JP5741931B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
ここで、従来のろう付作業の一例を簡単に説明すると、まず図12(a)に示すように、ケースの側板8の孔部80に、伝熱管9を挿通させる。次いで、バルジ加工を施し、同図(b)に示すように、伝熱管9のうち、側板8に貫通している部分、およびその近辺を拡管させる。この拡管処理によって、伝熱管9と側板8とを仮固定し、また孔部80内の隙間の幅を調整することができる。ろう材Sについては、符号n20で示すように、たとえば伝熱管9の上部であって、側板8の外面や内面に接近した箇所に、予め配置しておく。このような状態において、ろう材Sを加熱溶融させると、この溶融ろう材は、伝熱管9の外周面および側板8の外面を伝って下向きに流動し、伝熱管9の外周の略全周に行き渡らせることが可能である。
所に強度不足を生じるといった虞がある。
伝熱管および外装部材の具体的な材質の代表例として、フェライト系ステンレスを挙げることができる。これに対し、補助部材の具体的な材質の代表例としては、オーステナイト系ステンレスを挙げることができる。
嵌合部分が気密状態に封止されるように、適切なろう付けを図ることが可能である。
図1に示す熱交換器HEは、給湯装置において湯水加熱を行なうのに利用される熱交換器であって、顕熱回収用の他の熱交換器(図示略)によって顕熱が回収された後の燃焼ガスから潜熱を回収するためのものである。この熱交換器HEは、略直方体状のケース2、このケース2内に収容された複数の伝熱管1、およびろう付け補助用の一対の補助部材4を備えている。
各伝熱管1およびケース2は、チタンを含有するフェライト系ステンレス製であり、補助部材4は、チタンを含有しないオーステナイト系ステンレス製である。
ように孔部26よりもサイズが大きな横長状に形成され、複数の伝熱管1を個々に挿通させるための複数の貫通孔40を有している。
めに、熱交換器HEの全体の製造コストを廉価にする上でも好適である。また、本実施形態では、側板20に設けられた1つの孔部26に複数の伝熱管1が一括して挿入されているために、その挿入操作は容易である。また、補助部材4も、1つの補助部材4によって複数の伝熱管1に対応できる構造とされているために、補助部材4の総数が多くなってその取り扱いが煩わしくなるといった不具合もできる。このようなことから、熱交換器HEの組み立て作業性もよく、製造コストを廉価にする上で一層好ましいものとなる。
本実施形態によれば、傾斜面42aが孔部26の内周縁に圧接させることにより、補助部材4を側板20に仮固定させることができる。このようなことにより、ろう付け前における伝熱管1の拡管処理を省略し、製造工程の簡略化を図る上ことが可能となる。
本実施形態においては、側板20の外面と補助部材4との隙間にろう材Sを進入させることにより、孔部26の周縁部全周域や伝熱管1の外周面全周域を補助部材4とろう付けすることができる。もちろん、側板20と伝熱管1とを直接ろう付けすることもできる。
本実施形態においては、補助部材4の外周面と孔部26の周縁部との全周域をろう付けすることができるとともに、補助部材4の貫通孔40の周縁部と伝熱管1の外周面との全周域をろう付けすることができる。
より具体的には、同図(a)に示す補助部材4は、貫通孔40を1つのみ有するリング状とされ、かつこの貫通孔40に1本の伝熱管1が挿通された状態で側板20の外面に隣接して配置されている。ろう付けの態様は、図6(a)に示した構造と同様である。
同図(b)に示す補助部材4は、側板20の外面に対向する対向部41と、この対向部41から突出して側板20の孔部26の隙間に嵌入した突出部42とを有している。ろう付けの態様は、図2(b)に示した構造と同様である。
同図(c)に示す補助部材4は、略全体が側板20の孔部26内に嵌入されている。ろう付け態様は、図7(a)に示した構造と同様である。
本実施形態によれば、補助部材4の上側に配置されたろう材S’を加熱溶融させた際には、図9の矢印で示すような経路でこの溶融ろう材を進行させることができる。したがって、所定のろう付け対象部位に効率良くろう材を行き渡らせることができ、ろう材Sの使用量を少なくするのに好適である。
より具体的には、同図(a)に示す実施形態では、ヘッダ3の側壁部31が、ケース2の側板20に接近した配置とされている。これら側壁部31および側板20の隙間にろう材Sが流れ込んでいるが、このろう材Sの一部は、伝熱管1の外周面に到り、さらには孔部26内のうち、伝熱管1の周囲の隙間に進入している。
同図(b)に示す実施形態では、ヘッダ3の管体部32が、側板20の孔部26内のうち、伝熱管1の周囲の隙間に挿入されている。好ましくは、管体部32は、先端側から基端側に進むほどその外径が大きくなるように、その外周面は傾斜状であり、このことにより、ろう付け前の拡管作業を省略することが可能である。符号n3で示す部分においては、伝熱管1の外周面、ヘッダ3の管体部32の先端寄り部分、および側板20の内面が、互いに接近しており、これらの部分がろう材Sを用いてろう付けされている。側板20の外面および管体部32の外周面に、ろう付けをさらに施す構成とすることもできる。
同図(c)に示す実施形態では、ヘッダ3の管体部32は、その先端部分が側板20の外面近傍に位置している。符号n4で示す部分において、伝熱管1の外周面、ヘッダ3の管体部32、および側板20の外面が接近した配置にあり、これらの部分がろう材Sを用いてろう付けされている。
なお、図11(a)では、伝熱管1と側板20とを接合するための手段として、ろう付けはなされておらず、かしめ部材5が用いられている。このかしめ部材5は、同図(b)に示すように、元々は円筒部50の一端にフランジ部51が連設された構成であり、伝熱管1に外嵌され、かつ側板20の内側から孔部26に差し込まれた状態にセッティングされる。このような状態において、同図(b)の矢印で示すように、円筒部50に対して力Fを加えて、円筒部50を同図(a)に示すように変形させる。この変形では、円筒部50の一部が偏平な2つ折り状の部分52となり、この部分の内周面が伝熱管1の外周面に圧接する。また、2つ折り状の部分52とフランジ部51とによって側板20が挟み込まれる。このようなことにより、側板20の孔部26の気密シールを図りつつ、側板20と伝熱管1とを、かしめ部材5を介して強固に接合することが可能である。
S ろう材
1 伝熱管
2 ケース
3 ヘッダ
4 補助部材
20 ケースの側板
26 孔部(ケースの側板の)
40 貫通孔(補助部材の)
41 対向部(補助部材の)
42 突出部(補助部材の)
Claims (6)
- チタンを含有するステンレス製の伝熱管および前記伝熱管を囲むケースを構成する外装部材を有し、かつこれら伝熱管および外装部材は、ろう付けにより接合されている、熱交換器であって、
チタンを含有せず、または前記伝熱管および前記外装部材よりもチタン含有率が少ないステンレス製の補助部材を備えており、
この補助部材は、全体または一部が、前記伝熱管および前記外装部材のろう付け対象部分またはその近傍に配されて、前記伝熱管および前記外装部材とろう付けされていることを特徴とする、熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器であって、
前記外装部材には、前記伝熱管を前記ケースの内部から外部に引き出すための孔部が設けられ、
前記補助部材は、前記伝熱管の挿入用の貫通孔を有していることにより前記伝熱管に外嵌し、かつこの補助部材の全体または一部は、前記外装部材の外面もしくは内面に対向し、または前記外装部材の孔部内のうち、前記伝熱管の周囲の隙間に嵌入しており、
前記伝熱管の外周面全周、および前記外装部材の孔部の周縁部全周が、前記補助部材とろう付けされている、熱交換器。 - 請求項2に記載の熱交換器であって、
前記補助部材は、前記外装部材の外面もしくは内面に対向する対向部と、この対向部から前記伝熱管の軸長方向に突出し、かつ前記外装部材の孔部内のうち、前記伝熱管の周囲の隙間に嵌入する突出部と、を有している、熱交換器。 - 請求項3に記載の熱交換器であって、
前記補助部材の突出部の外面は、この突出部の先端側から基端側に進むにしたがって前記突出部の幅または直径が大きくなるように傾斜し、かつ前記外装部材の孔部の内周縁に当接可能な傾斜面とされている、熱交換器。 - 請求項2ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記伝熱管として、複数の伝熱管を有し、
前記外装部材の孔部は、前記複数の伝熱管を一括して挿入させることが可能に形成され、
前記補助部材は、前記孔部を閉塞し、かつ前記貫通孔として、前記複数の伝熱管を個々に挿入させるための複数の貫通孔を有する構成とされている、熱交換器。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記伝熱管に対する熱交換対象流体の流入または流出を行なわせるためのヘッダを備え、
このヘッダが、前記補助部材として用いられている、熱交換器。
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