JP7004208B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

熱交換器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7004208B2
JP7004208B2 JP2017249916A JP2017249916A JP7004208B2 JP 7004208 B2 JP7004208 B2 JP 7004208B2 JP 2017249916 A JP2017249916 A JP 2017249916A JP 2017249916 A JP2017249916 A JP 2017249916A JP 7004208 B2 JP7004208 B2 JP 7004208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer tube
heat exchanger
side plate
plate portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017249916A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019116985A (ja
Inventor
哲 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritz Corp
Original Assignee
Noritz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritz Corp filed Critical Noritz Corp
Priority to JP2017249916A priority Critical patent/JP7004208B2/ja
Publication of JP2019116985A publication Critical patent/JP2019116985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7004208B2 publication Critical patent/JP7004208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Fluid Heaters (AREA)
  • Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)

Description

本発明は、ガス給湯装置あるいはオイル給湯装置などの温水装置用の熱交換器として用いるのに好適な熱交換器に関連する技術に関する。
給湯装置に用いられる熱交換器は、燃焼ガスなどの加熱用気体が内部に供給されるケース内に伝熱管を収容し、かつこの伝熱管の一部をケースの側板部に設けられた貫通孔を介してケースの外方に引き出された構成とされているのが通例である。ここで、伝熱管の外周面と貫通孔の内周面との間に隙間があると、加熱用気体の外部への漏出が生じるため、これを防止する手段として、伝熱管の外周面を貫通孔の周縁部にロウ付けする手段がよく用いられている。ロウ付け前には、伝熱管を拡管し、その外周面を側板部の貫通孔の内周面に圧接させて、仮固定を図る手段もよく用いられる。
しかしながら、前記従来技術においては、次のように改善すべき余地があった。
熱交換器の伝熱管のロウ付け強度は、高くすることが望ましい。とくに、伝熱管に接続される配管経路において、ウォータハンマが発生する虞がある場合には、ウォータハンマに対する耐衝撃性をもたせる必要がある。ここで、伝熱管のロウ付け強度を高める上では、ケースの側板部の外面側領域および内面側領域の双方の領域において伝熱管のロウ付けを図ることが好ましい。ただし、伝熱管をケース内に収容させた状態で、ケースの側板部の内面側領域にペースト状のロウ材を塗布することは困難な場合が多く、殆どの場合には、ケースの側板部の外面側領域のみにロウ材を塗布せざるを得ないこととなっている。このため、ケースの側板部の外面側領域および内面側領域の双方において、伝熱管を適切にロウ付けすることができず、ロウ付け強度に不足または不安を生じる場合がある。したがって、この点において改善すべき余地がある。
なお、熱交換器のケースの側板部と伝熱管との材質が相違し、たとえば伝熱管よりも側板部の方が、線膨張係数が大きい場合には、ロウ付けを行なうべくこれらを加熱した際に、側板部に設けられている貫通孔の内径が、伝熱管の外径よりも拡大量が大きくなる。このため、貫通孔の内周面と伝熱管の外周面との間には、隙間を生じさせることができる。したがって、この隙間を利用し、側板部の外面側領域から内面側領域に溶融ロウ材の一部を流れさせ、それら外面側領域および内面側領域の両領域において伝熱管をロウ付けすることは可能である。ただし、前記隙間が不十分な場合には、そのような適切なロウ付けはやはり困難なものとなる。
一方、前記とは異なり、たとえばケースの側板部と伝熱管との材質が同一であって、これらの線膨張係数が同一である場合には、ロウ付け用の加熱時において、貫通孔の内周面と伝熱管の外周面との間に熱膨張差に基づく隙間を生じさせることはできない。したがって、この場合には、側板部の外面側領域に塗布したロウ材を、内面側領域に向けて流れさせることはできず、側板部の外面側領域および内面側領域の両領域において伝熱管をロウ付けすることは、一層困難なものとなる。
熱交換器としては、たとえば全体がステンレス製とされたものがあるが(たとえば、特許文献1を参照)、オーステナイト系のステンレスは、フェライト系ステンレスと比較して高価であるため、ケースの側板部や伝熱管をフェライト系のステンレス製にしたいという要望がある。
ただし、フェライト系のステンレスどうしは、本来的にロウ付け性が悪いことに加え、
側板部および伝熱管の双方を同材質とし、線膨張係数も同一にすると、既述したように、ロウ付け用の加熱時に、貫通孔の内周面と伝熱管の外周面との間に隙間を生じさせることも困難となる。したがって、熱交換器の各所をフェライト系のステンレス製とした場合には、伝熱管のロウ付けを的確に行なう上で、とくに苦慮するものとなっているのが実情である。
特許第5741931号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、熱交換器の側板部に対する伝熱管のロウ付けを、簡易な手段によって適切に、かつ強固に行なうことが可能な熱交換器の製造方法提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明より提供される熱交換器の製造方法は、側板部を含むケースと、このケース内に収容され、かつ前記側板部に設けられた貫通孔に挿通されて一部が前記側板部の外方に引き出された伝熱管と、を備えており、前記側板部および前記伝熱管が、ともにフェライト系ステンレス製である熱交換器中間品を準備し、この熱交換器中間品のうち、前記伝熱管の外周面を前記貫通孔の周縁部にロウ付けするロウ付け工程を有している、熱交換器の製造方法であって、前記熱交換器中間品は、前記貫通孔に連通する凹状の切欠部が、前記側板部に貫通して設けられた構成としておき、前記ロウ付け工程においては、前記切欠部が前記伝熱管の上側に位置する姿勢に前記熱交換器中間品を設定し、かつ前記側板部の外面側および内面側の一方の領域における前記伝熱管の上面部上にロウ材を設定した状態で、このロウ材を加熱し、この加熱により溶融した溶融ロウ材の一部を、前記切欠部を介して前記側板部の外面側および内面側の他方の領域における前記伝熱管の上面部上に導くことにより、前記側板部の外面側および内面側の双方の領域において、前記溶融ロウ材を前記伝熱管の上面部から外周面下部側に廻り込ませるとともに、前記切欠部内には、前記溶融ロウ材を隙間なく満たすことを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、熱交換器中間品におけるケースの側板部の外面側領域および内面側領域のいずれか一方にロウ材を設定しておき、ロウ付け工程において、溶融ロウ材の一部を、切欠部を介して外面側領域および内面側領域の他方に流れさせるため、側板部の外面側領域および内面側領域の双方の領域において、貫通孔の周縁部に伝熱管を適切にロウ付けすることが可能となる。その結果、伝熱管がケースの側板部の外面側領域または内面側領域においてのみロウ付けされる場合と比較すると、伝熱管のロウ付け強度を高めることができる。側板部の外面側領域および内面側領域の双方にロウ材を設定する必要はなく、いずれか一方の領域のみにロウ材を設定すればよいため、ロウ材設定作業の融通性にも優れたものとなる。ロウ材設定作業の容易化、および時間の短縮化などを図ることより、熱交換器の生産性を良好にすることも可能である。
また、側板部および伝熱管が、ともにフェライト系ステンレス製である場合には、材質の特性により、および線膨張係数が同一であることにより、本来的に、ロウ付け性が劣るものとなる。これに対し、本発明によれば、既述したように、側板部の外面側領域および内面側領域の双方において、伝熱管をロウ付けすることができるため、そのロウ付け強度を十分に高くすることが可能である。
さらに、ロウ付け工程を終えた段階において、切欠部の内側にロウ材が存在しない空隙部が発生しないようにし、空隙部に起因する接合強度の低下を招かないようにすることが可能である。
本発明において、好ましくは、前記側板部の線膨張係数は、前記伝熱管の線膨張係数以下である。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ケースの側板部の線膨張係数が、伝熱管の線膨張係数以下である場合には、
ロウ付け工程の加熱時において、側板部の貫通孔の内周面と伝熱管の外周面との間に、熱膨張差に起因する隙間は生じない。このため、そのような隙間を利用して、溶融ロウ材を側板部の外面側領域および内面側領域の一方から他方に流れさせることはできず、それら両領域において伝熱管のロウ付けを行なうことは本来的に困難である。これに対し、本発明によれば、切欠部を利用して溶融ロウ材を前記両領域の一方から他方に流れさせることにより、前記したロウ付けの困難さを適切に解消することが可能である。
本発明において、好ましくは、前記切欠部は、前記貫通孔に対して1つのみ設けておき、前記ロウ付け工程においては、前記ロウ材として、ペースト状のロウ材を用いる。
貫通孔に形成される切欠部の数が多くなるほど、貫通孔の内周面と伝熱管の外周面との接触面積が小さくなるが、前記構成によれば、切欠部が最小数とされているため、前記接触面積を大きくし、側板部に対する伝熱管の取付け状態をより安定したものとすることが可能である。
本発明において、好ましくは、前記熱交換器中間品は、前記貫通孔、前記伝熱管、および前記切欠部として、複数の貫通孔、複数の伝熱管、および複数の切欠部を備えており、前記複数の貫通孔のそれぞれにおける前記複数の切欠部の個々の配置は、同一の配置に揃えられており、前記ロウ付け工程において、前記ロウ材を加熱溶融させるときには、前記複数の切欠部を前記複数の伝熱管の上側に位置する状態に設定しておく。
このような構成によれば、側板部に設けられた複数の貫通孔の周縁部に複数の伝熱管をロウ付けする作業を適切に、かつ効率よく行なうことができる。ロウ材は、各伝熱管の外周面の略全周にわたって廻り込ませることが可能である。
本発明において、好ましくは、前記伝熱管の外径は、6~20mm、前記側板部の厚みは、0.5~1.0mm、前記貫通孔の内径は、前記伝熱管の外径と同一寸法であり、前記切欠部の高さは、0.18~0.70mm、前記切欠部の幅は、1.00~1.70mmである。
このような構成によれば、後述する実施形態の試験データから理解されるように、切欠部内に空隙部などを生じさせることなく、側板部の外面側領域および内面側領域の双方において伝熱管を適切にロウ付けすることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
熱交換器の一例を示し、(a)は、その平面断面図であり、(b)は、(a)のIb-Ib断面図であり、(c)は、右側面図である。 (a)は、図1(b)のIIa部の拡大断面図であり、(b)は、(a)のIIb-IIb断面図であり、(c)は、(a)の矢視IIcの要部側面図であり、(d)は、(a)のIId-IId断面図である。 図1に示す熱交換器を製造するための熱交換器中間品の一例を示し、(a)は、その平面断面図であり、(b)は、(a)のIIIb-IIIb断面図であり、(c)は、右側面図である。 (a)は、図3(b)のIVa部の拡大断面図であり、(b)は、(a)のIVb-IVb断面図である。 図4に示す側板部に設けられた貫通孔および切欠部を示す要部断面図である。 (a),(b)は、図3に示す熱交換器中間品の側板部に伝熱管をロウ付けする工程を示す要部拡大断面図である。 切欠部のサイズとロウ付けの良否との関係を示す試験データの説明図である。 本発明の他の例を示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す熱交換器Aは、たとえば給湯装置の構成要素として用いられるものであり、後述する熱交換器中間品Aaにロウ付け処理を施すなどして構成されたものである。この熱交換器Aは、ケース1、ケース1内に収容された複数の伝熱管2、一対のヘッダ部材14、および各伝熱管2をケース1の後述する側板部11にロウ付けするための固化状態のロウ材3(図2を参照)を備えている。ここで、固化状態のロウ材3とは、ロウ付けのための加熱溶融処理を経た後に固化したロウ材である。
熱交換器Aは、たとえば不図示のバーナによって発生された燃焼ガスから潜熱を回収するための熱交換器として構成されており、潜熱回収に伴って発生する強酸性の凝縮水に対する耐腐食性をもたせるべく、ケース1、伝熱管2、およびヘッダ部材14は、フェライト系ステンレス製とされている。
熱交換器Aは、ロウ材3を利用したロウ付けに関連する構成以外については、その基本的な構成は、従来既知のものと同様であり、この点については簡単に説明する。
すなわち、ケース1は、左右両端が開口した筒状のケース本体部10と、このケース本体部10の両端の開口部を塞ぐようにケース本体部10に接合される一対の側板部11,11aとを備えている。ケース本体部10には、燃焼ガス用の給気口10aおよび排気口10bが設けられている。給気口10aからケース本体部10内に流入した燃焼ガスは、各伝熱管2に作用した後に排気口10bを通過して外部に排気される。各伝熱管2は、たとえば蛇行状伝熱管であり、上下高さ方向に適当な配列ピッチで積層したかたちでケース1内に収容されている。ただし、複数の伝熱管2のそれぞれの一端部は、側板部11に設けられた複数の貫通孔12に挿通し、側板部11の外方に引き出されている。一対のヘッダ部材14は、側板部11に接合されており、一方のヘッダ部材14は、入水用ヘッダ部を構成し、入水口14aに供給されてきた湯水を複数の伝熱管2内に流れ込ませる。他方のヘッダ部材14は、出湯用ヘッダ部を構成し、複数の伝熱管2を通過してきた湯水を出湯口14bから外部に出湯させる。
図2によく表われているように、側板部11には、各貫通孔12に対応して切欠部13が設けられている。この切欠部13は、各貫通孔12に連通する凹状(貫通孔12の内周壁からその半径方向外方に向けて凹んだ形状)であり、各貫通孔12と同様に、側板部11を貫通した状態に設けられている。図5は、伝熱管2が挿通されていない状態での貫通孔12および切欠部13の形状の一例を示しているが、好ましくは、同図に示すように、切欠部13の内壁面は円弧状とされ、できる限り滑らかな形状とされている。また、切欠部13は、貫通孔12および伝熱管2の上側に位置している。
ロウ材3は、たとえばニッケルロウであり、伝熱管2の外周面を、側板部11の貫通孔12の周縁部に接合するものであるが、その一部は切欠部13に進入しており、この切欠部13への進入部分を介して側板部11の外面側領域Saおよび内面側領域Sbの双方に跨がった分布となっている。このロウ材3は、外面側領域Saおよび内面側領域Sbの双
方において、伝熱管2の外周面の全周に沿って設けられており、伝熱管2の外周面の全周と貫通孔12の周縁部の全周とを接合している。好ましくは、切欠部13の内側には、空隙部が存在しないようにロウ材3が詰まった状態とされている。
前記した熱交換器Aは、図3に示す熱交換器中間品Aaから製造される。
この熱交換器中間品Aaは、図1および図2を参照して説明した熱交換器Aと比較すると、各部のロウ付けが図られていない点が相違している。より具体的には、図4に示すように、側板部11には、貫通孔12に連通した切欠部13が設けられているが、側板部11への伝熱管2のロウ付けは未だ図られていない。また、図3において、ケース本体部10への側板部11,11aのロウ付けも未だ図られていない。一対のヘッダ部材14については、側板部11に仮固定しておくことにより、側板部11へのロウ付けを他の部分のロウ付けと同時に行なうことは可能であるが、他の部分のロウ付けを終えた後に、側板部11に溶接することも可能である。
伝熱管2は、貫通孔12に挿通された後において、その挿通部分およびその近辺に拡管処理が施されている。このことにより、伝熱管2の外周面は、貫通孔12の内周面に圧接した状態とされる。切欠部13は、前記拡管処理によっては閉塞されず、開口状態のままである。
熱交換器中間品Aaは、前記した構成以外については、熱交換器Aと同様な構成である。したがって、その説明は省略する。
次いで、熱交換器Aの製造方法の一例について説明する。
まず、図3に示した熱交換器中間品Aaを製作して準備した後には、図6(a)に示すように、側板部11の外面側領域Saのうち、各伝熱管2の上側の切欠部13が形成されている箇所に、ペースト状のロウ材3’を塗布する。
次いで、熱交換器中間品Aaをロウ付け用の加熱炉内に搬入して加熱し、ロウ材3を溶融させる。その際、熱交換器中間品Aaの姿勢は、複数の切欠部13およびロウ材3’が、複数の伝熱管2のそれぞれの上側に位置する姿勢に設定しておく。このことにより、図6(b)に示すように、溶融ロウ材3”の一部は、矢印Naで示すように、側板部11の外面側領域Saにおいて、伝熱管2の外周面に沿って下向きに流れていく。また、溶融ロウ材3”の他の一部は、矢印Nbで示すように、切欠部13内に進入してから、側板部11の内面側領域Sbに流れ、その後はこの内面側領域Sbにおいて伝熱管2の外周面に沿って下向きに流れていく。側板部11には、複数の切欠部13が設けられているが、これらをいずれも伝熱管2の上側に位置するように設定しておくことにより、側板部11に対する複数の伝熱管2のロウ付けを同時に行なうことが可能である。
好ましくは、切欠部13は、溶融ロウ材3”がこの切欠部13内に進入した際に、溶融ロウ材3”がその表面張力により、切欠部13の内壁面およびこれに対向する伝熱管2の外周面に隙間を生じることなく接触した状態のまま、外面側領域Saから内面側領域Sbに向けて流れるサイズとされる。このことにより、溶融ロウ材3”が固化した際に、切欠部13内に空隙部を生じないようにすることが可能である。
前記した溶融ロウ材3”の流れが生じることにより、その後この溶融ロウ材3”が固化した状態においては、図2に示したように、側板部11の外面側領域Saおよび内面側領域Sbの双方において、伝熱管2の外周面の全周が貫通孔12の周縁部の全周にロウ付けされた状態となり、前記した熱交換器Aを製造することができる。
前記した熱交換器Aによれば、貫通孔12の周縁部への伝熱管2のロウ付け強度を高め
ることができる。伝熱管2および側板部11は、ともにフェライト系ステンレスであるため、その材質的な特性により、本来的には、ロウ付け性は良好ではない。また、伝熱管2および側板部11の線膨張係数は同一であるため、ロウ付け時に伝熱管2と側板部11との熱膨張の差に基づいて、伝熱管2の外周面と貫通孔12の内周面との間に、溶融ロウ材3”が通過する隙間を生じさせることも困難である。これに対し、本実施形態によれば、切欠部13を利用して、側板部11の外面側領域Saおよび内面側領域Sbの双方において伝熱管2と側板部11とを広面積でロウ付けすることができるため、十分なロウ付け強度を確保することが可能である。
本件発明者は、前記した熱交換器Aの製造方法において、切欠部13のサイズを種々に変更し、ロウ付け状態を確認する試験を行なった。その一例を、図7に示す。
同図に示す切欠部の高さ、および切欠部の幅は、図5に示す切欠部13の高さH、および幅Lにそれぞれ相当する。切欠部13の形状は、図5に示すような滑らかな形状とした。図7に示す試験は、伝熱管2の外径が8.0mm、厚みが0.3mm、側板部11の厚みが0.5mmである。
この試験では、切欠部13の高さが0.18~0.70mm、切欠部13の幅が1.00~1.70mmの範囲の場合に、良好なロウ付けがなされる結果が得られた。切欠部13の高さおよび幅が、前記の範囲よりも小さい場合には、側板部11の内面側領域Sbにロウ材3が設けられず、またはロウ材3が不足状態となる。これとは反対に、切欠部13の高さおよび幅が、前記の範囲よりも大きい場合には、切欠部13内に空隙部が発生した。
前記した試験以外にも、伝熱管2や側板部11のサイズを変更した試験を行なったが、これらの試験によれば、伝熱管2の外径が6~20mm、側板部11の厚みが、0.5~1.0mm、貫通孔12の内径が伝熱管2の外径と同一寸法である場合において、切欠部13の高さを、0.18~0.70mm、切欠部13の幅を、1.00~1.70mmとすれば、好ましい結果が得られる旨が判明した。
ただし、本発明は、前記した範囲に限定されない。
図8は、本発明の他の実施形態を示している。
同図においては、伝熱管2の上側に位置する切欠部13に加え、これよりも低い位置であって、伝熱管2の最下部よりも高い位置に追加の切欠部13aをさらに設けている。
このような構成によれば、切欠部13の形成箇所に設けられたペースト状のロウ材3’が溶融した際に、このロウ材3’が伝熱管2の最下部まで到達しなくても、追加の切欠部13aの形成箇所に設けられたペースト状のロウ材3’が溶融することによって、これを伝熱管2の最下部まで到達させることができる。したがって、伝熱管2の外周面の全周にロウ材3(3’,3”)を廻り込ませることが確実化される。
本実施形態から理解されるように、切欠部13は、複数箇所設けた構成とすることもできる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器の製造方法の各工程の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に変更自在である
本発明の熱交換器の製造方法は、側板部の線膨張係数が伝熱管の線膨張係数以下である場合にも好適であるが、これに限定されない。伝熱管は、蛇行状に限定されず、たとえば螺旋状や直管状とすることもできる。ケースは、伝熱管を内部に収容するものであればよく、その形状なども限定されない。
切欠部は、図5に示したように、できる限り滑らかな形状とすることが好ましいが、その具体的な形状も限定されない。切欠部の具体的なサイズや数などを種々に変更し得ることは、既に述べたとおりである。ロウ材の具体的な材質、種類も限定されない。
A 熱交換器
Aa 熱交換器中間品
1 ケース
11 側板部
12 貫通孔
13 切欠部
2 伝熱管
3 ロウ材(固化状態の)
3’ ロウ材(ペースト状の)
3” ロウ材(溶融ロウ材)

Claims (5)

  1. 側板部を含むケースと、このケース内に収容され、かつ前記側板部に設けられた貫通孔に挿通されて一部が前記側板部の外方に引き出された伝熱管と、を備えており、前記側板部および前記伝熱管が、ともにフェライト系ステンレス製である熱交換器中間品を準備し、
    この熱交換器中間品のうち、前記伝熱管の外周面を前記貫通孔の周縁部にロウ付けするロウ付け工程を有している、熱交換器の製造方法であって、
    前記熱交換器中間品は、前記貫通孔に連通する凹状の切欠部が、前記側板部に貫通して設けられた構成としておき、
    前記ロウ付け工程においては、前記切欠部が前記伝熱管の上側に位置する姿勢に前記熱交換器中間品を設定し、かつ前記側板部の外面側および内面側の一方の領域における前記伝熱管の上面部上にロウ材を設定した状態で、このロウ材を加熱し、この加熱により溶融した溶融ロウ材の一部を、前記切欠部を介して前記側板部の外面側および内面側の他方の領域における前記伝熱管の上面部上に導くことにより、前記側板部の外面側および内面側の双方の領域において、前記溶融ロウ材を前記伝熱管の上面部から外周面下部側に廻り込ませるとともに、
    前記切欠部内には、前記溶融ロウ材を隙間なく満たすことを特徴とする、熱交換器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱交換器の製造方法であって、
    前記側板部の線膨張係数は、前記伝熱管の線膨張係数以下である、熱交換器の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法であって、
    前記切欠部は、前記貫通孔に対して1つのみ設けておき、
    前記ロウ付け工程においては、前記ロウ材として、ペースト状のロウ材を用いる、熱交換器の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器の製造方法であって、
    前記熱交換器中間品は、前記貫通孔、前記伝熱管、および前記切欠部として、複数の貫通孔、複数の伝熱管、および複数の切欠部を備えており、
    前記複数の貫通孔のそれぞれにおける前記複数の切欠部の個々の配置は、同一の配置に揃えられており、
    前記ロウ付け工程において、前記ロウ材を加熱溶融させるときには、前記複数の切欠部を前記複数の伝熱管の上側に位置する状態に設定しておく、熱交換器の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器の製造方法であって、
    前記伝熱管の外径は、6~20mm、前記側板部の厚みは、0.5~1.0mm、前記貫通孔の内径は、前記伝熱管の外径と同一寸法であり、
    前記切欠部の高さは、0.18~0.70mm、前記切欠部の幅は、1.00~1.70mmである、熱交換器の製造方法。
JP2017249916A 2017-12-26 2017-12-26 熱交換器の製造方法 Active JP7004208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017249916A JP7004208B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 熱交換器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017249916A JP7004208B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 熱交換器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019116985A JP2019116985A (ja) 2019-07-18
JP7004208B2 true JP7004208B2 (ja) 2022-02-04

Family

ID=67305222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017249916A Active JP7004208B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 熱交換器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7004208B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020085288A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 株式会社デンソー 熱交換器
JP2022089091A (ja) * 2020-12-03 2022-06-15 パナソニックホールディングス株式会社 蓄熱装置及び蓄熱装置の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170805A (ja) 2005-05-11 2007-07-05 Denso Corp ろう接構造体およびその製造方法
JP2011231993A (ja) 2010-04-28 2011-11-17 Noritz Corp ステンレス製フィンアンドチューブ式熱交換器の製造方法
WO2013118527A1 (ja) 2012-02-07 2013-08-15 株式会社 豊田自動織機 熱交換器
JP5741931B2 (ja) 2011-05-31 2015-07-01 株式会社ノーリツ 熱交換器
JP2016166702A (ja) 2015-03-10 2016-09-15 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 熱交換器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170805A (ja) 2005-05-11 2007-07-05 Denso Corp ろう接構造体およびその製造方法
JP2011231993A (ja) 2010-04-28 2011-11-17 Noritz Corp ステンレス製フィンアンドチューブ式熱交換器の製造方法
JP5741931B2 (ja) 2011-05-31 2015-07-01 株式会社ノーリツ 熱交換器
WO2013118527A1 (ja) 2012-02-07 2013-08-15 株式会社 豊田自動織機 熱交換器
JP2016166702A (ja) 2015-03-10 2016-09-15 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 熱交換器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019116985A (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6558570B2 (ja) 熱交換器
JP6895048B2 (ja) 熱交換器およびその製造方法
JP7004208B2 (ja) 熱交換器の製造方法
JP7182070B2 (ja) 熱交換器およびその製造方法
JP2006214628A (ja) プレート式熱交換器、これを備えた温水装置および暖房装置
KR102002964B1 (ko) 열 교환기
JP6711822B2 (ja) 熱交換器のタンク構造およびその製造方法
JP2020159593A (ja) 熱交換器およびその製造方法
DK2423585T3 (en) Method of forming, inserting and permanently bonding ribs in boiler tubes
JP6357178B2 (ja) 熱交換器およびその製造方法
CN106052427A (zh) 管壳式换热器
JP5741931B2 (ja) 熱交換器
CN103994579B (zh) 燃气热水器集成不锈钢换热器
CN205102463U (zh) 热交换器以及空调装置
WO2014132772A1 (ja) 熱交換器及び熱交換器の製造方法
JP5405656B2 (ja) 熱交換器における取付板と流路キャップとのブレーズ溶接方法及び同方法で製造された熱交換器
JP2021134971A (ja) 熱交換器およびこれを備えた温水装置
CN106041339A (zh) 管壳式焊接方法
JP6098990B2 (ja) 熱交換器の製造方法
CN107606973A (zh) 废热回收热交换器
KR20020013403A (ko) 열교환기용 튜브의 제조 방법
JP3775947B2 (ja) 熱交換器の加工方法
JPS5823483Y2 (ja) ろう付用加熱バ−ナ装置
JP7351781B2 (ja) 給湯装置
JP2016095083A (ja) 熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7004208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150