JP6021297B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置に関し、特にインクジェットヘッドに接続される複数本のインク供給用のチューブが、キャリッジの移動に伴って追従変形するインクジェット記録装置に関するものである。
従来、この種のインクジェット記録装置として、インクを貯留する大容量インクタンクと、キャリッジ上に装着され、ダンパーとして機能する複数のインクカートリッジと、キャリッジの下面に搭載されると共に、インクカートリッジが接続された記録ヘッドと、大容量インクタンクと各インクカートリッジとを接続する複数本のインク供給チューブと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この複数本のインク供給チューブは、帯状のチューブ体として一体に形成されており、高さ方向に並列して配管され且つ折り返すように引き回されてインクカートリッジに接続されている。すなわち、複数本のインク供給チューブは、大容量インクタンク側を固定側とし、インクカートリッジ側を可動側として、キャリッジの移動に伴って追従変形するように構成されている。
特開2006−305942号公報
ところで、このようなインクジェット記録装置では、複数本のインク供給チューブが一体に成形されているため、各チューブの両端部において、長さや経路が異なる場合、各チューブを引き裂いて長さ調整や配管を行う必要があり、配管作業が煩雑になってしまう。これに対し、チューブを個々に成形して配管する方法が考えられる。
しかしながら、かかる構成では、複数本のインク供給チューブに長さ誤差があると、固定側で揃えて配管してしまう分、その誤差分が折返し部分(可動部)に蓄積してしまう。その結果、不揃いの状態で追従変形した複数本のチューブが暴れ、他の部材に接触する虞がある。特に、押出し成形を用いてチューブを成形した場合、チューブの長さ誤差が大きく、上記の問題が発生しやすい。
本発明は、複数本のチューブの長さ誤差における誤差分が、可動部に蓄積されることがないインクジェット記録装置を提供することを課題としている。
本発明のインクジェット記録装置は、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドに、複数本のインク供給用のチューブを接続したインクジェット記録装置であって、下流端部をキャリッジに固定されキャリッジの移動に伴って追従変形する複数本のチューブの可動部が配管される可動配管受け部と、可動部に連なる複数本のチューブの非可動部が配管される固定配管受け部と、固定配管受け部に配設され、複数本のチューブを固定する第1チューブ規制部と、第1チューブ規制部より上流側の固定配管受け部に配設され、複数本のチューブを固定する第2チューブ規制部と、第1チューブ規制部と第2チューブ規制部との間の固定配管受け部に配設され、複数本のチューブを個々に並び方向に湾曲させるため並び方向に広がる湾曲空間を有して、複数本のチューブの長さ誤差を受容する誤差受容部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、固定配管受け部上の湾曲空間において、各チューブを、その長さ誤差分に応じて湾曲させることができるため、非可動部で複数本のチューブの長さ誤差を受容することができる。よって、長さ誤差の誤差分が、可動部に誤差蓄積されることがなく、チューブの追従変形の安定化を図ることができる。
また、別の態様として、本発明のインクジェット記録装置は、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドに、前記キャリッジの外からインクを供給するインクジェット記録装置であって、筐体と、筐体の外側に設けられたインクタンクと、下流側が前記キャリッジに固定され、前記キャリッジの移動に伴って追従して移動する可動部および追従して移動しない非可動部を含み、前記インクタンクから前記キャリッジにインクを供給する複数本のチューブと、前記複数本のチューブの非可動部が配管される固定配管受け部と、前記固定配管受け部に配設され、前記複数本のチューブを固定する第1チューブ規制部と、前記第1チューブ規制部より上流側の前記固定配管受け部に配設され、前記複数本のチューブを固定する第2チューブ規制部と、前記第1チューブ規制部と前記第2チューブ規制部との間の前記固定配管受け部に配設され、前記複数本のチューブの並び方向に広がる湾曲空間を有することにより前記複数本のチューブの長さを調整する調整部と、を備えたことを特徴とする。
また、別の態様としてインクタンクは筐体の内側かつキャリッジ外に設けられていてもよい。
また、少なくとも調整部の一部が、複数本のチューブを隣接して配置した幅よりも広いことが好ましい。この構成によれば、複数本のチューブの長さを自由に調整することができる。
また、前記調整部の前記第1チューブ規制部側の端部の幅が、前記湾曲空間よりも狭いことが好ましい。この構成によれば、長さを調整した複数本のチューブを互いに近づけて揃えるようにガイドすることが可能となるためチューブの可動部における幅を狭くすることができる。
この場合、第1チューブ規制部は、複数本のチューブが配管される第1固定ベースと、複数本のチューブを第1固定ベースに押圧固定する第1固定部材と、を有し、第2チューブ規制部は、複数本のチューブが配管される第2固定ベースと、複数本のチューブを第2固定ベースに押圧固定する第2固定部材と、を有し、第1固定ベース、第2固定ベースおよび誤差受容部は、一体に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1固定ベース、第2固定ベースおよび誤差受容部を、一体に形成することにより、各部材の強度を向上することができると共に、複数本のチューブを安定的に配管することができる。また、第1固定ベース、第2固定ベースおよび誤差受容部を簡単に形成することができる。
また、第1固定ベースには、複数本のチューブを並び方向に整列させる複数のガイド突起が突設されていることが好ましい。
この構成によれば、複数のガイド突起を設け、複数本のチューブを並び方向に整列(位置規制)させることで、曲げによる反力で各チューブがバラけることがなく、チューブの追従変形を更に安定化させることができる。
一方、誤差受容部は、湾曲空間を存して並び方向に離間した一対のガイド壁部を、有していることが好ましい。
この構成によれば、各チューブの幅方向の湾曲を受容しつつ、各チューブが湾曲空間上から外れて配管されてしまうことを防止することができる。
また、誤差受容部は、複数本のチューブを押圧固定する中間固定部材を、更に有していることが好ましい。
この構成によれば、複数本のチューブの固定箇所を1つ増やすことができるため、押圧固定に必要な押圧力を分散することができる。よって、1箇所当りの押圧力を小さくすることができ、チューブの曲げを許容しつつ、チューブの潰れによって流路が塞がってしまうのを防止することができる。
実施形態に係るインクジェット記録装置を示した外観斜視図である。 装置ハウジングを省略したインクジェット記録装置を示した斜視図である。 装置本体を示した断面図である。 装置本体の左端部を示した要部斜視図である。 装置本体を示した裏面斜視図である。 中間継手廻りを示した斜視図である。 第2支持フレームおよびチューブガイドを示した斜視図である。 第2支持フレームを示した斜視図である。 (a)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示した斜視図である。(b)は、チューブガイドを示した斜視図である。(c)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示した平面図である。(d)は、本体側インクチューブおよびチューブガイドを示したA−A´断面図である。 係止片および隔壁部廻りを示した断面図である。 本体側インクチューブに長さ誤差が生じた際のガイド固定部を示した平面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置1について説明する。図1は、インクジェット記録装置1を示した斜視図であり、図2は、装置ハウジング26を省略したインクジェット記録装置1を示した斜視図である。図1および図2に示すように、インクジェット記録装置1は、いわゆるインクジェットプリンターであり、装置本体2と、装置本体2の側面に着脱自在に連結されると共に、各色のインクタンク11を搭載したタンクユニット3と、を備えている。なお、以下、図1および図2においての前後方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向として説明する。
タンクユニット3は、6色のインクをそれぞれ貯留するキャリッジ独立型の6個のインクタンク11と、6個のインクタンク11を覆うタンクハウジング12と、各インクタンク11を上流端に接続した6本のタンク側インクチューブ13(図2参照)と、を有している。すなわち、6個のインクタンク11および6本のタンク側インクチューブ13により、タンクユニット3側のインク供給系であるタンク側インク供給部を構成している。
各タンク側インクチューブ13は、装置本体2の側面に開口したチューブ用開口部14から装置本体2内に引き回され、下流端が後述の中間継手71に接続されている。これによって、タンクユニット3と装置本体2とが流路接続される。また、タンクハウジング12には、タンクユニット3を装置本体2に着脱するための前後一対の係合部15が形成されている。これを装置本体2側の前後一対の被係合部27に係合することによって、タンク側インクチューブ13を接続したまま、タンクユニット3を、装置本体2に対し着脱自在に連結する。なお、タンクユニット3は、インク供給時には縦置き姿勢で装置本体2に装着されており、インクタンク11へのインク補充時には装置本体2から離脱させ横置き姿勢にする。
次に図2ないし図11を参照して、装置本体2について説明する。図2に示すように、装置本体2は、枚葉の記録媒体(印刷用紙や単票紙)を送り経路Rに沿って搬送する搬送部21と、送り経路Rの上方に配設され、記録媒体にインクジェット方式で印刷処理を行う印刷部22と、タンクユニット3(各インクタンク11)からのインクを印刷部22に供給する本体側インク供給部23と、搬送部21および印刷部22の駆動を制御する回路基板61を有した制御部24と、各部を搭載した装置フレーム25と、これらを覆う装置ハウジング26(図1参照)と、を備えている。図1に示すように、装置ハウジング26の側面には、上記一対の係合部15が係合する前後一対の被係合部27が形成されている。また、装置本体2の後面下部には、USBポート16(図5参照)および電源ポートが配設されている。すなわち、インクジェット記録装置1は、USBポート16を介してコンピューター等に接続可能に構成されている。
図3は、装置本体2の断面図である。図2および図3に示すように、搬送部21は、記録媒体を右揃えでセットする給紙トレイ31と、給紙トレイ31から記録媒体を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラー32と、分離ローラー32の下流側に配設され、記録媒体を印刷部22直下に送り込む給紙ローラー33と、給紙ローラー33の下流側に配設され、印刷部22(インクジェットヘッド52)に対面する媒体規制部材(プラテンに相当する)34と、媒体規制部材34の下流側に位置する鋸歯状のガイドローラー35と、ガイドローラー35の下流側に位置し、記録媒体を排紙する排紙ローラー36と、排紙された記録媒体を受ける排紙トレイ37と、を備えている。なお、図1に示すように、給紙トレイ31および排紙トレイ37は、収納可能な可動式になっている。
給紙ローラー33は、下側の給紙駆動ローラー33aと上側の給紙従動ローラー33bとから成るニップローラーで構成され、同様に排紙ローラー36は、下側の排紙駆動ローラー36aと上側の排紙従動ローラー36bとから成るニップローラーで構成されている。また、ガイドローラー35および排紙従動ローラー36bは、装置フレーム25とは独立のローラーフレーム38に支持されて、ローラーアッセンブリー39を構成している。そして、給紙ローラー33は、記録媒体の送り(副走査)を制御するメインローラーとして機能し、排紙ローラー36は、媒体規制部材34の上側に位置する記録媒体に張力(tension)を付与するテンションローラーとして機能する。
図4は、装置本体2の左端部を示した図である。図4に示すように、給紙駆動ローラー33aおよび排紙駆動ローラー36aの左側には、搬送モーター(図示省略)と、搬送モーターの駆動を両ローラー33a、36aに伝達するギア列40と、が配設されている。すなわち、当該搬送モーターおよびギア列40によって、装置本体2の左側部が占領されている。
分離ローラー32により、給紙トレイ31から送り込まれた記録媒体は、給紙ローラー33により、媒体規制部材34上を排紙ローラー36に向かってX軸方向に間欠送りされる(副走査)。この間欠送りに同期して、印刷部22を駆動することで、所望の印刷が行われる。一方、媒体規制部材34を越えてガイドローラー35に達した記録媒体の先端は、ガイドローラー35により上反り状態を矯正されるようにして、排紙ローラー36に送り込まれる。このようにして、印刷が完了した記録媒体は、排紙ローラー36により、排紙トレイ37に送り出される。
図2に示すように、印刷部22は、装置フレーム25に支持されると共にY軸方向に幅一杯に延在するガイド軸49およびガイドフレーム41と、ガイド軸49およびガイドフレーム41に往復動自在に支持されたキャリッジユニット42と、キャリッジユニット42をガイド軸49およびガイドフレーム41に沿って往復動させるキャリッジ移動機構43と、を備えている。そして、このキャリッジユニット42に、インクジェットヘッド52が搭載されている。
キャリッジ移動機構43は、ガイドフレーム41に沿って延在するタイミングベルト46と、タイミングベルト46を架け渡した主動プーリ(図示省略)および従動プーリ47と、タイミングベルト46とキャリッジユニット42(キャリッジ51)とを連結する連結固定部(図示省略)と、主動プーリを駆動するキャリッジモーター48と、を備えている。キャリッジモーター48が正逆回転すると、タイミングベルト46を介してキャリッジユニット42がY軸方向(左右方向)に往復動する。この往復動に伴って、キャリッジユニット42のインクジェットヘッド52が吐出駆動することにより、いわゆる主走査が行われる。
図3に示すように、キャリッジユニット42は、ガイド軸49およびガイドフレーム41に往復動自在に支持された箱状のキャリッジ51と、キャリッジ51の下面に一体に組み込まれたインクジェットヘッド52と、インクジェットヘッド52に上側から接続されると共に、後述の本体側インクチューブ72の下流端が接続された色別の接続アダプター53と、を備えている。インクジェットヘッド52は、6色のインク滴を吐出する6連のノズル列(図示省略)を有していると共に、信号伝達用のフレキシブルフラットケーブル(以下、ヘッド接続用FFC)62を介して回路基板61に接続されている。詳細は後述するが、本体側インクチューブ72は、キャリッジ51の往復動に対し、左側に折返し部分を有して追従変形し、ヘッド接続用FFC62は、キャリッジ51の往復動に対し、右側に折返し部分を有して追従変形する。また、各接続アダプター53は、インクバッファやインクフィルター等を内蔵し、その上部には、本体側インクチューブ72を接続するための流入継手を有している。
印刷処理では、搬送部21によって記録媒体をX軸方向に間欠送り(副走査)すると共に、インクジェットヘッド52を駆動しつつ、キャリッジ移動機構43によって、キャリッジユニット42をY軸方向に往復させて(主走査)、印刷用紙に画像データを印刷する。なお、インク吐出によるポンプ作用によって、各色のインクが各インクタンク11からインクジェットヘッド52に順次供給される。
図2に示すように、制御部24は、左側の後端部に配設された回路基板61と、上記のヘッド接続用FFC62を含む各種ケーブルと、ヘッド接続用FFC62をガイドするケーブルフレーム63と、を備えている。ヘッド接続用FFC62は、回路基板61に一端が接続されると共に、直立姿勢で回路基板61から装置本体2の左側面および前面に沿って引き回された後、左右方向に折り返して、他端がキャリッジ51上のインクジェットヘッド52に接続されている。一方、ケーブルフレーム63は、装置本体2の左側面に沿って延在し、左側面に沿ってヘッド接続用FFC62を支持する第1支持フレーム66と、装置本体2の前面に沿って延在し、前面に沿ってヘッド接続用FFC62を支持する第2支持フレーム67と、を有している。よって、ヘッド接続用FFC62は、可動側端部がインクジェットヘッド52に固定されると共に、固定側を第2支持フレーム67に固定され、キャリッジ51の移動に伴って追従変形する。
ここで図2、図5および図6を参照して、装置本体2側のインク供給系である本体側インク供給部23について説明する。図5は、装置本体2の裏面斜視図である。図2および図5に示すように、本体側インク供給部23は、6本のタンク側インクチューブ13の下流端が接続された中間継手71と、上流端が中間継手71に接続され、下流端が接続アダプター53に接続された6本の本体側インクチューブ(インク供給用のチューブ)72と、6本の本体側インクチューブ72をガイドするガイド機構73と、を備えている。
図6は、中間継手71廻り示した斜視図である。図6に示すように、中間継手71は、6本のタンク側インクチューブ13を接続する6個の流入側ポート76と、6本の本体側インクチューブ72を接続する6個の流出側ポート77と、6個の流入側ポート76および6個の流出側ポート77を連結する板状の連結部78と、を備えている。中間継手71によって、タンク側インクチューブ13および本体側インクチューブ72を連結することで、各インクタンク11と接続アダプター53とを接続するインクチューブを構成する。また、中間継手71によって、タンク側インク供給部(各インクタンク11および各タンク側インクチューブ13)と本体側インク供給部23と連結することで、インクジェットヘッド52にインクを供給するインク供給部を構成する。
図2および図5に示すように、6本の本体側インクチューブ72は、中間継手71と接続アダプター53とを接続するものであり、水平方向に横並びにした状態で、装置本体2内を引き回されている。具体的には、6本の本体側インクチューブ72は、中間継手71から装置本体2の左方向(Y軸方向)に略水平に引き回された後、折り返すように上方に湾曲した折返し部分(以下、折返しチューブ部72a)を有し、さらに奥側に湾曲して接続アダプター53に到達している。加えて、6本の本体側インクチューブ72の下流端部は、キャリッジ51上に固定されており、インクジェットヘッド52側を可動側とし、中間継手71側を固定側として、キャリッジ51の往復動に伴って追従変形するように構成されている。すなわち、本体側インクチューブ72とヘッド接続用FFC62とは、左右方向で逆向きに配設されている。
また、6本の本体側インクチューブ72には、延在方向の複数箇所に、6本の本体側インクチューブ72を横並びに連結する連結体79が設けられ、6本の本体側インクチューブ72は、この複数の連結体79により、相互に束ねるように連結されている。
ガイド機構73は、中間継手71および中間継手71廻りのインクチューブを支持する継手支持部材81と、キャリッジ51の移動軌跡の前方において、本体側インクチューブ72をガイドするチューブガイド82と、キャリッジ51に搭載され、本体側インクチューブ72の下流端部を固定するキャリッジ固定部材83と、本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aに添設した可撓性の保護プレート84と、を有している。継手支持部材81およびチューブガイド82(後述のガイド固定部113)によって、6本の本体側インクチューブ72の非可動部が配管される固定配管受け部を構成し、チューブガイド82(後述の受け板部111および隔板部112)、キャリッジ固定部材83および保護プレート84によって、6本の本体側インクチューブ72の非可動部に上流側に連なる可動部が整列状態で配管される可動配管受け部を構成している。
キャリッジ固定部材83は、本体側インクチューブ72の下流端部をキャリッジ51上に固定すると共に、本体側インクチューブ72を奥側にガイドして、接続アダプター53に導く。
保護プレート84は、一端をチューブガイド82に固定され、他端をキャリッジ51上に保持されており、キャリッジ51の往復動に伴って、6本の本体側インクチューブ72と一緒に追従変形する。また、保護プレート84は、6本の本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aに外側から沿設し、折返しチューブ部72aが、その左側や上側の他の構成部材(例えば、装置ハウジング26の側壁や天壁)に接触することを防止している。すなわち、保護プレート84は、チューブ担持体の機能を有している。また、保護プレート84には、6本の本体側インクチューブ72を抱え込むように保持する一対の保持片84a(図中では、開いた状態で図示)が形成されており、追従変形に伴う6本の本体側インクチューブ72の暴れを抑制している。
図6に示すように、継手支持部材81は、中間継手71を支持する継手支持部91と、継手支持部91に一体に連なり、6本のタンク側インクチューブ13の下流端部を固定し支持するタンク側チューブ支持部92と、継手支持部91の逆側に連なり、6本の本体側インクチューブ72の上流端部を支持する本体側チューブ支持部93と、を有している。継手支持部91は、一対のコ字状ガイド94、94を有しており、中間継手71を上側からスナップインで装着する。
次に図7ないし図11を参照して、第2支持フレーム67およびチューブガイド82について詳細に説明する。図7は、第2支持フレーム67およびチューブガイド82を示した斜視図である。図7に示すように、第2支持フレーム67およびチューブガイド82は共に、装置本体2の左右方向(Y軸方向)に延在し、且つ全体として「L」字断面の形状を有している。また、チューブガイド82は、上から重ね合わせるように、第2支持フレーム67に取り付けられ、一方、第2支持フレーム67は、装置フレーム25に支持されている。
図8は、第2支持フレーム67を示した斜視図である。図8に示すように、第2支持フレーム67は、装置本体2の前面に沿ってY軸方向に延在すると共にヘッド接続用FFC62をガイドするケーブルガイド板部101と、ケーブルガイド板部101から「L」字状に延在したブラケット状の取付板部102と、ケーブルガイド板部101の右端部から奥側に延在し、ヘッド接続用FFC62の折返し部分を保護するケーブル保護板部103と、を有している。なお、第2支持フレーム67は、ヘッド接続用FFC62の電磁波シールド部材として、板金製となっている。
ケーブルガイド板部101は、ヘッド接続用FFC62の非可動部を支持すると共に、非可動部に連なる可動部(折返し部分)の底辺を受ける。具体的には、ヘッド接続用FFC62の非可動部および可動部に面するガイド壁体106と、ヘッド接続用FFC62の非可動部を延在方向3箇所でそれぞれ支持する3個の係止片107と、を一体に有している。各係止片107は、ガイド壁体106をフック状に切り起こして形成されており、ガイド壁体106と供して挟み込むようにヘッド接続用FFC62を支持・固定して、ヘッド接続用FFC62をガイド壁体106に沿わせて配線させる。
図9は、チューブガイド82を示した図である。図9に示すように、チューブガイド82は、本体側インクチューブ72の固定側を支持するチューブ支持部110と、折返しチューブ部72aの変形軌跡の側面に面してチューブ支持部110から立設すると共に、当該折返しチューブ部72aと上記3個の係止片107とを隔てるように配設された隔板部112と、を備えている。また、チューブ支持部110は、本体側インクチューブ72の折返しチューブ部72aの底辺を受ける受け板部111と、受け板部111に連なると共に本体側インクチューブ72の非可動部を固定するガイド固定部113と、を備えている。なお、受け板部111、隔板部112およびガイド固定部113は、一体に形成されている。
受け板部111は、折返しチューブ部72aの底辺を下方から受ける板材で構成されており、所定の空間を介してローラーアッセンブリー39の上方に配設されている。すなわち、受け板部111によって、追従変形した本体側インクチューブ72がローラーアッセンブリー39に接触するのを防止する。
隔板部112は、隔板本体171と、隔板本体171に開口した2つの開口部172と、を有している。2つの開口部172は、それぞれ上記3個の係止片107のうちの左側の2個の係止片107に対応して形成されており、各係止片107を非突出状態で受容する(図7および図10参照)。すなわち、隔板部112は、開口部172が、各係止片107を包含するように開口し、隔板本体171が、その表面から各係止片107が突出しないような厚さに形成されている。そのため、図10のように、隔板部112と各係止片107とが、側方から見て隔板本体171の厚み方向にオーバーラップしていたとしても、各係止片107が各開口部172に入り込んで、相互に干渉することがない。
図9に示すように、ガイド固定部113は、固定配管受け部の一部を構成し、ガイド固定部113には、横並びの6本の本体側インクチューブ72が底面に添わせて配管されている。加えて、ガイド固定部113は、固定配管受け部に配設され、6本の本体側インクチューブ72を幅方向で規制しつつ、不動に固定する第1チューブ固定部(第1チューブ規制部)121と、第1チューブ固定部121より上流側の固定配管受け部に配設され、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する第2チューブ固定部(第2チューブ規制部)122と、第1チューブ固定部121と第2チューブ固定部122との間の固定配管受け部に配設され、6本の本体側インクチューブ72を個々に並び方向に湾曲させるための湾曲空間Sを有した誤差受容部123と、を有している。
第1チューブ固定部121は、6本の本体側インクチューブ72が配管される第1固定ベース131と、6本の本体側インクチューブ72を第1固定ベース131に押圧固定する第1固定部材132と、を有している。第1固定ベース131には、第1固定部材132の幅方向両端をねじ止めするための第1取付部133と、6本の本体側インクチューブ72を並び方向に整列(位置規制)させる複数のガイド突起134とが形成されている。すなわち、6本の本体側インクチューブ72を幅方向に位置規制状態で配管した後、第1取付部133に第1固定部材132をねじ止めすることで、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する。複数のガイド突起134は、6本の本体側インクチューブ72の両端と、各本体側インクチューブ72間と、にそれぞれ突設している。そして、6本の本体側インクチューブ72を2本1組として配管するために、同じ組に属し隣接する本体側インクチューブ72の間のガイド突起134は、小形に(具体的には、本体側インクチューブ72の半径より小さく)形成されている。
第2チューブ固定部122は、6本の本体側インクチューブ72が配管される第2固定ベース141と、6本の本体側インクチューブ72を第2固定ベース141に押圧固定する第2固定部材142と、を有している。第2固定ベース141には、第2固定部材142の幅方向両端をねじ止めするための第2取付部143が形成されており、6本の本体側インクチューブ72を配管した状態で、第2固定部材142をねじ止めすることで、6本の本体側インクチューブ72を不動に固定する。なお、第1固定ベース131、第2固定ベース141および誤差受容部123(後述の中間固定部材153を除く)は、一体に形成されている。
誤差受容部123は、6本の本体側インクチューブ72を配管する底板部151と、6本の本体側インクチューブ72を個々に並び方向に湾曲させて配管可能な湾曲空間Sを存して、当該並び方向に離間した一対のガイド壁部152と、6本の本体側インクチューブ72を押圧固定する中間固定部材153と、中間固定部材153を取り付けるための中間取付部154と、チューブガイド82を第2支持フレーム67に取り付けるねじ止め部155と、を有している。ねじ止め部155は、頭部161aを底板部151の底面から突出させた状態で、チューブガイド82を第2支持フレーム67に締結する固定ねじ161と、6本の本体側インクチューブ72の延在方向に前後して形成された一対の傾斜突起163と、を有している。すなわち、一対の傾斜突起163によって、配管した本体側インクチューブ72が頭部161a上方に架け渡され、本体側インクチューブ72の頭部161aへの接触を阻止している。なお、湾曲空間Sは、本体側インクチューブ72の並び方向に広がって形成されている。
ここで図11を参照して、湾曲空間Sによる本体側インクチューブ72の長さ誤差の受容方法について説明する。6本の本体側インクチューブ72の長さは、製造誤差や引き回しの差異によって、相互に差(以下、単に長さ誤差と呼称)が生じてしまう。6本の本体側インクチューブ72に長さ誤差があると、折返しチューブ部72aが不揃いの状態となってしまい、その結果、追従変形の際、6本の本体側インクチューブ72が暴れ、他の部材に接触する虞がある。特に、押出し成形を用いて本体側インクチューブ72を成形した場合、本体側インクチューブ72の長さ誤差が大きく、当該問題が生じやすい。これに対し、本実施形態においては、6本の本体側インクチューブ72に長さの誤差が生じた際、第1チューブ固定部121と第2チューブ固定部122とにより前後で固定された領域の本体側インクチューブ72を、湾曲空間Sにおいて、その誤差分に対応して幅方向に湾曲させて配管する。
図11は、本体側インクチューブ72に長さ誤差が生じた際のガイド固定部113を示した平面図である。ここでは、中央の2本の本体側インクチューブ201、202が、想定される誤差範囲の最小値の長さを有し、その外側の2本の本体側インクチューブ203、204が、上記誤差範囲の中央値の長さを有し、さらに外側の2本の本体側インクチューブ205、206が、上記誤差範囲の最大値の長さを有する場合を例示する。図11に示すように、最小値の2本の本体側インクチューブ201、202は、湾曲空間S上において直線状に配管する。一方、中央値の2本の本体側インクチューブ203、204および最大値の2本の本体側インクチューブ205、206は、最小値の本体側インクチューブ201、202より長く形成されているので、その長さの差分だけ、湾曲空間S上で幅方向に湾曲させて配管する。この場合、最小値からの差分だけ湾曲しているため、最大値の2本の本体側インクチューブ205、206は、中央値の2本の本体側インクチューブ203、204より大きく湾曲させて配管される。
このように、第1チューブ固定部121と第2チューブ固定部122とにより前後で固定された領域の本体側インクチューブ72を、湾曲空間S上において、想定される誤差範囲の最小値に対する差分だけ湾曲させることで、第1チューブ固定部121から下流側の本体側インクチューブ72の長さを6本の本体側インクチューブ72の相互間で一致させることができる。なお、湾曲空間Sは、6本の本体側インクチューブ72において、想定される誤差範囲の誤差分が受容可能な広さ(面積:長さおよび/または幅)を有していることが好ましい。また、各本体側インクチューブ72の湾曲量は、一対の傾斜突起163による勾配を加味した値であることが好ましい。
以上のような構成によれば、湾曲空間Sにおいて、本体側インクチューブ72を、その長さ誤差分に応じて湾曲させることができるため、非可動部で6本の本体側インクチューブ72の長さ誤差を受容することができる。よって、長さ誤差の誤差分が、可動部に誤差蓄積されることがなく、本体側インクチューブ72の追従変形の安定化を図ることができる。
また、第1固定ベース131、第2固定ベース141および誤差受容部123を、一体に形成することにより、各部材の強度を向上することができると共に、6本の本体側インクチューブ72を安定的に配管することができる。また、第1固定ベース131、第2固定ベース141および誤差受容部123を簡単に形成することができる。
さらに、複数のガイド突起134を設け、6本の本体側インクチューブ72を並び方向に整列(位置規制)させることで、曲げによる反力で各チューブがバラけることがなく、本体側インクチューブ72の追従変形を更に安定化させることができる。
またさらに、誤差受容部123が、一対のガイド壁部152を有していることで、各本体側インクチューブ72の幅方向の湾曲を受容しつつ、各本体側インクチューブ72が湾曲空間S上から外れて配管されてしまうことを防止することができる。
また、中間固定部材153を設けることで、6本の本体側インクチューブ72の固定箇所を1つ増やすことができるため、押圧固定に必要な押圧力を分散することができる。よって、1箇所当りの押圧力を小さくすることができ、本体側インクチューブ72の潰れによって流路が塞がってしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態においては、インクタンク11を装置本体2外に配設し、各色のインクチューブを、タンク側インクチューブ13と、本体側インクチューブ72とに分割した構成であったが、インクタンク11を装置本体2内に配設し、色ごとに一体のインクチューブを用いてインクを供給する構成であっても良い。かかる場合、誤差受容部123において、当該一体のインクチューブ同士の長さ誤差を受容する。
また、本実施形態においては、第1固定ベース131、第2固定ベース141および誤差受容部123が、一体に形成されている構成であったが、これらを別体として形成する構成であっても良い。
さらに、本実施形態においては、想定される誤差範囲の最小値を基準値(最小基準値)とし、当該値からの差分(「0」を含む)だけ、各本体側インクチューブ72を湾曲される構成であったが、6本の本体側インクチューブ72内の最小値を基準値とし、当該値からの差分だけ、最小値の本体側インクチューブ72を除く各本体側インクチューブ72を湾曲される構成であっても良い。
1:インクジェット記録装置、 51:キャリッジ、 52:インクジェットヘッド、 72:本体側インクチューブ、 111:受け板部、 112:隔板部、 113:ガイド固定部、 121:第1チューブ固定部、 122:第2チューブ固定部、 123:誤差受容部、 131:第1固定ベース、 132:第1固定部材、 134:ガイド突起、 141:第2固定ベース、 142:第2固定部材、 152:ガイド壁部、 153:中間固定部材、 S:湾曲空間

Claims (8)

  1. キャリッジに搭載した接続アダプタに、前記キャリッジの外からインクを供給するインクジェット記録装置であって、
    筐体と、
    筐体の外側に設けられた前記インクを注入可能なインクタンクと、
    前記キャリッジの移動に伴って追従して移動する可動部および追従して移動しない非可動部を含み、下流端が前記接続アダプタに接続される複数本の第1のインク供給用のチューブと、
    上流端が前記インクタンクに接続される複数本の第2のインク供給用のチューブと、
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブの上流端と接続される流出側ポートと、前記複数本の第2のインク供給用のチューブの下流端と接続される流入側ポートと、を有し、前記第1のインク供給用チューブの前記上流端と前記第2のインク供給用チューブの前記下流端との間を接続して前記インクを流通可能とする継手と、
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブの前記非可動部を支持するチューブ支持部と、を備え、
    前記チューブ支持部は
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブを横並びにして固定する第1チューブ規制部と、
    前記第1チューブ規制部より前記インクタンク側の位置に、前記複数本の第1のインク供給用のチューブを横並びにして固定する第2チューブ規制部と、
    前記第1チューブ規制部と前記第2チューブ規制部との間に、前記複数本の第1のインク供給用のチューブの並び方向に広がる湾曲空間を有することにより、前記複数本の第1のインク供給用のチューブのそれぞれの長さを一致させるように調整可能な、誤差受容部と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. キャリッジに搭載した接続アダプタに、前記キャリッジの外からインクを供給するインクジェット記録装置であって、
    筐体と、
    筐体の内側かつ前記キャリッジ外に設けられた前記インクを注入可能なインクタンクと、
    前記キャリッジの移動に伴って追従して移動する可動部および追従して移動しない非可動部を含み、下流端が前記接続アダプタに接続される複数本の第1のインク供給用のチューブと、
    上流端が前記インクタンクに接続される複数本の第2のインク供給用のチューブと、
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブの上流端と接続される流出側ポートと、前記複数本の第2のインク供給用のチューブの下流端と接続される流入側ポートと、を有し、前記第1のインク供給用チューブの前記上流端と前記第2のインク供給用チューブの前記下流端との間を接続して前記インクを流通可能とする継手と、
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブの前記非可動部を支持するチューブ支持部と、を備え、
    前記チューブ支持部は、
    前記複数本の第1のインク供給用のチューブを横並びにして固定する第1チューブ規制部と、
    前記第1チューブ規制部より前記インクタンク側の位置に、前記複数本の第1のインク供給用のチューブを横並びにして固定する第2チューブ規制部と、
    前記第1チューブ規制部と前記第2チューブ規制部との間に、前記複数本の第1のインク供給用のチューブの並び方向に広がる湾曲空間を有することにより、前記複数本の第1のインク供給用のチューブのそれぞれの長さを一致させるように調整可能な、誤差受容部と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 少なくとも前記誤差受容部の一部が、前記複数本のチューブを隣接して配置した幅よりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記誤差受容部の前記第1チューブ規制部側の端部の幅が、前記湾曲空間よりも狭いことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1チューブ規制部は、前記複数本のチューブが配管される第1固定ベースと、前記複数本のチューブを前記第1固定ベースに押圧固定する第1固定部材と、を有し、
    前記第2チューブ規制部は、前記複数本のチューブが配管される第2固定ベースと、前記複数本のチューブを前記第2固定ベースに押圧固定する第2固定部材と、を有し、
    前記第1固定ベース、前記第2固定ベースおよび前記誤差受容部は、一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1固定ベースには、前記複数本のチューブを前記並び方向に整列させる複数のガイド突起が突設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記誤差受容部は、前記湾曲空間を存して前記並び方向に離間した一対のガイド壁部を、有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記誤差受容部は、前記複数本のチューブを押圧固定する中間固定部材を、更に有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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