JP2009161832A - プレートフィン用アルミニウム合金板 - Google Patents

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直樹 時實
Takeshi Okinoya
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Hirokazu Takeuchi
浩和 竹内
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Abstract

【課題】熱交換器を形成する際に、プレートフィン用アルミニウム合金板自体の変形により、プレートフィンと冷媒配管との接合が可能なプレートフィン用アルミニウム合金板を提供すること。
【解決手段】プレートフィン10に設けた貫通穴13に冷媒配管2を配置し、貫通穴13の内壁と冷媒配管とを接合することにより形成される熱交換器におけるプレートフィン10に用いる板厚0.05〜0.15mmのプレートフィン用アルミニウム合金板1。心材12の片面側にろう材11を配してなる2層クラッド構造。ろう材11はSiを7〜15質量%(以下同様)含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、クラッド率は5〜20%。心材12はSi含有量が1%以下であると共にMn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金よりなり、結晶粒径は50〜150μm。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器用のプレートフィンに用いるプレートフィン用のアルミニウム合金板に関する。
空調機や冷蔵庫における熱交換器としては、多数のプレートフィンとこれらを貫通するチューブとを組み合わせて構成されるタイプの熱交換器(以下、プレートフィン熱交換器という)が多用されている。このプレートフィン熱交換器は、空気側のプレートフィンと、冷媒側の冷媒配管とから構成されている。従来、上記プレートフィンには、軽量で熱伝導性及び加工性に優れていることからアルミニウムが使用されている。プレートフィン熱交換器は、所定の貫通穴が形成されたプレートフィンを積層した後、上記の円筒状の貫通穴内に冷媒配管を挿入し、その後、冷媒配管の径を拡張させることにより冷媒配管の外周面と上記貫通穴の内面とを当接させて機械的に冷媒配管とフィンとを固着(以下、「拡張固着」という)することにより得ることができる。
例えば、上記プレートフィン熱交換器の従来技術として、熱交換器用アルミニウムプレートフィン材及びそれを用いたクロスフィンチューブの製造方法(特許文献1)が報告されている。この技術では、このアルミニウムプレートフィン材をプレス加工して、所定の貫通穴が形成されたアルミニウムプレートフィンを成形し、その貫通穴に伝熱管を挿入した後、アルミニウムプレートフィンに拡張固着している。
従来、プレートフィンに形成された貫通穴に冷媒配管を通すためには、貫通穴と冷媒配管との間にある程度のクリアランスが必要である。このクリアランスが小さいと、上記冷媒配管を上記貫通穴に通し難くなり、フィンを変形させるなどの問題がある。また、クリアランスは大きいほど貫通穴に冷媒配管を通し易い。しかしながら、この場合には、その後の拡張固着の工程において、冷媒配管の拡管の量を多くする必要がある。冷媒配管の拡管は、その内側に内径より大きい外径を有するプラグを強制的に挿入することによる機械的な拡管であるため、冷媒配管の内面にあらかじめ形成されている溝を潰してしまうという問題が生じる場合があった。また、プレートフィンの端部が反り上がったり下がったりして上下のプレートフィン同士がくっつくアベッキングという現象を発生し易く、熱交換性能を低下させるという問題が生じる場合もあった。
したがって、問題が生じ易い拡張固着を行うことなく、あるいは、拡張固着の拡管率を低減することが可能なプレートフィンの開発が望まれていた。
特開平10−103885号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、熱交換器を形成する際に、プレートフィン用アルミニウム合金板自体の変形により、プレートフィンと冷媒配管との接合が可能なプレートフィン用アルミニウム合金板を提供しようとするものである。
本発明は、プレートフィンに設けた貫通穴に冷媒配管を配置し、上記貫通穴の内壁と上記冷媒配管とを接合することにより形成される熱交換器における上記プレートフィンに用いるプレートフィン用アルミニウム合金板であって、
該アルミニウム合金板は、心材の片面側にろう材を配してなる2層クラッド構造を有し、
上記ろう材は、Siを7〜15%(質量%、以下同様)含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
上記ろう材のクラッド率は5〜20%であり、
上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金よりなり、
上記心材の結晶粒径は50〜150μmであり、
上記プレートフィン用アルミニウム合金板の板厚は0.05〜0.15mmであることを特徴とするプレートフィン用アルミニウム合金板にある(請求項1)。
上記アルミニウム合金板は、上述したように、心材の片面側にろう材を配してなる2層クラッド構造であり、ろう材の存在によって上記冷媒配管とろう接可能である。更に、上記アルミニウム合金板は、ろう材のSi含有量及びクラッド率、心材の成分、その含有量、及び結晶粒径、アルミニウム合金板の板厚を上記特定の範囲に制御することにより、ろう付け加熱を行うと、心材側に適度に反るように変形する。そのため、この変形を積極的に利用することによって、プレートフィンと冷媒配管とのろう付け時に、両者を密着させたうえで接合することができる。
すなわち、上記アルミニウム合金板は、心材よりも融点が低く心材に侵入しやすいろう材を、心材の上に積層した2層クラッド構造を有する。そのため、ろう付け加熱を行うと、ろう材が溶解し、ろう接可能となるだけでなく、溶融したろう材が心材に侵入するエロージョンという現象を引き起こし、上記アルミニウム合金板自体を適度に変形させることができる。
このため、プレートフィンとして本発明のアルミニウム合金板を用いて熱交換器を形成する際に、冷媒配管を挿入するための貫通穴として立設した内壁を有する形状の穴を設け、かつ、その内壁の内面を心材側面とすることによって、ろう接時の加熱により上記内壁が冷媒配管に当接する方向に変形する。これにより、貫通穴と冷媒配管とのクリアランスをなくすことができると共に、プレートフィンと冷媒配管とをろう付接合することができる。
なお、上記貫通穴の形態としては、様々な形態が考えられ、円柱状の内壁を立設したもの、その円柱状の内壁に切れ目を入れたもの、短冊状の複数の片部を立設させて内壁としたもの等が挙げられる。
また、本発明のプレートフィン用アルミニウム合金板をプレートフィンとして用いて熱交換器を形成する場合には、冷媒配管の拡管を行うことなくプレートフィンと冷媒配管との接合を行うことも可能であるが、冷媒配管の拡管を併用することによって、より高い接合効率で接合できる場合もある。
この場合には、従来より低い拡管率で拡張固着を行うことができ、拡張固着により生じるおそれのある問題を抑制することができる。
また、プレートフィンは、平板状部分を有し、その部分の変形は防止する必要がある。これは形状的に剛性を高めることで対処可能である。
本発明のプレートフィン用アルミニウム合金板は、上述したように、貫通穴を設けたプレートフィンの該貫通穴に冷媒配管を配置し、上記貫通穴の内壁と上記冷媒配管とを接合することにより形成される熱交換器用の上記プレートフィンに用いられる。
図1に、本発明のアルミニウム合金板1を用いたプレートフィン10と冷媒配管2との接合時の接合部分の変化の一例を示す。図1(a)には、貫通穴13を設けたプレートフィン10の該貫通穴13に冷媒配管2を配置した状態を示す。図1(b)には、ろう付け加熱Tにより、上記貫通穴13の内壁と上記冷媒配管2とがろう接された状態を示す。
図1から分かるように、貫通穴13を設けたプレートフィン10の該貫通穴13に冷媒配管2を配置後、ろう付け加熱を行うと、エロージョンが発生し、貫通穴13が心材12側に適度に反るように変形し、ろう接されるまでにクリアランスWをなくすことができる。これにより、上記貫通穴13の内壁と上記冷媒配管2とを密着させたうえでろう付け接合することができる。そして、ろう材11は、溶融時に流動し、いわゆる毛細管現象によって貫通穴13の内壁と冷媒配管2との間に侵入してから凝固し、強固なろう接が完了する。
また、図1に示すように、本発明のプレートフィン用アルミニウム合金板1は、プレートフィン10として用いる場合には、心材12側が貫通穴13の内壁側となるように用いることが好ましい。
また、図2に上記エロージョンの挙動を示す。図2(a)には、ろう付け加熱前のアルミニウム合金板1を示す。図2(b)、(c)に示すように、ろう付け加熱Tを行うと、溶融したろう材11が、心材12の結晶粒界121に侵入するエロージョンが発生し、侵入した部分の心材12の体積が膨張する。エロージョンが起きると、心材12のろう材11側の表面積は、もう一方の表面積に比べて大きくなる。このように、心材12の両表面において表面積に差が生じ、その分だけろう材11側が伸びるように、アルミニウム合金板1自体に曲がりが生じることとなる。
このように、プレートフィン用アルミニウム合金板の変形は、心材の結晶粒界へのろう材の侵入量で決定する。ろう材の侵入量に影響を与える因子としては、ろう材のSi含有量及びクラッド率、心材の成分、その含有量、及び結晶粒径等がある。
そのため、上記プレートフィン用アルミニウム合金板は、上述したように、上記ろう材として、Siを7〜15%含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金を用いることにより、ろう付け加熱により、心材に適度に侵入し、かつ、良好にろう接を行うことができるろう材を有することができる。
また、上記プレートフィン用アルミニウム合金板は、上記心材として、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用い、上記心材の結晶粒径を50〜150μmの範囲に制御することにより、ろう付け加熱により溶解したろう材が適度に侵入できる心材を有することができる。
そして、上記ろう材と上記心材とを用いて、上記ろう材のクラッド率を5〜20%の範囲に制御して、板厚が0.05〜0.15mmであるプレートフィン用アルミニウム合金板を形成することにより、ろう付け加熱を行うと、上述のエロージョンという現象が良好に引き起こされ、アルミニウム合金板自体を適度に変形させることができる。
上記ろう材のSiの含有量が7%未満の場合には、ろう付け加熱時に溶融するろう材が少なく、心材に侵入する量が少なくなる。そのため、アルミニウム合金板の変形量が少なく、クリアランスをなくすことができないという問題がある。一方、上記Siの含有量が15%を越える場合には、アルミニウム合金板の鋳造時に粗大Si粒が生成するため、アルミニウム合金板の製造が困難になるという問題がある。
上記クラッド率とは、ろう材の厚みをt0、プレートフィン用アルミニウム合金板の板厚をtとした際に、t0/t×100によって求められる値である。
上記クラッド率が5%未満の場合には、ろう付け加熱時に溶融したろう材が少なく、心材に侵入する量が少ないため、アルミニウム合金板の変形量が少ないという問題がある。一方、上記クラッド率が20%を越える場合には、ろう付け加熱時に溶融するろう材が多すぎるため、心材が溶け易くなるという問題がある。
上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金よりなる。
上記心材がMn:1〜1.5%を含有する場合には、強度及びろう付け性に優れたプレートフィンを得ることができる。
一方、上記心材がFe:0.3〜0.7%を含有する場合には、熱伝導性及び成形性に悪影響を与えることなく、プレートフィンとしての強度を高めることができる。
上記心材のSi含有量が1%を超える場合には、ろう材の侵入が少なくなり、アルミニウム合金板の曲がりが少なくなるという問題や、心材の融点が低くなり、ろう付時に溶け易くなるという問題がある。
上記心材がMnを含有する場合には、Mn含有量は1〜1.5%である必要がある。上記Mn含有量が1.5%を超える場合には、プレーフィン用アルミニウム合金板としての製造が困難になり、良好なアルミニウム合金板が得られないおそれがある。一方、上記Mn含有量が1%未満の場合には、プレートフィンとしての強度が低くなるおそれがある。
上記心材がFeを含有する場合には、その含有量は0.3〜0.7%である必要がある。上記Fe含有量が0.7%を超える場合には、結晶粒が小さくなりすぎてアルミニウム合金板が座屈しやすくなるおそれがある。一方、上記Fe含有量が0.3%未満の場合には、十分な効果が得られないおそれがある。
また、上記心材の結晶粒径が50μm未満の場合には、ろう付け加熱時にろう材が心材に侵入しすぎて、心材が座屈変形しやすくなるという問題や、心材が溶解するという問題がある。一方、上記結晶粒径が150μmを超える場合には、心材に侵入するろう材が少なくなるため、アルミニウム合金板の曲がりが少なくなるという問題がある。
また、上記プレートフィン用アルミニウム合金板の板厚は0.05〜0.15mmである。
上記プレコートフィン用アルミニウム合金板の板厚が0.05mmよりも薄い場合には、ろう付け加熱時にろう材が心材に侵入しすぎて、フィン材が溶融してしまう恐れがあり、一方、上記板厚が0.15mmよりも厚い場合には、熱交換器の質量が重くなることに加えて熱交換性能が低下するという問題がある。
また、上記プレートフィン用アルミニウム合金板の上記心材は、更に、Znを1〜3.5%含有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、犠牲陽極効果により、冷媒配管の腐食を防止することができる。
上記心材がZnを含有する場合には、その含有量は1〜3.5%である必要がある。上記Zn含有量が3.5%を超える場合には、心材自体の腐食がしやすくなり、熱伝導性が低下したり、アルミニウム合金板の強度が低下したり、腐食生成物が放散される等の問題が生じるおそれがある。一方、上記Zn含有量が1%未満の場合には、十分な効果が得られないおそれがある。
また、上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%を含有している際に、更に、Cuを0.05〜0.2%含有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、心材の強度を向上させることができる。
上記心材がCuを含有する場合には、Cu含有量は0.05〜0.2%である必要がある。上記Cu含有量が0.2%を超える場合には、心材の電位が貴になるため、冷媒配管の穴あき腐食が生じ易くなるおそれがある。一方、上記Cu含有量が0.05%未満の場合には、十分な効果を得ることができない。
また、上記の不可避的不純物は、製造上含有量を0にすることが困難な元素である。具体的には、本例では、例えば、Fe:0.15%以下、Cu:0.05%以下までは、不可避的不純物として扱うことができる。また、Mg、Cr、Zn、Ti、Zrについても、0.05%までは不可避的不純物として扱うことができる。
また、上記冷媒配管は、アルミニウム合金管であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、熱交換器をアルミニウム合金のみで製造することができ、コストダウンを図ることができる。なお、アルミニウム合金管としては、円柱状のものの他に、偏平状のもの等、複数の形状のものがある。
(実施例1)
本例は、本発明のプレートフィン用アルミニウム合金板にかかる実施例及び比較例について説明する。
まず、表1に示すろう材用アルミニウム合金を作製した。具体的には、ろう材としてのアルミニウム合金を連続鋳造により造塊し、常法に従って均質化処理を施し、更に、熱間圧延を行った後切断した。次に、表2に示す心材用アルミニウム合金を作製した。具体的には、心材としてのアルミニウム合金を連続鋳造により造塊し、常法に従って均質化処理を施した。
Figure 2009161832
Figure 2009161832
その後、上記ろう材用アルミニウム合金及び上記心材用アルミニウム合金を用いて、表3及び表4に示すプレートフィン用アルミニウム合金板(試料E1〜試料E22、試料C1〜試料C15)を作製した。
具体的には、表1に示すろう材用アルミニウム合金及び表2に示す心材用アルミニウム合金を、表3、表4に示すクラッド率となるように組み合わせてクラッド圧延を行い、熱間圧延、冷間圧延を行い、中間焼鈍を施した後、表3、表4に示す加工度で最終冷間圧延を行い、表3、表4に示す厚さのプレートフィン用アルミニウム合金板を作製した。
なお、最終冷間圧延の条件を調整することにより、ろう付け加熱後の心材の結晶粒径を制御した。
Figure 2009161832
表3より知られるごとく、本例の実施例としての試料E1〜試料E22は、心材の片面側にろう材を配してなる2層クラッド構造を有し、上記ろう材は、Siを7〜15%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、ろう材のクラッド率は5〜20%である。上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有するアルミニウム合金からなる。また、プレートフィン用アルミニウム合金板の板厚は0.05〜0.15mmである。
Figure 2009161832
次に、作製した各試料(試料E1〜試料E22、試料C1〜試料C15)について、結晶粒径、曲がり性、溶解性、フィン強度、ろう付接合性、及び腐食性を評価し、総合評価を行った。
まず、図3に示すように、ろう付け加熱試験として、作製したプレートフィン用アルミニウム合金板1を50mm角に切断し、窒素雰囲気中で600℃で3分保持し、ろう付け加熱Tを行った。
<結晶粒径>
ろう付け加熱後の試料14の心材12側の表面を、表面偏光ミクロ写真を撮影し、その写真内の結晶粒数を数えて円相当径に換算し、結晶粒径を算出した。なお、心材の結晶粒径はろう付け加熱前後においてほとんど変化しない。
<曲がり性>
また、ろう付け加熱後のプレートフィン用アルミニウム合金板14の曲率半径Rを測定し、曲がり性を評価した。評価が○を合格、評価が×を不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
(評価基準)
○:曲率半径Rが18mm以下の場合。
×:曲率半径Rが18mm超える場合。
<溶解性>
また、ろう付後のプレートフィン用アルミニウム合金板14について、断面観察を行い、心材12に溶解が発生しているか否かを確認した。心材が溶解していない場合を合格、心材に溶解が確認された場合を不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
<フィン強度>
また、溶解性が合格であった試料について、プレートフィン用アルミニウム合金板を、窒素雰囲気中で600℃で3分保持し、ろう付け加熱を行い、JIS5号試験片(JIS
Z 2201)を作製した。フィン強度は、作製したJIS5号試験片(JIS Z 2201)について、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、ろう付後のアルミニウム合金板の強度を測定し、評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
(評価基準)
○:強度が140MPa以上の場合。
×:強度が140MPa未満の場合。
次に、各試料(試料E1〜試料E22、試料C1〜試料C15)について、図4(a)に示すように、プレートフィン用アルミニウム合金板1にコの字状の切込みを入れ、図4(b)に示すように、曲げ成形を行い、曲げRが10mmの曲げ部分15を形成した。次いで、図4(c)に示すように、アルミニウム合金板1とA3003合金板3とを組合せた。その後、図4(d)に示すように、窒素雰囲気中600℃で3分保持し、ろう付け加熱Tを行い、ろう付接合試験を行った。曲げ部分15とA3003合金板とのクリアランスWは、A3003合金板3の板厚を変更することにより、0.03mm、0.05mm、0.10mmの3段階に調節した。ろう付接合試験は、各試料において、3種類のクリアランスについてそれぞれ10回ずつ行った。図4における上記アルミニウム合金板1は、心材が上側、ろう材が下側に位置している。
<ろう付接合性>
加熱後のアルミニウム合金板1の曲げ部分15と、A3003合金板3とが接合しているか否かを調査し、10回中の成功回数からろう付接合性を算出し、評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
(評価基準)
○:0.03mm、0.05mm、0.10mmのいずれも50%以上である場合。
×:0.03mm、0.05mm、0.10mmのいずれか一つでも50%未満の場合。
<腐食試験>
上記ろう付接合性が合格であった試料について、クリアランスが0.03mmで作製した試験片を塩水噴霧試験(JIS Z 2371)に1000時間供し、アルミニウム合金板1及びA3003合金板3の腐食状況を観察し、腐食性を評価した。○を合格、×を不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
(評価基準)
○:アルミニウム合金板1及びA3003合金板3に腐食が観察されない場合。
×:アルミニウム合金板1、A3003合金板3のいずれか一方でも腐食が観察された場合。
<総合評価>
総合評価は、上記曲がり性、溶解性、フィン強度、接合性、及び腐食性のいずれも合格である場合に評価○とし、合格とする。曲がり性、溶解性、フィン強度、接合性、及び腐食性のいずれか一つでも不合格である場合には、評価を×とし、不合格とする。結果を表5及び表6に示す。
Figure 2009161832
Figure 2009161832
表5より知られるごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E22は、曲がり性、溶解性、フィン強度、接合性、及び腐食性のいずれの評価項目においても、特に良好な結果を示した。
また、表6より知られるごとく、比較例としての試料C1は、心材のMn含有量が本発明の下限を下回るため、プレートフィンとしての強度が低くなり、フィン強度が不合格であった。
また、比較例としての試料C2は、心材のMn含有量が本発明の上限を上回るため、プレートフィン用アルミニウム合金板としての製造が困難になり、良好なアルミニウム合金板が得られなかった。
また、比較例としての試料C3は、心材のSi含有量が本発明の上限を上回るため、心材の融点が低くなり、ろう付時に溶け易くなる。そのため、心材の溶解が確認され、不合格であった。
また、比較例としての試料C4は、心材の結晶粒径が本発明の下限を下回り、ろう付け加熱時にろう材が心材に侵入しすぎて、心材が座屈変形しやすくなるため、曲がり性が不合格であり、また、心材の溶解が確認され、ろう付接合を行うことができず、不合格であった。
また、比較例としての試料C5及び試料C9は、心材の結晶粒径が本発明の上限を上回り、心材に侵入するろう材が少なくなるため、アルミニウム合金板の曲がりが少なくなり、クリアランスをなくすことができず、ろう付けを良好に行うことができない。そのため、曲がり性及びろう付接合性が不合格であった。
また、比較例としての試料C6は、ろう材のクラッド率が本発明の下限を下回るため、ろう付け加熱時に溶融したろう材が少なく、心材に侵入する量が少ないため、アルミニウム合金板の変形量が少なく、クリアランスをなくすことができず、ろう付けを良好に行うことができない。そのため、曲がり性及びろう付接合性が不合格であった。
また、比較例としての試料C7は、ろう材のクラッド率が本発明の上限を上回るため、ろう付け加熱時に溶融するろう材が多すぎ、心材が溶け易くなる。そのため、心材の溶解が確認され、曲がり性、ろう付接合性を評価することができず、不合格であった。
また、比較例としての試料C8は、ろう材のSi含有量が本発明の上限を上回るため、アルミニウム合金板の鋳造時に粗大Si粒が生成し、アルミニウム合金板を製造することができず、不合格であった。
また、比較例としての試料C10は、ろう材のSi含有量が本発明の下限を下回るため、ろう付け加熱時に溶融するろう材が少なく、心材に侵入する量が少ないため、アルミニウム合金板の変形量が少なく、クリアランスをなくすことができない。そのため、曲がり性及びろう付接合性が不合格であった。
また、比較例としての試料C11は、心材のCu含有量が本発明の好ましい範囲の上限を上回るため、心材の電位が貴になり、冷媒配管の穴あき腐食が生じ易くなる。そのため、腐食性が不合格であった。
また、比較例としての試料C12は、心材のZn含有量が本発明の好ましい範囲の上限を上回るため、心材自体の腐食がしやすくなり、熱伝導性が低下したり、アルミニウム合金板の強度が低下したり、腐食生成物が放散される。そのため、腐食性が不合格であった。
また、比較例としての試料C13は、心材のSi含有量が、本発明の上限を上回るため、心材の融点が低くなり、ろう付時に溶け易くなる。また、結晶粒径が本発明の下限を下回るため、ろう付け加熱時にろう材が心材に侵入しすぎる。そのため、心材の溶解が確認され、ろう付接合を行うことができず、不合格であった。
また、比較例としての試料C14は、心材のFe含有量が本発明の上限を上回るため、結晶粒が小さくなりすぎ、結晶粒径が本発明の下限を下回る。そのため、ろう付け加熱時にろう材が心材に侵入しすぎ、アルミニウム合金板が座屈しやすくなるおそれがある。そのため、心材の溶解が確認され、ろう付接合を行うことができず、不合格であった。
また、比較例としての試料C15は、アルミニウム合金板の板厚が本発明の上限を上回るため、アルミニウム合金板の曲がりが少なくなり、クリアランスをなくすことができず、ろう付けを良好に行うことができない。そのため、曲がり性及びろう付接合性が不合格であった。
また、比較例としての試料C16は、心材のFe含有量が本発明の下限を下回るため、Feを含有することによる熱伝導性及び成形性に悪影響を与えることなく、プレートフィンとしての強度を高めることができるという効果を十分に得られず、また、心材の結晶粒径が本発明の上限を上回り、心材に侵入するろう材が少なくなるため、アルミニウム合金板の曲がりが少なくなり、クリアランスをなくすことができず、ろう付けを良好に行うことができない。そのため、曲がり性及びろう付接合性が不合格であった。
プレートフィンと冷媒配管との接合例を示す説明図。 エロージョンのメカニズムを示す説明図。 実施例1における、ろう付け加熱試験を示す説明図。 実施例1における、ろう付接合試験を示す説明図。
符号の説明
1 プレートフィン用アルミニウム合金板
10 プレートフィン
11 ろう材
12 心材
13 貫通穴
2 冷媒配管

Claims (4)

  1. プレートフィンに設けた貫通穴に冷媒配管を配置し、上記貫通穴の内壁と上記冷媒配管とを接合することにより形成される熱交換器における上記プレートフィンに用いるプレートフィン用アルミニウム合金板であって、
    該アルミニウム合金板は、心材の片面側にろう材を配してなる2層クラッド構造を有し、
    上記ろう材は、Siを7〜15%(質量%、以下同様)含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
    上記ろう材のクラッド率は5〜20%であり、
    上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%、Fe:0.3〜0.7%のいずれかを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金よりなり、
    上記心材の結晶粒径は50〜150μmであり、
    上記プレートフィン用アルミニウム合金板の板厚は0.05〜0.15mmであることを特徴とするプレートフィン用アルミニウム合金板。
  2. 請求項1において、上記心材は、更に、Znを1〜3.5%含有することを特徴とするプレートフィン用アルミニウム合金板。
  3. 請求項1または2において、上記心材は、Si含有量が1%以下であると共に、Mn:1〜1.5%を含有している際に、更に、Cuを0.05〜0.2%含有することを特徴とするプレートフィン用アルミニウム合金板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記冷媒配管は、アルミニウム合金管であることを特徴とするプレートフィン用アルミニウム合金板。
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