以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る電解水生成装置Mの電解槽Dと浄水器J等を模式的に示し、本発明の第一流路弁と第二流路弁に相当するダブルクロスライン弁1を斜視図で示した図である。
本発明の電解水生成装置Mは、電解槽Dに外部から原水を供給する原水供給水路Iと、電解槽Dで生成された電解水を外部に排出する電解水排出水路Oとを備えている。
原水供給水路Iは、最上流位置に、水源弁モータm1で作動する水源弁2Aを備えた原水を供給する原水供給口2を設けて、その下流位置に原水を浄化する浄水器Jを設けて、さらにその下流位置に水路を分岐する分岐路3を設けている。そして、分岐路3の下流位置には、第一入水路4aと第二入水路4bを設け、そのうちの第二入水路4bには、流量制御弁5を設けている。
そして、その分岐路3の下流位置には、前述のダブルクロスライン弁1を設けている。このダブルクロスライン弁1の詳細構造については、後述するが、図1におけるダブルクロスライン弁1の右側部分1Aが、本発明の第一流路弁に相当し、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bが、本発明の第二流路弁に相当する。このうち、ダブルクロスライン弁1の右側部分1Aに、前記第一入水路4aと第二入水路4bを接続するように構成している。
ダブルクロスライン弁1の右側部分1Aの下流位置には、水を電気分解する前述の電解槽Dを接続している。この電解槽Dは、内部に、薄いシート状の隔膜Spと、この隔膜Spにより隔てられた第一電極6aを備える第一電極室Daと、第二電極6bを備える第二電極室Dbと、を設けている。この隔膜Spは、いわゆる「セパレータ」と呼ばれ、水を電気分解した際に発生するイオンを透過する素材によって形成される薄いシート材で構成している。
そして、この第一電極室Daと第二電極室Dbに、それぞれ電解した電解水素水と電解酸性水を取り出すために、第一取出水路7aと第二取出水路7bを接続している。
この第一取出水路7aや第二取出水路7bの下流位置には、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bを接続している。
ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bには、電解水素水や電解酸性水を外部に案内する第一排水路8aと第二排水路8bを接続している。そして、一方の第二排水路8bには、前述の第二入水路4bの流量制御弁5と同期して作動する流量制御弁9を設けている。これら流量制御弁5、9は、流量制御弁モータm3の動力によって作動するように構成されている。また、第一排水路8aと第二排水路8bの下流位置、すなわち電解水生成装置Mの最下流位置には、第一電解水排水口10aと第二電解水排水口10bを、それぞれ設けている。このようにして、電解水排出水路Oを構成している。
次に、図2を使って、前述のダブルクロスライン弁1について詳細に説明する。図2は、ダブルクロスライン弁1の分解斜視図である。
ダブルクロスライン弁1は、円筒形状の外筒体11と、この外筒体11に嵌り込む円筒形状の内筒体20とで構成され、内筒体20を外筒体11に嵌り込ませた状態で、内筒体20をA軸まわりに回動させて内筒体20と外筒体11との間の相対角度を変化させることで、内部の水の流路が適宜切り換わるように構成されている。これにより、ダブルクロスライン弁1が本発明の第一流路弁と第二流路弁として機能する。
なお、本実施形態では、一つのダブルクロスライン弁1で第一流路弁と第二流路弁を構成しているが、もちろん、分離された別々の弁で第一流路弁と第二流路弁を構成してもよい。
前述の外筒体11は、図2に示す外筒体11の右端面が封止底面12となり内部が中空となった有底円筒形状に形成され、A軸と直交方向に90°の角度(図2中、角度α)をなすように、直線状に並んだ開口を4個ずつ、計8個の開口13a,13b,14a,1
4b,15a,15b,16a,16bを設けている。
前記開口13a,13b,14a,14bは、具体的には、図2に示す外筒体11の側方位置において、前記第一入水路4aが接続される第一流入口13aと、前記第二入水路4bが接続される第二流入口13bと、前記第二排水路8bが接続される第二再出口14bと、前記第一排水路8aが接続される第一再出口14aとして、右側から左側に順番に設けられている。このうち第一再出口14aだけがコネクター形状となっている。
また、前記開口15a,15b,16a,16bは、図2に示す外筒体11の上方位置において、前記第一電極室Daに接続される第一流出口15aと、前記第二電極室Dbに接続される第二流出口15bと、前記第二取出水路7bが接続される第二再入口16bと、前記第一取出水路7aが接続される第一再入口16aとして、右側から左側に順番に設けられている。
前述の内筒体20は、両端面(図2では右端だけを示す)が封止底面21a、21bとなり内部が中空となった両底円筒形状で形成されている。また、図2には図示しないが、内筒体20の軸方向中央位置には、内部空間を左右方向に仕切る仕切壁22(図3参照)が設けられている。
内筒体20の外周には、前記外筒体11の各開口等に対応する位置に、外筒体11の内周面11aに液密に嵌合する複数の凸部23,24,25,26が設けられた部分と、外筒体11の内周面11aとの間に隙間が生じるように円弧曲面の外周面27の部分とで構成されている。
前記凸部23,24,25,26は、それぞれ、内筒体20の軸方向中央右側位置に内筒体20の外周方向に沿って約90°以上に亘って設けられた長楕円形状の第一凸部23と、該第一凸部23の右側位置に該第一凸部23から内筒体20の外周方向に約90°離間して設けられた短楕円形状の第二凸部24と、内筒体20の軸方向中央左側位置に内筒体20の外周方向に沿って約90°以上に亘って設けられた長楕円形状の第三凸部25と、該第三凸部25の左側位置に該第三凸部25から内筒体20の外周方向に約90°離間して設けられた短楕円形状の第四凸部26として設けられている。
そして、前記第一凸部23の外周方向の両端位置には、第一案内孔28と第二案内孔29を外周方向に約90°の間隔を開けて形成して、内筒体20の内部空間と外部空間とを連通するように構成している。また、前記第二凸部24にも、第三案内孔30(図4参照)を形成して内筒体20の内部空間と外部空間とを連通するように構成している。そして、第三凸部25の外周方向の両端位置にも、第四案内孔31と第五案内孔32を外周方向に約90°の間隔を開けて形成して、内筒体20の内部空間と外部空間とを連通するように構成している。さらに、第四凸部26にも、第六案内孔33(図4参照)を形成して内筒体20の内部空間と外部空間とを連通するように構成している。
また、内筒体20の軸方向中央位置には、外方に突出して鍔状に形成された仕切鍔部34を設けている。この仕切鍔部34は、周囲に嵌め込まれた環状のゴム材34aによって、外筒体11の内周面11aに対して液密に嵌合するようにしている。この仕切鍔部34により、ダブルクロスライン弁1の内部で左側部分1Bから右側部分1Aへ、および、右側部分1Aから左側部分1Bへ、それぞれ水が流れ込まないようにしている。
さらに、内筒体20の右端と左端にも、外方に突出して鍔状となった密閉鍔部35、36を設けている。特に左端の密閉鍔部36は、周囲に嵌め込んだ環状のゴム材36aによって、外筒体11の内周面11aに対して液密に嵌合するようにしている。これにより、
ダブルクロスライン弁1の内部から水が漏れるのを防いでいる。
このように、ダブルクロスライン弁1は、これらの内筒体20の仕切鍔部34や各凸部23,24,25,26、各案内孔28,29,30,31,32,33等によって、ダブルクロスライン弁1内部の水の流れを規定することで、本発明の第一流路弁や第二流路弁として機能するようになっている。
具体的には、内筒体20の左端に設けた回転ボス軸37を介してダブルクロスライン弁モータm2の動力によって、内筒体20を回転操作することで、水の流れを自由に切り換えるように構成している。
次に、図3乃至図5を使って、この内筒体20の回転角度による水の流路変化について説明する。図3が内筒体20の回転角度位置が0°の場合、図4が内筒体20の回転角度位置が90°の場合、図5が内筒体20の回転角度位置が45°の場合をそれぞれ示している。なお、以下、「回転角度位置」について「位置」と略して説明する。
まず、図3(a)(b)に示すように、内筒体20の位置が0°の場合には、矢印に示す(図3(b)では一部を点線で示す)ように、外筒体11の第一流入口13aから入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第一流入口13aの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通って、外筒体11の第一流出口15aから外部に(電解槽Dに)流れ出る。一方、外筒体11の第二流入口13bから入った水は、内筒体20の第一案内孔28と第二流入口13bの位置が一致しているため、第一案内孔28を通過して内筒体20内の右側内部空間S1に流れ込む。そして、この流れ込んだ水は、内筒体20の第二案内孔29と第二流出口15bの位置が一致しているため、第二案内孔29を通過して、第二流出口15bから外部に(電解槽Dに)流れ出る(本発明の第一通路と第二通路に相当する)。
また、電解槽Dから流れ出た水は、外筒体11の第一再入口16aと第二再入口16bからダブルクロスライン弁1の左側部分1Bに入るが、矢印に示すように、外筒体1の第一再入口16aから入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第一再入口16aの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通って、外筒体11の第一再出口14aから外部に流れ出る。
一方、外筒体11の第二再入口16bから入った水は、内筒体20の第四案内孔31と第二再入口16bの位置が一致しているため、第四案内孔31を通過して内筒体20内の左側内部空間S2に流れ込む。そして、この流れ込んだ水は、内筒体20の第五案内孔32と第二再出口14bの位置が一致しているため、第五案内孔32を通過して、第二再出口14bから外部に流れ出る(本発明の第三通路と第四通路に相当する)。
次に、図4(a)(b)に示すように、内筒体20の位置が90°の場合には、矢印に示す(図4(b)では一部を点線で示す)ように、外筒体11の第一流入口13aに入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第一流入口13aの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通る。もっとも、第一流出口15aには、第二凸部24が存在して水の流れを止めているため、隙間wを通過した水は、第一流入口13aから斜め位置にあり、開放している第二流出口15bから外部に(電解槽Dに)流れ出ることになる。
一方、外筒体11の第二流入口13bに入った水は、内筒体20の第二案内孔29と第二流入口13bの位置が一致しているため、第二案内孔29を通過して内筒体20内の右側内部空間S1に流れ込む。もっとも、内筒体20の第三案内孔30と第一流出口15a
の位置が一致しているため、右側内部空間S1に流れ込んだ水は第三案内孔30を通過して、斜め位置の第一流出口15aから外部に(電解槽Dに)流れ出る。すなわち、この場合には、水の流路が「交差(クロス)」することになり、内筒体20の位置が0°の場合から流路が反転して切り換わるのである(本発明の第一通路と第二通路の切り換わりに相当する)。
また、電解槽Dから流れ出た水が、外筒体11の第一再入口16aと第二再入口16bに入るとき、矢印に示すように、外筒体11の第一再入口16aから入った水は、内筒体20の第六案内孔33と第一再入口16aの位置が一致しているため、第六案内孔33を通過して、内筒体20内の左側内部空間S2に流れ込む。そして、この流れ込んだ水は、内筒体20の第四案内孔31と第二再出口14bの位置が一致しているため、左側内部空間S2から第四案内孔31を通過して、第一再入口16aから斜め位置の第二再出口14bから外部に流れ出る。一方、外筒体11の第二再入口16bに入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第二再入口16bの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通る。もっとも、第四案内孔31と第二再出口14bの位置が一致しており、第二再入口16bに入った水が第二再出口14bから流れ出れないため、隙間wを通った水は、第二再入口16bから斜め位置にあり、開放している第一再出口14aから外部に流れ出る。すなわち、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bでも、内筒体20の位置が90°の場合には、水の流路が「交差(クロス)」することになり、内筒体20の位置が0°の場合から流路が反転して切り替わるのである(本発明の第三通路と第四通路の切り換わりに相当する)。
次に、図5に示すように、内筒体20の位置が45°の場合、矢印に示す(図5(b)では一部を点線で示す)ように、外筒体11の第一流入口13aに入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第一流入口13aの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通って、外筒体11の第一流出口15aと第二流出口15bから流れ出る。このとき、第一流出口15aには第二凸部24の一部分が重なるため、第一流出口15aからの流量がやや制限されて、第一流出口15aと第二流出口15bとの分流比率は、約40対60程度で水が分流されて、外部(電解槽D)に流れ出ることになる。一方、第一凸部23の孔28,29が形成されていない部分と第二流入口13bの位置が一致しているため、外筒体11の第二流入口13bには、第一凸部23が存在することで、水が流れ込まない。このため、ダブルクロスライン弁1の右側部分1Aでは、第一流入口13aから流れ込んだ水のみを、第一流出口15aと第二流出口15bに分流する分流弁として機能することになる(本発明の第一流路弁の分流に相当する)。
また、電解槽Dから流れ出た水は、外筒体11の第一再入口16aと第二再入口16bに入るが、矢印に示す(図5(b)では一部を点線で示す)ように、外筒体11の第一再入口16aから入った水は、内筒体20に対応する孔(つまり、第一再入口16aの位置と一致する内筒体20の孔)がないため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11aとの間の隙間wを通って、外筒体11の第一再出口14aから外部に流れ出る。また、外筒体11の第二再入口16bから入った水も、内筒体20の第三凸部25の孔31,32が形成されていない部分が第二再出口14bに位置するため、内筒体20の外周面27と外筒体11の内周面11bとの間の隙間wを通って、第一再出口14aから外部に流れ出る。このため、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bは、第一再入口16aと第二再入口16bから流れ込んだ水を、第一再出口14aに合流する合流弁としても機能する(本発明の第二流路弁の合流に相当する)。
この合流においても、第一再入口16aには、第四凸部26が一部重なるため、第一再入口16aからの流量がやや制限されて、第一再入口16aと第二再入口16bとの合流
比率は、約40対60程度で合流される。これは、前述の分流比率と一致する比率であるが、このようになる理由は、内筒体20に設けた第二凸部24と第四凸部26の、大きさ、形状、位相位置等を全く同じにして、また、この第二凸部24と第四凸部26を設けた内筒体20を、一体的に回転させているからである。
また、このように、ダブルクロスライン弁1の分流比率と合流比率とを、同じにしているため、電解槽D内の圧力等も、合流する前と合流した後とで変化しない。すなわち、単に、電解槽Dの下流位置で、それまで別々の流路だったものを合流させると、流量の増加した側の背圧が高まり、電解槽D内の圧力が変化する可能性があるが、電解槽Dの上流位置で下流位置の合流と同時に分流させることで、背圧の変化は生じないのである。よって、電解槽Dの内部に設けた隔膜Spに対して負担をかけることがない。
次に、電解水生成装置Mの制御方法について、図6〜図14に基づき説明する。
図6は電解水生成装置Mのシステムブロック図である。この図6に示すように、電解水生成装置Mの制御手段40は、中央位置に設定している。そして、この制御手段40には、スタートスイッチ41、電解水素水モードスイッチ42、電解酸性水モードスイッチ43、電解混合水モードスイッチ44、浄水モードスイッチ45、水量設定スイッチ46等の入力手段をそれぞれ接続している。これら入力手段は、作業者が操作する行為(押圧操作)によって、所定の入力信号を制御手段40に発信するように構成している。
また、制御手段40には、水源弁モータm1、ダブルクロスライン弁モータm2、流量制御弁モータm3、第一電極6a、第二電極6b等の出力手段を接続している。これらの出力手段は、制御手段40で演算処理して出力された制御信号を受けて作動する各作動機構や各作動要素である。
さらに、制御手段40には、作動時間等のカウントを行うタイマー47と、演算プログラム等を記憶する記憶手段48を接続している。加えて、図示しないが、様々な条件や水流情報等を検出する各種センサー等もこの制御手段40に接続している。
(メイン制御Fm)
図7は、電解水生成装置Mのメイン制御Fmのフローチャートである。電解水生成装置Mは、このメイン制御Fmによって主たる制御を行うようにしている。この図7に示すように、まず、S1で各種条件の読み込みを行う。ここでは、作業者が操作入力した情報や、前回の制御サイクル時の情報や、現在のタイマー値等の情報を読み込む。
次に、S2でスタートスイッチ41が押されたかを判断する。このスタートスイッチ41は電解水生成装置Mを作動(水の電解作動等)させるためのスイッチであり、このスタートスイッチ41が押された場合には、YESでS3に移行する。一方、スタートスイッチ41が押されていなければ、NOでS4に移行する。なお、電解水生成装置Mの主電源スイッチについては、図示しないが、このスタートスイッチ41とは別に設定している。
S3に移行すると、S3では、現在のモード状態で水源弁モータm1を作動させて水源弁2Aを開放して水の流れを開始させる。それと共に水の電気分解等も行う。この電気分解等については後述する各種モードの中で説明する。
その後、止水制御Fcに移行し、タイマー制御Ftに移行する。この止水制御Fc、タイマー制御Ftについても、後述する図12、図13で説明する。そして、タイマー制御Ftの後に、リターンに移行して、次の制御サイクルに移行する。
S4に移行すると、S4では、電解水素水モードスイッチ42が押されたかを判断する。この電解水素水モードスイッチ42は、第一電解水排出口10aから電解水素水が排水されるモードに切り換えるスイッチであり、この電解水素水モードスイッチ42が押された場合には、YESで電解水素水モードへの切換え制御F1に移行する。一方、電解水素水モードスイッチ42が押されていなければ、NOでS5に移行する。なお、電解水素水モードへの切換え制御F1については、図8で後述する。
S5に移行すると、S5では、電解酸性水モードスイッチ43が押されたかを判断する。この電解酸性水モードスイッチ43は、第一電解水排出口10aから電解酸性水が排水されるモードに切り換えるスイッチであり、この電解酸性水モードスイッチ43が押された場合には、YESで電解酸性水モードへの切換え制御F2に移行する。一方、電解酸性水モードスイッチ43が押されていなければ、NOでS6に移行する。なお、電解酸性水モードへの切換え制御F2については、図9で後述する。
S6に移行すると、S6では、電解混合水モードスイッチ44が押されたかを判断する。この電解混合水モードスイッチ44は、第一電解水排出口10aから電解混合水が排水されるモードに切り換えるスイッチであり、この電解混合水モードスイッチ44が押された場合には、YESで電解混合水モードへの切換え制御F3に移行する。一方、電解混合水モードスイッチ44が押されていなければ、NOでS7に移行する。なお、電解混合水モードへの切換え制御F3については、図10で後述する。
S7に移行すると、S7では、浄水モードスイッチ45が押されたかを判断する。この浄水モードスイッチ45は、第一電解水排出口10aから浄水が排水されるモードに切り換えるスイッチであり、この浄水モードスイッチ45が押された場合には、YESで浄水モードへの切換え制御F4に移行する。一方、浄水モードスイッチ45が押されていなければ、NOでリターンに移行する。なお、浄水モードへの切換え制御F4については、図11で後述する。
以上の制御ステップが、電解水生成装置のメイン制御Fmのステップである。次に、各モードの制御フローについて各図を利用して説明する。
(電解水素水モードへの切換え制御F1)
図8は、電解水素水モードへの切換え制御F1のフローチャートである。この図8に示すように、まず、S10で直前(前回)のモードが電解水素水モードかを判断する。電解水素水モードである場合には、YESでS11に移行する。電解水素水モードでない場合には、NOでS12に移行する。S11では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
一方、S12では、直前(前回)のモードが電解酸性水モードかを判断する。電解酸性水モードである場合には、YESでS13に移行する。電解酸性水モードでない場合には、NOでS14に移行する。S13では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
S14では、直前(前回)のモードが電解混合水モード、又は浄水モードかを判断する。電解混合水モード、又は浄水モードである場合には、YESでS15に移行する。電解混合水モード、又は浄水モードでない場合には、NOでリターンに移行する。
S15では、2つ前の制御サイクルのモードで、ダブルクロスライン弁1の位置が0°だったかを判断する。0°であった場合には、YESでS16に移行し、0°でなかった場合には、NOでS17に移行する。
S16では、ダブルクロスライン弁1の位置を90°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。一方、S17では、ダブルクロスライン弁1の位置を0°に切り換えとするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。こうした制御を行うのは、ダブルクロスライン弁1の位置をできるだけ1つの角度だけに偏らせることなく、90°と0°を均等に使うことで、電極6a,6bや隔膜Spへの負担を軽減して、電解槽Dを長期間使用できるようにするためである。
S11、S13、S16、S17でダブルクロスライン弁1の位置制御を行った後は、全てS18に移行する。S18では、ダブルクロスライン弁1の位置が0°か、を判断する。ダブルクロスライン弁1の位置が0°であった場合には、YESでS19に移行し、0°でなかった場合、すなわちダブルクロスライン弁1の位置が90°であった場合には、NOでS20に移行する。
S19では、「電極モードA」で第一電極6aと第二電極6aが制御されて、S20では、「電極モードB」で第一電極6aと第二電極6aが制御される。ここで、「電極モードA」とは、第一電極6aが陰極(マイナス極)に制御されて、第二電極6bが陽極(プラス極)に制御される電極モードである。一方、「電極モードB」とは、第一電極6aが陽極(プラス極)に制御されて、第二電極6bが陰極(マイナス極)に制御される電極モードである。
このように、第一電極6aと第二電極6bとが二つの電極モードで制御されることで、「電極モードA」の時には、第一電極室Daが陰極室になり、第一電極室Daで電解水素水が生成されて、第二電極室Dbが陽極室になり、第二電極室Dbで電解酸性水が生成されることになる。
一方、「電極モードB」の時には、第一電極室Daが陽極室になり、第一電極室Daで電解酸性水が生成されて、第二電極室Dbが陰極室になり、第二電極室Dbで電解水素水が生成されることになる。
すなわち、電極モードAと電極モードBとでは、それぞれ電極6a,6bの極が反転することで、第一電極室Daでも第二電極室Dbでも、電解水素水と電解酸性水をそれぞれ生成することができるのである。
その後、S19、S20からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
この電解水素水モードへの切換え制御F1の次の制御サイクルで、作業者がスタートスイッチ41を押す(S2)と、原水が電解水生成装置Mに流れて、第一電解水排出口10aから電解水素水が排水されるのである。
具体的には、電解水素水モードにおいて、水源弁モータm1を作動させて水源弁2Aを開放する(S3)と、原水が浄水器Jを流れて浄化されて浄水となり、この浄水が、分岐路3、第一入水路4a、第二入水路4bをそれぞれ通過して、第一流入口13aと第二流入口13bからダブルクロスライン弁1の右側部分1Aに入る。
このとき、ダブルクロスライン弁1の位置が0°の場合には、図3の状態で水の流路が規定されているため、第一流入口13aから入った浄水は、第一流出口15aから電解槽Dの第一電極室Daへ流れ込む。また、第二流入口13bから入った浄水は、第二流出口15bから電解槽Dの第二電極室Dbへ流れ込む。
そして、電極モードAで、第一電極室Daが陰極室に制御されて、第二電極室Dbが陽極室に制御されているため、第一電極室Daの浄水は、電解水素水に電解されて、第二電極室Dbの浄水は、電解酸性水に電解されることになる。
そしてその後、第一電極室Daの電解水素水は、第一取出水路7aを通って、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bに第一再流入口16aから入り第一再出口14aから出る。そして、この電解水素水が第一排水路8aを通って第一電解水排水口10aから排水されるのである。
一方、第二電解室Dbの電解酸性水は、第二取出水路7b、ダブルクロスライン弁1Aの第二再流入口16b、第二再出口14b、第二排水路8bという経路を順に通過して、第二電解排水口10bから排水されることになる。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mは、電解水素水モードに切り換えた上で、スタートスイッチ41を押して水の電気分解を行った場合には、第一電解排水口10aからは電解水素水を排水することができ、第二電解排水口10bからは電解酸性水を排水することができる。
(電解酸性水モードへの切換え制御F2)
図9は、電解酸性水モードへの切換え制御F2のフローチャートである。この図9に示すように、まず、S21で直前(前回)のモードが電解水素水モードかを判断する。電解水素水モードである場合には、YESでS22に移行する。電解水素水モードでない場合には、NOでS23に移行する。S22では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
一方、S23では直前(前回)のモードが電解酸性水モードかを判断する。電解酸性水モードである場合には、YESでS24に移行する。電解酸性水モードでない場合には、NOでS25に移行する。S24では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
S25では直前(前回)のモードが電解混合水モード、又は浄水モードかを判断する。電解混合水モード、又は浄水モードである場合には、YESでS26に移行する。電解混合水モード、又は浄水モードでない場合には、NOでリターンに移行する。
S26では、2つ前の制御サイクルのモードで、ダブルクロスライン弁1の位置が0°だったかを判断する。0°であった場合には、YESでS27に移行し、0°でなかった場合には、NOでS28に移行する。
S27では、ダブルクロスライン弁1の位置を90°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。一方、S28では、ダブルクロスライン弁1の位置を0°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。ここでも、こうした制御を行うのは、前述のS16、S17と同様に、ダブルクロスライン弁1の位置をできるだけ1つの角度だけに偏らせることなく、90°と0°を均等に使うことで、電極6a,6bや隔膜Spへの負担を少なくして、電解槽Dを長期間使用できるようにするためである。
S22、S24、S27、S28でダブルクロスライン弁1の位置の制御を行った後は、全てS29に移行する。S29では、ダブルクロスライン弁1の位置が0°か、を判断する。ダブルクロスライン弁1の位置が0°であった場合には、YESでS30に移行し、0°でなかった場合、すなわち90°であった場合には、NOでS31に移行する。S30では、電極モードB、すなわち、第一電極6aが陽極(プラス極)に制御されて、第二電極6bが陰極(マイナス極)に制御される。一方、S31では、電極モードA、すなわち、第一電極6aが陰極(マイナス極)に制御されて、第二電極6bが陽極(プラス極)に制御される。
その後、S30、S31からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
この電解酸性水モードへの切換え制御F2の次の制御サイクルで、作業者がスタートスイッチ41を押す(S2)と、原水が電解水生成装置Mを流れて、第一電解水排出口10aから電解酸性水が排水されるのである。
ここで、電解酸性水モードへの切換え制御F2は、電解水素水モードへの切換え制御F1と比較して、電極モードだけが異なるため、具体的には、この電極モードの点だけを説明する。すなわち、ダブルクロスライン弁1の位置が0°であった場合には、電極モードBに移行して、ダブルクロスライン弁1の位置が90°であった場合には、電極モードAに移行するため(S29、S30、S31)、第一電極室Daでは、電解水素水ではなく電解酸性水が生成されて、第二電解室Dbでは、電解酸性水でなく電解水素水が生成されるのである。
よって、電解酸性水モードへの切換え制御F2では、第一電解水排出口10aから電解水素水ではなく電解酸性水が排水されることになり、第二電解水排出口10bからは、電解酸性水でなく、電解水素水が排水されることになる。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mは、電解酸性水モードに切り換えた上で、スタートスイッチ41を押して水の電気分解を行った場合には、第一電解排水口10aからは電解酸性水を排水することができ、第二電解排水口10bからは電解水素水を排水することができる。
ところで、第一電解水排出口10aからの排水量を増やして、第二電解水排出口10bからの排水量を減らしたい場合には、流量制御弁5,9を作動させればよい。すなわち、図示しないスイッチによって流量制御弁モータm3で作動させ、流量制御弁5,9を操作することで、第二入水路4bと第二排水路8bの流量を絞れば、第一入水路4aと第一排水路8aの流量が増加する(第一入水路4aと第一排水路8aの分流比率が高まる)。このため、第一電解水排出口10aからの排水量が増加し、第二電解水排出口10bからの排水量が減少するのである。なお、この流量制御弁5,9の作動は作業者の要求に応じて行えばよい。
(電解混合水モードへの切換え制御F3)
図10は、電解混合水モードへの切換え制御F3のフローチャートである。この図10に示すように、まず、S32で直前(前回)のモードが電解水素水モードかを判断する。電解水素水モードである場合には、YESでS33に移行する。電解水素水モードでない場合には、NOでS34に移行する。S33では、ダブルクロスライン弁1の位置を45°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
一方、S34では直前(前回)のモードが電解酸性水モードかを判断する。電解酸性水モードである場合には、前述のS32と同様に、YESでS33に移行する。電解酸性水モードでない場合には、NOでS35に移行する。
S35では直前(前回)のモードが電解混合水モード、又は浄水モードかを判断する。電解混合水モード、又は浄水モードである場合には、YESでS36に移行する。電解混合水モード、又は浄水モードでない場合には、NOでリターンに移行する。
S36では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。これは、前回のモードが電解混合水モードか、又は浄水モードである場合には、そもそもダブルクロスライン弁1の位置は45°であるため、そのまま位置を変える必要がないからである。
S33、S36でダブルクロスライン弁1の位置の制御を行った後は、全てS37に移行する。S37では、電極モードの制御が行われるが、電極モードA、電極モードBはそのまま、という制御が行われる。これは、電解混合水モードでは、電極モードが何れであっても、最終的に生成されるのが電解混合水であることから、第一電極室Daと第二電極室Dbで、何れの電解水が生成されたとしても影響が生じないからである。
その後、S37からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
この電解混合水モードへの切換え制御F3の次の制御サイクルで、作業者がスタートスイッチ41を押す(S2)と、原水が電解水生成装置Mを流れて、電解混合水が第一電解水排出口10aから排水されるのである。
具体的には、電解混合水モードにおいて、水源弁モータm1を作動させて水源弁2Aを開放する(S3)と、原水が浄水器Jを流れて浄化されて浄水となり、この浄水が、分岐路3、第一入水路4a、をそれぞれ通過して、第一流入口13aからダブルクロスライン弁1の右側部分1Aに入る。
このとき、ダブルクロスライン弁1が45°位置で、図5の位置で水の流路が規定されるため、第一流入口13aから入った浄水は、第一流出口15aと第二流出口15bに分流されて、それぞれ電解槽Dの第一電極室Daと第二電極室Dbへ流れ込む。一方、第二流入口13bからの浄水は、第一凸部23で封鎖されているため、ダブルクロスライン弁1内に流れ込むことはない。
そして、例えば、電極モードが電極モードAであれば、第一電極室Daが陰極室に、第二電極室Dbが陽極室に制御されているため、第一電極室Daに入った浄水は、電解水素水に電解されて、第二電極室Dbに入った浄水は、電解酸性水に電解される。
そしてその後、第一電極室Daの電解水素水は、第一取出水路7aを流れてダブルクロスライン弁1の第一再流入口16aに入り、第二電極室Dbの電解酸性水は、第二取出水路7bを流れてダブルクロスライン弁1の第二再流入口16bに入る。
そして、この電解水素水と電解酸性水が、ダブルクロスライン弁1の左側部分1Bで合流して、電解混合水として第一再出口14aから出る。そして、この電解混合水が、第一排水路8aを流れて第一電解水排水口10aから排水されるのである。なお、第二電解水排水口10bからは、第二再出口14bが第三凸部25で封鎖されているため、電解混合水等が排水されることはない。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mは、電解混合水モードに切り換えた上で、スタートスイッチ41を押して水の電気分解を行った場合には、第一電解排水口10aからは電解混合水を排水することができる。
すなわち、浄水は、ダブルクロスライン弁1の右側部分1Aで分流されてから、電解槽Dに送られて、電解槽Dで電気分解が行われた後に、ダブルクロスライン1の左側部分1Bで合流されて、電解混合水として排水されるのである。
特に、本実施形態では、ダブルクロスライン弁1の分流比率と合流比率を同じにしているため、混合水モードへの切り換える前と後で、電解槽Dの内部圧力は変化しない。このため、電解槽Dの隔膜Spに対して負担を与えることがない。よって、本実施形態によると、電解槽Dを長期間使用することができる。
(浄水モードへの切換え制御F4)
図11は、浄水モードへの切換え制御F4のフローチャートである。この図11に示すように、まず、S40で直前(前回)のモードが電解水素水モードかを判断する。電解水素水モードである場合には、YESでS41に移行する。電解水素水モードでない場合には、NOでS42に移行する。S41では、ダブルクロスライン弁1の位置を45°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。
一方、S42では直前(前回)のモードが電解酸性水モードかを判断する。電解酸性水モードである場合には、前述のS40と同様に、YESでS41に移行する。電解酸性水モードでない場合には、NOでS43に移行する。
S43では直前(前回)のモードが電解混合水モード、又は浄水モードかを判断する。電解混合水モード、又は浄水モードである場合には、YESでS44に移行する。電解混合水モード、又は浄水モードでない場合には、NOでリターンに移行する。
S44では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。これは、前回のモードが電解混合水モードか、又は浄水モードである場合には、ダブルクロスライン弁1の位置が45°であるため、そのまま位置を変える必要がないからである。
S41、S44でダブルクロスライン弁1の位置の制御を行った後は、全てS45に移行する。S45では、電極モードA、電極モードBはそのまま、という制御を行う。もっとも、電気分解は行わないように制御する。これは、電極モードの設定自体は変化させないものの、次の制御サイクルで、スタートスイッチ41が押されて、水の供給が行われる場合であっても、図7のS3で電気分解を行わない(電力供給を停止する)という制御を行うものである。これにより、浄水を浄水のままで電解槽Dに流すことができる。
その後、S45からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
この浄水モードへの切換え制御F4の次の制御サイクルで、作業者がスタートスイッチ41を押す(S2)と、原水が電解水生成装置Mを流れて、浄水がそのまま第一電解水排出口10aから排水されるのである。
なお、具体的な水の流れについては、前述の電解混合水モードの場合と同じであり、第一電極6aと第二電極6bに電力供給が行われていないだけなので、説明を省略する。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mでは、浄水モードに切り換えた上で、スタートスイッチ41を押した場合には、第一電解排水口10aからは浄水を排水することができる。このように浄水モードを有することにより、本実施形態の電解水生成装置では、電解混合水等の電解水だけでなく、浄水も得ることができる。
また、こうした浄水モードで、電解槽D内を浄水が流れることにより、電解槽D内の隔膜Spや第一電極6a、第二電極6bを浄水で洗浄できるため、電解槽Dの寿命をより長くすることができる。
(止水制御Fc)
図12は、止水制御Fcのフローチャートである。この止水制御Fcは、設定水量に達して止水した場合、又は、電解制御等の途中で再度スタートスイッチ41が押されて止水した場合には、ダブルクロスライン弁1の停止位置を、どこにするのかを決定するための制御である。なお、設定水量については、水量設定スイッチ46によって、作業者が水量を設定する。例えば、10リットルから10リットル刻みで2000リットルまでの水量を設定することが考えられる。
この図12に示すように、まず、S50で、継続して流した水量が設定水量に達して止水したか、又は再度スタートスイッチ41が押されて止水したか、を判断する。止水しない場合には、NOでリターンに移行する。この場合には、図7のメイン制御Fmのフローに戻って、そのまま継続して水を流す。一方、止水した場合には、YESでS51に移行する。
S51では、現在のモードが、電解混合水モード、又は浄水モードかを判断する。電解混合水モード、又は浄水モードの場合には、YESでS52に移行する。一方、電解混合水モード、又は浄水モードでない場合には、NOでS53に移行する。
S52では、ダブルクロスライン弁1の位置はそのまま、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。これは、ダブルクロスライン弁1の位置を45°としておくことで、次回ダブルクロスライン弁1を作動させる際に、45°の位置へはもちろん、0°の位置へも、90°の位置へも、移動させやすいからである。
S53では、現在のモードが電解水素水モードかを判断する。電解水素水モードである場合には、YESでS54に移行する。電解水素水モードでない場合には、NOでS55に移行する。S55では、現在のモードが電解酸性水モードかを判断する。電解酸性水モードである場合には、YESで同様にS54に移行する。電解酸性水モードでない場合には、NOでリターンに移行する。
S54では、ダブルクロスライン弁1の位置が0°か、を判断する。ダブルクロスライン弁1の位置が0°の場合には、YESでS56に移行する。ダブルクロスライン弁1の位置が0°でない、すなわち、ダブルクロスライン弁1の位置が90°の場合には、S57に移行する。
S56では、ダブルクロスライン弁1の位置を90°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。これは、この期間までダブルクロスライン弁1の位置が0°にあることから、次回の電気分解時に、ダブルクロスライン弁1の位置を90°にすることで、ダブルクロスライン弁1の位置が0°に偏らないようにするためである。
一方、S57では、ダブルクロスライン弁1が90°の位置に累計で12回停止しているかを判断して、停止をしていたら、逆回転してクリーニング動作を行う。これは、長期間使用していると、ダブルクロスライン弁1の内部もスケール等で汚れるため、内筒体20を逆回転させることで、ダブルクロスライン弁1の内部を洗浄するのである。なお、クリーニング動作を行った後、90°の位置の累計停止回数の値をゼロにリセットする。
そしてその後、S58では、ダブルクロスライン弁1の位置を0°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。これは、この期間までダブルクロスライ
ン弁1の位置が90°にあることから、次回の電気分解時に、ダブルクロスライン弁1の位置を0°にすることで、ダブルクロスライン弁1の位置が90°に偏らないようにするためである。
その後、S52、S56、S58からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mでは、止水制御Fcを行うことにより、水の流れが止まって電気分解が終わった際に、ダブルクロスライン弁1の停止位置がそれぞれのモードによって切り換わる。よって、ダブルクロスライン弁1の流路に偏りが生じないため、電解槽Dの寿命も長くすることができる。また、ダブルクロスライン弁1自体の洗浄も独自に行うため、ダブルクロスライン弁1の寿命も長くすることができる。
(タイマー制御Ft)
図13は、タイマー制御Ftのフローチャートである。このタイマー制御Ftは、電極6a,6bに付着したスケールを除去するために、一定時間以上継続して電気分解を行った場合には、一旦水の流れを止めて、電極6a,6bの極性を反転させてから、再度水の流れを開始する制御である。
この図13に示すように、まず、S60で、現在のモードは電解混合水モードか、を判断する。電解混合水モードの場合には、YESで電解混合水モードの電極制御Faに移行する。この電解混合水モードの電極制御Faについては、図14で後述する。
電解混合水モードでない場合には、NOでS61に移行する。このS61では、電気分解を20分以上行っているか、を判断する。すなわち、一定時間以上、電気分解を継続しているのかを判断するのである。なお、この20分は、あくまで目安の値であり、この時間に限定されるものではない。
電気分解を20分以上行っていた場合には、YESでS62に移行する。電気分解を20分以上行っていない場合には、NOでリターンに移行する。S62では、水源弁モータm1を作動させて水源弁2Aを閉じて止水する。すなわち、一旦、水の流れを止めるのである。これは、後述する電極6a,6bの反転時に、第一電解水排出口10aと第二電解水排出口10bから排水される電解水素水と電解酸性水が、意図せずに混合してしまうのを防ぐためである。
その後、S63で、ダブルクロスライン弁1の位置が0°か、を判断する。ダブルクロスライン弁1の位置が0°の場合には、YESでS64に移行する。一方、ダブルクロスライン弁1の位置が0°でない、すなわち、ダブルクロスライン弁1の位置が90°の場合には、S65に移行する。
S64では、ダブルクロスライン弁1の位置を90°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。すなわち、ダブルクロスライン弁1の位置を0°から90°に切り換えて、水の流路を切り換えるのである。
一方、S65では、ダブルクロスライン弁1の位置を0°に切り換え、とするダブルクロスライン弁モータm2の制御を行う。すなわち、この場合は、逆に、ダブルクロスライン弁1の位置を90°から0°に切り換えるのである。
その後、S64からS66に移行する。S66では、現在の電極モードから他方の電極モードへ切り換えを行う。すなわち、電極モードAであれば電極モードBへ切り換えて、
電極モードBであれば電極モードAへ切り換えるのである。これにより、第一電極6aと第二電極6bとの極を反転させて、第一電極室Daと第二電極室Dbで生成される電解水素水と電解酸性水を、切り換えるのである。
また、S65からS67に移行して、現在の電極モードから他の電極モードへ切り換えを行う。ここでも、第一電極6aと第二電極6bとの極を反転させて、第一電極室Daと第二電極室Dbとの極を反転させ、各電極室Da,Dbで生成される電解水を、切り換えるのである。
その後、S66、S67からS68に移行する。S68では、一旦止めておいた水の流れを、水源弁モータm1を作動させて水源弁2Aを開放し、再開する。こうして、電解水素水と電解酸性水が混合することなく、水が電気分解されることになる。
そして、Fa、S68からリターンに移行して、図7のメイン制御Fmのフローに戻る。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mで、タイマー制御Ftを行うことにより、第一電極6aと第二電極6bの極性が定期的に切り換えられるため、電極6a,6bへのスケールの付着が抑えられて、第一電極6aと第二電極6bの寿命を長くすることができる。また、定期的にイオンの移動方向も変化するため、隔膜Spに対する負担も軽減でき、隔膜Spの寿命を長くすることができる。
(電解混合水モードの電極制御Fa)
図14は、電解混合水モードの電極制御Faのフローチャートである。この図14に示すように、まず、S70で、電気分解を20分以上行っているか、を判断する。すなわち、ここでも一定時間以上、電気分解を継続しているのかを判断するのである。
電気分解を20分以上行っていない場合には、NOでS71に移行する。一方、電気分解を20分以上行っていた場合には、YESでS72に移行する。
S71では、そのままの電極モードで電気分解を行う。これは、まだ一定時間以上同じ電極モードで電気分解していないことから、電極6a,6bにスケール等が付着していないため、そのままの電極モードで電気分解を行うのである。
一方、S72では、電気分解を停止する。これは、一定時間以上継続して同じ電極モードで電気分解していることで、電極6a,6bにスケールが付着している可能性が高いため、一旦電気分解を止めるのである。
その後、S73に移行して、電気分解停止後5秒ほど待機する。これは、電解槽D内でのイオンの移動を抑えて、電解槽D内を安定化させるためである。そして、S74で、現在の電極モードが電極モードAか、を判断する。
このS74の判断で、電極モードAの場合には、S75に移行して、電極モードBに切り換える。一方、電極モードAでない場合、すなわち電極モードBの場合には、S76に移行して、電極モードAに切り換える。こうして、今までの電極モードとは逆の電極モードに切り換えて、電極6a,6bの極を反転させる。これにより、電極6a,6bに付着したスケールを除去する。
その後、S77に移行して、切り換え後2秒ほど待機する。これも、電解槽D内の安定化のためである。そしてその後、S78に移行して、水の電気分解を再開する。
こうして、S71、S78からリターンに移行して、図13のタイマー制御Ftのフローに戻る。
このように、本実施形態の電解水生成装置Mでは、電解混合水モードの電極制御Faを行うことにより、電解混合水モードであっても、第一電極6aと第二電極6bの極性が定期的に切り換えられるため、電極6a,6bへのスケールの付着が抑えられて、第一電極6aと第二電極6bの寿命を長くすることができる。また、イオンの移動方向も定期的に変わるため、隔膜Spへの負担も軽減でき、隔膜Spの寿命もさらに長くすることができる。そして、特に、この電解混合水モードの電極制御Faでは、水の流れを止めずに電極6a,6bの極性を切り換えることができるため、電解混合水等の排水量を減少させることもない。
本実施形態の電解水生成装置は、以上の制御方法で制御されることにより、次の効果を奏する。
電解混合水を生成する際に、ダブルクロスライン弁1によって、電解槽Dの下流位置で電解酸性水と電解水素水を合流させたとしても、電解槽Dの上流位置で浄水を合流比率と同じ比率で第一電極室D1と第二電極室D2に分流するため、第一電極室D1と第二電極室D2との間で圧力変化が生じず、隔膜Spに負荷が生じることはない。よって、電解水生成装置Mで電解混合水を生成しつつも、電解槽Dの隔膜Spの負担を軽減して、電解槽Dの寿命を長くすることができる。
また、電解混合水モードの電極制御Faによって、第一電極6aの極性と第二電極6bの極性を、所定時間経過後に反転させるため、電極6a,6bに付着したスケールを除去することができる。よって、電解槽Dの電解力を長期間維持することができる。また、隔膜Spに対しても、電極6a,6bの極性が反転するため、イオンの移動方向が反転するため、イオン移動に偏りが生じず、隔膜Spの負担も軽減できる。したがって、電極6a,6bの寿命を延ばすことができると共に、隔膜Spの性能も長期間維持することができる。
また、浄水モードへの切換え制御F4で、電解水生成装置Mを浄水モードとすることによって、第一電解水排水口10aからは、浄水がそのまま排水されて、電解水に加えて浄水も得ることができる。そして、浄水がそのまま電解槽D内に流れることで、電解槽Dの隔膜Spや電極6a,6b等を洗浄できるため、隔膜Sp等の寿命も長くすることができる。よって、電解混合水以外に浄水も得ることができる。また、隔膜や電極等の寿命も長くすることもできる。
なお、本実施形態では、浄水器Jを設置した電解水生成装置Mで説明したが、浄水器Jを設置しない電解水生成装置であってもよい。この場合には、原水がそのまま、電解槽Dを流れることになり、原水がそのまま排水されることになる。
また、第一電極6aと第二電極6bの極性を反転させる場合には、ダブルクロスライン弁1で、電解槽Dの上流位置と電解槽Dの下流位置で、それぞれ流路を切り換えるため、電極6a,6bの極性を反転させたとしても、第一電解水排水口10aと第二電解水排水口10bから排水される電解水の極性に変化をさせることなく、確実に、電解水素水と電解酸性水を得ることができる。また、電解槽Dの第一電解室Daと第二電解室Dbとから流れ出る電解水の比率に対して、電解槽Dの第一電解室Daと第二電解室Dbとへ流れ込む原水の比率も同じ比率で変化するため、隔膜Spにも負担を与えず、さらに、隔膜Spの寿命を長くすることができる。
また、本実施形態の電解水生成装置Mでは、一つのダブルクロスライン弁1で、二つの弁体の機能を得ているため、駆動手段もダブルクロスライン弁モータm2の1つで足りる。このため、弁体を二つで構成するものよりも、制御上も、コスト上も、レイアウトスペース上も、有利になる。特に、制御上においては、電解槽Dの上流位置と下流位置で、必ず同期して作動しなければならないが、一つのダブルクロスライン弁1で構成しているため、二つの弁体の同期を図る必要がない。
また、本実施形態の電解水生成装置Mによると、一つの装置で選択的に電解水素水、電解酸性水、電解混合水および浄水を得ることができるため、様々な用途に適用することができる。特に、本実施形態の電解水生成装置Mで得られる電解混合水については、植物の育成に特に好適に適用される。
以上のように、1つの実施形態を説明したが、本発明は、その目的の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜、変更をしてもよく、この実施形態に限定されるものではない。