JP5808503B1 - 金型内の気体放出構造 - Google Patents

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Abstract

本発明の金型内の気体放出構造は、弾性体の押圧力を受け、上方側が逆台形状断面で下方側は直方体状断面を有する摺動部材と、前記摺動部材を方向Rに摺動可能に受容する摺動部材受容体とを備えており、流動体が気体である間は隙間S1、S2、S3を流通路として通過させ、これらに連通している気体放出口を通じて外部に放出し、流動体が溶融素材へ移行した際に、摺動部材が移動して隙間S2、S3が密閉され、溶融素材の以後の通過を阻止するものである。

Description

本発明は、各種プラスチック、セラミック、ゴム系素材、ガラス系素材等を射出成形し、または金属ないし合金類をダイカスト成形する際に使用される金型の溶融素材充填空間(以下、「キャビティ」ともいう)内部において、溶融素材からの発生ガスおよび空間内部残留空気等(以下、「ガス類」ともいう)が成形品に及ぼす悪影響を低減することにより成形される製品の外観性状を改善し不良品発生を大幅に低減するための金型内の気体放出構造及び当該構造を備えた金型に関し、特に、ガス類の気体を確実に外部に放出させると共に溶融素材の外部への流出を確実に阻止することを可能にすると共に、当該構造をキャビティの底面に直交して立体的な装着を可能とし、当該気体放出構造に形成されるタブを離型の際に効率よく処理することができる金型内の気体放出構造及び当該構造を備えた金型に関する。
各種プラスチック(合成樹脂)、セラミック、ゴム系材料、ガラス系材料、液晶等を素材とする射出成形、さらにはアルミ、亜鉛、錫、銅等の各種金属を素材とするダイカスト成形では、固定・可動の組合せからなる金型により成形される。プラスチック、金属等の溶融素材をキャビティ内に加圧充填し、その後所定の冷却過程を経て所望形状および構造の製品が得られる。原材料であるプラスチック類、セラミック、ゴム系材料、ガラス系材料等や金属系素材を成形に適する状態まで溶融させると一般に各成分に応じたガスが発生する。発生ガスの種類や発生量は加熱温度、素材の種類、添加される副資材等によって異なり、またキャビティの容積によっても異なる。
金型キャビティは製品表面の性状や外観を改善するために精密な仕上げが施され、固定・可動金型の接合面も密接するように加工される結果気密性が高くなっている。さらに、固定・可動金型の接合面の気密性を高めるために、弾性体のパッキンなどを介在させることもある。このように高い気密性を保つキャビティ内には、前述のように溶融素材から発生するガス類や金型各部内の残留空気等から成る気体成分が存在する。これら気体の存在は、溶融体の圧入に伴う圧縮時に逃げ場を失い、溶融素材のキャビティ内流動拡張が妨げられ、ショートショットや表面不斉一のような成形不良が発生しがちである。他方、気体成分の流出を自由に許容するような間隙がある場合、溶融素材が入り込み、成形品表面にバリや鋳巣(凹凸)が発生することになり製品の品位を低下させる。
上述のようなキャビティ内に閉じ込められたガス類による悪影響を解消するために、発明者は、特許文献1において、外部制御手段を使用することなしに金型内を流動する溶融成形素材先端部の押圧力によって自動的に作動する金型の充填空間内部の気体放出構造並びに該気体放出構造を具備する金型を提案している。
ここで提案された気体放出構造は、弾性体14による押圧力を対向面側から受ける摺動部材であって、溶融素材の流動方向Rに形成された有底穴12並びに該有底穴に連通しかつ前記溶融素材の流動方向と交差する向きに開口する少なくとも1個の側面開口13を有する摺動部材10と、前記摺動部材を溶融素材の流動方向に並行する方向に摺動可能に受容し、前記溶融素材の流動圧を受けない初期状態において前記摺動部材の側面開口13と連通していて、その後前記摺動部材が溶融素材の流動先端部によって前記弾性体に抗する方向に摺動せしめられた際に閉塞される気体放出口21を有する摺動部材受容体20とからなる金型内の気体放出構造であって、固定金型および可動金型によって形成される充填空間または該充填空間に繋がる溶融素材流動路の途中ないし末端付近に装着可能なように構成されている。
特許文献1で提案された気体放出構造は溶融素材流の先端部の押圧力によって摺動部材が移動(作動)することを前提とするものであるが、特に流動速度が高速の低粘度溶融素材(例えば、コネクタ製品に使用されるナイロン、LCP等)を射出成形する場合に、溶融素材流の先端部の押圧力が弱いために摺動部材が円滑に移動しないケースが発生し、摺動部材が移動しない状態においては摺動部材の側面開口が摺動部材受容体に形成された気体放出口と連通しており、ガス類と共に溶融素材が当該連通穴から外部に流出されることになるという問題が発生した。
そこで、発明者は上記問題を解決すべく特許文献2において、溶融素材流の先端部の押圧力によって摺動部材を円滑に移動(作動)させると共に、溶融素材の外部への流出を確実に阻止するために、溶融素材流の先端部が当接して入り込む部分を増加する構造並びに溶融素材が流入する空間の容積を拡張する気体放出構造を提案している。ここで提案された気体放出構造は、上述の先行文献1で提案した構造において、摺動部材受容体の摺動部材の前面16への溶融素材の流動先端部が入り込む隙間S1、摺動部材の底面17における摺動面の傾斜面SF1、摺動部材の有底穴12のサイズ、容積を拡張した構成、上端部から気体放出口に至る間の任意の区間への湾曲状又は直線状の傾斜面SF2、SF3等を形成した構成を採用している。
これら特許文献1、2に開示されたいずれの気体放出構造においても、摺動部材に有底穴と、有底穴に連通し摺動部材受容体に形成される気体放出口と連通、閉塞される側面開口とが形成され、ガス類の流通路を有底穴、側面開口、気体放出口とし、溶融素材の外部への流出を側面開口と気体放出口との閉塞により阻止する構成を採用するものである。要するに、これらの文献に開示された構造は孔(側面開口)と孔(気体放出口)との閉塞により溶融素材の外部への流出を阻止するものである。また、摺動部材に対し有底穴及び側面開口部並びに傾斜面の形成加工は高い精度が要求され、特許文献1、2に開示された気体放出構造の製作にはいずれも多くの時間と高コストを必要とした。
また、成形品によってはガス類や溶融素材がキャビティの底面中央部付近に集中する場合、キャビティ底部へのダミーピンの取付けやキャビティのつなぎ目からガス類の放出を実施していたが効率が悪かった。また上記特許文献1、2記載の気体放出構造をキャビティの底面に対して直交して立体的に装着しても摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材が余肉とも呼ばれるタブとなり、離型の際の処理が問題となっていた。
樹脂成形品のアンダーカット部を離型させるための傾斜スライド機構を開示する文献として特許文献3がある。特許文献3は、樹脂成形品を成形する金型であって、金型を構成するキャビティ及びこのキャビティに対し相対移動自在なコアと、コアの背部に設けられ上記コアに対し相対移動自在なエジェクタプレートと、樹脂成形品のアンダーカット部を成形するため一端側に設けられた傾斜コア部と該傾斜コアに接続されかつ上記コアに挿通された傾斜ピンを有し、該傾斜ピンの他端側を上記エジェクタプレートに対しスライド自在にするスライドユニットとを備えた傾斜スライドとを有する樹脂成形用金型装置において、上記傾斜スライドは、上記キャビティとコアとの離型時に上記エジェクタプレートがコア側に前進する距離に比較して、上記傾斜コア部がコアから突き出る量が小さくなるように上記傾斜ピンをガイドする突出量規制手段を備えている樹脂成形用金型装置を開示している。ここに開示される発明は、樹脂成形品のアンダーカット部の離型を確実に行うことができるとともに型締め時に金型を傷付けることがない樹脂成形用金型装置を提供することを目的とするものであり、金型に気体放出構造を装着するものでもなく、気体放出構造の装着により形成されるタブの離型を目的とするものではなくタブ処理に関するものではない。
特許第4455676号公報
国際公開WO2013/140580号公報
特開平10−264217号公報
発明者は、前述した問題点を解決すべく気体放出構造について更に実験、研究開発を重ねた結果、気体放出構造の摺動部材に有底穴と側面開口を形成することなく、面と面との緊密な係合、密接により溶融素材の外部への流出を確実に阻止することを可能にし、また成形時に気体放出構造に形成されるタブの離型を確実に行いキャビティの底面に対して直交して立体的に装着できる気体放出構造を開発するに至った。
本発明の課題は、簡易な構造で製作コストを大幅に低減できる溶融素材の外部への流出を面と面との係合密接により確実に阻止することが可能な気体放出構造、並びに気体放出構造に形成されるタブの離型を効率よく実施でき、キャビティの底面に対して直交して立体的に装着できる傾斜スライド機構付き気体放出構造を提供することである。
なお、本発明の対象となる金型は、各種プラスチック(合成樹脂)の射出成形用金型に限定されるものではなく、溶融素材をキャビティ内に圧入して成形する、例えばセラミック、ゴム系材料、ガラス系材料、液晶等を素材とする成形用の金型、ならびにアルミ、亜鉛、錫、銅等の各種金属を素材とするダイカスト用金型等を包含するものである。
本発明における気体放出構造は、弾性体14による押圧力を対向面側から受ける摺動部材であって、上方側が逆台形状断面10aで、底面部に弾性体が装着される下方側は直方体状10bであり、気体放出構造に対し流動体を導入するために溶融素材充填空間又は該充填空間に繋がる溶融素材流動路の適宜部位に設けられる導入路を通じて流動体を受け入れる第1の隙間S1を上面に確保し、そして上面両端部から気体放出口の底辺部に至る両側面に、前記第1の隙間S1と連通して気体の流通路となる第2の隙間S2及び第3の隙間S3を確保して第1の傾斜面SF11及び第2の傾斜面SF12を形成した摺動部材10と、前記摺動部材を溶融素材の流動方向Rに摺動可能に受容し、上面部に前記第1の隙間S1を確保し、両内側側面に前記第1の傾斜面SF11及び第2の傾斜面SF12に対応する第3の傾斜面SF21及び第4の傾斜面SF22を形成し、摺動部材が溶融素材の流動先端部によって前記弾性体に抗する方向Dに向け気体放出口の底辺位置BPまで移動した際に閉塞される気体放出口23を有する摺動部材受容体20と、を備えた固定金型および可動金型によって形成される溶融素材充填空間または該充填空間に繋がる溶融素材流動路の途中ないし末端付近に装着される気体放出構造であって、溶融素材充填空間又は該充填空間に繋がる溶融素材流動路からの流動体が気体である間は、第1の隙間S1、第2の隙間S2及び第3の隙間S3を流通路として通過させ、これらに連通している気体放出口23を通じて外部に放出し、流動体が気体から溶融素材へ移行した際に、摺動部材10が気体放出口の底辺位置BPまで移動して気体放出口23を閉塞し、第1の傾斜面SF11と第3の傾斜面SF21並びに第2の傾斜面SF12と第4の傾斜面SF22とが互いに緊密に係合して密接し第2の隙間S2及び第3の隙間S3が密閉され、溶融素材の以後の通過を阻止するように構成することができる
請求項1に記載の発明は、弾性体14による押圧力を対向面側から受ける摺動部材であって、上方側が逆台形状断面10aで、底面部に弾性体が装着される下方側は直方体状10bであり、流動体を受け入れる第1の隙間S1を上面に確保し、そして上面両端部から気体放出口の底辺部に至る両側面に、前記第1の隙間S1と連通して気体の流通路となる第2の隙間S2及び第3の隙間S3を確保して第1の傾斜面SF11及び第2の傾斜面SF12を形成した摺動部材10と、前記摺動部材を溶融素材の流動方向Rに摺動可能に受容し、上面部に前記第1の隙間S1を確保し、両内側側面に前記第1の傾斜面SF11及び第2の傾斜面SF12に対応する第3の傾斜面SF21及び第4の傾斜面SF22を形成し、摺動部材が溶融素材の流動先端部によって前記弾性体に抗する方向Dに向け気体放出口の底辺位置BPまで移動した際に閉塞される気体放出口23を有する摺動部材受容体20において、溶融素材充填空間Cの底面中央部付近に開口された開口部CHから流動体を受け入れるための流路31を上面に突出して形成し、上面下方部に流路31と連通する前記第1の隙間S1を確保して摺動部材10を受容し、そして摺動部材受容体表面部の摺動部材受容部30aの下方部30bおよび背面部30cを傾斜面とする傾斜シャフト32として傾斜スライド機構を備え、離型の際に、傾斜シャフトの上昇方向Uに向けたスライド動作により成形品を突き上げつつ水平方向Hに向けて移動して、摺動部材10が気体放出口33の底辺位置BPまで移動した際に摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材によって形成されたタブTから抜け出るように構成された摺動部材受容体30と、を備えた固定金型および可動金型によって形成される溶融素材充填空間Cの底面中央部付近の下方に直交して装着される気体放出構造であって、溶融素材充填空間からの流動体が気体である間は、第1の隙間S1、第2の隙間S2及び第3の隙間S3を流通路として通過させ、これらに連通している気体放出口23を通じて外部に放出し、流動体が気体から溶融素材へ移行した際に、摺動部材10が気体放出口の底辺位置BPまで移動して気体放出口23を閉塞し、第1の傾斜面SF11と第3の傾斜面SF21並びに第2の傾斜面SF12と第4の傾斜面SF22とが互いに緊密に係合して密接し第2の隙間S2及び第3の隙間S3が密閉され、溶融素材の以後の通過を阻止するように構成された金型内の気体放出構造であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金型内の気体放出構造における摺動部材を対向面に押圧する弾性体14が、コイルばね、板ばね、ゴム系弾性体、流体圧縮アクチュエータから選ばれた1種または複数の組合せから構成されることを特徴とする。前記した本発明における気体放出構造は金型内の所要部位に形成された取付け用凹所に嵌め込み装着が可能である
前記した本発明における気体放出構造が固定金型および可動金型によって形成される溶融素材充填空間または該充填空間に繋がる溶融素材流動路の途中ないし末端付近に予め一体的に配設された金型とすることができる
本発明に係る金型内の気体放出構造は、射出成形、ダイカスト成形等に不可欠の金型において、ゲートから遠い側に位置する溶融素材流動路の途中ないし末端付近で、溶融素材流の先端部によって押圧力を受ける部位に装着される。なお、具体的な取り付け部位の決定には、コンピュータを援用した流動解析を利用することができる。
本発明における気体放出構造は、上面に隙間S1を確保し、両側面に当該隙間S1と連通して気体の流通路となる隙間S2、S3を確保して傾斜面SF11、12を形成した摺動部材と、上面部に隙間S1を確保し、両内側側面に摺動部材の両傾斜面に対応する傾斜面SF21、22を形成し、摺動部材が溶融素材によって気体放出口の底辺位置まで移動した際に閉塞される気体放出口23を有する摺動部材受容体と、を備える簡易な構造であり高コストをかけずに容易に製作できる。
また、本発明における気体放出構造においては、流動してくる溶融素材流の先端部によって摺動部材が下方に押圧されるまでは、隙間S1、S2、S3が連通しており、キャビティ内の気体を外部に向けて何ら抵抗なく自由に放出可能となり、その後キャビティ内への溶融素材の充填が進み、摺動部材が溶融素材流先端によって押圧され気体放出口の底辺位置まで移動すると、それぞれの傾斜面SF11と21、SF12と22が互いに緊密に係合して密接し両隙間S2、3が密閉されると共に気体放出口が閉塞され溶融素材流の流出は確実に阻止される。なお、摺動部材は流動する溶融素材流の先端部と当接する上面に流動体を受け入れる第1の隙間S1を確保しているため溶融素材の先端部により摺動部材を確実に下方に移動(作動)させることができ溶融素材の外部流出を確実に阻止することができる。
このような本発明における気体放出構造は、典型的な外形寸法の標準品として予め用意しておくことができる。金型作成時にはこの標準品を受容し得る装着部としての凹所を所要部位に形成しておき、事後的にねじ止め等により嵌合装着することができる。金型本体の製造工程は、装着用凹所の形成を除いて在来の手法に従い別途実施すればよい。このように形成された装着用凹所に対して上述のような標準形態に構成された本発明に係る気体放出構造を着脱可能に構成することができる。したがって、気体放出構造は単体として予め用意しておき、装着用凹所を備えた金型に装着可能となり、作業効率の向上、材料費や製造工数の削減も可能である。なお、成形対象となる溶融素材の種類や特性により気体放出構造が不要であれば、同一外形として形成されたダミー(盲部材)を嵌合固定しておけばよい。
かかる着脱可能な構成を採用することにより、製品のモデルチェンジ等による新規金型製造時には、本発明に係る気体放出構造を旧金型から取り外して、改めて製造された金型本体の取付け凹所に対して取付けて再利用することも可能であり、資源、労力、コストの節減が図れるため経済効果も大きい。なお、かかる事態を考慮する必要のない、何等の変更なしに長期間使用継続が予想される金型にあっては、同様の構造による気体放出構造を当初から組み込んだ金型を一体的に製造することができる。
また、請求項1記載の金型内の気体放出構造は、本発明における気体放出構造が溶融素材充填空間Cの底面中央部付近の下方に直交して装着され、タブを離型させるための傾斜スライド機構を備えたものであり、摺動部材受容体30が、溶融素材充填空間Cの開口部CHから流動体を受け入れるための流路31を上面に形成し、上面下方部に流路31と連通する前記隙間S1を確保して摺動部材10を内部に受容し、摺動部材受容体表面部の摺動部材受容部位30aの下方部30bおよび背面部30cを傾斜面とする傾斜シャフト32としている。そのため、摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材によって形成されるタブTを効率よく離型させることができ、気体放出構造をキャビティの底面に対して直交した立体的装着が可能となる。上述したような構成とする本発明によれば、成形品に対するショートショット、鋳巣、バリ等の発生に起因する製品不良の発生は大幅に低減され、生産性向上に資することができる。
本発明に係る金型内の気体放出構造の実施例1を説明するための図であり、(A)は初期状態における気体放出構造の平面図、(B)は初期状態における気体放出状態を示す正面図、(C)は図(B)の中央断面図、(D)は摺動部材が移動し溶融素材が摺動部材上部に充填された状態を示す正面図、(E)は図(D)の中央断面図である。 本発明に係る金型内の気体放出構造の実施例2を説明するための図であり、(A)は初期状態における気体放出構造の平面図、(B)は初期状態における気体放出状態を示す正面図、(C)は図(B)の中央断面図である。 本発明に係る実施例2を説明するための図であり、(A)は気体放出構造をキャビティに装着した状態を示す正面図、(B)は図(A)の中央断面図である。 本発明に係る実施例2を説明するための図であり、(A)はキャビティからの溶融素材が流路及び摺動部材上端部に入り込んだ状態を示す正面図、(B)は図(A)の中央断面図、(C)は傾斜スライド機構の動作機能を説明するための図である。 本発明に係る実施例2の気体放出構造の取付け部位及びタブを説明するための図である。 本発明に係る実施例1の気体放出構造の取付け部位の例(A)、(B)、(C)、(D)を示す概念図である。
10 摺動部材
10a 逆台形状断面摺動部材
10b 直方体状摺動部材
14 弾性体(圧縮バネ)
20 摺動部材受容体
23 気体放出口
30 摺動部材受容体
30a 摺動部材受容体の摺動部材受容部
30b 摺動部材受容部の下方部
30c 摺動部材受容体の背面部
31 流動体受け入れ流路
32 傾斜シャフト
S1 第1の隙間
S2 第2の隙間
S3 第3の隙間
SF11 第1の傾斜面
SF12 第2の傾斜面
SF21 第3の傾斜面
SF22 第4の傾斜面
RF 充填溶融素材
BP 気体放出口の底辺位置
C 溶融素材充填空間(キャビティ)
CH キャビティの開口部
T タブ
A 気体放出構造
G 気体流動方向
R 溶融素材流動方向
D 摺動部材の移動方向(弾性体に抗する方向)
U 気体放出構造(傾斜シャフト)の上昇移動方向
H 気体放出構造(傾斜シャフト)の水平移動方向
発明を実施するため最良の形態
以下、添付図を参照しつつ本発明に係る金型内の気体放出構造(以下、単に「気体放出構造」という)の好適な実施例を開示する。図1は気体放出構造の実施例1を説明するための図であり、初期状態における気体放出構造の平面図(A)、初期状態における気体放出状態を示す正面図(B)及び中央断面図(C)、摺動部材が移動し溶融素材が摺動部材上部に充填された状態を示す正面図(D)及び中央断面図(E)である。
ここで初期状態とは、摺動部材10が下方に移動せずキャビティからの気体が第1、第2、第3の隙間S1、S2、S3及び気体放出口23を流通路として通過して外部に放出される状態であり、溶融素材が摺動部材上部に充填された状態とは、摺動部材が下方に移動し気体流通路が閉塞された状態である。なお、図において鎖線で示した部分は内部に隠れていることを表している。図面作成上、気体放出構造を縦形としているために摺動部材の摺動方向を矢印Dのように縦方向と表現しているが、本発明に係る気体放出構造は横型、斜型とする場合は横又は斜め方向となる。また、「上方」、「下方」、「上面」、「下面」等の表現は、添付図面における図示された状態を表現したものに過ぎず、実際の使用状態における姿勢や配置とは無関係である。以下の説明においても同様である。
本発明の実施例1に係る気体放出構造は、図1に示されるように摺動部材10と摺動部材受容体20とを備えている。摺動部材10は、弾性体14によって押圧力を対向面側から受けるものであり、上方側が逆台形状断面10aを形成し、下方側は直方体状10bを形成している。直方体状部10bには底面に弾性体14が配設されている。なお、直方体状部10bは摺動部材の確実な摺動動作(昇降運動)を案内する機能を有している。
摺動部材の上面には、摺動部材受容体20の上面から下方に段差を付けて形成される第1の隙間S1(以下、単に「隙間S1」ともいう。)が確保されている。隙間S1は、上面と同じサイズであって、矢印G、RのようにキャビティCから(図面上方から)流動してくる気体並びに溶融素材の流動先端を受け入れる。そして上面両端部から気体放出口の底辺部に至る両側面に、隙間S1と連通して気体の流通路となる第2の隙間S2及び第3の隙間S3(以下、単に「隙間S2」、「隙間S3」ともいう。)を確保して、第1の傾斜面SF11及び第2の傾斜面SF12(以下、単に「傾斜面SF11」、「傾斜面SF12」ともいう。)を形成している。
摺動部材受容体20は、上面部に隙間S1を確保して溶融素材の流動方向Rに摺動可能に摺動部材10を受容している。両内側側面に摺動部材の傾斜面SF11、12のそれぞれに対向して係合する第3及び第4の傾斜面SF21、SF22(以下、単に「傾斜面SF21」、「傾斜面SF22」ともいう。)を形成し、傾斜面SF21、22の下端部両側に気体放出口23が形成されている。気体放出口23は、摺動部材が溶融素材の流動先端部によって弾性体に抗する方向Dに向け気体放出口の底辺位置BPまで移動した際に閉塞される。なお、気体放出構造は、摺動部材および摺動部材受容体は任意の部分で分割でき、一方を固定金型側、他方を可動金型側に分割して取付けることができ、その場合気体放出口は穴あけ加工ではなく、開削加工による溝状体として形成することが可能となる。
次に、本発明の実施例1に係る気体放出構造の動作及び機能について説明する。摺動部材10は、何等の外力が加わらない初期状態では弾性体14の押圧力によって図(B)、(C)に示されるように上方に位置付けられ、隙間S1、S2、S3及び気体放出口23が連通した状態となっている。キャビティからの気体の流動を隙間S1に受け入れ、気体は隙間S1から両隙間S2、S3を通過して、これら隙間と連通している気体放出口23からキャビティ外部へ放出される。その結果、ガス類の存在により溶融素材の流動が阻害されてキャビティ末端まで十分に到達しない場合に発生しがちなショートショット、焼けなどの製品劣化、鋳巣の発生等成形不良発生が低減する。
その後、キャビティからの流動体が気体から溶融素材へ移行すると、溶融素材の流動先端部が隙間S1に入り込み、摺動部材10が、溶融素材先端部の押圧力によって傾斜面SF11、12、21、22に沿って弾性体に抗する方向Dに向けて押し下げ移動する。摺動部材の移動に伴って、図(D)、(E)に示すようにそれぞれの傾斜面SF11とSF21、SF12とSF22が互いに密接して隙間S2、S3が密閉され、摺動部材が気体放出口の底辺位置BPまで移動した際に隙間S2、3との連通が遮断され気体放出口23は閉塞される。これらの動作により溶融素材の外部への流出は確実に阻止され良好な成形結果が期待できる。なお、隙間S1に入り込んだ充填溶融素材RFは、別途配設されるエジェクタピン(図示していない)により押出して取り出すように構成することができる。
なお、気体放出構造のサイズの大小等にもよるが、隙間S1の幅は1/1000〜7/100程度が好ましく、2/1000〜5/100程度がさらに好ましい。傾斜面の傾斜角度は0.5度〜2度程度が好ましく、0.1度〜1度程度がさらに好ましい。隙間の間隔および傾斜面の勾配量は樹脂等の溶融素材の種類、性状等に応じて決定される。
本発明に係る実施例1に係る気体放出構造はキャビティまたはキャビティに繋がる溶融素材流動路の途中ないし末端付近に対して同一面上に平面的に装着される。図6は、実施例1に係る気体放出構造Aの金型内部への配置例を模式的に図示したものであり、図中、実線矢印は溶融素材の流動方向を、破線矢印は気体の流動方向を表している。図(A)は、シングルゲートである左端ゲートから溶融素材を圧入する例である。溶融素材の流動方向も単一の最も簡単な構成例であり、溶融素材の流れ方向の末端側に気体放出構造Aを配設する例を示している。図(B)は、シングルゲートで左右2方向に分岐して溶融素材を流動させる実施例であり、それぞれの溶融素材流動末端付近に気体放出構造Aをそれぞれ配設している。図(C)は主として大型成形品の成形を、多点(2)ゲートで成形する例であり、左右のゲート1およびゲート2から流動する溶融素材の合流点付近に1個の気体放出構造Aを配設した例を示すものである。
図(D)は、シングルゲートから分岐路に至り溶融素材流動路を二分して、2方向からキャビティに充填する実施例を示すものである。この例では、2個の気体放出構造Aを溶融素材流動路の屈曲部位における溶融素材の流動方向先端に配設している。左右に分岐した溶融素材流動部先端が気体放出構造Aに到達するまでの間、溶融素材流動路およびキャビティ内部の気体成分を流動放出させる。溶融素材の流動先端が第1の隙間S1に衝突するまでの間、溶融素材が低粘度で流動速度が高い場合には強力な放出作用を呈し、ベンチュリー効果により残余の流動路ならびにキャビティ内部を低圧(負圧)に減圧する効果が期待できる。その結果、キャビティ内への流動素材圧入が容易となり、成形作用に良好な影響をもたらす。溶融素材の流動先端が隙間S1に衝突して摺動部材10を押し下げることにより気体放出口は閉塞され、溶融素材はキャビティ内に充填される。
これら典型的な配置例のように、溶融素材を圧入するゲートからの流動方向を見極め、好ましくは、金型内での正確な配設部位はキャビティの形状、大きさ、ゲート数、使用溶融素材等の所要条件を定めてコンピュータを援用した溶融素材の流動解析により設定して
流動末端に実施例1に係る気体放出構造Aを配設し、溶融素材の流動を円滑かつ理想的な形態に保持することにより成形不良を大幅に低減し、成形作業の効率向上、時間および資材、労力、エネルギーの節減を図ることが可能となる。
実施例1に係る気体放出構造は、金型内の所要部位に形成された取付け用凹所に嵌め込み装着が可能であるように構成することができ、また、固定金型および可動金型によって形成される充填空間または該充填空間に繋がる溶融素材流動路の途中ないし末端付近に、当該気体放出構造を予め一体的に配設した金型とすることができる。
次に、本発明に係る気体放出構造の実施例2について図2〜5を参照しながら説明する。図2は実施例2に係る気体放出構造の構成を説明するための図であり、初期状態における気体放出構造の平面図(A)、初期状態における気体放出状態を示す正面図(B)及びその中央断面図(C)である。図3は当該気体放出構造をキャビティに装着した状態を示す正面図(A)及びその中央断面図(B)である。図4はキャビティに充填された溶融素材が摺動部材の移動により流路及び摺動部材上端部に入り込んだ状態を示す正面図(A)及びその中央断面図(B)、並びに離型の際に傾斜スライド機構により当該気体放出構造がタブから抜出る状態を説明する図(C)である。図5は実施例2に係る気体放出構造の取付け位置及びタブを説明するための図である。なお、図1と同一部位の参照符号は省略し、図1の実施例1と同一の構成、動作機能の説明は省略し実施例1と相違する構成、動作機能について説明する。
本発明の実施例2に係る気体放出構造は、図3〜5に示されるようにキャビティCの底面中央部付近の下方に直交して装着されるものであり、実施例1に係る気体放出構造に傾斜スライド機構を付加した構成とするものである。実施例2に係る気体放出構造は実施例1と同様に、図2に示すように摺動部材10と摺動部材受容体30とを備えている。摺動部材10は摺動部材受容体30の上面部に形成される流路31の下側に第1の隙間S1を確保して収容されており、キャビティからの流動体は流路31を介して隙間S1に受け入れることになる。摺動部材10の構成、動作機能は実施例1と同様であるので説明は省略する。
図2、3に示されるように摺動部材受容体30は、上面に、キャビティCの底面中央部付近に開口された開口部CHから流動体を受け入れるための流路31を突出して形成しており、上面下方部に、流路31と連通する第1の隙間S1を確保して摺動部材10を受容している。そして、摺動部材受容体30は、摺動部材受容体表面部の摺動部材の受容部30aの下方部30bおよび摺動部材受容体の背面部30cを、傾斜面とした傾斜シャフト32とした傾斜スライド機構を備えており、傾斜スライド機構の機能を併せ持っている。なお、気体放出口33は摺動部材受容体の背面側まで延伸して形成している。
本発明の実施例2に係る気体放出構造の動作及び機能について説明する。その説明に先立って傾斜スライド機構およびタブ(余肉)について説明する。前述したように特許文献3には樹脂成形品のアンダーカット部を離型させるための傾斜スライド機構が開示されており、傾斜スライドの上昇により成形品を突き上げつつアンダーカット部から抜き出て成形品を離型させている。また、図5に示すように気体放出構造をキャビティCの下方部に直交して立体的に装着した場合、溶融素材先端部の押圧力によって押し下げ移動した際に摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材が成形品には必要のないタブ(余肉)として形成されることになる。
実施例2に係る気体放出構造は、図4(C)に示すように、離型の際に、傾斜シャフト32の上昇方向Uに向けたスライド動作によって成形品を突き上げつつ、傾斜シャフト上端部の水平方向Hに向けた移動によってタブTから抜け出るように作動する。この作動により、成形品に形成されるタブが折れたり破損することなくタブが離型され、成形品表面への凹みの発生等を防止することができ製品不良の発生が大幅に低減される。
本発明に係る摺動部材10を対向面に押圧する弾性体としては、コイルばね、板ばね、ゴム系弾性体、流体圧縮アクチュエータ等が挙げられ、これらの1種または複数を組合せたものを採用することができる。
本発明に係る金型内の気体放出構造は、摺動部材と摺動部材受容体からなる簡潔な構成に加えて、高精度でかつ時間的な遅延無しに自力作動により気体放出が行われ、溶融素材を受け入れる隙間、隙間を密閉する傾斜面を形成した構成であるので、溶融素材の流動部先端が気体放出構造に到達した際に時間遅れもなく確実に自力作動して溶融素材の外部流出を阻止することができる。この金型内部の気体放出構造では、摺動体自体が作動タイミングを決定するセンサとなり、同時に制御機構として機能する、いわゆる自力制御が行われる。したがって、現象を検知するためのセンサはもとより弁類を駆動するためのソレノイド手段、油圧シリンダ等の操作駆動部等は不要である。そのため、使用材料、加工時間、製作費用等の点で有利であり、作動上の時間遅れもほとんど無視できるため、キャビティ内ガスに起因する成形不良を大幅に低減することができる。
本発明のように金型内の気体放出構造を単体で用意可能とした結果、新規金型はもとより、従来の金型の適宜部位に取り付け部としての凹所を形成する改造を行って装着することにより成形加工効率を大幅に向上させることも期待できる。気体放出構造の単体を配設した金型が不要となった際は、本機構のみを取り外し、他の金型において流用することもできる。特に季節モノと呼ばれて流行を取り入れ、あるいは短期間のみの需要を満たすための金型等は出来るだけ廉価に仕上げる必要があるが、本発明に係る気体放出構造が流用可能であるため、経済的にも製作時間等の点からも好ましい。また、長期間使用継続が可能な金型にあっては、同様の構造による気体放出構造を当初から組み込んだ金型を一体的に製造することも可能であり、経済性が高まる。
また、本発明に係る金型内の気体放出構造は、キャビティの底面中央部付近の下方に直交して立体的に装着でき、かつタブを離型させるための傾斜スライド機構を備えているため、摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材によって形成されるタブを効率よく離型させることができ、対象とする成形品の種類の幅が広がる。

Claims (2)

  1. 弾性体による押圧力を対向面側から受ける摺動部材であって、上方側が逆台形状断面で、底面部に弾性体が装着される下方側は直方体状であり、流動体を受け入れる第1の隙間を上面に確保し、そして上面両端部から気体放出口の底辺部に至る両側面に、前記第1の隙間と連通して気体の流通路となる第2の隙間及び第3の隙間を確保して第1の傾斜面及び第2の傾斜面を形成した摺動部材と、
    前記摺動部材を溶融素材の流動方向に摺動可能に受容し、上面部に前記第1の隙間を確保し、両内側側面に前記第1の傾斜面及び第2の傾斜面に対応する第3の傾斜面及び第4の傾斜面を形成し、摺動部材が溶融素材の流動先端部によって前記弾性体に抗する方向に向け気体放出口の底辺位置まで移動した際に閉塞される気体放出口を有する摺動部材受容体において、溶融素材充填空間の底面中央部付近に開口された開口部から流動体を受け入れるための流路を上面に突出して形成し、上面下方部に流路と連通する前記第1の隙間を確保して摺動部材を受容し、そして摺動部材受容体表面部の摺動部材受容部の下方部および背面部を傾斜面とする傾斜シャフトとして傾斜スライド機構を備え、離型の際に、傾斜シャフトの上昇方向に向けたスライド動作により成形品を突き上げつつ水平方向に向けて移動して、摺動部材が気体放出口の底辺位置まで移動した際に摺動部材上端部に入り込んだ溶融素材によって形成されたタブから抜け出るように構成された摺動部材受容体と、
    を備えた固定金型および可動金型によって形成される溶融素材充填空間の底面中央部付近の下方に直交して装着される気体放出構造であって、
    溶融素材充填空間からの流動体が気体である間は、第1の隙間、第2の隙間及び第3の隙間を流通路として通過させ、これらに連通している気体放出口を通じて外部に放出し、流動体が気体から溶融素材へ移行した際に、摺動部材が気体放出口の底辺位置まで移動して気体放出口を閉塞し、第1の傾斜面と第3の傾斜面並びに第2の傾斜面と第4の傾斜面とが互いに緊密に係合して密接し第2の隙間及び第3の隙間が密閉され、溶融素材の以後の通過を阻止するように構成されたことを特徴とする金型内の気体放出構造。
  2. 前記摺動部材を対向面に押圧する弾性体が、コイルばね、板ばね、ゴム系弾性体、流体圧縮アクチュエータから選ばれた1種または複数の組合せから構成されることを特徴とする請求項1に記載の金型内の気体放出構造。
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