JPH06292890A

JPH06292890A - 複数本の電解槽ユニットを有する連続式電解整水装置

Info

Publication number: JPH06292890A
Application number: JP10761493A
Authority: JP
Inventors: Tatsuo Okazaki; 龍夫岡崎
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-04-09
Filing date: 1993-04-09
Publication date: 1994-10-21

Abstract

(57)【要約】〔目的〕印加電圧の極性転換に対して、複数の電解槽
ユニットから生成される目的の電解水のｐＨ値、水量等
を一定に保持する。〔構成〕偶数の電解槽ユニットを使用する電解整水装
置において、半数の電解槽ユニットと残りの半数の電解
漕ユニットが、その内側電極室と外側電解室の極性配置
において相互に逆極性になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の利用分野】本発明は水を電解してアルカリイオ
ン水と酸性水を生成する連続式の電解整水装置に関し、
特に、複数の電解槽ユニットを具備し、電極の極性を正
逆転換して電解水を生成する装置の改良に関する。

【従来の技術】

【０００２】給水側から導入した水を有隔膜電解槽ユニ
ットで電解し、得られたアルカリイオン水と酸性水を一
対の排水管から各別に排出する連続式の電解整水装置に
は、一般に、内側電極と外側電極間を、筒状の電解隔膜
で内外一対の電極室に仕切った複数本の電解槽ユニット
が使用されている。また、この種電解槽ユニットはアル
カリ水を生成する陰極室にカルシウムなどが折出物し易
いため、陽極−陰極両用の使用に耐える材質の電極を使
用し、一定時間毎に両極の極性を正逆転換してカルシウ
ムを溶解させることが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の各
電解ユニットは内側電極室と外側電極室の流通断面積が
異なり、また電極の極性配列が同じ複数の電解槽ユニッ
トを使用しているため、各電極への印加電圧極性を転換
すると、電解室の入れ替わりによりアルカリ水と酸性水
の流量比が逆転し、目的の電解水のｐＨ、電流、電解効
率、取水量等が変化してしまう。このため、品質の均一
な電解水を連続生成できない、という問題があった。

【０００４】また、印加電圧の極性を正逆転換して使用
する電極の材質には、カーボンのように外筒電極として
の耐圧性を欠くものや、チタン、チタン白金メッキのよ
うに耐圧性はあっても高価なために耐圧に必要な厚さに
するとコスト高になってしまうと云う問題があった。

【０００５】従って、本発明の第１の目的は、複数の電
解槽ユニットを使用した正逆極性転換式の電解整水装置
において、電極の極正を逆転しても目的の電解水のｐＨ
値、取水量等が変わらない連続式電解整水装置を提供す
ることにある。

【０００６】本発明の第２の目的は陰極−陽極両用の材
質からなる外筒電極が、給水圧に耐え得るようにした上
記の連続式電解整水装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明は、極性の異なる内側電極と外側電極間を、電解隔膜
によって筒状の内側電極室と外側電極室に仕切り、一側
から給水した水をアルカリ水と酸性水に電解して各別の
排水路から排水する偶数本の電解槽ユニットを備え、両
電極の極性を正逆転換して電解整水運転がなされる連続
式電解整水装置であって、半数の電解槽ユニットの内側
電極室と、残りの半数の電解槽ユニットの外側電極室が
同極性となるように構成したことを特徴とする。各電解
槽ユニットは、同極の電解室に連通する排水路がそれぞ
れ共通の排水管路に接続されている。

【０００８】上記第２の目的のために、本発明は、外筒
電極の外側を耐圧補強部材で被覆したことを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】電解整水装置に使用されている偶数の電解槽ユ
ニットのうち、その半数の内側電極室と残り半数の電解
槽ユニットの外側電解室の極性を同じくしてあるので、
装置全体の内側出極室と外側電極室の面積はほぼ等しく
なる。従って、電極の極性を正逆転換しても各電極ユニ
ットから排水される目的の電解水全体のｐＨ値、電解電
流、電解効率及び電解水の流量等はかわらず、一定であ
る。

【００１０】外筒電極の外側が耐圧補強部材で被覆され
ているので、給水圧に対する充分な強度が付与される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面に基づい
て説明する。電解整水装置１は、水を電解してアルカリ
水と酸性水を各別に排水する偶数本（図では２本）の電
解槽ユニット２ａ、２ｂを具備している。図１、図２に
示すように、各電解槽ユニット２ａ、２ｂは、筒状の外
側電極３内に内側電極４を同心的に配設し、内外電極
３、４間を筒状の電解隔膜５によって、内側電極室６ａ
と外側電極室６ｂに仕切られている。

【００１２】電解槽ユニット２ａ、２ｂは、外側電極３
と内側電極４に印加される水電解用の直流電圧の極性を
所定時間毎に交互に切り換え、これにより、陰極として
の使用中に付着したカルシウム等を、陽極として使用し
ている間に溶解させる機能を有している。

【００１３】このように電極の極性を正逆に切り換えて
運転される電解槽ユニットは、陰極・陽極両用の使用に
耐えうる材質の電極を使用するのが一般的であるが、本
発明の電解槽ユニットはこれに限定されず、例えば、カ
ーボン電極のように、通常は陰極・陽極両用には不適切
であるが、使用の方法により極性を転換して運転できる
ようにしたものを含む。すなわち、カーボン電極を使用
した場合でも、付着したカルシウムが表面を被覆してい
る間は陽極崩壊が生じないので、カルシウムが完全に溶
解してしまわないうちに電極の極性を切り換えるように
することにより、永久電極として使用することが可能に
なる。なお、この場合、電極に付着したカルシウムの溶
解度は電解水のｐＨ値変化、電解時間の長さ、電解電流
の変化などによって知ることが可能である。したがっ
て、電極表面のカルシウムが完全に溶解しないうちに極
性を切り換えるタイミング制御は、電解水のｐＨ値の変
化、電解時間、電流変化等に基づいて行うことができ
る。

【００１４】このように、電極の極性を正逆転換して電
解水を生成する方式の電解整水装置において、本発明で
は、一方の電解槽ユニット２ａの外側電極３と他方の電
解槽ユニット２ｂの内側電極４に、一方の極性の電解電
圧回路８ａが、電圧極性切換装置７を介して接続されて
いるとともに、一方の電解槽ユニット２ａの内側電極４
と、他方の電解槽ユニット２ｂの外側電極３に、他方の
極性の電解電圧回路８ｂが、電圧極性切換装置７を介し
て接続されている。すなわち、本発明の電解槽ユニット
２ａ、２ｂは、内側電極室６ａと外側電極室６ｂの極性
配置が相互に逆になるように構成されている。

【００１５】かくして、各電解槽ユニット２ａ、２ｂ
は、給水管９から送られる水道水などの原水を一側から
導入し、電極３、４に直流電圧を印加してアルカリ水と
酸性水を生成するとともに、得られたアルカリ水と酸性
水を他側の一対の排出路１０、１１から排出するもので
あるが、電解槽ユニット２ａ、２ｂは内側電極室６ａと
外側電極室６ｂの極性配置が相互に逆になっているの
で、同質の電解水を共通の排水管路１２、１３からそれ
ぞれ排出するために、一方の電解槽ユニット２ａの外側
電極室６ｂに連通する排出路１０と、他方の電解槽ユニ
ット２ｂの内側電極室６ａに連通する排水路１１とを、
共通排水管１２に合流させるとともに、同様に、一方の
電解槽ユニット２ａの内側電極室６ａに連通する排水路
１１と、他方の電解層ユニット２ｂの外側電解室６ｂに
連通する排水路１０とを、別の共通排水管路１３に接続
してある。

【００１６】共通排水管路１２、１３には流路切換用の
四方弁１４が設けられており、電圧極性切換装置７とこ
の四方弁１４を連動させることにより、電極３、４への
極性転換に対して、蛇口１５から同質の電解水が連続的
に取り出されるようにしてある。

【００１７】尚、図中、１６ａ、１６ｂは、アルカリ水
と酸性水の流路を切換えて共通の蛇口１５から選択的に
取出すための切換弁である。

【００１８】ところで、陰極−陽極両用の電極材料とし
ては、カーボンのほか、チタン合金、チタン白金メッキ
などの貴金属系のものが使用されているが、前者は電解
槽の外筒電極として使用したときに、耐圧性などの強度
が不足する場合があり、また、後者は厚くすれば強度が
えられるが、コストの面からなるべく薄くする必要があ
り、そうすると同様に強度の点に問題が生ずる。

【００１９】そこで、本発明では、図３に示すように、
筒状外側電極３の外側を耐圧補強部材１７で被覆し、こ
れにより、上記材質の電極を使用しても外側電極３が給
水圧に対して充分耐えられるようにしてある。

【００２０】耐圧補強部材１７は、図３実施例では、円
筒体を二つ割にした断面円弧状の一対のフレーム１７
ａ、１７ｂで構成し、このフレーム１７ａ、１７ｂを外
側電極３の外側から対向結合して補強するようにしてあ
る。ただし、耐圧補強部材１７ｆ図の構造に限らず、例
えば、筒状のスリーブ、防水パッキング被覆材など、水
圧に対して外側電極３を外側から補強するものであれば
以下なる構造でもよい。なお、耐圧補強部材１７の材質
は金属、合成樹脂等を使用することができる。特に、金
属性の場合は、電極３の端子１８を外側の補強部材１７
に取り付けできるので電解槽の組み付けが容易である。

【００２１】図の実施例では、説明を解り易くするた
め、電解槽ユニットが２本の場合について説明したが、
本発明は偶数本の電解槽ユニットを使用する場合に広く
適用されることは云うまでもない。この場合は、その半
数を、図実施例の電解槽２ａに対応する一方のユニット
群とし、他の半数を、図実施例の電解ユニット２ｂに対
応する他方のユニット群と置き変えるにより、容易に実
施が可能である。

【００２２】

【効果】以上のように、本発明では、半数の電解槽ユニ
ットと残り半数の電解槽の電解槽ユニットは、内外電極
及び内外電極室の極性が相互に逆配置になっているの
で、二組の同形電解槽ユニットから排出されるアルカリ
水と酸性水の流量は等しくなる。従って、電極への電極
電圧極性が逆転しても、アルカリ水と酸性水の流量比は
変わらないから、目的の電解水のｐＨ、流量等は一定に
なり、品質の高い電解水を得ることができる。

【００２３】外側の電極を耐圧補強部材で強化している
ので、外側電極自体に耐圧性がない場合でも水圧に対し
て充分対抗することができる。従って、カーボン電極な
どを外側電極として使用する場合でも本発明の実施が可
能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略構成図

【図２】図１のＡ−Ａ断面図

【図３】本発明に使用される電解槽の外筒の一実施例
を示す一部切欠き透視図

【符号の説明】

１…電解整水装置、２ａ、２ｂ…電解槽ユニット、
３…外側電極、４…内側電極、５…電解隔膜、６
ａ…内側電極室、６ｂ…外側電極室、７…電圧極性
切換装置、８ａ、８ｂ…電解電圧回路、９… 給水
管、１０、１１…排出路、１２、１３…共通排水管
路、１４…流路切換四方弁、１５…蛇口、１６
ａ、１６ｂ…切換弁、１７…耐圧補強部材、１８…
電極端子。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】極性の異なる内側電極と外側電極間を、
電解隔膜によって筒状の内側電極室と外側電極室に仕切
り、一側から給水した水をアルカリ水と酸性水に電解し
て各別の排水路から排水する偶数本の電解槽ユニットを
備え、両電極の極性を正逆転換して電解整水運転がなさ
れる連続式電解整水装置であって、半数の電解槽ユニッ
トの内側電極室と、残りの半数の電解槽ユニットの外側
電極室が同極性となるように構成したことを特徴とする
連続式電解整水装置
【請求項２】各電解槽ユニットは、同極の電解室に連
通する排水路がそれぞれ共通の排水管路に接続されてい
ることを特徴とする請求項１記載の連続式電解整水装置
【請求項３】外筒電極の外側を耐圧補強部材で被覆し
たことを特徴とする請求項１または２記載の連続式電解
整水装置