JP2004069210A - 多重管式熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

多重管式熱交換器およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004069210A
JP2004069210A JP2002230780A JP2002230780A JP2004069210A JP 2004069210 A JP2004069210 A JP 2004069210A JP 2002230780 A JP2002230780 A JP 2002230780A JP 2002230780 A JP2002230780 A JP 2002230780A JP 2004069210 A JP2004069210 A JP 2004069210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
pipe
outer tube
cooling medium
middle tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002230780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004069210A5 (ja
Inventor
Tadahisa Sakurai
桜井 督久
Katsuhiro Isoda
磯田 勝弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Filter Systems Japan Corp
Original Assignee
Tennex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tennex Corp filed Critical Tennex Corp
Priority to JP2002230780A priority Critical patent/JP2004069210A/ja
Priority to EP03018139A priority patent/EP1388720B1/en
Publication of JP2004069210A publication Critical patent/JP2004069210A/ja
Publication of JP2004069210A5 publication Critical patent/JP2004069210A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02T10/121

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】ろう付け部位をできるだけ少なくしながら組付工数の削減と組付作業性を改善し、コストダウンを図る。
【解決手段】インナチューブ2とミドルチューブ3およびアウタチューブ4の三者を同心状に配置し、ミドルチューブ3の両端部をインナチューブ2と接合することで両者の空間を冷却媒体通路11とする。ミドルチューブ3とアウタチューブ4の間の空間をインナチューブ2の内部空間とともに被冷却体通路12,20とする。ミドルチューブ3の両端の膨出凸部8とアウタチューブ4側の膨出凹部18とを重ね合わせた上で、冷却媒体導入パイプ5と冷却媒体吐出パイプ6を挿入してかしめ加工を施すことにより、ミドルチューブ3とアウタチューブ4がパイプ5,6で共締めされて接合されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多重管式熱交換器とその製造方法に関し、特に内燃機関のEGRガス(還流排気ガス)の冷却を目的としたいわゆるEGRガスクーラとして使用するのに好適な多重管式熱交換器の構造とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の多重管式熱交換器の構造として特開平9−113155号公報に記載のものが知られている。図12は同公報に記載の代表的な構造を示し、外筒管101内に挿入される二重管式のオイルクーラ本体102と例えばオイル出口パイプ103とを接続するにあたり、そのオイル出口パイプ103の先端部に扁平状の挿入部104を予め形成しておき、この挿入部104のうち高さの差Hを有する外側座部105と内側座部106とをもって外筒管101とオイルクーラ本体102との相対位置を規制することにより、両者の同心状態を維持できるように設定してある。また、図13に示す別の例では、オイル出口パイプ113の挿入部114に予め形成した外側座部115と内側座部116とをもって同様の機能を持たせてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構造では、外筒管101とオイルクーラ本体102との結合保持をオイル出口パイプ103または113を介在させてろう付け接合力にのみ依存していることから、ろう付けが完了するまでは図12,13の状態を自己保持することができず、そのためにろう付けに際しては外筒管101やオイルクーラ本体102を治具で拘束して相対位置決めを行う必要があり、組付工数の増加や組付作業性の低下が余儀なくされる。特に図12の構造では、外筒管101にオイルクーラ本体102を挿入する前にその外筒管101に内側から予めオイル出口パイプ103を挿入しておく必要があるばかりでなく、オイル出口パイプ103を外筒管101に密着させた状態でその外筒管101とオイルクーラ本体102との相対位置決めを行わなければならず、これによってもまた一段と組付作業性が悪くなる。
【0004】
その上、外筒管101に対するオイル出口パイプ103または113とのろう付け接合部とオイルクーラ本体102に対するオイル出口パイプ103または113とのろう付け接合部とが互いに近接しているにもかかわらずそれぞれが独立したものとなることから、それだけろう付け接合部位が増えることによりろう付けの品質管理に要する工数が増大する結果となって好ましくない。
【0005】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、多重管式熱交換器の熱交換性能を維持しつつ、とりわけろう付け部位をできるだけ少なくしながら組付工数の削減と組付作業性を改善して、コストダウンをも可能にした多重管式熱交換器とその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、インナチューブとミドルチューブおよびアウタチューブの三者を互いに同心状に配置し、ミドルチューブの長手方向両端部をインナチューブと重ね合わせて接合することにより、そのインナチューブとミドルチューブとの間の空間を密閉された冷却媒体通路とする一方で、ミドルチューブとアウタチューブとの間の空間をインナチューブの内部空間とともに被冷却体通路とし、ミドルチューブの長手方向の二箇所を部分的にアウタチューブと重ね合わせた上で、その重ね合わせ部分の一方に冷却媒体通路と連通する冷却媒体導入パイプを、他方に同じく冷却媒体通路と連通する冷却媒体吐出パイプをそれぞれ接続し、各パイプの接続部ではミドルチューブとアウタチューブの重ね合わせ部分をパイプの一部で表裏両面から挟み込んだ状態で接合したことを特徴とする。
【0007】
この場合、上記熱交換器を例えばEGRガスクーラとして用いた場合には、請求項4に記載のように、冷却媒体通路を通流する冷却媒体が冷却水であり、被冷却体通路を通流する被冷却体が高温のEGRガスとなる。したがって、内側の被冷却体通路であるインナチューブ内を流れるEGRガスはその外側の冷却媒体通路を流れる冷却水によって冷却される一方、外側の被冷却体通路であるアウタチューブとミドルチューブとの間を流れるEGRガスはその内側の冷却媒体通路を流れる冷却水によって冷却され、同時にアウタチューブと触れる外気によっても冷却されることになる。
【0008】
各パイプの接続部でのより具体的な構造としては、請求項2に記載のように、ミドルチューブとアウタチューブとの重ね合わせ部分に対する各パイプの接続部では、重ね合わせ部分に予め形成されたパイプ挿入穴にパイプの端部を挿入した上でかしめ加工を施すことにより、ミドルチューブとアウタチューブがパイプで共締めされた状態で接合されている構造とする。
【0009】
したがって、請求項1,2に記載の発明では、ミドルチューブに接続されることになるパイプがそのミドルチューブとアウタチューブを重ね合わせたままでそれらを締結保持する機能を有することから、各パイプの接続が完了すればそのパイプとミドルチューブおよびアウタチューブの相対位置関係が一義的に定まり、その状態を自己保持することができる。もちろん、インナチューブも相手側となるミドルチューブに圧入すればその状態を自己保持することができる。そのため、各パイプの接続部のほかインナチューブとミドルチューブとの密着部にろう材を保有させた状態で熱交換器を所定の炉内に入れてろう付けを施す場合でも、熱交換器の各部を治具等によって拘束する必要がなくなる。
【0010】
ここで、請求項3に記載のように、アウタチューブおよびミドルチューブの一般部が円筒形状であるのに対して、各パイプとの接続部となる部分ではアウタチューブ自体が部分的に内側に、ミドルチューブ自体が部分的に外側にそれぞれ膨出した異形形状となっていて、アウタチューブおよびミドルチューブの軸直角断面において各パイプとの接続部までもがアウタチューブの円筒形状内におさまるように設定されていると、アウタチューブの無用な張り出し感がなく、アウタチューブの外観形状をシンプルなものとすることができるほか、ミドルチューブとアウタチューブの間に他の構造物を介在させることなしに被冷却体通路として必要な十分な隙間を確保することができる。
【0011】
さらに、請求項5に記載のように、インナチューブとミドルチューブおよびアウタチューブの三者のうち少なくともミドルチューブをコルゲートチューブ状のものとすることが伝熱面積の増加に伴う冷却性能の向上および可撓性具備による熱歪み吸収性能の一層の向上の上で望ましい。
【0012】
同様に、請求項6に記載のように、インナチューブ内にその長手方向に沿ってフィンが配設されていることが、伝熱効果の促進および乱流促進作用の上でより望ましいものとなる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の多重管式熱交換器を製造する方法として、アウタチューブにミドルチューブを挿入するとともに両者の長手方向の二箇所を部分的に重ね合わせて、両者の間に外側の被冷却体通路を形成する工程と、上記重ね合わせ部分に予め形成されたパイプ挿入穴にパイプの端部を挿入した上でかしめ加工を施して、ミドルチューブとアウタチューブをパイプで共締めするようにしてそのパイプを接続する工程と、ミドルチューブにインナチューブを挿入してそれらの長手方向両端部を密着させることにより冷却媒体通路と内側の被冷却体通路とを隔離形成する工程と、各パイプの接続部のほかミドルチューブとインナチューブの密着部にろう付けを施す工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
したがって、この請求項7に記載の発明では、先に述べたように各パイプの接続部のほかインナチューブとミドルチューブとの密着部にろう材を保有させた状態で熱交換器を所定の炉内に入れてろう付けを施す場合でも、熱交換器の各部を治具等によって拘束する必要がないことが一段と明らかとなる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1,2および請求項7に記載の発明によれば、ミドルチューブに接続されることになる冷却媒体導入パイプと冷却媒体吐出パイプがミドルチューブとアウタチューブを重ね合わせた状態でそれらを締結保持する機能を有しているため、各パイプの接続が完了すれば構成要素相互間の相対位置関係が一義的に定まり且つその状態を自己保持することができ、ろう付け等による各部の接合に際して治具等にて拘束する必要が全くなくなって、多重管式熱交換器の熱交換性能を維持しつつ工数削減とともに作業性を大幅に改善できる。しかも、ろう付け部位が必要最小限となることによって、ろう付け管理工数の削減と併せてろう付け品質の信頼性が一段と高いものとなる。
【0016】
また、冷却媒体通路をはさんでその内周側および外周側をともに被冷却体通路としたため、特に外側の被冷却体通路を流れる被冷却体は冷却媒体との熱交換作用だけでなく、アウタチューブが最大の表面積を有しているので、外気との熱交換作用を促進できることから、冷却性能が一段と向上する。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、アウタチューブおよびミドルチューブの軸直角断面において各パイプとの接続部までもがアウタチューブの円筒形状内におさまるように設定されているため、アウタチューブの無用な張り出しがなく、被冷却体および冷却体の流通抵抗を最小限とすることができるとともに、アウタチューブの外観形状をシンプルなものとすることができる。また、アウタチューブおよびミドルチューブともに各パイプとの接続部となる部分ではアウタチューブ自体が部分的に内側に、ミドルチューブ自体が部分的に外側にそれぞれ膨出した異形形状となっているため、ミドルチューブとアウタチューブの間に他の構造物を介在させることなしにそれらミドルチューブとアウタチューブの間に被冷却体通路として必要な十分な隙間を確保することができる利点がある。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、少なくともミドルチューブをコルゲートチューブ状のものとしたことから、伝熱面積の増加によって冷却性能が向上するほか、可撓性具備による熱歪み吸収性能も向上し、熱交換器本来の性能が一段と向上する。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、インナチューブ内にフィンを配設した構造としたため、フィンによる乱流促進作用と伝熱効果促進作用によって熱交換器本来の性能が一段と向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜5は本発明に係る多重管式熱交換器の好ましい実施の形態を示す図であり、内燃機関のEGRガスクーラとして用いられる三重管式のものであって、且つ被冷却体をEGRガスとし冷却媒体をエンジン冷却水とする場合の例を示している。
【0021】
図1,2に示すように、EGRガスクーラ1は、互いに同心状に配置されたインナチューブ2とミドルチューブ3およびアウタチューブ4と、ミドルチューブ3の長手方向両端部に接続された冷却水導入パイプ5および冷却水吐出パイプ6とをもって構成される。そして、アウタチューブ4の両端には円形状もしくは矩形状の取付フランジ7がろう付けにて固定される。なお、図2は図1のA−A線に沿う断面図すなわち冷却媒体吐出パイプ6の中心線に沿う断面図を示しているが、冷却媒体導入パイプ5側についても同構造となっている。
【0022】
インナチューブ2が単純な中空円筒形状のものであるのに対して、ミドルチューブ3の一般部は中空円筒形状ではあるものの、各パイプ5,6との接続部となる長手方向両端部が局部的に外側に膨出した異形形状の膨出凸部8となっているとともに、長手方向の中央部分ではベローズ状をなすいわゆるコルゲートチューブ9として形成されている。そして、ミドルチューブ3にインナチューブ2を挿入した上で長手方向両端の密着部10にろう付けを施すことにより両チューブ2,3が一体化されていて、インナチューブ2とミドルチューブ3との間には密閉された冷却媒体通路11が形成されるとともに、インナチューブ2自体の内部空間は内側の被冷却体通路12として機能することになる。
【0023】
インナチューブ2内にはその長手方向に沿って伝熱性向上と乱流発生促進のために断面略変形H字状のインナフィン13が配設される。このインナフィン13は、図3,4に示すように断面略チャンネル状に折り曲げたフィンプレート14,14同士を互いに逆向きに重ね合わせた上でインナチューブ2内に挿入したものであり、各フィンプレート14の先端のフランジ部15をもってインナチューブ2にろう付けされ、同時にフィンプレート14,14同士もまたその重なり部分で相互にろう付けされる。
【0024】
ここで、図3に示すように各フィンプレート14には幅方向に伸びる複数のスリット16,16…を等ピッチで形成するとともに、そのスリット相当部において複数の補助フィン17,17…を斜めに切り起こし形成することが熱歪み吸収性能および伝熱面積の増大の上でより望ましい。
【0025】
一方、アウタチューブ4はその一般部は中空円筒形状であるものの、各パイプ5,6との接続部となる長手方向両端部が局部的に内側に膨出した異形形状の膨出凹部18となっていて、アウタチューブ4にミドルチューブ3を挿入した際にはアウタチューブ4側の膨出凹部18とミドルチューブ3側の膨出凸部8が互いに直接接触しながら重なり合うように設定されている。すなわち、膨出凹部18と膨出凸部8は互いに密着しやすくなるように例えば液圧バルジ成形法等によりその頂部が平坦面をもって形成され、同時に中央部にはパイプ挿入穴19が予め形成されている。これにより、ミドルチューブ3とアウタチューブ4との間には外側の被冷却体通路20が形成される。
【0026】
そして、膨出凹部18と膨出凸部8をそれぞれ重ね合わせた状態で冷却媒体導入パイプ5および冷却媒体吐出パイプ6の根元側の先端部をパイプ挿入穴に挿入してかしめ加工を施すことにより、各パイプ5,6が冷却媒体通路11と連通するようにミドルチューブ3およびアウタチューブ4に対して機械的に接続され、同時にろう付けが施されている。
【0027】
すなわち、冷却媒体導入パイプ5および冷却媒体吐出パイプ6の根元側の先端部には予めビード部21が膨出形成されていて、このビード部21をアウタチューブ4側の膨出凹部18の平坦面に押し当てながら最先端部22をフレア状に拡径するべくかしめ加工を施すことにより、膨出凹部18と膨出凸部8とが互いに重なり合ったままで表裏両面側から挟み込まれるようにして共締め固定されている。
【0028】
ここで、上記のようにアウタチューブ4側に膨出凹部18を形成してこの部分を各パイプ5,6との接続部とすることにより、図2から明らかなようにアウタチューブ4の軸直角断面において各パイプ5,6との接続部までもがアウタチューブ4の円筒形状内に完全におさまっていて、アウタチューブ4側での無用な張り出しが伴わない構造となっている。同時に、ミドルチューブ3側の膨出凸部8とアウタチューブ4側の膨出凹部18を互いに重ね合わせることにより、ミドルチューブ3とアウタチューブ4との間に他の構造物を介在させることなしに外側の被冷却体通路20として必要な通路断面積が確保されている。
【0029】
また、上記の各構成要素のうち少なくともインナチューブ2とミドルチューブ3およびアウタチューブ4は例えば薄肉のステンレス製のものが採用され、各パイプ5,6およびインナフィン13についても同種もしくは異種の伝熱性に優れた金属製のものが採用される。さらに、ろう付けによる各接合部位にはニッケルろー付け、銅ろー付け等が採用されていて、例えばろう付け部位に予め箔状のろう材を介在させておくか、ペースト状ろう材を塗布しておくか、もしくは接合部となるべき金属材料そのものに予めろう材を積層したクラッド材や金属材料の表面にろう材となる銅メッキを施したものを使用するなど適宜なろう材供給を図ったうえで、各構成要素同士を組み付けた状態で全体を所定の炉内で加熱することにより各部が一斉にろう付けされる。
【0030】
このように構成されたEGRガスクーラ1によれば、図5に示すように冷却媒体導入パイプ5を入口側とし冷却媒体吐出パイプ6を出口側として冷却媒体通路11を図示しないラジエータとの間で冷却水が循環するものとすると、EGRガスはEGRクーラ1の一方の端部1aから他方の端部1bから向かって流れることになる。この場合、各パイプ5,6との接続部までもがアウタチューブ4の円筒形状内に完全におさまり、アウタチューブ4側での無用な張り出しが伴わない構造となっているので、EGRガスは流通に際し無用な抵抗を受けることなく出口側へ導かれ、EGRガス中の煤等の付着も最小限に抑えられる。また、EGRガスは冷却媒体通路11の内周側の被冷却体通路12と冷却媒体通路11の外周側の被冷却体通路20との二層に分かれるものの、ともに冷却媒体通路11内を流れる冷却水との熱交換作用により冷却される。そして、外側の被冷却体通路20を形成しているアウタチューブ4は外気に露出しており、その表面積は他のチューブに比べ最も広いので、その外側の被冷却体通路20を流れるEGRガスについては外気との熱交換作用による冷却効果も得ることができる。
【0031】
ここで、上記のようなEGRガスクーラ1の組み立て手順の一例を図6,7に基づいて説明する。ただし、図6,7ではミドルチューブ3におけるコルゲートチューブ9を図示省略して単純円筒形状のものとして描いてある。
【0032】
最初に、図6の(A)に示すように、最初に図示しない受け治具に対して冷却媒体導入パイプ5と冷却媒体吐出パイプ6とを所定のスパンとなるように下向きに位置決めする。そして、同図(B)に示すように、各パイプ5,6の上から膨出凹部18が膨出成形されたアウタチューブ4をセットし、膨出凹部18に予め形成されているパイプ挿入穴19に各パイプ5,6の先端部を挿入する。より詳しくは、各パイプ5,6の先端部に予め形成されているビード部21をアウタチューブ4側のパイプ挿入穴19の開口縁に圧接させる。
【0033】
続いて、同図(C)に示すように膨出凸部8が膨出成形されたミドルチューブ3を用意し、膨出凹部18と膨出凸部8の位相を合わせながらアウタチューブ4にミドルチューブ3を挿入して、両者の頂部である平坦面同士を互いに重ね合わせるように相対位置決めを行う。膨出凹部18と膨出凸部8の平坦面同士が正しく重ね合わされると、それらの膨出凹部18と膨出凸部8に予め形成されているパイプ挿入穴19,19同士が合致する。同時に、膨出凹部18と膨出凸部8の各膨出高さはアウタチューブ4とミドルチューブ3の軸心を相互に一致させるのに必要な寸法を考慮して設定されているので、上記のように膨出凹部18と膨出凸部8の平坦面同士が正しく重ね合わされるとアウタチューブ4とミドルチューブ3の軸心がほぼ一致して両者は同心状のものとなる。
【0034】
次いで、ミドルチューブ3側より所定のかしめ治具を挿入して、同図(D)に示すようにビード部21よりも最先端部22側を拡径させつつ押し潰すような形態でかしめ加工を施して、その各パイプ5,6の塑性変形領域にて膨出凹部18と膨出凸部8とを共締めして各パイプ5,6をミドルチューブ3およびアウタチューブ4に機械的に接続する。アウタチューブ4およびミドルチューブ3に対する各パイプ5,6の機械的接続をもってそれら三者の相対位置関係は不変となり、以降はその組付状態を自己保持することが可能となる。
【0035】
続いて、図7の(A)に示すようにミドルチューブ3内にインナチューブ2を挿入するとともに、同図(B)に示すようにインナチューブ2内にインナフィン13となるフィンプレート14を挿入する。この場合、ミドルチューブ3とインナチューブ2における長手方向両端の密着部10において両者が圧入状態となり、同時にインナチューブ2とインナフィン13とが圧入状態となることが望ましい。なお、この段階では、ろう付けが必要となる各パイプ5,6のかしめ加工部と密着部10のほかインナフィン13となるフィンプレート14のフランジ部15(図3参照)およびフィンプレート14,14同士の重合部には例えば箔状のろう材等前記各種のろう材が予め保有されているものとする。
【0036】
以上のようにして一次組み立てが完了したならば、その組立体を所定の炉に入れてろう材が溶融する温度まで加熱する。これにより、各パイプ5,6の接続部であるかしめ部と密着部10ではろう材が構成要素の層間に浸透してろう付けが施される。同時に、インナフィン13を構成しているフィンプレート14,14同士がその重合部でろう付けされるとともに、フィンプレート14のフランジ部15がインナチューブ2にろう付けされる。以上をもってEGRガスクーラ1の組み立てが完了する。
【0037】
このように本実施の形態によれば、各パイプ5,6のかしめ加工をもってその各パイプ5,6とアウタチューブ4およびミドルチューブ3の相対位置関係が一義的に定まるとともに、ミドルチューブ3にインナチューブ2を挿入すれば直ちに両者の相対位置関係も一義的に定まり、さらにはインナチューブ2にインナフィン13を挿入すれば同様に両者の相対位置関係が一義的に定まることになり、ろう付け前の一次組立体が各構成要素相互間の位置決め状態を自律的に自己保持することができるので、ろう付けに際して位置決めのための治具等を一切必要としないことになる。
【0038】
図8,9は本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態のEGRガスクーラ31の基本構造は第1の実施の形態のものと同じであるものの、図1〜4に示したインナフィン13を備えていない点で相違している。
【0039】
ここで、第1,第2の実施の形態ではミドルチューブ3のみにいわゆるコルゲートチューブタイプのものを採用しているが、必要に応じてインナチューブ2やアウタチューブ4までもコルゲートチューブタイプのものを採用することも可能である。また、双方のパイプ5,6はその配置位置の位相が円周方向で一致しているが、これについても必要に応じて円周方向での位相を相互に異ならせてもよい。
【0040】
図10は本発明の第3の実施の形態を示し、この第3の実施の形態での基本構造は図8に示した第2の実施の形態のものと同じであるものの、ミドルチューブ33がコルゲートチューブ状のものではなく単純な中空円筒状のものである点で相違している。
【0041】
また、図11は本発明の第4の実施の形態を示し、この第4の実施の形態での基本構造は図8に示した第2の実施の形態のものと同じであるものの、ミドルチューブ33がコルゲートチューブ状のものではなく単純な中空円筒状のものである点、および冷却媒体導入パイプ35と冷却媒体吐出パイプ6の設置位置の位相を円周方向で180度ずらしてある点で相違している。
【0042】
これら第2〜4の各実施の形態においても第1の実施の形態のものと同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として内燃機関のEGRガスクーラの構造を示す断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図2に示すインナフィンを形成しているフィンプレートの要部斜視図。
【図4】インナチューブとインナフィンの相互関係を示す分解斜視図。
【図5】図1のEGRガスクーラにおける冷却水とEGRガスの流れを示す説明図。
【図6】図1に示すEGRガスクーラの組立手順を示す工程説明図。
【図7】図1に示すEGRガスクーラの組立手順を示す工程説明図。
【図8】本発明の第2の実施の形態として内燃機関のEGRガスクーラの構造を示す断面図。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態として内燃機関のEGRガスクーラの構造を示す断面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態として内燃機関のEGRガスクーラの構造を示す断面図。
【図12】従来の多重管式熱交換器の構造を示す断面図。
【図13】従来の多重管式熱交換器の他の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…EGRガスクーラ(熱交換器)
2…インナチューブ
3…ミドルチューブ
4…アウタチューブ
5…冷却媒体導入パイプ
6…冷却媒体吐出パイプ
8…膨出凸部
9…コルゲートチューブ
10…密着部
11…冷却媒体通路
12…被冷却体通路
13…インナフィン
18…膨出凹部
19…パイプ挿入穴
20…被冷却体通路
21…ビード部
22…最先端部
31…EGRガスクーラ(熱交換器)
33…ミドルチューブ
35…冷却媒体導入パイプ
41…EGRガスクーラ(熱交換器)
51…EGRガスクーラ(熱交換器)

Claims (7)

  1. インナチューブとミドルチューブおよびアウタチューブの三者を互いに同心状に配置し、
    ミドルチューブの長手方向両端部をインナチューブと重ね合わせて接合することにより、そのインナチューブとミドルチューブとの間の空間を密閉された冷却媒体通路とする一方で、ミドルチューブとアウタチューブとの間の空間をインナチューブの内部空間とともに被冷却体通路とし、
    ミドルチューブの長手方向の二箇所を部分的にアウタチューブと重ね合わせた上で、その重ね合わせ部分の一方に冷却媒体通路と連通する冷却媒体導入パイプを、他方に同じく冷却媒体通路と連通する冷却媒体吐出パイプをそれぞれ接続し、
    各パイプの接続部ではミドルチューブとアウタチューブの重ね合わせ部分をパイプの一部で表裏両面から挟み込んだ状態で接合したことを特徴とする多重管式熱交換器。
  2. ミドルチューブとアウタチューブとの重ね合わせ部分に対する各パイプの接続部では、重ね合わせ部分に予め形成されたパイプ挿入穴にパイプの端部を挿入した上でかしめ加工を施すことにより、ミドルチューブとアウタチューブがパイプで共締めされた状態で接合されていることを特徴とする請求項1に記載の多重管式熱交換器。
  3. アウタチューブおよびミドルチューブの一般部が円筒形状であるのに対して、各パイプとの接続部となる部分ではアウタチューブ自体が部分的に内側に、ミドルチューブ自体が部分的に外側にそれぞれ膨出した異形形状となっていて、
    アウタチューブおよびミドルチューブの軸直角断面において各パイプとの接続部までもがアウタチューブの円筒形状内におさまるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多重管式熱交換器。
  4. 冷却媒体が水であり、被冷却体が高温ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多重管式熱交換器。
  5. インナチューブとミドルチューブおよびアウタチューブの三者のうち少なくともミドルチューブがコルゲートチューブ状のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多重管式熱交換器。
  6. インナチューブ内にはその長手方向に沿ってフィンが配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多重管式熱交換器。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の多重管式熱交換器を製造する方法であって、
    アウタチューブにミドルチューブを挿入するとともに両者の長手方向の二箇所を部分的に重ね合わせて、両者の間に外側の被冷却体通路を形成する工程と、
    上記重ね合わせ部分に予め形成されたパイプ挿入穴にパイプの端部を挿入した上でかしめ加工を施して、ミドルチューブとアウタチューブをパイプで共締めするようにしてそのパイプを接続する工程と、
    ミドルチューブにインナチューブを挿入してそれらの長手方向両端部を密着させることにより冷却媒体通路と内側の被冷却体通路とを隔離形成する工程と、
    各パイプの接続部のほかミドルチューブとインナチューブの密着部にろう付けを施す工程と、
    を含むことを特徴とする多重管式熱交換器の製造方法。
JP2002230780A 2002-08-08 2002-08-08 多重管式熱交換器およびその製造方法 Pending JP2004069210A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002230780A JP2004069210A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 多重管式熱交換器およびその製造方法
EP03018139A EP1388720B1 (en) 2002-08-08 2003-08-08 Triple-tube type heat exchanger and method of producing same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002230780A JP2004069210A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 多重管式熱交換器およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004069210A true JP2004069210A (ja) 2004-03-04
JP2004069210A5 JP2004069210A5 (ja) 2005-10-27

Family

ID=32016734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002230780A Pending JP2004069210A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 多重管式熱交換器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004069210A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006046846A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Matsumoto Jukogyo Kk 2重管式熱交換器
CN102514559A (zh) * 2011-12-14 2012-06-27 中国振华集团久达机械厂 液阻式缓速器液压泵降温装置
JP2021196071A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 株式会社ニチリン 二重管式熱交換器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006046846A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Matsumoto Jukogyo Kk 2重管式熱交換器
CN102514559A (zh) * 2011-12-14 2012-06-27 中国振华集团久达机械厂 液阻式缓速器液压泵降温装置
JP2021196071A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 株式会社ニチリン 二重管式熱交換器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005121350A (ja) 熱交換器およびその製造方法
US20070000652A1 (en) Heat exchanger with dimpled tube surfaces
JP2001041675A (ja) 熱交換器用チューブおよび熱交換器
JP2007212084A (ja) 熱交換器
JPH05318098A (ja) 熱交換器
US7322403B2 (en) Heat exchanger with modified tube surface feature
JPH0989491A (ja) Egrガス冷却装置
EP1388720B1 (en) Triple-tube type heat exchanger and method of producing same
US7228890B2 (en) Heat exchanger with integral shell and tube plates
JP2003106790A (ja) 排気熱交換器
JP4009157B2 (ja) 熱交換器用エレメントチューブとそれを用いた熱交換器
JP2004069210A (ja) 多重管式熱交換器およびその製造方法
JP2012159211A (ja) 熱交換器
JPH11142089A (ja) アルミニューム製オイルクーラ内蔵のラジエータタンク
JPH0749264Y2 (ja) 熱交換器
JP3775947B2 (ja) 熱交換器の加工方法
JP4787511B2 (ja) 熱交換器の接合構造及びその接合方法
JPH1123181A (ja) 熱交換器
JP4013298B2 (ja) 熱交換器およびその製造方法
JPS61184394A (ja) 熱交換器
JPH11223477A (ja) 自動車用複合型熱交換器およびその製造方法
JPH04270895A (ja) 熱交換器
JPH09250888A (ja) 2重管式熱交換器
JPH0639255Y2 (ja) 熱交換器のヘッダ構造
JP3151954B2 (ja) 自動車用熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050803

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080715