JP5810536B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置に関し、特にインクジェットヘッドに接続されるインク供給用のチューブが、キャリッジの移動に伴って追従変形するインクジェット記録装置に関するものである。
従来、この種のインクジェット記録装置として、インクを貯留する大容量インクタンクと、キャリッジ上に装着され、ダンパーとして機能する複数のインクカートリッジと、キャリッジの下面に搭載されると共に、インクカートリッジが接続された記録ヘッドと、大容量インクタンクと各インクカートリッジとを接続する複数本のインク供給チューブと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この複数本のインク供給チューブは、高さ方向に並列して配管され且つ折り返すように引き回されてインクカートリッジに接続されている。すなわち、各インク供給チューブは、大容量インクタンク側を固定側とし、インクカートリッジ側を可動側とすると共に、折返し部分が、キャリッジの移動に伴って追従変形するように構成されている。
特開2006−305942号公報
ところで、このようなインクジェット記録装置では、複数本のインク供給チューブが一体に成形されているため、各チューブの両端部において、長さや経路が異なる場合、各チューブを引き裂いて長さ調整や配管を行う必要があり、配管作業が煩雑になってしまう。これに対し、チューブを個々に成形し、並列に束ねて配管する方法が考えられる。また、当該インクジェット記録装置において、一端がインクジェットヘッドに接続したケーブルを、折返し部分に沿わせて配設する構成が考えられる。
しかしながら、かかる構成では、複数本のインク供給チューブが狭いスペースにスペース効率良く配管されるため、何らかの要因によって、複数本のインク供給チューブがばらけると、その折返し部分の追従変形に伴って、複数本のインク供給チューブが激しく暴れ、隣接するケーブルやケーブルを係止する部材に接触してしまう虞がある。かかる場合に、ケーブルやケーブルを係止する部材と折返し部分とが接触することで、インク供給チューブが損傷してしまう。
本発明は、チューブがばらけた場合にも、ケーブルやケーブルを係止する部材の接触によってチューブが損傷することを確実に防止することができるインクジェット記録装置を提供することを課題としている。
本発明のインクジェット記録装置は、往復動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載されたヘッドと、一端が前記ヘッドに接続され、前記キャリッジの往復動に伴って折り返されて追従変形するインク供給チューブと、前記ヘッドと電気的に接続されるケーブルと、前記チューブと前記ケーブルとを隔てる壁部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、チューブとケーブルとの間に壁部を設けることで、追従変形する折返しチューブ部が、壁部に接触することはあっても、ケーブルに接触することがない。また、ケーブルを壁部の裏側に沿わせることで、ケーブルを係止する部材を設けたとしても、これを少なくとも壁面の内側に設けることができ、チューブとケーブルを係止する部材とを隔てることができる。よって、追従変形に際し、不慮の理由でチューブがばらけた場合にも、ケーブルやケーブルを係止する部材の接触によりチューブが損傷することを確実に防止することができる。
一方、折り返された前記チューブを下方から支持するチューブ支持部材を、更に備え、
前記チューブ支持部材と前記壁部とは、一体に形成される。また前記チューブ支持部材に設けられ、前記チューブを固定するチューブ固定部を、更に備える。また、前記壁部が、前記ケーブルを係止する係止部を有する第1の壁部材を有する。さらに、前記チューブ固定部が配設される領域を避けた領域に前記壁部が配設され、前記壁部が、前記係止部に対応する位置に開口を有する第2の壁部材を更に有し、前記第2の壁部材が、前記係止部が前記チューブ側に突出することを抑制することを特徴とする
この構成によれば、チューブの固定側を支持するチューブ支持部材を介してチューブを安定的に支持することができる。結果、折返しチューブ部の暴れを抑制することができる。また、チューブ支持部材と壁部とを一体に形成することにより、部品点数を削減することができると共に、これらを一体として壁体に取り付けることができるため、組立工数を削減することができる。また、ケーブルを簡易な構成で係止することができ、チューブ側への突出を抑制することができる。
また、前記ヘッドにより記録が行われた被記録媒体を排出する排出部を有し、前記壁部は、前記ヘッドに対して前記排出部側に備える。さらに前記キャリッジと、前記ヘッドと、前記ケーブルと、前記壁部を被覆する外装部材と、前記外装部材の外側に配設されるインク供給部と、を更に備え、前記チューブの他端がインク供給部と接続されることを特徴とする。
この構成によれば、装置の小型化が実現できるとともに、インク供給部が装置外部に設けることによって、タンクの大容量化が実現できる。
また、ケーブルは、可動側端部をインクジェットヘッドに固定されると共に固定側端部を係止部材を介して壁体に固定され、キャリッジの移動に伴って追従変形する信号伝送用のものであり、チューブとケーブルとは、逆向きで配設されていることが好ましい。
この構成によれば、チューブとケーブルとを逆向きに配設することにより、固定側を逆側に配設することができる。そのため、チューブの固定側に接続したインクタンクを含む流路系と、ケーブルの固定側に接続した回路基板を含む電装系と、を両側でバランスよく配置することができる。また、チューブおよびケーブルによるキャリッジ移動時の負荷をバランスさせることができる。
実施形態に係るインクジェット記録装置を示した外観斜視図である。 装置ハウジングを省略したインクジェット記録装置を示した斜視図である。 装置本体を示した断面図である。 装置本体の左端部を示した要部斜視図である。 装置本体を示した裏面斜視図である。 中間継手廻りを示した斜視図である。 第2支持フレームおよびチューブガイドを示した斜視図である。 第2支持フレームを示した斜視図である。 (a)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示した斜視図である。(b)は、チューブガイドを示した斜視図である。(c)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示した平面図である。(d)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示したA−A´断面図である。 ねじ止め部廻りを示した断面図である。 係止片および隔壁部廻りを示した切断面Cの断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置1について説明する。図1は、インクジェット記録装置1を示した斜視図であり、図2は、装置ハウジング26を省略したインクジェット記録装置1を示した斜視図である。図1および図2に示すように、インクジェット記録装置1は、いわゆるインクジェットプリンターであり、装置本体2と、装置本体2の側面に着脱自在に連結されると共に、各色のインクタンク11を搭載したタンクユニット3と、を備えている。なお、以下、図1および図2においての前後方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向として説明する。
タンクユニット3は、6色のインクをそれぞれ貯留するキャリッジ独立型の6個のインクタンク11と、6個のインクタンク11を覆うタンクハウジング12と、各インクタンク11を上流端に接続した6本のタンク側インクチューブ13(図2参照)と、を有している。すなわち、6個のインクタンク11および6本のタンク側インクチューブ13により、タンクユニット3側のインク供給系であるタンク側インク供給部を構成している。
各タンク側インクチューブ13は、装置本体2の側面に開口したチューブ用開口部14から装置本体2内に引き回され、下流端が後述の中間継手71に接続されている。これによって、タンクユニット3と装置本体2とが流路接続される。また、タンクハウジング12には、タンクユニット3を装置本体2に着脱するための前後一対の係合部15が形成されている。これを装置本体2側の前後一対の被係合部27に係合することによって、タンク側インクチューブ13を接続したまま、タンクユニット3を、装置本体2に対し着脱自在に連結する。なお、タンクユニット3は、インク供給時には縦置き姿勢で装置本体2に装着されており、インクタンク11へのインク補充時には装置本体2から離脱させ横置き姿勢にする。
次に図2ないし図11を参照して、装置本体2について説明する。図2に示すように、装置本体2は、枚葉の記録媒体(印刷用紙や単票紙)を送り経路Rに沿って搬送する搬送部21と、送り経路Rの上方に配設され、記録媒体にインクジェット方式で印刷処理を行う印刷部22と、タンクユニット3(各インクタンク11)からのインクを印刷部22に供給する本体側インク供給部23と、搬送部21および印刷部22の駆動を制御する回路基板61を有した制御部24と、各部を搭載した装置フレーム25と、これらを覆う装置ハウジング26(図1参照)と、を備えている。図1に示すように、装置ハウジング26の側面には、上記一対の係合部15が係合する前後一対の被係合部27が形成されている。また、装置本体2の後面下部には、USBポート16(図5参照)および電源ポートが配設されている。すなわち、インクジェット記録装置1は、USBポート16を介してコンピューター等に接続可能に構成されている。
図3は、装置本体2の断面図である。図2および図3に示すように、搬送部21は、記録媒体を右揃えでセットする給紙トレイ31と、給紙トレイ31から記録媒体を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラー32と、分離ローラー32の下流側に配設され、記録媒体を印刷部22直下に送り込む給紙ローラー33と、給紙ローラー33の下流側に配設され、印刷部22(インクジェットヘッド52)に対面する媒体規制部材(プラテンに相当する)34と、媒体規制部材34の下流側に位置する鋸歯状のガイドローラー35と、ガイドローラー35の下流側に位置し、記録媒体を排紙する排紙ローラー36と、排紙された記録媒体を受ける排紙トレイ37と、を備えている。なお、図1に示すように、給紙トレイ31および排紙トレイ37は、収納可能な可動式になっている。
給紙ローラー33は、下側の給紙駆動ローラー33aと上側の給紙従動ローラー33bとから成るニップローラーで構成され、同様に排紙ローラー36は、下側の排紙駆動ローラー36aと上側の排紙従動ローラー36bとから成るニップローラーで構成されている。また、ガイドローラー35および排紙従動ローラー36bは、装置フレーム25とは独立のローラーフレーム38に支持されて、ローラーアッセンブリー39を構成している。そして、給紙ローラー33は、記録媒体の送り(副走査)を制御するメインローラーとして機能し、排紙ローラー36は、媒体規制部材34の上側に位置する記録媒体に張力(tension)を付与するテンションローラーとして機能する。
図4は、装置本体2の左端部を示した要部斜視図である。図4に示すように、給紙駆動ローラー33aおよび排紙駆動ローラー36aの左側には、搬送モーター(図示省略)と、搬送モーターの駆動を両ローラー33a、36aに伝達するギア列40と、が配設されている。すなわち、当該搬送モーターおよびギア列40によって、装置本体2の左側部が占領されている。
分離ローラー32により、給紙トレイ31から送り込まれた記録媒体は、給紙ローラー33により、媒体規制部材34上を排紙ローラー36に向かってX軸方向に間欠送りされる(副走査)。この間欠送りに同期して、印刷部22を駆動することで、所望の印刷が行われる。一方、媒体規制部材34を越えてガイドローラー35に達した記録媒体の先端は、ガイドローラー35により上反り状態を矯正されるようにして、排紙ローラー36に送り込まれる。このようにして、印刷が完了した記録媒体は、排紙ローラー36により、排紙トレイ37に送り出される。
図2に示すように、印刷部22は、装置フレーム25に支持されると共にY軸方向に幅一杯に延在するガイド軸49およびガイドフレーム41と、ガイド軸49およびガイドフレーム41に往復動自在に支持されたキャリッジユニット42と、キャリッジユニット42をガイド軸49およびガイドフレーム41に沿って往復動させるキャリッジ移動機構43と、を備えている。そして、このキャリッジユニット42に、インクジェットヘッド52が搭載されている。
キャリッジ移動機構43は、ガイドフレーム41に沿って延在するタイミングベルト46と、タイミングベルト46を架け渡した主動プーリ(図示省略)および従動プーリ47と、タイミングベルト46とキャリッジユニット42(キャリッジ51)とを連結する連結固定部(図示省略)と、主動プーリを駆動するキャリッジモーター48と、を備えている。キャリッジモーター48が正逆回転すると、タイミングベルト46を介してキャリッジユニット42がY軸方向(左右方向)に往復動する。この往復動に伴って、キャリッジユニット42のインクジェットヘッド52が吐出駆動することにより、いわゆる主走査が行われる。
図3に示すように、キャリッジユニット42は、ガイド軸49およびガイドフレーム41に往復動自在に支持された箱状のキャリッジ51と、キャリッジ51の下面に一体に組み込まれたインクジェットヘッド52と、インクジェットヘッド52に上側から接続されると共に、後述の本体側インクチューブ72の下流端が接続された色別の接続アダプター53と、を備えている。インクジェットヘッド52は、6色のインク滴を吐出する6連のノズル列(図示省略)を有していると共に、信号伝達用のフレキシブルフラットケーブル(ケーブル:以下、ヘッド接続用FFC)62を介して回路基板61に接続されている。詳細は後述するが、本体側インクチューブ72は、キャリッジ51の往復動に対し、左側に折返し部分を有して追従変形し、ヘッド接続用FFC62は、キャリッジ51の往復動に対し、右側に折返し部分を有して追従変形する。また、各接続アダプター53は、インクバッファやインクフィルター等を内蔵し、その上部には、本体側インクチューブ72を接続するための流入継手を有している。
印刷処理では、搬送部21によって記録媒体をX軸方向に間欠送り(副走査)すると共に、インクジェットヘッド52を駆動しつつ、キャリッジ移動機構43によって、キャリッジユニット42をY軸方向に往復させて(主走査)、印刷用紙に画像データを印刷する。なお、インク吐出によるポンプ作用によって、各色のインクが各インクタンク11からインクジェットヘッド52に順次供給される。
図2に示すように、制御部24は、左側の後端部に配設された回路基板61と、上記のヘッド接続用FFC62を含む各種ケーブルと、ヘッド接続用FFC62をガイドするケーブルフレーム63と、を備えている。ヘッド接続用FFC62は、回路基板61に一端が接続されると共に、直立姿勢で回路基板61から装置本体2の左側面および前面に沿って引き回された後、左右方向に折り返して、他端がキャリッジ51上のインクジェットヘッド52に接続されている。一方、ケーブルフレーム63は、装置本体2の左側面に沿って延在し、左側面に沿ってヘッド接続用FFC62を支持する第1支持フレーム66と、装置本体2の前面に沿って延在し、前面に沿ってヘッド接続用FFC62を支持する第2支持フレーム67と、を有している。よって、ヘッド接続用FFC62は、可動側端部がインクジェットヘッド52に固定されると共に、固定側が第2支持フレーム67に固定され、キャリッジ51の移動に伴って追従変形する。また、ヘッド接続用FFC62は、後述の折返しチューブ部72aに沿って(折返しチューブ部72aの変形軌跡に面して)配設されている。すなわち、ヘッド接続用FFC62は、請求項にいう「部材」である。
ここで図2、図5および図6を参照して、装置本体2側のインク供給系である本体側インク供給部23について説明する。図5は、装置本体2の裏面斜視図である。図2および図5に示すように、本体側インク供給部23は、6本のタンク側インクチューブ13の下流端が接続された中間継手71と、上流端が中間継手71に接続され、下流端が接続アダプター93に接続された6本の本体側インクチューブ(インク供給用のチューブ)72と、6本の本体側インクチューブ72をガイドするガイド機構73と、を備えている。
図6は、中間継手71廻り示した斜視図である。図6に示すように、中間継手71は、6本のタンク側インクチューブ13を接続する6個の流入側ポート76と、6本の本体側インクチューブ72を接続する6個の流出側ポート77と、6個の流入側ポート76および6個の流出側ポート77を連結する板状の連結部78と、を備えている。中間継手71によって、タンク側インクチューブ13および本体側インクチューブ72を連結することで、各インクタンク11と接続アダプター93とを接続するインクチューブを構成する。また、中間継手71によって、タンク側インク供給部(各インクタンク11および各タンク側インクチューブ13)と本体側インク供給部23と連結することで、インクジェットヘッド52にインクを供給するインク供給部を構成する。
図2および図5に示すように、6本の本体側インクチューブ72は、中間継手71と接続アダプター93とを接続するものであり、水平方向に横並びにした状態で、装置本体2内を引き回されている。具体的には、6本の本体側インクチューブ72は、中間継手71から装置本体2の左方向(Y軸方向)に略水平に引き回された後、折り返すように上方に湾曲した折返し部分(以下、折返しチューブ部72a)を有し、さらに奥側に湾曲して接続アダプター53に到達している。加えて、6本の本体側インクチューブ72の下流端部は、キャリッジ51上に固定されており、インクジェットヘッド52側を可動側とし、中間継手71側を固定側として、キャリッジ51の往復動に伴って追従変形するように構成されている。すなわち、本体側インクチューブ72とヘッド接続用FFC62とは、左右方向(Y軸方向)で逆向きに配設されている。
また、6本の本体側インクチューブ72には、延在方向の複数箇所に、6本の本体側インクチューブ72を横並びに連結する連結体79が設けられ、6本の本体側インクチューブ72は、この複数の連結体79により、相互に束ねるように連結されている。
ガイド機構73は、中間継手71および中間継手71廻りのインクチューブを支持する継手支持部材81と、キャリッジ51の移動軌跡の前方において、本体側インクチューブ72をガイドするチューブガイド82と、キャリッジ51に搭載され、本体側インクチューブ72の下流端部をキャリッジ51上に固定するキャリッジ固定部材83と、本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aに添設した可撓性の保護プレート84と、を有している。継手支持部材81およびチューブガイド82によって、6本の本体側インクチューブ72の非可動部が配管される固定配管経路を構成し、チューブガイド82、キャリッジ固定部材83および保護プレート84によって、6本の本体側インクチューブ72の可動部が整列状態で配管される可動配管経路を構成している。
キャリッジ固定部材83は、本体側インクチューブ72の下流端部をキャリッジ51上に固定すると共に、本体側インクチューブ72を奥側にガイドして、接続アダプターに導く。
保護プレート84は、一端をチューブガイド82に固定され、他端をキャリッジ51上に保持されており、キャリッジ51の往復動に伴って、6本の本体側インクチューブ72と一緒に追従変形する。また、保護プレート84は、6本の本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aに外側から沿設し、折返しチューブ部72aが、その左側や上側の他の構成部材(例えば、装置ハウジング26の側壁や天壁)に接触することを防止している。すなわち、保護プレート84は、チューブ担持体の機能を有している。また、保護プレート84には、6本の本体側インクチューブ72を抱え込むように保持する一対の保持片84a(図中では、開いた状態で図示)が形成されており、追従変形に伴う6本の本体側インクチューブ72の暴れを抑制している。
図6に示すように、継手支持部材81は、中間継手71を支持する継手支持部91と、継手支持部91に一体に連なり、タンク側インクチューブ13の下流端部を固定し支持するタンク側チューブ支持部92と、継手支持部91の逆側に連なり、本体側インクチューブ72の上流端部を支持する本体側チューブ支持部93と、を有している。継手支持部91は、一対のコ字状ガイド94、94を有しており、中間継手71を上側からスナップインで装着する。
次に図7ないし図11を参照して、第2支持フレーム67およびチューブガイド82について詳細に説明する。図7は、第2支持フレーム67およびチューブガイド82を示した斜視図である。図7に示すように、第2支持フレーム67およびチューブガイド82は共に、装置本体2の左右方向(Y軸方向)に延在し、且つ全体として断面「L」字状の形状を有している。また、チューブガイド82は、上から重ね合わせるように、第2支持フレーム67に取り付けられ、一方、第2支持フレーム67は、装置フレーム25に支持されている。
図8は、第2支持フレーム67を示した斜視図である。図8に示すように、第2支持フレーム67は、装置本体2の前面に沿ってY軸方向に延在すると共にヘッド接続用FFC62をガイドするケーブルガイド板部101と、ケーブルガイド板部101から「L」字状に延在したブラケット状の取付板部102と、ケーブルガイド板部101の右端部から奥側に延在し、ヘッド接続用FFC62の折返し部分を保護するケーブル保護板部103と、を有している。なお、第2支持フレーム67は、ヘッド接続用FFC62の電磁波シールド部材として、板金製となっている。
ケーブルガイド板部101は、ヘッド接続用FFC62の非可動部を支持すると共に、非可動部に連なる可動部(折返し部分)の底辺を受ける。具体的には、ヘッド接続用FFC62の非可動部および可動部に面するガイド壁体(壁体)106と、ヘッド接続用FFC62の非可動部を延在方向3箇所でそれぞれ支持する3個の係止片(係止部材)107と、を一体に有している。各係止片107は、ガイド壁体106をフック状に切り起こして形成されており、ガイド壁体106と供して挟み込むようにヘッド接続用FFC62を支持・固定して、ヘッド接続用FFC62をガイド壁体106に沿わせて配線させる。
図9は、チューブガイド82を示した図である。図9に示すように、チューブガイド82は、本体側インクチューブ72の固定側を支持するチューブ支持部(チューブ支持部材)110と、折返しチューブ部72aの変形軌跡の側面に面してチューブ支持部110から立設すると共に、ヘッド用FFC62を覆う隔板部(壁部)112と、を備えている。また、チューブ支持部110は、本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aの底辺を受ける受け板部111と、受け板部111に連なると共に本体側インクチューブ72の非可動部を固定するガイド固定部113と、を備えている。なお、受け板部111、隔板部112およびガイド固定部113は、一体に形成されている。
受け板部111は、折返しチューブ部72aの底辺を下方から受ける板材で構成されており、所定の空間を介してローラーアッセンブリー39の上方に配設されている。すなわち、受け板部111によって、追従変形した本体側インクチューブ72がローラーアッセンブリー39に接触するのを防止する。
ガイド固定部113には、横並びの6本の本体側インクチューブ72が底面に添わせて配管されている。加えて、ガイド固定部113は、6本の本体側インクチューブ72を幅方向で規制しつつ、不動に固定する第1チューブ固定部121と、第1チューブ固定部121の上流側に配設され、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する第2チューブ固定部122と、第1チューブ固定部121と第2チューブ固定部122との間に配設され、6本の本体側インクチューブ72を個々に並び方向に湾曲させるための湾曲空間S(図9(c)参照)を有した誤差受容部123と、を有している。
第1チューブ固定部121は、6本の本体側インクチューブ72が配管される第1固定ベース131と、6本の本体側インクチューブ72を第1固定ベース131に押圧固定する第1固定部材132と、を有している。第1固定ベース131には、第1固定部材132の幅方向両端をねじ止めするための第1取付部133と、6本の本体側インクチューブ72を並び方向に整列(位置規制)させる複数のガイド突起134とが形成されている。すなわち、6本の本体側インクチューブ72を幅方向に位置規制状態で配管した後、第1取付部133に第1固定部材132をねじ止めすることで、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する。複数のガイド突起134は、6本の本体側インクチューブ72の両端と、各本体側インクチューブ72間と、にそれぞれ突設している。そして、6本の本体側インクチューブ72を2本1組として配管するために、同じ組に属し隣接する本体側インクチューブ72の間のガイド突起134は、小形に(具体的には、本体側インクチューブ72の半径より小さく)形成されている。
第2チューブ固定部122は、6本の本体側インクチューブ72が配管される第2固定ベース141と、6本の本体側インクチューブ72を第2固定ベース141に押圧固定する第2固定部材142と、を有している。第2固定ベース141には、第2固定部材142の幅方向両端をねじ止めするための第2取付部143が形成されており、6本の本体側インクチューブ72を配管した状態で、第2固定部材142をねじ止めすることで、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する。
誤差受容部123は、6本の本体側インクチューブ72を配管する底板部151と、6本の本体側インクチューブ72を並び方向に湾曲可能な湾曲空間Sを存して、当該並び方向に離間した一対のガイド壁部152と、6本の本体側インクチューブ72を押圧固定する中間固定部材153と、中間固定部材153を取り付けるための中間取付部154と、チューブガイド82を第2支持フレーム67に取り付けるねじ止め部155と、を有している。この湾曲空間Sによって、本体側インクチューブ72の長さ誤差を受容することができる。すなわち、6本の本体側インクチューブ72において製造誤差や引き回しによる長さの差が発生した際、この差分だけ本体側インクチューブ72を幅方向に湾曲させて配管することによって、本体側インクチューブ72間の誤差成分を非可動部で受容し、可動部の暴れを防止する。
図10は、ねじ止め部155廻りを示した断面図である。図9および図10に示すように、ねじ止め部155は、頭部161aを底板部151の底面から突出させた状態で、チューブガイド82を第2支持フレーム67に締結する固定ねじ161と、固定ねじ161に対応するねじ穴162と、固定ねじ161の頭部161aに対し、6本の本体側インクチューブ72の延在方向に前後して形成された一対の傾斜突起163と、を有している。
一対の傾斜突起163は、固定ねじ161の頭部161aを挟んで、6本の本体側インクチューブ72の延在方向において対峙し、頭部161aに向かって先上がりに形成されている。また、各傾斜突起163は、頭部161aの高さを越える高さを有していると共に、頭部161aの直径寸法を越える幅を有している。よって、配管された6本の本体側インクチューブ72が、頭部161aに接触することなく一対の傾斜突起163間を架け渡される。また、一対の傾斜突起163は、底板部151から凸成形したものであり、底板部151と一体に形成されている。
図9に示すように、隔板部112は、隔板本体171と、隔板本体171に開口した2つの開口部172と、を有している。隔板本体171は、折返しチューブ部72aに沿って配設されている。そのため、ヘッド用FFC6は、隔板部112における、折返しチューブ部72aと対向する面に対する裏側に添わせて配設される構成となっており、隔板本体171は、ヘッド用FFC62が6本の本体側インクチューブ72に接触することを防止している。また、隔板本体171は、6本の本体側インクチューブ72と上記3個の係止片107のうちの左側の2個の係止片107とを隔てている。一方、2つの開口部172は、当該2個の係止片107に対応して形成されており、各係止片107を非突出状態で受容する(図7および図11参照)。すなわち、隔板部112は、各開口部172が、各係止片107を包含するように開口し、隔板本体171が、その表面から各係止片107が突出しないような厚さに形成されている。そのため、図11のように、隔板部112と各係止片107とが、側方から見て隔板本体171の厚み方向にオーバーラップしていたとしても、各係止片107が各開口部172に入り込んで、相互に干渉することがない。
以上のような構成によれば、隔板部112を設けることで、追従変形する折返しチューブ部72aが、隔板部112に接触することはあっても、ヘッド用FFC62に接触することがない。また、ヘッド用FFC62を隔板部112の裏側に沿わせることで、ヘッド用FFC62を係止する部材を設けたとしても、これを少なくとも隔板部112の壁面の内側に設けることができ、本体側インクチューブ72と係止片107とを隔てることができる。よって、追従変形に際し、不慮の理由で6本の本体側インクチューブ72がばらけた場合にも、ヘッド用FFC62や係止片107の接触によって本体側インクチューブ72が損傷することを確実に防止することができる。
また、隔板部112が、係止片107を非突出状態で受容する開口部172を有することにより、スペース効率を良好に維持しつつ、係止片107から隔てることができる。よって、上記実施形態のように、隔板本体171と係止片107とが隔板本体171の厚さ方向にオーバーラップしていたとしても、相互に干渉することなく配設することができる。また、係止片107の背面に、係止片107への干渉を防ぐための空間が必要な場合にも、当該空間と隔板本体171とを厚さ方向でオーバーラップさせつつ、相互に干渉することなく配設することができる。
さらに、チューブガイド82は、ガイド壁体106に取り付けられていることにより、チューブガイド82を介して本体側インクチューブ72を安定的に支持することができる。結果、折返しチューブ部72aの暴れを抑制することができる。
またさらに、隔板部112とチューブ支持部110とを一体に形成することにより、部品点数を削減することができると共に、これらを一体として壁体に取り付けることができるため、組立工数を削減することができる。
また、本体側インクチューブ72とヘッド接続用FFC62とを、装置本体2の左右方向で逆向きに配設することにより、これらの固定側を逆側に配設することができる。そのため、本体側インクチューブ72の固定側に接続したインクタンク11を含む流路系と、ヘッド接続用FFC62の固定側に接続した回路基板61を含む電装系と、を両側でバランスよく配置することができる。また、本体側インクチューブ72およびヘッド接続用FFC62によるキャリッジ51移動時の負荷をバランスさせることができる。
なお、本実施形態においては、隔板部112に2個の係止片107を受容する2個の開口部172を配する構成であったが、2個の係止片107を受容する単一の開口部172を配する構成であっても良い。
また、開口部172を省略し、隔板部112(隔板本体171)を、各係止片107と折返しチューブ部72aとの間に介在させて、各係止片107と折返しチューブ部72aとを隔てる構成であっても良いし、ひいては、開口部172に代えて、係止片107を受容するように凹設した凹設部を配する構成であっても良い。
さらに、本実施形態においては、板状の隔板部112を用いたが、各係止片107と折返しチューブ部72aとを隔てる部材であれば、柵状のものを用いても良い。
さらに、本実施形態においては、受け板部111、隔板部112およびガイド固定部113を一体に形成する構成であったが、これらを別体として形成する構成であっても良い。
なお、本実施形態においては、インクタンク11を装置本体2外に配設し、タンクユニット3と装置本体2とで分割した構成であったが、インクタンク11を装置本体2内に配設し、一体型のインクジェット記録装置1としても良い。
また、本実施形態では、一般的なインクカートリッジの数倍または十数倍の容量を有した大容量のインクタンク11を用いているが、キャリッジ51に対し独立したインクタンク11(所謂オフキャリッジ方式のインクタンク11)であれば、インクカートリッジと同等の容量のインクタンク11を用いるインクジェット記録装置1に、本発明を適用しても良い。
なお、本実施形態においては、請求項にいう「壁部」として、隔板部112を設けることで、ヘッド用FFC62や係止片107の本体側インクチューブ72への接触を防止する構成であったが、係止片107をY軸方向に延在させて、請求項にいう壁部とし、ヘッド用FFC62の本体側インクチューブ72への接触を防止する構成であっても良い。かかる場合、係止片107の本体側インクチューブ72側の面を平坦にし、係止片107自体の接触によって、本体側インクチューブ72を損傷することがないように構成する。
1:インクジェット記録装置、 51:キャリッジ、 52:インクジェットヘッド、 62:ヘッド接続用FFC、 72:本体側インクチューブ、 72a:折返しチューブ部、 107:係止片、 110:チューブ支持部、 112:隔板部、 172:開口部

Claims (6)

  1. 下流端をキャリッジに搭載されたインクジェットヘッドに接続され、折り返すように下方に湾曲した可動側となる折返しチューブ部が前記キャリッジの移動に伴って追従変形するインク供給用のチューブと、
    前記折返しチューブ部に沿って配設される壁部と、
    前記壁部における、前記折返しチューブ部と対向する面に対する裏側に沿わせて配設されるケーブルと、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 内部にインクジェットヘッドが搭載される装置と、
    下流端をキャリッジに搭載された前記インクジェットヘッドに接続され、可動側となる折返しチューブ部が前記キャリッジの移動に伴って追従変形するインク供給用のチューブと、
    前記キャリッジを含む印刷部の駆動を制御する回路基板と、
    一端が前記インクジェットヘッドに接続され、他端が前記回路基板に接続され、可動側となる折返しケーブル部が前記キャリッジの移動に伴って追従変形するケーブルと、
    前記折返しチューブ部に沿って配設される壁部と、
    を備え、
    前記ケーブルは、前記壁部及び前記装置の側面における前記インクジェットヘッドから前記折返しチューブ部と対向する面に対する裏側に沿わせて配設され、前記基板に接続されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記折返しチューブ部の上流側に連なる前記チューブの固定側を支持するチューブ支持部材を、更に備え、
    前記チューブ支持部材は、前記ケーブルを配線する壁体に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記チューブ支持部材と前記壁部とは、一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ケーブルは、可動側端部を前記インクジェットヘッドに固定されると共に固定側端部を係止部材を介して壁体に固定され、前記キャリッジの移動に伴って追従変形する信号伝送用のものであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ケーブルの非可動部を支持するケーブルガイド部を有し、
    前記ケーブルは前記ケーブルガイド部と前記壁部とによって挟むように配設されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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