とから形成される集合から選択される物質であることが好ましい。その高分子は、ポリカルボン酸とフルオロアルコールとをエステル化して合成されることが好ましい。
その制限透過層(24)(46)は、高分子と、カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が炭素から形成される主鎖に結合された他の高分子との混合物であることが好ましい。他の高分子は、ポリカルボン酸とアルキルアルコールとをエステル化して合成される。
本発明による燃料電池は、燃料が燃料極から電解質膜を透過して酸化剤極に浸透する現象を抑制することができる。この結果、本発明による燃料電池は、高濃度のメタノール溶液を使用することができ、燃料利用効率を向上させることができる。本発明による燃料電池製造方法は、その燃料電池をより安価に製造することができる。
図面を参照して、本発明による燃料電池の実施の形態を記載する。その燃料電池は、図1に示されているように、アノード集電体1とカソード集電体2と電極・電解質膜接合体3とを備えている。アノード集電体1は、カーボンまたはステンレスから形成され、帯状に形成されている。なお、アノード集電体1は、カーボンまたはステンレスと異なる材料から形成されることもできる。その材料は、電気的に低抵抗の材料であり、かつ、酸、アルカリおよび有機溶剤により腐食し難い材料である。さらに、その材料としては、バイポーラ型の電極などを用いることもできる。なお、アノード集電体1は、帯状以外の形状に形成されることもできる。
カソード集電体2は、カーボンまたはステンレスから形成され、帯状に形成されている。なお、カソード集電体2は、カーボンまたはステンレスと異なる材料から形成されることもできる。その材料は、電気的に低抵抗の材料であり、かつ、酸、アルカリおよび有機溶剤により腐食し難い材料である。さらに、その材料としては、バイポーラ型の電極などを用いることもできる。なお、カソード集電体2は、帯状以外の形状に形成されることもできる。
電極・電解質膜接合体3は、板状に形成されている。なお、本発明による燃料電池は、電極・電解質膜接合体3を複数個備えることができる。本発明による燃料電池は、電極・電解質膜接合体3を複数備えているときに、その複数の電極・電解質膜接合体3が平行に重ねられたスタック積層型に形成され、その複数の電極・電解質膜接合体3が同一平面上に配列された平面スタック型に形成され、または、その平面スタック型に形成されたものをさらに複数重ねられた形状に形成される。このとき、アノード集電体1とカソード集電体2とは、直列つなぎになるように電極・電解質膜接合体3を接続し、または、並列つなぎになるように電極・電解質膜接合体3を接続する。
電極・電解質膜接合体3は、電解質膜5と燃料極6と酸化剤極7とを備えている。電解質膜5は、燃料極6と酸化剤極7との間に挟まれて配置されている。電解質膜5は、プロトン伝導性を示す有機高分子から形成されている。その有機高分子としては、炭化水素系の有機高分子またはフッ素系の有機高分子であり、芳香族縮合系高分子、スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン、カルボキシル基含有パーフルオロカーボンが例示される。その芳香族縮合系高分子としては、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾール等が例示される。そのスルフォン酸基含有パーフルオロカーボンとしては、デュポン社製「ナフィオン」(登録商標)、旭化成社製「アシプレックス」が例示される。そのカルボキシル基含有パーフルオロカーボンとしては、旭硝子社製「フレミオンS膜」(登録商標)が例示される。電解質膜5の材料としては、プロトン伝導性を示すものであればよく、その材料は特に限定されるものでない。電解質膜5の材料としては、プロトン伝導性がより高く、メタノール溶液の透過性がより低く、物理的強度がより高いものが好ましい。
燃料極6は、ガス拡散層11と触媒層12との2層が積層されて形成されている。ガス拡散層11は、多孔性材料から形成され、板状に形成されている。その多孔性材料は、電気的に低抵抗であり、多数の穴が形成されている材料である。その穴は、メタノール水溶液(またはメタノール蒸気)が速やかに浸透する程度のサイズに形成されている。その多孔性材料としては、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維シート、多孔質の金属が例示される。その多孔性材料としては、集電特性に優れている材料がさらに好ましく、焼結金属、発泡金属、金属繊維シート、多孔質の金属が好適である。ガス拡散層11は、燃料極6のアノード集電体1の側に配置され、アノード集電体1に電気的に接続されている。触媒層12は、ガス拡散層11と電解質5との間に配置され、ガス拡散層11に接触し、電解質5に接触している。
酸化剤極7は、ガス拡散層14と触媒層15との2層が積層されて形成されている。ガス拡散層14は、多孔性材料から形成され、板状に形成されている。その多孔性材料は、電気的に低抵抗であり、多数の穴が形成されている材料である。その穴は、酸素が速やかに浸透する程度のサイズに形成されている。その多孔性材料としては、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維シート、多孔質の金属が例示される。その多孔性材料としては、集電特性に優れている材料がさらに好ましく、焼結金属、発泡金属、金属繊維シート、多孔質の金属が好適である。ガス拡散層14は、酸化剤極7のカソード集電体2の側に配置され、カソード集電体2に電気的に接続されている。触媒層15は、ガス拡散層14と電解質5との間に配置され、ガス拡散層14に接触し、電解質5に接触している。
図2は、触媒層12を示している。触媒層12は、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23と制限透過層24とから形成されている。担持体21は、炭素から形成される炭素粒子から形成されている。その炭素粒子は、触媒を均一に担持することができる点で好ましい。その炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示される。担持体21としては、ケッチェンブラックを適用することが触媒を均一に担持することができる点でさらに好ましい。
触媒22は、貴金属から形成され、担持体21に担持されている。その貴金属としては、単体金属、合金が例示される。その単体金属としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムが例示される。その合金としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムから選択される複数の金属の合金が例示される。触媒22としては、白金または白金ルテニウム合金がさらに好ましい。その白金ルテニウム合金としては、組成が50atom%Ruである合金が例示される。なお、触媒22としては、白金黒から形成されることもできる。このとき、触媒層12は、担持体21を必要としない。
プロトン伝導性材料23は、プロトンを伝導するプロトン伝導性を示す高分子電解質から形成され、担持体21と触媒22との少なくとも一部分を被覆している。その高分子電解質は、炭化水素系高分子またはフッ素系高分子である。プロトン伝導性材料23としては、芳香族縮合系高分子、スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン、カルボキシル基含有パーフルオロカーボンが例示される。その芳香族縮合系高分子としては、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールが例示される。そのスルフォン酸基含有パーフルオロカーボンとしては、デュポン社製「ナフィオン」(登録商標)、旭化成社製「アシプレックス」が例示される。そのカルボキシル基含有パーフルオロカーボンとしては、旭硝子株式会社製「フレミオンS膜」(登録商標)が例示される。このような高分子電解質は、熱安定性や酸、アルカリおよびメタノール等の耐薬品性が高く、長期間に渡って安定したプロトン伝導性を保持することが可能である。
制限透過層24は、高分子を主成分として含んでいる絶縁性高分子材料から形成され、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との少なくとも一部分を被覆している。制限透過層24は、厚さが10nm〜500nmである。制限透過層24は、薄いときに、膜の強度が低下して破損しやすくなり、被覆性が低減する。制限透過層24は、厚いときに、制限透過性が大きくなり、フラッディングが生じやすくなり、酸化剤(酸素)の拡散経路が狭められてしまう。このために、その厚さは、30nm〜200nmであることがより好ましい。その厚さは、50nm〜150nmであることが更に好ましい。
その高分子は、炭素から形成される主鎖を有し、フッ素を含有するペンダント基を有している。その主鎖を構成する炭素は、フッ素に結合されていないことが好ましい。そのペンダント基は、フルオロアルキレン基を含有していることが好ましい。さらに、そのフルオロアルキレン基は、カルボン酸エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましい。そのフルオロアルキル基のうちのカルボン酸エステル基に結合される炭素は、第一級炭素原子であることが好ましい。そのカルボン酸エステル基は、適度な極性を有し、このとき、制限透過層24は、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との密着性を向上させることができる。制限透過層24は、フルオロアルキレン基の炭素数が少なすぎると、良好な制限透過性が得られなくなる。制限透過層24は、さらに、炭素数が多くなりすぎると、溶媒に溶けにくくなり、溶液の調製が困難になり、制限透過層24を均一な薄膜に形成することが困難となる。このため、そのペンダント基は、そのペンダント基に含まれる炭素の原子数が3〜15であることが好ましく、8〜10であることがさらに好ましい。
制限透過層24は、そのペンダント基のフッ素原子数が水素原子数よりも少なくなると、撥水性が低下し、良好な制限透過性が得られなくなる。このため、そのペンダント基は、そのペンダント基に含まれるフッ素の原子数xとそのペンダント基に含まれる水素の原子数yとを用いて、次式:
z=x÷(x+y)
により表現されるフッ素含有率zが0.3〜1.0であることが好ましく、0.8〜1.0であることがさらに好ましい。
その高分子としては、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチル、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルなどが例示される。
その高分子は、分子量が大きすぎると溶液の調製が困難になり、制限透過膜の形成が困難になる。その高分子は、分子量が小さすぎると十分な制限透過性が得られない。このため、その高分子の分子量は、制限透過性と調製の容易性との点で1000〜50000であることが好ましく、3000〜15000であることがさらに好ましい。その分子量は、数平均分子量であり、GPC(Gel Permeation Chromatography)により測定される。このとき、制限透過層24は、均一かつ耐久性に優れる制限透過性を示している。
図3は、触媒層15を示している。触媒層15は、担持体31と触媒32とプロトン伝導性材料33とから形成されている。担持体31は、炭素から形成される炭素粒子から形成されている。その炭素粒子は、触媒を均一に担持することができる点で好ましい。その炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示される。担持体31としては、ケッチェンブラックを適用することが触媒を均一に担持することができる点でさらに好ましい。
触媒32は、貴金属から形成され、担持体31に担持されている。その貴金属としては、単体金属、合金が例示される。その単体金属としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムが例示される。その合金としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムから選択される複数の金属の合金が例示される。触媒32としては、白金または白金ルテニウム合金がさらに好ましい。なお、触媒32としては、白金黒から形成されることもできる。このとき、触媒層15は、担持体31を必要としない。
プロトン伝導性材料33は、プロトン伝導性を示す高分子電解質から形成され、担持体31と触媒32との少なくとも一部分を被覆している。その高分子電解質は、炭化水素系高分子またはフッ素系高分子である。プロトン伝導性材料33としては、芳香族縮合系高分子、スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン、カルボキシル基含有パーフルオロカーボンが例示される。その芳香族縮合系高分子としては、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールが例示される。そのスルフォン酸基含有パーフルオロカーボンとしては、デュポン社製「ナフィオン」(登録商標)、旭化成社製「アシプレックス」が例示される。そのカルボキシル基含有パーフルオロカーボンとしては、旭硝子社製「フレミオンS膜」(登録商標)が例示される。このような高分子電解質は、熱安定性や酸、アルカリおよびメタノール等の耐薬品性が高く、長期間に渡って安定したプロトン伝導性を保持することが可能である。
本発明による燃料電池製造方法の実施の形態は、本発明による燃料電池を生産する方法であり、電極・電解質膜接合体中間製品を調製する工程と絶縁性高分子材料液を合成する工程と制限透過層24を形成する工程とを備えている。
電極・電解質膜接合体中間製品を調製する工程では、まず、触媒22を担持させた担持体21とプロトン伝導性材料23の水溶液とを混合して燃料極触媒ペーストが調製される。その燃料極触媒ペーストがガス拡散層11に約1μmから2mmの厚さで塗布され、所定の加熱温度で所定の加熱時間だけ加熱乾燥されて燃料極シートが調製される。その塗布の方法としては、刷毛塗り、スプレー塗布、スクリーン印刷が例示される。その加熱温度と加熱時間とは、プロトン伝導性材料23に応じて設計される。たとえば、プロトン伝導性材料23が「ナフィオン」であるときに、その加熱温度は、130℃である。
触媒32を担持させた担持体31とプロトン伝導性材料33の水溶液とを混合して酸化剤極触媒ペーストが調製される。その酸化剤極触媒ペーストがガス拡散層14に約1μmから2mmの厚さで塗布され、所定の加熱温度で所定の加熱時間だけ加熱乾燥されて酸化剤極シートが調製される。その塗布の方法としては、刷毛塗り、スプレー塗布、スクリーン印刷が例示される。その加熱温度と加熱時間とは、プロトン伝導性材料33に応じて設計される。たとえば、プロトン伝導性材料33が「ナフィオン」であるときに、その加熱温度は、130℃である。
電解質膜5の材料である有機高分子材料が溶媒に溶解されて、または、その有機高分子材料が分散媒に分散されて液体が調製される。その液体が剥離性シートにキャストされ乾燥させて剥離されて、電解質膜5が調製される。その剥離性シートとしては、ポリテトラフルオロエチレンから形成されるシートが例示される。
電解質膜5をその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟んでホットプレスして電極・電解質膜接合体中間製品を調製する。このとき、電解質膜5は、その燃料極シートの燃料極触媒ペーストが塗布された面が接触し、その酸化剤極シートの酸化剤極触媒ペーストが塗布された面が接触するように、その燃料極シートとその酸化剤極シートとの間に挟まれる。そのホットプレスは、所定の温度で所定の圧力で所定の時間だけプレスされて実行される。その温度と圧力と時間とは、プロトン伝導性材料23とプロトン伝導性材料33と電解質膜5とに応じて設計される。その温度は、プロトン伝導性材料23とプロトン伝導性材料33と電解質膜5との軟化温度またはガラス転移温度を超える温度であり、たとえば、80℃〜300℃程度である。たとえば、その圧力は、5kgf〜200kgf程度であり、その時間は、10秒〜1000秒程度である。
絶縁性高分子材料液を合成する工程では、制限透過層24を形成するための高分子がポリカルボン酸エステルであるときに、まず、不飽和カルボン酸を重合させてポリカルボン酸を生成する。その不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸が例示される。そのポリカルボン酸は、その不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体であり、ポリメタクリル酸と、ポリアクリル酸と、メタクリル酸とアクリル酸との共重合体であることが好ましい。そのポリカルボン酸とフルオロアルコールとをエステル化してその高分子を生成する。そのフルオロアルコールは、第一級アルコールであることが好ましい。このとき、その高分子のエステル化率は、特に、制限が無い。その制限透過層24は、その主鎖に結合されるカルボキシル基のうちのエステル化されたカルボキシル基の個数の割合を示すエステル化率が低いときに、触媒22と担持体21とプロトン伝導性材料23との密着力が低下する。このため、そのエステル化率は、その高分子の用途と製造コストとに応じて適切な値に設計される。たとえば、その制限透過層24は、エステル化率が10%以上であるときに、フルオロアルコールエステル基の含有率が適度となり、制限透過性が良好に維持され、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との密着性も良好に維持される。エステル化率が80%以上である高分子を合成するコスト(製造時間と製造時の品質管理コスト)は、エステル化率が80%以下である高分子を合成するコストより大きい。このため、そのエステル化率は、10%〜80%であることが好ましい。
なお、その主鎖は、不飽和炭化水素の重合体、不飽和アルコールの重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、不飽和炭化水素と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体から合成することもできる。このとき、その高分子は、カルボン酸エステル基を介してフルオロアルキレン基がその主鎖に結合するように合成される。
次いで、その高分子が有機溶剤に溶解されて、絶縁性高分子材料液が調製される。その有機溶剤は、炭化フッ素系の溶媒であり、パーフルオロヘキサン、パーフルオロジブチルメチルアミン、キシレンヘキサフロライドが例示される。
制限透過層24を形成する工程では、まず、その絶縁性高分子材料液がその電極・電解質膜接合体中間製品の燃料極シートの側に塗布され、所定の温度で所定の時間だけ加熱乾燥して電極・電解質膜接合体3が調製される。その塗布の方法としては、ディップコーティング法、スプレーコート法が例示される。このとき、その絶縁性高分子材料液は、燃料極シートのガス拡散層を浸透して、乾燥された燃料極触媒ペーストに塗布される。その温度は、40℃〜150℃程度であり、その時間は、30分〜4時間程度である。なお、その乾燥は、常温下で実行することもできる。
本発明による燃料電池製造方法によれば、本発明による燃料電池をより容易に製造することができ、本発明による燃料電池の製造コスト(製造時間と製造時の品質管理コスト)を低減することができる。
本発明による燃料電池は、ガス拡散層11にメタノール水溶液が供給され、ガス拡散層14に酸素が供給されることにより、発電する。そのメタノール水溶液のメタノールの濃度は、8v/v%〜25v/v%程度である。このとき、燃料極6では、次の反応式:
CHOH+HO→6H+CO+6e
により表現される電極反応が進行する。酸化剤極7では、次の反応式:
3/2O+6H+6e→3H
により表現される電極反応が進行して電力が生成される。なお、本発明による燃料電池は、ガス拡散層11にメタノール蒸気と水蒸気とが供給され、ガス拡散層14に酸素が供給されることにより、発電することもできる。このとき、燃料極6と酸化剤極7とで、同様の電極反応が進行する。
このような燃料電池は、制限透過層24の挙動が明らかでないが、制限透過層24によりメタノールが燃料極から電解質膜を透過して酸化剤極に浸透するメタノールクロスオーバーを抑制することができる。この結果、本発明による燃料電池は、高濃度のメタノール溶液を使用することができ、燃料利用効率を向上させることができる。
本発明による燃料電池の実施の他の形態は、既述の実施の形態における制限透過層24が形成される絶縁性高分子材料が他の絶縁性高分子材料に置換されている。その絶縁性高分子材料は、第1高分子と第2高分子との混合物から形成されている。
その第1高分子は、制限透過層24が形成される絶縁性高分子材料と同様に、炭素から形成される主鎖を有し、フッ素を含有するペンダント基を有している。その主鎖を構成する炭素は、フッ素に結合されていないことが好ましい。そのペンダント基は、フルオロアルキレン基を含有していることが好ましい。さらに、そのフルオロアルキレン基は、カルボン酸エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましく、すなわち、その第1高分子がポリカルボン酸エステルであることが好ましい。そのペンダント基は、そのペンダント基に含まれる炭素の原子数が3〜15であることが好ましく、8〜10であることがさらに好ましい。そのペンダント基は、そのペンダント基に含まれるフッ素の原子数xとそのペンダント基に含まれる水素の原子数yとを用いて、次式:
z=x÷(x+y)
により表現されるフッ素含有率zが0.3〜1.0であることが好ましく、0.8〜1.0であることがさらに好ましい。
その第1高分子としては、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチル、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルなどが例示される。その第1高分子の分子量は、制限透過性と調製の容易性との点で1000〜50000であることが好ましく、3000〜15000であることがさらに好ましい。その分子量は、数平均分子量である。
その第2高分子は、炭素から形成される主鎖を有し、フッ素を含有しないペンダント基を有している。その主鎖を構成する炭素は、フッ素に結合されていないことが好ましい。そのペンダント基は、フルオロアルキレン基を含有していることが好ましい。さらに、そのフルオロアルキレン基は、カルボン酸エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましい。その第2高分子は、そのペンダント基の含有率が低下すると強度低下が起こる場合があり、逆にその含有率が高すぎると、膜としての均一性や密着性が低下する場合がある。このため、その第2高分子は、そのペンダント基の含有率が1質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜30質量%であることがより好ましい。
その第2高分子としては、ポリメタクリル酸シクロヘキシルなどが例示される。その第2高分子の分子量は、制限透過性と調製の容易性との点で1000〜50000であることが好ましく、3000〜15000であることがさらに好ましい。
その絶縁性高分子材料は、その第1高分子の含有率が低下すると、強度低下がおこる場合があり,逆に含有率が高すぎると、膜としての均一性や密着性が低下する場合がある。このため、その絶縁性高分子材料は、その第1高分子の含有率が50質量%〜95質量%であることが好ましく、その第1高分子の含有率が70質量%〜80質量%であることがより好ましい。
このような制限透過層は、既述の実施の形態における制限透過層24と同様にして、良好な制限透過性が得られ,担持体31と触媒32とプロトン伝導性材料33との密着性も良好に維持される。
このとき、本発明による燃料電池製造方法は、既述の実施の形態における絶縁性高分子材料液を合成する工程が他の工程に置換されている。その工程は、第1高分子を合成する工程と第2高分子を合成する工程とを備えている。
第1高分子を合成する工程では、まず、既述の実施の形態における制限透過層24を形成する高分子と同様にして、第1高分子が合成される。すなわち、第1第1高分子がポリカルボン酸エステルであるときに、まず、不飽和カルボン酸を重合させてポリカルボン酸を生成する。その不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸が例示される。そのポリカルボン酸は、その不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体であり、ポリメタクリル酸と、ポリアクリル酸と、メタクリル酸とアクリル酸との共重合体であることが好ましい。そのポリカルボン酸とフルオロアルコールとをエステル化してその第1高分子を生成する。このとき、その第1高分子のエステル化率は、10%〜80%であることが好ましい。
なお、その主鎖は、不飽和炭化水素の重合体、不飽和アルコールの重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、不飽和炭化水素と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体から合成することもできる。このとき、その第1高分子は、カルボン酸エステル基を介してフルオロアルキレン基がその主鎖に結合するように合成される。
その第2高分子を合成する工程では、その第2高分子がポリカルボン酸エステルであるときに、不飽和カルボン酸を重合させてポリカルボン酸を生成する。その不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸が例示される。そのポリカルボン酸は、その不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体であり、ポリメタクリル酸と、ポリアクリル酸と、メタクリル酸とアクリル酸との共重合体であることが好ましい。そのポリカルボン酸とアルキルアルコールとをエステル化してその第2高分子を生成する。このとき、その第2高分子のエステル化率は、特に、制限が無い。その制限透過層24は、その主鎖に結合されるカルボキシル基のうちのエステル化されたカルボキシル基の個数の割合を示すエステル化率が低いときに、触媒22と担持体21とプロトン伝導性材料23との密着力が低下する。このため、そのエステル化率は、その第2高分子の用途と製造コストとに応じて適切な値に設計される。たとえば、その制限透過層24は、エステル化率が10%以上であるときに、アルキルアルコールエステル基の含有率が適度となり、制限透過性が良好に維持され、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との密着性も良好に維持される。エステル化率が80%以上である第2高分子を合成するコスト(製造時間と製造時の品質管理コスト)は、エステル化率が80%以下である第2高分子を合成するコストより大きい。このため、そのエステル化率は、10%〜80%であることが好ましい。
なお、その主鎖は、不飽和炭化水素の重合体、不飽和アルコールの重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸との共重合体、不飽和炭化水素と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとの共重合体から合成することもできる。このとき、その高分子は、カルボン酸エステル基を介してアルキレン基がその主鎖に結合するように合成される。
次いで、その第1高分子とその第2高分子とが有機溶剤に溶解されて、絶縁性高分子材料液が調製される。その有機溶剤は、炭化フッ素系の溶媒であり、パーフルオロヘキサン、パーフルオロジブチルメチルアミン、キシレンヘキサフロライドが例示される。第1高分子とその第2高分子とから形成される絶縁性高分子材料は、第1高分子の含有率が低いと強度が低下する場合があり、その含有率が高いと膜としての均一性や密着性が低下する場合がある。このため、絶縁性高分子材料液は、絶縁性高分子材料の第1高分子の含有率が50質量%〜95質量%になるように調製されることが好ましく、その含有率が70質量%〜80質量%になるように調製されることがより好ましい。
本発明による燃料電池の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における制限透過層24が形成される絶縁性高分子材料が他の絶縁性高分子材料に置換されている。その絶縁性高分子材料は、炭素から形成される主鎖を有し、複数のペンダント基を有している高分子を主成分として含んでいる。その主鎖を構成する炭素は、フッ素に結合されていないことが好ましい。
その複数のペンダント基は、第1ペンダント基と第2ペンダント基とを含んでいる。その第1ペンダント基は、フルオロアルキレン基を含有している。さらに、そのフルオロアルキレン基は、カルボン酸エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましい。その第1ペンダント基は、その第1ペンダント基に含まれるフッ素の原子数xとそのペンダント基に含まれる水素の原子数yとを用いて、次式:
z=x÷(x+y)
により表現されるフッ素含有率zが0.3〜1.0であることが好ましく、0.8〜1.0であることがさらに好ましい。
その第2ペンダント基は、アルキル基を含有している。さらに、そのアルキル基は、カルボン酸エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましい。そのアルキル基は、鎖状または環状の炭化水素の1つの水素原子を除いた基を示している。そのアルキル基は、炭素の原子数が2〜8であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。そのアルキル基としては、ヘキシル基やシクロヘキシル基等が例示される。
第1ペンダント基の数aと第2ペンダント基の数bとを用いて表現される比率a/bは、特に制限はないが、50/50〜99/1であることが好ましく、80/20〜95/5であることがより好ましい。
そのカルボン酸エステル基は、適度な極性を有し、このとき、制限透過層は、担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との密着性を向上させることができる。その高分子は、分子量が大きすぎると溶液の調製が困難になり、制限透過膜の形成が困難になる。その高分子は、分子量が小さすぎると十分な制限透過性が得られない。このため、その高分子の数平均分子量は、1000〜50000であることが好ましく、3000〜15000であることがさらに好ましい。このとき、制限透過層24は、均一かつ耐久性に優れる制限透過性を示している。
その高分子としては、第1ペンダント基Rfと第2ペンダント基Rと2以上の整数nとを用いて、次構造式:
Figure 2007012506
により表現されるポリカルボン酸エステル化合物が例示される。そのポリカルボン酸エステル化合物は、第2ペンダント基Rがシクロヘキシルであるときに、熱安定性がさらに良好になる。このような高分子としては、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルとメタクリル酸シクロヘキシルの共重合体が例示される。
このような制限透過層は、既述の実施の形態における制限透過層24と同様にして、良好な制限透過性が得られ,担持体21と触媒22とプロトン伝導性材料23との密着性も良好に維持される。
本発明による燃料電池の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における触媒層12が他の触媒層に置換されている。その触媒層41は、図4に示されているように、担持体42と触媒43とプロトン伝導性材料44と接着層45と制限透過層46とから形成されている。担持体42は、既述の実施の形態における担持体21と同様にして形成される。すなわち、担持体42は、炭素から形成される炭素粒子から形成されている。その炭素粒子は、触媒を均一に担持することができる点で好ましい。その炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示される。担持体42としては、ケッチェンブラックを適用することが触媒を均一に担持することができる点でさらに好ましい。
触媒43は、既述の実施の形態における触媒22と同様にして形成される。すなわち、触媒43は、貴金属触媒から形成され、担持体42に担持されている。その貴金属触媒としては、単体金属、合金が例示される。その単体金属としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムが例示される。その合金としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムから選択される複数の金属の合金が例示される。触媒43としては、白金または白金ルテニウム合金がさらに好ましい。なお、触媒43としては、白金黒から形成されることもできる。このとき、触媒層41は、担持体42を必要としない。
プロトン伝導性材料44は、既述の実施の形態におけるプロトン伝導性材料23と同様にして形成される。すなわち、プロトン伝導性材料44は、プロトン伝導性を示す高分子電解質から形成され、担持体42と触媒43とプロトン伝導性材料44との少なくとも一部分を被覆している。その高分子電解質は、炭化水素系高分子またはフッ素系高分子である。プロトン伝導性材料44としては、芳香族縮合系高分子、スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン、カルボキシル基含有パーフルオロカーボンが例示される。その芳香族縮合系高分子としては、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールが例示される。そのスルフォン酸基含有パーフルオロカーボンとしては、デュポン社製「ナフィオン」(登録商標)、旭化成社製「アシプレックス」が例示される。そのカルボキシル基含有パーフルオロカーボンとしては、旭硝子社製「フレミオンS膜」(登録商標)が例示される。このような高分子電解質は、熱安定性や酸、アルカリおよびメタノール等の耐薬品性が高く、長期間に渡って安定したプロトン伝導性を保持することが可能である。
接着層45は、ポリビニルアルコール、セルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、寒天、アルブミン、シランカップリング剤が例示される材料から形成されている。そのカップリング剤としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが例示される。接着層45としては、これらの材料のうちの2種類以上の材料が混合された混合物を用いることもできる。接着層45としては、これらの材料のうち、特に、シランカップリング剤が用いられることが好ましい。接着層45は、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを用いることが担持体42と触媒43とプロトン伝導性材料44と制限透過層46との密着性に優れる点でさらに好ましい。
制限透過層46は、既述の実施の形態における制限透過層24と同様にして形成される。すなわち、制限透過層46は、高分子を主成分として含んでいる絶縁性高分子材料から形成されている。制限透過層46は、厚さが10nm〜500nmである。制限透過層46は、薄いときに、膜の強度が低下して破損しやすくなり、被覆性が低減する。制限透過層46は、厚いときに、制限透過性が大きくなり、フラッディングが生じやすくなり、酸化剤(酸素)の拡散経路が狭められてしまう。このために、その厚さは、30nm〜200nmであることがより好ましい。その厚さは、50nm〜150nmであることが更に好ましい。
その高分子は、炭素から形成される主鎖を有し、フッ素を含有するペンダント基を有している。その主鎖を構成する炭素は、フッ素に結合されていないことが好ましい。そのペンダント基は、フルオロアルキレン基を含有していることが好ましい。さらに、そのペンダント基は、エステル基を介してその主鎖に結合していることが好ましい。そのエステル基は、適度な極性を有し、このとき、制限透過層46は、触媒担持体42と触媒43とプロトン伝導性材料44との密着性を向上させることができる。
なお、その絶縁性高分子材料は、既述の実施の形態における第1高分子と第2高分子との混合物から形成される絶縁性高分子材料に置換することもでき、既述の実施の形態における第1ペンダント基と第2ペンダント基とを有している高分子を含む絶縁性高分子材料に置換することもできる。
本発明による燃料電池製造方法の実施の他の形態は、既述の実施の形態における制限透過層24を形成する工程が制限透過層46を形成する工程に置換されている。その工程では、まず、接着層45を形成する材料が適当な溶媒に溶解されて接着液が調製される。その溶媒としては、水、アルコールが例示される。その接着液の材料の濃度は、1v/v%であることが好ましい。その接着液がその電極・電解質膜接合体中間製品の燃料極シートの側に滴下されて塗布され、所定の雰囲気で所定の時間だけ加熱乾燥される。その乾燥条件は、その接着液に応じて設計される。たとえば、その接着液が1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液であるときに、その接着液は、温度が100〜150℃の窒素雰囲気下で30分〜2時間乾燥される。
その絶縁性高分子材料液がその電極・電解質膜接合体中間製品の燃料極シートの側に塗布され、所定の温度で所定の時間だけ加熱乾燥して電極・電解質膜接合体3が調製される。その塗布の方法としては、ディップコーティング法、スプレーコート法が例示される。その温度は、40℃〜150℃程度であり、その時間は、30分〜4時間程度である。なお、その乾燥は、常温下で実行することもできる。
このようにして形成される燃料電池は、接着層45により、プロトン伝導性を示す高分子電解質から形成され、担持体42と触媒43とプロトン伝導性材料44とにプロトン伝導性材料44をより強固により長期に接着することができる。このため、この燃料電池は、保管寿命を拡大することができる。
比較例1における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成されている。
比較例1における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。比較例1における電極・電解質膜接合体は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
実施例1における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルから形成されている。
実施例1における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が0.7w/v%になるように、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルがパーフルオロヘキサンに溶解されて調製される。実施例1における電極・電解質膜接合体は、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例2における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルから形成されている。
実施例2における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が1.4w/v%になるように、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルがパーフルオロヘキサンに溶解されて調製される。実施例2における電極・電解質膜接合体は、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例3における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルとメタクリル酸シクロヘキシルとの共重合体から形成されている。
実施例3における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が0.7w/v%−アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルで0.3w/v%−メタクリル酸シクロヘキシルになるように、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルとメタクリル酸シクロヘキシルとの共重合体がパーフルオロヘキサンに溶解されて調製される。実施例3における電極・電解質膜接合体は、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例4における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルから形成されている。
実施例4における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が1.0w/v%になるように、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルがパーフルオロヘキサンに溶解されて調製される。実施例4における電極・電解質膜接合体は、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例5における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、接着層がγ−アミノプロピルトリエトキシシランから形成され、制限透過層がポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルから形成されている。
実施例5における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
接着液は、濃度が1v/v%になるようにγ−アミノプロピルトリエトキシシランが純水に溶解されて調製される。絶縁性高分子材料液は、濃度が0.7w/v%になるように、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルがパーフルオロジブチルメチルアミンに溶解されて調製される。実施例5における電極・電解質膜接合体は、接着液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされてオーブンを用いて110℃で1時間乾燥された後に、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例6における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルから形成されている。
実施例6における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が0.7w/v%になるように、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルがキシレンヘキサフロライドに溶解されて調製される。実施例6における電極・電解質膜接合体は、ピペットを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にディップコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
実施例7における電極・電解質膜接合体は、電解質膜がデュポン社製「ナフィオン117」(登録商標)から形成され、燃料極のガス拡散層と酸化剤極のガス拡散層とが東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」から形成され、担持体がケッチェンブラックから形成され、燃料極の触媒が50atom%Ruのルテニウム白金合金から形成され、酸化剤極の触媒が白金から形成され、プロトン伝導性材料がデュポン社製「ナフィオン」(登録商標)から形成され、制限透過層がポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルから形成されている。
実施例7における電極・電解質膜接合体の調製では、燃料極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。燃料極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその燃料極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。酸化剤極触媒ペーストは、超音波混合器を用いて、触媒を担持させた担持体100mgと5%−プロトン伝導性材料水溶液とを50℃で3時間撹拌して調製される。酸化剤極シートは、大きさが1cm×1cmのガス拡散層にその酸化剤極触媒ペーストが2mg/cmで塗布されて130℃で乾燥されて調製される。電極・電解質膜接合体中間製品は、その電解質膜がその燃料極シートとその酸化剤極シートとで挟まれて、150℃で10kgf/cmで10秒間ホットプレスされて調製される。
絶縁性高分子材料液は、濃度が0.7w/v%になるように、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルがキシレンヘキサフロライドに溶解されて調製される。実施例7における電極・電解質膜接合体は、スプレーを用いて0.1mlの絶縁性高分子材料液が電極・電解質膜接合体中間製品の酸化剤極シートの側に滴下されて酸化剤極にスプレーコーティングされ、オーブンを用いて40℃で1時間乾燥されて調製される。
図5と図6とは、比較例における電極・電解質膜接合体と実施例における電極・電解質膜接合体との出力時間特性を示している。この出力時間特性は、電池性能評価装置を用いて8v/v%メタノール水溶液を電極・電解質膜接合体の燃料極のガス拡散層に供給するときに、その供給の開始からの時間に対する電極・電解質膜接合体により生成される電力を示している。この出力時間特性は、実施例1と実施例2と実施例3と実施例4との電極・電解質膜接合体の出力が約0.38W〜0.39程度にまで低下し、比較例における電極・電解質膜接合体の出力と概ね等しいことを示している。すなわち、この出力時間特性は、電極・電解質膜接合体の出力が制限透過層により低下しないことを示している。
燃料電池は、燃料利用効率を評価することができる。その燃料利用効率は、電池性能評価装置を用いて8v/v%メタノール水溶液を電極・電解質膜接合体の燃料極のガス拡散層に24時間供給するときに、比較例の電極・電解質膜接合体により24時間で生成される電力量を100%としたときの実施例の電極・電解質膜接合体により24時間で生成される電力量を示している。すなわち、その燃料利用効率は、値が大きい程、効率が高くて好ましいことを示している。その評価結果は、実施例1の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が112.2%であることを示し、実施例2の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が153.7%であることを示し、実施例3の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が112.2%であることを示し、実施例4の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が115.3%であることを示し、実施例5の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が113.5%であることを示し、実施例6の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が112.2%であることを示し、実施例7の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が112.1%であることを示している。その評価結果は、制限透過層により燃料利用効率を最大で約154%に最低でも約112%に向上させることができることを示している。その評価結果は、さらに、絶縁性高分子材料液の塗布方法に関わらないで燃料利用効率を向上させることができることを示している。
燃料電池は、電池性能評価装置を用いて特性維持効果を評価することができる。その特性維持効果は、初めに測定される燃料利用効率と、その測定の後に電極・電解質膜接合体に8v/v%−メタノール水溶液を満たした状態で密封容器内に常温で2ヶ月間放置した後に再度測定される燃料利用効率とを示している。その燃料利用効率は、初めの測定時に比較例の電極・電解質膜接合体により24時間で生成される電力量を100%としたときに、2ヵ月後の測定時に電極・電解質膜接合体により24時間で生成される電力量を示している。その評価結果は、比較例の電極・電解質膜接合体の2ヶ月後の燃料利用効率が85.4%であることを示し、実施例1の電極・電解質膜接合体の2ヶ月後の燃料利用効率が111.8%であることを示し、実施例5の電極・電解質膜接合体の2ヶ月後の燃料利用効率が113.5%であることを示している。その評価結果は、保存期間を経ることにより、比較例の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が約15%悪化することを示し、接着層が無い実施例1の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が0.4%悪化することを示し、接着層がある実施例5の電極・電解質膜接合体の燃料利用効率が悪化しないことを示している。すなわち、その評価結果は、本発明による燃料電池が良好な燃料利用効率を長期間維持することができることを示している。その評価結果は、さらに、接着層が良好な燃料利用効率を長期間維持することができることを示している。
燃料電池は、供給されるメタノール水溶液の濃度に対する最大電池出力を評価することができる。その最大電池出力は、電流−電位測定により測定される電力を示しているその評価結果は、15%−メタノール水溶液が供給されたときの比較例の電極・電解質膜接合体の最大電池出力が0.71Wであることを示し、25%−メタノール水溶液が供給されたときの比較例の電極・電解質膜接合体の最大電池出力が0.47Wであることを示し、15%−メタノール水溶液が供給されたときの実施例1の電極・電解質膜接合体の最大電池出力が0.71Wであることを示し、25%−メタノール水溶液が供給されたときの実施例1の電極・電解質膜接合体の最大電池出力が0.75Wであることを示している。その評価結果は、25%−メタノール水溶液が供給されたときの比較例の電極・電解質膜接合体にメタノールのクロスオーバーが発生したことを示し、25%−メタノール水溶液が供給されたときでも本発明による燃料電池がメタノールのクロスオーバーを低減することができることを示している。
これらの評価結果は、総合すると、絶縁性高分子材料を燃料極に施すことにより、燃料電池が電池出力を低下させないで、燃料利用効率を向上させることができることを示している。
図1は、本発明による燃料電池の実施の形態を示す断面図である。 図2は、アノード触媒層を示す断面図である。 図3は、カソード触媒層を示す断面図である。 図4は、他のアノード触媒層を示す断面図である。 図5は、本発明による実施例における電極・電解質膜接合体の出力時間特性を示すグラフである。 図6は、本発明による実施例における電極・電解質膜接合体の出力時間特性を示すグラフである。
符号の説明
1 :アノード集電体
2 :カソード集電体
3 :電極・電解質膜接合体
5 :電解質膜
6 :燃料極
7 :酸化剤極
11:ガス拡散層
12:触媒層
14:ガス拡散層
15:触媒層
21:担持体
22:触媒
23:プロトン伝導性材料
24:制限透過層
31:担持体
32:触媒
33:プロトン伝導性材料
41:触媒層
42:担持体
43:触媒
44:プロトン伝導性材料
45:接着層
46:制限透過層

Claims (32)

  1. 燃料が供給される燃料極と、
    酸素が供給される酸化剤極とを具備し、
    前記燃料極は、
    前記燃料からプロトンを生成する化学反応を進める触媒と、
    前記プロトンを伝導することができるプロトン伝導性材料と、
    制限透過層とを備え、
    前記制限透過層は、炭素から形成される主鎖にペンダント基が結合された高分子を含み、
    前記ペンダント基は、フルオロアルキル基を含有する
    燃料電池。
  2. 請求項1において、
    前記制限透過層は、前記触媒と前記プロトン伝導性材料とを被覆する
    燃料電池。
  3. 請求項2において、
    前記主鎖は、フッ素に結合されない
    燃料電池。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
    前記フルオロアルキル基は、カルボン酸エステル基を介して前記主鎖に結合される
    燃料電池。
  5. 請求項4において、
    前記フルオロアルキル基のうちの前記カルボン酸エステル基に結合される炭素は、第一級炭素原子である
    燃料電池。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
    前記フルオロアルキル基に含まれるフッ素の原子数xと前記フルオロアルキル基に含まれる水素の原子数yとを用いて、次数式:
    z=x÷(x+y)
    により表現されるフッ素含有率zは、0.3〜1である
    燃料電池。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
    前記フルオロアルキル基は、炭素の原子数が3〜15である
    燃料電池。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかにおいて、
    前記高分子は、分子量が1000〜50000である
    燃料電池。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかにおいて、
    前記高分子は、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルである
    燃料電池。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれかにおいて、
    前記高分子は、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルである
    燃料電池。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかにおいて、
    前記制限透過層は、
    前記高分子と、
    カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が炭素から形成される主鎖に結合された他の高分子との混合物である
    燃料電池。
  12. 請求項11において、
    前記アルキルアルコールエステル基は、炭素の原子数が2〜10である
    燃料電池。
  13. 請求項12において、
    前記他の高分子は、ポリメタクリル酸シクロヘキシルである
    燃料電池。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれかにおいて、
    前記高分子は、カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が前記主鎖に更に結合される
    燃料電池。
  15. 請求項14において、
    前記アルキルアルコールエステル基は、炭素の原子数が2〜10である
    燃料電池。
  16. 請求項15において、
    前記アルキル基は、シクロヘキシルである
    燃料電池。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれかにおいて、
    前記燃料極は、接着層を更に備え、
    前記制限透過層は、前記接着層を介して前記触媒と前記プロトン伝導性材料とを被覆する
    燃料電池。
  18. 請求項17において、
    前記接着層は、ポリビニルアルコール、セルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、寒天、アルブミンから形成される集合から選択される1つ以上の物質を含有する
    燃料電池。
  19. 請求項17において、
    前記接着層は、シランカップリング剤から形成される
    燃料電池。
  20. 請求項19において、
    前記シランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリエトキシシランである
    燃料電池。
  21. 請求項1〜請求項20のいずれかにおいて、
    前記燃料極は、前記触媒を担持する担持体を更に備える
    燃料電池。
  22. 請求項1〜請求項21のいずれかにおいて、
    前記制限透過層は、厚さが10nm〜500nmである
    燃料電池。
  23. 燃料が供給される燃料極と、
    酸素が供給される酸化剤極とを備え、
    前記燃料極は、
    前記燃料からプロトンを生成する化学反応を進める触媒と、
    前記プロトンを伝導することができるプロトン伝導性材料と、
    制限透過層とを備え、
    前記制限透過層は、フルオロアルキル基を含有するペンダント基が主鎖に結合された高分子を含む
    燃料電池を生産する燃料電池製造方法であり、
    前記触媒と前記プロトン伝導性材料とを備える燃料極中間生成物を調製するステップと、
    前記高分子を含有する溶液を調製するステップと、
    前記燃料極中間生成物に前記溶液を塗布して乾燥させことにより、前記燃料極を形成するステップ
    とを具備する燃料電池製造方法。
  24. 請求項23において、
    前記燃料電池は、前記燃料極と前記酸化剤極とに挟まれて配置される電解質膜を更に備え、
    前記溶液は、前記燃料極中間生成物が前記電解質膜に接合された後に、前記燃料極中間生成物に塗布される
    燃料電池製造方法。
  25. 請求項24において、
    前記燃料極は、前記燃料を前記触媒に通す拡散層を更に備え、
    前記溶液は、前記拡散層を通して前記燃料極中間生成物に塗布される
    燃料電池製造方法。
  26. 請求項23〜請求項25のいずれかにおいて、
    前記溶液は、ディップコート法により前記燃料極中間生成物に塗布される
    燃料電池製造方法。
  27. 請求項23〜請求項25のいずれかにおいて、
    前記溶液は、スプレーコート法により前記燃料極中間生成物に塗布される
    燃料電池製造方法。
  28. 請求項23〜請求項27のいずれかにおいて、
    前記高分子は、不飽和炭化水素と不飽和カルボン酸と不飽和アルコールとから形成される集合から選択されるモノマーの重合体から合成される
    燃料電池製造方法。
  29. 請求項28において、
    前記高分子は、ポリカルボン酸から合成される
    燃料電池製造方法。
  30. 請求項29において、
    前記ポリカルボン酸は、
    ポリメタクリル酸と、
    ポリアクリル酸と、
    メタクリル酸とアクリル酸との共重合体
    とから形成される集合から選択される物質である
    燃料電池製造方法。
  31. 請求項29または請求項30のいずれかにおいて、
    前記高分子は、前記ポリカルボン酸とフルオロアルコールとをエステル化して合成される
    燃料電池製造方法。
  32. 請求項23〜請求項31のいずれかにおいて、
    前記制限透過層は、
    前記高分子と、
    カルボキシル基の水素がアルキル基に置換されたアルキルアルコールエステル基が炭素から形成される主鎖に結合された他の高分子との混合物であり、
    前記他の高分子は、前記ポリカルボン酸とアルキルアルコールとをエステル化して合成される
    燃料電池製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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