JP2002240316A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる種類のインクを使用する際には簡単な
作業でインク供給機構を交換することができるインクジ
ェット記録装置を提供する。 【構成】 記録装置本体に支持されたインク供給部よ
り、レール部材に摺動可能に設けられたキャリッジに着
脱可能に支持されたインクジェットヘッドにインクを供
給するインクチューブを、キャリッジの移動に応じてイ
ンク流路を塞ぐことなく変形するよう柔軟性を有すると
ともに、尚かつその一端側にはインク供給部と接続する
チューブコネクト部を、他端側にはインクジェットヘッ
ドと接続するチューブコネクト部をそれぞれ設けられ、
さらにこれらチューブコネクト部は各々記録装置本体お
よびキャリッジに対して取り外し可能に支持するよう構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、さらに詳しくは、記録装置本体に設けられ
たインクタンクより移動可能に設けられるキャリッジに
保持されたインクジェットヘッドにチューブを介してイ
ンクを供給する機構に関わるものである。

【０００２】

【従来の技術】図５はこの種のインクジェット記録装置
の要部構成を示す図であり、図において１は図示しない
搬送機構により一軸方向（Ｘ軸方向）に搬送される記録
紙が載置されるプラテン、２はプラテン１に載置された
記録紙の搬送方向と直交する方向に延びるよう設けられ
るＹレール、３はＹレール２に摺動可能に設けられるキ
ャリッジ、４はインク滴を記録紙に吐出するインクジェ
ットヘッド、５はヘッド４にインクを供給するための柔
軟性を有するチューブ、６はヘッド４に供給するインク
を貯蔵保持するインクタンクである。図に示すように、
キャリッジ３はＹレール２に沿ってＹ軸方向に移動可能
に構成されており、このキャリッジ３には４つの記録ヘ
ッド４０１〜４０４が搭載されている。記録ヘッド４０
１〜４０４は、各々インクチューブ５を介してそれぞれ
色の異なるインクが保持されているインクタンク６に接
続されており、これら記録ヘッド４−チューブ５−イン
クタンク６のインク流経路は各々密閉構造となるよう設
けられている。これにより、記録ヘッド４に設けられた
吐出ノズルのそれぞれに埋め込まれたピエゾ素子に、選
択的に電圧を印加することによりインクを吐出させる
と、吐出したインク量に応じて記録ヘッド４内が負圧と
なり、さらにこの負圧に応じてインクタンク６よりチュ
ーブ５を介してインクが記録ヘッド４に供給されるよう
構成されている。記録ヘッド４の移動経路直下のプラテ
ン１上には、記録紙がＸ軸方向に移動可能に装着されて
いる。記録動作においては、記録紙をＸ軸方向に、記録
ヘッド４をＹ軸方向にそれぞれ移動させるとともに、各
記録ヘッド４０１〜４０４から選択的にインクを吐出さ
せることにより所望の記録を行うよう設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種のインクジェッ
ト記録装置においては、記録済みの媒体の用途に応じ
て、使用するインクの種類が異なる。例えば、グラフィ
ック等の高品質な画像出力が必要な場合は、発色性がよ
く色彩が鮮明な染料インクを用い、屋外用の展示物等を
作成するといった場合は、色あせに強く耐候性がよい顔
料インクを使用するといった具合に、その出力媒体の用
途に応じて使用するインクを適宜選択していた。これら
の種類の異なるインクを、同一のインクジェットヘッド
およびチューブを用いることはできないので、従来は個
々のインクジェット記録装置において染料インクを用い
るものまたは顔料インクを用いるものと、それぞれ用い
るインクの種類を限定するか、或いは異なるインクを用
いて記録を行う場合に、インクタンクの交換前にチュー
ブ内に残ったインクを洗浄するよう構成したり、その
他、インクの種類毎に専用のインクチューブを複数設け
る等の構成を採用して、単体のインクジェット記録装置
において複数種類のインクを使用可能としていた。これ
らの従来の装置においては、異なる種類のインクは使用
できなかったり、或いは使用できる場合であっても、異
なる種類のインクに交換する際に予めチューブの洗浄が
必要であるため、この洗浄のための装置が必要となった
り、或いはインクの種類毎に専用のインクチューブを複
数設ける場合は、その使用するインクの分だけインクチ
ューブを設ける必要があり、これにより記録装置の製作
コストが上昇したり或いは記録装置の小型化が困難とな
るといった不具合が生じていた。

【０００４】本発明はこれらの不具合を解決するために
なされたもので、異なる種類のインクを使用する際には
簡単な作業でインク供給機構を交換することができるイ
ンクジェット記録装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のインクジェット記録装置においては、記録
装置本体に支持されたインク供給部より、レール部材に
摺動可能に設けられたキャリッジに着脱可能に支持され
たインクジェットヘッドにインクを供給するインクチュ
ーブを、キャリッジの移動に応じてインク流路を塞ぐこ
となく変形するよう柔軟性を有するとともに、尚かつそ
の一端側にはインク供給部と接続するチューブコネクト
部を、他端側にはインクジェットヘッドと接続するチュ
ーブコネクト部をそれぞれ設けられ、さらにこれらチュ
ーブコネクト部は各々記録装置本体およびキャリッジに
対して取り外し可能に支持するよう構成した。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明のイ
ンクジェット記録装置を詳細に説明する。図１乃至図４
は本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の
構成を示す図であり、上述の従来の装置と同等な部分に
ついては同一の符号をもって示されている。

【０００７】図１は、インクチューブとインクジェット
ヘッドを接続するコネクタ部８を省略した本発明のイン
クジェット記録装置の概略構成を示す斜視図であり、本
発明のインクジェット記録装置において、記録装置本体
に支持されたインクタンク６からキャリッジ３に保持さ
れたインクジェットヘッド４にインクを供給するための
流路を形成するインク供給機構は、柔軟性を有するイン
クチューブ５と、このインクチューブ５の両端側に設け
られるチューブコネクト部７とにより構成されている。
インクチューブ５の両端側、すなわちインクタンク６側
およびインクジェットヘッド４側に設けられるチューブ
コネクト部７は、図４に示すように各々同様の部材によ
り構成されている。このチューブコネクト部７は、イン
クチューブ５の端部を支持するチューブ支持部材７０、
インクチューブ５の先端部分に取り付けられてこれをチ
ューブ支持部材７０に固定するコネクタホルダ７１、コ
ネクタ８を接続するとともにこれを支持するコネクタ受
け７２、コネクタ受け７２とコネクタホルダ７１の間に
嵌挿されてインクが漏れることなくコネクタ８とチュー
ブ５を接続するためのコネクタゴム７３により構成され
ている。また、複数色のインクを供給するために複数本
用意されるインクチューブ５０１〜５０８は、図３に示
すように位置決め部材４１１，４１２およびチューブ配
管部材４２により束ねられて保持され、位置決め部材４
１１，４１２は後述するＹレール２に設けられたチュー
ブガイド部材２１に取り外し可能となるように取り付け
られ、チューブ配管部材４２は同じく後述するキャリッ
ジ３のチューブベース部材３３に取り外し可能となるよ
う取り付けられる。また、チューブ配管部材４２は、束
ねられたインクチューブ５０１〜５０８をキャリッジ３
１，３２に支持されるインクジェットヘッド４０１〜４
０８の配置間隔に対応して各々配管するようにして、こ
れを支持するよう設けられる。

【０００８】キャリッジ３には、各々色の異なるインク
用のインクジェットヘッド４０１〜４０８を着脱自在に
保持する第１および第２のキャリッジ３１，３２が、Ｙ
レール２に摺動するスライダ３４に設けられている。ス
ライダ３４には、チューブ配管部材４２が着脱自在に取
り付けられるチューブベース部材３３と、チューブコネ
クト部７を着脱自在に支持するコネクタ支持部材３５が
設けられている。コネクタ支持部材３５は、チューブコ
ネクト部７が嵌挿可能となるように、その両側部分の形
状に合わせた溝部が設けられており、チューブコネクト
部７がこれに支持されると、各々接続されるべきインク
ジェットヘッド４０１〜４０４の直上で且つ正面側に対
応するインクチューブ５０１〜５０８に接続されるコネ
クタ受け７２が位置づけられるよう構成されている。イ
ンクジェットヘッド４０１〜４０８とインクチューブ５
０１〜５０８は、それぞれコネクタ８により接続され
る。このコネクタ８は、図４に示されるようにインクジ
ェットヘッド側においては、インクジェットヘッド４の
インク供給口４１を密閉するとともにこのインク供給口
４１に挿入されるニードル部８１が設けられ、他端側に
はチューブコネクト部７のコネクタ受け７２に嵌挿され
るコネクト部８２により構成されている。このコネクタ
８の端部がそれぞれインクジェットヘッド４およびチュ
ーブコネクト部７に取り付けられることにより、インク
チューブ５とインクジェットヘッド４とが接続される。
インクタンク６は、インクを貯蔵するタンク本体６０、
インク流路となるインク供給管６１、チューブコネクト
部７のコネクタ受け７２に嵌挿されるコネクト部６２と
により構成され、コネクト部６２は上述のコネクタ８の
コネクト部８２と同じ構造を有して形成されている。記
録装置本体に交換可能に取り付けられるインクタンク６
は、各コネクト部６２が各々接続されるべきインクチュ
ーブ５０１〜５０８に対応するコネクタ受け７２にぞれ
ぞれ嵌挿され、これによりインクタンク６、インクチュ
ーブ５、インクジェットヘッド４よりなるインク供給経
路が形成される。

【０００９】このインクジェット記録装置において記録
を行う場合も、上述の従来の装置と同様にプラテン１上
に装着された記録紙をＸ軸方向に、キャリッジ３をＹ軸
方向にそれぞれ移動させるとともに、インクジェットヘ
ッド４を駆動制御して選択的にインクを吐出させること
により所望の記録を行うよう設けられている。キャリッ
ジ３がＹ軸方向に移動する際、インクチューブ５は柔軟
性を有しているので折れ曲がることなく、尚かつインク
流路を維持しながらキャリッジ３の移動に応じてチュー
ブガイド部材２１上に沿って変形する。位置決め部材４
１１，４１２は、キャリッジ３の移動（インクチューブ
５の変形）の妨げとなることがないように、チューブガ
イド部材２１のインクタンク６側寄りの部分に取り付け
られてインクチューブ５を支持している。

【００１０】本発明のインクジェット記録装置におい
て、使用するインクを種類の異なるものに交換する場
合、記録装置を待機状態としたうえで、先ずインクタン
ク６側およびインクジェットヘッド４側の両方のコネク
タ８を取り外す。その後、キャリッジ３側においては、
コネクタ支持部材３５からチューブコネクト部７を（図
３において上方向に）抜き取るようにして取り外す。さ
らにチューブ配管部材４２をチューブベース部材３３よ
り取り外して、インク供給機構がキャリッジ３から取り
外される。インクタンク６側においても、チューブコネ
クト部７を記録装置本体より取り外し、さらに位置決め
部材４１１，４１２をチューブガイド部材２１より取り
外す。これにより、インク供給機構全てが記録装置本体
から取り外される。この後、インクタンク６およびイン
クジェットヘッド４をそれぞれ取り外す。次に使用する
インクに対応したインクタンク６およびインクジェット
ヘッド４を、各々記録装置本体およびキャリッジ３に取
り付ける。さらに、使用するインクに対応したインク供
給機構を記録装置に取り付ける。この際、インクチュー
ブ５をチューブガイド部材２１に、チューブ配管部材４
２をチューブベース部材３３にそれぞれ載置した後、位
置決め部材４１１，４１２をチューブガイド部材２１
に、チューブ配管部材４２をチューブベース部材３３に
それぞれ取り付け、固定する。その後、キャリッジ３側
においてはチューブコネクト部７をコネクタ支持部材３
５に挿入して取り付け、同様にインクタンク６側におい
てもチューブコネクト部７をコネクタ支持部材（図示せ
ず）に取り付ける。これによりインク供給機構の取り付
けが完了する。最後に各インクタンク６とインクチュー
ブ５、ならびにインクジェットヘッド４とをそれぞれコ
ネクタ８により接続して、記録動作に復帰する。本発明
は、インクタンクと記録ヘッドを接続するインクチュー
ブおよびコネクト部よりなるインク供給機構を記録装置
本体およびキャリッジから取り外し可能に構成したの
で、複数種類のインクを使用する際には使用者において
これら交換作業を容易に行うことができる。また、チュ
ーブコネクト部をインクチューブ側と記録ヘッド側で各
々同一の部材とすることができるので、作製コストを抑
えることができる。

【００１１】

【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のインクジ
ェット記録装置においては、記録装置本体に支持された
インク供給部より、レール部材に摺動可能に設けられた
キャリッジに着脱可能に支持されたインクジェットヘッ
ドにインクを供給するインクチューブを、キャリッジの
移動に応じてインク流路を塞ぐことなく変形するよう柔
軟性を有するとともに、尚かつその一端側にはインク供
給部と接続するチューブコネクト部を、他端側にはイン
クジェットヘッドと接続するチューブコネクト部をそれ
ぞれ設けられ、さらにこれらチューブコネクト部は各々
記録装置本体およびキャリッジに対して取り外し可能に
支持するよう構成したので、異なる種類のインクを使用
する際には簡単な作業でインク供給機構を交換すること
ができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す
斜視図である。

【図２】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す
側断面図である。

【図３】本発明のインクジェット記録装置のインク供給
機構の要部構成を示す斜視図である。

【図４】本発明のインクジェット記録装置のインク供給
機構の構成を示す斜視図である。

【図５】従来のインクジェット記録装置の構成を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ プラテン ２ Ｙレール ３ キャリッジ ４ インクジェット記録ヘッド ５ インクチューブ ６ インクタンク ７ チューブコネクト部 ８ コネクタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レール部材に摺動可能に設けられたキャ
   リッジに着脱可能に支持されたインクジェットヘッド
   に、記録装置本体に支持されたインク供給部よりインク
   チューブを介してインクを供給し、上記インクジェット
   ヘッドよりインクを吐出して所望の記録を行うインクジ
   ェット記録装置において、 上記インクチューブは、キャリッジの移動に応じてイン
   ク流路を塞ぐことなく変形するよう柔軟性を有し、尚か
   つその一端側には上記インク供給部と接続するチューブ
   コネクト部が、他端側には上記インクジェットヘッドと
   接続するチューブコネクト部がそれぞれ設けられ、さら
   にこれらチューブコネクト部は各々記録装置本体および
   キャリッジに対して取り外し可能に支持されるよう構成
   されることを特徴とするインクジェット記録装置。