JP5806618B2 - 酸化グラフェンの還元方法およびその方法を利用した電極材料の製造方法 - Google Patents

酸化グラフェンの還元方法およびその方法を利用した電極材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化グラフェンの還元方法およびその還元方法を利用して電極材料を製造する方法に関する。
酸化グラフェンは、グラファイトの酸化反応から誘導されるシート状の材料であり、独立した複数のシートとして水中に分散させることができる。これらのシートの酸化グラフェンを還元することによって、電気絶縁性の酸化グラフェンから導電性の酸化グラフェン還元物のシートを得ることができる。この酸化グラフェン還元物は、グラフェンと酸化グラフェンの中間の物質であり、Cと若干のOから構成され、グラファイトを構成する層の1枚のシートである(Cのみからなる)グラフェンより格子欠陥が多く、グラフェンより劣るが優れた導電性を有する。
酸化グラフェンを還元する方法として、酸化グラフェンを分散させた分散液にヒドラジンなどの強い還元剤を添加して、酸化グラフェン還元物の小板を析出させる方法が知られている。また、酸化グラフェンを還元する他の方法として、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で酸化グラフェンのシートを1000℃より高い温度に加熱する方法が知られている。さらに、酸化グラフェンを還元する他の方法として、酸化グラフェンに光を照射して脱酸素反応により酸化グラフェン還元物を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−248066号公報(段落番号0003)
しかし、酸化グラフェンを分散させた分散液にヒドラジンを添加する方法では、酸化グラフェン還元物の小板の凝集を緩和するために、pHとヒドラジン濃度を注意深く制御する必要がある。また、ヒドラジンは、揮発性であり、毒性が高く不安定であるため、特別な取り扱いが必要になる。
また、不活性ガス雰囲気中で酸化グラフェンのシートを1000℃より高い温度に加熱する方法では、不活性ガス雰囲気中で非常に高い温度に加熱する必要があるため、コストがかかり、また、酸化グラフェン還元物の生成を進行させ難い。
さらに、特許文献1のように、酸化グラフェンに光を照射する方法では、高強度の光を照射したり、光を長時間照射する必要があるため、コストがかかり、また、酸化グラフェン還元物の生成を進行させ難い。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、酸化グラフェンを効率的に還元することができる、酸化グラフェンの還元方法およびその方法を利用した電極材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェンを効率的に還元することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による酸化グラフェンの還元方法は、酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元することを特徴とする。この酸化グラフェンの還元方法において、酸化グラフェンへの交流電圧の印加が電解液中で行われるのが好ましい。この場合、電解液中に、作用極として酸化グラフェンが付着した電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を配置し、交流電圧を電位−1.0〜2.0Vの範囲で印加するのが好ましく、電位−0.4〜0.7Vの範囲で印加するのがさらに好ましい。また、電解液にヒドラジンを添加するのが好ましい。
また、本発明による電極材料の製造方法は、酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物かなる電極材料を製造することを特徴とする。この電極材料の製造方法において、酸化グラフェンへの交流電圧の印加が電解液中で行われるのが好ましい。この場合、電解液中に、作用極として酸化グラフェンが付着した電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を配置し、交流電圧を電位−1.0〜2.0Vの範囲で印加するのが好ましく、電位−0.4〜0.7Vの範囲で印加するのがさらに好ましい。また、電解液にヒドラジンを添加してもよい。さらに、電解液に金属イオンを添加するのが好ましい。この場合、金属イオンがセリウムイオンであるのが好ましい。
また、本発明による電極材料は、酸化グラフェン還元物の表面に金属の酸化物または水酸化物が担持され、電気容量が200F/g以上であることを特徴とする。この電極材料において、酸化グラフェン還元物の表面の略全面が金属の酸化物または水酸化物で覆われているのが好ましい。また、金属の酸化物が酸化セリウムであるのが好ましい。
さらに、本発明による燃料電池用酸素極は、酸化グラフェン還元物の表面に酸化セリウムが担持されていることを特徴とする。
本発明によれば、酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェンを効率的に還元することができる。
実施例1および比較例1〜2で得られた電極のサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を示す図である。 実施例2および比較例3〜4で得られた電極のCV曲線を示す図である。 実施例3および比較例5〜6で得られた電極のCV曲線を示す図である。 実施例1〜3で得られた電極のCV曲線を示す図である。 実施例3で得られた電極の透過電子顕微鏡(TEM)写真である。 図5Aの写真を拡大した写真である。 実施例1〜3で得られ電極の酸素還元反応における電流−電位(CV)曲線を示す図である。 図6Aの酸素還元電流が流れ始める部分の拡大図である。 実施例3と同様の方法により得られた電極の酸化グラフェンの重量の変化とその単位重量当たりの電気容量との関係を示す図である。
本発明による酸化グラフェンの還元方法の実施の形態では、酸化グラフェン(GO)に交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元する。このように交流電圧を印加しながら光を照射することにより、酸化グラフェンの還元が進んで酸化グラフェン還元物(rGO)の量を増大させ、電気伝導度を飛躍的に上昇させることができる。
本発明による電極材料の製造方法の実施の形態では、酸化グラフェン(GO)に交流電圧を印加しながら光を照射して、酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物(rGO)かなる電極材料を製造する。このように交流電圧を印加しながら光を照射することにより、酸化グラフェンの還元が進んで酸化グラフェン還元物の量を増大させ、電気伝導度が飛躍的に上昇した電極材料を製造することができる。
上記の酸化グラフェンの還元方法および電極材料の製造方法の実施の形態において、酸化グラフェンは、例えば、ハマーズ(Hummers)法などによってグラファイトを酸化させることによって得ることができる。
酸化グラフェンに交流電圧を印加するために、酸化グラフェンが付着した電極を使用するのが好ましい。この電極として、スズドープ酸化インジウム(ITO)電極などの電圧を印加した際に腐食しない電極を使用するのが好ましい。酸化グラフェンを電極に付着させる方法として、酸化グラフェンを電極に塗布する方法や、酸化グラフェンを電極に電着させる方法などを使用することができる。酸化グラフェンを電極に塗布する方法としては、酸化グラフェンの分散液をスピンコート、ディップコート、スクリーン印刷、インクジェットなどにより電極に塗布する方法を使用することができる。酸化グラフェンを電極に電着させる方法として、酸化グラフェンの分散液中に、ITO電極などの陽極とPt電極などの陰極を配置し、これらの電極間に直流電圧を印加して、電気泳動により酸化グラフェンを陽極上に電着させる方法を使用することができる。
また、酸化グラフェンに交流電圧を印加するために、酸化グラフェンが付着した電極を電解液中に配置して交流電圧を印加するのがこのましい。電解液として、KSO水溶液などを使用することができる。なお、この電解液との関係で適当な電極がない場合には、酸化グラフェンを適当な形状に成形して電極として使用してもよい。この場合、酸化グラフェンとバインダを混ぜ合わせて適当な形状に成形した後に硬化させてもよい。
また、酸化グラフェンに交流電圧を印加するために、作用極として酸化グラフェンが付着した電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を電解液中に配置して交流電圧を印加する場合、電位掃引速度を0.0001〜0.1V/秒として、交流電圧を電位−1.0〜2.0Vの範囲で印加するのが好ましく、電位−0.4〜0.7Vの範囲で印加するのがさらに好ましい。このような電位で交流電圧を印加すると、酸化グラフェンの還元を促進することができる。
また、光を照射する光源は、波長400nm以下の高強度の紫外光を照射することができる光源であるのが好ましい。
さらに、電解液に1〜5質量%の微量のヒドラジンを添加してもよい。このように微量のヒドラジンを添加すると、窒素ドーピングが生じて、電気伝導度をさらに上昇させることができる。
上記の酸化グラフェンの還元方法および電極材料の製造方法の実施の形態により得られる酸化グラフェン還元物は、(X線光電子分光法(XPS)による)3〜25質量%の酸素を含むのが好ましい。この範囲の酸素を含む酸化グラフェン還元物は、グラフェンより格子欠陥が多く、活性が非常に高い。
また、上記の電極材料の製造方法の実施の形態では、電解液に金属イオンを添加することにより、酸化グラフェン還元物に(ナノサイズの)金属イオン酸化物を担持させるのが好ましく、金属イオンがセリウムイオンであるのが好ましい。セリウムイオンはCe3+とCe4+を混合した水溶性のセリウムイオンであるのが好ましく、セリウムイオンの添加量は0.0001〜1モル/Lであるのが好ましい。このセリウムイオンの添加量を変えることにより、酸化グラフェン還元物に担持される酸化セリウムの量を変えることができる。なお、酸化グラフェン還元物に担持される酸化セリウムの量は、酸化グラフェン還元物に対して1〜50質量%であるのが好ましく、担持される酸化セリウムの層の厚さは1〜50nmであるのが好ましい。このように電解液に金属イオンを溶解させることにより、酸化グラフェン還元物の表面や層間にその金属の酸化物や水酸化物を析出させて、電気伝導度が飛躍的に上昇した電極材料を製造することができる。特に、高い電気伝導度で高い活性の酸化グラフェン還元物に(ナノサイズの)酸化セリウムを担持させることにより、極めて高い活性の界面を有し、Ptに匹敵する高い酸素還元作用を有する電極材料を製造することができるので、製造した電極材料を燃料電池や空気電池の酸素極として使用することができる。
上記の電極材料の製造方法の実施の形態により、酸化グラフェン還元物と、その表面または層間に担持された金属の酸化物または水酸化物とからなり、電気容量が200F/gの電極材料を製造することができる。このような高い電気容量を有する電極材料は、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)の電極材料として使用することができる。
以下、本発明による酸化グラフェンの還元方法およびその方法を利用した電極材料の製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
520mg/Lの酸化グラフェンが分散した水溶液中に、陽極としてスズドープ酸化インジウム(ITO)電極、陰極としてPt電極を配置し、これらの電極間に3.0Vの直流電圧を60秒間印加して、電気泳動により酸化グラフェンをITO電極上に電着させることにより、酸化グラフェンが堆積したITO電極を得た。なお、重量測定により酸化グラフェンの堆積量を求めたところ、0.02mg/cmであった。
次に、0.1MのKSO水溶液50mLに、作用極として酸化グラフェンが堆積したITO電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を配置し、これらの電極間に電位掃引速度を0.1V/秒として−0.4から0.7Vの範囲で電位をスイープさせた交流電圧を印加しながら、500Wの高圧水銀ランプから酸化グラフェンに光を1時間照射して、ITO電極上の酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極を得た。
このようにして得られた酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極について、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を使用し、電位掃引速度を0.1V/秒として、サイクリックボルタンメトリー(CV)による電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図1に実線で示す。
なお、比較例1として、交流電圧を印加せずに光照射時間を3時間とした以外は、実施例1と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図1に一点鎖線で示す。また、比較例2として、光を照射しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図1に点線で示す。
図1に示すように、実施例1では、交流電圧を印加しなかった比較例1や光を照射しなかった比較例2と比べて、電流が増大しており、酸化グラフェンの還元が進んで酸化グラフェン還元物の量が増大しているのがわかった。
[実施例2]
SO水溶液に17μモルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同様の方法により、ITO電極上の酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極を得た後、実施例1と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図2に実線で示す。
なお、比較例3として、交流電圧を印加せずに光照射時間を3時間とした以外は、実施例2と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図2に一点鎖線で示す。また、比較例4として、光を照射しなかった以外は、実施例2と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図2に点線で示す。
図2に示すように、水溶液中に微量のヒドラジンを添加した実施例2では、ヒドラジンを添加しなかった実施例1と比べて、電流がさらに増大しており、酸化グラフェンの還元がさらに進んで酸化グラフェン還元物の量がさらに増大しているのがわかった。また、実施例2では、交流電圧を印加しなかった比較例3や光を照射しなかった比較例4と比べて、電流がかなり増大しており、酸化グラフェンの還元がかなり進んで酸化グラフェン還元物の量がかなり増大しているのがわかった。
[実施例3]
SO水溶液に17μモルの硝酸セリウムを添加した以外は、実施例1と同様の方法により、ITO電極上の酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極を得た後、実施例1と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図2に実線で示す。
なお、比較例5として、交流電圧を印加せずに光照射時間を3時間とした以外は、実施例3と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図3に一点鎖線で示す。また、比較例6として、光を照射しなかった以外は、実施例3と同様の方法により、電気化学測定を行った。この電気化学測定で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図3に点線で示す。また、実施例1〜3で得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図4にそれぞれ一点鎖線(実施例1)、点線(実施例2)および実線(実施例3)で示す。
図3に示すように、交流電圧を印加しなかった比較例5や光を照射しなかった比較例6では、水溶液中に微量の硝酸セリウムを添加しても、酸化グラフェンの還元がほとんど進まず、酸化グラフェン還元物の量が非常に少ないのに加えて、酸化グラフェン還元物の表面に酸化セリウム(セリア)(CeOx)がほとんど電析(または析出)しないため、電流がほとんど流れないのがわかった。一方、実施例3では、電流が大幅に増大しており、酸化グラフェンの還元が大幅に進んで酸化グラフェン還元物の量が大幅に増大することに加えて、酸化グラフェン還元物の表面に酸化セリウム(セリア)(CeOx)が電析して担持されることにより、電流が大幅に増大しているのがわかった。
また、図4に示すように、水溶液中に微量の硝酸セリウムを添加した実施例3では、硝酸セリウムを添加しなかった実施例1および2と比べて、酸化グラフェンの還元が進んで酸化グラフェン還元物の量が増大していることに加えて、酸化グラフェン還元物の表面に酸化セリウム(セリア)(CeOx)が電析して担持されることにより、電流が大幅に増大しているのがわかった。
さらに、実施例3で得られた電極を透過電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、図5Aおよび図5Bに示すように、酸化グラフェン還元物の表面全体に1〜5nm程度の大きさの酸化セリウム(セリア)(CeOx)が電析して担持されているのがわかった。また、光電子分光法による分析を行ったところ、酸化グラフェンの還元と同時に酸化セリウム(セリア)(CeOx)の電析が進行することがわかった。
また、実施例1〜3で得られた酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極について、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)を使用したときの酸素飽和した(1気圧)0.1MのKSO水溶液中の酸素還元反応における電流−電位(CV)曲線を図6Aに示し、その拡大図を図6Bに示す。図6Aおよび図6Bにおいて、実施例1で得られた電極については一点鎖線、実施例2で得られた電極については点線、実施例3で得られた電極については実線で示し、参照例として高価であるが燃料電池の酸素還元電極用触媒として最も活性が高い白金からなる白金板については二点鎖線で示している。なお、酸素還元電流(酸素の還元反応に伴う電流)は、マイナス方向(図中下方向)に流れる電流であり、酸素還元電流が流れ始める電位が貴なほど、酸素還元電極用触媒としての活性が高いといえる。実施例1〜3では、酸素還元電流が観察されており、酸素還元電極用触媒としての活性は比較的高いといえる。図6Aおよび図6Bに示すように、酸素還元電流が流れ始める電位は、ヒドラジンおよび硝酸セリウムを添加しなかった実施例1とヒドラジンを添加して硝酸セリウムを添加しなかった実施例2では約−0.1V、硝酸セリウムを添加した実施例3では0Vであり、白金板を使用した参照例では0.1V付近であった。これらの結果から、実施例3で得られた電極は、白金よりやや劣るものの、燃料電池などの酸素還元電極の材料として十分に使用可能であり、高価な白金と比べて安価である。
[実施例4]
直流電圧を印加する時間(電解時間)を変化させて様々な量の酸化グラフェンが堆積したITO電極を得た以外は、実施例3と同様の方法により、酸化グラフェンを還元して、様々な量の酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極を得た。このようにして得られた酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極について、実施例1と同様の方法により電気化学測定を行って得られたサイクリックボルタモグラム(CV曲線)の0Vにおける電流から、それぞれの酸化グラフェン還元物が堆積したITO電極の電気容量を測定した。酸化グラフェンの重量の変化とその単位重量当たりの電気容量との関係を図7に示す。
図7に示すように、直流電圧を3Vとして20秒間泳動させることによって0.0067mgの酸化グラフェンが堆積したITO電極を得たときに電気容量が最大値(225F/g)を示すことがわかった。この結果からわかるように、実施例3で得られた電極は、電気二重層とCeOx・水との表面電気化学反応による電流が大幅に増加し、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)の電極材料として使用することができる。
本発明による電極材料の製造方法によって製造された電極材料は、燃料電池などの酸素還元電極の材料や、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)の電極材料として使用することができる。

Claims (12)

  1. 酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら紫外光を照射して、酸化グラフェンを還元することを特徴とする、酸化グラフェンの還元方法。
  2. 前記酸化グラフェンへの交流電圧の印加が電解液中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の酸化グラフェンの還元方法。
  3. 前記電解液中に、作用極として前記酸化グラフェンが付着した電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を配置し、前記交流電圧を電位−1.0〜2.0Vの範囲で印加することを特徴とする、請求項2に記載の酸化グラフェンの還元方法。
  4. 前記交流電圧を電位−0.4〜0.7Vの範囲で印加することを特徴とする、請求項3に記載の酸化グラフェンの還元方法。
  5. 前記電解液にヒドラジンを添加することを特徴とする、請求項2乃至4のいずれかに記載の酸化グラフェンの還元方法。
  6. 酸化グラフェンに交流電圧を印加しながら紫外光を照射して、酸化グラフェンを還元することにより、酸化グラフェン還元物かなる電極材料を製造することを特徴とする、電極材料の製造方法。
  7. 前記酸化グラフェンへの交流電圧の印加が電解液中で行われることを特徴とする、請求項6に記載の電極材料の製造方法。
  8. 前記電解液中に、作用極として前記酸化グラフェンが付着した電極、参照極として銀/塩化銀電極(Ag/AgCl)、対極としてPt電極を配置し、前記交流電圧を電位−1.0〜2.0Vの範囲で印加することを特徴とする、請求項7に記載の電極材料の製造方法。
  9. 前記交流電圧を電位−0.4〜0.7Vの範囲で印加することを特徴とする、請求項8に記載の電極材料の製造法。
  10. 前記電解液にヒドラジンを添加することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載の電極材料製造方法。
  11. 前記電解液に金属イオンを添加することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載の電極材料の製造方法。
  12. 前記金属イオンがセリウムイオンであることを特徴とする、請求項11に記載の電極材料の製造方法。
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