JP5808892B2 - アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器 - Google Patents

アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器 Download PDF

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本発明は、アルミニウム合金クラッド材用いた熱交換器に関するものである。
従来、チューブとフィンとが複数積層されるとともに、チューブの両端部がヘッダタンクに挿入されている熱交換器は、チューブとヘッダタンクとを組み付けた後、ろう付することによって形成されている。
このような熱交換器では、チューブおよびヘッダタンクを形成するために、アルミニウム合金の芯材にAl−Si系のろう材がクラッドされたアルミニウム合金クラッド材が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−305994号公報
ところで、チューブは成形方法から大別して2種類のタイプに分けられる。1つは押出成形によって成形された押出タイプであり、もう1つはクラッド材等の板材を折り曲げることによって成形された板タイプである。
押出タイプのチューブを用いた熱交換器では、チューブの耐食性確保のためにチューブの外面に亜鉛溶射を実施している。
一方、板タイプのチューブを用いた熱交換器では、フィン材に亜鉛を添加して、フィンの電位をチューブより卑にすることにより、フィンによる犠牲腐食作用によってチューブに耐食性を持たせている。
しかし、板タイプのチューブを用いた従来の熱交換器では、チューブのうちヘッダタンクに近い部分には、フィンが配置されていないため、チューブのうちヘッダタンクからフィンまでの間のフィンが無い部分では、フィンによる犠牲腐食作用が得られないという問題があった。
ここで、チューブのうちヘッダタンクに近い部分にフィンが配置されなかった理由は、フィンをヘッダタンク近傍やヘッダタンクに接触するように配置すると、ろう付時にヘッダタンクの形成に用いられるクラッド材のろう材が流動してフィンに接触し、ろう材中のSi成分によってフィンが溶融してしまうからである。ちなみに、フィン材自体の融点は、ろう付時の加熱温度よりも高いが、ヘッダタンクのろう材中のSi成分がフィン材に拡散すると、フィン材の融点が低下するので、ろう付時の加熱温度でフィンの溶融が生じてしまう。
このため、フィンによる犠牲腐食作用によってチューブに耐食性を持たせた従来の熱交換器では、フィンはヘッダタンクからある程度(5mm以上)距離を離して設置されるので、フィンによる犠牲腐食作用をチューブ全体に活用できず、熱交換器全体としての耐食性が悪かった。
本発明は上記点に鑑みて、フィンによる犠牲腐食作用によってチューブの耐食性を持たせた熱交換器において、フィンによる犠牲腐食作用をチューブ全体に活用して、従来よりも熱交換器の耐食性を向上させることを的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内部に熱媒体が流通する熱媒体通路を有し、板材を折り曲げて成形された複数のチューブ(2)と、複数のチューブ(2)の長手方向端部にろう付にて接合され、熱媒体通路と内部が連通するヘッダタンク(4)と、複数のチューブ(2)の間に配置されるとともに、チューブの構成材料よりも電位が卑となる材料で構成されたコルゲート状のフィン(3)とを備えるアルミニウム合金製の熱交換器であって、
ヘッダタンク(4)は、Si含有率が重量%で3.5%以上4.5%以下であるアルミニウム合金からなるろう材が、アルミニウム合金からなる芯材のヘッダタンク外方側の面にクラッドされたアルミニウム合金クラッド材を用いて形成されており、
チューブ(2)の長手方向におけるヘッダタンク(4)からフィン(3)までの距離(L1)は、0mm以上4mm以下であることを特徴としている。
これによると、ヘッダタンクを、Si含有率が3.5%以上4.5%以下のろう材が、芯材のヘッダタンク外方側の面にクラッドされたアルミニウム合金クラッド材を用いて形成しているので、ヘッダタンクからフィンまでの距離を、従来よりも短い0mm以上4mm以下としても、ろう付の際のフィンの溶融を防止できる。
この結果、チューブの構成材料よりも電位が卑となる材料でフィンを構成することにより、フィンによる犠牲腐食作用をチューブ全体に活用でき、熱交換器の耐食性を従来よりも向上させることができる。
請求項1に記載の発明において、ろう材のSi含有率は、請求項2に記載の発明のように、4.0%以上あることが好ましい。これにより、ヘッダタンクとチューブとの接合性を高めることができる
ヘッダタンク(4)からフィン(3)までの距離(L1)については、請求項に記載のように、2mm以下であることが好ましい。これにより、後述の実施例の評価結果からわかるように、従来よりも熱交換器の耐食性をより向上させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係るコンデンサの正面図である。 図1中の領域A1の拡大図である。 本発明の実施例であって、ろう材のSi含有率が4.0Wt%、距離L1が0mmである熱交換器のヘッダタンク4近傍のフィン3の金属顕微鏡写真である。 本発明の実施例であって、ろう材のSi含有率が5.0Wt%、距離L1が0mmである熱交換器のヘッダタンク4近傍のフィン3の金属顕微鏡写真である。 本発明の参考例であって、ろう材のSi含有率が6.0Wt%、距離L1が0mmである熱交換器のヘッダタンク4近傍のフィン3の金属顕微鏡写真である。
(一実施形態)
本実施形態は、本発明に係る熱交換器を、図示しない車両用冷凍サイクル(空調装置)内を循環する冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を冷却するコンデンサ(凝縮器)に適用したものである。
図1に、本実施形態に係るコンデンサ10の正面図を示す。図1に示すように、コンデンサ10は略直方体形状のコア部1を備えており、コア部1は、複数のチューブ2と複数のフィン3が上下方向に沿って交互に積層されて構成されている。
チューブ2は、熱媒体としての冷媒が流通する冷媒通路を内部に有し、後述する板材であるアルミニウム合金製のクラッド材を所定の形状に折り曲げて成形された板タイプである。本実施形態では、チューブ2は、チューブ2の長手方向(以下、チューブ長手方向という)が水平方向と一致し、かつ、その断面形状は長径方向が冷却用空気の流通方向と一致するような扁平形状に形成されている。
フィン3は、チューブ2の外面にろう付にて接合されており、チューブ2の内部を流通する冷媒と冷却用空気との熱交換を促進するものである。フィン3は、アルミニウム合金製であって、断面が波形状(コルゲート状)のコルゲートフィンである。
チューブ2におけるチューブ長手方向の両端部には、チューブ長手方向と略直交する方向に延びるとともに内部に空間が形成されたヘッダタンク4が配置されている。ヘッダタンク4には、チューブ2におけるチューブ長手方向の端部がろう付にて接合されており、多数のチューブ2の各流路とヘッダタンク4内の空間とが連通している。
また、ヘッダタンク4は、チューブ2がろう付にて接合された後述するアルミニウム合金製のコアプレート4aと、コアプレート4aにろう付にて接合され、コアプレート4aと共にヘッダタンク4内の空間を構成するアルミニウム合金製のタンク本体部4bとを有して構成されている。
ここで、図2に、図1中のヘッダタンク4とチューブ2の接合部付近である領域A1の拡大図を示す。図2に示すように、本実施形態では、フィン3が従来よりもヘッダタンク4の近くに配置されており、具体的には、チューブ長手方向におけるヘッダタンク4からフィン3までの距離L1が0mm以上4mm以下、好ましくは2mm以下に設定されている。ちなみに、距離L1が0mmとは、フィン3がヘッダタンク4に接触した状態である。
また、図1に示すように、コア部1におけるチューブ2の積層方向の両端部には、コア部1を補強するサイドプレート5が配置されている。サイドプレート5は、アルミニウム合金製であり、チューブ長手方向と平行な方向に延びてその両端がヘッダタンク4にろう付にて接合されている。
上記した構成のコンデンサ10は、チューブ2、フィン3、コアプレート4a、タンク本体部4bおよびサイドプレート5を組み付けた後、炉中にて所定のろう付温度で加熱して、これらを一体ろう付することで製造される。なお、チューブ2は、一体ろう付の際に、チューブ2を構成するクラッド材同士でのろう付によって、チューブ2が形成されるが、一体ろう付の前に、チューブ2の形成のための接合を行っても良い。
このとき、チューブ2を形成するための材料として、芯材の片面(チューブ外方側の面)にろう材が被覆されたクラッド材が用いられる。このチューブ2用のクラッド材は、芯材がAl−Mn−Cu系合金(例えば、JISに規定の合金記号A3003等)からなり、ろう材がAl―Si系合金(例えば、JISに規定の合金記号A4045等)またはAl―Si−Zn系合金からなるものである。本実施形態では、チューブ2用のクラッド材におけるろう材中のSi含有率は、後述のコアプレート4a用のクラッド材におけるろう材中のSi含有率も高くなっている。
また、フィン3は、Al−Mn−Cu−Zn系合金(例えば、JISに規定の合金記号A3N03等)から構成されたものである。このように、フィン3の構成材料にはZnが添加されているので、フィン3の構成材料の方がチューブ2の構成材料(クラッド材の芯材)よりも、電位が卑となっている。これにより、フィン3による犠牲腐食作用によってチューブ2に耐食性を持たせることができる。
また、タンク本体部4bおよびサイドプレート5は、Al−Mn−Cu系合金(例えば、JISに規定の合金記号A3003等)で構成されたものである。
また、コアプレート4aを形成するための材料として、芯材の片面(ヘッダタンク外方側の面)にろう材が被覆されたクラッド材が用いられる。このコアプレート4a用のクラッド材は、芯材がAl−Mn−Cu系合金(例えば、JISに規定の合金記号A3003等)からなり、ろう材がAl―Si系合金であって、このろう材全体に対するSi含有率が3.5wt%以上5.0wt%以下、好ましくは4.0wt%以上4.5wt%以下であり、残部がAlおよび不純物からなるものである。
このように、本実施形態では、コアプレート4a用のクラッド材として、ろう材中のSi含有率が5.0wt%以下のものを用いているので、ろう付時のろう材の流動を抑制できる。この結果、後述の実施例に示す評価結果からわかるように、フィン3とヘッダタンク4との間隔を従来よりも狭くしても、ろう付の際のフィン3の溶融を防止できる。
また、コアプレート4a用のクラッド材のろう材のSi含有率が3.5wt%以上であれば、後述の実施例に示す評価結果からわかるように、ヘッダタンク4とチューブ2とのとの良好な接合が得られる。
そして、本実施形態のコンデンサ10では、ヘッダタンク4からフィン3までの距離L1が、0mm以上4mm以下となっており、従来よりも短い距離となっているので、従来のコンデンサと比較して、フィン3による犠牲腐食作用をチューブ全体に活用でき、コンデンサ10全体の耐食性を向上させることができる。特に、ヘッダタンク4からフィン3までの距離L1を0mm以上2mm以下としたとき、後述の実施例に示す評価結果からわかるように、コンデンサ10全体の耐食性をより向上させることができる。
ここで、フィン3がヘッダタンク4から離れていても、ヘッダタンク4からフィン3までの距離L1が4mm以下であれば、後述の実施例に示す評価結果からわかるように、フィン3による犠牲腐食作用が得られる。これは、距離L1がこのように短い場合であれば、チューブ2とフィン3との間に所定の電位差が生じているためであると考えられる。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、コアプレート4a用のクラッド材のろう材は、Si含有率が3.5wt%以上5.0wt%以下のAl―Si系合金であって、残部がAlおよび不純物からなるものであったが、ろう材全体におけるSi含有率が上述の実施形態と同じであれば、Zn、Cu等の他の元素が含有されていても良い。
(2)上述の実施形態では、本発明に係る熱交換器をコンデンサに適用したが、ラジエータ、ヒータコア等の自動車用熱交換器や他の熱交換器に適用することも可能である。
(3)上述の実施形態では、このコアプレート4a用のクラッド材として、芯材がAl−Mn−Cu系合金のものを採用したが、芯材の組成は、これに限らず、Cu以外の成分を含むAl−Mn系合金であっても良く、他のアルミニウム合金であっても良い。
(4)上述の実施形態では、コアプレート4a用のクラッド材は、片面にろう材がクラッドされていたが、両面にろう材がクラッドされていても良い。
(5)上述の実施形態では、ヘッダタンクがコアプレートとタンク本体部とを有する構成であったが、他の構成であっても良い。本発明のヘッダタンク用のアルミニウム合金クラッド材は、ヘッダタンクのうちチューブと接合される部位に適用して有用である。
以下、本発明の実施例を説明する。
チューブ2、フィン3およびヘッダタンク4を下記の材料を用いて形成し、これらを組み付けた後、全体加熱ろう付により、熱交換器を製造した。ろう付時の加熱温度は600℃である。
チューブ2用のクラッド材として、芯材の組成がAl−1.2Mn−0.5Cu(数値はWt%、残部がAlおよび不純物からなる)であり、ろう材の組成がSi:10Wt%を含有し、残部がAlおよび不純物であるもの(Al−10Si)を使用した。また、チューブ2用のクラッド材は、全体の板厚が0.2mmであり、ろう材厚さが28μmである。
フィン3は、Al−1.2Mn−0.1Cu−1.5Zn(数値はWt%、残部がAlおよび不純物からなる)で構成されたコルゲートフィンを使用した。
コアプレート4a用のクラッド材として、芯材の組成がAl−1.2Mn−0.5Cu(数値はWt%、残部がAlおよび不純物からなる)であり、下記の表1に示すように、ろう材の組成が、ろう材全体に対してSi:3.5〜5.0Wt%を含有し、残部がAlおよび不純物であるものを使用した。なお、参考例として、芯材の組成は同じであり、ろう材の組成がSi:3.0もしくは6.0Wt%を含有し、残部がAlおよび不純物であるコアプレート4a用のクラッド材を使用した。また、コアプレート4a用のクラッド材は、全体の板厚が1.2mmであり、ろう材厚さが140μmである。
ヘッダタンク4のタンク本体部4b、サイドプレート5の構成材料は、どちらもAl−1.2Mn−0.5Cu(数値はWt%、残部がAlおよび不純物からなる)である。
また、製造した熱交換器の各寸法については以下の通りである。
熱交換器(コア部1+両側のヘッダタンク4)の幅Wは500mmであり、熱交換器(コア部1)の高さHは360mmである。また、チューブ2の空気流れ方向(図2の紙面垂直方向)での幅は16mmであり、チューブ2の積層方向(図2の上下方向)での厚さThは1.8mmである。フィン3のフィンピッチFpは2.8mmであり、フィン山高さFhは8mmである。
そして、チューブ長手方向におけるヘッダタンク4からフィン3までの距離L1を、0mm、2mm、4mmとした。なお、参考例として、ヘッダタンク4からフィン3までの距離L1を5mmとした場合の熱交換器を製造した。
そして、製造した各熱交換器に対して、(1)ヘッダタンクとチューブの接合性、(2)フィンの溶融防止、(3)耐食性について、下記の通り、評価した。
(1)ヘッダタンクとチューブの接合性の評価
各熱交換器に対して洩れ検査(Heリークテスト)を実施した。この洩れ検査では、真空チャンバー内でHeガスを熱交換器内に導入し、質量分析器を用いて熱交換器からのHeガスの洩れの有無を調べた。
また、洩れ検査で洩れ無しの結果が得られた熱交換器については、ヘッダタンク4のコアプレート4aとチューブ2との接合部に形成されたフィレットのサイズが基準サイズよりも大きいか小さいかを判定した。基準サイズとは、静圧破壊試験、加圧繰返試験等で所定の強度を有するのに必要なフィレットのサイズであり、出願人の経験から定められたものである。
そして、洩れ検査の結果と、フィレットサイズとに基づいて、ヘッダタンク4とチューブ2のろう付後の接合性を、下記の通り、◎、○、×で判定した。
◎:洩れ検査で洩れ無し、かつ、フィレットが基準サイズよりも大きい
○:洩れ検査で洩れ無し、かつ、フィレットが基準サイズよりも小さい
×:洩れ検査で洩れ有り
(2)フィンの溶融防止の評価
各熱交換器におけるヘッダタンク4近傍のフィン3を金属顕微鏡にて観察し、ろう付時にコアプレート4a用のクラッド材のろう材によるフィン3の溶融の有無を調べた。そして、その観察結果より、下記の通り、◎、○、×で判定した。
◎:フィン(母材)の溶融の形跡無し(図3参照)
○:フィン(母材)の溶融の形跡無しだが、フィンが溶融直前の状態(図4参照)
×:フィン(母材)の溶融の形跡あり(図5参照)
(3)耐食性の評価
試験装置(スガ試験機株式会社製の塩乾湿複合サイクル試験機:CYP−90)を用いて、塩素イオンを含む酸性溶液(pH=3)による乾湿サイクル試験(噴霧→乾燥→湿潤)を行い、試験開始からチューブ2に貫通穴が発生した貫通時間に基づいて、チューブ2の耐食性を、下記の通り、◎、○、×で判定した。
◎:貫通時間が第1基準値(2000時間)以上
○:貫通時間が第2基準値(750時間)以上
×:貫通時間が第2基準値(750時間)未満
ここで、第1基準値を2000時間としたのは、ヘッダタンク4からフィン3までの距離L1が0mmのときの貫通時間が2000時間だからである。また、第2基準値を750時間としたのは、押出タイプのチューブを用いた従来の熱交換器について、同様の試験を実施したときの最低時間が750時間であったからである。
表1に、製造した各熱交換器の評価結果を示す。表1中の総合判定は、上記(1)〜(3)の評価項目を総合的に判定したものであり、
◎:すべての評価項目を十分に満足する
○:すべての評価項目を満足する
×:各評価項目のうち1つでも満足しない
表1に示すように、ヘッダタンク4とチューブ2の接合性の評価結果より、コアプレート4a用のクラッド材におけるろう材のSi含有率は3.5Wt%以上であれば良く、4.0%以上とすることが好ましいことがわかる。
フィン3の溶融防止の評価結果については、ろう材のSi含有率が4.5%以下の場合、ヘッダタンク4とフィン3との距離L1を従来よりも小さい0〜4mmとしても、図3に示すように、フィン3の溶融の形跡はみられなかった。また、ろう材のSi含有率が5.0%の場合も、ヘッダタンク4とフィン3との距離L1を0〜4mmとしても、フィン3の外形は維持されており、フィン3の溶融の形跡はみられなかったが、図4に示すように、フィン3の母材の結晶粒界に、ろう材によって溶融した形跡がみられた。これに対して、ろう材のSi含有率が6.0%の場合、ヘッダタンク4とフィン3との距離L1を0〜4mmとしたとき、図5に示すように、フィン3が破断しており、フィン3の溶融の形跡が見られた。したがって、コアプレート4a用のクラッド材におけるろう材のSi含有率は、5.0Wt%以下であることが必要があり、4.5%以下であることが好ましいと言える。
チューブ2の耐食性の評価結果については、ろう材のSi含有率がいずれの場合においても、ヘッダタンク4とフィン3との距離L1が0mmのとき、貫通時間が2000時間程度であり、このときでは、チューブ2ではなくヘッダタンク4で貫通穴(腐食)が発生していた。また、距離L1が2mmのときでは、0mmのときと同様の結果が得られ、距離L1が4mmのとき、貫通時間が750時間をわずかに超えていた。したがって、ヘッダタンク4とフィン3との距離L1は、0mm以上4mm以下であることが必要であり、2mm以下であることが好ましいと言える。
1 コア部
2 チューブ
3 フィン
4 ヘッダタンク
4a コアプレート
4b タンク本体部
10 コンデンサ

Claims (3)

  1. 内部に熱媒体が流通する熱媒体通路を有し、板材を折り曲げて成形された複数のチューブ(2)と、
    前記複数のチューブ(2)の長手方向端部にろう付にて接合され、前記熱媒体通路と内部が連通するヘッダタンク(4)と、
    前記複数のチューブ(2)の間に配置されるとともに、前記チューブの構成材料よりも電位が卑となる材料で構成されたコルゲート状のフィン(3)とを備えるアルミニウム合金製の熱交換器であって、
    前記ヘッダタンク(4)は、Si含有率が重量%で3.5%以上4.5%以下であるアルミニウム合金からなるろう材が、アルミニウム合金からなる芯材のヘッダタンク外方側の面にクラッドされたアルミニウム合金クラッド材を用いて形成されており、
    前記チューブ(2)の長手方向における前記ヘッダタンク(4)から前記フィン(3)までの距離(L1)は、0mm以上4mm以下であることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記ろう材のSi含有率は4.0%以上あることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記距離(L1)は、2mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
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