JP2007170805A - ろう接構造体およびその製造方法 - Google Patents

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晴彦 渡邊
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Abstract

【課題】初期組付け時の部材間の隙間を厳しく設定することなく、良好なろう接状態の得られるろう接構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】凹部あるいは挿入孔121aを有する第1部材121と、凹部あるいは挿入孔121aに組付けられる第2部材111とを有し、第1、第2部材121、111間が銅ろう付けされて成るろう接構造体において、第1部材121の熱膨張率を、第2部材111の熱膨張率よりも小さくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば熱交換器のチューブとヘッダタンクとのろう接部に用いて好適な、ろう接構造体およびその製造方法に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、複数積層されるチューブの長手方向端部にヘッダタンクが接合されて成る熱交換器が知られている。ここでは、ヘッダタンクはタンク本体部とヘッダプレートとから構成されており、ヘッダプレートに設けられたチューブ孔にチューブの長手方向端部が嵌合され、当接部同士がろう付されて、チューブとヘッダタンク(ヘッダプレート)とが接合されるようになっている。尚、チューブおよびヘッダタンクはアルミニウム製となっている。
特開2002−286395号公報
上記のような部品(チューブとヘッダプレート)間のろう付け性の良し悪しは、部品間の隙間に毛細管効果によってろう材がいかにうまく入り込むかによって定まる。この毛細管効果は、数式1、図7に示すように、一般的にろう材の密度ρと、部品間の隙間dとに反比例することが知られている。
(数1)
h=2γ/dρg
ただし、h=毛細管上昇高さ
γ=ろう材の表面張力
d=部品間の隙間
ρ=ろう材の密度
g=重力加速度 である。
よって、ろう付け性を向上させるには、隙間をできるだけ小さく設定することが求められる。加えて、熱交換器の材料として、より密度の高い材料(例えばアルミニウム系に対して銅系)を選定すると、ろう材の密度が大きくなる分、隙間の設定条件としては更に小さいものが要求されることになる。
しかしながら、隙間を小さくするということは、基本的な各部品の寸法精度を高めることに繋がり、現実の部品加工精度等を考えると自ずと限度が生ずる。また通常、隙間を小さくするために、例えばチューブをヘッダプレートに組付けた後にチューブを拡管するといった手法もあるが、部品自体の弾性係数が高いもの(例えば上記のようにアルミニウム系に対して銅系)においては、塑性変形しにくく、スプリングバックを伴い、隙間の縮小が難しい場合がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、初期組付け時の部材間の隙間を厳しく設定することなく、良好なろう接状態の得られるろう接構造体およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、凹部あるいは挿入孔(121a)を有する第1部材(121、111A)と、凹部あるいは挿入孔(121a)に組付けられる第2部材(111、111B)とを有し、第1、第2部材(121、111A、111、111B)間が銅ろう付けされて成るろう接構造体において、第1部材(121、111A)の熱膨張率は、第2部材(111、111B)の熱膨張率よりも小さく設定されたことを特徴としている。
これにより、初期段階における両部材(121、111A、111、111B)間の隙間を厳しく設定しなくとも、両部材(121、111A、111、111B)の熱膨張率差によって、ろう接時に相対的に第2部材(111、111B)は第1部材(121、111A)側に近接するので、両部材(121、111A、111、111B)間の隙間を小さくすることができ、ろう接性を向上させることができる。
請求項1に記載の発明において、請求項2に記載の発明では、第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、異種材から成り、第1、第2部材(121、111A、111、111B)のうち、一方の部材(121、111A)の表面には、被覆ができて且つ銅ろう材の拡散を伴って他方の部材(111、111B)とろう付けができる部材が予め被覆されたことを特徴としている。
これにより、第1部材(121、111A)と第2部材(111、111B)との熱膨張率に差を持たせる際の材料選定の自由度を大きくすることができる。そして、他方の部材(111、111B)とろう付けができる部材を用いることで、両部材(121、111A、111、111B)を容易にろう接できる。
請求項2に記載の発明において、請求項3に記載の発明のように、予め被覆される部材は、銅あるいはニッケルを用いて好適である。
請求項1〜請求項3に記載の発明において、請求項4に記載の発明では、第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、内部流体が流通して外部流体との間で熱交換する熱交換器(100)用の部材としたことを特徴としている。通常、熱交換器(100)は各構成部材同士が主にろう接によって接合されて形成されることから、本発明を熱交換器(100)用部材に適用して好適である。
また請求項4に記載の発明においては、請求項5に記載の発明のように、第1部材(121、111A)としては、凹部あるいは挿入孔(121a)のうち挿入孔(121a)を有し、内部流体が流入流出するヘッダタンク(120)あるいはヘッダタンク(120)の一部を成すヘッダプレート(121)に、第2部材(111、111B)としては、挿入孔(121a)に挿入組付けされて、内部流体が流通するチューブ(111)に適用するのが良い。
これにより、熱交換器(100)において気密性にかかわる重要なろう接部の品質を向上させることができる。
請求項5に記載の発明において、請求項6に記載の発明では、チューブ(111)内には、インナーフィン(114)が挿入されたことを特徴としている。
これにより、チューブ(111)の拡管を不要として良好なろう接が得られるので、拡管を実施した際に生ずるチューブ(111)内壁とインナーフィン(114)との非接触状態を回避できる。
尚、請求項4〜請求項6に記載の発明において、請求項7に記載の発明のように、第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、銅あるいは銅合金から成るものに適用しても良い。
これにより、両部材(121、111A、111、111B)は同系材となり、請求項2に記載の発明における一方の部材(121、111A)の表面に施す被覆を廃止することができる。また、熱交換器(100)において、熱伝導性能、耐久性等に優れるものとすることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、第1部材(121、111A)は、ステンレスあるいは鋼に銅あるいはニッケルを被覆したものとし、第2部材(111、111B)は、銅あるいは銅合金としても良い。
また、請求項4に記載の発明において、請求項9に記載の発明のように、第1部材(121、111A)としては、断面コの字状に折り曲げられて、内側に凹部あるいは挿入孔(121a)のうち凹部を形成するチューブ(111)用の第1プレート(111A)に、第2部材(111、111B)としては、第1プレート(111A)に対向する断面コの字状を成して、凹部内に組付けられるチューブ(111)用の第2プレート(111B)に適用しても良い。
これにより、請求項5に記載の発明と同様に、熱交換器(100)において気密性にかかわる重要なろう接部の品質を向上させることができる。
請求項10に記載の発明では、第1部材(121、111A)に設けられた凹部あるいは挿入孔(121a)に第2部材(111、111B)を組付けて、第1、第2部材(121、111A、111、111B)間をろう接するろう接構造体の製造方法において、第1部材(121、111A)と第2部材(111、111B)との熱膨張率の差によって、相対的に第2部材(111、111B)を第1部材(121、111A)側に近接させてろう接を行うことを特徴としている。
これにより、請求項1に記載のろう接構造体の製造方法とすることができる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係るろう接構造体を空冷式のインタークーラ100の根付け部101に適用したものであり、以下、図1〜図4に基づいて説明する。尚、図1は本実施形態に係るインタークーラ100を示す正面図、図2は図1中におけるA−A部を示す断面図、図3は図1中におけるB部を示す断面図、図4は図3中におけるC−C部を示す断面図である。
インタークーラ100は、車両用エンジン(内燃機関)に吸入される燃焼用空気(以下、吸気)を外部からの冷却空気との熱交換により冷却する熱交換器である。このインタークーラ100は、主にコア部110と一対のヘッダタンク120とから成り、ここではトラック等の大型車両に搭載される大型のインタークーラ100としている。よって、以下説明する各部材は、熱伝導性および耐久性が充分得られるように、銅、銅合金あるいは鉄から成るものとしており、各部材の当接部がろう付け、あるいは溶接により接合されている。尚、ろう付け時に使用されるろう材は、例えば、銅75%、錫15%、ニッケル5%、燐5%の成分から成り、低融点で還元性を有する銅ろう材としている。
コア部110は、内部にインナーフィン114が挿入されたチューブ111とアウターフィン112とが交互に積層され、積層方向の両最外方にはサイドプレート113が配設されて形成されている。
チューブ(本発明における第2部材に対応)111は、内部を吸気が流通する管部材であり、限られたスペース内でできる限り断面面積を大きくして、吸気の流通抵抗を低減させるために、断面形状は扁平四角状を成すようにしている。尚、チューブ111は、図2中での詳細断面表示は省略しているが、2枚のチューブ用板部材が組み合わされて形成されている。
そして、ここではチューブ111の材質は、亜鉛15%、鉄0.8%を含む丹銅材としている。この丹銅材の線膨張係数(熱膨張率)は、19×10−6m/Kである。
上記チューブ111内に挿入されるインナーフィン114は、純銅製の薄肉の平板材から波状に成形されており、吸気の流れに乱流効果を与え、吸気側の熱伝達率を向上させる。尚、チューブ111の断面形状を扁平四角状にしていることから、インナーフィン114は、チューブ111内にデッドスペースを発生させること無く、効率的に収容されている。
アウターフィン112は、上記インナーフィン114と同様に、純銅製の薄肉の平板材から波状に成形され、平面部には切り起こしによって鎧戸状に形成される複数のルーバ112aが設けられており、冷却空気側への放熱面積を拡大すると共に、ルーバ112aによる乱流効果を得て、吸気との熱交換を促進する。
サイドプレート113は、チューブ111の長手方向に延びる真鍮製の補強部材であり、断面形状が略コの字状に形成され、コの字の内側中央には長手方向に延びるリブが設けられている。
上記チューブ用板部材の表裏面には、ろう材とバインダとを混合したペースト状ろう材が予め塗布されており、2枚のチューブ用板部材が互いにろう付けされてチューブ111を形成している。そして、アウターフィン112およびインナーフィン114は、上記ろう材によりチューブ111にろう付けされている。また、サイドプレート113のアウターフィン112側の面にも、予めペースト状ろう材が塗布されており、最外方のアウターフィン112は、このろう材によりサイドプレート113にろう付けされている。尚、ろう材は、ペースト状ろう材に代えて箔ろう材として、チューブ111とアウターフィン112、インナーフィン114との間、また、サイドプレート113とアウターフィン112との間に介在させることで対応するようにしても良い。
チューブ111の両長手方向端部111a(以下、チューブ端部111a)側には、チューブ111の積層方向に延びて各チューブ111に連通する一対のヘッダタンク120が設けられている。このヘッダタンク120は、ヘッダプレート121と、タンク本体122と、パイプ123とから成る。
ヘッダプレート(本発明における第1部材に対応)121は、細長平板の外周部に縁立て部121bが設けられ、縁立て部121bの内側でチューブ111側にドーム状に張出す張出し部121cが設けられた部材であり、チューブ端部111aと対応する部位にチューブ孔(本発明における挿入孔に対応)121aが穿設されている。チューブ孔121aは、チューブ111の嵌入性を考慮して、チューブ111の断面形状よりもわずかに大きくなるように成形されると共に、チューブ孔121aのチューブ111挿入側となる周縁には面取り部(図示省略)が形成されている。
ここでは上記ヘッダプレート121の材質は、鉄材(例えばステンレス材あるいは鋼材)としており、加えて縁立て部121bを除くチューブ孔121a近傍の表裏面に純銅のめっきあるいはクラッド(本発明における被覆部材に対応)を施したものとしている(図3(b))。この鉄材の線膨張係数(熱膨張率)は、12×10−6m/Kであり、上記チューブ111の線膨張係数よりも小さい値となっている。
そして、チューブ端部111aは、このチューブ孔121aに挿入嵌合され、嵌合部に塗布されたペースト状ろう材(ろう材とフラックスとバインダとを混合したろう材)によって、チューブ111とヘッダプレート121は互いに当接する当接部101aにおいて、ろう付けされている。この当接部101a(ろう付け部)が、いわゆるヘッダプレート121とチューブ111との根付け部(本発明におけるろう接構造体)101として形成されることになる。尚、サイドプレート113の長手方向両端部は、ヘッダプレート121との当接部に塗布されたろう材によって、ヘッダプレート121にろう付けされている。
タンク本体122は、ヘッダプレート121と同一の鉄材から成り、ヘッダプレート121側が開口する細長の半容器体であり、その開口側がヘッダプレート121の縁立て部121bに溶接されてタンク内空間を形成している。
パイプ123は、鉄材から成る管部材であり、タンク内空間に連通するようにタンク本体122の長手方向の一方の端部に溶接されている。
尚、図1中の右側のヘッダタンク120は、パイプ123から流入する吸気を各チューブ111に分配供給するものであり、図1の左側のヘッダタンク120は、チューブ111から流出する吸気を集合回収してパイプ123から外部へ流出するものである。
次に、インタークーラ100の概略製造方法について説明する。まず、板材のプレス加工により成形したチューブ用板部材(チューブ111)、サイドプレート113、ヘッダプレート121と、ローラ加工により成形したアウターフィン112、インナーフィン114とを予め準備する。
そして、チューブ用板部材の表裏面、およびサイドプレート113のアウターフィン112側の面にペースト状ろう材を塗布する。
そして、図示しない積層治具をガイドにして、一番下側にサイドプレート113をセットし、その上側にアウターフィン112、チューブ用板部材、インナーフィン114、チューブ用板部材、アウターフィン112の順に交互に所定枚数だけ積層していき、最上段のアウターフィン112の更に上側にもう一つのサイドプレート113をセットして、コア部110を組立てる。この時、チューブ用板部材とインナーフィン114との積層により、内部にインナーフィン114が挿入されるチューブ111が形成される。
そして、ヘッダプレート121のチューブ孔121aにチューブ端部111aを挿入嵌合して、嵌合部にペースト状ろう材(ろう材とフラックスとバインダとを混合したろう材)を塗布する。この時点で、チューブ111とチューブ孔121aとの間には、両者111、121aの初期寸法によって定まる所定寸法の隙間D(ここでは図4に示す初期設定隙間0.15mmとしている)が形成される。尚、必要に応じてコア部110の組立て状態を保持するために、チューブ111の積層方向にワイヤー等の治具を装着しておく。
そして、上記組立て体の脱脂を行った後に、ろう付け炉内に投入して一体的にろう付けする(ここではろう付け温度625℃)。
そして、プレス加工により成形されたタンク本体122にパイプ123を溶接して、更に、タンク本体122の開口側をヘッダプレート121の縁立て部121bに嵌合させて、タンク本体122とヘッダプレート121とを溶接する。
その後、洩れ検査(ろう付け不良、溶接不良のチェック)および寸法検査等の所定の検査を行い、インタークーラ100の製造を完了する。
本実施形態においては、上記ろう付けの際に、根付け部101においてチューブ111とヘッダプレート121との線膨張係数の差によって、相対的にチューブ111が膨張し、チューブ111はヘッダプレート121のチューブ孔121aにおける隙間D(0.15mm)を小さくする側に変位する。尚、本実施形態での具体的な隙間の変化を試算してみると、常温(25℃)からろう付け温度(625℃)までの温度変化において、
隙間Dの変化量=0.15−(19−12)×10−6×56/2×(625−25)=0.03mmと算出される。但し、数値56はチューブ111の扁平四角状断面における長辺方向の寸法(図4中のL寸法)である。
よって、初期段階におけるチューブ111とヘッダプレート121(チューブ孔121a)との間の隙間Dを厳しく設定しなくとも、線膨張係数差によって、ろう付けの際に両部材111、121間の隙間Dを小さくすることができ、ろう付け性を向上させることができる。
尚、本発明者による実機確認では、上記条件で形成したインタークーラ100(本発明品)の根付け部101をカットして断面を観察したところ、隙間は0.05mmでろう付けされており、ろう材の回り具合は充分であった。また、本発明適用前(従来技術品)のものとして、丹銅材(線膨張係数19×10−6m/K)のチューブと、真鍮材(線膨張係数21×10−6m/K)のヘッダプレートとを用いたものにおいては、ヘッダプレート(チューブ孔)側の変位が大きく、隙間Dは0.25mmとなり、ろう材の回り具合は不充分であった。
また、チューブ111とヘッダプレート121との材質を異なるものとして(チューブ111を丹銅材、ヘッダプレート121を鉄材)、ヘッダプレート121の表裏面にチューブ111と同系材質のめっき(純銅めっき)を施すようにしているので、チューブ111とヘッダプレート121との線膨張係数に差を持たせる際の材料選定の自由度を大きくすることができる。そして、チューブ111と同系のろう材(銅ろう材)を用いることで、銅ろう材のめっきへの拡散を伴って両部材111、121を容易にろう付けできる。
また、本発明をインタークーラ100の根付け部101に適用することで、通常、熱交換器100において気密性にかかわる重要なろう付け部の品質を向上させることができる。
また、チューブ111内にインナーフィン114が挿入されるものにおいて、チューブ111の拡管を不要として良好なろう付けが得られるので、拡管を実施した際に生ずるチューブ111内壁とインナーフィン114との非接触状態を回避できる。
尚、上記ヘッダプレート121のチューブ孔121aの周縁には、図5に示すように、チューブ111とのろう付け面積を増大するために、バーリング部121dを設けるようにしても良い。ただし、張出し部121cは、バーリング部121dとの成形性の兼ね合いから、廃止しても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6に示す。第2実施形態は、本発明に係るろう接構造体を上記インタークーラ100のチューブ111に適用したものである。
チューブ111は、板材から断面コの字状で、コの字の中間部が両端部側よりも長くなるように折り曲げられたチューブ用板部材111A、111Bから成る。チューブ用板部材111Aは、本発明における第1部材および第1プレートに対応し、コの字状の内側は凹部を形成している。また、チューブ用板部材111Bは、本発明における第2部材および第2プレートに対応し、チューブ用板部材111Bのコの字状の端部がチューブ用板部材111Aのコの字状端部と対向するように配置され、チューブ用板部材111Aの内側に組み付けられて、ろう付けされている。
ここで、チューブ用板部材111Aの材質は、鉄材としており、加えてチューブ用板部材111Aの表裏面に純銅のめっき(あるいはクラッド)を施したものとしている。この鉄材の線膨張係数(熱膨張率)は、12×10−6m/Kである。また、チューブ用板部材111Bの材質は、上記第1実施形態のチューブ111と同様に、亜鉛15%、鉄0.8%を含む丹銅材としている。この丹銅材の線膨張係数(熱膨張率)は、19×10−6m/Kである。よって、チューブ用板部材111Aの線膨張係数は、チューブ用板部材111Bの線膨張係数よりも小さい値となっている。
本第2実施形態におけるチューブ111では、上記第1実施形態におけるチューブ111およびヘッダプレート121と同様の作用効果を得ることができる。即ち、両チューブ用板部材111A、111Bをろう付けする際に、両チューブ用板部材111A、111Bの線膨張係数の差によって、相対的にチューブ用板部材111Bが膨張し、チューブ用板部材111Aとの隙間D1(初期設定0.15mm)を小さくする側に変位する。尚、本実施形態での具体的な隙間の変化を試算してみると、常温(25℃)からろう付け温度(625℃)までの温度変化において、
隙間D1の変化量=0.15−(19−12)×10−6×60/2×(625−25)=0.024mmと算出される。但し、数値60はチューブ111断面における長辺方向の寸法(図6中のL1寸法)である。
よって、初期段階における両チューブ用板部材111A、111B間の隙間D1を厳しく設定しなくとも、線膨張係数差によって、ろう付けの際に隙間D1を小さくすることができ、ろう付け性を向上させることができる。
また、チューブ用板部材111Aと111Bとの材質を異なるものとして(チューブ用板部材111Aを鉄材、チューブ用板部材111Bを丹銅材)、チューブ用板部材111Aの表裏面にチューブ用板部材111Bと同系材質のめっき(純銅めっき)を施すようにしているので、チューブ用板部材111Aとチューブ用板部材111Bとの線膨張係数に差を持たせる際の材料選定の自由度を大きくすることができる。そして、チューブ用板部材111Bと同系のろう材(銅ろう材)を用いることで、銅ろう材のめっきへの拡散を伴って両チューブ用板部材111A、111Bを容易にろう付けできる。
また、本発明をインタークーラ100のチューブ111に適用することで、通常、熱交換器100において気密性にかかわる重要なろう付け部の品質を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明においてはチューブ111(あるいはチューブ用板部材111B)の線膨張係数よりもヘッダプレート121(あるいはチューブ用板部材111A)の線膨張係数が小さくなるようにすれば良いので、上記第1、第2実施形態に対して、ヘッダプレート121(チューブ用板部材111A)の材質としては、鉄材に代えて純銅としても良い。この場合は、銅ろう材によるろう付けが可能であるので、ヘッダプレート121(チューブ用板部材111A)の表裏面へのめっきは不要である。
また、上記第1、第2実施形態では熱交換器を構成する部材の基本材質を銅あるいは銅合金としたが、これに限らず、他の材料を用いるものにも適用できる。
また、上記第1、第2実施形態では本発明のろう接構造体としてインタークーラ100の根付け部101、あるいはチューブ111としたが、これに限らず、例えば、チューブ孔の形成されたプレートタイプのアウターフィン(第1部材)と、このチューブ孔に挿通されるチューブ(第2部材)とがろう付けされる構造体(コア部)に適用しても良い。この場合は、チューブの線膨張係数よりもアウターフィンの線膨張係数を小さくしてやれば良い。
あるいは、ヘッダタンク120(第1部材)に別部材から成る取り付け部(第2部材)等を設ける場合に、ヘッダタンク120表面に凹部を設けて、この凹部に取り付け部がはめ込まれてろう付けされる構造体に適用しても良い。この場合は、取り付け部の線膨張係数よりもヘッダタンク120の線膨張係数を小さくしてやれば良い。
更には、例えばシェルアンドチューブ型熱交換器の本体部のように、管状部材(第2部材)の端部側を、周縁に縁立て部(凹部)が形成された蓋状部材(第1部材)に嵌合して、ろう付けする場合に適用しても良い。この場合は、管状部材の線膨張係数よりも蓋状部材の線膨張係数を小さくしてやれば良い。
また、熱交換器としては、インタークーラに限らず他のラジエータやコンデンサー等としても良い。
更には、凹部あるいは挿入孔を有する第1部材と、凹部あるいは挿入孔に挿入される第2部材とが互いにろう接されて形成される構造体であれば、熱交換器に限らず広く適用できる。
また、第1実施形態では、チューブ111は銅合金(丹銅)としたが、純銅でも良い。同様に、第2実施形態のチューブ用板部材111Bは銅合金(丹銅)としたが、純銅でも良い。
また、第1実施形態では、ヘッダプレート121のチューブ孔121a近傍の表裏面に、銅ろう材の拡散を伴ってチューブ111とろう付けされるように、予め純銅のめっきを施したが、めっきは純銅に代えてニッケルでも良い。同様に、第2実施形態のチューブ用板部材111Aのめっきは、純銅に代えてニッケルでも良い。
本実施形態に係るインタークーラを示す正面図である。 図1中におけるA−A部を示す断面図である。 (a)は図1中におけるB部を示す断面図であり、(b)はヘッダプレート表裏面のめっき(被覆材)を示す断面図である。 図3中におけるC−C部を示す断面図である。 第1実施形態におけるヘッダプレートの変形例を示す断面図である。 第2実施形態におけるチューブを示す断面図である。 毛細管効果を説明するためのモデル図である。
符号の説明
100 インタークーラ(熱交換器)
101 根付け部(ろう接構造体)
111 チューブ(第2部材)
111A チューブ用板部材(第1部材、第1プレート)
111B チューブ用板部材(第2部材、第2プレート)
114 インナーフィン
120 ヘッダタンク
121 ヘッダプレート(第1部材)
121a チューブ孔(挿入孔)

Claims (10)

  1. 凹部あるいは挿入孔(121a)を有する第1部材(121、111A)と、
    前記凹部あるいは挿入孔(121a)に組付けられる第2部材(111、111B)とを有し、
    前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)間が銅ろう付けされて成るろう接構造体において、
    前記第1部材(121、111A)の熱膨張率は、前記第2部材(111、111B)の熱膨張率よりも小さく設定されたことを特徴とするろう接構造体。
  2. 前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、異種材から成り、
    前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)のうち、一方の部材(121、111A)の表面には、被覆ができて且つ銅ろう材の拡散を伴って他方の部材(111、111B)とろう付けができる部材が予め被覆されたことを特徴とする請求項1に記載のろう接構造体。
  3. 前記予め被覆される部材は、銅あるいはニッケルであることを特徴とする請求項2に記載のろう接構造体。
  4. 前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、内部流体が流通して外部流体との間で熱交換する熱交換器(100)用の部材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のろう接構造体。
  5. 前記第1部材(121、111A)は、前記凹部あるいは挿入孔(121a)のうち前記挿入孔(121a)を有し、前記内部流体が流入流出するヘッダタンク(120)あるいは前記ヘッダタンク(120)の一部を成すヘッダプレート(121)であり、
    前記第2部材(111、111B)は、前記挿入孔(121a)に挿入組付けされて、前記内部流体が流通するチューブ(111)であることを特徴とする請求項4に記載のろう接構造体。
  6. 前記チューブ(111)内には、インナーフィン(114)が挿入されたことを特徴とする請求項5に記載のろう接構造。
  7. 前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)は、銅あるいは銅合金から成ることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載のろう接構造体。
  8. 前記第1部材(121、111A)は、ステンレスあるいは鋼に銅あるいはニッケルを被覆したものであり、
    前記第2部材(111、111B)は、銅あるいは銅合金であることを特徴とする請求項4〜請求項6に記載のろう接構造。
  9. 前記第1部材(121、111A)は、断面コの字状に折り曲げられて、内側に前記凹部あるいは挿入孔(121a)のうち前記凹部を形成するチューブ(111)用の第1プレート(111A)であり、
    前記第2部材(111、111B)は、前記第1プレート(111A)に対向する断面コの字状を成して、前記凹部内に組付けられる前記チューブ(111)用の第2プレート(111B)であることを特徴とする請求項4に記載のろう接構造体。
  10. 第1部材(121、111A)に設けられた凹部あるいは挿入孔(121a)に第2部材(111、111B)を組付けて、
    前記第1、第2部材(121、111A、111、111B)間をろう接するろう接構造体の製造方法において、
    前記第1部材(121、111A)と前記第2部材(111、111B)との熱膨張率の差によって、相対的に前記第2部材(111、111B)を前記第1部材(121、111A)側に近接させて前記ろう接を行うことを特徴とするろう接構造体の製造方法。
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