JP5810468B2 - もち米粉含有フライ食品用ブレッダーミックス - Google Patents
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フライ食品は一般的に食感のサクサクしたものが好まれる傾向にある。また、近年では冷凍食品や惣菜の普及により、その食感が長時間維持されることが求められており、そのための技術開発が行われている。
例えば、ソフトで口当たりが良くサクサクした食感を有し、この食感を長時間維持することを目的とし、膨潤度が4〜15で且つ溶解度が10重量%以下である架橋澱粉を20重量%以上含有させた揚げ物用衣剤が提案されている(特許文献1)。
また、油調後時間が経過してから食される場合や電子レンジ加熱による衣の食感、風味の劣化を防止することを目的とし、セルロースおよび乳化剤とからなる揚げ物用衣改良剤が提案されている(特許文献2)。
最近の健康志向により、食品添加物を使用しない食品が要望されることも多く、上記のような方法は用いられない場面も増えてきている。そのため、食品添加物を用いない方法として植物蛋白や乳蛋白等の食品を含有するフライ食品用品質改良剤などが提案されている(特許文献3)。しかし、フライ食品の品質維持はまだ十分とは言えず、更なる技術開発が求められている。
(1)平均粒径が30〜70μmであり、かつ、損傷澱粉の割合が2〜6質量%であるもち米粉を含有することを特徴とするフライ食品用ブレッダーミックス、
(2)もち米粉の配合比が5〜60質量%である前記(1)に記載のフライ食品用ブレッダーミックス及び
(3)前記(1)又は(2)のいずれかに記載のフライ食品用ブレッダーミックスを使用して得ることを特徴とするフライ用食品に関する。
ブレッダーミックスは、素材に直接まぶす、または素材にバッター液等を付着させた後にまぶすなどして使用することができる。本発明のフライ食品用ブレッダーミックスについても双方の使用が可能であるが、より効果を高める為に、事前にバッター液等を付着させてブレッダーの付着量を上げることが好ましい。
さらに損傷澱粉2質量%未満又は損傷澱粉5質量%以上を含むもち米粉を使用した場合常温で放置した場合及び冷解凍した場合のいずれにおいても好ましい食感は維持できない。
前記体積基準分布で測定した粒度分布とは粒子体積の全粒子体積に対する割合をいい、前記平均粒径とは、小さな粒子から累積した粒子体積が全粒子体積の半分になった時の粒径をいう。
なお、体積基準分布は、篩分けした場合における質量分布に近似した値となる。
この測定には、従来知られている測定機、例えばレーザー粒度分析機(LEEDS&NORTHRUP社製)が使用でき、具体的には「マイクロトラックMT3300EX−II」(日機装株式会社製)を用いて測定した。
もち米粉の配合比を60質量%以上とすると、常温で放置した場合、冷解凍した場合のいずれにおいても食感の軽さは見られるが、モチモチしたヒキの有る食感が出てきてしまい、好ましい食感を維持できない。
もち米粉の配合比を5質量%以下とすると、特に常温で放置した場合の劣化を防ぐことができず、好ましい食感を維持できない。
表1に記載した平均粒径及び損傷澱粉の割合を有する実施例1〜4および、比較例1〜4のもち米粉を用い、小麦粉(薄力粉)ともち米粉を70:30(質量比)で配合してヘンシェルミキサーで均一に混合し、もち米粉を含有する唐揚げ粉を得た。
次に22gにカットした鶏モモ肉に、加工でん粉40質量%、でん粉30質量%、小麦粉29質量%、増粘多糖類1質量%を含む日本製粉社製バッターミックスを用い、ミックス100質量部に対して水120質量部を加えて作成したバッター液を絡め、そこに上記唐揚げ粉をまぶし、170℃の大豆菜種油中で4分間フライして唐揚げを得た。
これに対し、平均粒径が30μm未満である比較例1ではフライ3時間後及び冷凍後レンジ加熱後のいずれにおいても良好な食感は維持できず、実施例1〜4より劣った食感であった。また平均粒径が70μm以上である比較例3ではフライ3時間後での食感は比較的維持されていたものの、フライ3時間後及び冷凍後レンジ加熱後のいずれにおいても実施例1〜4より劣った食感であった。
さらに損傷澱粉が2質量%未満である比較例2、損傷澱粉が5質量%以上である比較例4についてもフライ3時間後及び冷凍後レンジ加熱後のいずれにおいても良好な食感は維持できず、実施例1〜4より劣った食感であった。
試験例1と同様にして唐揚げ粉及び唐揚げを作製し、もち米粉の唐揚げ粉への配合比率が食感に及ぼす影響を検討した。なお、もち米粉は平均粒径54μm、損傷澱粉3.5質量%のもの、小麦粉は薄力粉を用いた。
表3に記載した割合でもち米粉と小麦粉を含む実施例5〜10および比較例5〜7の唐揚げ粉を作成し、その唐揚げ粉を用いて唐揚げを作製した。唐揚げの食感について官能試験を実施し、上記表1に示す評価基準に基づき衣の食感について10名のパネラーで評価した。得られた結果(点数の平均値)を下記の表3に示す。
Claims (3)
- 平均粒径が30〜70μmであり、かつ損傷澱粉の割合が2〜6質量%であるもち米粉を含有することを特徴とするフライ食品用ブレッダーミックス。
- もち米粉の配合比が5〜60質量%である請求項1に記載のフライ食品用ブレッダーミックス。
- 請求項1又は2に記載のフライ食品用ブレッダーミックスを使用して得ることを特徴とするフライ用食品。
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