JP5806022B2 - 傾動可能ベッド - Google Patents

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Description

本発明は傾動可能ベッドに関し、寝たきり患者の体位変えを補助するのに有用な傾動可能ベッドに関する。
寝たきり患者は自らで寝返りを打てないことが多く、このために血液循環が阻害され、床擦れが起こる。床擦れ(褥瘡)は患者の健康状態を著しく悪化させるため、これを放置することはできない。このため、介護者は、2時間に一度程度の体位交換をしてやる必要がある。これは女性などの非力な介護者にとっては負担の大きい重労働となる。
患者の体位交換を補助する機能を有する介護ベッド技術としては、例えば特許文献1、2の技術がある。
特許文献1は、ベッドを円形のスライダに沿って、円周方向に自動的に回転させることにより患者の寝返りを可能としている。
特許文献2は、ベッド幅方向に沿う半円状軌道を有する半円体を下面に突設した床板と、前記半円体を円周方向に半転可能に支持して前記床板を傾動可能に保持するベッド枠とからなり、前記床板を駆動すると、前記半円体が半円状軌道により半転して前記床板の床面がベッド幅方向に傾斜する介護ベッドを開示している。
特開2005−168554 特開2004−16387
上記特許文献1,2の技術は、体位交換を補助するためにベッドを傾斜させるものであるが、傾斜した状態では患者の体重の掛かり方がアンバランスとなり、患者に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、以上の課題を解決することを目的するものであり、より詳しくは、患者に不快感を与えることなく患者の体位変換を行うことができる傾動可能ベッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、ベッド床部と、前記ベッド床部を多段階又は無段階に傾斜可能に保持するベッド床部保持体と、前記ベッド床部上に1つ又は複数配置されたベッドマット部材と、を備える傾動可能ベッドであって、前記ベッドマット部材は、内部空洞に、2種類以上の比重及び体積弾性率の異なる流動体が充填され、前記ベッド床部が傾斜したときに、相対的に比重の大きい流動体が傾斜下方に移動する構造であることを特徴とする。
この構成による効果を、ベッドマット部材の内部空洞に、2種類の比重及び体積弾性率の異なる流動体が充填された例を用いて、図4を参照しつつ説明する。ベッド床部保持体を傾斜させていない状態では、図4(a)に示すように、ベッドマット部材25の内部空洞に充填された2つの流動体51・52は、比重の重い流動体52が下、比重の軽い流動体51が上となっている。
患者の体位変えのために傾動可能ベッドのベッド床部保持体を傾斜させると、その上に保持されたベッドマット部材25もまた傾斜した状態となり、ベッドマット部材25の内部空洞に充填された2種類の比重及び体積弾性率の異なる流動体51・52は、図4(b)に示すように、比重の重い流動体52が重力によって傾斜下方に移動する。これにより、傾斜下方では比重の重い流動体52が多く存在し、傾斜上方では比重の軽い流動体51が多く存在することになり、傾斜上方と傾斜下方とで作用する圧縮反発力が異なるようになる。
例えば、傾斜上方のほうが圧縮反発力が大きくなる場合、この反発力を利用して傾斜下方側に患者の体位を変換することが容易となる。また、傾斜上方のほうが圧縮反発力が小さくなる場合、体重がかかり難い傾斜上方側に圧力を分散させ易くなり、これにより患者の僅かな動きにより皮膚へのマッサージ効果が生まれ、褥瘡予防効果がさらに高まる。
ここで、流動体とは、重力により流動が可能なものを意味し、気体、液体、ゲル、粉体、粒体等が含まれる。また、比重は、20℃、1気圧条件でのものである。
気体としては、空気や窒素等を用いることができる。また、液体としては、水、水溶液、オイル、アルコール等を用いることができる。また、ゲルとしては、高分子ゲルを用いることが好ましい。また、粉体や粒体の材料は特に限定されないが、重すぎると使い勝手性が悪いため、比重が2以下のものを用いることが好ましい。中でも、樹脂や発泡樹脂の粉体や粒体が好ましい。
また、多段階に傾斜とは、平坦な状態と少なくとも1つの傾斜状態を含んでいるものを意味し、傾斜状態を2以上備えているものであってもよい。また、無段階に傾斜とは、傾斜状態を連続的に変化させることができるものを意味する。
上記構成において、前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが気体であり、少なくとも一つが液状体である構成とすることができる。
気体と液状体とを含んだ流動体を用いると、ベッド床部が傾斜したときに、相対的に比重の大きい流動体(気体と液状体とからなる場合、液状体)が傾斜下方に移動が容易となる。
上記構成において、前記液状体が、ゲルである構成とすることができる。
気体とゲルとを含んだ流動体を用いると、ベッドマット部材の圧縮反発力が制御し易くなり、患者の使い勝手性を高めることができる。
上記構成において、前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが常温で液状の粘弾性液体Aであり、少なくとも一つが前記粘弾性液体Aよりも比重及び弾性力が大きい粘弾性液体Bである構成とすることができる。
上記構成において、前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが常温で液体状の粘弾性液体Aであり、少なくとも一つが前記粘弾性液体Aよりも比重が大きく体積弾性率の小さい粘弾性液体Bである構成とすることができる。
2種類の粘弾性液体を含んだ流動体を用いると、ベッドマット部材の圧縮反発力の制御が容易となる。なお、体積弾性率は、20℃、1気圧条件でのものである。
上記構成において、前記ベッドマット部材は、柱状ユニットマットであり、前記ベッド床部の幅方向に、当該柱状ユニットマットが複数配列されている構成とすることができる。
ベッドマット部材として、柱状ユニットマットを用いると、傾動可能ベッドを使用してそのまま入浴させた際に水がベットマットの隙間を移動できる。また、患者の体位変換のためには、患者の寝返り方向であるベッドの幅方向において上記のような流動体による作用を働かせることが好ましく、このため柱状ユニットマットをベッド床部の幅方向に複数配列させることが好ましい。
なお、体積弾性率や比重の関係は、1気圧条件において、0〜50℃の温度範囲全てにおいて満たしていることが好ましい。
本発明によると、簡素でコンパクトな構造でもって、ストレスを感じさせることなく患者の体位変換を適宜行うことができる傾動可能ベッドを実現できる。
実施の形態1にかかる傾動可能ベッドの全体像を示す斜視図である。 実施の形態1にかかる傾動可能ベッドのヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。 図3(a)は実施の形態1にかかる傾動可能ベッドのベッド本体床面に柱状マットユニットを敷いた状態を示す平面概念図であり、図3(b)は図3(a)の矢視断面図である。 実施の形態1にかかる柱状マットユニットの内部構造を示す断面図であって、図4(a)は通常状態、図4(b)は傾動可能ベッドを傾けた状態を示す。 実施の形態3にかかる柱状マットユニットの内部構造を示す断面図であって、図5(a)は通常状態、図5(b)は傾動可能ベッドを傾けた状態を示す。 実施の形態4にかかるに柱状マットユニットの内部構造を示す断面図であって、図6(a)は通常状態、図6(b)は傾動可能ベッドを傾けた状態を示す。 実施の形態5にかかる傾動可能ベッドの全体像を示す斜視図である。 実施の形態6にかかる傾動可能ベッドを示す正面図である。 実施の形態7にかかる柱状マットユニットの内部構造を示す断面図であって、図9(a)は通常状態、図9(b)は傾動可能ベッドを傾けた状態を示す。 実施の形態8にかかる柱状マットユニットの内部構造を示す断面図であって、図10(a)は通常状態、図10(b)は傾動可能ベッドを傾けた状態を示す。
本発明実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施例1にかかる傾動可能ベッドを図1に示す。図1の傾動可能ベッドは、ヘッドフレーム本体1とフットフレーム本体2とベッド本体20と、ヘッドフレーム本体1とフットフレーム本体2とを連結固定するヘッドフッド連結部材10と、ベッド本体20を吊下げる2つの吊下げ部材と、ベッド本体の幅方向の傾斜角を規制するための傾斜制御部材と、を基本構成要素として構成されている。なお、図1は、図を見易くするために、ベッド本体床面上の柱状マットユニットが省略して描かれている。
ヘッドフレーム本体1は、設置床面に近い部分に伸縮自在な足部4を有する2つのスタンドフレーム3・3と、この2つのスタンドフレームの足部同士を連結する足部連結フレーム5と、足部よりも上方で前記2つのスタンドフレーム同士を連結固定するスタンド連結フレーム6と、足部連結フレーム5の略中央とスタンド連結フレーム6の略中央とを連結する部材であって、スタンド連結フレーム6を上下動させる上下動駆動手段7aを備える上下可動フレーム部材7と、で構成されている。フットフレーム本体2は、ヘッドフレーム本体1と面対照な構造である。なお、傾斜制御部材は、少なくともヘッド側又はフット側の何れか一方に設けられる。
ヘッドフレーム本体1及びフットフレーム本体2の2つのスタンドフレームは、ベッド本体をベッド設置面から浮かせた状態で支える脚となる部分である。図1の例では、2つのスタンドフレームが、連続的一体的に形成された逆「U」字形状の一部分となっている。この形状では、設置面から立ち上がった両方の直線部分がスタンドフレーム3・3となる。
実施の形態1の「U」字状の直線部分であるスタンドフレーム3・3は、U字状の大径のパイプ(45φmm、外幅1200mm、直線部の長さ1100mm)に、円柱状の小径のパイプ(42φmm、長さ900mm)とを摺動可能に嵌め合わせた構造としてあり、足部(大径のパイプから出ている小径パイプ部分)の長さが100〜550mmの範囲で伸縮するように構成されている。
両パイプの材質は特に限定されない。例えば、鉄、アルミニウム、チタン、各種合金、プラスチックなどが使用できる。パイプ径やサイズも適宜設定すればよい。また、「U」字状に繋がっていない、各々が独立した2つのスタンドフレームを用いることができることは勿論である。
上記2つのスタンドフレームの両足部は、長さ1110mmの金属製角材(42mm×42mm))を足部連結フレーム5として用いて連結固定される。連結固定方法としは、足部に金属製角材を溶接する方法、連結固定具を用い結合する方法、両部材を直接螺合させる方法など、如何なる方法でもよい。
スタンド連結フレーム6は、スタンドフレームの足部の長さを最小とした状態で、下から800mmの位置に、45φmm、1110mmの金属製パイプをスタンド連結フレームとして用いて、足部連結フレーム5の場合と同様にして連結固定した。
上下可動フレーム部材7は、足部連結フレーム5の長さ方向の中央付近に、上下動駆動手段としての油圧シリンダ7aを固定し、当該油圧シリンダの上端に、45φmmの金属製パイプ取り付け、更にその先端をスタンド連結フレーム6の中央付近に連結固定した。更に、図1の例では、スタンド連結フレーム6の中央とU字状頂上部分との間についても同様な金属製パイプで連結した。なお、連結固定方法については何らの制限はない。上記と同様、溶接する方法、連結固定具を用い結合する方法などを用いればよい。この設定では、スタンドフレームの長さが、最大500mm伸びるようにしてある。
次に、図2、図3を参照しながら、フレーム本体1・2と吊下げ部材8との関係、ベッド本体20及びベッド本体20と吊下げ部材8との関係を説明する。図2は、吊下げ部材8を吊るしたヘッドフレーム本体1の拡大図である。図3(a)は、ベッド本体に複数の柱状マットユニットを敷き詰めた様子を示す上面図であり、図3(b)は、図3(a)の矢視断面図である。
図2より、吊下げ軸部を構成する吊下げ連結具8aを備えた吊下げ部材8を用い、吊下げ連結具8aの一方端をフレーム本体の上下可動フレーム部材7とスタンド連結フレーム6との交差部分に固定し、他方端を吊下げ部材本体の上方頂部に形成された、球体を内蔵した転がり軸受け部に差し込むことにより、吊下げ部材8本体がベッド長手方向に直交する方向(幅方向)に回動可能に構成されている。なお、転がり軸受け部は、上下可動フレーム部材7とスタンド連結フレーム6との交差部側に設けてもよい。また、吊下げ部材を回動可能にする方法は、転がり軸受け方式でない、公知の他の方式を用いてもよいことは勿論である。
また、図2の例では、下末広がり形状の吊下げ部材8の下部にベッド本体20が直接取り付けられた構造になっているが、下末広がり形状の吊下げ部材8の両端を繋ぐ部材を配置し、この部材の上にベッド本体を載置して吊下げる構造でもよい。ベッド本体20と吊下げ部材8との連結方法については、ベッド本体重量とこのベッドを利用する人体重が合算された重量を安定して支えることができる方法であればよく、特段の制限はない。例えば溶接法やボルトナットでの締結によればよい。
傾斜制御部材12は、吊下げ部材8の肩部にピンを用いたヒンジ9を介して取り付けられている。ヒンジ9を用いたのは、吊下げ部材8の回動を円滑に行わせるためである。
次にベッド本体について説明する。ベッド本体(ベッド床部保持体)は、縦枠21・21と横枠22・22とで外枠が形成され、この枠組みの内側にベッド床部23が配置された構造である。この実施の形態1においては、縦枠21・21にL字形状の部材が使用されており、横枠の上面と縦枠のL字形状の底部分と底部材の上面とが面一になるように構成され、これらの面でベッド床面が構成されている。更に、縦枠21・21のL字形状の上面に、2つの手摺り24・24が設けられている。
図3により、ベッド本体の寝床面構造について説明する。図3(b)は、図3(a)における矢視断面図である。図3(a)〜(b)に示すように、ベッド床面には、断面円形(例えば直径100mm)の複数の柱状マットユニット(ベッドマット部材)25が互いに間隔(2〜20cm程度の隙間)を空け、ベッド幅方向に平行に敷かれている。なお、柱状マットユニットは、天然ゴム製のマットケースの内部空洞に、空気とポリウレタンゲルとが充填されてなる。
円柱状マットユニットは、患者の体重が架かると横方向に広がり柱状マットユニット相互間が略平坦面となるので、その上に寝る患者に凸凹感などの違和感を殆ど与えない。また、マットユニットを円柱状とすると、圧縮反発力に強弱変化があるので、患者の僅かな動きにより皮膚へのマッサージ効果が生まれ、これが褥瘡予防効果を発揮する。特に、複数の柱状マットユニットが互いに間隔を空けて敷かれた床面であると、上記皮膚マッサージ効果が都合よく発揮され、かつベッド床面の下方から上方への通気性が向上するため、衛生面と褥瘡予防の面の双方から好ましい。
また、傾動可能ベッドのベッド床部保持体を傾斜させると、その上に保持された柱状マットユニット(ベッドマット部材)25もまた傾斜した状態となる。このとき、柱状マットユニット25の内部空洞に充填された2種類の比重及び体積弾性率の異なる流動体51・52は、図4(b)に示すように、比重の重い流動体52が重力によって傾斜下方に移動する。これにより、傾斜下方では比重の重い流動体52が多く存在し、傾斜上方では比重の軽い流動体51が多く存在することになり、傾斜上方と傾斜下方とで作用する圧縮反発力が異なるようになる。
流動体が空気とウレタンゲルとからなる本実施の形態に係る構成の場合、比重の軽い空気が軽い流動体51、ウレタンゲルが重い流動体となる。ここで、空気のほうがウレタンゲルよりも圧縮率が大きく(体積弾性率が小さく)、傾斜上方のほうが圧縮反発力が小さくなる。このため、体重が掛かり難い傾斜上方において体重による圧力を分散し易くでき、これにより患者の僅かな動きにより皮膚へのマッサージ効果が生まれ、これが褥瘡予防効果をさらに高める。
また、柱状マットユニットを互いに間隔を空けて敷かれた床面は、ベッド本体を浴槽に漬けたとき、湯水がベッド床面の上方に進出できるので都合がよい。更に、円柱状マットユニットは取り外しが容易であるので、例えば足の関節部分のマットユニットを取り外すことにより、足をベッド下方に下げ、ベッドに腰掛けた姿勢をとることができる。この姿勢であると、楽に身体を起こすことができるので、飲食物の摂取や排便の際に都合がよい。なお、汚物からの汚れを防止する目的からは、天然ゴムからなる柱状マットユニットのケース表面を、撥水性を有する樹脂フィルムなどのフィルムで覆うのがよい。
ただし、柱状マットユニットの材質は、上記構成に限定されることはない。例えば、マットケースは、ポリエチレン等を用いることができ、内部に充填される流動体としては、気体、液状体(液体、ゲル)、粉体、粒体等を用いることができる。また、柱状マットユニットの形状は、断面円形に限られず、楕円形、四角形、多角形、台形などであってもよい。また、円形と四角や三角形の柱状マットユニットなどを併用してもよい。また、高さや大きさを違えた柱状マットユニットを併用してもよい。
また、上記ではベッドの底面にベッド床部23を配置したが、これに代えて網状ベッド床部を配置してもよい。
以上に説明したように、ヘッドフレーム本体1及びフットフレーム本体2(両フレーム本体)の下端側に設けられた足部連結フレーム5と、それよりも上側に設けられたスタンド連結フレーム6は、フレーム本体の幅方向の強度を補強すると共に、足部連結フレーム5が、上下可動フレーム部材7を下方から支える役割を担い、スタンド連結フレーム6が、上下可動フレーム部材7の上下動運動をスタンドフレーム3に伝える役割を担う。これにより、例えば上下可動フレーム部材7が上方向に伸びると、スタンド連結フレーム6を介してこの力がスタンドフレーム3に伝わる。この結果、伸縮自在な足部4が伸び、スタンドフレーム3が上方に持ち上がると共に、吊下げ部材8が持ち上がる。この動きはヘッド側とフット側の双方で起きるので、ベッド本体が上方に持ち上がる。また、ベッド本体の幅方向の傾斜を制御する傾斜制御部材12により、ベッド本体の幅方向の傾斜が制御できるので、患者の体位変換を随時に行うことができる。
なお、上記では傾動可能ベッドを好適に構成するのに必要な最小の要素について説明した。よって、上記で説明した部材以外の部材を設けることができることは勿論であり、例えばフレーム本体やベッド本体の構造を補強するために、更にフレームを設けるのもよい。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、柱状ベッドマット部材25の内部空洞に充填する流動体として、比重1.0のポリウレタンゲル(第2の流動体52)と、比重0.78のシリコーンオイル(第1の流動体51)と、を用いたこと以外は、上記実施の形態1と同様である。この構成では、比重の軽い第1の流動体51の圧縮率が、第2の流動体52の圧縮率よりも小さく(体積弾性率が大きく)なっている。なお、体積弾性率や比重は、20℃、1気圧条件でのものである。
本実施の形態では、ベッドを傾斜させたときに、傾斜上方のほうが圧縮反発力が大きくなる。このため、この反発力を利用してより小さな力で患者の体位変えを行うことができる。また、傾斜下方の圧縮反発力が小さいので、体位変えによる動きを傾斜下方に多く存在する第2の流動体が吸収し、ベッドから患者が転がり落ちることを防止できる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、図5に示すように、柱状ベッドマット部材25の内部空洞に充填する流動体として、比重の異なる3種類の流動体(比重の軽いほうから順に、空気、比重0.64のポリウレタンゲル、水)を用いたこと以外は、上記実施の形態1と同様である。なお、比重は、20℃、1気圧条件での値である。また、体積弾性率の関係は、空気<ポリウレタンゲル<水である。
この構成では、図5(b)に示すように、傾斜させた時の流動体の重力方向分布が、第3の流動体(水)53と第2の流動体(ポリウレタンゲル)52とからなる領域、第3の流動体53と第2の流動体52と第1の流動体(空気)とからなる領域、第2の流動体52と第1の流動体51とからなる領域の3つとなり、より細やかに圧縮反発力を制御できる。これにより、皮膚へのマッサージ効果をより高めることができる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、図6に示すように、柱状ベッドマット部材25の内部空洞に充填する流動体として、空気(第1の流動体)51と発泡スチレンビーズ(第2の流動体)52とを用いたこと以外は、上記実施の形態1と同様である。
この構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
〔実施の形態5〕
実施の形態5に係る傾動可能ベッドの全体像を、図7に示す。実施の形態5は、図7に示すように、ベッド本体(ベッド床部保持体)30を、縦枠31と横枠32と半円状部材34とからなる構成とし、このベッド本体30がベッド床部33を保持し、ベッド本体30がスタンドフレーム3に設けられた縦フレーム35に回動可能(傾斜可能)に取り付けられていること以外は、上記実施の形態1と同様である。なお、図7は、図を見易くするために、ベッド本体床面上の柱状マットユニットが省略して描かれている。
また、ベッド本体30を傾斜させた状態で固定するストッパ(図示せず)が、半円状部材34の下部に係合するように設けられている。
この構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
〔実施の形態6〕
実施の形態6に係る傾動可能ベッドを、図8に示す。実施の形態6は、図8に示すように、ベッド床部63を保持し、且つベッド床部63を傾動させる昇降機構67を備えるベッド床部保持体69と、ベッド床部保持体69を下部より支えるベッドマット支持体64と、ベッド床部63上に保持されたベッドマット65と、を備えている。
ベッド床部保持体69は、ベッド床部63を傾動させる昇降機構67と、昇降機構67を支持する足部68とを有している。また、昇降機構67の端部及びベッド床部63の両端部には、両者を係合させる係合部67a、63aが設けられている。
ベッドマット支持体64は、ベッド床部63を支持する床部支持部62と、床部支持部62を支持する足部61とを有している。
この構造の傾動可能ベッドでは、例えば図8中右側の昇降機構67を上昇させ、左側の昇降機構を下降させるように動作させると、ベッド床部63が右上がりに傾斜した状態となり、その逆の動きをさせると、ベッド床部63が左上がりに傾斜した状態となる。昇降機構は、公知の構成を採用でき、例えば油圧を利用した構成とすることができる。
この構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
〔実施の形態7〕
実施の形態7は、図9(a)、(b)に示すように、柱状ベッドマット部材25の内部空洞に仕切り26を設けたこと以外は、上記実施の形態1と同様である。
この構成では、図9(b)に示すように、傾斜させた時の流動体の移動が、仕切り26によって制限される。これにより、傾斜下方と上方との間の圧縮反発率の差を低減できる。なお、仕切りの配置及び数は、図9に示す形態に限定されるものではない。
〔実施の形態8〕
実施の形態8は、図10(a)、(b)に示すように、仕切り26に流動体51・52の移動を可能とする孔27を設けたこと以外は、上記実施の形態7と同様である。
この構成では、図10(b)に示すように、傾斜させた際、比重の重い第2の流動体52は仕切り26の孔27を経由して傾斜下方に、比重の軽い51の流動体51は仕切り26の孔27を経由して傾斜上方に、それぞれ移動するが、仕切り26によってその移動速度が遅くなる。これにより、圧縮反発率の急激な変化を抑制できる。なお、仕切りや孔の配置及び数は、図10に示す形態に限定されるものではない。
以上で説明したように、本発明によると、ベッド床部を傾動可能に構成するとともに、ベッドマットとして、内部空洞に2種類以上の比重の異なる流動体が充填され、ベッド床部が傾斜したときに、相対的に比重の大きい流動体が傾斜下方に移動する構造を採用する。この構成の傾動可能ベッドは、特に床擦れ防止のための体位替えを必要とする寝たきり患者に有用であり、この傾動可能ベッドによると、体位替えされる患者に負担がかからず、且つ体位替えを補助する介護者の労力負担が少なくて済むと共に、ベッドマットが患者にマッサージ効果を与えるという顕著な作用効果を奏する。よって、その産業上の利用可能性は大きい。
1 ヘッドフレーム本体
2 フットフレーム本体
3 スタンドフレーム
4 足部
5 足部連結フレーム
6 スタンド連結フレーム
7 上下可動フレーム部材
7a 油圧シリンダ(上下動駆動手段)
8 吊下げ部材
8a 吊下げ軸部(吊下げ連結具)
9 ヒンジ
10 ヘッドフット連結部材
11 仮想軸
12 傾斜制御部材
20 ベッド本体(ベッド床部保持体)
21 縦枠
22 横枠
23 ベッド床部
24 手摺り
25 柱状マットユニット
26 仕切り
27 孔

30 ベッド本体(ベッド床部保持体)
31 縦枠
32 横枠
34 半円状部材
35 縦フレーム

51 第1の流動体
52 第2の流動体
53 第3の流動体

61 足部
62 床部支持部
63 ベッド床部
63a 係合部
64 ベッドマット支持体
65 ベッドマット
67 昇降機構
67a 係合部
68 足部
69 ベッド床部保持体

Claims (6)

  1. ベッド床部と、
    前記ベッド床部を多段階又は無段階に傾斜可能に保持するベッド床部保持体と、
    前記ベッド床部上に1つ又は複数配置されたベッドマット部材と、
    を備える傾動可能ベッドであって、
    前記ベッドマット部材は、内部空洞に、2種類以上の比重及び体積弾性率の異なる流動体が充填され、前記ベッド床部が傾斜したときに、相対的に比重の大きい流動体が傾斜下方に移動する構造である、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
  2. 請求項1に記載の傾動可能ベッドにおいて、
    前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが気体であり、少なくとも一つが液状体である、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
  3. 請求項2に記載の傾動可能ベッドにおいて、
    前記液状体が、ゲルである、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
  4. 請求項1に記載の傾動可能ベッドにおいて、
    前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが常温で液体状の粘弾性液体Aであり、少なくとも一つが前記粘弾性液体Aよりも比重及び体積弾性率の大きい粘弾性液体Bである、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
  5. 請求項1に記載の傾動可能ベッドにおいて、
    前記2種類以上の比重の異なる流動体のうち、少なくとも一つが常温で液体状の粘弾性液体Aであり、少なくとも一つが前記粘弾性液体Aよりも比重が大きく体積弾性率の小さい粘弾性液体Bである、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の傾動可能ベッドにおいて、
    前記ベッドマット部材は、柱状ユニットマットであり、
    前記ベッド床部の幅方向に、当該柱状ユニットマットが複数配列されている、
    ことを特徴とする傾動可能ベッド。
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